図面 (/)

技術 3次元モデルの変形方法および3次元モデル生成装置および3次元モデル生成装置のプログラムが記録された記録媒体

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 川畑弘幸石田順二
出願日 1997年8月29日 (23年2ヶ月経過) 出願番号 1997-235110
公開日 1999年3月16日 (21年8ヶ月経過) 公開番号 1999-073446
状態 特許登録済
技術分野 CAD イメージ処理・作成
主要キーワード 解析面 変形面 先後関係 光学記録方式 次変形 バンパ表面 オフセット後 オフセット面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1999年3月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

複数の複雑な面の結合して作成された元モデルから、オフセット処理などの変形処理を行い変形モデル自動作成する。

解決手段

元モデルを構成する元面をオフセット処理し、オフセット面を得る(S102)。オフセット面どうしの剥離した部分を再結合させる大局変形処理が必要なオフセット面を抽出する(S104)。このオフセット面に対し、これより先に大局変形処理を行うべきオフセット面である先行面を前者オフセット面の属性として記憶する(S106)。この先行面の情報に従って、先行面のないオフセット面、または先行面が大局変形処理を終了しているオフセット面から順番に大局変形処理を行う(S108〜S118)。

概要

背景

近年、コンピュータ発達により、これを利用して3次元モデルを作成する技術が普及している。製造業においても、CADコンピュータ支援設計)などとして利用されている。このような3次元モデルの作成に際して、元のモデルの形状を所定の処理に従って変形し、変形されたモデルを得たい場合がある。たとえば、表面の形状が定められている所定の板厚を有する製品樹脂成形により得ようとする場合、樹脂成型用の型を作成するために表面形状から板裏の形状を算出するのが最も効率的である。板裏の形状は、単に表面を所定の板厚だけ面法線方向に移動(オフセット)して得られた形状とはならない。たとえば、板厚は、製品の強度を保つためや、樹脂充填する際の湯流れ性などを考慮する必要があり、一定とはならない。したがって、異なる板厚部分をつなげる部分は、板厚を徐々に変更する必要がある。さらには、表面形状は、様々な形状を有する複数の面から構成されており、所定の板厚を取るためにこれらの面をそれぞれ独立して移動すると、表面においてはつながっていた面が、板裏においては離れたり、剥がれたりする現象が生じる。この面の間の離れや剥がれは、人手により整合がなされていた。

概要

複数の複雑な面の結合して作成された元モデルから、オフセット処理などの変形処理を行い変形モデル自動作成する。

元モデルを構成する元面をオフセット処理し、オフセット面を得る(S102)。オフセット面どうしの剥離した部分を再結合させる大局変形処理が必要なオフセット面を抽出する(S104)。このオフセット面に対し、これより先に大局変形処理を行うべきオフセット面である先行面を前者オフセット面の属性として記憶する(S106)。この先行面の情報に従って、先行面のないオフセット面、または先行面が大局変形処理を終了しているオフセット面から順番に大局変形処理を行う(S108〜S118)。

目的

本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、変形モデルを自動作成する方法および変形モデルの作成装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

複数の元面より構成される元モデルから、前記元面に対し所定の変形処理を行い変形モデルを作成する3次元モデル変形方法であって、前記元面の形状を示す幾何情報および境界情報と、隣接する元面どうしの関係を示す位相情報とに基づき前記元モデルを定めるステップと、前記各元面を所定の処理に基づき変形し、変形面を求めるステップと、前記変形面どうしの剥がれを補正する大局変形処理を行うべき変形面を抽出するステップと、前記大局変形処理を行う変形面の処理順序を、前記元面の幾何情報、境界情報と位相情報に基づき定めるステップと、前記処理順序に従い大局変形処理を行い、変形モデルを生成するステップと、を有する、3次元モデルの変形方法。

請求項2

請求項1に記載の3次元モデルの変形方法において、前記大局変形処理の順序を定めるステップは、ある変形面に対し、これより先に大局変形処理を行うべき変形面である先行面の情報を当該変形面の属性として記憶するステップを含む、3次元モデルの変形方法。

