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技術 構造体の力学的変形の解析方法及び構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 木下健生
出願日 1997年9月22日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 1997-256917
公開日 1999年4月9日 (21年8ヶ月経過) 公開番号 1999-096199
状態 未査定
技術分野 CAD
主要キーワード 作用点位置 最小ループ 分配則 相対変換 計算手続き 局所エネルギ エネルギー単位 緩和操作
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

従来の差分法のように簡潔であって、かつ非常に少ない記憶空間において実行できるものでありながら、有限要素法よりも短時間で精度の良い解を求めることのできる、構造体の力学的変形の解析方法を提供する。

解決手段

構造体上に配置された代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括り、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、総エネルギーが最小になる代表点配置を求める。

概要

背景

構造体の力学的変形を解析する解析方法として、従来より差分法有限要素法境界要素法等に分類される諸方法が用いられてきた。

この中で、特に有限要素法は、精度の高い回答を1回若しくはごく少ない反復回数で得ることができるため、実用性の高い方法として従来より広く用いられている。

概要

従来の差分法のように簡潔であって、かつ非常に少ない記憶空間において実行できるものでありながら、有限要素法よりも短時間で精度の良い解を求めることのできる、構造体の力学的変形の解析方法を提供する。

構造体上に配置された代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括り、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、総エネルギーが最小になる代表点配置を求める。

目的

本発明はこのような問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、従来の差分法のように簡潔であって、かつ非常に少ない記憶空間において実行できるものでありながら、有限要素法よりも短時間で精度の良い解を求めることのできる、構造体の力学的変形の解析方法及び構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、構造体上に配置された前記代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括り、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求めることを特徴とする構造体の力学的変形の解析方法。

請求項2

構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、解析領域の境界上等にあって位置が決められている点を固定点とするとき、前記固定点でない全ての代表点につき、最も近い固定点からの距離数に対応する高さ指標初期値を設定する第1の手順と、この第1の手順で設定した高さ指標が最大の代表点を中心代表点として、この中心代表点に設定された高さ指標から登録高さを設定するといった処理を、固定点でない代表点の全てについて1回ずつ行う第2の手順と、この第2の手順で設定した登録高さの値の小さい方から順次着目し、それを中心代表点とする境界の系列を求める第3の手順とを備え、前記境界に交わるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求めることを特徴とする構造体の力学的変形の解析方法。

請求項3

前記境界のうち1つのものが他のものに完全に収まる入れ子の関係にある複数のものについて、前記相移動操作必要量を連続して求めるとともに、前記複数の境界に関連する各代表点の移動は、それら境界のうち、その代表点を囲む全てのものに関連する前記相対移動操作の必要量を積算したものについて一度に行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の構造体の力学的変形の解析方法。

請求項4

構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、構造体上に配置された前記代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括る手順と、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求める手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

請求項5

構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、解析領域の境界上等にあって位置が決められている点を固定点とするとき、前記固定点でない全ての代表点につき、最も近い固定点からの距離数に対応する高さ指標の初期値を設定する第1の手順と、この第1の手順で設定した高さ指標が最大の代表点を中心代表点として、この中心代表点に設定された高さ指標から登録高さを設定するといった処理を、固定点でない代表点の全てについて1回ずつ行う第2の手順と、この第2の手順で設定した登録高さの値の小さい方から順次着目し、それを中心代表点とする境界の系列を求める第3の手順とを備え、この境界に交わるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求める第4の手順と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、外部から強制された条件に対する弾性体などの構造体の変形を計算的予測する、構造体の力学的変形の解析方法及び構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。

背景技術

0002

構造体の力学的変形を解析する解析方法として、従来より差分法有限要素法境界要素法等に分類される諸方法が用いられてきた。

0003

この中で、特に有限要素法は、精度の高い回答を1回若しくはごく少ない反復回数で得ることができるため、実用性の高い方法として従来より広く用いられている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、この有限要素法は、代表点個数が増えるに従って、作業に必要なメモリ空間や計算時間が極端に増えるといった問題があった。

0005

また、差分法の範疇で以前より用いられている、Successive Over Relaxation(SOR)法などの計算方法においては、個々の点を動かして緩和を追求するのみであるため、格子の上における現象伝わり方は遅い。こうした伝わり方の限界は、差分法の基礎理論であるCourant 数の考え方見積もることができる。差分法においては、近距離の緩和は比較的速やかに行われ、滑らかな形状が得られるものの、最もマクロ視野における計算上の応力の伝達が遅れ、多くの繰り返し回数が欠かせないものになっている。

0006

すなわち、差分法は、1回の計算手続き自体は簡単なものであり、メモリの必要量も少なくてよいといった利点があるが、構造体を対象とする場合、例えば梁や柱、薄い板などの曲げの問題に対しては、解の収束が極端に遅いといった問題があった。そのため、差分法は、構造体の分野の計算において利用されることはほとんどない。

0007

本発明はこのような問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、従来の差分法のように簡潔であって、かつ非常に少ない記憶空間において実行できるものでありながら、有限要素法よりも短時間で精度の良い解を求めることのできる、構造体の力学的変形の解析方法及び構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の構造体の力学的変形の解析方法は、構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、構造体上に配置された前記代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括り、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求めるものである。

