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技術 機械構造用部品

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 小高文雄佐藤朗宮本太郎
出願日 1997年8月27日 (23年5ヶ月経過) 出願番号 1997-231571
公開日 1999年3月23日 (21年10ヶ月経過) 公開番号 1999-079842
状態 拒絶査定
技術分野 ガスバーナ ボルト・ナット・座金 セラミック製品
主要キーワード 底付き穴 ネジ穴加工 伝動部品 金型モールド ヒーターエレメント 熱処理部品 伝導部品 直線切り
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年3月23日)のものです。
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課題

特殊な原料を必要とすることなく、高密度であって、且つ、導電性を有し、熱膨張係数の低い、高熱伝導率を兼ね備えた高品位炭化ケイ素焼結体からなる機械構造用部品を提供すること。

解決手段

炭化ケイ素粉末非金属系焼結助剤との混合物焼結して得られた焼結体であって、密度が2.9g/cm3 以上である炭化ケイ素焼結体からなることを特徴とする機械構造用部品、例えば、締結部品伝導部品配管アクセサリー検査治具部品加工治具用部品、溶接治具用部品、半導体製造治具熱処理部品等である。

概要

背景

近年、機械構造用部品は種々の使用ニーズに合わせ、素材が多様になってきている。その中でセラミックスは本来備えている耐熱性耐腐食性、軽量等の金属の機能的な限界を超えることができる特性を活かし、多方面で開発および利用されてきている。例えばアルミナでは、耐熱性、耐食性を活かして熱処理炉反応装置構造部材締結ボルトを加工して利用されたり、高い電気絶縁性或いは絶縁抵抗を利用して基板硝子に用いられている。非酸化物系セラミックスでは、窒化ケイ素低熱膨張高温強度特性を利用して、バーナーノズル熱交換器ローター等に用いられている。さらに、潤滑性が要求される軸受けには窒化ホウ素が用いられている。同じ窒化ホウ素でも結晶系が異なる六方晶窒化ケイ素は、切削工具に利用されている。炭化ケイ素セラミックスでは高剛性、耐熱性、耐食性が他のセラミックスより優れている多ため、機械構造用部品ヘの利用が考えられ、いくつかの製品が開発されている。

この炭化ケイ素は、共有結合性の強い物質であり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性耐薬品性等の優れた特性を活かして多くの用途で用いられてきた。最近では、電子情報機器材料、半導体製造用材料の分野において、ウェハ処理温度の上昇、ウェハ径の増大、処理単位の増大によって、従来の石英部品における如き熱変形やフッ酸などの薬液洗浄による変質のない、さらに耐熱性の良好で、且つ、密度純度の高い炭化ケイ素焼結体要望されている。これらの用途への構造材としては、一体成形で作られるものは少なく、組立式のものが多い。従って、これらのユニット接合治具部品が重要視されている。さらに機械構造部品としての要件としては、高密度体であり、公知の加工方法が適用できることが必須となる。

しかしながら従来の炭化ケイ素焼結体を用いた場合はその用途は限定される。特に半導体治具原子力関連分野では利用に大きな障害があった。例えば、半導体製造装置用部材に利用した場合、高純度状態での機械構造部品はなく、高温処理中では、セラミックス内の金属不純物が部材中で拡散移動するため、製造する半導体製品汚染してしまうといった問題があった。耐熱性においても、通常の炭化ケイ素焼結体は原料粉末結合材を添加して成形するため、高温での使用中これら結合材の軟化作用により限界があった。さらに、場合によって実装条件での位置決め、性能評価のための検査治具等がなく、計算で行われていたため、実際の運転時に不具合も生じていた。

炭化ケイ素は、その特性より機械構造部品には適したものであり、種々の製造法が考えられている。即ち、以下に示す方法が挙げられる。

炭化ケイ素は、強い共有結合性のために、難焼結性である。緻密質炭化ケイ素焼結体を製造する方法としては、ホットプレス法反応焼結法常圧焼結法が知られている。

ホットプレス法は、炭化ケイ素を高圧下で焼結する方法であり、金属系焼結助剤として、アルミニウムを添加したものが初期(J.Am.Ceram.Soc.第39巻、11号386−389頁、1956年)に報告されて以来、様々な金属系助剤を用いて研究がなされており、中でもBeOを添加したホットプレス焼結による高熱伝導性且つ電気絶縁性の焼結体が1980年に開発されている(「炭化ケイ素セラミックス」第327〜343頁、内田老鶴圃、1988年)。

反応焼結法は、(1)原料混合工程(炭化ケイ素粉末炭素粉末とを混合する工程)、(2)成形加工工程、(3)反応焼結工程、さらに、所望によって(4)後加工工程、という各工程からなる。この方法は、(3)反応焼結工程において、既に成形された炭素粒子ケイ化するものであり、成形体の寸法変化が少なく、焼結助剤を必要としない利点があり、高純度の焼結体が得やすいため、半導体用部品の製造などに利用されている。しかしながら、この方法で得られた焼結体は未反応金属ケイ素を含有するため、耐熱性、耐薬品性や高強度を要求される分野で使用される部品、治具に用いるには制限があった。

常圧焼結法は、炭化ケイ素を焼結するにあたり、金属系焼結助剤を使用することを特徴とする方法あり、1974年にS/Prochazkaの”Ceramics for High Performance Applicatins”第239頁により提案された。この方法によって高温強度を有する高密度構造部材が得られるようになり、炭化ケイ素の研究開発進展した。ここで焼結助剤として、ホウ素、アルミニウム、ベリリウム等の金属やその化合物である金属系焼結助剤と、カーボンブラックグラファイト等の炭素系焼結助剤との二種類を組み合わせて用いられている。ここで重要な金属系焼結助剤の作用としては、最適な焼結助剤として用いられるホウ素について述べれば、粒界への偏析による粒界エネルギーの減少、炭素−ホウ素系物質の粒界拡散の促進、表面拡散抑制等が挙げられ、炭素系焼結助剤の作用については、炭化ケイ素粒子表面酸化層除去効果推定されるが、いずれも詳細は未だ明らかではない。