請求項3

請求項2に記載の3次元モデルの変形方法において、前記先行面は、当該先行面が先行する変形面の元面と、当該先行面の元面とが長さをもった境界で結合するときには、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記境界が前者の元面にとっては枠略平滑境界であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑境界である変形面であり、当該先行面が先行する変形面の元面と、当該先行面の元面とが頂点のみで結合するときには、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記頂点が前者の元面にとっては枠略平滑頂点であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑頂点であり、さらに前者の元面と後者の元面、またはこれらの元面と、これらの元面の間に存在し前記頂点を共有する少なくとも一つの元面とが、前記頂点周りに連続して略平滑境界で結合する、変形面である、3次元モデルの変形方法。

請求項4

複数の元面より構成される元モデルから、前記元面に対し所定の変形処理を行い変形モデルを作成する3次元モデル生成装置であって、入力された、前記元面形状を示す幾何情報および境界情報と、隣接する元面どうしの関係を示す位相情報とに基づき前記元モデルを生成する手段と、前記各元面を所定の処理に基づき変形し、変形面を生成する手段と、前記変形面どうしの剥がれを補正する大局変形処理を行うべき変形面を抽出する手段と、前記大局変形処理を行う変形面の処理順序を、前記元面の幾何情報、境界情報と位相情報に基づき定める手段と、前記処理順序に従い大局変形処理を行い、変形モデルを生成する手段と、を有する、3次元モデル生成装置。

請求項5

請求項4に記載の3次元モデル生成装置において、前記大局変形処理の順序を定める手段は、ある変形面に対し、これより先に大局変形処理を行うべき変形面である先行面の情報を当該変形面の属性として定める手段を含む、3次元モデル生成装置。

請求項6

請求項5に記載の3次元モデル生成装置において、一つの変形面の元面と、他の変更面の元面とが長さをもった境界で結合するときに、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記境界が前者の元面にとっては枠略平滑境界であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑境界であるときに、または、一つの変形面の元面と、他の変更面の元面とが頂点のみで結合するときに、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記境界が前者の元面にとっては枠略平滑境界であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑境界であり、さらに、前者の元面と後者の元面、またはこれらの元面と、これらの元面の間に存在し前記頂点を共有する元面とが、前記頂点周りに連続して略平滑境界で結合するときに、前記他の変更面を前記一つの変形面の先行面とする先行面決定手段を有する、3次元モデル生成装置。

請求項7

コンピュータを、請求項4から6のいずれかに記載の3次元モデル生成装置として動作させるためのプログラムが記録されたプログラム記録

技術分野

0001

本発明は、3次元モデルを取り扱うコンピュータなどの装置に関し、特に元のモデルから所定の変形処理をした変形モデルを得る装置およびその変形方法に関する。

背景技術

0002

近年、コンピュータの発達により、これを利用して3次元のモデルを作成する技術が普及している。製造業においても、CADコンピュータ支援設計)などとして利用されている。このような3次元モデルの作成に際して、元のモデルの形状を所定の処理に従って変形し、変形されたモデルを得たい場合がある。たとえば、表面の形状が定められている所定の板厚を有する製品樹脂成形により得ようとする場合、樹脂成型用の型を作成するために表面形状から板裏の形状を算出するのが最も効率的である。板裏の形状は、単に表面を所定の板厚だけ面法線方向に移動(オフセット)して得られた形状とはならない。たとえば、板厚は、製品の強度を保つためや、樹脂充填する際の湯流れ性などを考慮する必要があり、一定とはならない。したがって、異なる板厚部分をつなげる部分は、板厚を徐々に変更する必要がある。さらには、表面形状は、様々な形状を有する複数の面から構成されており、所定の板厚を取るためにこれらの面をそれぞれ独立して移動すると、表面においてはつながっていた面が、板裏においては離れたり、剥がれたりする現象が生じる。この面の間の離れや剥がれは、人手により整合がなされていた。