0009

また、本発明の請求項2記載の構造体の力学的変形の解析方法は、構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める解析方法であって、解析領域の境界上等にあって位置が決められている点を固定点とするとき、前記固定点でない全ての代表点につき、最も近い固定点からの距離数に対応する高さ指標初期値を設定する第1の手順と、この第1の手順で設定した高さ指標が最大の代表点を中心代表点として、この中心代表点に設定された高さ指標から登録高さを設定するといった処理を、固定点でない代表点の全てについて1回ずつ行う第2の手順と、この第2の手順で設定した登録高さの値の小さい方から順次着目し、それを中心代表点とする境界の系列を求める第3の手順とを備え、前記境界に交わるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求めるものである。

0010

また、本発明の請求項3記載の構造体の力学的変形の解析方法は、請求項1又は2のいずれかに記載のものにおいて、前記境界のうち1つのものが他のものに完全に収まる入れ子の関係にある複数のものについて、前記相移動操作の必要量を連続して求めるとともに、前記複数の境界に関連する各代表点の移動は、それら境界のうち、その代表点を囲む全てのものに関連する前記相対移動操作の必要量を積算したものについて一度に行うものである。

0011

また、本発明の請求項4記載の構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める構造体の力学的変形の解析方法において、構造体上に配置された前記代表点を種々の大きさの閉じた境界によって括る手順と、その境界の内外双方の代表点からの関数として定義されるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求める手順とからなるプログラムを記録したものである。

0012

また、本発明の請求項5記載の構造体の力学的変形の解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、構造体上に離散的に配置された有限個の代表点の位置の関数であって、互いに近接する数個の代表点の位置から定義される局所エネルギーの総和である総エネルギーを最小とすることを条件として、前記代表点の位置の全体を求める解析方法であって、解析領域の境界上等にあって位置が決められている点を固定点とするとき、前記固定点でない全ての代表点につき、最も近い固定点からの距離数に対応する高さ指標の初期値を設定する第1の手順と、この第1の手順で設定した高さ指標が最大の代表点を中心代表点として、この中心代表点に設定された高さ指標から登録高さを設定するといった処理を、固定点でない代表点の全てについて1回ずつ行う第2の手順と、この第2の手順で設定した登録高さの値の小さい方から順次着目し、それを中心代表点とする境界の系列を求める第3の手順と、この境界に交わるところの前記局所エネルギーの和をほぼ最小となるまで緩和するために、その境界内部の代表点のみの全体を並進及び回転させる相対移動操作を繰り返すことにより、前記総エネルギーが最小になる代表点配置を求める第4の手順とからなるプログラムを記録したものである。

0013

すなわち、本発明の特徴は、従来の差分法と比較した場合、代表点をまとめた閉領域を見いだして、その内部の点全体の並進及び回転の移動を行った場合の領域境界部でのエネルギーの最小化を追求することにある。

0014

すなわち、本発明者は、点に関する緩和(これは、従来行っている)に加え、大小の領域を仮定して、その境界に関する緩和計算を指向した。その結果、計算上、距離的にはかなり離れた局所エネルギー同士でも、一つながりの境界に関わることから、相互の関連が力の釣り合いとして評価され、計算上の応力が遠くまで一時に伝わることになる。結果的に、代表点の数が多いモデルについても、大局的な収束が速やかに得られるようになる。

0015

しかしながら、マクロな緩和計算のみでは、よりミクロな視野で見た場合、ごつごつした形状がそのまま残ることになる。このことから、本発明者は、いろいろな観点で不自然な収束を効率良く得るには、点(これは最も小さい領域である)から最も大きな領域に至るいろいろな大きさの境界を組み合わせることが大切であるという結論に至り、本発明の解析方法に至った。

0016

本発明においては、このように大小の領域を組み合わせて用いるが、この際、領域の大きさ等に関する組み合わせ方の原則として設定したのは、次の3つの事柄である。すなわち、〔1〕最も大きな領域は、解析モデル上設定可能な最大の大きさの程度とする。〔2〕領域を、最も小さなもの(点)から最も大きなものまで、寸法の対数について類別した場合、各代表点は、各類に属する領域にほぼ等しい確率で関わりを持つ(含まれる)。〔3〕個々の類に属する領域は、解析にかかる全領域を、だいたい等しい確率で覆う。

0017

〔1〕の原則は、全体的に最も速やかな収束を得るための配慮であり、〔2〕及び〔3〕の原則は、ミクロからマクロまでに至るさまざまな視野において、不自然でない必要十分な収束を速やかに得るための配慮である。以下に説明するアルゴリズムは、これら原則〔1〕〜〔3〕を満たすものであり、結果的に、十分に速やかにして滑らかな計算結果が得られている。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

0019

本発明で設定すべき領域は、運動量の出入りの少ない領域であるので、外部に接続して形状を固定された境界上の点は含まない(このような領域では囲まない)。ここで、解析領域の境界上等にあって位置が決められている点を「固定点」と称する。従って、構造体の表面等にある点であっても、空気等に接するなどして位置が移動するが、運動量の出入りのない点は、「固定点」ではない。

