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技術 車両の駆動力制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 片倉秀策安岡正之東倉伸介岩崎美憲土屋克彦渡辺英明
出願日 1997年9月8日 (22年6ヶ月経過) 出願番号 1997-242950
公開日 1999年3月26日 (20年11ヶ月経過) 公開番号 1999-082084
状態 特許登録済
技術分野 駆動装置の関連制御 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 絞り弁の制御および操作手段との関連機構等 車両用機関または特定用途機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 巻き掛け変速機 伝動装置(歯車、巻掛、摩擦)の制御 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 湾曲変化 最低入力 目盛り値 簡易式 最高入力 変化頻度 関係線図 余裕率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年3月26日)のものです。
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図面 (12)

課題

要求車軸駆動力最低燃費で実現されるような駆動力制御を実現しつつ、要求に応じたアクセル応答を最少の燃費犠牲で実現し得るようにする。

解決手段

21はアクセル開度APSおよび車速VSPから要求駆動力TS を求め、28はTS に、27の余裕駆動力ToVR加算して目標駆動力To を求め、22は変速機出力回転数Nsec をファイナルギヤ比iF で除算して車軸回転数NS を求め、23はTo ×NS により要求馬力HPS を算出し、24はエンジン特性線図を基に、HPS を最低燃費で発生させる変速機目標入力回転数Npri * とエンジン出力目標値Te * を求める。30はNpri * / NS で車輪駆動系目標変速比iT * を求め、31はToVR / iT * でエンジン出力補正量ΔTe を求め、29はTe * −ΔTe により補正目標エンジン出力Te0* を求める。Npri * およびTe0* を、25,26 での目標変速比i* および目標スロットル開度TVO* の算出に使う。

概要

背景

Vベルト無段変速機や、トロイダル型無段変速機に代表される無段変速機は、一般的にエンジン要求負荷および車速から目標変速比を求め、実変速比がこの目標変速比になるよう変速制御する。

従って、運転者アクセルペダルを踏み込んでエンジン要求負荷を増すような加速時は、目標変速比が大きくなる(低速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該大きくされた目標変速比へダウンシフト変速され、逆に運転者がアクセルペダルを戻してエンジン要求負荷を低下させるような低負荷運転時は、目標変速比が小さくなる(高速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該小さくされた目標変速比へアップシフト変速される。

一方で、車両の要求駆動力を求める技術としては従来、例えば特開平7−172217号公報に記載されているようなものがある。この技術は、車速とアクセルペダル踏み込み量から車両の目標駆動力を求め、これに、車速から推定可能な走行抵抗分を加算して車輪に伝達すべき要求駆動力とするものである。

概要

要求車軸駆動力最低燃費で実現されるような駆動力制御を実現しつつ、要求に応じたアクセル応答を最少の燃費犠牲で実現し得るようにする。

21はアクセル開度APSおよび車速VSPから要求駆動力TS を求め、28はTS に、27の余裕駆動力ToVRを加算して目標駆動力To を求め、22は変速機出力回転数Nsec をファイナルギヤ比iF で除算して車軸回転数NS を求め、23はTo ×NS により要求馬力HPS を算出し、24はエンジン特性線図を基に、HPS を最低燃費で発生させる変速機目標入力回転数Npri * とエンジン出力目標値Te * を求める。30はNpri * / NS で車輪駆動系目標変速比iT * を求め、31はToVR / iT * でエンジン出力補正量ΔTe を求め、29はTe * −ΔTe により補正目標エンジン出力Te0* を求める。Npri * およびTe0* を、25,26 での目標変速比i* および目標スロットル開度TVO* の算出に使う。

目的

請求項1に記載の第1発明は、エンジンの出力制御および無段変速機の変速制御により、前者の燃費重視の駆動力制御と、後者のアクセル応答重視余裕をもった駆動力制御とを両立させ得る車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

請求項2に記載の第2発明は、第1発明において求めるべき、エンジンの燃費が最低になる態様で要求馬力を発生させる目標エンジン回転数と目標エンジン出力との組み合わせを最も簡便に求め得るようにすることを目的とする。

請求項3に記載の第3発明は、第1発明または第2発明で求めた目標エンジン出力から補正済目標エンジン出力を求める簡便な方式を提案することを目的とする。

請求項4に記載の第4発明は、第1発明における目標エンジン回転数および補正済目標エンジン出力を求める別の方式を提案することを目的とする。

請求項5に記載の第5発明は、前記第1発明とは別の方式で、燃費重視の駆動力制御と、アクセル応答重視の余裕をもった駆動力制御とを両立させ得るようにした車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

請求項6に記載の第6発明は、第1発明および第5発明とは別の方式により、これらとほぼ同様の目的を達成し得るようにした簡易式の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

請求項7に記載の第7発明は、無段変速機の変速制御量を求めるに際して用いるデータの好適な構築方式を提案することを目的とする。

請求項8に記載の第8発明は、無段変速機の変速制御量を求めるに際して用いるデータを実用上更に好適なものにすることを目的とする。

請求項9に記載の第9発明は、上記各発明におけるアクセル応答重視の余裕をもった駆動力制御のための余裕駆動力を決定する方式を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

