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技術 加工用のインプロセス光干渉式測定装置およびその測定装置を備えた加工装置、およびインプロセス光測定に適した加工工具

出願人 株式会社ミツトヨ
発明者 半田博久
出願日 1997年6月26日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1997-187763
公開日 1999年1月22日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 1999-014305
状態 未査定
技術分野 光学的手段による測長計器 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 洗浄、機械加工
主要キーワード 交差移動 窓同士 通常方式 ステンレス部材 ゲージブロック 光学的干渉縞 位置アクチュエータ 加工要求
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

ラッピングポリッシングなどの加工において、加工中に干渉縞検出ができず、平面形状の精密測定ができない。

解決手段

ワーク11が加工機構ベース3上に載置され、ワーク11の上に載せられたラップ盤5が回転駆動される。ラップ盤5とワーク11の間へはラップ液が供給される。ラップ盤5には、測定窓9として、複数の貫通穴が設けられている。ワーク11の上方には、ラップ盤5を挟んで干渉計が設けられている。干渉計は、測定窓を通してワーク11の加工面の干渉縞を検出する。検出結果を基に、ラップ盤5の回転制御や、ワーク11の位置制御が行われる。

概要

背景

従来より、ゲージブロック等の精密仕上げのために、ラッピングあるいはポリッシングなどといわれ、砥粒を利用した加工が行われている。この加工法では、基準になる加工工具ラップ盤など)と被加工物が互いに押しつけられ、両者に相対運動が与えられる。これにより、被加工物と加工工具が擦り合わされる。このときに、被加工物と加工工具の間に砥粒を介在させる。砥粒を介在させる方式には、遊離砥粒方式固定砥粒方式がある。遊離砥粒方式では、液体と砥粒を混合した加工液が用いられ、この加工液が、加工工具と被加工物の間に供給される。また、固定砥粒方式では、加工工具側の摺り合わせ面に砥粒が埋め込まれる。このような加工法は、表面の精密仕上げに適しており、例えば、上記のゲージブロックをはじめとするゲージ精密部品の加工、レンズミラー等の光学部品の加工、半導体ウエハ精密加工等に利用されている。

砥粒加工された被加工物の表面精度や寸法精度を測定するために、光学的な干渉縞検出を行う測定装置が用いられる。この種の測定装置としては、フィゾー式干渉計マイケルソン式干渉計などが知られており、加工物表面形状に応じて生成される干渉縞の像を利用した計測が行われる。砥粒加工機に被加工物をセットした状態では被加工物が加工工具に覆われており、そのため、加工中のインプロセス測定を行うことはできない。そこで、通常、被加工物は加工機から取り外され、洗浄された後、測定装置にセットされ、それから測定が行われる。

概要

ラッピングやポリッシングなどの加工において、加工中に干渉縞検出ができず、平面形状の精密測定ができない。

ワーク11が加工機構ベース3上に載置され、ワーク11の上に載せられたラップ盤5が回転駆動される。ラップ盤5とワーク11の間へはラップ液が供給される。ラップ盤5には、測定窓9として、複数の貫通穴が設けられている。ワーク11の上方には、ラップ盤5を挟んで干渉計が設けられている。干渉計は、測定窓を通してワーク11の加工面の干渉縞を検出する。検出結果を基に、ラップ盤5の回転制御や、ワーク11の位置制御が行われる。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、加工中に、すなわちインプロセスにて、被加工物の表面形状を精密測定することができる干渉縞式測定装置を提供することにある。また本発明のもう一つの目的は、上記の新規測定装置を備え、高精度な加工の自動化に寄与する加工装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

加工中の被加工物を対象として光学的な干渉縞計測を行う測定装置であって、加工工具を貫通して設けられ、加工中に被加工物の加工面を照射する光が通過する測定窓と、加工工具を挟んで被加工物と対向して位置し、前記測定窓を通して光学的な干渉縞検出を行う干渉計と、を含み、加工中の被加工物の干渉縞計測ができることを特徴とする加工用インプロセス光干渉式測定装置

請求項2

請求項1に記載の測定装置において、干渉縞を表す干渉縞画像を生成する画像生成手段と、加工工具と被加工物との位置関係が異なるときの複数の干渉縞画像を基に、前記測定窓より広い範囲で連続する干渉縞画像を得る画像処理手段と、を含むことを特徴とする加工用のインプロセス光干渉式測定装置。