0020

以下に、前記した原則〔1〕〜〔3〕に従って領域を設定し、数値計算を行うためのアルゴリズムについて説明する。

0021

〔手順0の説明〕各時点々々で値を持つ手元値(グローバルな値)として、「アップデート数」m0 、「距離数」nnew 、「高さ指標」hnew 、「中心高さ指標」h0 、「登録高さ」H0 を用いる。以上はいずれも整数である。

0022

また、いずれも代表点に対するポインタを内容とする「高さ指標hを添字とするリスト」、「中心代表点の順序のリスト」、「距離数nを添字とするリスト」、及び「距離数nと、対応する代表点とを添字とする作用代表点のリスト」を使用する。

0023

「高さ指標hを添字とするリスト」は、ゼロから始まる整数を添字とするリストの配列であり、この個々のリストは、見出された任意の要素の削除操作ができる双方向リストであることが望ましい。

0024

「中心代表点の順序のリスト」は、単一のリスト又は配列である。「距離nを添字とするリスト」は、ゼロから始まる整数をそれぞれ添字とするリスト(又は配列)の配列である。

0025

「距離数nと、対応する代表点とを添字とする作用代表点のリスト」は、「距離数」nと、「距離nを添字とするリスト」の中の位置とを添字として、対応する代表点に近接するとともに、距離数nが1だけ大きい作用代表点を記録するリストである。

0026

これらリストの初期状態は、いずれも空である。また、各代表点に対応する「アップデート数」mの初期値としては、−1以外の何らかの数字が設定される。

0027

個々の代表点に付随する情報としては、「アップデート数」m、「高さ指標」h、「登録高さ」Hが収められる。これらはいずれも整数である。また、各点に「近接」する点がいずれであるかを示す情報も必要である。ここに、「近接」するとは、局所エネルギーを決めるエネルギー単位の共通のものに関わりを持つことを意味(定義)している。

0028

〔手順1(第1の手順)の説明〕「固定点」でない全ての代表点につき、最も近い「固定点」からの「距離数」(「近接」する代表点間歩く最短区間数)nに対して、h=2n+1を値とする「「高さ指標」hの初期値を、以下の手順で設定する。

0029

(手順1.1 )「固定点」全てについて、「アップデート数」mを−1に、高さhを1にし、「高さ指標hを添字とするリスト」配列の該当するリストに(それらの代表点へのポインタを)登録する。

0030

(手順1.2 )次に、「固定点」以外の全ての代表点を見つけ出す(具体的には、見つけ出した代表点を数えることによって確認する)まで、「高さ指標」hnew の手元値を3から5,7と、2つずつ増やしながら、以下の操作を行う。

0031

(手順1.2.1 )「高さ指標hを添字とするリスト」で、hnew −1をキーとするリストの全ての要素代表点に順次着目して、以下の操作を行う。ここで着目した代表点をAとする。

0032

(手順1.2.1.1 )代表点Aに「近接」する全ての点に次々着目し、以下の操作を行う。ここで着目した代表点をBとする。

0033

(手順1.2.1.1.1 )代表点Bに関連する情報である「アップデート数」が−1でなければ、これは新たに見つけ出された点であるから、その「アップデート数」を−1に、また、その「高さ指標」hをhnew に設定し、「高さ指標hを添字とするリスト」の「高さ指標」hnew に相当するリストに、この代表点Bを登録する。

0034

ここまでの操作を通じて、固定点以外の各代表点には、「高さ指標」hが、固定点からの最短距離に関連する値として設定されている。また、「アップデート数」は−1に設定されている。「高さ指標hを添字とするリスト」には、対応する各代表点へのポインタが登録されている。

0035

〔手順2(第2の手順)の説明〕ここでは、後述する(手順2.1 )の中の判断基準に基づく条件が満たされるまで、以下に説明する操作を繰り返し行う。結果的に、これは「固定点」でない代表点の個数と同じ回数だけ繰り返すことになる。

0036

まず、中心代表点に選ぶべき点の高さ指標に関する手元値である「中心高さ指標」をh0 として、代表点に設定されたhの最大値(すなわち、上記手順1の段階の操作において、最後に見出された代表点に関するh)を最初の値として設定する。

0037

(手順2.1 )「高さ指標」hが最大の代表点Cを中心代表点として探す。具体的には、手元値である「中心高さ指標」h0 に対応して、「高さ指標hを添字とするリスト」配列で、h0 に該当するリストからある要素(先頭などを調べる)を引き出すことによって行うが、見つからない場合は、h0 を1ずつ減らして見つかるまで繰り返す。「高さ指標」h=2のリストが空になったら手順2は終了する。

0038

(手順2.2 )中心代表点Cを、登録した順序が残るように「中心代表点の順序のリスト」に登録する。また、この登録時点のh0 から求めたh0 /2から小数点以下を切り捨てた値を、この点に付随する「登録高さ」Hとして設定する。

0039

(手順2.3 )「距離数nを添字とするリスト」配列の、値0を添字とするリストにつき、中心代表点Cのみを要素として登録するとともに、点Cの「距離数」nを0に設定する。

0040

(手順2.4 )「距離数」の手元値nnew を、1から順にカウントアップして、以下の操作を行う。

0041

(手順2.4.1 )「距離数nを添字とするリスト」配列の、「距離数」が手元値nnew に相当するリストが空であることを確認する。

0042

(手順2.4.2 )「高さ指標」の手元値hnew を、2nに設定する。
(手順2.4.3 ) 「距離数nを添字とするリスト」配列の、「距離数」が手元値nnew −1に相当するリストの全ての代表点に次々に着目して、以下の操作を行う。ここで着目した代表点をAとする。