いずれにせよ、ここで用いられる金属系焼結助剤は、高温での使用時や薬液洗浄処理中に金属不純物が溶出するため、得られた焼結体は半導体製造装置等の機械構造部品への応用には適さなかった。

これらの課題を解決する手段として、特開昭60−108370号において、シラン化合物熱分解して得られた特殊な超微粉炭化ケイ素を用いて、助剤を添加することなく、ホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案された。しかしながら、得られる焼結体の各種特性は明確にされていない。さらに、これに関連して、「炭化ケイ素セラミックス」(内田老鶴圃、1988年刊行)第89頁には、この製法で製造された粉体を用いてもホウ素(焼結助剤として)の添加が不可欠である旨の記載がある。

このホットプレス法の改良として、特開平2−199064号には、CVプラズマ法により合成した超微粉炭化ケイ素粉末を用いて、助剤を全く用いずにホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案されている。しかしながら、この文献に記載される方法においても、鉄等の不純物が数ppm以上含まれており、満足できるレベルとは言い難いこと、この系で焼結助剤としての機能を果たしていると考えられる平均粒径30nmの超微粉炭化ケイ素微粉末高コストであること、このような超微粉は表面酸化に対して取扱上の多大な注意を必要とすること、などを考慮すれば、いまだ上記課題が解決しているとはいい難い。

概要

特殊な原料を必要とすることなく、高密度であって、且つ、導電性を有し、熱膨張係数の低い、高熱伝導率を兼ね備えた高品位の炭化ケイ素焼結体からなる機械構造用部品を提供すること。

炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との混合物を焼結して得られた焼結体であって、密度が2.9g/cm3 以上である炭化ケイ素焼結体からなることを特徴とする機械構造用部品、例えば、締結部品伝導部品配管アクセサリー、検査治具用部品、加工治具用部品、溶接治具用部品、半導体製造治具の熱処理部品等である。

目的

本発明の目的は、特殊な原料を必要とすることなく、高密度であって、且つ、導電性を有し、熱膨張係数の低い、高熱伝導率を兼ね備えた高品位の炭化ケイ素焼結体からなる機械構造用部品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

炭化ケイ素粉末非金属系焼結助剤との混合物焼結して得られた焼結体であって、密度が2.9g/cm3 以上である炭化ケイ素焼結体からなることを特徴とする機械構造用部品

請求項2

締結部品伝動部品配管アクセサリー検査治具部品加工治具用部品、溶接治具用部品、半導体製造治具熱処理部品であることを特徴とする請求項1に記載の機械構造用部品。

請求項3

炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との混合物を非酸化性雰囲気下でホットプレスすることにより得られた炭化ケイ素焼結体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の機械構造用部品。

請求項4

非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を生成する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の機械構造用部品。

請求項5

非金属系焼結助剤が、炭化ケイ素粉末表面を被覆してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の機械構造用部品。

請求項6

非金属系焼結助剤が、加熱により炭素を生成する有機化合物により表面を被覆された炭化ケイ素粉末であることを特徴とする請求項5に記載の機械構造用部品。

請求項7

加熱により炭素を生成する有機化合物が、レゾール型フェノールであることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の機械構造用部品。

請求項8

炭化ケイ素焼結体の体積抵抗率が1Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の機械構造用部品。

請求項9

炭化ケイ素焼結体の曲げ強度が50.0kgf/mm2 以上であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の機械構造用部品。

請求項10

炭化ケイ素焼結体に含まれるケイ素および炭素以外の含有元素の総含有量が5ppm未満であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の機械構造用部品。

技術分野

0001

本発明は、機械構造用部品に関するものであり、詳しくは、優れた特性を有する炭化ケイ素焼結体を用いた、耐久性耐熱性耐食性に優れた機械構造用部品に関するものである。

背景技術

0002

近年、機械構造用部品は種々の使用ニーズに合わせ、素材が多様になってきている。その中でセラミックスは本来備えている耐熱性、耐腐食性、軽量等の金属の機能的な限界を超えることができる特性を活かし、多方面で開発および利用されてきている。例えばアルミナでは、耐熱性、耐食性を活かして熱処理炉反応装置構造部材締結ボルトを加工して利用されたり、高い電気絶縁性或いは絶縁抵抗を利用して基板硝子に用いられている。非酸化物系セラミックスでは、窒化ケイ素低熱膨張高温強度特性を利用して、バーナーノズル熱交換器ローター等に用いられている。さらに、潤滑性が要求される軸受けには窒化ホウ素が用いられている。同じ窒化ホウ素でも結晶系が異なる六方晶窒化ケイ素は、切削工具に利用されている。炭化ケイ素セラミックスでは高剛性、耐熱性、耐食性が他のセラミックスより優れている多ため、機械構造用部品ヘの利用が考えられ、いくつかの製品が開発されている。

0003

この炭化ケイ素は、共有結合性の強い物質であり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性耐薬品性等の優れた特性を活かして多くの用途で用いられてきた。最近では、電子情報機器材料、半導体製造用材料の分野において、ウェハ処理温度の上昇、ウェハ径の増大、処理単位の増大によって、従来の石英部品における如き熱変形やフッ酸などの薬液洗浄による変質のない、さらに耐熱性の良好で、且つ、密度純度の高い炭化ケイ素焼結体が要望されている。これらの用途への構造材としては、一体成形で作られるものは少なく、組立式のものが多い。従って、これらのユニット接合治具部品が重要視されている。さらに機械構造部品としての要件としては、高密度体であり、公知の加工方法が適用できることが必須となる。