請求項3

請求項1、2のいずれかに記載の測定装置において、加工工具に対して干渉計側に設けられ、加圧流体吐出することにより加工液を吹き飛ばし、干渉計での測定への加工液の影響を抑える流体吹付器を含むことを特徴とする加工用のインプロセス光干渉式測定装置。

請求項4

請求項1、2のいずれかに記載の測定装置において、加工工具に対して干渉計側に設けられ、加工液を吸引回収することにより、干渉計での測定への加工液の影響を抑える吸引器を含むことを特徴とする加工用のインプロセス光干渉式測定装置。

請求項5

請求項1、2のいずれかに記載の測定装置を備えた加工装置であって、前記加工工具が被加工物の上側に配置されており、加工液を前記測定窓から加工面へ所定時間ごとに供給する加工液供給装置が設けられ、干渉計を用いた測定は、加工液を供給してから、加工液の膜厚が安定した後に行われることを特徴とする加工装置。

請求項6

請求項1〜4のいずれかに記載の測定装置を備えた加工装置または請求項5に記載の加工装置であって、加工工具と被加工物の少なくとも一方を駆動して加工を行う加工用駆動装置と、前記干渉計の出力を基に被加工物の加工面の表面形態を測定する表面形態測定手段と、表面形態測定手段の測定結果に基づいて加工用駆動装置を制御する駆動装置制御手段と、を含むことを特徴とする加工装置。

請求項7

請求項6に記載の加工装置において、前記加工用駆動装置による駆動方向と交差する方向へ、被加工物を加工工具に対して相対的に移動させる交差方向移動手段と、前記表面形態測定手段の測定結果に基づいて、前記交差方向移動手段を制御することにより、加工面の表面形態を調整する移動手段制御装置と、を含むことを特徴とする加工装置。

請求項8

加工工具により被加工物を加工する加工装置において、被加工物に対して相対的に回転し、加工中に被加工物の加工面測定用光照射を行うための測定窓を備えた加工工具と、加工工具を挟んで被加工物と対向して位置し、前記測定窓を通して光学的な干渉縞検出を行う干渉計と、前記干渉計の出力を基に、目標加工面を基準とした被加工物の加工面の凹凸を検出する凹凸検出手段と、凹凸検出手段の検出結果を基に、加工工具の回転軸からの被加工物配置のオフセット量を制御して、加工面の凹凸を調整するオフセット量制御手段と、を含むことを特徴とする加工装置。

請求項9

請求項8に記載の加工装置であって、前記凹凸検出手段は、干渉計と加工面の距離がそれぞれ異なるときの干渉計の出力を基に、加工面の凹凸状態を検出することを特徴とする加工装置。

請求項10

請求項1〜4のいずれかに記載の測定装置において、前記加工工具による加工は、互いに擦り合わされる加工工具と被加工物の間に砥粒を介在させる砥粒加工であることを特徴とする加工用のインプロセス光干渉式測定装置。

請求項11

請求項5〜9のいずれかに記載の加工装置において、前記加工工具による加工は、互いに擦り合わされる加工工具と被加工物の間に砥粒を介在させる砥粒加工であることを特徴とする加工装置。

請求項12

被加工物の加工に用いられる加工工具であって、加工中に、干渉縞検出用の干渉計が発した光が通過して被加工物に達するための測定窓を備えたことを特徴とする加工工具。

技術分野

0001

本発明は、被加工物を対象として光学的干渉縞計測を行う測定装置に関し、特に、加工中の計測を可能にする測定装置に関する。本発明は、ラッピングポリッシング加工法などの砥粒加工中の測定に好適に適用される。また、本発明は、上記測定装置を備えた加工装置に関する。

背景技術

0002

従来より、ゲージブロック等の精密仕上げのために、ラッピングあるいはポリッシングなどといわれ、砥粒を利用した加工が行われている。この加工法では、基準になる加工工具ラップ盤など)と被加工物が互いに押しつけられ、両者に相対運動が与えられる。これにより、被加工物と加工工具が擦り合わされる。このときに、被加工物と加工工具の間に砥粒を介在させる。砥粒を介在させる方式には、遊離砥粒方式固定砥粒方式がある。遊離砥粒方式では、液体と砥粒を混合した加工液が用いられ、この加工液が、加工工具と被加工物の間に供給される。また、固定砥粒方式では、加工工具側の摺り合わせ面に砥粒が埋め込まれる。このような加工法は、表面の精密仕上げに適しており、例えば、上記のゲージブロックをはじめとするゲージ精密部品の加工、レンズミラー等の光学部品の加工、半導体ウエハ精密加工等に利用されている。