0043

(手順2.4.3.1 )代表点Aに「近接」する全ての代表点に次々着目して、以下の操作を行う。ここで着目した代表点をBとする。

0044

(手順2.4.3.1.1 )「高さ指標」hの値が手元値hnew より大である場合に限り、「距離数」が手元値nnew に相当するリストに、この代表点Bを登録するとともに、代表点Bの「高さ指標」の値をhnew に書き換える。

0045

(手順2.4.4 )「距離数nを添字とするリスト」配列の、「距離数」が手元値nnew に相当するリストが空であれば、手順2.4は終了する。

0046

このような操作により、固定でない代表点の全てが1回ずつ中心代表点となり、このときに高さhが0に設定されたはずである。全ての代表点の「アップデート数」mはこの時点で−1になっている。ここまでの操作で、固定でない全ての代表点につき、「登録高さ」Hが設定されている。各代表点に対するポインタが収められた、「中心代表点の順序のリスト」における序列は、この「登録高さ」Hについて、一定の順序(降順又は昇順)である。ここから先において、実際の数値計算を行うことになる。

0047

〔手順3(第3の手順)の説明〕ここでは、以下に説明する全体緩和操作を、収束に必要な回数だけ繰り返す。

0048

すなわち、「固定点」でない全ての代表点につき、「登録高さ」Hの値の小さい方から次々に着目して(すなわち、手順2で見出したときとは逆の順序で着目して)、それを中心代表点とする境界系列につき(同心の境界系列の個々について)、以下の操作を行う。「アップデート数」の手元値m0 は、中心代表点を新たにするごとに、0を最初の値として、「固定点」でない代表点の総数に相当する回数だけ(それより1少ない設定値まで)1ずつ増加させて繰り返す。

0049

(手順3.1 )「登録高さ」H0 の値を、中心代表点に選んだ点に固有の「登録高さ」の値Hに等しく設定する。選んだ中心代表点を、「距離数nを添字とするリスト」配列の、0を添字とするリストの唯一の要素として加える。「距離数」nnew を1からH0 まで1ずつ増加させて、以下の操作(同心の境界系列を求める操作)を行う。

0050

(手順3.1.1 )「距離数」がnnew −1に相当する代表点のリストの要素全てにつき順に注目して、以下の操作を行う。ここで注目した代表点をAとする。

0051

(手順3.1.1.1 )注目した代表点Aに近接する代表点に順に注目して、以下の操作を行う。ここで注目した代表点をBとする。

0052

(手順3.1.1.1.1 )代表点Bの「アップデート数」が、手元値m0 と異なる場合には、以下の操作を行う。

0053

(手順3.1.1.1.1.1 )代表点Bの「アップデート数」をm0 に等しく設定する。同じく「距離数」をnnew に設定する。「距離数nを添字とするリスト」配列の、「距離数」がnnew に相当するリストに、代表点Bを加える。また、「距離数nと、対応する代表点とを添字とする作用代表点のリスト」配列の、「距離数」nnew を、代表点Aに対応する要素として、代表点Bを追加する。

0054

(手順3.1.1.1.1.2 )代表点Bの「アップデート数」が、手元値m0 と等しい場合で、その「距離数」nがnnew に等しい場合には、以下の操作を行う。

0055

(手順3.1.1.1.1.2.1 )「距離数nと、対応する代表点とを添字とする作用代表点のリスト」配列の、「距離数」nnew を、代表点Aに対応する要素として、代表点Bを追加する。

0056

なお、(手順3.1.1 )の機能を満たすもう1つの方法として、全ての論理的手順を先に調べておき、リスト等に登録して呼び出すことも可能である。この方法では、処理は高速化するが、記憶領域は多めに必要となる。

0057

(手順3.1.2 )同心の境界系列に属する個々の境界につき、必要な相対変換(移動)量を求める。

0058

(手順3.1.3 )このようにして求められた必要変換量を、同心の境界について、外側から内側に向けて積算し、同心の境界間ごとに、必要な積算変換(移動)量を求める。

0059

(手順3.1.4 )このようにして求められた積算変換(移動)量に従い、変換を行う。

0060

なお、(手順3.1.2 )は、その前後の手順と1つにすることができる。また、(手順3.1.3 )と(手順3.1.4 )も1つにできる。

0061

〔境界を見出す手順についての具体的説明〕次に、上記した手順1及び手順2について、図1ないし図12を参照して具体的に説明する。図1は、この説明に用いる2次元構造体離散化の様子をモデルとして示したものである。

0062

これら図1図12において、上端下端の辺上の点が「固定点」である。また、図2の各代表点の上に配置し、水平に2等分した円において、上半分に書いている数字はすでに述べた「高さ指標」hに1/2をかけて表現した「高さ」を示し、下半分に書いている数字は「登録高さ」Hを示している。

