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課題

ドングリ類を不活性ガス雰囲気の中で加熱処理してドングリ活性炭を得て、工業廃水中の重金属イオン除去効果を向上させる。

解決手段

ドングリ等の粉を加熱炉2の内部で、ガス源7から供給する不活性ガスの雰囲気中で加熱処理してドングリ活性炭を作成する。前記ドングリ活性炭の粉または粒状に成形したものを重金属イオンを含む溶液中に混入して攪拌し、重金属イオンを吸着させ、その後に固形分を分離することにより、廃液中重金属イオン成分を少なくして排水することが可能になる。

概要

背景

メッキ排水のような工業廃水等に含まれる重金属イオン等は、その化合物の形態によってはきわめて有害なものであり、放水した場合には、自然界で分解されて消滅することがなく、植物や動物体内濃縮して蓄積される。そして、それ等の有害物質が含まれるものを食物として摂取した場合には、人間の体内に蓄積されて重大な障害を及ぼすという問題がある。そこで、前述したような問題を解決するためには、重金属イオンを含む廃水性質に対応させて(水酸化物硫化物沈殿法酸化還元法、イオン浮選法、吸着法等の種々の重金属イオン除去処理方法を用いて、自然界に有害物質を放出しないようにする処理を行い、それ等の有害物質が含まれるものを、人間が食物として摂取することがないようにしている。

前記重金属等の有害成分の処理方法のうち、最も一般的な方法としては、ゼオライト等のような無機質物質を使用することや、活性炭成分を使用して重金属イオンを選択的に吸着させて除去する方法が用いられる。前記活性炭を使用する重金属イオン除去方法に対しては、例えば、やし殻やもみ殻または、原料とする活性炭等のような植物を原料とするものや、石炭等を加工して作成する活性炭等を用いることが知られている。前記やし殻を原料とする活性炭や、石炭等を原料とする活性炭類は、従来より一般に用いられているものであり、その重金属イオン等の吸着性能についても多く知られていることである。これに対して、植物を原料として作成する活性炭においては、例えば、特開平1−249616号公報等に示されるものが知られており、もみ殻を加熱装置を設けたドラムの内部に収容して攪拌しながら炭素化し、灰になる直前に水または水蒸気混入して製造するものが知られている。

概要

ドングリ類を不活性ガス雰囲気の中で加熱処理してドングリ活性炭を得て、工業廃水中の重金属イオンの除去効果を向上させる。

ドングリ等の粉を加熱炉2の内部で、ガス源7から供給する不活性ガスの雰囲気中で加熱処理してドングリ活性炭を作成する。前記ドングリ活性炭の粉または粒状に成形したものを重金属イオンを含む溶液中に混入して攪拌し、重金属イオンを吸着させ、その後に固形分を分離することにより、廃液中重金属イオン成分を少なくして排水することが可能になる。

目的

本発明は、前述したような従来の吸着材料の問題を解消するもので、ドングリ等のような山の木の実類を原料として用いた新規な吸着材料を得て、重金属イオンを吸着除去する吸着材料を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

脱皮したドングリ類の実を破砕し、前記ドングリ類の破砕したものを不活性ガス雰囲気の中で200℃ないし800℃で加熱して活性を付与して製造することを特徴とするドングリ類を加工した吸着材料

請求項2

脱皮したドングリ類の実を破砕する工程と、前記ドングリ類の破砕物を不活性ガスの雰囲気の中で200℃で2時間の加熱を行って活性を付与する工程、前記活性化したドングリ類の破砕物から所定の粒度以上のものを分離する工程とを経て製造することを特徴とするドングリ類を加工した吸着材料の製造法

請求項3

前記ドングリ類の粉を不活性ガスの雰囲気の中で800℃で30分の加熱を行い、前記ドングリ類の粉に活性を付与することを特徴とする請求項1または2に記載のドングリ類を加工した吸着材料の製造法。

