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技術 一次電池用セパレーター

出願人 JXTGエネルギー株式会社
発明者 杉浦出秋田成一黒田信行
出願日 1997年7月31日 (22年9ヶ月経過) 出願番号 1997-206015
公開日 1999年2月26日 (21年2ヶ月経過) 公開番号 1999-054102
状態 未査定
技術分野 電池のセパレータ 一次電池(その1) 混成電池
主要キーワード 網目状構造物 網目状構造体 飽和溶解量 マンガン一次電池 ビニヨン グリセリン含有量 撥水性膜 網目構造体
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課題

アルカリマンガン電池空気亜鉛電池酸化銀亜鉛電池等のアルカリ一次電池セパレーターとして使用する、耐アルカリ性に優れ、膜抵抗が低く、隔離機能性に優れたセパレーターを提供すること。

解決手段

鹸化度70〜98.5%の、1,2−ジオール単位を含有する部分鹸化ポリビニルアルコールを含む膜を該1,2−ジオール単位における酸化分解反応及び酸処理によりアセタール架橋させてなる部分鹸化ポリビニルアルコール架橋膜を含むアルカリ一次電池用セパレーター。

概要

背景

アルカリ一次電池セパレーターとしては、負極活物質および負極生成物正極活物質粒子とが相互に対極に移動せず完全に分離されること、すなわち隔離機能性に優れていることが望ましく、この目的のために、セロハンがしばしば使用されている。セロハンは隔離機能性に優れているばかりでなく、イオン透過性が良く、電気抵抗が低いという長所を有するが、アルカリ電解液に弱いという短所があり、改善が求められている。

概要

アルカリマンガン電池空気亜鉛電池酸化銀亜鉛電池等のアルカリ一次電池用セパレーターとして使用する、耐アルカリ性に優れ、膜抵抗が低く、隔離機能性に優れたセパレーターを提供すること。

鹸化度70〜98.5%の、1,2−ジオール単位を含有する部分鹸化ポリビニルアルコールを含む膜を該1,2−ジオール単位における酸化分解反応及び酸処理によりアセタール架橋させてなる部分鹸化ポリビニルアルコール架橋膜を含むアルカリ一次電池用セパレーター。

目的

本発明の目的は、アルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀亜鉛電池等のアルカリ一次電池用セパレーターとして使用する、耐アルカリ性に優れ、膜抵抗が低く、隔離機能性に優れたセパレーターを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

鹸化度70〜98.5%の、1,2−ジオール単位を含有する部分鹸化ポリビニルアルコールを含む膜を該1,2−ジオール単位における酸化分解反応及び酸処理によりアセタール架橋させてなる部分鹸化ポリビニルアルコール架橋膜を含むことを特徴とするアルカリ一次電池セパレーター

請求項2

前記酸化分解反応と前記酸処理とを同時に行ってアセタール架橋させてなることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ一次電池用セパレーター。

請求項3

部分鹸化ポリビニルアルコール架橋膜中にグリセリンを1〜50質量%含有させたことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ一次電池用セパレーター。

技術分野

背景技術

0002

アルカリ一次電池のセパレーターとしては、負極活物質および負極生成物正極活物質粒子とが相互に対極に移動せず完全に分離されること、すなわち隔離機能性に優れていることが望ましく、この目的のために、セロハンがしばしば使用されている。セロハンは隔離機能性に優れているばかりでなく、イオン透過性が良く、電気抵抗が低いという長所を有するが、アルカリ電解液に弱いという短所があり、改善が求められている。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明の目的は、アルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀亜鉛電池等のアルカリ一次電池用セパレーターとして使用する、耐アルカリ性に優れ、膜抵抗が低く、隔離機能性に優れたセパレーターを提供することにある。

課題を解決するための手段

0004

上記課題を解決するために、我々は鋭意検討の結果、特定の部分鹸化ポリビニルアルコール(以下PVAという)膜を、特定の方法でアセタール架橋して得られた部分鹸化PVA架橋膜が、アルカリ一次電池用セパレーターとして優れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明により、鹸化度70〜98.5%の、1,2−ジオール単位を含有する部分鹸化PVAを含む膜を該1,2−ジオール単位における酸化分解反応及び酸処理によりアセタール架橋させてなる部分鹸化PVA架橋膜を含むことを特徴とするアルカリ一次電池用セパレーターが提供される。また、本発明により、前記酸化分解反応と前記酸処理とを同時に行ってアセタール架橋させてなることを特徴とする前記アルカリ一次電池用セパレーターが提供される。更に本発明により、前記部分鹸化PVA架橋膜中にグリセリンを1〜50質量%含有させたことを特徴とする前記アルカリ一次電池用セパレーターが提供される。