この技術が所属する分野

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請求項1

アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めたアクセル応答余裕分の余裕駆動力加算して求めた目標車軸駆動力を、最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数および目標エンジン出力の組み合わせを求め、この目標エンジン出力を前記余裕駆動力分だけ低下補正して補正済目標エンジン出力を求め、前記目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とする車両の駆動力制御装置

請求項2

請求項1において、前記目標車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、該要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力の組み合わせをエンジン特性線図から求めて、これらエンジン回転数およびエンジン出力を前記目標エンジン回転数および目標エンジン出力とするよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項3

請求項1または2において、前記変速機目標入力回転数と車軸回転数との比である車輪駆動系目標変速比により前記余裕駆動力を除算して求めたエンジン出力補正量だけ前記目標エンジン出力を減算して前記補正済目標エンジン出力を求めるよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項4

請求項1において、前記目標車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、該要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力のうち、エンジン回転数のみをエンジン特性線図から求めて、このエンジン回転数を前記目標エンジン回転数とし、この目標エンジン回転数に対応した前記変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより前記補正済目標エンジン出力を求めるよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項5

アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、前記目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求めこの目標エンジン回転数に対応した前記変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより、前記余裕駆動力分だけ低下補正した補正済目標エンジン出力を求め、前記変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項6

アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、前記目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求め変速機入力回転数に対する車軸回転数の比により表される車輪駆動系実変速比で前記要求車軸駆動力を除算して要求エンジン出力を求め、前記変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記要求エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項7

請求項5または6において、前記車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータは、前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力に置き換えた2次元座標上に移記し、且つ、エンジン回転数が等しい点を結んだ線として予め求めておくよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項8

請求項5または6において、前記車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータは、前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力に置き換え、該車軸駆動力ごとに車速に対するエンジン回転数の特性曲線として予め求めておくよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

請求項9

請求項1乃至8のいずれか1項において、前記余裕駆動力をアクセルペダル踏み込み量踏み込み速度、踏み込み頻度、車速の高低変化割合変化頻度道路状況運転者の好みの少なくとも1つに応じて自動的、若しくは手動で決めるよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。

技術分野

0001

本発明は、無段変速機を搭載された車両の車輪駆動力を、エンジン燃費最低になるような態様で制御することを基本としつつ、同時に当該燃費の犠牲を最小限にしつつ必要に応じてアクセル応答余裕があるような態様で車輪駆動力を制御するための装置に関するものである。

背景技術

0002

Vベルト式無段変速機や、トロイダル型無段変速機に代表される無段変速機は、一般的にエンジン要求負荷および車速から目標変速比を求め、実変速比がこの目標変速比になるよう変速制御する。

0003

従って、運転者アクセルペダルを踏み込んでエンジン要求負荷を増すような加速時は、目標変速比が大きくなる(低速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該大きくされた目標変速比へダウンシフト変速され、逆に運転者がアクセルペダルを戻してエンジン要求負荷を低下させるような低負荷運転時は、目標変速比が小さくなる(高速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該小さくされた目標変速比へアップシフト変速される。

0004

一方で、車両の要求駆動力を求める技術としては従来、例えば特開平7−172217号公報に記載されているようなものがある。この技術は、車速とアクセルペダル踏み込み量から車両の目標駆動力を求め、これに、車速から推定可能な走行抵抗分を加算して車輪に伝達すべき要求駆動力とするものである。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、上記した一般的な無段変速機の変速制御では、上記の文献による技術で求めた要求駆動力を正確に実現することができないし、まして、無段変速機の変速制御のみでは如何にしても、求めた要求駆動力をエンジンの燃費が最低になるような態様で実現することは不可能である。そして、エンジンの燃費が最低になるような態様でエンジンおよび無段変速機を介し駆動力制御できたとしても、当該制御によれば必然的にアクセルペダルの踏み込みに対する車輪駆動力の応答性、つまりアクセル応答に余裕のない状態で車両を運転させている状態であるために、加速性能重視すべき条件のもとでは、運転者が動力性能不満感じることになる。

0006

従って、エンジンの燃費が最低になるような駆動力制御を行うようにした車両と雖も、必要に応じてアクセル応答に余裕を持たせ、要求通りの加速性能を発揮し得る駆動力制御も可能にすべきである。しかるに従来にあっては、燃費が最低になるような駆動力制御はもとより、燃費の犠牲を最小限にしつつアクセル応答に余裕のある、余裕をもった駆動力制御をも可能にするといった技術思想が存在しなかった。

0007

請求項1に記載の第1発明は、エンジンの出力制御および無段変速機の変速制御により、前者の燃費重視の駆動力制御と、後者のアクセル応答重視の余裕をもった駆動力制御とを両立させ得る車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

0008

請求項2に記載の第2発明は、第1発明において求めるべき、エンジンの燃費が最低になる態様で要求馬力を発生させる目標エンジン回転数目標エンジン出力との組み合わせを最も簡便に求め得るようにすることを目的とする。

0009

請求項3に記載の第3発明は、第1発明または第2発明で求めた目標エンジン出力から補正済目標エンジン出力を求める簡便な方式を提案することを目的とする。

0010

請求項4に記載の第4発明は、第1発明における目標エンジン回転数および補正済目標エンジン出力を求める別の方式を提案することを目的とする。

0011

請求項5に記載の第5発明は、前記第1発明とは別の方式で、燃費重視の駆動力制御と、アクセル応答重視の余裕をもった駆動力制御とを両立させ得るようにした車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

