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図面 (3)

課題

アーク溶解炉における装入原料の溶解進捗を精度良く評価することができる方法。

解決手段

熱源であるアーク15から発生し炉殻12の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、炉殻12への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサ1を取付け、この複数の各振動センサ1の検出信号をそれぞれ計測手段2,3及び4によって計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低域推移比較判断する装置5により装入原料の溶解進捗を評価する方法。

概要

背景

近年、資源および環境問題から発生量の多い鉄鋼スクラップアーク炉を用いて溶解するプロセスが増えている。アーク炉では、スクラップの溶解に多くの電力消費するため、炉内の状況を把握して、状況に適した電圧電流の設定に切換え、電力の利用効率を向上させることが望まれている。従来の一般的なアーク溶解炉の溶解進捗検出方法としては、スクラップ溶解の推移複数個のスクラップ溶解フェーズの推移としてモデリングし、それらフェーズ毎に適切と思われる電圧、電流をあらかじめ電力投入パタンとして設定しておき、このパタンに従って電力投入を行っていた。

例えば典型的な電力投入パタンでは、以下の3つのフェーズを順に経てスクラップ溶解が終了する。
第1のフェーズ(スクラップボーリング
ここで、スクラップボーリングとは、炉内に装入されたスクラップを溶かし始めた最初の状態を言い、アークが下のスクラップを溶かし、電極下降して行く状態である。このスクラップ溶解最初期には、熱効率炉蓋設備的保護の観点から、低電圧とする。
第2のフェーズ(最大電力投入
まくら溶解とか主溶解とも言われ、周囲がスクラップに覆われている状況なので、電力投入効率も良く、最大電力とする。
第3のフェーズ(フラットバスへの移行
炉内のスクラップのかなりの部分が溶解した状態であり、アークによる高温雰囲気はスクラップ溶解に寄与せずに炉外に吸われていくので、低電圧、高電流とする。

これらのフェーズは、投入エネルギー量投入電力量、投入酸素量)があらかじめ決められた所定量に達したところで切換えられる。そしてパタンに設定されているフェーズ毎の設定電力や切換えの投入エネルギー量をチューニングしたり、またパタンを複数個持ち、装入スクラップに応じて適用するパタンを変える等を試行していくことによって、スクラップ溶解の電力投入効率を高めていくというのが従来の電力の利用効率向上の手法である。

概要

アーク溶解炉における装入原料の溶解進捗を精度良く評価することができる方法。

熱源であるアーク15から発生し炉殻12の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、炉殻12への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサ1を取付け、この複数の各振動センサ1の検出信号をそれぞれ計測手段2,3及び4によって計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低域推移を比較判断する装置5により装入原料の溶解進捗を評価する方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

アーク溶解炉における装入原料の溶解進捗を評価する方法において、熱源であるアークから発生し炉殻の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、炉殻への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサ取付け、この複数の各振動センサ検出信号をそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低減推移比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価することを特徴とするアーク溶解炉の溶解進捗評価方法

請求項2

前記複数の各振動センサの検出信号からアーク固有特定周波数帯域の信号のみを取出してそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この特定周波数帯域における複数の各計測振動レベルの低域推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価することを特徴とする請求項1記載のアーク溶解炉の溶解進捗評価方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄スクラップ直接還元鉄等の冷鉄源を溶解し、溶鋼を製造するアーク炉において、炉内の冷鉄源の溶解の進捗を評価する方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、資源および環境問題から発生量の多い鉄鋼スクラップをアーク炉を用いて溶解するプロセスが増えている。アーク炉では、スクラップの溶解に多くの電力消費するため、炉内の状況を把握して、状況に適した電圧電流の設定に切換え、電力の利用効率を向上させることが望まれている。従来の一般的なアーク溶解炉の溶解進捗検出方法としては、スクラップ溶解の推移複数個のスクラップ溶解フェーズの推移としてモデリングし、それらフェーズ毎に適切と思われる電圧、電流をあらかじめ電力投入パタンとして設定しておき、このパタンに従って電力投入を行っていた。