0063

「固定点」全てについて、高さは0.5である(図2参照)。これら「固定点」に「近接」していて「高さ」の定義されていない全ての点について、「高さ」は0.5に1を加えた1.5である。以下、区間を経るごとに1ずつ加え、全ての点について定義する(図3参照)。次に、「高さ」が最大の点のうちの1つを選ぶ。本実施形態では、最大の「高さ」は3.5である(図3中において矢符により示す)。

0064

選んだ点の「登録高さ」は、「高さ」から端数(もし有れば)の0.5を除いた値(3.0)とする。従って、この点の円の中の下半分の数字は、図4に示すように3となっている。また、この点の「高さ」を0に書き換える。そして、この点から1区間経るごとに、1ずつ加えた値を各点の新しい「高さ」として、その書き換えを行う(図4参照)。ただし、「高さ」を増やす方向の書き換えはしない。また、新たに計算される「高さ」が、もとの値より大きくなってしまう点まできたら、その点から先の探索を終了する。そして、再び「高さ」が最大の点のうちの1つを選ぶ。本実施形態では、最大の「高さ」は2である(図4中において矢符により示す)。以下、同様の手順を繰り返し、「固定点」以外の全ての点の「高さ」が0になるところまで行う(図8参照)。なお、図5は、2回目の繰り返しが終わった時点を示し、次の中心点に選ばれる代表点を矢符により示している。また、図6は、3回目の繰り返しが終わった時点を示し、次の中心点に選ばれる代表点を矢符により示している。また、図7は、4回目の繰り返しが終わった時点を示し、次の中心点に選ばれる代表点を矢符により示している。

0065

図8に示す時点で、個々の代表点について「高さ」が0になるとともに、「登録高さ」が設定されている。また、各代表点における「登録高さ」の順序に対応する順序で、「中心代表点の順序のリスト」に、各代表点に関するポインタが収められている。

0066

ここまでの手順で、「登録高さ」は大きいものから順に得られてきたが、次の計算の手順(手順3の各回)における「中心代表点」への着目は、ここまでで見出されたのとは逆の順序で行われる。

0067

図9ないし図12は、手順2で求められた中心代表点(図8参照)に対応し、次の手順3で用いられる境界を示すもので、図9は、「登録高さ」が1の中心代表点に対応するものである。これらは、その1つ1つが単独で境界系列になる。また、図10は、「登録高さ」が2の中心代表点に対応するものである。「登録高さ」が2の中心代表点は2個あり、それぞれの中心代表点に対応して、入れ子の境界が境界系列を作る。また、図11は、「登録高さ」が3の中心代表点に対応する境界であり、該当する中心代表点は1個のみであるので、これらだけで1つの境界系列を作る。また、図12は、これら図9ないし図11の境界を全て重ねたものである。これら図9から図11までの処理順序は、前記した手順3の処理順序に対応するものであるが、手順2でその中心及び「登録高さ」が求められたのとは、逆の順序となっている。

0068

〔数値計算の手順についての全体的な説明〕着目した代表点の回りに、入れ子になっている領域に関しての移動量は連続して求めている。また、入れ子になった各領域に関する移動は、実際には各点について1回ずつ行っている。連続する(最も近い入れ子になる)2つの境界に挟まれた領域に関する変換操作ごとに、単一の変換を作用させている。これらの変換は、並行移動(並進)と回転とを合成したものである。

0069

各点に作用させるべき変換は、その点よりも外側の各レベルの移動操作を積算したものである。すなわち、(手順3.1.2 )において境界ごとの変換量が求められ、(手順3.1.3 )において積算され、(手順3.1.4 )において実際に移動の操作として適用されることになる。

0070

本発明の解析方法は、反復を基本とする解法であるので、以上の一巡の操作では、まだ精度が十分でない場合においても、これを比較的少ない回数(場合によっては2,3回)繰り返すことにより、最終解に近い高精度の結果に到達できる。

0071

以上の操作の一巡で、代表点の総数をN、「登録高さ」の最大値をLとすれば、手順3の1回の操作につき、大体N[log2 (L)]D (ただし、Dは解析次元)程度の個数の代表点に関する力の評価と移動操作とを要する。これは、プログラムにおける最小ループの反復回数である。有限要素法でガウス消去を適用すると、こうした繰り返し回数はN3 であるので、これと比べると劇的に改善されている。本発明の手順1〜手順3は、1次元から3次元までのいずれの次元のモデルにも適用でき、さまざまなモデルの形状に対応して、速やかな収束が得られる。なお、1次元の場合に限り、回転操作は必要ない。

0072

〔境界に沿って、バネ係数や力等の加算可能な数値の総和を求め、加重平均の計算方法に従って境界の個々に対応する必要変換量を求める手順についての具体的説明〕前記手順の(手順3.1.2 )は、境界に括られた領域の相対変換(移動)の必要量を求める部分であるが、本発明の手順の中では最も複雑な数値計算を要するので、この部分について以下に述べる。

0073

まず、変換(移動)は、境界にすっぽり括られた領域については変形しないように行うので、エネルギーの変化としては、境界に交差する部分のみを考えれば足りる。ここで用いられるのは、並行移動と回転とを併せたものである。すなわち、2次元であれば、2方向の並行移動と1個の回転との合わせて3個の変数、また、3次元であれば、3方向の並行移動と、オイラー角に対応する3個の変数とで表される合わせて6個の変数のみで決まる変換である。

