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技術 配線基板

出願人 京セラ株式会社
発明者 佐々木康博寺尾慎也
出願日 1997年8月25日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 1997-227884
公開日 1999年3月9日 (21年8ヶ月経過) 公開番号 1999-068260
状態 拒絶査定
技術分野 プリント基板への印刷部品(厚膜薄膜部品) プリント板の構造 多層プリント配線板の製造 半導体または固体装置のマウント
主要キーワード 有機性バインダ 車載環境 破断モード 導通評価 配線用空間 配合組成比 高融点金属配線 銅厚膜
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図面 (5)

課題

絶縁基体に厚い低抵抗配線導体を設けても、低抵抗配線導体が絶縁基体の配線用空間部や溝から剥離せず、低抵抗配線導体に接続された他の配線導体断線したりすることがなく、配線導体の低抵抗化を実現して大電流を流すことが可能な、信頼性の高い低抵抗配線導体を有する配線基板を提供する。

解決手段

絶縁基体2の表面及び/又は内部に設けた厚い低抵抗配線導体3の表面4と絶縁基体2との間に、少なくとも高融点金属又はその化合物が60〜95体積%と、SiO2 が5〜40体積%の割合から成る厚さ10〜100μmのメタライズ金属層5を介して接合一体化して配線基板1とする。

概要

背景

従来、半導体素子収納用パッケージ混成集積回路装置等に用いられる配線基板は、一般にアルミナ質焼結体等の電気絶縁性セラミック焼結体から成る絶縁基体を用い、その上面の略中央部に設けた凹部周辺から下面に、あるいはその内部及び表面に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等の高融点金属から成る複数の配線導体を配設すると共に、各配線導体を絶縁基体内に設けた前記同様の高融点金属から成るビアホール導体で接続した構造を成している。

そして、前述のように構成された配線基板は、例えば半導体素子収納用パッケージに適用した場合には、その絶縁基体の凹部底面半導体素子ガラスあるいは樹脂ロウ材等の接着剤を介して接着固定すると共に、半導体素子の各電極が凹部周辺に位置する配線導体にボンディングワイヤを介して電気的に接続され、金属やセラミックス等から成る蓋体を前記凹部を塞ぐように前記接着剤と同様の封止剤を介して接合し、絶縁基体の凹部内に半導体素子を気密に収容することにより最終製品としての半導体装置としていた。

かかる半導体装置は、その絶縁基体に設けた配線導体の一部に鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金等から成る外部リード端子銀ロウ等のロウ材を介して取着されており、該外部リード端子を外部電気回路に接続することによって、半導体素子の各電極は配線導体、ボンディングワイヤ及び外部リード端子を介して外部電気回路に電気的に接続されている。

しかしながら、前記従来の配線基板は、配線導体及びビアホール導体を形成するWやMo等の電気抵抗値が4〜8×10-6Ω・cmと極めて高いため、配線間の電気抵抗値を小さくして、例えば25〜60Aもの大電流を流せることが要求されるような配線基板、具体的には昨今の配線導体のより低抵抗化が望まれている、例えば、車載環境のような厳しい環境下で使用される各種制御機器等をはじめとする用途には適用できなかった。

従って、前述のような用途に適用する配線基板では、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基体に銅(Cu)や銀(Ag)等を主成分とする導体材料で、厚膜法や無電解メッキ法により配線導体を形成することが行われていた。

しかし、かかる配線導体では、配線の高密度化のために配線パターン線幅が配線基板の面積により制限され、一定以上に幅広く形成することができず、前記厚膜法では膜厚が100μm以上になると焼結助剤等の添加物焼成時に拡散して半田濡れ性が悪化し、各種電子部品半田実装が困難となる他、前記添加物の拡散及び反応により電気抵抗値が高くなる等、電気特性劣化するという欠点があった。

また、前記無電解メッキ法における配線導体の形成方法では、後の工程に悪影響を及ぼさず短時間に低コストで充分な厚さの配線導体を得ることが困難であり、前記低抵抗化の目的を満足するものではなかった。

そこで、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基体に配線用空間部や溝を形成し、該絶縁基体がアルミナ(Al2 O3 )等のセラミックグリーンシートから成る場合にはタングステン(W)やモリブデン(Mo)に銅(Cu)や金(Au)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)を添加した配線導体材料を、一方、前記絶縁基体がガラスセラミックグリーンシートから成る場合には銀(Ag)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銅(Cu)等の配線導体材料を、それぞれ前記配線用空間部や溝に厚く充填して低抵抗配線導体としたものが提案されている(特開平5−21635号公報、特開昭63—194号公報参照)。