発明が解決しようとする課題

0003

前述のように、従来元モデルに所定の変形処理を行って変形モデルを得る場合に、元モデルが複雑な形状であると、人手に頼らざるを得ず、多大な工数を要していた。原理的には、表面形状の構造を、他の面との関連を示す情報(位相情報)により認識し、全体を一気にオフセットさせる方法が最も有効であるが、面の数が多くなると処理時間が増大、もしくは処理不能となり、複雑な形状の部品には対応できなかった。

0004

本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、変形モデルを自動作成する方法および変形モデルの作成装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

前述の課題を解決するために、本発明にかかる3次元モデルの変形方法は、複数の元面より構成される元モデルから、前記元面に対し所定の変形処理を行い変形モデルを作成する3次元モデルの変形方法であって、前記元面の形状を示す幾何情報および境界情報と、隣接する元面どうしの関係を示す位相情報とに基づき前記元モデルを定めるステップと、前記各元面を所定の処理に基づき変形し、変形面を求めるステップと、前記変形面どうしの剥がれを補正する大局変形処理を行うべき変形面を抽出するステップと、前記大局変形処理を行う変形面の処理順序を、前記元面の幾何情報と位相情報に基づき定めるステップと、前記処理順序に従い大局変形処理を行い、変形モデルを生成するステップと、を有している。

0006

前記の大局変形とは、面を変形するときに、その変形量を局所的に負うのではなく、面全体または比較的広い部分で負う変形の形態である。たとえば、元モデルでは、結合していた二つの面が、変形を行って裂けたような場合、裂けた部分を埋めるように面の端部のみを延長するのではなく、面全体が少しずつ伸びて裂けた部分を埋めるような変形をいう。したがって、このような大局変形を行う場合、一旦接合した部分が、他の部分を接合するために再剥離をする場合がある。この再剥離が生じると、この再剥離した部分を再度結合する必要が生じ、処理時間がながくなる、または処理が終わらない事態となる。

0007

このような事態を避けるために、大局変形処理を行う順序を、再剥離の生じないような順序に定めることが必要となる。本発明においては、この順序を、ある面の形状を示す幾何情報および境界情報と、この面の周囲の面との関係を示す位相情報に基づき定めている。さらに、本発明の一つの形態においては、大局変形の処理順序を、ある面に対して、これより先に処理されるべき面を、前者の面の属性として記憶することによって定めている。

0008

本発明の一つの形態によれば、二つの元モデルの面S1,S2の先行後続の関係(以下、先後関係と記す)は、次のように定められる。

0009

(1)二つの面S1,S2が境界線E12で結合するとき、以下の(a)〜(c)の条件を満たすとき、面S2が面S1に先行する。
(a)面S1が自由曲面である。ここで、自由曲面とは、解析面円筒の一部、球の一部など)ではない曲面のことをいう。解析面であっては、その形状がすでに定まっているので大局変形しようにもできないので、ここでは解析面を排除する。
(b)面S1にとって、境界線E12が枠略平滑境界である。ここで、略平滑とは、二つの面の境界において、面法線ベクトルが一致するかほぼ一致する境界線のことであり、言い換えれば、接平面連続もしくはほぼこれにみなせる場合の二つの構成面結合状態をいう。また、略平滑境界とは、略平滑に結合する二つの面の境界のことをいう。さらに、枠略平滑境界とは、この境界が基底面の境界に一致するか、またはパラメータ一定線に一致する略平滑境界であることをいう。さらに、基底面とは幾何情報のみで表される曲面をいい、構成面とは幾何情報と境界情報の二つの組で表現される曲面をいう。通常、構成面は基底面の一部を境界で区切った面であるが、この境界と基底面の境界が一致することもある。

0010

また、パラメータ一定線とは、基底面を定義するパラメータの一つが一定な図形、実際には基底面上の曲線である。
(c)面S2にとって境界線E12が面上略平滑境界である。ここで、面上略平滑境界とは、前述の枠略平滑境界以外の平滑境界をいう。
(2)二つの面S1,S2が頂点V12のみで結合するとき、以下の(a)〜(d)の条件を満たすとき、面S2が面S1に先行する。
(a)面S1が自由曲面である。
(b)面S1にとって、頂点V12が枠略平滑頂点である。ここで、略平滑頂点とは、少なくとも一つの略平滑境界が結合する頂点のことをいう。また、枠略平滑頂点とは、頂点に結合する略平滑境界の少なくとも一方が枠略平滑境界である頂点をいう。
(c)面S2にとって頂点V12が面上略平滑頂点である。ここで面上略平滑頂点とは、枠略平滑頂点以外の略平滑頂点をいう。
(d)面S1,S2が頂点V12周りの同一のフィールドに属する。ここで、フィールドとは、頂点周りに連続して略平滑境界で繋がった面の集合をいう。