0003

砥粒加工された被加工物の表面精度や寸法精度を測定するために、光学的な干渉縞検出を行う測定装置が用いられる。この種の測定装置としては、フィゾー式干渉計マイケルソン式干渉計などが知られており、加工物表面形状に応じて生成される干渉縞の像を利用した計測が行われる。砥粒加工機に被加工物をセットした状態では被加工物が加工工具に覆われており、そのため、加工中のインプロセス測定を行うことはできない。そこで、通常、被加工物は加工機から取り外され、洗浄された後、測定装置にセットされ、それから測定が行われる。

発明が解決しようとする課題

0004

一般にラッピングやポリッシング加工では、ミクロンからサブミクロン以上の高い加工精度が要求されることが多い。特に高精度が要求されるとき、被加工物が洗浄後に計測され、再度、被加工物が加工機にセットされて加工される。このようにして、要求精度が得られるまで加工・洗浄・測定を繰り返さなければならず、作業が非常に煩雑である。そのため、高精度の加工部品、特に、光学部品やゲージ類などの加工コストは非常に高くなりがちであった。

0005

また、近年、半導体素子高密度化の要求が高い。この要求に応えるために製造プロセス途中の半導体ウエハを、遊離砥粒を用いたポリッシングによって平坦化した後、再度パターンニングする方法が研究されている。このときのポリッシング工程において、平坦化の検出のために、加工工具に変位計を組み込んだものが提案されている。この手法では、被加工物の表面粗さの変化を加工中に計測することは可能である。しかし、平面度等の形状精度の測定はできない。

0006

このように、従来、ラッピングあるいはポリッシング加工中に、加工面の形状精度を測定することができる装置はなかった。特に、光学的な干渉縞検出を用いた精密測定はできなかった。そのため、加工中に被加工物を加工機からいちいち取り外して形状測定を行う必要があり、このことが生産性や加工精度の向上を妨げる要因となる。

0007

以上では、従来技術の問題を、砥粒加工を例にして説明した。しかし、上記の問題は、砥粒加工に限られるものではない。砥粒加工以外の加工でも、加工面の光学的な干渉縞検出を加工中に行うことはできず、そのために同様の問題があった。

0008

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的の一つは、加工中に、すなわちインプロセスにて、被加工物の表面形状を精密測定することができる干渉縞式測定装置を提供することにある。また本発明のもう一つの目的は、上記の新規測定装置を備え、高精度な加工の自動化に寄与する加工装置を提供することにある。

0009

(1)本発明のインプロセス測定装置は、加工中の被加工物を対象として光学的な干渉縞計測を行う測定装置であって、加工工具を貫通して設けられ、加工中に被加工物の加工面を照射する光が通過する測定窓と、加工工具を挟んで被加工物と対向して位置し、前記測定窓を通して光学的な干渉縞検出を行う干渉計とを含み、加工中の被加工物の干渉縞計測ができる。

0010

好ましくは、上記の加工工具による加工は、互いに擦り合わされる加工工具と被加工物の間に砥粒を介在させる砥粒加工である。ただし、本発明は砥粒加工には限られず、他の加工にも応用できる。この点は、下記の他の態様の測定装置や加工装置においても同様である。

0011

本発明によれば、干渉計の前を通過する測定窓を通して、被加工物が干渉計から見える。従って、被加工物と測定窓が対面している部分において、干渉縞の検出が可能であり、加工中に平面度などの表面形態の測定ができる。従って、信頼度が高く確実な加工(ラッピングやポリッシングなど)が可能となる。さらに、従来の自動加工では、例えば、加工開始からの経過時間等を目安に加工機を制御していた。本発明によれば、加工しながら表面形態が分かるので、要求精度が得られた時点で加工を終了できる。また例えば、測定結果を基に、表面形態を目標に近づけるように加工機を制御することができる。以上のように、本発明によれば、信頼度が高く確実な加工が可能となり、さらに、高精度加工の自動化に寄与することができる。