0074

エネルギーを最小化すべく、これらの変数を調整する方法は幾つかあり得るが、その2つを挙げれば、次のものがある。

0075

1.変数セットと、結果としてのエネルギーの組み合わせを幾通りか求め、シンプレックス法によって極小点を追求する方法。

0076

2.個々の変数に対応する一般化力Fと、この変数以外を固定したときのバネ係数kとを求め、L=F/kによって、一般化座標に沿った必要変動分Lを求める方法。

0077

前者の方法は、反復に要する時間さえ心配しなければ、精度は高い方法である。これに対し、後者の方法は、弾性率の主軸が一般化座標に沿っているとは限らないので、ここで反復しないと、やや荒い計算になってしまうように見えるかもしれないが、精度が低いからといって計算上の振動が起きてしまうような例は、本発明者が調べた範囲内では無かった。いずれにしても、全体を反復(本発明の手順3についての反復)するのだから、そのレベルの繰り返しで精度アップを図る方が速度的にも有利である。従って、後者の方法の2次元の場合を例にとって、以下の説明を行うものとする。

0078

すでに有効性を確認した実用的な計算方法は、バネ定数と力とを、座標軸ごとの成分に分けて考えることである。考えた境界によって切断されるエネルギー単位ごとに、以下の8個の量を計算する。ここで、エネルギー単位とは、離散化解法において、ポテンシャルエネルギーの部分が定義できる単位であって、多角形多面体のようなものである。8個の量のそれぞれは、加算可能な量であり、1個の境界が切断する全てのエネルギー単位についての和が求められるものである。8個の量とは、すなわち、
Sx : x軸に沿ったバネ係数
Sy : y軸に沿ったバネ係数
SxF : 境界外部から境界内部への力のx成分
SyF : 境界外部から境界内部への力のy成分
Sxy : x軸に沿ったバネ係数で重みづけした、作用点位置のy成分
Syx : y軸に沿ったバネ係数で重みづけした、作用点位置のx成分
S2 : x軸方向のバネ係数で重みづけした、作用点位置のy成分の2乗と
、y軸方向のバネ係数で重みづけした、作用点位置のx成分の2乗
との和
STxy : 境界外部から境界内部への力のy成分で重みづけした作用点位置の
x成分から、境界外部から境界内部への力のx成分で重みづけした
作用点位置のy成分を引いた値
例えば、Sx は、他の並進と回転の一般化座標方向には動かさずに、x軸のみに沿って移動させたエネルギー変化の2次の成分である。他の量も同様な考え方に沿って定義される。

0079

境界より内側のいずれかの点に、外界からの力が働く場合には、SxF,SyF及びSTxy に関して述べられる力について、境界外部の代表点から働く力の他に、こうした外界からの作用を加えて定義されるものを、これらの変数(SxF,SyF及びSTxy )として扱う必要がある。なお、外界からの一定の力を受ける代表点は、これまでも述べてきた「固定点」ではない。すなわち、全く動かない点のみが「固定点」として扱われる。すでに述べてきた手順1〜3に従えば、「固定点」がいずれかの境界内部に含まれる場合はない。

0080

離散的解法における細かな扱い方は、プログラムの作り方によってさまざまであるが、少なくとも請求項1に記載した前提条件を満たし、エネルギーに関する定義に沿って収束すべき方向を決める多くの解析方法に則して、先に述べた物理的諸量はいずれも明確に定義される。

0081

いま、これらの値がすでに境界上の全てのエネルギー単位についてすでに加算(単純な総和でよい)されたものとみて、これらから次の諸量を近似的に求めることができる。

0082

SM: 回転方向のバネ係数(モーメント
SMF:境界外部から境界内部への力の回転成分(モーメント)
CX : y軸に沿ったバネ係数のx軸に沿った重心
Cy : x軸に沿ったバネ係数のy軸に沿った重心
Lx : x軸に沿った必要移動量
Ly : y軸に沿った必要移動量
LM : 必要回転量
このような諸量を求めるための近似的な算出式は、次のようになる。

0083

SM=S2 −Sxy2 /Sy −Sxy2 /Sx ・・・(1a)
SMF=STxy +SxF×Sxy/Sx −SyF×Syx/Sy ・・・(1b)
CX =Syx/Sy ・・・(1c)
Cy =Sxy/Sx ・・・(1d)
Lx =SxF/Sx ・・・(1e)
Ly =SyF/Sy ・・・(1f)
LM =SMF/SM ・・・(1g)
なお、最後のLM は、境界に囲まれる代表点の数が1である場合には、上式に関わらずゼロにする(この場合、SM =0である)。このような場合については、SM とSMFとの計算が要らなくなるが、後に出てくる(13b)式を理由として、Cx,Cy の計算も必要なくなるので、先に定義された、Sxy,Syx,S2,STxy が全て不要になり、計算を省略できる。ただし、代表点の数が1であっても、物質の変形後の方向に関する情報が単独の代表点に付随して扱われる場合には、この限りではない。

0084

こうして得られた諸量、特に最後の5個の量は、すぐに変換のために使われ得るものである。すなわち、点(Cx,Cy )を中心に、角度LM だけ回転させたものを、(Lx ,Ly )だけ並行移動させるというのが、該当する境界に関連してなすべき変換である。

