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技術 はすば歯車製造方法およびはすば歯車製造用の対向ダイス金型

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 宇野和夫
出願日 1997年8月29日 (23年4ヶ月経過) 出願番号 1997-235196
公開日 1999年3月23日 (21年9ヶ月経過) 公開番号 1999-077225
状態 未査定
技術分野 鍛造
主要キーワード メイン圧力 ダイス金型 つるまき線 軸直角平面 歯みぞ ダレ発生 回転下降 ヘリカルガイド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年3月23日)のものです。
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図面 (13)

課題

歯先部にヒケがなく、歯すじ精度の良いはすば歯車プレス機打ち抜き加工によって製造する。

解決手段

対向ダイス金型突起付きダイス2の外周面に、はすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプライン10が設けられ、所望の形状を有するはすば歯車の材料7は、はすば歯車の所望のねじれ角より大きな押し出し角で回転されながら押し出される。

概要

背景

はすば歯車とは歯すじつるまき線である円筒歯車であり、一般的に知られているはすば歯車打ち抜き型を図8ないし図10に、その打ち抜き過程を図11に示す。

図8は従来において精密プレス加工方法に使用される金型であるファインブランキング金型を示し、図9は図8におけるC視図であり、パンチ1と板押さえ22の下面図を示す。図10は図8におけるD視図であり、ダイス24とエジェクタ9の上面図を示す。ここで、パンチ1の外周面には打ち抜くはすば歯車の所望のねじれ角と同じねじれ角を有する歯が形成されている。22は中空円筒状をした板押さえであり、その内周面にはパンチ1の歯に係合する歯が形成されており、パンチ1はこの歯に沿って回転されながら移動することが可能である。また、板押さえ22には、ダイス24に対して環状に突出している押さえ部25が設けられている。ダイス24の内周面にはパンチ1の外周面に形成された歯と係合する歯が形成されている。ダイス24には板押さえ22に対して突出している支持部26が、押さえ部25と相対する位置に設けられている。エジェクタ9の外周面にはダイス24の外周面に形成された歯と係合する歯が形成されている。次に、上記はすば歯車打ち抜き型による打ち抜き過程を図11に従って説明する。

ラム(図示せず)の下降によって、板押さえ22はパンチ1と一体になって下降される(図11の(イ))。一体となって作動している板押さえ22とパンチ1は、ダイス24上に設置された板状の材料7の上面に圧着される。これと同時に板押さえの下降が止まる(図11の(ロ))。次に、上ラムが板押さえ22を材料7の上面に圧着させているバネ5を圧縮しながら下降することにより、板押さえ22の中央部に嵌合されたパンチ1のみが板押さえ22の内周面に形成された歯に沿って回転しながら下降される。これによって、材料7はパンチ1とダイス24との間で打ち抜かれ、はすば歯車11と抜きくず12とに分離される(図11の(ハ))。

概要

歯先部にヒケがなく、歯すじ精度の良いはすば歯車をプレス機打ち抜き加工によって製造する。

対向ダイス金型突起付きダイス2の外周面に、はすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプライン10が設けられ、所望の形状を有するはすば歯車の材料7は、はすば歯車の所望のねじれ角より大きな押し出し角で回転されながら押し出される。

目的

しかし、上記方法によって得られるはすば歯車にはヒケが多発する。特に、打ち抜き工程の初期段階において、材料7がダイス24に充分に行き渡らないことに起因するヒケが生じやすい。図12は図9に示したダイス24の打ち抜き工程においてピッチ円径Rcに沿った断面を展開した状態を示す。この図12におけるP部、即ち、はすば歯車11における歯すじと軸直角平面とのなす角が鋭角となる側の歯先部にヒケが生じやすい。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その課題はプレス機によるはすば歯車の打ち抜き工程の初期段階に形成されるはすば歯車の歯先部にヒケのない、歯すじ精度の良いはすば歯車を製造することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

プレス機で材料を回転しながら押し出すことによってはすば歯車打ち抜くはすば歯車の製造方法において、前記材料を前記はすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転しながら押し出す工程の後、前記材料を前記はすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことを特徴とするはすば歯車製造方法。