発明を実施するための最良の形態

0005

以下本発明についてさらに詳細に説明する。本発明に用いる部分鹸化PVAを含む膜の部分鹸化PVAは、70〜98.5%、好ましくは88〜96%の鹸化度を有する。前記鹸化度が98.5%を超える場合、PVA中水酸基による水素結合のためにPVA分子同士が水素結合して結晶化し、イオン透過性を阻害して、結果として膜の電気抵抗を増加させる。前記鹸化度が70%未満の場合、製膜の作業性が低下する。前記部分鹸化PVAを含む膜の部分鹸化PVAは、1,2−ジオール単位を含有する。前記1,2−ジオール単位の含有量は、特に限定されないが、その上限は、PVA主鎖中の水酸基が結合した炭素原子のうち、1,2−ジオールに関わる炭素原子の比(以下、1,2−ジオール含有割合という)が通常20モル%、好ましくは10モル%であり、また下限は通常0.1モル%、好ましくは0.5モル%程度の範囲である。残りは1,3−ジオール構造を主とするが、2つ以上の炭素原子からなるアルキル構造を含んでもよい。前記部分鹸化PVAを含む膜の部分鹸化PVAの平均重合度は、製膜性の観点から通常50以上、好ましくは100以上、更に好ましくは200以上が望ましい。また、上限については特に限定されないが、通常10000以下、更に好ましくは7000以下程度である。

0006

前記部分鹸化PVAを含む膜の平均膜厚は、特に限定されないが、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは40μm以下が望ましい。平均膜厚を100μm以下とすることにより、得られるセパレーターの平均膜厚を100μm以下とすることができる、膜抵抗を低くできる、並びに電極板間でのイオンや水の透過性を良好にできる等の利点がある。膜厚の下限については、特に限定されないが、工業的な製膜とその後の処理の作業性の見地から、通常10μm以上が望ましい。また、膜厚は可能な限り均一であることが望ましい。

0007

前記膜厚と前記鹸化度とは、前述の範囲において、両者のバランスを適度に調節することが好ましい。具体的には、鹸化度が低い部分鹸化PVAを用いる場合では、膜抵抗が低いセパレーターを得ることができるので、隔離機能性を向上させるために膜厚は比較的厚くするのが望ましい。また、鹸化度が高めの部分鹸化PVAを用いる場合、隔離機能性が高いセパレーターを得ることができるので、膜抵抗を低く抑えるために膜厚は比較的薄いことが望ましい。要するに、高めの鹸化度では薄目の膜厚、低めの鹸化度では厚めの膜厚とすることにより、膜厚と鹸化度とのバランスを取り、低い膜抵抗と高い隔離機能性という、一般には相矛盾する性質を兼ね備えたセパレーターを得ることができる。

0008

前記部分鹸化PVAを含む膜は、部分鹸化PVAの他に添加剤として、部分鹸化PVA膜を調製する際に用いる、柔軟剤界面活性剤、安定剤等の添加剤を含んでもよい。また、膜の親水性を改善するために多糖類等を含んでも良い。更に、部分鹸化PVAの鹸化度は同一膜内で単一であっても、複数の鹸化度の部分鹸化PVAを混合したものを使用することもできる。

0009

前記部分鹸化PVAを含む膜の製造方法は特に限定されないが、一般的には下記方法等で製造できる。例えば、酢酸ビニルモノマーを、一般に知られている方法でラジカル重合させ、ポリ酢酸ビニルとする。前記ラジカル重合の開始剤としては、過酸化ベンゾイルアゾビスイソブチロニトリルAIBN)等が用いられる。次いで、得られたポリ酢酸ビニルを、メタノール等を溶媒として水酸化ナトリウム等で鹸化する。反応時間を制御することにより、部分鹸化PVAが得られる。鹸化度は、NMR等により確認することができる。次に、得られた部分鹸化PVAを水溶液として、平滑な板上やドラム上等に流延し、乾燥させることにより、部分鹸化PVAを含む膜を得ることができる。膜厚は、部分鹸化PVA水溶液の濃度を調節することにより制御できる。