0003

例えば典型的な電力投入パタンでは、以下の3つのフェーズを順に経てスクラップ溶解が終了する。
第1のフェーズ(スクラップボーリング
ここで、スクラップボーリングとは、炉内に装入されたスクラップを溶かし始めた最初の状態を言い、アークが下のスクラップを溶かし、電極下降して行く状態である。このスクラップ溶解最初期には、熱効率炉蓋設備的保護の観点から、低電圧とする。
第2のフェーズ(最大電力投入
まくら溶解とか主溶解とも言われ、周囲がスクラップに覆われている状況なので、電力投入効率も良く、最大電力とする。
第3のフェーズ(フラットバスへの移行
炉内のスクラップのかなりの部分が溶解した状態であり、アークによる高温雰囲気はスクラップ溶解に寄与せずに炉外に吸われていくので、低電圧、高電流とする。

0004

これらのフェーズは、投入エネルギー量投入電力量、投入酸素量)があらかじめ決められた所定量に達したところで切換えられる。そしてパタンに設定されているフェーズ毎の設定電力や切換えの投入エネルギー量をチューニングしたり、またパタンを複数個持ち、装入スクラップに応じて適用するパタンを変える等を試行していくことによって、スクラップ溶解の電力投入効率を高めていくというのが従来の電力の利用効率向上の手法である。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、これら従来の方法では以下の問題があった。スクラップ溶解は上記に述べた平均的定性モデルに大まかに従って推移していき、そして電力投入パタン制御はその定性モデルに従っている。しかし個別のスクラップ溶解は、そのモデルに完全に一致するのではなく大まかに一致しているだけで、スクラップの形状、質、配合、炉内での積まれ方が異なれば、溶解の推移も異なってくる。溶解フェーズの切換えタイミングも、あるスクラップ溶解では適切であっても、別のスクラップ溶解では不適切ということもある。従って一律同じ電力投入パタンで制御しても、個別のスクラップ溶解の電力投入に無駄が生じるのは不可避である。これは電力投入パタン制御が平均的、統計的なモデルに従ったオープンルームであることに起因しており、炉況推定できるセンサ検出端としたフィードバック機構を備えた制御系構築することができれば、炉況に応じて電力を切換えることができ、個別のスクラップ溶解に最適な電力投入制御を行うことができる。

0006

このアーク炉の炉況を推定するためのセンサを設けた従来技術の参考文献としは、例えば特公昭55−17313号公報「溶解状況の検出できるアーク炉」(以下参考文献1という)がある。上記参考文献1は、スクラップ溶解時のアーク放電音を炉体に設置したマイクなどの音波変換器により電流変換し、オシロスコープ等の音波分析器を用い波形分析し、この音波波形の推移を分析した結果に基づきアーク炉制御を行うものである。しかしこのアーク放電音による方法は、アーク柱の届かない炉壁部位の装入原料の溶解状況とアーク放電音との関連がなく、この部位の装入原料の溶解状況を検出することはできなかった。

0007

この参考文献1の欠点を改良した従来技術の参考文献としては、例えば特開平2−101381号公報「アーク炉における溶解状況検出方法」(以下参考文献2という)がある。上記参考文献2は、アーク炉における装入原料の溶解過程において、このアーク炉の炉壁の振動周波数解析して得たパワースペクトルから、電源周波数とその高調波及びこれらの近傍周波数成分を除去した残りのパワースペクトル成分の和の時間積算値を求め、この積算値に基づいて装入原料溶解状況を検出するものである。

0008

しかしこの参考文献2における炉壁近傍の装入原料の崩壊に伴い発生する衝撃を炉体に設置した振動センサーで検出する方法は、装入原料の崩れ落ちを検知することを目的としているため、実施例では、商用電源周波数±10Hzとこの電源周波数の高調波±10Hzのパワースペクトル成分は、装入原料の崩れ落と相関のない信号成分として除去している。このように参考文献2においては、アークから周辺未溶解スクラップ層を介して炉壁に伝達されるアーク固有振動周波数(高調波をも含めて)を検出していないので、アーク炉内の溶解進捗の推移状況を正しく評価できるものではなく、満足すべきものではなかった。

