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図面 (1)

課題

経口投与により抗癌剤5'-デオキシ-5-フルオロウリジンリンパ系高濃度移行させる製剤を提供する。

解決手段

式(I)

化1

[式中、RはC3〜C17の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示す]で表される5−フルオロウリジン誘導体又はその薬理学上許容しうる塩もしくは水和物を有効成分とする抗癌剤。特に、該誘導体等を油性基剤及び界面活性剤と混合溶解または均一に分散させた油性製剤あるいは水中油型乳剤は、リンパ移行性抗癌剤として好ましい。

概要

背景

癌のリンパ節への転移は頻繁にみられ、外科手術の際には腫瘍巣周辺リンパ節の廓清が行われる。その場合、患者への負担も大きくなる。しかし、それにもかかわらず手術が完全でない場合も多く、しばしば癌の再発転移がみられ、外科手術の予後はリンパへの転移の有無に大きく左右される。従って、抗癌剤リンパ系高濃度分布できれば、化学療法剤として極めて有効と考えられている。従来より、種々薬剤学的手法によりリンパ系に選択的に抗癌剤を分布させることが試みられており、油中水型エマルジョン特公昭63-46043]、キト酸を用いた製剤[特開昭64-61429]、マイトマイシン類と多糖体との結合体[特公平3-70690]等が知られている。しかし、これらの製剤はいずれも注射剤に限られている。

一方、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(5'-DFUR)は、抗癌剤として、臨床の場において経口的に広く使用されている。この抗癌剤は5-フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであり、この薬物自体は作用を示さないが、投与した後、癌部位で特異的に活性の高いピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼという酵素により5-FUに変換され効果を発揮するため、他のフッ化ピリミジン系抗癌剤に比べて副作用が少なく安全性が高いと評価されている。しかしながら、この抗癌剤は水溶性が高いため投与しても、薬物のリンパ系への移行が少ない。

概要

経口投与により抗癌剤5'-デオキシ-5-フルオロウリジンをリンパ系へ高濃度に移行させる製剤を提供する。

式(I)

[式中、RはC3〜C17の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示す]で表される5−フルオロウリジン誘導体又はその薬理学上許容しうる塩もしくは水和物を有効成分とする抗癌剤。特に、該誘導体等を油性基剤及び界面活性剤と混合溶解または均一に分散させた油性製剤あるいは水中油型乳剤は、リンパ移行性抗癌剤として好ましい。

目的

かかる事情において、本発明者らは、もし、経口投与により5'-DFURをリンパ系へ高濃度に移行させることができれば、癌の転移予防又は治療を目的とした副作用の少ない化学療法剤が得られると考えた。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

式(I)

請求項

ID=000003HE=075 WI=074 LX=0230 LY=0450[式中、RはC3〜C17の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示す]で表される5−フルオロウリジン誘導体又はその薬理学上許容しうる塩もしくは水和物を有効成分とする抗癌剤

請求項2

RがC5〜C11の直鎖アルキル基である請求項1記載の抗癌剤。

請求項3

抗癌剤がリンパ移行性抗癌剤である請求項1又は請求項2記載の製剤。

請求項4

油性製剤又は乳剤の形態である請求項1ないし請求項3記載の製剤。

請求項5

剤基剤として薬剤学的許容される油類、水及び界面活性剤を用いてなる請求項4記載の製剤。

技術分野

0001

本発明は、5−フルオロウリジン誘導体又はその薬理学上許容しうる塩もしくは水和物を有効成分とする抗癌剤、特にリンパ系移行性抗癌剤に関する。

背景技術

0002

癌のリンパ節への転移は頻繁にみられ、外科手術の際には腫瘍巣周辺リンパ節の廓清が行われる。その場合、患者への負担も大きくなる。しかし、それにもかかわらず手術が完全でない場合も多く、しばしば癌の再発転移がみられ、外科手術の予後はリンパへの転移の有無に大きく左右される。従って、抗癌剤をリンパ系へ高濃度分布できれば、化学療法剤として極めて有効と考えられている。従来より、種々薬剤学的手法によりリンパ系に選択的に抗癌剤を分布させることが試みられており、油中水型エマルジョン特公昭63-46043]、キト酸を用いた製剤[特開昭64-61429]、マイトマイシン類と多糖体との結合体[特公平3-70690]等が知られている。しかし、これらの製剤はいずれも注射剤に限られている。