0012

本発明によって得られた干渉縞の像は、画像表示装置に出力したり、プリンタ印刷することにより、目視計測に利用してもよい。また、画像処理を行って、平面度等を数値化してもよい。

0013

本発明の測定装置を適用する加工機は、加工工具側を駆動するタイプでも、被加工物側を駆動するタイプでも、両者を駆動するタイプでもよい。例えば周知のラッピング加工機であって、被加工物を加工工具の回転軸からオフセットさせた状態で両者を回転させるタイプのものでもよい。この場合、加工工具を基準とすると、被加工物は、公転および自転を行う。また、本発明の適用される加工機は、加工工具や被加工物が回転するものに限られず、例えば、加工工具が直線運動を行ってもよい。

0014

本発明の測定装置を砥粒加工機に適用する場合は、遊離砥粒方式の加工機にも、固定砥粒方式の加工機にも適用可能である。また、被加工物の片面のみを加工する加工機はもちろん、両面加工等の複数面加工を行う加工機にも適用可能である。

0015

本発明において、被加工物は特に限定されず、例えばゲージブロックをはじめとするゲージや精密部品、レンズやミラー等の光学部品、半導体ウエハなどが挙げられる。また、加工面は、平面でも、レンズ製造時のような曲面でもよい。例えば、真球とのずれというかたちで表面形態を特定できる。

0016

また、干渉計を利用する測定であれば、平面度をはじめ、各種の表面形態の測定が可能である。また、測定窓から見える部分であれば、被加工物の加工面以外の測定も可能である。例えば、被加工物がレンズ用ガラス等の透明部材である場合に、加工面の反対側の表面についての干渉縞検出を行い、これにより、被加工物の寸法精度を求めることが考えられる。その他、被加工物の両側のそれぞれに測定窓や干渉計を設けることにより、被加工物の寸法精度を測定することもできる。これは、被加工物が透明でないときにも有効である。

0017

また、加工中と、加工後に被加工物を加工機から取り外したときとで、被加工物の表面形状が異なる場合もある。この理由は、被加工物の性質や加工機の仕様にあり、加工中と加工後の温度差にあり、加工中の押圧力にあり、またそのほかの要因にある。このときは、例えば、加工中と加工後の表面形態の変化を予め求めておき、この変化を見込んだ加工を行えばよい。

0018

ところで、加工工具の測定窓が小さいときには、一度の測定では、狭い範囲の表面形状しか分からない。このときでも、測定窓の数を増やせば、加工物の広範囲の干渉縞が推測できる。隣合う測定窓から得られた加工を、適当な線でつなぐようにしてもよい。さらに、好適には、下記の態様にて、推測に頼らず、広範囲の実際の表面形態の測定ができる。

0019

(2)本発明の一態様の測定装置は、干渉縞を表す干渉縞画像を生成する画像生成手段と、加工工具と被加工物との位置関係が異なるときの複数の干渉縞画像を基に、前記測定窓より広い範囲で連続する干渉縞画像を得る画像処理手段とを含む。

0020

加工工具と被加工物との位置関係が異なれば、測定窓からは被加工物上の異なる部分が見える。従って、複数の干渉縞画像から、被加工物の異なる部分の干渉縞が得られる。これらの画像を用いて、合成処理または同等の処理などを行うことにより、測定窓よりも広い範囲の干渉縞が分かる。計測タイミング画像枚数の調整により、被加工物全体の干渉縞を得ることもできる。

0021

好ましくは、被加工物の加工面と比べて測定窓が小さく設定され、複数の測定窓が所定配置で被加工物上に並ぶように設定される。この設定であれば、測定窓を設けたことにより加工能力落ち仕上がりに影響がでるなどの心配がない。一回の測定で得られた干渉縞画像には、離散した複数の窓部分画像が含まれ、複数枚の干渉縞画像が上記のように合成される。従って、測定窓を設けたことによる加工処理への影響を確実に回避しつつ、広範囲で連続する干渉縞画像が得られる。

0022

なお、この態様では、特に、被加工物と干渉計の位置関係が重要な要素となる。両者の位置関係がずれると、このずれに応じて、合成用の画像間で干渉縞が移動してしまい、良好な結果が得られない。後述する実施形態に示すように、被加工物を加工台上に配置し、その上に加工工具を配置することは、被加工物をより確実に支持できる点で有利である。