課題を解決するための手段

0009

本発明の請求項1に係るアーク溶解炉の溶解進捗評価方法は、アーク溶解炉における装入原料の溶解進捗を評価する方法において、熱源であるアークから発生し炉殻の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、炉殻への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサ取付け、この複数の各振動センサ検出信号をそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低減推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価するものである。

0010

本発明の請求項2に係るアーク溶解炉の溶解進捗評価方法は、前記本発明の請求項1に係る方法において、前記複数の各振動センサの検出信号からアーク固有の特定周波数帯域の信号のみを取出してそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この特定周波数帯域における複数の各計測振動レベルの低域推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価するものである。

0011

その結果、炉殻外壁に取付けた振動センサから計測される振動レベルにより、アーク溶解処理で特に重要である溶解後期から精錬期にかけての炉内スクラップの残存状況を的確に把握することができ、ショートアークへの切換えや精錬期への移行タイミングを適正に行うことができる様になり、溶解後期の無駄な電力が抑制でき電力原単位が低減されると共に炉壁耐火物の損傷も減らすことができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

最初に、本発明に係るアーク溶解炉における溶解進捗評価方法の原理について説明する。加熱源であるアークが発する強力な雷鳴音による炉殻に伝えられる振動は、炉壁の前面に存在する残存スクラップ等の材料により伝達される。そして、その振動レベルは溶解が進み、残存材料が少なくなると低下するものである。そこで本発明においては、熱源であるアークから発生し炉殻の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、アーク炉の炉殻の外壁面又は柱への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサを取付け、この複数の各振動センサの検出信号をそれぞれ計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低減推移を比較判断することによって、各振動センサを取付けた炉壁前の残存材料の有無を判定して溶解進捗を評価し、さらに振動レベルが予め設定したレベルより低下したことにより溶解の進捗並びに精錬期(スクラップが溶けた後の溶鋼の成分調整を行う期間)への移行時期を詳細に推定することができる。

0013

さらに本発明においては、上記計測振動レベルの周波数成分に着意し、スクラップ溶解時には、補助エネルギーとして酸素の吹込みが行われるので、この炉内に吹込まれる酸素のジェット音を除外すると共に、各振動センサの検出信号から振動の発生源であるアーク固有の特定周波数帯域の信号のみを取出すバンドパスフィルタを設け、この特定周波数帯域における計測振動レベルの低域推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価するようにしたので、さらに精度の高い評価結果が得られる。

0014

図1は本発明のアーク溶解炉の溶解進捗評価方法を実施するための構成図である。図1において、1はそれぞれ振動センサ(ピックアップ)、2はそれぞれアンプ、3は内部に3個のバンドパスフィルタを含んでいるフィルタ、4は振動計測器、5は進捗評価装置、6は電圧・電流設定装置、7は電極昇降制御装置、8はアーク電流制御装置、9はチャート表示器、10は黒鉛電極、11は炉蓋、12は炉殻、13は炉床、14はスクラップ、15はアーク、16はスラグ、17は溶鋼である。

0015

図1を用いて本発明の構成及び作用を説明する。アーク炉の炉殻12の外側で、炉殻12への取付高さが異なる複数の箇所に振動センサ1を取付ける。図1では3個の振動センサ1が炉殻12への取付高さが異なる3箇所にそれぞれ取付けられている。3つの各振動センサ1により検出され、電気信号に変換されて出力された信号は、それぞれ対応する各アンプ2により所定のゲインで信号増幅される。3つのアンプ2によりそれぞれ増幅された各信号は、フィルタ3に入力される。

0016

フィルタ3は、3つのバンドパスフィルタを含んでおり、それぞれ入力信号から高、低周波帯域の不要振動信号を除去し、アーク固有の周波数帯域(例えば実施形態2で説明する100Hz〜500Hzの帯域、または交流アーク炉の場合には、商用電源周波数の2倍及び6倍を中心とする通過帯域)のみを通過させ、その各通過出力をそれぞれ振動計測器4へ供給する。振動計測器4は、3つの入力信号をそれぞれ計測振動レベル(例えば変位または速度、加速度等のレベル)に変換し、これらの変換後の信号を進捗評価装置5及びチャート表示器9へそれぞれ出力する。