概要

絶縁基体に厚い低抵抗配線導体を設けても、低抵抗配線導体が絶縁基体の配線用空間部や溝から剥離せず、低抵抗配線導体に接続された他の配線導体と断線したりすることがなく、配線導体の低抵抗化を実現して大電流を流すことが可能な、信頼性の高い低抵抗配線導体を有する配線基板を提供する。

絶縁基体2の表面及び/又は内部に設けた厚い低抵抗配線導体3の表面4と絶縁基体2との間に、少なくとも高融点金属又はその化合物が60〜95体積%と、SiO2 が5〜40体積%の割合から成る厚さ10〜100μmのメタライズ金属層5を介して接合一体化して配線基板1とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

絶縁基体の表面及び/又は内部に低抵抗配線導体を有する配線基板であって、前記低抵抗配線導体の表面と絶縁基体との間に、少なくともタングステン(W)又はモリブデン(Mo)、レニウム(Re)、コバルト(Co)のいずれかの高融点金属又はその化合物が60〜95体積%と、シリカ(SiO2 )が5〜40体積%の割合から成る厚さ10〜100μmのメタライズ金属層を有することを特徴とする配線基板。

請求項2

前記高融点金属又はその化合物が70〜80体積%と、シリカ(SiO2 )が20〜30体積%の割合から成り、厚さが20〜50μmのメタライズ金属層を有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。

技術分野

0001

本発明は、半導体素子が収容搭載される半導体素子収納用パッケージや、半導体素子の他にコンデンサ抵抗体等の各種電子部品が搭載される混成集積回路装置等で、大電流を流すことが可能な低抵抗配線導体を有する配線基板に関するものである。

背景技術

0002

従来、半導体素子収納用パッケージや混成集積回路装置等に用いられる配線基板は、一般にアルミナ質焼結体等の電気絶縁性セラミック焼結体から成る絶縁基体を用い、その上面の略中央部に設けた凹部周辺から下面に、あるいはその内部及び表面に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等の高融点金属から成る複数の配線導体を配設すると共に、各配線導体を絶縁基体内に設けた前記同様の高融点金属から成るビアホール導体で接続した構造を成している。

0003

そして、前述のように構成された配線基板は、例えば半導体素子収納用パッケージに適用した場合には、その絶縁基体の凹部底面に半導体素子をガラスあるいは樹脂ロウ材等の接着剤を介して接着固定すると共に、半導体素子の各電極が凹部周辺に位置する配線導体にボンディングワイヤを介して電気的に接続され、金属やセラミックス等から成る蓋体を前記凹部を塞ぐように前記接着剤と同様の封止剤を介して接合し、絶縁基体の凹部内に半導体素子を気密に収容することにより最終製品としての半導体装置としていた。

0004

かかる半導体装置は、その絶縁基体に設けた配線導体の一部に鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金等から成る外部リード端子銀ロウ等のロウ材を介して取着されており、該外部リード端子を外部電気回路に接続することによって、半導体素子の各電極は配線導体、ボンディングワイヤ及び外部リード端子を介して外部電気回路に電気的に接続されている。

0005

しかしながら、前記従来の配線基板は、配線導体及びビアホール導体を形成するWやMo等の電気抵抗値が4〜8×10-6Ω・cmと極めて高いため、配線間の電気抵抗値を小さくして、例えば25〜60Aもの大電流を流せることが要求されるような配線基板、具体的には昨今の配線導体のより低抵抗化が望まれている、例えば、車載環境のような厳しい環境下で使用される各種制御機器等をはじめとする用途には適用できなかった。

0006

従って、前述のような用途に適用する配線基板では、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基体に銅(Cu)や銀(Ag)等を主成分とする導体材料で、厚膜法や無電解メッキ法により配線導体を形成することが行われていた。

0007

しかし、かかる配線導体では、配線の高密度化のために配線パターン線幅が配線基板の面積により制限され、一定以上に幅広く形成することができず、前記厚膜法では膜厚が100μm以上になると焼結助剤等の添加物焼成時に拡散して半田濡れ性が悪化し、各種電子部品の半田実装が困難となる他、前記添加物の拡散及び反応により電気抵抗値が高くなる等、電気特性劣化するという欠点があった。