0012

請求項6に記載の第6発明は、第1発明および第5発明とは別の方式により、これらとほぼ同様の目的を達成し得るようにした簡易式の駆動力制御装置を提案することを目的とする。

0013

請求項7に記載の第7発明は、無段変速機の変速制御量を求めるに際して用いるデータの好適な構築方式を提案することを目的とする。

0014

請求項8に記載の第8発明は、無段変速機の変速制御量を求めるに際して用いるデータを実用上更に好適なものにすることを目的とする。

0015

請求項9に記載の第9発明は、上記各発明におけるアクセル応答重視の余裕をもった駆動力制御のための余裕駆動力を決定する方式を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

これらの目的のため、先ず第1発明による車両の駆動力制御装置は、アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めたアクセル応答余裕分の余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力を、最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数および目標エンジン出力の組み合わせを求め、この目標エンジン出力を前記余裕駆動力分だけ低下補正して補正済目標エンジン出力を求め、前記目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とするものである。

0017

第2発明による車両の駆動力制御装置は、第1発明において、前記目標車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、該要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力の組み合わせをエンジン特性線図から求めて、これらエンジン回転数およびエンジン出力を前記目標エンジン回転数および目標エンジン出力とするよう構成したことを特徴とするものである。

0018

第3発明による車両の駆動力制御装置は、第1発明または第2発明において、前記変速機目標入力回転数と車軸回転数との比である車輪駆動系目標変速比により前記余裕駆動力を除算して求めたエンジン出力補正量だけ前記目標エンジン出力を減算して前記補正済目標エンジン出力を求めるよう構成したことを特徴とするものである。

0019

第4発明による車両の駆動力制御装置は、第1発明において、前記目標車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、該要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力のうち、エンジン回転数のみをエンジン特性線図から求めて、このエンジン回転数を前記目標エンジン回転数とし、この目標エンジン回転数に対応した前記変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより前記補正済目標エンジン出力を求めるよう構成したことを特徴とするものである。

0020

第5発明による車両の駆動力制御装置は、アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、前記目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求めこの目標エンジン回転数に対応した前記変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより、前記余裕駆動力分だけ低下補正した補正済目標エンジン出力を求め、前記変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とするものである。

0021

第6発明による車両の駆動力制御装置は、アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御されるエンジンと、無段変速機との組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両において、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、前記目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求め変速機入力回転数に対する車軸回転数の比により表される車輪駆動系実変速比で前記供給車軸駆動力を除算して要求エンジン出力を求め、前記変速機目標入力回転数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、前記要求エンジン出力となるようスロットル開度を制御する構成にしたことを特徴とするものである。

0022

第7発明による車両の駆動力制御装置は、上記第5発明または第6発明における、車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを以下のようにして求めるよう構成したことを特徴とするものである。つまり前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力にそれぞれ置き換えた2次元座標上に移記し、且つ、エンジン回転数が等しい点を結んだ線として予め求めておくようにする。

0023

第8発明による車両の駆動力制御装置は、上記第5発明または第6発明における、車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを以下のようにして求めるよう構成したことを特徴とするものである。つまり前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力にそれぞれ置き換え、該車軸駆動力ごとに車速に対するエンジン回転数の特性曲線として予め求めておくようにする。

0024

第9発明による車両の駆動力制御装置は、第1発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記余裕駆動力をアクセルペダルの踏み込み量踏み込み速度、踏み込み頻度、車速の高低変化割合変化頻度道路状況、運転者の好みの少なくとも1つに応じて自動的、若しくは手動で決めるよう構成したことを特徴とするものである。

発明の効果

0025

第1発明においてはエンジンが、アクセルペダル操作以外の因子によっても補正可能な目標値に向けてスロットル開度を制御され、該エンジンからのスロットル開度に応じた出力が無段変速機により変速されてパワートレーンの出力となる。

0026

ところで第1発明においては特に、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めたアクセル応答余裕分の余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力を、最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数および目標エンジン出力の組み合わせを求め、先ず目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう無段変速機を変速制御し、更に、上記の目標エンジン出力を上記余裕駆動力分だけ低下補正して求めた補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御するから、一方で、変速機目標入力回転数が余裕駆動力の加算分だけ増大されて無段変速機を低速側変速比にさせることとなり、その分、アクセル応答に要求通りの余裕を持たせた運転性能重視の駆動力制御が実現され、他方で、上記の変速制御により変速機入力回転数が上昇した分、補正済目標エンジン出力によりスロットル開度が低下されることとなって、最低燃費への悪影響を最低限に抑制しつつ上記運転性能重視を実現することができる。

0027

そして、余裕駆動力が必要でない間は、結果として要求車軸駆動力を最低燃費で発生させるような駆動力制御がなされることから、燃費重視の駆動力制御を実現することができる。しかも、かかる駆動力制御態様の切り換えを、要求車軸駆動力に余裕駆動力が加算されるか否かの簡単な論理で達成することができ、コスト上大いに有利である。

0028

以上により第1発明においては、通常前記の要求車軸駆動力を最低燃費で発生させつつ、必要に応じてアクセル応答に余裕のある運転性能重視を、最低燃費が大きく犠牲になることのない態様で実現することができる。