0004

しかしながら従来の炭化ケイ素焼結体を用いた場合はその用途は限定される。特に半導体治具原子力関連分野では利用に大きな障害があった。例えば、半導体製造装置用部材に利用した場合、高純度状態での機械構造部品はなく、高温処理中では、セラミックス内の金属不純物が部材中で拡散移動するため、製造する半導体製品汚染してしまうといった問題があった。耐熱性においても、通常の炭化ケイ素焼結体は原料粉末結合材を添加して成形するため、高温での使用中これら結合材の軟化作用により限界があった。さらに、場合によって実装条件での位置決め、性能評価のための検査治具等がなく、計算で行われていたため、実際の運転時に不具合も生じていた。

0005

炭化ケイ素は、その特性より機械構造部品には適したものであり、種々の製造法が考えられている。即ち、以下に示す方法が挙げられる。

0006

炭化ケイ素は、強い共有結合性のために、難焼結性である。緻密質炭化ケイ素焼結体を製造する方法としては、ホットプレス法反応焼結法常圧焼結法が知られている。

0007

ホットプレス法は、炭化ケイ素を高圧下で焼結する方法であり、金属系焼結助剤として、アルミニウムを添加したものが初期(J.Am.Ceram.Soc.第39巻、11号386−389頁、1956年)に報告されて以来、様々な金属系助剤を用いて研究がなされており、中でもBeOを添加したホットプレス焼結による高熱伝導性且つ電気絶縁性の焼結体が1980年に開発されている(「炭化ケイ素セラミックス」第327〜343頁、内田老鶴圃、1988年)。

0008

反応焼結法は、(1)原料混合工程(炭化ケイ素粉末炭素粉末とを混合する工程)、(2)成形加工工程、(3)反応焼結工程、さらに、所望によって(4)後加工工程、という各工程からなる。この方法は、(3)反応焼結工程において、既に成形された炭素粒子ケイ化するものであり、成形体の寸法変化が少なく、焼結助剤を必要としない利点があり、高純度の焼結体が得やすいため、半導体用部品の製造などに利用されている。しかしながら、この方法で得られた焼結体は未反応金属ケイ素を含有するため、耐熱性、耐薬品性や高強度を要求される分野で使用される部品、治具に用いるには制限があった。

0009

常圧焼結法は、炭化ケイ素を焼結するにあたり、金属系焼結助剤を使用することを特徴とする方法あり、1974年にS/Prochazkaの”Ceramics for High Performance Applicatins”第239頁により提案された。この方法によって高温強度を有する高密度構造部材が得られるようになり、炭化ケイ素の研究開発進展した。ここで焼結助剤として、ホウ素、アルミニウム、ベリリウム等の金属やその化合物である金属系焼結助剤と、カーボンブラックグラファイト等の炭素系焼結助剤との二種類を組み合わせて用いられている。ここで重要な金属系焼結助剤の作用としては、最適な焼結助剤として用いられるホウ素について述べれば、粒界への偏析による粒界エネルギーの減少、炭素−ホウ素系物質の粒界拡散の促進、表面拡散抑制等が挙げられ、炭素系焼結助剤の作用については、炭化ケイ素粒子表面酸化層除去効果推定されるが、いずれも詳細は未だ明らかではない。

0010

いずれにせよ、ここで用いられる金属系焼結助剤は、高温での使用時や薬液洗浄処理中に金属不純物が溶出するため、得られた焼結体は半導体製造装置等の機械構造部品への応用には適さなかった。

0011

これらの課題を解決する手段として、特開昭60−108370号において、シラン化合物熱分解して得られた特殊な超微粉炭化ケイ素を用いて、助剤を添加することなく、ホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案された。しかしながら、得られる焼結体の各種特性は明確にされていない。さらに、これに関連して、「炭化ケイ素セラミックス」(内田老鶴圃、1988年刊行)第89頁には、この製法で製造された粉体を用いてもホウ素(焼結助剤として)の添加が不可欠である旨の記載がある。

0012

このホットプレス法の改良として、特開平2−199064号には、CVプラズマ法により合成した超微粉炭化ケイ素粉末を用いて、助剤を全く用いずにホットプレス法により緻密焼結体を得る方法が提案されている。しかしながら、この文献に記載される方法においても、鉄等の不純物が数ppm以上含まれており、満足できるレベルとは言い難いこと、この系で焼結助剤としての機能を果たしていると考えられる平均粒径30nmの超微粉炭化ケイ素微粉末高コストであること、このような超微粉は表面酸化に対して取扱上の多大な注意を必要とすること、などを考慮すれば、いまだ上記課題が解決しているとはいい難い。

発明が解決しようとする課題

0013

従って、公知の炭化ケイ素焼結体の製造方法によっては、金属系助剤を用いるため、一般的な機械装置半導体製造装置用部品等への使用に適する高密度で不純物含有量の少ない炭化ケイ素焼結体を得ることは困難であった。

0014

本発明の目的は、特殊な原料を必要とすることなく、高密度であって、且つ、導電性を有し、熱膨張係数の低い、高熱伝導率を兼ね備えた高品位の炭化ケイ素焼結体からなる機械構造用部品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の炭化ケイ素焼結体が、この目的にかなうことを見出し、本発明を完成した。

0016

即ち、本発明は、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との混合物を焼結して得られた焼結体であって、密度が2.9g/cm3 以上である炭化ケイ素焼結体からなることを特徴とする機械構造用部品である。