0011

以上の条件を満足しない二つの面は先後関係がない。たとえば、二つの面の境界が双方の面から見ても枠略平滑境界である場合は、これらの面には先後関係が存在しない。

0012

以上のように定められた先後関係により、先行面が存在しない面、または先行面の大局変形処理が終了している面から大局変形処理がなされ、順次変形面の結合が進み、変形モデルが得られる。

0013

また、本発明の他の態様によれば、複数の元面より構成される元モデルから、前記元面に対し所定の変形処理を行い変形モデルを作成する3次元モデル生成装置を提供することができる。

0014

すなわち、入力された、前記元面形状を示す幾何情報および境界情報と、隣接する元面どうしの関係を示す位相情報とに基づき前記元モデルを生成する手段と、前記各元面を所定の処理に基づき変形し、変形面を生成する手段と、前記変形面どうしの剥がれを補正する大局変形処理を行うべき変形面を抽出する手段と、前記大局変形処理を行う変形面の処理順序を、前記元面の幾何情報と位相情報に基づき定める手段と、前記処理順序に従い大局変形処理を行い、変形モデルを生成する手段と、を有する3次元モデル生成装置を提供することができる。

0015

さらに、前記大局変形処理の順序を定める手段は、ある変形面に対し、これより先に大局変形処理を行うべき変形面である先行面の情報を当該変形面の属性として定める手段を含むものとすることができる。

0016

さらに、一つの変形面の元面と、他の変更面の元面とが長さをもった境界で結合するときに、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記境界が前者の元面にとっては枠略平滑境界であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑境界であるときに、または、一つの変形面の元面と、他の変更面の元面とが頂点のみで結合するときに、前者の元面が自由曲面であり、かつ前記境界が前者の元面にとっては枠略平滑境界であり、かつ後者の元面にとっては面上略平滑境界であり、さらに、前者の元面と、後者の元面と、これらの元面の間に存在し前記頂点を共有する元面とが、前記頂点周りに連続して略平滑境界で結合するときに、前記他の変更面を前記一つの変形面の先行面とする先行面決定手段を有するものとすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。自動車バンパなど、樹脂製品成形型を作製するためには、あらかじめ定まっているバンパの意匠面(表面)の形状からバンパ板裏の形状を求めるのが最も効率的である。基本的には、バンパ表面から、その法線方向に板厚分だけ移動(オフセット)させた面を算出して板裏形状が求められる。バンパ表面の形状は、多くの面を結合して形成されている。このバンパ表面形状を形成する個々の面を以降元面と記す。この元面は、これらが結合している境界において、接平面連続でない、すなわち完全になめらかに結合していない場合も多い。このような場合には、元面どうしが結合している場合であっても、オフセット面どうしは剥がれてしまう。すなわち、オフセットは面の法線方向に行われるので、境界で二つの元面の法線が異なる(接平面連続でない)場合などは、境界が二つに分離し、オフセット面が結合しなくなる。オフセット面を結合させるために、オフセット面を変形させる必要があるが、このときオフセット面の全体または広い範囲にわたって、少しずつ変形を行う大局変形が行われる。

0018

大局変形を多数のオフセット面に対し順次行うと、一旦大局変形によって結合したオフセット面が、他の部分を結合させるための大局変形によって、再度剥離する場合がある。再剥離の例が図1に示されている。オフセット面SA,SB,SCはオフセットする前、すなわち元面においては結合していた面である。オフセット後、面SAと面SB,SCは、上下方向に剥離し、面SBと面SCは左右方向に分離している(図1(a)参照)。このとき、図1(b)に示すように、大局変形によって面SAの境界線EAが面SB,SC上の線となるように結合する。次に、面SBの境界線EBと面SCの境界線ECが接合するように大局変形を行うと、図1(c)に示すように前回の大局変形では面SB,SC上に在った境界線EAの一部(破線で示す部分)が、面SB,SC上の線ではなくなる。すなわち再剥離が起こる。