0029

第2発明においては、第1発明における目標エンジン回転数および目標エンジン出力を求めるに際し、要求車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、この要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力の組み合わせをエンジン特性線図から求めて、これらを目標エンジン回転数および目標エンジン出力とするため、これら目標エンジン回転数および目標エンジン出力の組み合わせを最も簡単に求めることができて有利である。

0030

第3発明においては、第1発明または第2発明で求めた目標エンジン出力から、変速機目標入力回転数と車軸回転数との比である車輪駆動系目標変速比により前記余裕駆動力を除算して求めたエンジン出力補正量を減算して補正済目標エンジン出力を求めることから、目標エンジン出力から補正済目標エンジン出力を簡便に求めることができて、大いに有利である。

0031

第1発明における目標エンジン回転数および補正済目標エンジン出力を求めるに際しては第4発明のように、目標車軸駆動力と、車軸回転数との乗算により要求馬力を求め、該要求馬力を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数およびエンジン出力のうち、エンジン回転数のみをエンジン特性線図から求めて、このエンジン回転数を目標エンジン回転数とし、この目標エンジン回転数に対応した前記変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより補正済目標エンジン出力を求めることができる。この場合、目標エンジン回転数のみを検索により求め、補正済目標エンジン出力は演算により求めることから、検索の頻度を低下させることができる。

0032

第5発明においては、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求めこの目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう無段変速機を変速制御する。更に、当該変速機目標入力回転数に対する車軸回転数の比で表される車輪駆動系目標変速比で前記要求車軸駆動力を除算することにより、上記余裕駆動力分だけ低下補正した補正済目標エンジン出力を求め、この補正済目標エンジン出力となるようスロットル開度を制御する。

0033

よって第5発明においても、変速機目標入力回転数が余裕駆動力の加算分だけ増大されて無段変速機を低速側変速比にさせることとなり、その分、アクセル応答に要求通りの余裕を持たせた運転性能重視の駆動力制御が実現され得る。他方で、上記の変速制御により変速機入力回転数が上昇した分、補正済目標エンジン出力によりスロットル開度が低下されることとなって、最低燃費への悪影響を最低限に抑制しつつ運転性能重視の目的を達成することができる。

0034

そして、余裕駆動力が必要でない間は、結果として要求車軸駆動力を最低燃費で発生させるような駆動力制御がなされることから、燃費重視の駆動力制御を実現することができる。しかも、かかる駆動力制御態様の切り換えを、要求車軸駆動力に余裕駆動力が加算されるか否かの簡単な論理で達成することができ、コスト上大いに有利である。

0035

以上により第5発明においても、通常前記の要求車軸駆動力を最低燃費で発生させつつ、必要に応じてアクセル応答に余裕のある運転性能重視を、最低燃費が大きく犠牲になることのない態様で実現するという、第1発明におけると同様の目的を達成することができる。

0036

第6発明においては、車両の運転状態や走行条件により決まる要求車軸駆動力に、同じく運転状態や走行条件を基に定めた余裕駆動力を加算して求めた目標車軸駆動力、および車速から、予めエンジン特性線図上の最低燃費線に基づき求めておいた車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを基に、前記目標車軸駆動力を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数を求め、この目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう無段変速機を変速制御する。更に、変速機入力回転数に対する車軸回転数の比により表される車輪駆動系実変速比で前記余裕駆動力を除算して要求エンジン出力を求め、この要求エンジン出力となるようスロットル開度を制御する。

0037

よって第6発明においては、一方で、変速機目標入力回転数が余裕駆動力の加算分だけ増大されて無段変速機を低速側変速比にさせることとなり、その分、アクセル応答に要求通りの余裕を持たせた運転性能重視の駆動力制御を実現し得るという、第1発明および第5発明と同様の作用効果を達成することができる。しかして上記要求エンジン出力は、その演算に、余裕駆動力が考慮された車輪駆動系目標変速比でなく、車輪駆動系実変速比を用いることから、上記の変速制御により変速機入力回転数が上昇した分だけ低下補正されたものでなく、当該要求エンジン出力に応じたスロットル開度制御では、最低燃費への悪影響を最低限に抑制しつつ運転性能重視の目的を達成するという訳にはゆかないが、それでも、目的を実用上ある程度は達成することができる。

0038

なお、余裕駆動力が必要でない間は、結果として要求車軸駆動力を最低燃費で発生させるような駆動力制御がなされて、燃費重視の駆動力制御を実現し得ること、第1発明および第5発明と同様である。

0039

第7発明においては、前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力に置き換えた2次元座標上に移記し、且つ、エンジン回転数が等しい点を結んだ線として、第5発明または第6発明における、前記の車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを予め求めておくことから、該データを基に求める目標エンジン回転数の精度を実情に即した正確なものにすることができる。

0040

第8発明においては、前記最低燃費線上の個々の点を、変速比に関する係数によってエンジン回転数を車速に、またエンジン出力を車軸駆動力に置き換え、該車軸駆動力ごとに車速に対するエンジン回転数の特性曲線として、第5発明または第6発明における、前記の車速と、車軸駆動力と、エンジン回転数との関係を表すデータを予め求めておくことから、該データを基に求める目標エンジン回転数の精度を実情に即した正確なものにし得ると共に、変速制御マップパラメータを従来のアクセル開度から車軸駆動力に変更しただけのものとなり、特定領域で意図的に本発明による変速とは別の変速を行う場合においても、従来の考え方をそのまま踏襲して目的を達成することができる。