0008

また、前記無電解メッキ法における配線導体の形成方法では、後の工程に悪影響を及ぼさず短時間に低コストで充分な厚さの配線導体を得ることが困難であり、前記低抵抗化の目的を満足するものではなかった。

0009

そこで、配線導体の抵抗値を低減して大電流を流せるようにするために、配線基板を構成する絶縁基体に配線用空間部や溝を形成し、該絶縁基体がアルミナ(Al2 O3 )等のセラミックグリーンシートから成る場合にはタングステン(W)やモリブデン(Mo)に銅(Cu)や金(Au)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)を添加した配線導体材料を、一方、前記絶縁基体がガラスセラミックグリーンシートから成る場合には銀(Ag)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銅(Cu)等の配線導体材料を、それぞれ前記配線用空間部や溝に厚く充填して低抵抗配線導体としたものが提案されている(特開平5−21635号公報、特開昭63—194号公報参照)。

発明が解決しようとする課題

0010

前記提案の低抵抗配線導体では、配線抵抗値の低減を図ることはできるものの、該低抵抗配線導体を、例えば、50μm以上に厚く形成すると、電気特性が劣化したり、更には該低抵抗配線導体と絶縁基体との熱膨張差に起因する応力が発生し、該応力によって絶縁基体の配線用空間部や溝に充填して形成した低抵抗配線導体が、配線用空間部や溝から剥離して該低抵抗配線導体に接続された他の配線導体と断線する恐れがあるという課題があった。

0011

本発明は、前記課題を解消せんとして成されたもので、その目的は絶縁基体に厚さを有する低抵抗配線導体を設けても、電気特性が劣化したりせず、しかも該低抵抗配線導体が絶縁基体の配線用空間部や溝から剥離せず、従って該低抵抗配線導体に接続された他の配線導体と断線したりすることがなく、配線導体の低抵抗化を実現して大電流を流すことが可能な、信頼性の高い低抵抗配線導体を有する配線基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、低抵抗配線導体を絶縁基体の表面及び/又は内部に有する配線基板において、低抵抗配線導体の表面と絶縁基体との間に、少なくとも高融点金属又はその化合物一定容積を占めるシリカ(SiO2 )とから成るメタライズ金属層を設けることにより、低抵抗配線導体が配線用空間部や溝から剥離する等の前記課題が解消できることを知見し、本発明に至った。

0013

即ち、本発明の配線基板は、絶縁基体の表面及び/又は内部に設けた低抵抗配線導体が、該低抵抗配線導体の表面と絶縁基体との間に、少なくともタングステン(W)、又はモリブデン(Mo)、レニウム(Re)、コバルト(Co)のいずれかの高融点金属又はその化合物が60〜95体積%と、シリカ(SiO2 )が5〜40体積%の割合から成る10〜100μmの厚さを有するメタライズ金属層を介在せしめて成ることを特徴とするものである。

0014

本発明の配線基板によれば、絶縁基体の表面及び/又は内部に設けた低抵抗配線導体は、その表面と絶縁基体との間に少なくとも高融点金属又はその化合物とシリカ(SiO2 )とから成るメタライズ金属層を介して接合されていることから、メタライズ金属層中の高融点金属又はその化合物と低抵抗配線導体の金属との濡れ性が良好でアンカー効果による物理的接合の向上と、少なくとも前記シリカ(SiO2 )が低抵抗配線導体の金属と反応して化学的に接合することにより接合強度が向上して低抵抗配線導体に全くガラス成分等を添加しなくても絶縁基体と強固に接合できることになる。

0015

その上、前記接合は接合面の接触部分のみの反応であるため、低抵抗配線導体の電気的特性には何ら影響を及ぼさず、例えば、50μm以上の厚さを有する低抵抗配線導体を設けても抵抗値等の電気特性の劣化がなく、更に、低抵抗配線導体が絶縁基体の配線用空間部や溝から剥離して該低抵抗配線導体に接続された他の配線導体を断線することもなく、大電流を流すことが可能な接続信頼性の高い低抵抗配線導体を有する配線基板を低コストで作製することができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の配線基板を図面に基づき詳細に説明する。