0085

しかしながら、前記手順1〜3に述べたように、境界について求められるこの変換量は、入れ子の境界系列について積算してから適用するのが能率的である。その積算方法を次に述べる。

0086

〔境界系列に沿って、必要変換量を積算する手順についての具体的説明〕請求項2と前記の(手順3.1.3 )に関連し、中心を同じくする入れ子の境界に関し、変換の必要量を合理的に積算する方法について述べる。

0087

これまで述べてきた回転の中心(Cx,Cy )をベクトルR、並行移動の量(Lx ,Ly )をベクトルv、一般の点をベクトルrとして、以下の検討を行う。

0088

まず、座標原点に対する角度θの回転による変換を、

0089

r′=f(θ、r) ・・・(2)
で表すことにする。rが回転前、r′が回転後の位置ベクトルである。この演算には、次の分配則と結合則とが成り立つ。

0090

f(θ、(r1 +r2 ))=f(θ、r1 )+f(θ、r2 )・・・(3a)
f(θ1 、f(θ2 、r))=f((θ1 +θ2 )、r) ・・・(3b)
rの位置が、並進と回転との変化によって、r′に変換されるとする。

0091

構造体に関し、回転の中心をR、並行移動の量をベクトルv、回転角度をθとすると、一般の点の変換は、

0092

r′=f(θ、r−R)+R+v=f(θ、r)−f(θ、R)+R+v
=f(θ、r)+w ・・・(4)
ただし、wは、次式で定義されるベクトル量であり、

0093

w=−f(θ、R)+R+v ・・・(5)
で表わされる。回転と並進との合成変換を表すに当たって、(4)式の表現を用いるならば、その構成要素であるθとwとは、一意に決まる。ただし、wがrを含まない定数である点に注意を要する。

0094

入れ子の境界系列と、q<pの関係にある2つの整数、及び境界系列において、外側から数えてp番目の境界よりも内側にある点rを考え、外側から数えた順番がq+1番目からp番目までの境界に関する変換を加えた前後の状変換全体に対する上述のθとwとを、θp/q ,wp/q と書き、rの変換結果をrp/q と書くことにする。すなわち、

0095

rp/q =f(θp/q 、r)+wp/q ・・・(6)
外側からq番目までの一連の変換の合成については、

0096

rq/0 =f(θq/0 、r)+wq/0 ・・・(7)
外側からp番目までの一連の変換の合成については、

0097

rp/0 =f(θp/0 、r)+wp/0 ・・・(8)
rp/0 はまた、内側の変換結果rp/q に対して、後から外側の変換を行ったと考えることができるので、(7)式の右辺のrをrp/q に置き換えることにより、次のようにも書ける。

0098

rp/0 =f(θq/0 、rp/q )+wq/0 ・・・(9)
(6)式の結果を代入すると、

0099

rp/0 =f(θq/0 、f(θp/q 、r)+wp/q )+wq/0 ・・・(10)
前記した結合則と分配則とにより変形すると、

0100

rp/0 =f(θq/0 、f(θp/q 、r))+f(θq/0 、wp/q )+wq/0
=f(θq/0 +θp/q 、r)+f(θq/0 、wp/q )+wp/0
・・・(11)
これを(8)式と比べると、先に説明した表現の一意性から、

0101

θp/0 ≡θq/0 +θp/q ・・・(12a)
wp/0 ≡f(θq/0 、wp/q )+wq/0 ・・・(12b)
の関係が証明される。q=p−1と置けば、

0102

θp/0 ≡θ(P-1)/0 +θp/(P-1) ・・・(13a)
wp/0 ≡f(θ(P-1)/0 、wp/(P-1) )+w(P-1)/0 ・・・(13b)
上記(13a)、(13b)の両式において、下線を引いた各項は、これらの式自体によって再帰的に定義されるので、これらの式の計算は、入れ子の境界系列の中で外側の境界に関するもの(pの小さいもの)から、順に行うのが適当である。

0103

3次元における変換の場合も、上記のθをオイラー角の組に置き換えるならば、前記した2次元に関する手続きとほとんど同じように求めることができる。3次元の回転操作は可換でないので、演算の順序については注意を払う必要がある。

0104

緩和量を増やすことによる加速方法について〕緩和量を一定の係数分だけ増やすSOR(Successive Over Relaxation)の方法は、問題の性質によっては劇的な速度アップを図れることが知られている。本発明の方法においても、こうした調整によって収束の速度をある程度速めることができる。

0105

すなわち、上記一連の計算で得られた条件は、各変形モードに関し、エネルギーをほぼ最小にまで緩和する条件であるが、意図的に緩和を過ぎた変換を加える。具体的には、過緩和の係数fr を変換量に対して掛け算する。この際、係数fr の掛け算は、境界系列に関する積算前のLx ,Ly ,LM に対して行っても、また積算後のθp/0 、wp/0 に対して行っても、ほぼ同じ結果になる。

0106

係数fr の推奨値は、1.0から2.0までの間の値であり、必要繰り返し回数は、このfr の値にだいたい反比例する。従って、値が大きいほど効果があるが、ある限界を超えると収束そのものが不可能になる。この限界は、だいたい2.0の前後である。この評価につては、後述する実施例3に関連して説明する。