0003

一方、5'-デオキシ-5-フルオロウリジン(5'-DFUR)は、抗癌剤として、臨床の場において経口的に広く使用されている。この抗癌剤は5-フルオロウラシル(5-FU)のプロドラッグであり、この薬物自体は作用を示さないが、投与した後、癌部位で特異的に活性の高いピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼという酵素により5-FUに変換され効果を発揮するため、他のフッ化ピリミジン系抗癌剤に比べて副作用が少なく安全性が高いと評価されている。しかしながら、この抗癌剤は水溶性が高いため投与しても、薬物のリンパ系への移行が少ない。

発明が解決しようとする課題

0004

かかる事情において、本発明者らは、もし、経口投与により5'-DFURをリンパ系へ高濃度に移行させることができれば、癌の転移予防又は治療を目的とした副作用の少ない化学療法剤が得られると考えた。

課題を解決するための手段

0005

本発明者等は鋭意研究の結果、水溶性の5'-DFURの2',3'位のOH基脂肪酸エステル化することにより脂溶性の高いジエステル誘導体とし、この誘導体を油と界面活性剤中に混合した油性製剤又はそのものに水を加え乳剤としたものは経口投与すると、薬物がリンパヘ高濃度に移行することを見いだした。また、このジエステル誘導体は、生体内に広く分布するエステラーゼという酵素により生体内で5'-DFURに変換される。従って、本発明は、式(I)

0006

0007

[式中、RはC3〜C17の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示す]で表される5-フルオロウリジン誘導体又はその薬理学上許容しうる塩もしくは水和物を有効成分とする抗癌剤、特に該誘導体を油性製剤又は乳剤とし薬物のリンパ移行を増大させた経口用リンパ移行性抗癌剤である。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明を詳細に説明する。本発明の式(I)で表される5−フルオロウリジン誘導体は、特公昭63-2960 号公報により上位概念としては公知の化合物であり、同公報に記載の方法により合成することができる。また、5'-DFURに炭素数4〜18の脂肪酸クロライド又は脂肪酸無水物等を常法により反応させることにより合成される。本発明では、式(I)で表される5−フルオロウリジン誘導体のうち、RがC5〜C11、特にC9の直鎖アルキル基である化合物が抗癌剤、特にリンパ移行性抗癌剤として好ましい。

0009

本発明の抗癌剤は、油性製剤又は乳剤として用いるのが好ましい。油性製剤は式(I)で表される5−フルオロウリジン誘導体を油性基剤及び界面活性剤と混合溶解または均一に分散させることにより製造される。また、乳剤は、通常の水中油型乳剤製造法によって、即ち、式(I)で表される5−フルオロウリジン誘導体を油性基剤及び界面活性剤と混合溶解させ、これに水を加えてホモジナイズすることにより製造される。

0010

油性基剤としては、式(I)で表される5−フルオロウリジン誘導体(薬物)を溶解または均一に分散できる薬剤学的に許容されている油脂類が使用され、具体的には、大豆油綿実油ゴマ油オリーブ油等の植物油等が挙げられる。また、薬物の溶解を助けるために油と混合する溶媒としてエタノール中鎖脂肪酸トリグリセリド等を添加することができる。界面活性剤としては、ホスファチジルコリンホスファチジルセリンスフィンゴミエリン等のリン脂質等が挙げられる。更に、乳剤には、必要に応じてグルコースマルトーストレハロース等の糖類、グリセリン非イオン界面活性剤ゼラチン等の乳化補助剤を添加することができる。また、本発明の製剤には、種々の矯味剤香料等も添加できる。本発明では、製剤に含まれる薬物の含量は適時増減できる。油性製剤の場合は、薬物含量が0.01〜60(w/v)%の範囲が好ましく、1〜50(w/v)%の範囲がより好ましい。また、乳剤では、0.001〜20(w/v)%の範囲が好ましく、0.1〜10(w/v)%の範囲がより好ましい。