0017

本発明の機械構造用部品としては、締結部品伝動部品配管アクセサリー、検査治具用部品、加工治具用部品、溶接治具用部品、半導体製造治具の熱処理部品等が挙げられる。

0018

本発明において炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との混合物を非酸化性雰囲気下でホットプレスすることにより得ることが好ましい。

0019

また、非金属系焼結助剤は、炭化ケイ素粉末表面を被覆してなるもの、加熱により炭素を生成する有機化合物であるもの、或いは、加熱により炭素を生成する有機化合物により表面を被覆された炭化ケイ素粉末であるものが好ましい。このとき、加熱により炭素を生成する有機化合物としては、レゾール型フェノールであることが好ましい。

0020

本発明において、炭化ケイ素焼結体の体積抵抗率は1Ω・cm以下となり、導電性が付与されるため、機械構造用部品を製造するに当たり公知の加工方法である放電加工を採用することができることとなる。

0021

本発明において、炭化ケイ素焼結体の曲げ強度は50.0kgf/mm2 以上となり、機械的強度の高い機械構造用部品を提供することができる。

0022

本発明において、炭化ケイ素焼結体に含まれるケイ素および炭素以外の含有元素、即ち不純物の総含有量は5ppm未満となり、極めて純度の高い機械構造用部品を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下に、本発明をさらに詳細に説明する。

0024

本発明における炭化ケイ素焼結体の原料として用いられる炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質或いはこれらの混合物等が挙げられるが、特に、β型炭化ケイ素粉末が好適に使用される。このβ型炭化ケイ素粉末のグレードには特に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ型炭化ケイ素粉末を用いることができる。この炭化ケイ素粉末の粒径は、高密度化の観点からは小さいことが好ましく、0.01〜10μm程度、さらには、0.05〜2μm程度であることが好ましい。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程における取扱いが困難となり、10μmを超えると比表面積が小さく、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となるため好ましくない。

0025

なお、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、原料の炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉体を用いればよい。

0026

高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、少なくとも1種以上の液状のケイ素化合物を含むケイ素源と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種以上の液状の有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法により得ることができる。液状のケイ素化合物を含むケイ素源、例えば、液状シリコン化合物固体状シリコン化合物と併用することができる。

0027

高純度の炭化ケイ素粉末の製造に用いられるケイ素化合物(以下、適宜、「ケイ素源」と称する)としては、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも一種は液状のものから選ばれなくてはならない。液状のものとしては、アルコキシシランモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシシラン重合体が用いられる。アルコキシシランの中ではテトラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、メトキシシランエトキシシランプロポキシシランブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。また、テトラアルコキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体オリゴマー)及びさらに重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げられる。本発明において酸化ケイ素とは、SiOの他、シリカゾルコロイド超微細シリカ含有液、内部にOH基アルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素シリカゲル微細シリカ石英粉体)等を含む。

0028

これらケイ素源のなかでも、均質性ハンドリング性が良好な観点から、テトラエトキシシランのオリゴマー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好適である。また、これらのケイ素源は高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。

0029

また、高純度炭化ケイ素粉末の製造に使用される加熱により炭素を生成する有機化合物としては、液状のものの他、液状のものと固体のものとを併用することができ、残炭率が高く、且つ触媒若しくは加熱により重合又は架橋する有機化合物、具体的には例えば、フェノール樹脂フラン樹脂ポリイミドポリウレタンポリビニルアルコール等の樹脂モノマープレポリマーが好ましく、その他、セルロース蔗糖ピッチタール等の液状物も用いられ、特にレゾール型フェノール樹脂が好ましい。また、その純度は目的により適宜制御選択が可能であるが、特に高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合には、各金属を5ppm以上含有していない有機化合物を用いることが望ましい。

0030

本発明に使用される原料粉体である高純度炭化ケイ素粉体を製造するにあたっての、炭素とケイ素の比(以下、C/Si比略記)は、混合物を1000℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ素中の遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同時に生成するSiOガス揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉体中の遊離炭素量が焼結体等の製造用途に適当でない量にならないように予め配合を決定することが重要である。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができ、この範囲を好適に用いることができる。C/Si比を2.5以上にすると遊離炭素が顕著に増加するが、この遊離炭素は粒成長を抑制する効果を持つため、粒子形成の目的に応じて適宜選択しても良い。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケイ素を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に限定するものではない。

0031

なお、遊離炭素の焼結の際の作用は、本発明で用いられる炭化ケイ素粉体の表面に被覆された非金属系焼結助剤に由来する炭素によるものに比較して非常に弱いため、基本的には無視することができる。

0032

また、本発明においてケイ素源と加熱により炭素を生成する有機化合物とを均質に混合した固形物を得るために、ケイ素源と該有機化合物の混合物を硬化させて固形物とすることも必要に応じて行われる。硬化の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線による方法が挙げられる。硬化触媒としては、炭素源に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸トルエンカルボン酸酢酸しゅう酸塩酸硫酸マレイン酸等の酸類ヘキサミン等のアミン類等を用いる。

0033

この原料混合固形物は必要に応じ加熱炭化される。これは窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中800℃〜1000℃にて30分〜120分間該固形物を加熱することにより行われる。

0034

さらに、この炭化物をアルゴン等の非酸化性雰囲気中1350℃以上2000℃以下で加熱することにより炭化ケイ素が生成する。焼成温度と時間は希望する粒径等の特性に応じて適宜選択できるが、より効率的な生成のためには1600℃〜1900℃での焼成が望ましい。