請求項4

前記活性化したドングリ類の粉を分離して、吸着材料として用いることを特徴とする請求項1に記載のドングリ類を加工した吸着材料。

請求項5

前記活性化したドングリ類と固着材成分とを混合して、造粒機で一定のサイズの粒状のものに成形し、吸着材料として用いることを特徴とする請求項1に記載のドングリ類を加工した吸着材料。

技術分野

0001

本発明は、鉱工業廃水に含まれる重金属イオン吸着材料とその製造方法に関し、特に、ドングリのような山の木の実類(以下ドングリ類と呼ぶ)を加工して製造する吸着材料に関する。

背景技術

0002

メッキ排水のような工業廃水等に含まれる重金属イオン等は、その化合物の形態によってはきわめて有害なものであり、放水した場合には、自然界で分解されて消滅することがなく、植物や動物体内濃縮して蓄積される。そして、それ等の有害物質が含まれるものを食物として摂取した場合には、人間の体内に蓄積されて重大な障害を及ぼすという問題がある。そこで、前述したような問題を解決するためには、重金属イオンを含む廃水性質に対応させて(水酸化物硫化物沈殿法酸化還元法、イオン浮選法、吸着法等の種々の重金属イオン除去処理方法を用いて、自然界に有害物質を放出しないようにする処理を行い、それ等の有害物質が含まれるものを、人間が食物として摂取することがないようにしている。

0003

前記重金属等の有害成分の処理方法のうち、最も一般的な方法としては、ゼオライト等のような無機質物質を使用することや、活性炭成分を使用して重金属イオンを選択的に吸着させて除去する方法が用いられる。前記活性炭を使用する重金属イオン除去方法に対しては、例えば、やし殻やもみ殻または、原料とする活性炭等のような植物を原料とするものや、石炭等を加工して作成する活性炭等を用いることが知られている。前記やし殻を原料とする活性炭や、石炭等を原料とする活性炭類は、従来より一般に用いられているものであり、その重金属イオン等の吸着性能についても多く知られていることである。これに対して、植物を原料として作成する活性炭においては、例えば、特開平1−249616号公報等に示されるものが知られており、もみ殻を加熱装置を設けたドラムの内部に収容して攪拌しながら炭素化し、灰になる直前に水または水蒸気混入して製造するものが知られている。

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、前記もみ殻を原料とする活性炭は、もみ殻を有効活用する点では、効果があると考えられるものの、他の活性炭に比較して特に顕著な効果を奏するものとは考えられない。また、特公昭60−37048号公報等に示されるように、古米のような穀類を原料とする活性炭を用いる場合には、オガ屑等を原料とする活性炭に比較して、ガス吸着効果をより良く発揮できるものといわれるが、原料として用いる穀物の価格が問題となる。前記植物を原料とする活性炭においては、例えば、木炭や、やし殻活性炭に比較したデータが少ないために、実際の効果の程度が容易に確認できないものである。

0005

前記活性炭を用いて、廃水中に含まれる重金属イオンを吸着させて除去する手段は、従来より一般に用いられているものである。ところが、最も多く使用されているやし殻活性炭の場合でも、銅イオンカドミウムイオン等が混合された廃水等のように、複数種類の重金属イオンが混じった廃水に対しては、十分な効果を奏し得ない場合がある。そこで、従来は無視されていた新規な材料を加工して、従来のやし殻活性炭に比較して、重金属イオンの吸着効果の大きな吸着材料を開発することが模索されているのが現状である。