請求項2

はすば歯車の歯元部を形成する歯元形成部と前記はすば歯車の歯先部を形成する歯先形成部とを有する歯が内周面に形成されており円筒状の中空部を有する平ダイスと、前記歯が外周面に形成されている円筒状のパンチと、前記パンチの外周面に形成されている歯に係合する歯が内周面に形成されており前記平ダイスに対して突出している突起部を有している中空円筒状で前記パンチの外周側に設置されている突起付きダイスと、前記平ダイスの内周面に形成されている歯に係合する歯が外周面に形成されている円筒状で前記平ダイスの中央部に嵌合されているエジェクタと、からなり材料を回転しながら押し出すことによってはすば歯車を打ち抜くはすば歯車製造用の対向ダイス金型において、前記突起付きダイスの外周面に前記はすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプラインが設けられたことを特徴とするはすば歯車製造用の対向ダイス金型。

技術分野

0001

本発明ははすば歯車の製造方法およびはすば歯車製造用の対向ダイス金型に関するものである。

背景技術

0002

はすば歯車とは歯すじつるまき線である円筒歯車であり、一般的に知られているはすば歯車打ち抜き型図8ないし図10に、その打ち抜き過程図11に示す。

0003

図8は従来において精密プレス加工方法に使用される金型であるファインブランキング金型を示し、図9図8におけるC視図であり、パンチ1と板押さえ22の下面図を示す。図10図8におけるD視図であり、ダイス24とエジェクタ9の上面図を示す。ここで、パンチ1の外周面には打ち抜くはすば歯車の所望のねじれ角と同じねじれ角を有する歯が形成されている。22は中空円筒状をした板押さえであり、その内周面にはパンチ1の歯に係合する歯が形成されており、パンチ1はこの歯に沿って回転されながら移動することが可能である。また、板押さえ22には、ダイス24に対して環状に突出している押さえ部25が設けられている。ダイス24の内周面にはパンチ1の外周面に形成された歯と係合する歯が形成されている。ダイス24には板押さえ22に対して突出している支持部26が、押さえ部25と相対する位置に設けられている。エジェクタ9の外周面にはダイス24の外周面に形成された歯と係合する歯が形成されている。次に、上記はすば歯車打ち抜き型による打ち抜き過程を図11に従って説明する。

0004

ラム(図示せず)の下降によって、板押さえ22はパンチ1と一体になって下降される(図11の(イ))。一体となって作動している板押さえ22とパンチ1は、ダイス24上に設置された板状の材料7の上面に圧着される。これと同時に板押さえの下降が止まる(図11の(ロ))。次に、上ラムが板押さえ22を材料7の上面に圧着させているバネ5を圧縮しながら下降することにより、板押さえ22の中央部に嵌合されたパンチ1のみが板押さえ22の内周面に形成された歯に沿って回転しながら下降される。これによって、材料7はパンチ1とダイス24との間で打ち抜かれ、はすば歯車11と抜きくず12とに分離される(図11の(ハ))。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上記方法によって得られるはすば歯車にはヒケが多発する。特に、打ち抜き工程の初期段階において、材料7がダイス24に充分に行き渡らないことに起因するヒケが生じやすい。図12図9に示したダイス24の打ち抜き工程においてピッチ円径Rcに沿った断面を展開した状態を示す。この図12におけるP部、即ち、はすば歯車11における歯すじと軸直角平面とのなす角が鋭角となる側の歯先部にヒケが生じやすい。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その課題はプレス機によるはすば歯車の打ち抜き工程の初期段階に形成されるはすば歯車の歯先部にヒケのない、歯すじ精度の良いはすば歯車を製造することである。

課題を解決するための手段

0006

請求項1にかかる発明は、プレス機で材料を回転しながら押し出すことによってはすば歯車を打ち抜くはすば歯車の製造方法において、前記材料を前記はすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転しながら押し出す工程の後、前記材料を前記はすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことを特徴とする。請求項2にかかる発明は、はすば歯車の歯元部を形成する歯元形成部と前記はすば歯車の歯先部を形成する歯先形成部とを有する歯が内周面に形成されており円筒状の中空部を有する平ダイスと、前記歯が外周面に形成されている円筒状のパンチと、前記パンチの外周面に形成されている歯に係合する歯が内周面に形成されており前記平ダイスに対して突出している突起部を有している中空円筒状で前記パンチの外周側に設置されている突起付きダイスと、前記平ダイスの内周面に形成されている歯に係合する歯が外周面に形成されている円筒状で前記平ダイスの中央部に嵌合されているエジェクタと、からなり材料を回転しながら押し出すことによってはすば歯車を打ち抜くはすば歯車製造用の対向ダイス金型において、前記突起付きダイスの外周面に前記はすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプラインが設けられたことを特徴とする。