0011

以下に実施例(合成例、製剤例、試験例)を示し、本発明を更に詳細に説明する。
〈合成例〉
合成例1
2',3'-ジデカノイル-5'-DFURの合成
5'-DFUR60.5g(232.4mmol)をピリジン(900ml)とベンゼン(600ml)の混合溶媒に溶かした溶液に、0℃においてn−デカン酸クロリド110.8g(581.1mmol)をベンゼン(750ml)に溶かした溶液を4時間かけて滴下した。室温に戻し、20時間攪拌した。0℃に冷却し、メタノール(50ml)を加え30分攪拌し、過剰の酸クロリドを分解した。減圧下大部分の溶媒を留去し、大量の水に分散した。酢酸エチルにて抽出し、抽出液を水、10%塩酸飽和炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後溶媒を減圧下留去しオイルを得た。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーn−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、n−ヘキサンと酢酸エチル混合溶媒中にて再結晶を行うと、目的化合物白色板状晶として101.5g(183.0mmol)得られた。さらに母液からも粗結晶が14.1g得られた。

0012

1H−NMR(CDCl3,ppm);0.88(6H,t,J=6.3Hz), 1.10-1.35(24H,m),1.45(3H,d,J=6.3Hz), 1.56-1.68(4H,m), 2.30-2.38(4H,m),4.22(1H,dq,J=6.3,5.4Hz) 5.00(1H,dd,5.4,5.4Hz), 5.27(1H,dd,5.4,5.4Hz), 5.92(1H,dd,5.4,1.5Hz),7.33(1H,d,J=5.9Hz), 8.50(1H,br)

0013

合成例2
2',3'-ジオクタノイル-5'-DFURの合成
n−デカン酸クロリドの代わりにn−オクタン酸クロリドを用いる以外は合成例1と同様にして2',3'-ジオクタノイル-5'-DFURを合成した。
1H−NMR(CDCl3,ppm);0.85-0.90(6H,m), 1.20-1.35(20H,m), 1.46(3H,d,J=6.3Hz), 1.56-1.68(4H,m), 2.30-2.38(4H,m), 4.22(1H,dq,J=6.3,5.4Hz) 5.00(1H,dd,5.4,5.4Hz), 5.28(1H,dd,5.4,5.4Hz), 5.92(1H,dd,5.4,1.5Hz),7.33(1H,d,J=5.9Hz), 8.68(1H,br)

0014

〈製剤例〉
製剤例1
大豆油に卵黄レシチン1.2g、2',3'-ジデカノイル-5'-DFUR 3gを加え80℃で混合溶解させた後、大豆油で全量を10mlとした油性製剤を得た。
製剤例2
大豆油に卵黄レシチン1.2g、2',3'-ジオクタノイル-5'-DFUR 2.7gを加え80℃で混合させた後、大豆油で全量を10mlとした油性製剤を得た。

0015

製剤例3
大豆油60gに卵黄レシチン7.2g、2',3'-ジデカノイル-5'-DFUR 20gを加え80℃にて加温溶解させる。更に、2.5%グリセリン水溶液で全量700mlとする。ホモジナイザーにより粗乳化後、高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)により予圧1000psi、本圧8000psiで約30分乳化を行う。これにより平均粒子径200nm(コールターN4型)の均一乳剤を得た。

0016

製剤例4
大豆油60gに卵黄レシチン7.2g、2',3'-ジブチリル-5'-DFUR 0.7gを加え以下、製剤例3と同様の方法により均一乳剤を得た。
製剤例5
大豆油35gに卵黄レシチン7.2g、2,'3'-ジオクタノイル-5'-DFUR 0.7gを加え以下、製剤例3と同様の方法により均一乳剤を得た。