0035

また、より高純度の粉体を必要とする時には、前述の焼成時に2000〜2100℃にて5〜20分間加熱処理を施すことにより不純物をさらに除去できる。

0036

上より、特に高純度の炭化ケイ素粉末を得る方法としては、本願出願人が先に特願平7−241856号として出願した単結晶の製造方法に記載された原料粉体の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成して炭化ケイ素粉体を得る炭化ケイ素生成工程と、得られた炭化ケイ素粉体を、1700℃以上2000℃未満の温度に保持し、該温度の保持中に、2000℃〜2100℃の温度において5〜20分間にわたり加熱する処理を少なくとも1回行う後処理工程とを含み、前記2工程を行うことにより、各不純物元素の含有量が0.5ppm以下である炭化ケイ素粉体を得ること、を特徴とする高純度炭化ケイ素粉末の製造方法等を利用することができる。

0037

また、本発明における炭化ケイ素焼結体を製造するにあたって、前記炭化ケイ素粉末と混合されて用いられる非金属系焼結助剤としては、加熱により炭素を生成する、所謂炭素源と称される物質が用いられ、加熱により炭素を生成する有機化合物又はこれらで表面を被覆された炭化ケイ素粉末(粒径:0.01〜1μm程度)が挙げられ、効果の観点からは前者が好ましい。

0038

加熱により炭素を生成する有機化合物としては、具体的には、残炭率の高いコールタールピッチ、ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂フェノキシ樹脂グルコース等の単糖類、蔗糖等の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの等の各種糖類が挙げられる。これらは炭化ケイ素粉末と均質に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱することにより軟化するもの或いは液状となるものが好適に用いられるが、なかでも、得られる成形体の強度が高いフェノール樹脂、特に、レゾール型フェノール樹脂が好適である。

0039

この有機化合物は加熱されると粒子表面(近傍)においてカーボンブラックやグラファイトの如き無機炭素系化合物を生成し、焼結中に炭化ケイ素の表面酸化膜を効率的に除去する焼結助剤として有効に作用すると考えられる。なお、カーボンブラックやグラファイト粉末を焼結助剤として添加しても本発明の効果を得ることはできない。

0040

本発明において、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤との混合物を得る際に、非金属系焼結助剤を溶媒に溶解又は分散させて混合することが好ましい。溶媒は、非金属系焼結助剤として使用する化合物に対して好適なもの、具体的には、好適な加熱により炭素を生成する有機化合物であるフェノール樹脂に対しては、エチルアルコール等の低級アルコール類やエチルエーテルアセトン等を選択することができる。また、この非金属系焼結助剤及び溶媒についても不純物の含有量が低いものを使用することが好ましい。

0041

炭化ケイ素粉末と混合される非金属系焼結助剤の添加量は少なすぎると焼結体の密度が上がらず、多過ぎると焼結体に含まれる遊離炭素が増加するため高密度化を阻害する虞があるため、使用する非金属系焼結助剤の種類にもよるが、一般的には、10重量%以下、好ましくは2〜5重量%となるように添加量を調整することが好ましい。この量は、予め炭化ケイ素粉末の表面のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸を用いて定量し、化学量論的にその還元に充分な量を計算することにより決定することができる。

0042

なお、ここでいう炭素としての添加量とは、上記の方法により定量されたシリカが非金属系焼結助剤に由来する炭素で、下記の化学反応式により還元されるものとし、非金属系焼結助剤の熱分解後の残炭率(非金属系焼結助剤中で炭素を生成する割合)などを考慮して得られる値である。

0043

SiO2 + 3C → SiC + 2CO
また、本発明における炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素焼結体中に含まれる炭化ケイ素に由来する炭素原子及び非金属系焼結助剤に由来する炭素原子の合計が30重量%を超え、40重量%以下であることが好ましい。含有量が30重量%以下であると、焼結体中に含まれる不純物の割合が多くなり、40重量%を超えると炭素含有量が多くなり得られる焼結体の密度が低下し、焼結体の強度、耐酸化性等の諸特性が悪化するため好ましくない。

0044

本発明における炭化ケイ素焼結体を製造する方法としては、本出願人が先に出願した特願平9−41048号における炭化ケイ素焼結体の製造方法を用いることができる。

0045

本発明における炭化ケイ素焼結体を製造するにあたって、まず、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤とを均質に混合するが、前述の如く、非金属系焼結助剤であるフェノール樹脂をエチルアルコールなどの溶媒に溶解し、炭化ケイ素粉末と十分に混合する。混合は公知の混合手段、例えば、ミキサー遊星ボールミルなどによって行うことができる。混合は、10〜30時間、特に、16〜24時間にわたって行うことが好ましい。十分に混合した後は、溶媒の物性に適合する温度、例えば、先に挙げたエチルアルコールの場合には50〜60℃の温度で溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させたのち、にかけて混合物の原料粉体を得る。なお、高純度化の観点からは、ボールミル容器及びボール材質を金属をなるべく含まない合成樹脂にする必要がある。また、乾燥にあたっては、スプレードライヤーなどの造粒装置を用いてもよい。

0046

本発明における炭化ケイ素焼結体を製造するにあたり焼結工程は、粉体の混合物又は後記の成形工程により得られた粉体の混合物の成形体を、温度2000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下で成形金型中に配置し、ホットプレスする工程である。

0047

ここで使用する成形金型は、得られる焼結体の純度の観点から、成形体と金型の金属部とが直接接触しないように、型の一部又は全部に黒鉛製等の材料を使用するか、金型内テフロンシート等を介在させることが好ましい。

0048

本発明においてホットプレスの圧力は300〜700kgf/cm2 の条件で加圧することができるが、特に、400kgf/cm2 以上の加圧した場合には、ここで使用するホットプレス部品、例えば、ダイスパンチ等は耐圧性の良好なものを選択する必要がある。