0006

本発明は、前述したような従来の吸着材料の問題を解消するもので、ドングリ等のような山の木の実類を原料として用いた新規な吸着材料を得て、重金属イオンを吸着除去する吸着材料を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、ドングリ類を加工した吸着材料に関する。本発明の請求項1の発明は、脱皮したドングリ類の実を破砕し、前記ドングリ類の破砕したものを不活性ガス雰囲気の中で200℃ないし800℃で加熱して活性を付与して製造することを特徴とする。請求項2の発明は、脱皮したドングリ類の実を破砕する工程と、前記ドングリ類の破砕物を不活性ガスの雰囲気の中で200℃で2時間の加熱を行って活性を付与する工程、前記活性化したドングリ類の破砕物から所定の粒度以上のものを分離する工程とを経て製造することを特徴とする。

0008

請求項3の発明は、前記ドングリ類の粉を不活性ガスの雰囲気の中で800℃で30分の加熱を行い、前記ドングリ類の粉に活性を付与することを特徴とする。請求項4の発明は、前記活性化したドングリ類の粉を分離して、吸着材料として用いることを特徴とする。請求項5の発明は、前記活性化したドングリ類と固着材成分とを混合して、造粒機で一定のサイズの粒状のものに成形し、吸着材料として用いることを特徴とする。

0009

前述したようにして作成するドングリ類を加工した吸着材料は、自然に多量に産出されるドングリ類を原料としているために、原料の入手が容易であり、吸着材料としての加工も容易に行うことができる。そして、特に重金属イオンに対する吸着性能を良好に発揮可能であり、還元処理を複数回繰り返してもその重金属イオン吸着効果を発揮可能である。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下に、本発明のドングリ類を加工した吸着材料の製造法を説明する。本発明においては、雑木林に多量に産出されるが、有効に利用されることの少ないドングリを原料とする場合を例にして説明する。前記吸着材料は、粉砕機を用いて粉にしたものを原料として用いるが、前記乾燥したドングリは、非常に堅くて楕円形のものであり、単純なすりつぶし作用を行うような粉砕機は使用しがたいものであるために、インパクトクラッシャー等のような粉砕機を用いると良い。また、前記ドングリの表皮は、吸着材料としての作用を発揮し得ないものと考えられるので、あらかじめ表皮を剥離したものを原料として用いた。

0011

前記吸着材料を製造するに際しては、例えば、図1に示すような製造装置1を用いることができる。前記製造装置1においては、ヒータ3を設けた加熱炉2の内部に、回転手段に接続した処理用炉心管5を配置して、その炉心管5の内部にドングリ6を収容して、前記炉心管を回転させながらヒータにより加熱する。前記ドングリ6を収容する炉心管5に対しては、ガス源7から不活性ガスを供給して、蒸し焼き状態での処理を行う。なお、前記ドングリの加熱処理に際して、加熱を開始してから一定の時間が経過すると、原料に含まれる水分やガス成分の排出がなくなるので、その後には、ガス源からの不活性ガスの供給を減少させ、炉心管から排出されるガスをガス還流パイプ8を介して供給する手段を設けることが可能である。また、前記パイプ8にはバルブ9を配置して、ガス源7と使用済みガス切り換えを行うこと、および、余分なガスを大気に排出手段を設けること等が可能であり、ガス源から供給する不活性ガスの使用量を少なくすることもできる。

0012

前記製造装置を用いてドングリを原料とした吸着材料を製造する際には、前記炉心管にドングリの粒または粉を収容し、前記回転ドラムの中に不活性ガスを供給しながら、200℃ないし800℃範囲の温度で所定の時間加熱し、多孔質の活性化(炭化)した吸着材料(以下「ドングリ活性炭」と呼ぶ)を作成する。前記ドングリ活性炭を製造する場合には、例えば、COガスを供給しながら250℃で2時間の加熱処理を行って製造することが可能であるが、600℃で20分の加熱処理を行っても、ほぼ同様な性質を持つ吸着材料を製造できた。