0017

進捗評価装置5は、3つの入力信号、即ち炉殻12に取付けられた3つの振動センサ1により検出され、それぞれ変換された3つの計測振動レベルの時間的な変化及び振動レベルの低下に応じて、炉内の溶解進捗状況を評価し、スクラップ溶解の進捗に応じた電圧・電流設定信号等の制御信号を電圧・電流設定装置6へ出力する。電圧・電流設定装置6は、進捗評価装置5から供給される制御信号に基づき、電極昇降制御装置7及びアーク電流制御装置8へそれぞれの制御信号を出力する。またチャート表示器9は、振動計測器4の出力する3つの計測振動レベルの時間的推移をそれぞれチャート上に記録して表示する。

0018

以下に具体的な本発明の実施形態1,2を示す。
実施形態1
実施形態1においては、炉径;7200mm、高さ;6000mmのアーク炉にスクラップ150tを装入し、30インチの黒鉛電極10により、最大750V、130kAの電源容量で溶解した。また、炉側壁に設けた作業口より、水冷酸素ランスから6000Nm3 /hrの送酸した。そして炉内に溶湯が溜まってきたら80kg/minで炭粉スラグ中に吹込み精錬を行った。なお、炭粉は精錬時に溶鋼成分調整およびスラグフォーミング形成のために使用される。この炉殻12の外側に振動センサ1を2つ取付けた。1つは高さが溶解終了時点での溶鋼上面(以下MLと言う)の付近に取付け、もう1つはML+1500mmの位置に取付け、それぞれ炉殻の振動を検出した。この検出信号がアンプ2、フィルタ3及び振動計測器4を介して振動レベルとして計測され、この計測振動レベルの時間的推移をチャート表示器9により記録したものが図2である。

0019

図2は本発明の実施形態1における振動レベルの計測例を示す図であり、図の縦軸は振動レベル(単位はdB)、横軸は時間である。図2波形から観察されるように、溶解末期が近づき炉壁前のスクラップが少なくなるにつれて、高さの異なる位置で検出された2つの振動レベルはともに低下する。ML付近の振動レベルは、スクラップがすべて溶けた時(Melt Down 、以下MDと言う)近傍での低下が大きい。これは振動センサを取付けた位置がML付近であるため振動センサ前面のスクラップがMD近傍になるまで溶けずに残っていることを意味し、この振動レベルが低くなったときはML付近の炉壁前面のスクラップは溶解してフラットバスになっていることがわかる。従ってこの振動レベルでMD判定を行うことができる。

0020

一方ML+1500で検出した振動レベルは、溶解末期が始まるにつれて徐々に低下し、そしてMD前のかなり早い時期から低い値で一定する。これは振動センサを取付けた位置が高いために振動センサ前面のスクラップがMLよりは早い時期に溶解して炉壁が露出していることを表している。

0021

本実施形態1では、この2つの振動レベルを利用して以下のような制御を行った。
(1)ML付近の振動レベル、ML+1500の振動レベルが共に大きい期間(ML+1500の振動レベルが100dB以上の期間)
未だスクラップは炉内に十分に残っているとして、最大電力(750V、130KA)を投入し、かつ酸素でスクラップをカッティングする。
(2)ML付近の振動レベルが未だ大きく、ML+1500の振動レベルが小さくなった期間(ML+1500の振動レベルが100dB以下の期間)
ML+1500のレベルまではスクラップは溶解しているが、まだ未溶解スクラップがML付近に残っているとして、酸素カッティングを停止させ電力はショートアーク(放電距離を短くして溶鋼への着熱を向上させる操業)傾向(600V)に切換える。

0022

(3)ML付近の振動レベル、ML+1500の振動レベルがともに小さくなった期間(MLの振動レベルが65dB以下、ML+1500の振動レベルが90dB以下の期間)
スクラップは完全に溶解してフラットバスになったとし、酸素を溶鋼中に吹込み、また炭粉をスラグ中に投入するようにした。電力は更にショートアークにし、550Vとした。