0017

図1は、本発明の配線基板を低抵抗配線導体を含む断面で切断した斜視図である。

0018

図1において、1は絶縁基体2と、低抵抗配線導体3の表面4との間に厚さ10〜100μmのメタライズ金属層5を設けて接合した配線基板である。

0019

配線基板1の表層に形成された低抵抗配線導体3は、低抵抗配線導体3と接続した絶縁基体2の内部に設けたビアホール導体6から絶縁基体2の内部の配線導体7に、更に配線導体7から他方の表層に設けたビアホール導体8に接続することにより絶縁基体2の他方の面に導出されている。

0020

また、図2は本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図であり、配線基板1は一方の表面にメタライズ金属層5を介して低抵抗配線導体3を配設し、低抵抗配線導体3は絶縁基体2に設けたビアホール導体6から絶縁基体2の内部に設けた配線導体7に、更に配線導体7から絶縁基体2の他方の面に導出されるビアホール導体8に接続されている。

0021

また、図3は本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図であり、配線基板1は絶縁基体2の表面にメタライズ金属層5を介して低抵抗配線導体3を複数配設し、低抵抗配線導体3から絶縁基体2の他方の面にサーマルビアを兼ねたビアホール導体9が導出されて表面に形成された配線導体10に接続されている。

0022

更に、図4は本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図であり、配線基板1は絶縁基体2の内部に低抵抗配線導体3が埋設されており、低抵抗配線導体3の上下いずれの表面4にも絶縁基体2との間にメタライズ金属層5を介在させた場合と、一方の表面4にのみメタライズ金属層5を介在させた場合の両方の低抵抗配線導体3と絶縁基体2とを接合一体化したもので、各低抵抗配線導体3はそれぞれに接続されたビアホール導体6または8によりいずれかの表面に導出されている。

0023

次に、本発明の配線基板における低抵抗配線導体の表面と絶縁基体との間に設けるメタライズ金属層の主成分は、絶縁基体と同時焼成可能であり、低抵抗配線導体の金属との濡れ性に優れ、従来の高融点金属配線の電気抵抗値と同等あるいはそれ以下であればいかなる材料でも良く、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)、レニウム(Re)、コバルト(Co)等の高融点金属又はその化合物が挙げられ、特にセラミックスから成る絶縁基体との同時焼成及び製品コストの点からはタングステン(W)が最適である。

0024

また、前記メタライズ金属層中のシリカ(SiO2 )が5体積%未満、あるいは高融点金属又はその化合物が95体積%の割合を越えるとメタライズ金属層自体の強度及び絶縁基体との接合強度が劣化して割れや剥離を生じてしまい、逆にシリカ(SiO2 )が40体積%を越えるか、高融点金属又はその化合物が60体積%未満の割合となると、メタライズ金属層の表面にシリカ(SiO2 )層が形成されて低抵抗配線導体のアンカー効果による接合の妨げになり、低抵抗配線導体との接合強度の劣化につながり、更に前記高融点金属又はその化合物の電気抵抗が増加して大電流用の配線導体として実用範囲外となる。

0025

よって、前記メタライズ金属層中、少なくともシリカ(SiO2 )は5〜40体積%で、高融点金属又はその化合物が60〜95体積%の割合に限定され、特に接合強度と電気抵抗の点からは少なくともシリカ(SiO2 )は20〜30体積%で、高融点金属又はその化合物は70〜80体積%の割合が望ましい。

0026

また、前記メタライズ金属層は量産性に優れたスクリーン印刷法で形成することが好適であることから、その厚さが10μmより薄い場合には均一な厚さのメタライズ金属層を形成することが困難となって接合強度が劣化してしまい、100μmを越えるとスクリーン印刷を何度も繰り返して充填しなければならず、製造工程の増加がコストアップとなる。

0027

従って、前記メタライズ金属層の厚さは10〜100μmに特定され、低抵抗配線導体と絶縁基体との接合強度と配線導体の電気抵抗、更に製造工程の簡便さの点からは20〜50μmが好適である。

0028

また、本発明における前記メタライズ金属層には、高融点金属又はその化合物とシリカ(SiO2 )以外に、Al2 O3 やCaO、MgO等、微量の他のガラス成分を含有することについては何ら支障ない。

0029

一方、本発明における低抵抗配線導体の厚さは、低抵抗配線導体の低抵抗化を図り大電流を流せるようにするためにはその厚さは50μm以上であることが望ましい。

0030

尚、本発明の配線基板において、低抵抗配線導体を構成する導電材料は、低抵抗で大電流を流すことができ、前記高融点金属と濡れ性が良ければいずれでも良く、例えば銅(Cu)や銀(Ag)、アルミニウム(Al)等が挙げられ、特に熱伝導性や濡れ性、電気抵抗等の電気的特性に優れ、加工が容易で安価であることからは銅(Cu)が最適であり、電気的特性からは前記導電材料は極力、電気抵抗を増加させる成分を含有させないことが望ましい。