0049

ここで、焼結工程を詳細に説明するが、焼結体を製造するためのホットプレス工程の前に以下の条件で加熱、昇温を行って不純物を十分に除去し、非金属系焼結助剤の炭化を完全に行わせしめた後、前記条件のホットプレス加工を行うことが好ましい。

0050

即ち、以下の2段階の昇温工程を行うことが好ましい。まず、炉内を真空下、室温から700℃に至るまで、緩やかに加熱する。ここで、高温炉温度制御が困難な場合には、700℃まで昇温を連続的に行ってもよいが、好ましくは、炉内を10-4torrにして、室温から200℃まで緩やかに昇温し、該温度において一定時間保持する。その後、さらに緩やかに昇温を続け、700℃まで加熱する。さらに700℃前後の温度にて一定時間保持する。この第1の昇温工程において、吸着水分有機溶媒の脱離が行われ、さらに、非金属系焼結助剤の熱分解による炭化が行われる。200℃前後或いは700℃前後の温度に保持する時間は焼結体のサイズによって好適な範囲が選択される。保持時間が十分であるか否かは真空度の低下がある程度少なくなる時点をめやすにすることができる。この段階で急激な加熱を行うと、不純物の除去や非金属系焼結助剤の炭化が十分に行われず、成形体に亀裂や空孔を生じさせる虞があるため好ましくない。

0051

一例を挙げれば、5〜10g程度の試料に関しては、10-4torrにして、室温から200℃まで緩やかに昇温し、該温度において約30分間保持し、その後、さらに緩やかに昇温を続け、700℃まで加熱するが、室温から700℃に至るまでの時間は6〜10時間程度、好ましくは8時間前後である。さらに700℃前後の温度にて2〜5時間程度保持することが好ましい。

0052

真空中で、さらに700℃から1500℃に至るまで、前記の条件であれば6〜9時間ほどかけて昇温し、1500℃の温度で1〜5時間ほど保持する。この工程では二酸化ケイ素、酸化ケイ素の還元反応が行われると考えられる。ケイ素と結合した酸素を除去するため、この還元反応を十分に完結させることが重要であり、1500℃の温度における保持時間は、この還元反応による副生物である一酸化炭素の発生が完了するまで、即ち、真空度の低下が少なくなり、還元反応開始前の温度である1300℃付近における真空度に回復するまで、行うことが必要である。この第2の昇温工程における還元反応により、炭化ケイ素粉体表面に付着して緻密化を阻害し、大粒成長の原因となる二酸化ケイ素が除去される。この還元反応中に発生するSiO、COを含む気体は不純物元素を伴っているが、真空ポンプによりこれらの発生気体反応炉絶えず排出され、除去されるため、高純度化の観点からもこの温度保持を十分に行うことが好ましい。

0053

これらの昇温工程が終了した後に、高圧ホットプレスを行うことが好ましい。温度が1500℃より高温に上昇すると焼結が開始するが、その際、異常粒成長を抑えるために300〜700kgf/cm2 程度までをめやすとして加圧を開始する。その後、炉内を非酸化性雰囲気とするために不活性ガスを導入する。この不活性ガスとしては、窒素あるいは、アルゴンなどを用いるが、高温においても非反応性であることから、アルゴンガスを用いることが望ましい。

0054

炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度を2000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm2 となるように加熱、加圧を行う。プレス時の圧力は原料粉体の粒径によって選択することができ、原料粉体の粒径が小さいものは加圧時の圧力が比較的小さくても好適な焼結体が得られる。また、ここで1500℃から最高温度である2000〜2400℃までへの昇温は2〜4時間かけて行うが、焼結は1850〜1900℃で急速に進行する。さらに、この最高温度で1〜3時間保持し、焼結を完了する。なお、焼結時の圧力は必ずしも常時かける必要はなく、特に焼結反応(試料の収縮)が開始される温度以上の領域で加えられていればよい。

0055

ここで最高温度が2000℃未満であると高密度化が不十分となり、2400℃を超えると粉体若しくは成形体原料昇華(分解)する虞があるため好ましくない。また、加圧条件が500kgf/cm2 未満であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm2 を超えると黒鉛型などの成形型の破損の原因となり、製造の効率から好ましくない。

0056

この焼結工程においても、得られる焼結体の純度保持の観点から、ここで用いられる黒鉛型や加熱炉断熱材等は、高純度の黒鉛原料を用いることが好ましく、黒鉛原料は高純度処理されたものが用いられるが、具体的には、2500℃以上の温度で予め十分ベーキングされ、焼結温度で不純物の発生がないものが望ましい。さらに、使用する不活性ガスについても、不純物が少ない高純度品を使用することが好ましい。

0057

本発明では、前記焼結工程を行うことにより優れた特性を有する炭化ケイ素焼結体が得られるが、最終的に得られる焼結体の高密度化の観点から、この焼結工程に先立って以下に述べる成形工程を実施してもよい。以下にこの焼結工程に先立って行うことができる成形工程について説明する。ここで、成形工程とは、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤とを均質に混合して得られた原料粉体を成形金型内に配置し、80〜300℃の温度範囲で、5〜60分間にわたり加熱、加圧して予め成形体を調整する工程である。ここで、原料粉体の金型への充填は極力密に行うことが、最終的な焼結体の高密度化の観点から好ましい。この成形工程を行うと、ホットプレスのために試料を充填する際に嵩のある粉体を予めコンパクトになしうるので、この成形工程を繰り返すことにより厚みの大きい成形体を製造し易くなる。