0010

前記部分鹸化PVA架橋膜は、前記部分鹸化PVAを含む膜を、その1,2−ジオール単位における酸化分解反応及び酸処理によりアセタール架橋させることによって得られる。具体的には、前記部分鹸化PVA架橋膜は、前記部分鹸化PVAを含む膜を、その中に存在する1,2−ジオール単位を酸化分解してアルデヒドを生成させる反応と、生成するアルデヒドとPVA中の水酸基とを酸処理よってアセタール化させる反応との2種類の反応によりアセタール架橋させて得ることができる。前記部分鹸化PVA架橋膜の架橋度は、特に限定されないが、上限としては通常1,2−ジオール単位含有量と等しく、また下限としてはアセタール架橋された部分鹸化PVAが水に対して実質的に不溶になる状態である。架橋度の調節は後述するアセタール架橋時の温度や時間などの反応条件により適宜調節することができる。

0011

前記酸化分解反応は、特に限定されないが、通常酸化剤を用いて行うことができる。酸化剤としては、特に限定はされないが、例えば、過ヨウ素酸(HIO4)、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、メタ過ヨウ素酸カリウムKIO4)、四酢酸鉛(Pb(OAc)4)(Acはアセチル基を示す)等のほか、種々のもの(例えば、活性化二酸化マンガン、3価のタリウム塩類)及びこれらの混合物等が挙げられるが(J.March著、AD-VANCEDORAGANIC CHEMISTRY, Fourth Edition,pp.1174等を参照)、特にメタ過ヨウ素酸ナトリウムが好ましい。前記酸化剤の使用量は、特に限定されないが、通常1,2−ジオール単位1モルに対して100モル倍以上の過剰条件で酸化を行うのが効率的である。

0012

前記酸処理の方法は、特に限定されないが、通常H+を発生する酸触媒を使用して行うことができる。前記酸触媒としては、例えば、硫酸硝酸塩化水素等の無機酸、酢酸シュウ酸安息香酸等の有機酸及びこれらの混合物等が好ましく挙げられる。前記酸触媒の使用量は、特に限定されないが、通常、前記酸化剤に対し、2倍モル以上、好ましくは5倍モル以上が望ましく、また使用する際の上限は、通常20倍モル程度、好ましくは10倍モル程度が望ましい。

0013

このように、酸化剤および酸触媒を用いた場合の酸化分解反応及び酸処理によるアセタール架橋反応は模式的には下記式(Rは、二価の部分鹸化PVA鎖を表す。)のとおりに進行すると考えられる。

0014

0015

前記酸化分解反応及び前記酸処理は、前記酸化分解反応の後、前記酸処理を行うという順序の2段階の反応操作で別々に行ってもよく、前記酸化分解反応及び前記酸処理を1段階の反応操作で同時に行っても良いが、低い膜抵抗と高い耐デンドライト性とを両立させたセパレーターを得るために、2段階の反応操作で別々に反応を行うよりも、1段階の反応操作で同時に反応を行う方が好ましい。

0016

前記酸化分解反応及び前記酸処理を1段階の反応操作で同時に行う際の操作方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、(1)前記酸化分解反応及び前記酸処理のための物質(前記酸化剤、酸触媒等)を溶解させた水溶液中に、前記部分鹸化PVAを含む膜を浸漬して行う操作方法、(2)前記酸化分解反応及び前記酸処理のための物質(前記酸化剤、酸触媒等)を溶解させた水溶液を、前記部分鹸化PVAを含む膜に噴霧する操作方法、(3)前記酸化分解反応及び前記酸処理のための物質(前記酸化剤、酸触媒等)を溶解させた水溶液を、前記部分鹸化PVAを含む膜に塗布する操作方法、(4)前記酸化分解反応及び/又は前記酸処理のための物質(前記酸化剤、酸触媒等)のいずれか又は全ての成分を予め前記部分鹸化PVAを含む膜に添加して反応させる操作方法、(5)両末端又は片末端にアルデヒド基を有する部分鹸化PVAや有機架橋剤と、これらを含まない前記部分鹸化PVAとを混合して製膜した膜に、前記酸触媒、または前記酸化剤と前記酸触媒との混合物を作用させる操作方法、等が挙げられ、特に(1)の操作方法が好ましい。