0023

(3)本発明の一態様の測定装置では、加工工具に対して干渉計側に設けられ、加圧流体吐出することにより加工液を吹き飛ばし、干渉計での測定への加工液の影響を抑える流体吹付器が含まれる。加工液は、例えば、砥粒加工に用いられ砥粒を含むラップ液や、その他の加工用潤滑油などである。吹き付け用の流体は、例えば、空気や窒素である。この態様は、被加工物の下に加工工具を配置し、さらにその下に干渉計を配置したときに好適である。干渉計に加工液が落下するのを防止できる。

0024

(4)また、本発明の一態様の測定装置では、加工工具に対して干渉計側に設けられ、加工液を吸引回収することにより、干渉計での測定への加工液の影響を抑える吸引器が含まれる。この態様でも同様の効果が得られる。

0025

(5)本発明の一態様では、加工装置に上記の測定装置が備えられ、前記加工工具が被加工物の上側に配置されており、加工液を前記測定窓から加工面へ所定時間ごとに供給する加工液供給装置が設けられ、干渉計を用いた測定は、加工液を供給してから、加工液の膜厚が安定した後に行われる。

0026

この態様では、干渉計が加工工具の上側に位置するので、加工液が測定窓を通って干渉計に当たる心配がない。むしろ、測定窓を加工液の供給口として利用できるので、加工液の供給が容易になる。ただし、加工液の供給直後は、測定窓に加工液が多くたまり、加工液の膜厚が安定しない場合がある。そこで、膜厚の安定を待ってから測定を行う。このように、本態様の構成は、本発明を簡単に実現することができる。

0027

(6)本発明の加工装置は、上記の測定装置を備えており、また、加工工具と被加工物の少なくとも一方を駆動して加工を行う加工用駆動装置と、前記干渉計の出力を基に被加工物の加工面の表面形態を測定する表面形態測定手段と、表面形態測定手段の測定結果に基づいて加工用駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを含む。なお、前述のように、加工工具駆動装置は、加工工具を駆動するものでも、被加工物を駆動するものでも、両者を駆動するものでもよい。

0028

上記の加工装置では、加工しながら、被加工物の平面度などの表面形態が分かる。従って、要求精度が得られた時点で、駆動装置制御手段は、加工用駆動装置を制御して、加工を終了させることができる。また、測定結果に応じて、加工工具と被加工物の相対運動速度等を変更することもできる。このように、本発明によれば、表面形状の測定結果を基にした、高精度な自動加工が可能となる。

0029

(7)また、本発明の一態様の加工装置は、前記加工用駆動装置による駆動方向と交差する方向へ、被加工物を加工工具に対して相対的に移動させる交差方向移動手段と、前記表面形態測定手段の測定結果に基づいて、前記交差方向移動手段を制御することにより、加工面の表面形態を調整する移動手段制御装置とを含む。上記の交差方向移動手段は、加工工具を移動させても、被加工物を移動させても、両者を移動させてもよい。測定結果に基づいた交差移動方向移動手段の制御により、表面形状を積極的に調整できるので、高精度な自動加工が可能となる。

0030

この態様では、上記の交差方向に沿った被加工物と加工工具との相対的な位置関係に応じて、加工結果として得られる表面形態が異なるように加工機を設定しておく必要がある。この加工機設定は、加工工具の形状変更や駆動速度変更など、意識的な設定変更でもよい。また、この加工機設定は、下記に例示するように経験則を利用したものでもよい。

0031

(8)すなわち、砥粒加工などにおいて、回転式の加工工具を採用したとき、被加工物を回転軸の近くに位置させると加工面の中央が凸になる傾向があり、逆に被加工物を回転軸から遠ざけると加工面の中央が凹になる傾向がある、ということが知られている。

0032

そこで、本発明の一態様の加工装置は、加工工具により被加工物を加工する加工装置であって、被加工物に対して相対的に回転し、加工中に被加工物の加工面測定用光照射を行うための測定窓を備えた加工工具と、加工工具を挟んで被加工物と対向して位置し、前記測定窓を通して光学的な干渉縞検出を行う干渉計と、前記干渉計の出力を基に、目標加工面を基準とした被加工物の加工面の凹凸を検出する凹凸検出手段と、凹凸検出手段の検出結果を基に、加工工具の回転軸からの被加工物配置のオフセット量を制御して、加工面の凹凸を調整するオフセット量制御手段とを含む。