0007

本発明者は前記した課題をもとに鋭利努力を重ねた結果、はすば歯車の歯先部に多発するヒケは以下に示すように発生することを知見し、本発明を完成した。従来では、プレス機による打ち抜き工程開始から打ち抜き工程終了の間、はすば歯車の材料は、常にパンチおよびダイスによってはすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で押し出されていた。しかし、特に打ち抜き工程開始直後において、材料に作用する力の方向はパンチおよび板押さえとの間に生じる嵌合のガタあるいはパンチおよび板押さえの弾性変形によって大きく影響を及ぼされることがわかった。即ち、パンチの回転方向への移動距離がパンチおよび板押さえとの間に生じる勘合のガタの分だけ、あるいはパンチおよび板押さえの弾性変形の分だけ、さらにあるいはそれらの両方を合わせた分だけ小さくなるため、打ち抜き工程開始直後のパンチのリードは大きくなり、パンチのリード角も大きくなる。このため、材料はダイスに形成されたはすば歯車の所望のねじれ角よりも小さな押し出し角でダイスに押し出されることになる。よって、打ち抜き工程開始直後にパンチによって押し出された材料は、ダイスに形成された歯みぞに充分に行き渡らず、得られたはすば歯車の歯先部にヒケが生じるのである。ここで、押し出し角とは、材料がパンチによって押し出される際に、パンチがパンチの外周面および板押さえの内周面に形成された歯に沿って回転移動することによって材料にかけられる力のベクトルとパンチの回転軸方向とのなす角度のうちの鋭角の方であり、(押し出し角)=90°−(パンチのリード角)と考えることができる。

0008

請求項1の発明は次のように作用する。はすば歯車の打ち抜き工程開始直後において、パンチおよび板押さえとの間に生じる嵌合のガタあるいはパンチおよび板押さえの弾性変形による押し出し角の減少分を考慮して、予め材料の押し出し角がはすば歯車の所望のねじれ角よりも充分に大きく設定されているため、パンチおよび板押さえとの間に生じる嵌合のガタあるいはパンチおよび板押さえの弾性変形が生じた場合でも、材料がはすば歯車の所望のねじれ角より大きな押し出し角で回転されながら押し出されることが可能となる。これにより、材料はダイスに形成された歯みぞに充分に行き渡り、はすば歯車において、打ち抜き工程の初期段階に形成され、歯すじと軸直角平面とのなす角が鋭角となる側の歯先部にヒケが発生しない。しかし、材料の押し出し角をはすば歯車の所望のねじれ角より大きくしたまま、はすば歯車の打ち抜きを進行させた場合、得られるはすば歯車において、はすば歯車の打ち抜き工程の初期段階に形成され、歯すじと軸直角平面とのなす角が鈍角となる側の歯先部にヒケが生じる恐れがある。よって、はすば歯車における歯すじ精度を考慮すると、従来のはすば歯車打ち抜き工程においてはすば歯車の打ち抜き工程の初期段階以降のヒケの発生しなかった工程では、材料の押し出し角をはすば歯車の所望のねじれ角と同一に設定することが望ましい。以上のことを踏まえると、まず、材料をはすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことによってはすば歯車の打ち抜き工程の初期に形成されるはすば歯車の歯先部において多発するヒケを防ぎ、その次に、材料をはすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことによって、はすば歯車の打ち抜き工程の初期段階以降の工程に形成されるはすば歯車の歯先部における歯すじ精度を保つことが可能となる。