0017

前記酸化分解反応及び前記酸処理を、前記(1)の操作方法等に従い溶液中に膜を浸漬して行う場合、未架橋又は低い架橋度のPVAが反応水溶液中に溶解することを妨ぐために、硫酸ナトリウム硫酸カリウム硫酸アンモニウム硫酸カリウムアルミニウム(KAl(SO4)2)、クエン酸カリウム硫酸亜鉛硫酸銅硫酸鉄硫酸アルミニウムリン酸ナトリウム重クロム酸カリウムホウ酸等の塩類の溶解阻害剤;メタノール、アセトンエチレングリコールジメチルスルホキシド等の水溶性有機物の溶解阻害剤又はこれらの混合物等の溶解阻害剤を溶解させることがさらに好ましい。この場合の溶解阻害剤の使用量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されうる。例えば、代表的な溶解阻害剤である無水硫酸ナトリウムの場合は、下限としては通常Na2SO4:H2O=1:5(質量比)以上、また上限としては通常飽和溶解量までの範囲で使用できる。

0018

前記1段階の反応操作で反応させる際の反応条件は、反応温度が通常25℃〜90℃、好ましくは40℃〜80℃の範囲が望ましく、反応時間は通常10分〜10時間、好ましくは30分〜4時間の範囲が望ましい。

0019

前記酸化分解反応及び前記酸処理を2段階の反応操作で別々に行う操作方法としては、酸化剤を溶解させた水溶液中に部分鹸化PVAを含む膜を浸漬した後、酸触媒を該水溶液に加える操作方法;酸化剤を溶解させた水溶液中に部分鹸化PVAを含む膜を浸漬した後、酸触媒を溶解させた水溶液に浸漬させる操作方法等が挙げられる。溶液中に部分鹸化PVAを含む膜を浸漬して反応を行う場合、前述の1段階の反応操作の場合と同様に、必要に応じて溶解阻害剤を溶液に溶解させることができる。2段階の反応操作で反応させる際の反応条件については、前記酸化分解反応の反応温度は通常25℃〜90℃、好ましくは40℃〜80℃の範囲が望ましい。反応時間は通常10分〜10時間、好ましくは30分〜4時間の範囲が望ましい。続いての酸処理の温度は、通常25℃〜90℃、好ましくは40℃〜80℃の範囲が望ましい。反応時間は通常10分〜10時間、好ましくは30分〜4時間の範囲が望ましい。なお、酸化分解反応と酸処理における反応温度、反応時間等の反応条件は同一でも異なってもよい。

0020

いずれの反応操作を行う場合も、前記酸処理の後、または前記酸化分解及び前記酸処理を同時に行う処理の後、膜を洗浄することが好ましい。前記洗浄は、膜を水洗し、弱アルカリ水溶液により酸を中和し、再び水洗することにより行うことができる。前記弱アルカリ水溶液としては、過剰の酸を中和する作用のある弱アルカリ水溶液であれば種々使用可能であり、好適には、炭酸水素ナトリウム水溶液炭酸ナトリウム水溶液リン酸ナトリウム塩類の水溶液、酢酸ナトリウム水溶液有機酸ナトリウム水溶液及びこれらの混合物等が挙げられる。前記水洗、中和及び再度の水洗のそれぞれの処理は、各々通常20分間以上(計1時間以上)、好ましくは各1時間(計3時間)以上行うことが望ましい。もちろん、これらの各処理の時間は各々同一でも異なってもよい。

0021

前記洗浄終了後、得られる部分鹸化PVA架橋膜をさらに後処理してもよい。後処理としては、例えば、後述するグリセリンを含浸させる工程に供してもよく、また、濾紙等の吸水性材料と接触させることによる脱水や、乾燥(加熱乾燥真空乾燥風乾等)等の工程が挙げられる。