0031

また、ビアホール導体はタングステン(W)やモリブデン(Mo)、レニウム(Re)、コバルト(Co)等の高融点金属を主成分とするものが挙げられ、特に絶縁基体との熱膨張率整合性及びコストの点からはモリブデン(Mo)が好適である。

0032

一方、配線導体については、セラミックスから成る絶縁基体と配線導体を同時焼成で形成する場合、前記ビアホール導体と同様の高融点金属が使用でき、更に熱伝導性や低抵抗配線が必要とされる場合、ポストファイヤー法やメッキ法により銅(Cu)や銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等で形成でき、前記同時焼成の場合には焼成温度融点の関係からタングステン(W)が、またポストファイヤー法やメッキ法で形成する場合には電気特性上、銅(Cu)が好適である。

0033

他方、前記ビアホール導体は、表面実装されたパワーMOSFET等からの発熱熱伝導により表層に形成された低抵抗配線導体と接続することで、該低抵抗配線導体とヒートシンクの効果を奏するものである。

0034

また、前記絶縁基体は一般に配線基板に適用されるアルミナ(Al2 O3 )や窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3 N4 )等を主成分とするセラミック焼結体であればいずれにも適用できるが、とりわけアルミナ質焼結体から成るものが望ましく、例えばアルミナ(Al2 O3 )、シリカ(SiO2 )、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等の原料粉末に周知の有機性バインダーと有機溶剤可塑剤分散剤等を添加混合して調製した泥漿を、周知のドクターブレード法カレンダーロール法等のシート成形法により成形したセラミックグリーンシートに所定の打ち抜き加工を施すと共にこれを複数枚積層し、約1600℃の温度で焼成することにより得られる。

0035

更に、本発明の配線基板に大電流を必要とするパワーMOSFET等を表面実装する際、パワーMOSFET用配線にも低抵抗の配線導体を形成しておくと共に、前述のようにパワーMOSFETが表面実装される部分にサーマルビアを兼用したビアホール導体を多数設け、低抵抗配線導体のヒートシンク作用と併用して熱放散性を向上させることが望ましい。

0036

次に、本発明の配線基板を以下に詳述するようにして評価した。先ず、Al2 O3 、SiO2 、MgO、CaO等の原料粉末にアクリル系の有機性バインダーと可塑剤、溶剤を添加混合して泥漿を調製し、該泥漿をドクターブレード法により厚さ約300μmのシート状に成形した。

0037

次いで、前記セラミックグリーンシートの所定位置に打ち抜き加工を施して低抵抗配線導体用空間部とビアホールをそれぞれ形成した後、他のセラミックグリーンシート上の前記低抵抗配線導体用空間部に該当する位置に、Wと少なくともSiO2 から成る種々の配合組成比印刷用ペーストを用いて所定の配線パターンを印刷形成し、表1に示すように種々の厚さを設定した焼成前のメタライズ金属層を形成すると共に、ビアホールにも所定のペーストを充填した。

0038

その後、前記低抵抗配線導体用空間部を有するセラミックグリーンシートを表層とし、その直下に前記メタライズ金属層を被着形成したセラミックグリーンシートを、更に絶縁層間配線層とビアホールを形成した他のセラミックグリーンシートを所定の厚さとなるように複数枚積層する。

0039

次いで、前記積層体を約1600℃の温度で焼成して低抵抗配線導体用空間部の底面に種々の組成と厚さを有するメタライズ金属層を具備した縦50mm、横5mmの絶縁基体を作製した。

0040

前記絶縁基体の一部を用いてメタライズ金属層の断面を波長分散型X線マイクロアナライザー(EPMA)により、その表面を分析して高融点金属又はその化合物、及びSiO2 の占有率をそれぞれ求め、それらを高融点金属又はその化合物、及びSiO2 の容積比と見なした。

0041

次に、前記絶縁基体の低抵抗配線導体用空間部に、低抵抗配線導体として平均粒径が30μm以下の各種Cu粉末粒度配合して調製したCu100%と有機バインダー及び溶媒とから成る導体ペーストを充填して加熱融着させ、評価用の配線基板を作製した。