0009

請求項2の発明において、対向ダイス金型における突起付きダイスの外周面にはすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプラインを設けた。ここで、対向ダイス金型における突起付きダイスとは、ダイスに圧力をかけられることによって材料に食い込み、さらに圧力がかけられることにより材料を切り込む働きを目的とした突起部が設けられたダイスのことであり、平ダイスとは、前述した働きを目的とした突起部が設けられていないダイスのことである。この平ダイスの内周面にははすば歯車の歯元部を形成する歯元形成部とはすば歯車の歯先部を形成する歯先形成部とを有する歯が形成されており、材料が平ダイスに押し込まれることによって、所望の形状を有するはすば歯車が形成される。また、突起付きダイスで実施される対向ダイス剪断法とは、以下の2つの行程から構成される。即ち、突起付きダイスの突起部と平ダイスとの間の「負のすきま」によって材料を剪断変形し、この剪断変形によって生じた抜きくずを突起付きダイスの半径方向外方に排除しながら切り込んでいく材料の剪断変形行程と、この突起付きダイスの突起部と平ダイスとの間の「負のすきま」による剪断変形行程では、最終的に突起付きダイスの突起部と平ダイスとがぶつかり合ってしまうため、これらによって製品を分離することが不可能であることから、材料の剪断変形行程の後、突起付きダイスの内部に嵌合されているパンチと平ダイスとの間の「正のすきま」による塑性変形によって材料を打ち抜き、製品を分離する材料の塑性変形行程と、からなる精密プレス加工方法である。

0010

よって、対向ダイス金型の突起付きダイスの外周面にはすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプラインを設けたことにより、突起付きダイスの突起部と平ダイスとの間で材料が剪断変形しながら切り込まれる過程である切削切り込み過程での材料の押し出し角は、はすば歯車の所望のねじれ角よりも大きくなる。この切削的切り込み過程が完了した後、突起付きダイスの中央部に嵌合され、はすば歯車の所望のねじれ角と同一のねじれ角の歯が外周面に形成されているパンチによって、材料ははすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で押し出される。従って、はすば歯車の打ち抜き工程の初期段階に形成されるはすば歯車の歯先部に多発するヒケを防ぎ、更にははすば歯車の打ち抜き工程の初期段階以降に形成され、従来においてヒケの発生することのなかった歯先部の歯すじ精度を保つことが可能となる。このため、ヒケがなく、歯すじ精度の良いはすば歯車が得られる。以上、上記した方法および金型によって、歯すじ精度が良く、歯先部にヒケのないはすば歯車を精密プレス加工方法によって製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明のはすば歯車の製造方法を以下に示す装置を用いて説明する。図1に示す金型は、対向ダイス剪断法を実施する対向ダイス金型である。図2図1におけるA視図であり、パンチ1と突起付きダイス2の下面図を示す。図3図1におけるB視図であり、エジェクタ9と平ダイス8の上面図を示す。この対向ダイス金型の構成は以下の通りである。パンチ1には、その外周面にはすば歯車の所望のねじれ角である20°のねじれ角を有する歯が形成されている。2は中空円筒状をした突起付きダイスであり、その内周面にはパンチ1の歯に係合する歯が形成されており、パンチ1はこの歯に沿って回転されながら回転軸方向へ移動される。また、突起付きダイス2の外周面には、はすば歯車の所望のねじれ角である20°より30′〜35′程度大きなねじれ角を有する外スプライン10が設けられている。3はヘリカルガイドであり、その内周面には外スプライン10に係合する内スプラインが設けられている。8は平ダイスであり、その内周面にパンチ1の外周面に形成された歯と係合する歯が形成されている。9はエジェクタであり、その外周面には平ダイス8の歯と系合する歯が形成されている。

0012

はすば歯車の材料として肌焼き鋼を用いた。上記装置によるはすば歯車の打ち抜き工程は、突起付きダイス2、ヘリカルガイド3およびパンチ1を押す上ラム(図示せず)の圧力であるメイン圧力を2000N、上ラムに備えられ、パンチ1を押す油圧シリンダー(図示せず)の圧力であるサブ圧力を1000N、エジェクタ9を押すベッドシリンダの圧力であるリリーフ圧力を400Nとして行った。また、上記装置では、材料の押し出し角をはすば歯車の所望のねじれ角に対して30′〜35′程度大きく設定したが、本発明はこれに限るものではなく、上記実施形態においては、はすば歯車の所望のねじれ角に対して20′〜50′程度大きく設定されていればよい。