0022

前記各工程により得られる部分鹸化PVA架橋膜は、平均膜厚が通常100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下が望ましい。平均膜厚を100μm以下とすることにより、膜抵抗が高くなりすぎることが防止でき、また電極板間でのイオンや水の透過性を良好とすることができる。膜厚の下限については、特に限定されないが、工業的な製膜とその後の処理の作業性の見地から、通常10μm以上が望ましい。また、膜厚は可能な限り均一であることが望ましい。

0023

本発明においては、前述のとおり、部分鹸化PVA架橋膜のアルカリ電解液中での膨潤速度を上げるためにさらにグリセリンを含浸させる操作を行ってもよい。部分鹸化PVA架橋膜にさらにグリセリンを含浸させる方法としては、特に限定されないが、通常、部分鹸化PVA架橋膜をグリセリン水溶液中に浸漬する操作方法が挙げられる。この場合、グリセリン水溶液の濃度は通常5〜90質量%、好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは20〜70質量%の範囲である。浸漬時間は通常10分〜48時間、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは1時間〜24時間の範囲である。浸漬温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜40℃の範囲である。膜中のグリセリン含有量は、1〜50質量%、特に3〜40質量%の範囲が望ましい。膜中のグリセリン含有量の調節は容易に行うことができる。例えば、上記操作における浸漬時間の調節やグリセリン水溶液の濃度を調節する方法等が挙げられる。前記グリセリン水溶液には、本発明の目的を損なわない範囲で任意成分を添加してもよい。任意成分としては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の親水性溶媒が挙げられる。

0024

部分鹸化PVA架橋膜にグリセリンを含浸させた後、さらに適宜後処理を行ってもよい。後処理工程としては、例えば、得られた膜を濾紙等の吸水性材料と接触させる脱水や、乾燥(加熱乾燥、真空乾燥、風乾等)等の工程が挙げられる。

0025

前記部分鹸化PVA架橋膜は、それ単独でセパレーターとすることもできるが、他の部材を組み合わせ、または他の部材と一体化してセパレーターとすることができる。前記他の部材としては網目状構造体等が挙げられる。網目状構造体としては、織布、不織布、微多孔膜、紙等が挙げられる。また、前記一体化の形態としては、特に限定されなく、いずれの形態でもよいが、例えば、網目状構造体と架橋膜のシート状物とを積層する形態が挙げられる。網目状構造体の材質としては、耐アルカリ性に優れている材質であれば特に限定されず、ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン変性ポリオレフィンポリスフォン塩化ビニル酢酸ビニルとの共重合体ポリアミドパルプ等の天然繊維レーヨン等が挙げられる。網目状構造体の膜厚は、通常0.05〜5.0mm、好ましくは0.1〜2.0mm、さらに好ましくは0.2〜1.0mmが望ましい。また、網目状構造体の保液率はできるだけ高いことが望ましく、通常100%以上、さらに好ましくは200%以上が望ましい。保液率が低い場合は膜抵抗が上昇する傾向がある。網目状構造体の抵抗はできるだけ低い方が良く(抵抗が低いほどイオン伝導度は高い)、通常100mΩ・cm2以下、好ましくは50mΩ・cm2以下が望ましい。前記網目構造体のさらに具体的な例としては、ビニヨン(塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合物)繊維、ポリアミド(ナイロン66)繊維、ビニロンアセタール化ポリビニルアルコール)繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維α−セルロース成分の含有が98%以上のリンターパルプコットン)、マーセル化木材パルプ等の天然繊維;レーヨン繊維等の再生繊維の各織布、不織布等が挙げられる。また後述する用途の一つである酸化銀亜鉛電池に使用する場合、ポリエチレンにメタクリル酸グラフト重合させたフィルムを本発明のセパレーターと積層して使用することも好ましく行われる。

0026

前記部分鹸化PVA架橋膜と他の部材とを積層して一体化する他に、網目状構造物等の他の部材を、部分鹸化PVA水溶液に浸漬し、乾燥して、網目状構造物の空間をPVAで充填した複合膜を得、該複合膜に対し、前記酸化分解反応及び酸処理による架橋反応、並びに必要に応じてグリセリンの含浸操作等を行うことにより、前記他の部材と部分鹸化PVA架橋膜とを一体化させたセパレーター膜を調製することもできる。この場合も、他の部材としては織布、不織布、微多孔膜、紙等の網目状構造物が挙げられる。