0019

ところが、図2に示す順序によって大局変形を行うと、再剥離が起きない。図1(a)と同様の状態を示す図2(a)において、図2(b)に示すように面SB,SCを結合し、その後図2(c)に示すように面SAと面SB,SCを結合すると、剥離が起きない。このように、大局変形の順序によって再剥離が起きる場合と起きない場合がある。したがって、大局変形が起きない順序の条件が分かれば、この順序に従って、個々のオフセット面に対して大局変形の処理を行い、板裏モデルの作成をすることができる。

0020

ここで、以降用いる用語の説明を行う。再結合を行うための変形対象となる面は、面の幾何を示す基底面の情報と、基底面上の領域を区切る境界情報を有している。図3において、基底面とはパラメータu,vにより表現される曲面P1,P2であり、構成面は、図中太線で示される境界で区切られた基底面P1,P2での一部の曲面S1,S2である。この構成面が、モデルを形成する一つ一つの面に相当する。

0021

構成面間の結合のうち、接平面連続(G1以上)またはほぼ接平面連続と見なせる結合状態を、略平滑結合という。接平面連続とは、構成面の境界でこの境界を共有する各構成面の法線が一致することをいう。実際のモデルにおいては、数学的に接平面連続ではない状態であっても、見た目に十分滑らかに接続している場合がある。このような状態も含めて略平滑結合と称し、図中構成面S1,S2も略平滑結合しているとする。このように、略平滑結合している構成面の境界E12を略平滑境界と称し、略平滑境界の端が略平滑頂点である。また、図示していないが、構成面S2は、境界E12以外の各境界のおいても、略平滑結合しているとする。

0022

略平滑境界のうち、この境界が基底面の境界またはパラメータ一定線と一致しているものを枠略平滑境界と称する。たとえば、図3において、構成面S2の境界E23は、基底面P2の境界線EPと一致しているので、構成面S2にとって枠略平滑境界である。また、基底面P1,P2に書き込まれている格子は、パラメータが一定の線(v=constまたはu=const)を表す線で、構成面S2の境界E24は、このパラメータ一定線に一致していることから、構成面S2にとって境界E24も枠略平滑境界である。

0023

この枠略平滑境界以外の略平滑境界を面上略平滑境界と称する。構成面S2の境界E25および先の境界E12は、基底面P2の境界とも、パラメータ一定線とも一致していないので、面上略平滑境界である。

0024

前記略平滑頂点のうち、この頂点に結合している略平滑境界の少なくとも一つが枠略平滑境界であるものを枠略平滑頂点と称する。たとえば、頂点V245は、枠略平滑境界E24と面上略平滑境界E25に結合するが、境界E24が枠略平滑境界であるので、構成面S2にとって枠略平滑頂点である。

0025

この略平滑頂点以外の略平滑頂点を面上平滑頂点と称する。たとえば、頂点V152は、構成面S2にとって面上略平滑頂点である。

0026

最後に図4を用いて、フィールドの説明をする。構成面S3,S4,S5は境界E34,E35で略平滑に結合している。すなわち、境界E34,E35は略平滑境界である。また、構成面S6,S7は境界E67で略平滑に結合している。すなわち、境界E67,は略平滑境界である。しかし、構成面S3,S6は境界E36において略平滑な結合とはなっていない。同様に、構成面S5,S7は境界E57において略平滑な結合とはなっていない。各境界E34,E35,E36,E57,E67は、頂点V0を端としている。

0027

フィールドとは、頂点周りに略平滑に結合する面の集合であり、図4においては、構成面S3,S4,S5が一つのフィールドf1を形成し、構成面S6,S7がもう一つのフィールドf2を形成している。言い換えれば、二つの構成面が略平滑結合しているとき、または二つの構成面とこれらに挟まれる少なくともひとつの構成面とが、それぞれ略平滑に連なって結合しているときに、二つの構成面は同一のフィールドに属することになる。