0041

上記の各発明におけるアクセル応答のための余裕駆動力を定めるに際しては、第9発明のように、アクセルペダルの踏み込み量、踏み込み速度、踏み込み頻度、車速の高低、変化割合、変化頻度、道路状況、運転者の好みの少なくとも1つに応じて自動的、若しくは手動で決めるのが有用である。

発明を実施するための最良の形態

0042

以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置を具えた車両のパワートレーンと、その制御系を示し、該パワートレーンをエンジン1と無段変速機2とで構成する。エンジン1は、運転者が操作するアクセルペダル3にリンク連結せず、これから切り離されて、ステップモータ4により開度電子制御されるようにしたスロットルバルブ5を具え、ステップモータ4を目標スロットル開度(TVO* )指令に対応した回転位置にすることでスロットルバルブ5を目標スロットル開度TVO* にして、エンジン1の出力を、アクセルペダル操作以外の因子によっても制御し得るようなものとする。

0043

無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力軸駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト9とを具える。そして、セカンダリプーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディファレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより図示せざる車輪を回転駆動するものとする。

0044

無段変速機2の変速のために、プライマリプーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようにし、両可動フランジを、目標変速比(i* )指令に応動する油圧アクチュエータ12からのプライマリプーリ圧Ppri およびセカンダリプーリ圧Psec に応じた位置に変位させることで、無段変速機2を実変速比が目標変速比i* に一致するよう無段変速させ得るものとする。

0045

目標スロットル開度TVO* および目標変速比i* はそれぞれ、コントローラ13により演算して求めることとする。これがためコントローラ13には、アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセル開度)APSを検出するアクセル開度センサ14からの信号と、スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ16からの信号と、プライマリプーリ7の回転数プライマリ回転数)Npri を検出するプライマリプーリ回転センサ17からの信号と、セカンダリプーリ8の回転数(セカンダリ回転数)Nsec を検出するセカンダリプーリ回転センサ18からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ19からの信号とをそれぞれ入力する。

0046

コントローラ13はこれら入力情報を基に、図2に機能別ブロック線図で示すように無段変速機2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度制御を以下のごとくに行う。要求車軸駆動力演算部21では、センサ14により検出したアクセル開度APSおよびセンサ19により検出した車速VSPを基に、例えば前記文献に記載された方法により車両の運転状態や走行条件に応じた必要最小限の要求車軸駆動力TS を求める。

0047

アクセル応答用余裕駆動力演算部27は、車速VSPおよびアクセル開度APSをそれぞれ入力され、例えば、有段自動変速機において燃費重視のノーマルパターンと動力性能重視のパワーパターンを切り換える場合と同様の考え方により、アクセルペダルの踏み込み量ごとに、踏み込み速度が速いほど、踏み込み頻度が高いほど、アクセル応答に余裕を持たせるための余裕駆動力ToVRを0から大きく増大させ、また、車速ごとに、その変化割合が高いほど、そしてその変化頻度が高いほど、余裕駆動力ToVR を0から大きく増大させ、当該余裕駆動力ToVR を出力するものとする。

0048

目標車軸駆動力演算部28は、要求車軸駆動力TS に余裕駆動力ToVRを加算して目標車軸駆動力To を求める。更に車軸回転数演算部22は、センサ18により検出したセカンダリ回転数Nsec 、つまり変速機出力回転数を、ファイナルドライブギヤ組10のギヤ比(ファイナルドライブギヤ比)iF で除算することによって、車軸回転数NS を求める。そして要求馬力演算部23は、上記のようにして夫々求めた目標車軸駆動力To と車軸回転数NS との乗算により要求馬力HPS を算出する。

0049

制御目標値演算部24では、図7に例示するエンジンの特性線図を基に、上記算出した要求馬力HPS を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数Ne の目標値Ne * を求めて、これに対応した変速機目標入力回転数(目標プライマリ回転数)Npri * を出力すると共に、エンジン出力(トルク)Te の目標値Te *を求める。ここで図7は、エンジン回転数Ne と、エンジン出力(トルク)Te との関係を、燃料消費率が同じになる等燃費線αとして、また、出力馬力が同じになる等馬力線βとして示し、更に各等馬力線β上で最も燃料消費率が良くなる点を結んだ最低燃費線をδにより示したものである。

0050

図7上において、要求馬力HPS に対応した等馬力線βと最低燃費線δとの交点が例えば図7のZ点であるとすると、当該要求馬力HPS を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数Ne * および目標エンジン出力Te * は、図7に示すようにZ点から横軸および縦軸にそれぞれ下ろした目盛り値として求めることができる。なお無段変速機搭載車においては、動力伝達中の大半時間に亘りトルクコンバータ6を、入出力要素間直結されたロックアップ状態にしているため、本実施の形態では便宜上、変速機目標入力回転数Npri * を目標エンジン回転数Ne *に同じ値として取り扱うこととする。

0051

変速機目標入力回転数Npri * は目標変速比演算部25に入力され、この演算部25は、当該変速機目標入力回転数Npri * を変速機出力回転数Nsec で除算することにより、変速機目標入力回転数Npri * に対応した目標変速比i* を求めて図1のように油圧アクチュエータ12に出力し、無段変速機2を目標変速比i* が達成されるよう、つまり変速機目標入力回転数Npri * が達成されるよう変速させる。