0027

本発明のセパレーターは、アルカリ一次電池に用いられる。前記アルカリ一次電池としては、少なくとも亜鉛負極、正極、アルカリ電解液及び前記セパレーターを備える電池である限り特に限定されないが、具体的には例えばアルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀亜鉛電池等のアルカリ一次電池が挙げられる。

0028

アルカリマンガン電池、空気亜鉛電池、酸化銀亜鉛電池に使用する場合、本発明のセパレーターは、通常、亜鉛負極と二酸化マンガン正極との間に挟み込まれる。負極としては、亜鉛負極として作用するものである限り特に限定されないが、代表的には亜鉛粉、35〜52質量%KOH水溶液、ゲル化剤の混合物が使用される。ゲル化剤としては、でんぷんセルロース誘導体ポリアクリレートエチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。正極は、電池の種類などにより異なり、各々その詳細は特に限定されないが、例えば、アルカリマンガン電池の場合は主に二酸化マンガンカーボン導電材料)との混合物からなり、空気亜鉛電池の場合(空気極)は一般に触媒層金属網撥水性膜拡散膜空気分配層からなり、酸化銀亜鉛電池の場合は主に酸化銀(Ag2O、AgO)と黒鉛粉末とからなる。

0029

アルカリ電解液としては、特に限定されないが、通常KOH、NaOH等の水溶液であり、その濃度は通常5〜50質量%、好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは20〜40質量%が望ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲で各種無機イオン無機化合物でも可)を添加してもよく、保液部材に含ませて使用してもよい。

発明の効果

0030

本発明のセパレーターは、特定の部分鹸化PVA架橋膜を備えるので、低い膜抵抗、高い耐アルカリ性、高い電解液透過性等の特長を示す。従って、本発明のセパレーターを用いたアルカリ一次電池は、高い放電容量、優れた保存安定性を示す。

0031

以下に実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で作製したセパレーターの評価を、以下の膜抵抗の測定法、耐アルカリ性の評価法に従って行った。また各種セパレーターを組み込んだアルカリ一次電池を作製して評価を行った。
(膜抵抗の測定法)電解液として35質量%の水酸化カリウム水溶液を用い、温度25℃でJIS C-2313に規定される方法で膜の電気抵抗(mΩ・cm2)を測定した。
(耐アルカリ性の評価法)ニッケル板亜鉛板を各電極とした、図1に示す開放型ニッケル亜鉛簡易電池を作成し、両極間の電位差をモニターしながら電流密度0.28A/cm2で20C相当の急速充電を行った。充電に伴い亜鉛負極よりデンドライト成長し、セパレーターを突き破ってニッケル極に達すると大きな電位変化観測されるので、充電開始から該電位変化までの時間を測定し、極板間の距離を時間で割ったデンドライト成長の速度で膜の強度を評価した。60℃で20日間、35質量%KOH水溶液に浸漬した膜について前記デンドライト成長速度を測定したものを耐アルカリ性とした。成長速度が遅いほど、セパレーターの耐アルカリ性が高いと評価される。

0032

実施例1
水100gに対して、メタ過ヨウ素酸ナトリウム5g、濃硫酸5ml、無水硫酸ナトリウム20gの比率で調製した反応液に、10cm角の部分鹸化PVA(ポリ酢酸ビニルを部分鹸化したもの)膜(鹸化度96±2%、1,2−ジオール含有量0.5〜2%、平均膜厚25μm、重量約0.3g)を、70℃で2時間浸漬し、酸化分解反応及び酸処理を同時に行ってアセタール架橋反応させた。アセタール架橋反応後、部分鹸化PVA膜は水に不溶であった。反応後、直ちに過剰の水に1時間浸漬した後、0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液に、続いて水に、それぞれ1時間(計2時間)浸漬し、洗浄、中和、洗浄を行った。次いで乾燥してセパレーターを得た。得られたセパレーターの膜抵抗と耐アルカリ性を評価した結果を表1に示す。表1から明らかなように、得られたセパレーターは、膜抵抗が低く、耐アルカリ性に優れ、極めて良好な特性を示すことがわかる。また、このセパレーターを用いてアルカリマンガン一次電池を作成したところ、優れた放電特性及び保存特性を示した。