0107

〔変化分を蓄積する加速方法について〕各代表点の位置ベクトルの最新のもの2回分を保存しておく。いま、各代表点の位置ベクトルの最新のものをri 、一つ古いものをri-1 として、これを保存する。ただし、初期条件は、r-1=r0 とする。手順3に関してすでに定義した1回の計算を行い、ri をもとにrが得られたとすると、次の式、

0108

ri+1 =r+k(ri −ri-1 ) ・・・(14)
をもとに、新しい値ri+1 を求め、これをrの代わりに用いる。ここに、kは、0.0以上、1.0未満の減衰係数である。

0109

収束が特に遅い場合には、kを適切に選ぶと、かなりの効率アップにつながる。具体的には、1.0より少しだけ小さい値が効果的である。

0110

なお、このような構造体の力学的変形の解析方法は、シミュレーションプログラムにより実現され、このプログラムはコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供される。

0111

〔実施例1〕本実施例は、本発明の手順を1次元に適用した例を示している。条件としては、並びの順に0〜1024の番地が付けられる1025個の点のうち、両端の点のみを固定、その間の1〜1023個の点を可動とし、隣り合う点同士(両端の固定点を含む)の全てを、長さとバネ係数とが等しいバネでつないでいる。このような条件における全体の安定条件を、本発明の方法に従って求めた。

0112

先に述べた手順に従って緩和手順の決定と数値計算とを実行したところ、初期条件には関係なく、前記手順3についての1回のみの繰り返しにより得られる解が、わずかな丸め誤差を除いて最終解に完全に一致することがわかった。この際に行った代表点の1個々々の置換操作の回数は全部で9217回であった。

0113

従来知られている方法のなかで最も効果的と考えられるSOR(Successive Over Relaxation)法においては、収束計算上必要な係数を最適に選んだ場合でも、10232 =1046529回程度の置換操作が必要であり、それでもかなりの誤差が残る事実を考えれば、これは大幅な効率アップである。また、有限要素法、特にガウス消去法における最小ルーチンの繰り返し回数は10233 程度であるので、これを比較対象にすれば、効率アップの効果はさらに大きいと言える。

0114

〔実施例2〕本実施例は、本発明の手順を2次元に適用した例を示している。

0115

要素は、縦横比が1:1の四角形、すなわち正方形の要素、ポアソン比は1/3(≒0.333)とした(2次元なので、論理上の最大値は1)。これを5×200の格子状に配置し、短い方の辺の片側の代表点(6点)を固定した。固定は、無応力の状態に対して明確な傾斜を与えた。固定でない代表点の数は、6×200=1200個である。

0116

前記手順3の1回当たりの代表点移動操作の回数は、11348回であった。手順3を3回繰り返した後に、1024×768ドットグラフィックディスプレイに最大に表示して見る限りにおいて、ほぼ最終解と差のない結果になった。

0117

〔実施例3〕本実施例は、本発明の手順を3次元に適用した例を示している。

0118

要素は、実施例2と同じ正方形の要素、ポアソン比は1/3(≒0.333)とした。これを5×200の格子状に配置し、短い方の辺の両側の代表点(12点)を固定した。固定は、無応力の状態に対して明確に傾斜させながら、やや引っ張り気味にした。固定でない代表点の数は、6×199=1194個である。

0119

先に述べた「緩和量を増やすことによる加速方法」に沿って、加速のための係数fr を用いた。手順3の1回当たりの代表点移動操作の回数は、10173回であった。実施例2と同じグラフィックディスプレイに最大に表示して見て、ほぼ最終解と差のない結果になるまで手順3の繰り返しを行った。必要であった繰り返し回数を係数fr との関係において次表に示す。

0120

発明の効果

0121

本発明に関わる構造体の力学的変形の解析方法によれば、従来の有限要素法や差分法による場合と比較して、計算に必要な最小ルーチン(手順)の繰り返し回数を減らすことができるので、計算時間を大幅(劇的)に短縮することができる。また、一般の有限要素法では、格子点数の2乗に比例するメモリ空間を必要としていたが、本発明の解析方法によれば、せいぜい格子点数のオーダーのメモリ空間で済むので、従来大規模コンピュータでなければできなかった作業が、パソコン等、メモリ空間の小さいコンピュータでも行うことができる。

図面の簡単な説明

0122

図12次元構造体の離散化の様子をモデルとして示した図である。
図2本発明の手順1に従って高さ(指標)の初期設定を行う前の状態を示す図である。
図3本発明の手順1に従って高さ(指標)の初期設定を行った後の状態を示す図である。
図4本発明の手順2を1回行った後の状態を示す図である。
図5本発明の手順2を2回繰り返した後の状態を示す図である。
図6本発明の手順2を3回繰り返した後の状態を示す図である。
図7本発明の手順2を4回繰り返した後の状態を示す図である。
図8本発明の手順2を「固定点」以外の全ての点の「高さ」が0になるところまで繰り返した後の状態を示す図である。
図9「登録高さ」が1の中心代表点に対応する境界を示す図である。
図10「登録高さ」が2の中心代表点に対応する境界を示す図である。
図11「登録高さ」が3の中心代表点に対応する境界を示す図である。
図12「登録高さ」が1,2,3の中心代表点に対応する境界を全て重ねた図である。

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