0058

加熱温度は、非金属系焼結助剤の特性に応じて、80〜300℃、好ましくは120〜140℃の範囲、圧力60〜100kgf/cm2 の範囲で、充填された原料粉体の密度を1.5g/cm3 以上、好ましくは、1.9g/cm3 以上とするようにプレスして、加圧状態で5〜60分間、好ましくは20〜40分間保持して原料粉体からなる成形体を得る。ここで成形体の密度は、粉体の平均粒径が小さくなる程高密度にしにくくなり、高密度化するためには成形金型内に配置する際に振動充填等の方法をとることが好ましい。具体的には、平均粒径が1μm程度の粉体では密度が1.8g/cm3 以上、平均粒径が0.5μm程度の粉体では密度が1.5g/cm3 以上であることがより好ましい。それぞれの粒径において密度が1.5g/cm3 又は1.8g/cm3 未満であると、最終的に得られる焼結体の高密度化が困難となる。

0059

この成形体は、次の焼結工程に付す前に、予め用いるホットプレス型に適合するように切削加工を行うことができる。この成形体を前記の温度2000〜2400℃、圧力300〜700kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下で成形金型中に配置し、ホットプレスする工程即ち焼成工程に付して、高密度、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るものである。

0060

以上により生成した炭化ケイ素焼結体は、十分に高密度化されており、密度は2.9g/cm3 以上である。得られた焼結体の密度が2.9g/cm3 未満であると、曲げ強度、破壊強度などの力学的特性電気的な物性が低下し、さらに、パーティクルが増大し、汚染性が悪化するため好ましくない。炭化ケイ素焼結体の密度は、3.0g/cm3 以上であることがより好ましい。

0061

また、得られた焼結体が多孔質体であると、耐熱性、耐酸化性、耐薬品性や機械強度に劣る、洗浄が困難である、微小割れが生じて微小片汚染物質となる、ガス透過性を有する等の物性的に劣る点を有することになり、用途が限定されるなどの問題点も生じてくる。

0062

本発明で得られる炭化ケイ素焼結体の不純物元素の総含有量は、5ppm以下、好ましくは3ppm以下、より好ましくは1ppm以下であるが、半導体工業分野への適用の観点からは、これらの化学的分析による不純物含有量は参考値としての意味を有するに過ぎない。実用的には、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。従って、当業者は一般的に実用装置を用いて所定の加熱条件のもとで不純物がどの程度半導体プロセスを汚染するかを種々の手段により評価している。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を有する製造方法によれば、炭化ケイ素焼結体に含まれる不純物元素の総含有量を1ppm以下にすることができる。なお、ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同14の元素を除く元素をいう。

0063

その他、本発明における炭化ケイ素焼結体の好ましい物性について検討するに、例えば、室温における曲げ強度は50.0〜65.0kgf/mm2 、ヤング率は3.5×104 〜4.5×104 、ビッカース硬度は2000kgf/mm2 以上、ポアソン比は0.14〜0.21、熱膨張係数は3.8×10-6〜4.2×10-6(℃-1)、熱伝導率は150W/m・k以上、比熱は0.15〜0.18cal/g・℃、耐熱衝撃性は500〜700ΔT℃、体積抵抗率は1Ω・cm以下であることが好ましい。

0064

上記のようにして得られた炭化ケイ素焼結体は、使用目的に応じて、加工、研磨、洗浄等の処理が行い、機械構造用部品を作製する。

0065

本発明の機械構造部品の原料である炭化ケイ素焼結体は導電性を有するため、加工範囲が広い放電加工が適用できる。従って、所望の形状への加工方法としては、その導電性を利用して、放電加工が好適に用いられる。

0066

具体的な加工方法について述べれば、素材からの切り出しとして、ワイヤー放電加工機ダイヤモンドブレードカッターによる直線切り出し、ワイヤー放電加工機による曲線切り出し等が挙げられる。穴あけとして、放電ボール盤ダイヤモンド砥石研削加工機型彫放電加工機による底付き穴段穴あけ、ワイヤー放電加工機や型彫放電加工機による異形穴あけ、型彫放電加工機やダイヤモンドタップ機によるネジ穴加工円筒研削盤ラップ盤による平面加工、型彫放電加工機や形状研削盤による溝付け加工等が挙げられる。

0067

本発明の機械構造用部品としては、ネジ、ボルト、ナットワッシャー等の締結部品、リニアシャフトアイドラー歯車等の伝動部品、支柱カム、カム付属品ブロクマホールド等の配管アクセサリーヒンジピンブッシュピンゲージ等の検査治具用部品、クランプフランジ等の加工治具用部品、レストプレート、レストボルト等の溶接治具用部品が挙げられる。特に、ネジ、ボルトについては半導体治具の熱処理部品やCVD装置における発熱ヒータードライエッチング装置用の電極等、一体成形が難しい部品の場合は各々の組み合わせにより構成されるが、このときそれらの締結に好適に用いられる。この場合は、本発明における炭化ケイ素焼結体の高純度性が特に発揮される。

0068

本発明において素材となる炭化ケイ素焼結体の製造においては、前記加熱条件を満たし得るものであれば、特に製造装置等に制限はなく、焼結用の型の耐熱性を考慮すれば公知の加熱炉や反応装置を使用することができる。

0069

本発明における炭化ケイ素焼結体の原料粉体である炭化ケイ素粉体及び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系焼結助剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いられる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有量5ppm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工程における純化許容範囲内であれば必ずしもこれに限定するものではない。また、その際、上記原料は、得られる炭化ケイ素焼結体の純度に応じて適当な純度の物質を選択する必要がある。ここで不純物元素とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から16族元素に属し、且つ、原子番号3以上であり、原子番号6〜8及び同14の元素を除く元素をいう。