0033

比較例1
平均膜厚25μmのセロハンの膜抵抗及び耐アルカリ性を測定した。結果を表1に示す。表1から明らかなように、セロハンは、実施例1に比較して耐アルカリ性が著しく劣っていた。また、セロハンをセパレーターとしたアルカリマンガン一次電池を作成したところ、放電特性は実施例1と同等であったが、保存特性が著しく劣っていた。

0034

実施例2
実施例1において、酸化分解反応及び酸処理を、70℃で90分間行った以外は実施例1と同様の操作でセパレーターを作成した。得られたセパレーターの膜抵抗及び耐アルカリ性を評価した結果を表1に示す。表1から明らかなように、得られたセパレーターは、膜抵抗が低く、耐アルカリ性に優れ、極めて良好な特性を示すことがわかる。また、このセパレーターを用いてアルカリマンガン一次電池を作成したところ、優れた放電特性及び保存特性を示した。

0035

実施例3
部分鹸化PVA膜として、部分鹸化PVA(ポリ酢酸ビニルを部分鹸化したもの)膜(鹸化度88±2%、1,2−ジオール含有量0.5〜5%、平均膜厚35μm、重量約0.4g)を用いた以外は、実施例1と同様にセパレーターを得た。得られたセパレーターの膜抵抗及び耐アルカリ性を評価した結果を表1に示す。表1から明らかなように、得られたセパレーターは、膜抵抗が低く、耐アルカリ性に優れ、極めて良好な特性を示すことがわかる。また、このセパレーターを用いてアルカリマンガン一次電池を作成したところ、優れた放電特性及び保存特性を示した。

0036

実施例4
実施例1で得られた部分鹸化PVA架橋膜を、50質量%グリセリン水溶液中に室温で16時間浸漬した後、乾燥してセパレーターを調製した。得られたセパレーター中のグリセリン含有量は30質量%であった。得られたセパレーターの膜抵抗及び耐アルカリ性を評価した結果を表1に示す。表1から明らかなように、得られたセパレーターは、膜抵抗が低く、耐アルカリ性に優れ、極めて良好な特性を示すことがわかる。また、このセパレーターを用いてアルカリマンガン一次電池を作成したところ、優れた放電特性及び保存特性を示した。

0037

実施例5
実施例1で得られた部分鹸化PVA架橋膜を、20質量%グリセリン水溶液中に室温で16時間浸漬した後、乾燥してセパレーターを得た。得られたセパレーター中のグリセリン含有量は18質量%であった。得られたセパレーターの膜抵抗及び耐アルカリ性を評価した結果を表1に示す。表1から明らかなように、得られたセパレーターは、膜抵抗が低く、耐アルカリ性に優れ、極めて良好な特性を示すことがわかる。また、このセパレーターを用いてアルカリマンガン一次電池を作成したところ、優れた放電特性及び保存特性を示した。

0038

図面の簡単な説明

0039

図1実施例及び比較例で使用した耐アルカリ性評価用簡易電池の構成を示す概略図である。

--

0040

1:押さえ板
2:Ni極(正極)
3:保液紙
4:セパレーター
5:Zn極(負極)
6:押さえ板B
7:電解液(ZnO飽和35%KOH水溶液)
8:充電及び電圧測定
9:容器

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  • FDK株式会社の「 円筒型電池」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】製造工程における、電池缶内の局所的な圧力の上昇によって電解液が電池缶外へ漏出することを抑制できる円筒型電池を提供する。【解決手段】下方を底とした有底円筒状の電池缶2の開口端が、ガスケット6aを... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 フレキシブル電池」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】電池の屈曲の繰り返しに対し、フィルム外装体における皺の発生と正極の損傷が抑制されたフレキシブル電池の提供。【解決手段】正極、負極および正極と負極との間に介在する電解質層を具備するシート状の電極... 詳細

  • 株式会社豊田自動織機の「 バイポーラ電池及びバイポーラ電池の製造方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】セパレータの周縁部が支持されたバイポーラ電池を小型化する。【解決手段】バイポーラ電池2において、バイポーラ電極11のニッケル箔15の周縁部15c及びセパレータ12の周縁部12bが一次シール20... 詳細

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