0052

車輪駆動系目標変速比演算部30は、変速機目標入力回転数Npri * と車軸回転数NS との比で表される車輪駆動系目標変速比iT * を算出し、エンジン出力補正量演算部31は、余裕駆動力ToVRを車輪駆動系目標変速比iT * で除算することにより、エンジン出力補正量ΔTe を求め、補正済目標エンジン出力演算部29は、前記の目標エンジン出力Te * からエンジン出力補正量ΔTe を減算して補正済目標エンジン出力Te0* を求める。

0053

補正済目標エンジン出力Te0* は目標スロットル開度演算部26に入力され、この演算部26は、当該補正済目標エンジン出力Te0* が発生するような目標スロットル開度TVO* を求めて図1に示すようにステップモータ4に出力し、スロットルバルブ5を目標スロットル開度TVO* となるよう開度制御する。

0054

以上のような本実施の形態によれば、アクセル応答の余裕が要求されない運転状態のもとでは、余裕駆動力ToVRが当然0であり、この場合、演算部24からの変速機目標入力回転数Npri * および目標エンジン出力Te * はそれぞれ、目標車軸駆動力To のみに対応して、これを最低燃費で発生させるエンジン回転数(変速機入力回転数)およびエンジン出力であり、また、演算部29からの補正済目標エンジン出力Te0* も目標エンジン出力Te * に等しい。

0055

従って、運転条件や走行条件から求めた要求車軸駆動力TS を最低燃費で発生させるような態様で無段変速機の変速制御およびエンジンのスロットル開度制御が行われることとなり、燃費の改善と必要最低限の動力性能とを両立させることができる。なお本実施の形態によれば、要求馬力HPS を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数Ne * (目標変速機入力回転数Npri * )および目標エンジン出力Te * の双方を図7のエンジン特性線図から求めることから、その処理を最も簡便に行うことができる。

0056

ところで、アクセル応答の余裕が要求される運転状態のもとで、余裕駆動力ToVRがそれに対応して0よりも大きい場合、目標車軸駆動力To が要求車軸駆動力TS よりも余裕駆動力ToVR 分だけ大きくなり、これに対応して変速機目標入力回転数Npri * および目標エンジン出力Te * は上昇される。変速機目標入力回転数Npri * の上昇は、無段変速機を低速側変速比に変速制御することとなり、その分、アクセル応答を高めて余裕のある運転性能重視の駆動力制御を達成することができる。

0057

ところで目標エンジン出力Te * の上昇は、余裕駆動力ToVR分だけ要求車軸駆動力TS よりも駆動力の過大をもたらし、更に加えて上記低速側変速比への変速制御が当該駆動力の過大を一層助長させ、最低燃費からの燃費の悪化を大きくする。

0058

しかして本実施の形態においては、目標エンジン出力Te * をエンジン出力補正量ΔTe だけ減算して得られる補正済目標エンジン出力Te0* となるようエンジンをスロットル開度制御することから、そして、エンジン出力補正量ΔTe を前記のごとく、変速機目標入力回転数Npri * から求めた車輪駆動系目標変速比iT * による余裕駆動力ToVRの除算によって算出することから、上記スロットル開度制御によるエンジン出力は上記の過大原因を全て除去され、エンジン出力を要求車軸駆動力TS に正確に対応したものにすることができ、最低燃費からの燃費の悪化をほとんど無視できる程度のものにすることが可能となる。

0059

これがため、最低燃費からの大きな乖離なしにアクセル応答を高めて運転性能重視の駆動力制御を実現することができる。しかも、要求車軸駆動力TS に対する余裕駆動力ToVRの加算を行うか否かのみで、上記燃費重視の駆動力制御と、動力性能重視の駆動力制御とを切り換えて上記の作用効果を達成することができ、コスト的に大いに有利である。

0060

図3は本発明の他の実施形態を示し、本実施の形態では制御目標値演算部24において、要求馬力HPS を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数Ne * (目標変速機入力回転数Npri * )のみを上記した実施の形態と同様に図7のエンジン特性線図から求め、目標エンジン出力Te * (この図では表れない)をアクセル応答用の余裕駆動力ToVR分だけ補正したものに相当する補正済目標エンジン出力Te0* は、これを以下のようにして求めるものとする。つまり、車輪駆動系目標変速比演算部30で、変速機目標入力回転数Npri *と車軸回転数NS との比で表される車輪駆動系目標変速比iT * を算出し、補正済目標エンジン出力演算部32において、前記の要求車軸駆動力TS を車輪駆動系目標変速比iT * により除算することによって補正済目標エンジン出力Te0* を求める。

0061

ここで、演算部32での演算結果が補正済目標エンジン出力Te0* となる理由を説明するに、当該演算の元になっている車輪駆動系目標変速比iT * の算出に変速機目標入力回転数Npri * が用いられており、この変速機目標入力回転数Npri * が既に余裕駆動力ToVRを考慮して求めたものであることから、演算部32での演算結果は余裕駆動力ToVR の増大につれ低下し、このことから、演算部32での演算結果が補正済目標エンジン出力Te0* であることが判る。

0062

かかる構成によれば、補正済目標エンジン出力Te0* を上記の演算により求めるから、マップ検索の手間が半減するとともに、マップのデータも図7の全てが必要ではなくなり、メモリ容量に余裕を持たせることができる。