0013

ここで、上記金型を用いたはすば歯車の製造方法において、はすば歯車の材料の種類、材料にかける圧力の大きさ、材料の押し出し角の大きさ等は上記したものに限るものではない。特に、材料の押し出し角の大きさは、はすば歯車の材料、材料にかける圧力の大きさ、およびねじれ角の大きさ等に大きく影響されるため、これら条件より適宜設定することができる。

0014

次に、本発明のはすば歯車の製造方法を上記の装置による打ち抜き過程に基づき説明する。図4図1に示した対向ダイス金型による打ち抜き過程を示す。本発明のはすば歯車製造方法は、図1の対向ダイス金型によって以下のように実施される。上ラム(図示せず)の下降によって、突起付きダイス2はパンチ1およびヘリカルガイド3と一体になって下降する、やがてヘリカルガイド3がストッパー6に接触することで、ヘリカルガイド3の下降が停止する。さらに、上ラムが下降すると突起付きダイス2はパンチ1とともに突起付きダイス2の外周面に設けられた外スプライン10に沿って、即ちはすば歯車の所望のねじれ角である20°より30′〜35′程度大きいねじれ角に沿って回転しながら下降される。やがて、突起付きダイス2およびパンチ1は平ダイス8上に設置された板状の材料7の上面に圧着する(図4の(イ))。さらに上ラムが下降することにより、突起付きダイス2の突起部が材料7に食い込みながら回転下降し、抜きくず12を突起付きダイス2の半径方向外方へ排除しながら材料7の剪断変形による切削的切り込みが行われる(図4の(ロ))。

0015

上記工程により、材料は歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転されながら押し出されるため、材料が歯すじ間に充分に行き渡り、はすば歯車の歯先部のヒケ発生が防止される。その後、突起付きダイス2による材料の切削的切り込みが材料7の板厚の約60〜80%に達する時点で上ラムの下降が停止し、これと同時に突起付きダイス2の下降が停止して切削的切り込み過程が完了する。次に、上ラムに備えつけられた油圧シリンダー(図示せず)の下降により、突起付きダイス2の中央部に嵌合されたパンチ1のみがはすば歯車の所望のねじれ角と同一のねじれ角を有する歯に沿って回転されながら下降される。これにより、材料7はパンチ1と平ダイス8との間で打ち抜かれ、製品であるはすば歯車11と抜きくず12とに分離される(図4の(ハ))。上記のように、材料をはすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことによって、歯車の打ち抜き工程の初期段階に多発するヒケを防いだ後、材料を歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことにより、ヒケがなく、歯すじ精度の良いはすば歯車を得ることができる。

0016

ここで、上記実施例の切削的切り込み過程は突起付きダイスによる材料の切削的切り込みが材料の板厚の約60〜80%に達する時点で終了されたが、本発明はこれに限るものではない。対向ダイス剪断法における打ち抜き工程は、前記したように材料の変形状態によって突起付きダイスと平ダイスとの間の「負のすきま」による材料の剪断変形行程と、パンチと平ダイスとの間の「正のすきま」による材料の塑性変形行程とに分けて考えることができる。また、「負のすきま」による材料の剪断変形行程も、材料の抜きくずが突起付きダイスの突起部によって半径方向外方に排除されながら切り込まれる切削的切り込み過程と、材料の切り込みが進行することに伴って、材料が突起付きダイスの突起部と平ダイスとの間で挟まれて平板圧縮状態となり材料が押しつぶされながら切り込まれる平板圧縮過程との2つの過程に分けて考えられる。後者の平板圧縮過程における材料の切り込みは、突起付きダイスによる材料の押しつぶし加工となる。そのため、この状態で材料の切り込みを進行させた場合、突起付きダイスの突起部に過剰な圧力がかかり破損することがある。よって、切削的切り込み過程は平板圧縮過程に移行する前に終了されることが望ましい。