0013

したがって、本発明の吸着材料を製造する場合には、200〜800℃の範囲で、20分〜2時間の加熱時間を適宜選択して製造が可能であり、前記COガスを賦活材として供給する場合には、焼成されるドングリから発生するガスに反応して、CO2 ガスとして排出される。また、前記ドングリの焼成に際しては、他の不活性ガスを使用しても良く、ドングリの焼成に使用した熱源排気を導入しても良い。前記焼成の排ガスを不活性ガスとして使用する場合には、前記排気中に若干の酸素が含まれても、ドングリ活性炭の製造には大きな問題は生じないと考えられる。

0014

前記ドングリ活性炭の粉成分を利用する場合には、炭化処理したものをスクリーンを用いて分離し、65メッシュのスクリーンを通過する粉成分(0.2mm以下)を、試験用の吸着材料として使用する。もちろん、ドングリの活性炭を粉砕処理しながら粉状のものを順次除去し、粒がなくなるまで処理することにより、前記0.2mmのスクリーンを通過する粉状のものとして全部を処理することも、必要に応じて容易になし得ることである。

0015

前記吸着材料を粒状のもので用いる場合には、ドングリの粉を加熱処理して活性化させた後で、例えば、水ガラスのような固化剤成分を混合して造粒し、3〜10mmの径を有する球状または偏平な粒に成形することや、径が5〜10mmで任意の長さのものとして成形することができる。前記ドングリ活性炭の造粒を行う場合には、前記活性炭の粉に固化材成分として珪藻土を10%程度と水分を添加して造粒し、所定の温度で所定の時間焼成したものを用いることができる。また、前記粒状のドングリ活性炭を形成する場合には、乾燥させたドングリを荒く粉砕してから炭化処理を行い、炭化されたものに固化材成分を混入して所定の大きさの粒として造粒することができる。

0016

前記固化材として用いる材料は、吸着材料の粒から離間させないように保持できる性質を有するものを用いるが、水ガラスに限られることはなく、その他に、溶液中に長時間混入したままの状態で、粒の形状を維持できるものであれば、市販されている任意の固化剤成分を用いることができる。また、前記固化剤成分は、ドングリ活性炭の微粒子の隙間を埋めることが少なく、その微粒子自体が保有する微小空隙を塞ぐことが少ないような性質を持つものが適している。

0017

本実施例に使用するドングリを分析した結果を表1に示している。

0018

ドングリ粉末の分析値
ID=000003HE=070 WI=072 LX=0240 LY=0600

0019

小規模の装置を用い、前記ドングリ活性炭による重金属イオン吸着除去の効果を測定するために、図2フローチャートに示すようにして行った。前記図1において、重金属イオンの1種類を単独に含む溶液または混合溶液に対して、粉末状のドングリ活性炭を用いる場合には、ドングリ活性炭を添加し(工程a−1)、混合溶液を攪拌しながらドングリ活性炭に重金属イオンを吸着させる処理を行う(工程a−2)。そして、所定の時間が経過してから、ろ過装置を用いてろ過(工程a−3)して、残渣とろ液に分離する。

0020

前記a−3の工程で得られる残渣(a−4)は、そのほとんどが重金属イオン成分を吸着したドングリ活性炭であるから、それを回収して酸溶液洗浄し、吸着した重金属イオン成分を分離してから、残ったドングリ活性炭成分を不活性ガスの雰囲気の中で加熱して、再び活性化を付与する処理(a−5)を行うことにより、繰り返して使用することができる。また、工程a−6で得られたろ過液は、重金属イオンが残っているものであるから、その液中に残っている重金属イオン成分を原子吸光光度計を用いて分析(a−7)することにより、ドングリ活性炭に吸着されずに残った重金属イオンの分量のデータを得ることができる。なお、以下に示す実験例において、溶液のpH値は、処理作業の後での溶液の再使用または放流を考慮して、弱酸性ないし中性付近のpH領域で行う。