0042

尚、低抵抗配線導体用空間部にメタライズ金属層を被着形成していない絶縁基体に、低抵抗配線導体として所定厚さと寸法の銅板を前記空間部に嵌着したもの、及び従来の銅厚膜に使用されているSiO2 の他にAl2 O3 やMgO、CaO等のガラス成分が添加されたCu導体ペーストを前記空間部に充填した配線基板を比較例とした。

0043

0044

かくして得られた前記評価用の配線基板を用いて、−65℃と150℃の温度をそれぞれ10分間加える履歴を1サイクルとする冷熱サイクルを3000サイクルまで実施して液槽熱衝撃信頼性試験を行った。

0045

前記試験後、先ず評価用の配線基板の外観検査を行い、低抵抗配線導体のクラックや剥離、あるいは絶縁層のクラック等の欠陥の有無を調査した。

0046

その後、前記評価用の配線基板の低抵抗配線導体の中央部に直径が0.8mmの銅線半田で接合し、10mm/minの速度で引っ張り試験を行い、破断モードと接合強度を評価した。

0047

尚、破壊モードは低抵抗配線導体が剥離したものを、導線が半田抜けしたものを、絶縁層にクラックを生じたものをと区分した。

0048

一方、前記評価用の配線基板の配線導体の導通評価は、60Aの電流を1分間通電して遮断するのを1サイクルとする通電サイクル試験を30000サイクル実施し、通電サイクル試験前後の抵抗値を、低抵抗配線導体と該低抵抗配線導体と接続し、絶縁基板の他方の表面に導出した配線導体との間で測定して抵抗変化率を算出し、該抵抗変化率が5%以下を優、6〜10%を良、11〜20%を可、21%以上を不良と評価した。

0049

以上の結果の基づき、低抵抗配線導体を有する配線基板として総合評価した。

0050

0051

表から明らかなように、比較例の試料番号34では低抵抗配線導体が絶縁基体から剥離する上、半田濡れ性が悪く、同じく試料番号35では絶縁層にクラックが認められ、接合強度も極めて低く、また、本発明の請求範囲外である試料番号1、3、7、8、16、17、21、22、26、27、33では、低抵抗配線導体が絶縁基体から剥離したり、接合強度が低かったり、あるいは通電サイクル試験後の抵抗変化率が大きかったり等のいずれかに該当し適当でない。

0052

それらに対して、本発明ではいずれも低抵抗配線導体の剥離や、絶縁層のクラックは認められず、通電サイクル試験後の抵抗変化率も極めて低く、安定していることが確認される。

0053

尚、本発明の実施例は低抵抗配線導体を絶縁基体の表層に形成した配線基板で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であり、例えば、既に詳述したように低抵抗配線導体を絶縁基体内部に埋設して配線基板としたものにも適用し得るものである。

発明の効果

0054

以上詳述したように、本発明の配線基板によれば、絶縁基体と低抵抗配線導体の表面との間に、少なくとも高融点金属又はその化合物が60〜95体積%と、SiO2 が5〜40体積%の割合から成るメタライズ金属層を介在させて接合一体化したことから、配線基板を構成する低抵抗配線導体や絶縁基体にクラックが発生したり、低抵抗配線導体が剥離したりすることがなく、前記低抵抗配線導体を絶縁基体に強固に接合できると共に、電気的特性の劣化も認められず、低抵抗配線導体に接続された他の配線導体を断線することもなく、配線導体の低抵抗化を実現して大電流を流すことが可能となるため、高密度化と共に低抵抗化が実現でき、大電流に適応し得る信頼性に優れた、例えば、車載環境のような厳しい環境下においても故障することなく稼働させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0055

図1本発明の配線基板を低抵抗配線導体を含む面で切断した斜視図である。
図2本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図である。
図3本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図である。
図4本発明の配線基板の他の実施例を示す断面図である。

--

0056

1配線基板
2絶縁基体
3低抵抗配線導体
4 表面
5 メタライズ金属層

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    【課題】被接合部材にて発生した熱を、外部に効率よく放出させることができる接合構造体を提供する。【解決手段】回路パターンを有する基板と、電極端子を備えた被接合部材とが導電性接合材を介して接合した接合構造... 詳細

  • 株式会社JVCケンウッドの「 フレキシブル配線板」が 公開されました。( 2020/09/24)

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