0070

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の主旨を超えない限り本実施例に限定されるものではない。

0071

(実施例1)
炭化ケイ素原料粉体の製造
高純度炭化ケイ素粉体(平均粒径1.0μm:前記の特願平7−241856号として出願した製造方法に準じて製造された、不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素:1.5重量%のシリカを含有)90gと含水率20%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂(熱分解後の残炭率50%)1000gをエタノール1500gに溶解したものとを、遊星ボールミルで18時間攪拌し、十分に混合した。その後、50〜60℃に加温してエタノールを蒸発乾固させ、100μmの篩にかけて均質な炭化ケイ素原料粉体を得た。

0072

焼結体の製造
この粉体900gを150mmφの黒鉛製モールドに充填し、以下の条件でホットプレスを行った。ホットプレス装置としては、高周波誘導加熱式100tホットプレスを用いた。
(ホットプレスの条件)10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から700℃まで8時間かけて昇温し、1時間その温度に保持した。(第1の昇温工程)
真空条件下で、700℃から1200℃まで3時間で昇温し、さらに、1200℃から1500℃まで3時間で昇温し、4時間その温度に保持した。(第2の昇温工程)
さらに、500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン雰囲気下にて1500℃から2200℃まで4時間で昇温し、2時間その温度に保持した。(ホットプレス工程)
得られた焼結体の厚みは約1.6mmであった。この焼結体の物性を表1に示す。

0073

機械構造用部品(ネジ)の製造
上記のように得られた焼結体を放電加工機で、幅15mm、厚み15mm、長さ70mmに切り出した。次いでネジ研削機によりM8ネジ(ネジ部長さ50mm)を作製した。

0074

(実施例2)高純度炭化ケイ素粉体(平均粒径1.0μm:前記の特願平7−241856号として出願した製造方法に準じて製造された、不純物含有量5ppm以下の炭化ケイ素:1.5重量%のシリカを含有)90gと含水率20%の高純度液体レゾール型フェノール樹脂(熱分解後の残炭率50%)100gをエタノール1500gに溶解したものとを、遊星ボールミルで18時間攪拌し、十分に混合した。その後、50〜60℃に加温してエタノールを蒸発乾固させ、100μmの篩にかけて均質な炭化ケイ素原料粉体を得た。

0075

焼結体の製造
この粉体900gを150mmφの金型モールドに充填し、130℃で20分間プレスして、密度2.08g/cm2 の成形体を得た。次いで、以下の条件でホットプレスを行った。ホットプレス装置としては、高周波誘導加熱式100tホットプレスを用いた。
(ホットプレスの条件)10-5〜10-4torrの真空条件下で、室温から700℃まで6時間かけて昇温し、5時間その温度に保持した。(第1の昇温工程)
真空条件下で、700℃から1200℃まで3時間で昇温し、さらに、1200℃から1500℃まで3時間で昇温し、4時間その温度に保持した。(第2の昇温工程)
さらに、500kgf/cm2 の圧力で加圧し、アルゴン雰囲気下にて1500℃から2200℃まで4時間で昇温し、2時間その温度に保持した。(ホットプレス工程)
得られた焼結体の厚みは約16mmであった。この焼結体の物性を表1に示す。

0076

機械構造用部品(ネジ)の製造
得られた焼結体を用いて、実施例1と同様にしてM8ネジ(ネジ部長さ50mm)を作製した。

0077

(比較例1)平均粒径1.3μmの市販の炭化ケイ素粉体85重量部と、カーボン15重量部とを混合して、実施例1と同様の手順、条件でホットプレスした。得られた焼結体の厚みは約15mmであった。この焼結体の物性を表1に示す。

0078

物性測定後、実施例1と同様にしてM8ネジを作製した。

0079

0080

上記実施例及び比較例のネジについて、汚染性、耐食性、曲げ強度および曲げ強度変動率を測定した。各評価法は以下の通りである。
[汚染性]ICP−MSを用いて鉄元素原子数を確認した。
[耐食性]10%フッ酸水溶液に12時間浸漬後の重量変化率を確認した。
[曲げ強度]ボルトの頭部を切り出し、3点曲げ強度を測定した。
[曲げ強度変動率]曲げ強度10点のばらつきの度合い、{(最大値最小値)/平均値}×100を求めた。

0081

評価結果を表2に示す。

0082

0083

以上の各実施例及び比較例に明らかなように、本発明は不純分元素量が低く、耐薬品性にも優れていることから、半導体治具関連に好適に使用することができる。また、加工後の強度のばらつきが小さいことは、部材の信頼性につながるため、機械構造用部品として好適に使用し得る。

0084

(実施例3および比較例2)実施例1および比較例1で得られた焼結体を放電加工により、直径60mm、厚さ5mmの円板に加工した。さらに円板の円の表面に、放電ボール盤により5mmのピッチで2mmφの穴をあけた。

0085

次いで、図1に示すバーナーエレメントとして用い、着火消火テスト(バーナーの温度がエレメント状10cmの高さで1300℃以上になったことを確認し消火、そしてその10分後に着火操作を行い、これを繰り返した。)を30回行い、円板の円の表面を観察した。

0086

実施例1で得られた焼結体から加工したエレメントは全く損傷が見られなかったが、比較例1で得られた焼結体から加工したエレメントはヘアクラックが発生した。

0087

以上の結果より、本発明の機械構造用部品は、比較例のものに比べ、その焼結体の熱膨張係数、熱伝導率が良好なため、加工後のエレメントもこの性質が維持され、サーマルショックに強く、ヒーターエレメントとして最適である。

発明の効果

0088

本発明によれば、特殊な原料を必要とすることなく、高密度であって、且つ、導電性を有し、熱膨張係数の低い、高熱伝導率を兼ね備えた高品位の炭化ケイ素焼結体からなる機械構造用部品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0089

図1実施例および比較例に用いたバーナーのノズル部分を示す概略斜視図である。

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