0021

ドングリ活性炭の粒状に加工したものを用いる場合には、前記図2フローシートに示すように、重金属イオンを含む溶液に対して粒状化した吸着材料を添加(b−1)し、立型上向流通法の装置を用いて溶液を一定時間空気を導入して攪拌後(b−2)、工程b−3で固液分離を行い、固形物(b−4)と溶液(b−6)に分離する。前記分離された固形物は重金属イオンを吸着しているものであるから、それを回収して酸溶液で洗浄し、吸着した重金属イオン成分を分離してから、残ったドングリ活性炭成分を不活性ガスの雰囲気の中で加熱して、再び活性化を付与する処理(b−5)を行うことにより、繰り返して使用することができる。また、分離された溶液には吸着材料に吸着されずに残留する重金属イオン成分があるので、その量を分析(b−7)して、データを得るようにする。

0022

前記表1に示すドングリのあく抜き処理したものと、あく抜きしないものとをそれぞれ用いてドングリ活性炭を作成したものと、粉末処理のみを行い炭化処理しない生のドングリとの3種類を用いて、重金属の除去性能を確認する試験を行った結果を図3グラフに示している。この図2のグラフにおいて、横軸にドングリ活性炭の添加量(g/リットル)を示し、縦軸除去率を示しているもので、Zn2+イオンが50ppm 含まれる溶液を対象として行ったものであるが、生のドングリの場合には、添加量を増加させても亜鉛イオンの吸着除去効果が非常に少ないものであることが判明した。これに対して、ドングリ活性炭においては、あく抜きを行ったものが、あく抜きをしないものに比較して吸着除去効果が低下すること、が判明した。これは、ドングリのあく抜き処理を行ったことにより、ドングリ活性炭の吸着作用に影響するエキス分いくらか分解されたためとも考えられる。つまり、本実施例では、吸着材料の原料としてドングリを粉砕したものを対象として炭化処理を行い、活性炭として作成したものが、良好な結果を得るための条件となると考える。

0023

前記実施例1に示した工程を経て、重金属イオンのうちZn(亜鉛)イオンとCd(カドミウム)イオンをそれぞれ単独に含む溶液を用いて、ドングリ活性炭による吸着除去の効果を測定した。その結果を表2に示すが、この実施例においては、Zn成分は50mg/リットル、Cd成分は10mg/リットルの濃度のものを用いており、重金属イオンを含む溶液にドングリ活性炭を5〜10g/リットルの比率で混入し、その溶液のpHの調整を行って、重金属イオンの吸着除去率を求めた。そして、市販の活性炭とドングリの粉末および、ドングリ活性炭を使用する場合の比較を行って、表2に示すような実験データを得ることができた。

0024

前記表2に見られるように、ドングリの生の粉末をそのまま使用して、重金属イオンの除去を行った場合には、市販の活性炭と比較しても大きな効果は見られない。しかし、ドングリを活性化したドングリ活性炭を使用する場合には、Znイオンと、Cdイオンをそれぞれ単独に含む溶液に対しては、重金属イオンの除去効果が著しく向上することが認められる。

0025

重金属イオンの単独溶液の場合
ID=000004HE=035 WI=076 LX=0220 LY=0450
前記実施例1に示した工程を経て、重金属イオンのうちZn(亜鉛)イオンとCd(カドミウム)イオンを混合した溶液を用いて、ドングリ活性炭による吸着除去の効果を測定した。その結果を表3に示すが、この実施例においては、1リットル中にZn成分を50mg、Cd成分を10mg含む試料を作成し、ドングリ活性炭を1g/リットルの比率で混入し、その溶液のpHの調整を行って、重金属イオンの吸着除去率を求めた。そして、市販の活性炭とドングリの粉末および、ドングリ活性炭を使用する場合の比較を行って、表3に示すようなデータを得た。前記表3に見られるように、ドングリの粉末をそのまま使用して、重金属イオンの除去を行った場合には、市販の活性炭と比較しても大きな効果は見られないが、ドングリを活性化したドングリ活性炭を使用する場合には、ZnイオンとCdイオンとを混合した溶液に対しても、重金属イオンの除去効果が著しく向上することが認められる。