0017

〈試験例〉以下に示す試験例では、製剤例1で得た製剤(A製剤)、実施例3で得た製剤(B製剤)及び対照薬として5'-DFUR水溶液を用いた。対照薬と比較するため、投与量は全て薬物として4.06mmol/kg(5'-DFURとして100mg/kg)とした。

0018

試験例1(in vivoラットリンパ液薬物濃度測定試験、対照薬投与群
胸管リンパにカニューレを施したラット(n=4)に無麻酔下、対照薬を経口投与した後、胸管リンパ液を24時間持続的に採取した。経口投与後、0〜1時間、1〜2時間、2〜3時間、3〜5時間、5〜7時間、7〜9時間、9〜24時間に採取したリンパ液をリンパ液サンプルとした。サンプル中5'-DFUR濃度HPLCにより測定した。その結果を表1に示した。

0019

試験例2(in vivoラットリンパ液中薬物濃度測定試験、A製剤、B製剤投与群)
胸管リンパにカニューレを施したラット(n=3)に無麻酔下、それぞれA製剤及びB製剤を経口投与した後、試験例1と同様の方法でリンパ液サンプルを採取した。サンプル中薬物濃度はサンプルをエステラーゼ処理し、サンプル中に一部含まれる未変化体の2',3'-ジデカノイル-5'-DFUR(総薬物濃度の10〜57%)を全て5'-DFURに変換後、その5'-DFUR濃度をHPLCにより測定した。結果を表1に示した。

0020

0021

表1の結果から、対照薬投与群のリンパ液中の5'-DFUR濃度は持続せず速やかに消失し9時間目以降では検出限界以下であった。これに対してA製剤及びB製剤投与群のリンパ液中薬物濃度は、高濃度でしかも長時間持続していることが判明した。

0022

試験例3(in vivoラット血漿中薬物濃度測定試験、対照薬投与群)
頸動脈カニューレを施したラットに無麻酔下、対照薬を経口投与した後、0.33時間、0.67時間、1時間、1.5時間、3時間、5時間、7時間、9時間、24時間目と経時的に血液を採取し、除蛋白後の血漿をサンプルとした。サンプル中5'-DFUR濃度は、HPLCにより測定した。その結果を表2に示した。

0023

試験例4(in vivoラット血漿中薬物濃度測定試験、A製剤、B製剤投与群)
頸動脈カニューレを施したラット(n=3)に無麻酔下、A製剤及びB製剤をそれぞれ経口投与した後、試験例3と同様の方法で血漿サンプルを得た。サンプル中5'-DFUR濃度は、HPLCにより測定した。その結果を表2に示した。

0024

0025

表2の結果から、血漿中の5'-DFUR濃度は持続せず、速やかに消失し、7時間目以降で検出限界以下であった。一方、A製剤及びB製剤投与群の血漿中薬物濃度時間推移最高血漿中濃度こそ低いものの対照薬と比較して明らかな血漿中薬物濃度の持続が観察された。

0026

以上、表1及び表2の薬物濃度-時間経過曲線下面積(AUC∞)と薬物の滞留性指標である薬物平均滞留時間(MRT∞)を表3にまとめた。

0027

0028

リンパでのAUC∞については、対照薬に比較しA製剤で約7倍、B製剤で約3.6倍と明らかに大きく、リンパへの移行が増大したことが示された。更にMRT∞についても明らかに長くなりリンパでの薬物濃度が持続することも示された。一方、血漿中でのAUC∞については、対照薬と比較しA製剤で約74%、B製剤で約63%と、リンパへの移行が増大したにもかかわらず顕著な低下がないことが確認できた。また、MRT∞についてはA製剤、B製剤とも対照薬に比べて長くなり血漿中薬物濃度の持続が観察された。

発明の効果

0029

以上のように、本発明によれば、経口投与により、従来の5'-DFURよりも、5-FUのプロドラッグのまま高濃度に、より長い時間薬物をリンパに分布させ、リンパ移行性を顕著に増大させた。従って、本発明は従来の経口抗癌剤より、リンパ系転移予防あるいは転移治療を目的とした化学療法に適した抗癌剤を提供することができる。

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