0017

これまで説明したように、図1に示した対向ダイス金型を用いることによって、はすば歯車の所望のねじれ角より大きな押し出し角で材料を回転しながら押し出す工程と、はすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で材料を回転しながら押し出す工程を一つの金型で行うことが可能である。この金型によって歯すじ精度の良いはすば歯車が容易に量産される。さらに、対向ダイス剪断法は、材料が剪断変形によって切り込まれる切削的切り込み過程を含むため、材料の板厚が厚いものを打ち抜く場合でも、得られた製品の加工分離面には破断面が生じにくく、精度のより製品が得られる。

0018

また、対向ダイス剪断法で材料を打ち抜く場合において、材料が突起付きダイスと平ダイスとの間で剪断されて半径方向外方へ排除される際に、材料が半径方向外方へ過剰に流出してしまうため、得られる製品にはダレが発生する。そこで、図1に示した対向ダイス金型において、突起付きダイスの突起部の材料配置側の端面の回転中心側に、材料排出用の溝51を設けることによって、ダレの発生を防ぐことも可能である。図1に示した対向ダイス金型における突起付きダイスを材料設置側からみたものを図5に示す。また、図6図5に示した突起付きダイスによる切削的切り込み過程時における突起付きダイスのピッチ円形Rcに沿った断面を展開した状態を示す。ここで、図5ないし図6に示すように、突起付きダイス2に溝51を設けた場合、突起付きダイスと平ダイスとに剪断されて排除される材料は、溝51に沿って半径方向外方へ制御されながら排除される。これによって、はすば歯車の歯先部を形成する材料が半径方向外方へ過剰に流出してしまうことは回避されるため、歯車の歯先部のダレ発生は抑制され、更に歯すじ精度のよい歯車が製造される。

0019

さらに、塑性変形しにくい材料を打ち抜く場合、はすば歯車の所望のねじれ角より大きな押し出し角で材料を回転しながら押し出す打ち抜き過程を施すという本発明によるヒケ防止効果は低下する。なぜなら、材料をはすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度で回転しながら押し出しても、押し出される材料が塑性変形しにくいため、材料は平ダイスの内周面に形成された歯みぞに充分に行き渡らないからである。上記のような問題が生じた場合、はすば歯車を打ち抜く圧力を高くする方法も考えられるが、対向ダイス金型においては突起付きダイスの突起部等が破損する恐れがある。

0020

そこで、材料が塑性変形しにくく、はすば歯車を打ち抜く圧力を高くした場合においても金型の破損を伴うことなく、ヒケのない、歯すじ精度のよいはすば歯車を製造するため、図1に示した対向ダイス金型でのはすば歯車の打ち抜き工程を以下のような形態に基づき実施することも可能である。図1に示した対向ダイス金型でのはすば歯車の打ち抜き過程において、エジェクタのリリーフ圧力を図7に示すように変化させた。この実施形態および作用を図7に基づき以下に説明する。図7の(a)は、はすば歯車の打ち抜き工程において対向ダイス金型を外部の座標軸からながめた場合のはすば歯車の打ち抜かれていく時間経過とともに変化していく突起付きダイス、パンチおよびエジェクタのそれぞれの位置関係を表したものである。横軸ははすば歯車の打ち抜き工程における経過時間を示す。縦軸は対向ダイス金型を外部の座標軸からながめた場合のそれぞれの位置を示し、それらの差はそれぞれの相対距離を表している。図7の(b)は、はすば歯車の打ち抜き工程における経過時間とエジェクタのリリーフ圧力との関係を表したものである。横軸ははすば歯車の打ち抜き工程における経過時間を示し、縦軸はエジェクタのリリーフ圧力を示す。また、図7の(a)と(b)の横軸は同じものである。さらに、この図におけるはすば歯車の打ち抜き工程とは突起付きダイス、パンチおよびエジェクタがそれぞれの初期位置から移動して作動を開始する時点から、初期位置に戻って作動を終了するまでの1サイクルのことを言う。