0026

ZnとCdの混合溶液の場合
ID=000005HE=035 WI=074 LX=0230 LY=1750

0027

前記ドングリ活性炭の粉状または粒状のものは、重金属イオンの吸着分離に使用した後で、酸溶液を用いて洗浄して吸着した重金属イオン成分を分離してから、乾燥させた後で残ったドングリ活性炭成分を不活性ガスの雰囲気の中で加熱して、再び活性を付与することにより、再使用することができる。そして、粉状のドングリ活性炭に含まれる微粒子成分を除去してから新しいドングリ活性炭を追加し、それ等を混合したものを重金属イオンの吸着に使用する。また、ドングリ活性炭の粒状のものでは、例えば、5mmの粒として作成したドングリ活性炭の場合に、5mmのスクリーンを通過したものは、新しい粉末状のドングリ活性炭と固化材成分を混合して、所定の大きさの粒を作成する。また、前記粒の状態によっては、スクリーンを通過したものを再び粉砕してから造粒工程に戻して、新しいドングリ活性炭を混合して造粒することにより、繰り返して使用することも可能である。前記再造粒する際には、前記洗浄した後では、水分が比較的多く残留しているものであるから、固化材成分として珪藻土を10%程度を添加することにより、吸着材料に残留する水分を用いて造粒し、400℃で30分間焼成して粒状のドングリ活性炭を再び作成することができる。

0028

なお、前述した本発明の実施例においては、ドングリを用いた場合について説明したが、前記ドングリは、特定の種類のドングリに限定されるものではなく、その他に、の実やその他の山に多量に産出される木の実類を対象とすることが可能である。そして、任意の種類の山の木の実を乾燥してから粉砕し、所定の温度で加熱して活性化処理することにより、吸着材料を作成することができるものである。

0029

図4図8に示すグラフは、各種の金属イオンを対象として、本実施例に示す粉末状の吸着材料(ドングリ活性炭)を使用する場合の試験結果を示している。図4のグラフでは、Fe2+、Cd2+、Cu2+、Zn2+、Cr6+の各種の金属イオンを対象として、ドングリ活性炭の還元粉末を用いた除去試験を行ったもので、6値クロム以外は10g/リットルの添加量で、85〜90%の除去効率を得ることができた。また、5g/リットルの溶液中での金属イオン除去率を、前記各種の金属イオンにおける溶解度積と対比すると、Cd=10-14 、Fe=10-15 、Cu=10-19 、Zn=10-29 、Zn=10-31 であることから、前記溶解度積の大きい金属イオン程、吸着除去率が高いことと対比している。

0030

図5のグラフは、Cu2+イオンと他の金属イオンの1種とを混合した溶液を対象として、吸着材料による除去試験を行った結果を示しているもので、Cu2+イオン100ppm に対して、他の金属イオンを括弧内に記載する量(ppm )ずつ混合したものを対象としている。なお、このグラフおよび以下に示すグラフにおいて、(還元)として示すものと、(アク抜き)で示すものとの2種類のデータを表示しているが、ドングリ活性炭のあく抜きをしないものを炭化処理したものの方が良い結果を示している。また、前記図5のグラフにも見られるように、単独の金属イオンに対する場合に比較して、銅イオンの吸着効率が低下することは避けられないものであるが、吸着材料を10g/リットル以上添加することにより、単独イオンの場合と同様な除去効率を得ることは可能と考えられる。

0031

図6のグラフは、Zn2+イオンと他の金属イオンとを混合した溶液を対象として、Zn2+イオンの除去に及ぼす影響を示している。また、図7のグラフはCd2+イオンと他の金属イオンとを混合した溶液を対象として、Cd2+イオンの除去に及ぼす影響を示している。さらに、図8のグラフはCr6+イオンと他の金属イオンとを混合した溶液を対象として、Cr6+イオンの除去に及ぼす影響を示しているものである。前記図6図8のグラフに見られるように、いずれも単独イオンの場合よりは吸着除去効率が低下することが示されているものであるが、特に、Cr6+イオンの場合は、Fe2+イオンとの混合溶液以外は、除去効率が良い値を示していない。