0063

ここで余裕駆動力演算部27は、前記した車速VSPおよびアクセル開度APSの走行状態だけでなく、図4に示すように、道路状態判定部33からの情報や、余裕駆動力マニュアル指令部34からの情報に応じ決定するようにしても良い。

0064

道路状態判定部33は、車載ナビゲーションシステムや、路面センサからの勾配に関する情報や、湾曲路に関する情報を余裕駆動力演算部27に供給し、勾配が急なほど、そして、路面の湾曲変化が激しいほど、余裕駆動力ToVRを0よりも大きな値にさせるものとし、マニュアル指令部34は、運転者が好みに応じて指令した余裕駆動力を演算部27に供給し、指令に対応した0よりも大きな余裕駆動力ToVR を出力させるものとする。

0065

図5は本発明の更に他の実施の形態を示し、本実施の形態においては目標変速機入力回転数Npri * を、前記した各実施の形態におけるとは違う方式により求める。つまり目標変速機入力回転数演算部35で、演算部28において求めた目標車軸駆動力To およびセンサ19による車速検出値VSPから、エンジンの特性線図に基づき後述のごとくに求めた例えば図9に示すデータに対応するマップを基に、現在の車速VSPのもと上記目標車軸駆動力To を最低燃費で発生させるためのエンジン回転数Ne の目標値Ne * を求め、次いで目標エンジン回転数Ne* に対応した変速機目標入力回転数(目標プライマリ回転数)Npri * を求める。

0066

ここで図9のデータを説明するに、このデータは図7に示すエンジンの特性線図から以下のごとくに求めた、車速VSPと、車軸駆動力To と、エンジン回転数Ne との関係とする。図7は既に前記したが、エンジン回転数Ne と、エンジン出力(トルク)Teとの関係を、燃料消費率が同じになる等燃費線αとして、また、出力馬力が同じになる等馬力線βとして示し、更に各等馬力線β上で最も燃料消費率が良くなる点を結んだ最低燃費線をδにより示したものである。

0067

図7に示す最低燃費線δ上の個々の点を図8のごとく、変速比(これに関する係数も含む)によってエンジン回転数Ne を車速VSPに、またエンジン出力(トルク)Te を車軸駆動力To に置き換えた2次元座標上に移記し、変速比ごとの最低燃費となる車速VSPとエンジン出力(トルク)Te の組み合わせを求めると、図8に示す通りのものとなる。

0068

そして、変速比ごとの特性線図上にエンジン回転数Ne が等しくなる点をプロットすると、或るエンジン回転数Ne の場合、図8にAで示すごときものとなり、これらの点を結んで、エンジン回転数Ne ごとに車速VSPおよび車軸駆動力To の関係を示すと、図7の最低燃費線δは図9に示すような線で表すことができる。

0069

なお図9においては便宜上、エンジン回転数Ne を目標エンジン回転数Ne *として表記し、また、車軸駆動力To を目標車軸駆動力(同じ符号To で示した)として表記した。

0070

かかる車速VSPと、目標車軸駆動力To と、目標エンジン回転数Ne * との関係を表すデータによれば、現在の車速VSPと目標車軸駆動力To との組み合わせが例えば点Zに対応したものである場合について説明すると、当該車速VSPのもとで目標車軸駆動力To を最低燃費で発生させるための目標エンジン回転数Ne * は、図9におけるZ点を通る線に係わるパラメータ値(エンジン回転数)として求めることができる。

0071

なお無段変速機搭載車においては、動力伝達中の大半時間に亘りトルクコンバータ6を、入出力要素間が直結されたロックアップ状態にしているため、本実施の形態においても図9に示したが、前記各実施の形態におけると同様、前記の変速機目標入力回転数Npri * を目標エンジン回転数Ne * に同じ値として取り扱うこととする。

0072

上記のようにして検索した変速機目標入力回転数Npri * は、一方で、演算部25での目標変速比i* の演算に供されて、無段変速機を前記した各実施の形態と同様に変速制御可能とし、他方で、演算部30での車輪駆動系目標変速比iT* の演算に供されて、演算部32からの補正済目標エンジン出力Te0* に応じたスロットル開度制御を前記した各実施の形態と同様に可能にする。

0073

以上のような本実施の形態によっても、アクセル応答の余裕が必要でなく燃費重視の駆動力制御が要求される場合は、運転条件や走行条件から求めた要求車軸駆動力TS を最低燃費で発生させるような態様で無段変速機の変速制御およびエンジンのスロットル開度制御を行わせることとなり、燃費の改善と必要最小限の動力性能とを両立させることができる。

0074

そして、アクセル応答に余裕のある運転性能重視の駆動力制御が要求される場合は、対応する余裕駆動力ToVRだけ要求車軸駆動力TS を嵩上げした目標車軸駆動力T0 を最低燃費で発生させるような変速機目標入力回転数Npri * を達成すべく、無段変速機をダウンシフト変速してアクセル応答を高めることができる。この時、目標スロットル開度演算部26への補正済目標エンジン出力Te0* を、図3につき前述したと同様に求めることから、上記の変速制御により変速応答を高める時にスロットル開度が余裕駆動力ToVR 相当分だけ低下されて、当該運転性能重視の駆動力制御時も最低燃費の大きな悪化を伴うことがない。