0021

まず、切削的切り込み過程の初期において、エジェクタのリリーフ圧力が上ラムの圧力であるメイン圧力の約60〜80%に設定されている。その後、切削的切り込みが材料の板厚の約15〜20%まで進行した時点で、エジェクタのリリーフ圧力は上ラムの圧力であるメイン圧力の約20〜40%に設定される。ここで、図7に示すように、ヒケが多発する切削的切り込み過程の初期において、通常のリリーフ圧力はメイン圧力の約20%であるのに対して、リリーフ圧力がメイン圧力の約60〜80%の圧力と、通常より大きく設定されている。これにより、材料は大きな圧力を加えられつつ、はすば歯車の所望のねじれ角よりも大きな押し出し角で押し出される。その後、切削的切り込みが材料の板厚の約60〜80%にまで進行すると、材料の変形形態が押しつぶし変形となる平板圧縮過程に移行していく。前記したように、材料の変形形態が平板圧縮過程に移行した後に、エジェクタのリリーフ圧力を通常より大きくしたままで材料の切り込みを進行させると、突起付きダイスの突起部に過剰な圧力がかかり、突起部が破損する恐れがある。そこで、切削的切り込み過程が材料の板厚の約60〜80%に達する前に、より好ましくは15〜20%まで進行した時点で、リリーフ圧力をメイン圧力の約20〜40%に下げる必要がある。以上より、材料が塑性変形しにくい場合においても、突起付きダイスの突起部等の破損を伴うことなく、ヒケのない、歯すじ精度の良いはすば歯車の製造が可能となる。

発明の効果

0022

以上詳述したように、本発明によれば、プレス機において、はすば歯車の材料をはすば歯車の所望のねじれ角より大きな角度の押し出し角で回転しながら押し出す工程を施すことによって、はすば歯車打ち抜き工程の初期段階に多発するヒケを防ぐことが可能である。さらに、上記工程を施した後、はすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で材料を押し出す工程を施すことによって、従来においてヒケの発生することのない部分の歯すじ精度を保つことが可能となる。

0023

また、対向ダイス金型の突起付きダイスの外周部にはすば歯車の所望のねじれ角より大きなねじれ角を有する外スプラインを設けることにより、突起付きダイスの突起部と平ダイスとの間で材料が剪断変形を受ける過程である切削的切り込み過程での材料の押し出し角は、はすば歯車の所望のねじれ角よりも大きくなり、はすば歯車打ち抜き工程の初期段階に形成されるはすば歯車の歯先部に多発するヒケを防ぐことが可能となる。この切削的切り込み過程が完了した後、突起付きダイスの内部に勘合され、外周面にはすば歯車の所望のねじれ角と同一のねじれ角の歯が形成されているブレークアウトパンチで材料がはすば歯車の所望のねじれ角と同一の押し出し角で押し出されることによって、はすば歯車打ち抜き工程の初期段階以降に形成され、従来においてヒケの発生することのなかったはすば歯車の歯先部の歯すじ精度を保つことが可能となる。このため、本発明の対向ダイス金型を用いることによって、ヒケがなく、歯すじ精度の良いはすば歯車が得られる。以上、上記した方法および金型によって、歯先部にヒケのなく、歯すじ精度が良いはすば歯車を精密プレス加工方法によって製造することができる。

図面の簡単な説明

0024

図1本発明の第1実施形態の対向ダイス金型
図2図1におけるA視図
図3図1におけるB視図
図4本発明の第1実施形態の対向ダイス金型の打ち抜き過程を示す図
図5本発明の第1実施形態の突起付きダイスに材料排出用溝を設けた場合の突起付きダイスの下面図
図6図5に示す突起付きダイスの切削的切り込み過程におけるピッチ円径Rcに沿った断面の展開図
図7はすば歯車の打ち抜き工程において対向ダイス金型を外部の座標軸からながめた場合のはすば歯車の打ち抜かれていく時間経過と、それともに変化していく突起付きダイス、パンチおよびエジェクタのそれぞれの位置関係およびエジェクタのリリーフ圧力との関係を示す図
図8従来のファインブランキング金型
図9図8におけるC視図
図10図8におけるD視図
図11従来のファインブランキング金型の打ち抜き過程を示す図
図12図9に示すダイスの打ち抜き工程におけるピッチ円径Rcに沿った断面の展開図

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0025

1パンチ
2突起付きダイス
3ヘリカルガイド
ガイドピン
スプリング
6ストッパー
7 材料
8平ダイス
9エジェクタ
10外スプライン
11はすば歯車
12 抜きくず
22板押さえ
23 板押さえホルダー
24 ダイス
25押さえ部
26 支持部
51 溝

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