0032

図9図12に示す各グラフでは、顆粒状のドングリ活性炭を用いた場合に、Cd2+イオンの除去効率を示しているものであり、対象とする溶液にはZn2+イオンを50ppm と、Cd2+イオンを10ppm 混合したものを用い、10分間攪拌した場合を示している。図9、10では亜鉛イオン(Zn2+)の除去効率を示しており、図11、12では、カドミウムイオン(Cd2+)の除去効率を示している。前記各グラフでは粉末活性炭と、顆粒状のドングリ活性炭とを用いて除去効率を比較したもので、1回目の処理を行った後で吸着材料を除去し、その残りの液中に再び吸着材料を加えて処理した場合を示しているものである。

0033

前記図10、12の各グラフに見られるように、10分間の攪拌の後で、2時間放置して反応時間を長く設定する場合には、吸着材料の添加量を50g/リットルに設定しても、十分な効果を奏することができるものとなる。また、一般的な吸着反応の傾向から見て、攪拌を複数回繰り返すことにより、吸着効率を向上させることが可能になると考えられるものであり、吸着材料の使用量を減少させることが可能になるものとも推定される。なお、前記各実験において、液中に混入した吸着材料を分離する際に、粉末の場合には、顆粒状のものに比較して3〜4倍の時間を必要とするものであり、作業効率の点から考えると、顆粒状の吸着材料を使用する方が良い。前記顆粒状または粒状の吸着材料を使用する場合に、液中に混合して攪拌する際に、粒同士が衝突して破損するという問題があり、吸着材料の粒の機械的な強度を向上させることが必要となることが判明した。

0034

前記ドングリ活性炭を用いて、重金属を含む廃水の処理を行うために、図13に示すような装置を用いることができる。この実施例では、処理槽10の内部に廃水13と吸着材料14とを混入し、下部から空気を噴出させて攪拌する手段を用いている。前記処理槽10の下部には、吸着材料の沈殿を抑制するためのフィルター11を設けているが、このフィルター11は、内部に噴出させる空気の泡を形成させるためにも利用される。前記空気供給手段としては、空気供給タンク15からバルブ17を設けたエアーパイプ16を配置し、処理槽10の下部に噴出管18を設けている。そして、必要に応じて、バルブを開閉して、槽内の液に対する攪拌作用を行わせるようにして、吸着材料による重金属の吸着作用を促進させるようにする。また、処理した液は、フィルターを通して固液分離を行い、バルブ12を介して処理済み液を排出させてから、フィルター11に残った吸着材料を処理槽の側部に設ける開口等(図示を省略)を介して取出し、再活性化処理を行ってから再使用に供給することもできる。

0035

前記図13のような処理装置は、少量の廃水の処理に適応させて構成するが、大量の廃水の処理を行う場合には、図14に示すような処理装置20を構成することができる。前記図14に示す処理装置20においては、複数の処理槽21、21a、21b……を配置し、原液タンク25と処理済み液タンク28とに各々接続している。本実施例の装置においては、処理槽の内部にはフィルター22……を各々配置しており、前記図13の例と同様に、空気供給手段から吹き込まれるエアーをフィルターを介して小さな気泡とし、処理液の攪拌作用を行わせるためにも使用する。前記空気供給手段としては、空気供給タンク15からバルブ17を設けたエアーパイプ16を配置し、処理槽21の下部に噴出管18を設けることができる。