0028

用語の説明は以上で終了し、次に大局変形処理を行うオフセット面の処理順序について説明する。

0029

オフセット面の処理順序は、オフセット前の面すなわち元面の幾何情報、境界情報と位相情報から決定される。オフセット面S2’がオフセット面S1’に先だって大局変形処理されるべきであるとは、それぞれの元面S2,S1が以下の条件を満たす場合をいう。

0030

(1)二つの面S1,S2が境界線E12で結合するとき、面S2が面S1に先行する(図3参照のこと)。
(a)面S1が自由曲面である。ここで、自由曲面とは、解析面(たとえば、円筒の一部、球の一部など)ではない曲面のことをいう。解析面であっては、その形状がすでに定まっているので大局変形しようにもできず、ここでは解析面を排除する。
(b)面S1にとって、境界線E12が枠略平滑境界である。
(c)面S2にとって境界線E12が面上略平滑境界である。

0031

(2)二つの面S1,S2が頂点V12のみで結合するとき、面S2(S5)が面S1(S3)に先行する(図4の面S3、S5を面S1,S2と読み替える)。
(a)面S1(S3)が自由曲面である。
(b)面S1(S3)にとって、頂点V0が枠略平滑頂点である。
(c)面S2(S5)にとって頂点V0が面上略平滑頂点である。
(d)面S1(S3),S2(S5)が頂点V0周りの同一のフィールドf1に属する。

0032

以上の条件を満足しない二つの面は先後関係がない。たとえば、二つの面の境界が双方の面から見ても枠略平滑境界である場合は、これらの面には先後関係が存在しない。

0033

このようにして、各オフセット面に対して、そのオフセット面に対する先行面の情報を、そのオフセット面の属性として記憶させる。そして、先行面のないオフセット面および先行面の大局変形処理が終了されているオフセット面から順次大局変形処理を行う。

0034

前記の条件を再考すると、結局、面上略平滑境界を含む面、および同一のフィールドに存在し、面上略平滑頂点を含む面を優先させて、大局変形処理を行うことになる。大局変形処理は、パラメータ一定線を移動、変形させる処理によって行われる。パラメータ一定線上にない線は、これらの線に関係のない大局変形処理がなされると、面の変形から取り残されてしまい、再剥離が生じる。

0035

図1および図2振り返ると、実は面SB,SCが面SAの先行面であったことが分かる。そして、境界EAは、面SAにとって枠略面SB,SC平滑境界であり、面SB,SCにとっては面上平滑境界である。面SAを面SB,SCに結合することによって、面SB,SC上に面上略平滑境界EAが定義される。この状態(図1(b))で面SB,SCを大局変形処理を行うと、略平滑境界EAはこの変形に追従できないので、面SB,SCから剥離する。これが再剥離である。このことから、面上略平滑境界による結合は後に回す必要があることが分かる。言い換えれば、面上略平滑境界を持つ面の変形は、枠略平滑境界の結合を先に行う必要がある。

0036

図5には、板裏モデル生成装置の概略構成図が示されている。装置本体10には、板表(意匠面)など元モデルの情報を記録した外部記憶装置20が接続され、出力装置としてCRTなどのディスプレイ30、プリンタ60が接続されている。また、操作者本装置の操作を行うための入力装置であるマウス40およびキーボード50が接続されている。

0037

装置本体10のCPU(中央処理装置)11は、別途作成された板表(意匠面)の形状データを、磁気ディスクなどの外部記憶装置20から読み出しデータメモリ12に一旦記憶する。これによって、本装置にとって元モデルが定められる。