0075

図6は本発明の更に別の実施形態を示し、本実施の形態においては目標スロットル開度演算部26へ、図5のような補正済目標エンジン出力Te0* を入力するのでなく、以下のようにして求めた要求エンジン出力Te1* を入力するようになす。つまり、基本的には図5におけると同様に構成し、相違点のみについて説明すると、車軸回転数演算部24で求めた車軸回転数NS を車輪駆動系実変速比演算部36に入力する。この演算部36は、センサ17で検出したプライマリ回転数Npri 、つまり変速機入力回転数Npri を車軸回転数NS により除算して、車輪駆動系実変速比iT を求める。

0076

そして要求エンジン出力演算部37で、前記の要求車軸駆動力TS を車輪駆動系実変速比iT で除算することにより要求エンジン出力(トルク)Te1* を求め、これを目標スロットル開度演算部26に供給して目標スロットル開度TVO*の演算に資する。この場合、目標スロットル開度TVO* が余裕駆動力ToVRに全く係わらないことから、図5とは違って、変速応答を高めるための前記変速制御時にスロットル開度が余裕駆動力ToVR 相当分だけ低下されないこととなり、当該運転性能重視の駆動力制御時に燃費の若干の悪化を伴うが、支障のない範囲であることを確かめた。

0077

なお、図2乃至図4における車輪駆動系目標変速比iT * も、図6におけると同様に車輪駆動系実変速比iT と置換することができることは言うまでもない。

0078

ところで、前記した図5および図6に示す各実施の形態においては、図9に示すデータマップに基づいて目標エンジン回転数Ne * (目標変速機入力回転数Npri * )を検索することとしたが、これに代えて図11実線に対応するデータマップを用いても同様に目的とする目標エンジン回転数Ne * (目標変速機入力回転数Npri * )を検索することができる。

0079

ここで図11のデータマップを詳述するに、図7に示すエンジンの特性線図から前述のように求めた、図9における車速VSPと、要求車軸駆動力TS と、変速機目標入力回転数Npri * との関係は、要求車軸駆動力TS をパラメータとし、車速VSPに対する変速機目標入力回転数Npri * の変化特性に置き換えると図10の如くになる。この図10に対して図11に示すように、最大変速比線aと、最低変速比線bと、最低入力回転線cと、最高入力回転線dと、最高車速線eとで囲まれた変速可能領域を規定すると、実線で示すごとき要求車軸駆動力TS をパラメータとした車速VSPに対する変速機目標入力回転数Npri * の関係を示す変速パターンが得られ、これを基に、車速VSPおよび要求車軸駆動力TS から変速機目標入力回転数Npri * を求めても、前記各実施の形態におけると同様の作用効果を達成することができる。

0080

ところで図11に示す変速パターンは、従来の無段変速機用変速パターンに対して、パラメータをアクセル開度から要求車軸駆動力TS に変更したものに等しく、従って、図11に例えば2点鎖線で囲んで示す領域を騒音対策などの目的で最低燃費運転制御から外す対策を従来と同じに行う場合でも、特殊なことを何ら要することなしに当該領域を従来と同じ考え方により設定することができるし、また、特定の領域だけ或る条件を優先させるために最低燃費運転制御から外すという操作も、従来と全く同じノウハウで設定することができる。

図面の簡単な説明

0081

図1本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置を具えた無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制御システムと共に示す概略説明図である。
図2同実施の形態においてコントローラが実行する変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
図3本発明の他の実施の形態を示す変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
図4本発明の更に他の実施の形態を示す変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
図5本発明の更に別の実施の形態を示す変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
図6本発明の更に他の実施の形態を示す変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
図7エンジン回転数軸およびエンジン出力トルク軸により規定した2次元座標上に、等燃費線、等馬力線、最低燃費線を示すエンジンの特性線図である。
図8同最低燃費線を変速比ごとに車速と車軸駆動力との関係線図として書き直した線図である。
図9図8の線図上で、変速比ごとに入力回転が等しくなる点を結んだ線図として表した無段変速機の変速パターン図である。
図10図9の変速パターンを、要求車軸駆動力がパラメータとなるように書き直した線図である。
図11図10の線図をもとに起こした無段変速機の変速パターン図である。

--

0082

1エンジン
2無段変速機
3アクセルペダル
4ステップモータ
電子制御スロットルバルブ
6トルクコンバータ
7プライマリプーリ
8セカンダリプーリ
9Vベルト
10ファイナルドライブギヤ組
11ディファレンシャルギヤ装置
12油圧アクチュエータ
13コントローラ
14アクセル開度センサ
16スロットル開度センサ
17 プライマリプーリ回転センサ
18セカンダリプーリ回転センサ
19車速センサ
21 要求車軸駆動力演算部
22車軸回転数演算部
23 要求馬力演算部
24制御目標値演算部
25目標変速比演算部
26目標スロットル開度演算部
27余裕駆動力演算部
28目標車軸駆動力演算部
29補正済目標エンジン出力演算部
30車輪駆動系目標変速比演算部
31エンジン出力補正量演算部
32 補正済目標エンジン出力演算部
33道路状態判定部
34アクセル応答余裕率マニュアル指令部
35目標変速機入力回転数演算部
36 車輪駆動系実変速比演算部
37要求エンジン出力演算部

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