0036

図14の装置20においては、処理槽21……を大量の処理液を収容可能なものとして構成し、各処理槽に向けて、指定した処理槽に対するバルブ23を開いて、原液タンク25から供給パイプ26を介して供給する。それと同時に、図示を省略した吸着材料供給装置から、タンクの容量に対応させた吸着材料を供給して、槽内でエアーによる攪拌を行って、吸着材料に重金属を吸着させる処理を行う。なお、1つのタンク内での処理のために、例えば、2時間を必要とする場合には、並列させて配置している他のタンクを順次使用して、処理作業を並列的に行わせる。そして、処理が終了したタンクからは、フィルターを通して固液分離して、処理済みの液はバルブ24、排水パイプ27を介してタンク28に貯留し、バルブ29を開いて排水することも可能である。また、使用済み活性炭は、処理槽に設けた側部のバルブ等の排出部(図示を省略)を介して抜き取り、吸着した重金属を除去てから脱水し、再生してから吸着材料として再び用いることができる。

0037

前記処理装置20において、処理タンク21内で固液分離を行わない場合には、所定の時間経過後にフィルター22を外してパイプ27を通してタンク28に直接排出させる。そして、前記タンク28内で固体を分離して、分離した液体のみを排水させるようにすることもできるが、吸着材料として粉状のものを使用する場合には、処理槽内でフィルターによる分離を行わずに、処理槽から全部を排出させて、タンク28内で粉体の分離を行うと、分離作業を容易に行うことが可能になる。そして、前述したようにして、処理済み液から分離した吸着材料は、再活性化処理を行ってから、再使用することができる。なお、前記本実施例に示した装置は、従来の廃水処理装置と同様に構成することができるものであり、吸着材料による重金属の分離のための装置を任意に構成することができる。さらに、処理槽内部での攪拌のためには、粉状の吸着材料を使用するものでは、機械的な攪拌装置を用いても良いが、処理槽内での機構を簡素化するためには、空気の吹き込みによる攪拌機構を用いると、効率良く攪拌を行い得て、吸着材料の破損を少なくすることができる。

発明の効果

0038

本発明のドングリ類を加工したドングリ活性炭は、前述したようにして作成するものであり、自然に多量に産出されるドングリ等の山の木の実を原料としているために、原料の入手が容易であり、ドングリ活性炭の加工も容易に行うことができる。そして、特に重金属イオンに対する吸着性能を良好に発揮可能であり、還元処理を複数回繰り返してもその重金属イオン吸着効果を発揮可能である。また、ドングリ活性炭を重金属イオンの吸着除去に使用する場合には、市販の活性炭に比較して大きな効果を奏するものであるから、除去作業に多くの薬剤等を使用していたZnイオンや、Cdイオン等のような成分を含む工業廃水に対しても、容易に重金属イオンの除去処理を行うことができる。

図面の簡単な説明

0039

図1ドングリ活性炭の製造法の説明図である。
図2ドングリ活性炭による廃水処理のフローチャートである。
図3ドングリの各種の材料による試験結果を示すグラフである。
図4種金属イオンの吸着除去率の関係を示すグラフである。
図5Cu2+イオンと他の金属イオンとの混合物におけるCu2+イオンの除去率のグラフである。
図6Zn2+イオンと他の金属イオンとの混合物におけるZn2+イオンの除去率のグラフである。
図7Cd2+イオンと他の金属イオンとの混合物におけるCd2+イオンの除去率のグラフである。
図8Cr6+イオンと他の金属イオンとの混合物におけるCr6+イオンの除去率のグラフである。
図9顆粒状ドングリ活性炭による亜鉛の除去率のグラフである。
図10顆粒状ドングリ活性炭を用い、2時間放置の場合の除去率のグラフである。
図11顆粒状ドングリ活性炭による亜鉛の除去率のグラフである。
図12顆粒状ドングリ活性炭を用い、2時間放置の場合の除去率のグラフである。
図13廃水処理装置の説明図である。
図14廃水処理装置の別の例の説明図である。

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