0038

そして、CPU11は、元面をオフセット処理して、板裏の変形面を演算する。この変形面に対して、CPU11は、各元面の形状情報と位相情報から、その面にとっての先行面を選出し、その変更面の属性としてデータメモリ12に記憶する。さらに変形面の大局変形処理を、前記先行面の情報に基づいて順序づけて行う。そして、演算結果をデータメモリ12または外部記憶装置20に記憶し、必要に応じてプリンタ60などにより出力させる。これらのCPU11の演算処理は、プログラムメモリ13に記憶されたプログラムに基づき実行される。このプログラムメモリ13は、装置本体10に内蔵のハードディスクでも良く、またフロッピーディスクCD−ROMなどの取り出し可能な記録媒体であっても良い。また、これらの記録媒体の情報記録の方式は、磁気記録方式光学記録方式など、どのようなものであっても良い。

0039

図6には、本実施形態のフローチャートが示されている。まず、元モデルすなわち板表の形状データが読み込まれる(S100)。元モデルは、複数の元面の集合として形成されており、個々の元面ごとにオフセット処理がなされ、オフセット面が算出される(S102)。そして、大局変形処理の対象となるオフセット面を抽出する(S104)。元面は、形状を示す形状情報と他の元面との結合関係を示す位相情報を有しており、これらの情報に基づき、この元面に対応するオフセット面に対する先行面の情報が、そのオフセット面の属性として加えられる(S106)。先後関係の決定方法は、前述のとおりである。

0040

以上が大局変形の準備段階であり、以降個々のオフセット面の大局変形が行われる。

0041

まず、任意のオフセット面が呼び出され(S108)、この面の大局変形処理が未処理であるかが判断される(S110)。処理がすでに終了していた場合ステップS108に戻り、次のオフセット面を呼び出す。また、未処理であれば、このオフセット面に対する先行面が存在するかが呼び出され(S112)、これらの先行面の全てが大局変形処理がなされているかが判断される(S114)。全ての先行面の大局変形処理がなされていれば、または先行面がなければ、当該オフセット面の大局変形処理がなされる(S116)。そして、ステップS108に戻り、次のオフセット面を呼び出す。また、ステップS114で、大局変形処理が未処理の先行面があれば、ステップS108に戻り次のオフセット面を呼び出す。以上のステップS108からS116を大局変形処理の対象となっているオフセット面の数だけ繰り返し、これが終了すると、ステップS118に移行する。ここでは、大局変形処理が未処理のオフセット面があるかが判断される(S118)。未処理のオフセット面があれば、ステップS108に戻り、再度処理の対象となるオフセット面の数だけステップS108からS116を繰り返す。以上のステップS108からS118を、全ての大局変形処理の対象となっているオフセット面の処理が終了するまで繰り返す。これによって、オフセット面が結合され変形モデルが作成される。

0042

以上、本実施形態においては、所定の板厚を有する製品の板表の形状モデルから、オフセット処理によって板裏の形状モデルを作成する場合について説明したが、本発明は他の変形処理においても適用することができる。たとえば、プレス型の設計にあたって、製品の形状モデルから、スプリングバックを考慮した型の形状モデルを作成することができる。プレスにあたっては、材料の弾性によって、型の形から弾性変形分だけ元の形に戻ろうとするスプリングバックが知られており、これを考慮して型は材料をより大きく変形させるように設計される。この型の設計において、本発明を適用すれば、製品の形状モデルから、型の形状モデルを自動作成することができる。また、自動車のボンネットなど、薄板鋼板などで作成される製品(部品)においては、自重による変形が生じるので、加工においては、この変形を考慮して、最終的に得たい製品の形状に若干修正を加えた形状に作製する。この修正を加えた形状の算出においても本発明を適用することができる。

図面の簡単な説明

0043

図1大局変形処理の順序が適切でない例を示す図である。
図2大局変形処理の順序が適切な例を示す図である。
図3本実施形態の中で使用される用語の説明に用いられる図である。
図4本実施形態の中で使用される用語の説明に用いられる図である。
図5本実施形態の装置構成を示す図である。
図6本実施形態の制御フローチャートである。

--

0044

10 装置本体、11 CPU、12データメモリ、13プログラムメモリ、20外部記憶装置、30ディスプレイ、40マウス、50キーボード、60プリンタ、P1,P2基底面、S1,S2構成面、E23,E24 (面S2にとって)枠略平滑境界、E12,E25 (面S2にとって)面上略平滑境界、V245 枠略平滑頂点、V152 面上略平滑頂点。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