0023

また、他にスクラップの装入量が120tと少ないヒート試験した結果、150t装入した場合に対しておおよそ装入スクラップ重量に比例して2割近く早い時期に上記と同様の振幅レベルの推移が観察された。以上の様に、振幅レベルに基づく溶解進捗把握により、ショートアークへの切換えや精錬作業の開始を適切に行うことができ、それまでの電力投入パタン制御による操作と比較すると、25〜30kWh/tの電力原単位の低減が見られた。また、振動レベルの計測においては、粉塵火炎スプラッシュによるトラブルも皆無であり保守上も全く問題が無いことが分かった。

0024

実施形態2
上記実施形態1の溶解炉において、振動センサ1は、振動周波数が2kHz以上の高周波領域に対しても感度の良いものを使用し、検出周波数帯域を変えて観察した結果、500Hz付近の信号が最もよく溶解の進捗をとらえていることがわった。振動周波数が1kHz以上の高い周波数領域の信号は変化が現れにくいのに加えて、酸素ランスのジェット音の影響が現れる。また逆に、低い周波数域では電極の昇降系や炉に付帯する設備の動きによる振動が重畳する。従って、アークパワーの小さい炉においては、これらの振動を除去するために、アーク固有の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタを組込んだアンプ2(例えばアクティブフィルタ)を使用するか、まはたバンドパスフィルタを振動計測器4の前に設けることが有効である。アーク固有の周波数は100Hz〜500Hz程度の範囲にあり、特に交流アーク炉では商用電源周波数の2倍及び6倍を中心にバンドパスフィルタの通過帯域を選ぶと良い。

0025

アーク炉の炉内は非常に高温で火炎やダストの影響がある上に、スクラップの性状が様々であるために、これまで溶解の進捗状況を正しく評価するのは困難であった。しかし上記の本実施形態1及び2によれば、アーク溶解処理において特に重要な、溶解後期の低電圧・大電流のショートアークへの移行時期や炭粉の吹込開始時期を的確に把握することができ、また炉殻の振動を検出する振動センサは炉殻の外側に配置されているので、スプラッシュや火炎などによるトラブルが発生しないので、保守上の問題が無い。また、溶鋼上面レベルでは地金付着が殆ど無いので、この近傍に取付けられた振動センサには地金付着による影響が無く、残存する冷鉄源の量に応じた振動が再現性良く検出できるので、溶解の進捗に従った適切なアークの設定や酸素および炭粉の吹込が可能となり、溶解効率を向上できる。

発明の効果

0026

以上のように本発明によればアーク溶解炉における装入原料の溶解進捗を評価する方法において、熱源であるアークから発生し炉殻の各部に伝わる振動をそれぞれ検出するため、炉殻への取付高さが異なる複数の箇所にそれぞれ振動センサを取付け、この複数の各振動センサの検出信号をそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この複数の各計測振動レベルの低減推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価するようにしたので、その結果、アーク溶解工程で特に重要である溶解後期から精錬期にかけての炉内スクラップの残存状況を的確に把握することができ、ショートアークへの切換えや精錬期への移行タイミングを適正に行うことができる様になり、溶解後期の無駄な電力が抑制でき電力原単位が低減されると共に炉壁耐火物の損傷も減らすことができる。

0027

また本発明によれば、前記炉殻に取付けられた複数の各振動センサの検出信号からアーク固有の特定周波数帯域の信号のみを取出してそれぞれ計測手段によって計測振動レベルに変換し、この特定周波数帯域における複数の各計測振動レベルの低域推移を比較判断することにより装入原料の溶解進捗を評価するようにしたので、前記計測振動レベルの周波数帯域を制限しない場合よりも精度の高い評価結果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明のアーク溶解炉の溶解進捗評価方法を実施するための構成図である。
図2本発明の実施形態1における振動レベルの計測例を示す図である。

--

0029

1振動センサ
2アンプ
3フィルタ
4振動計測器
5進捗評価装置
6電圧・電流設定装置
7電極昇降制御装置
8アーク電流制御装置
9チャート表示器
10黒鉛電極
11炉蓋
12炉殻
13炉床
14スクラップ
15アーク
16スラグ
17 溶鋼

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