0033

上記の装置によれば、加工中に得られた干渉縞を基に、被加工物の凹凸が判定される。そして、被加工物の中央が凸であれば、オフセット量制御手段が、被加工物を工具回転軸の方へ移動させる。被加工物の中央が凹であれば、オフセット量制御手段が、被加工物を工具回転軸から遠ざける。従って、目標加工面に近い形状の加工面を(例えば平面加工であれば平面度の高い加工面を)、自動加工によって得ることができる。

0034

(9)なお、被加工物の凹凸の判定は、例えば、干渉計と加工面の距離がそれぞれ異なるときの干渉計の出力を基に、加工面の凹凸状態を検出することによって可能となる。画像間での干渉縞の移動方向を見れば、凹凸の判定ができる。

0035

(10)本発明の一態様の加工工具は、加工中に、干渉縞検出用の干渉計が発した光が通過して被加工物に達するための測定窓を備えたことを特徴とする。この加工工具を使用する加工装置に干渉計を装着することにより、上記の本発明の効果が得られる。

0036

「実施形態1」以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明する。本実施形態では、本発明の測定装置が砥粒加工装置に適用される。図1は、ラッピング加工機の斜視図であり、理解を容易にするために装置の一部については断面が示されている。ラップマスター方式といわれる一般的な加工機との相違点として、加工工具たるラップ盤と、被加工物たるワークとの配置が上下に逆である。本実施形態の測定装置は、加工面の平面度測定用であり、図1の加工機に一体に備えられている。

0037

装置ベース1の上には円柱形加工機構ベース3が搭載されている。加工機構ベース3の構造は、一般的に使用される上皿式のラップ加工装置のものとほぼ同様である。加工機構ベース3の上側には、円板形のラップ盤5が設けられており、ラップ盤5の中央には回転軸7が固定されている。この回転軸7が、加工機構ベース3の中心部に設けられた垂直方向の穴に嵌められており、回転軸7は、図示しない軸受により、加工機構ベース3に対して回転自在に軸支されている。さらに加工機構ベース3内部にはモータが備えられており、このモータにより回転軸7が反時計方向(矢印X)に回転駆動される。ラップ盤5の下面(加工基準面)は、加工機構ベース3の上面と平行である。本実施形態の特徴として、図示のように、ラップ盤5には多数の測定窓9が設けられている。各測定窓9は、ラップ盤5を厚さ方向に貫通する円形の開口である。

0038

加工機構ベース3とラップ盤5との間には、被加工物たる円板形状のワーク11が3個、配置されている。ワーク11は、ラップ盤5の回転軸7を中心にして120度おきに等間隔に位置し、かつ、回転軸7から等距離に位置している。各ワーク11は、同一外径ワーク台13に載せられている。ワーク台13は、加工機構ベース3に埋め込まれたリング形状のベアリングA14によって、加工機構ベース3に対して回転自在に支持されている。また、各ワーク11は、側方から2個のベアリングB15によって支持されている。2個のベアリングB15の配置は、ワーク11をワーク台13と同軸の位置に保持できるように設定されている。回転するラップ盤5とともにワーク11が移動しようとすると、この移動を2つのベアリングB15が阻止する。このようにして、ワーク11は、両ベアリングにより、加工機構ベース3上の決まった位置で回転自在に支持されている。なお、本実施形態では、3個のワーク11が同時に加工されるが、加工個数はこれに限られない。実際の加工に差し支えない範囲で、ワーク11の配置も自由である。

0039

ラップ盤5は、ワーク11の上に載せられており、自重によってワーク11に押しつけられている。必要に応じ、ラップ盤5の中央に重りを載せるなどして、加工加重を付加してもよい。ラップ盤5が反時計方向に回転するとき、これにつれて、ワーク11は、加工機構ベース3上の同一位置で回転する。ラップ盤5を基準にすると、ワーク11は、回転軸7を中心にした公転と、ワーク11自身の中心軸を中心にした自転とを行う。

0040

本実施形態では、遊離砥粒方式が採用されている。ラップ盤5が回転している状態で、図示しないラップ液供給装置が、所定位置で、加工液たるラップ液をラップ盤5に滴下する。ラップ液供給装置は、適当な周期毎に自動的に所定量のラップ液を供給する。なお、ラップ液供給装置は、作業者が操作する手動式のものでもよい。ラップ液は、液中に砥粒を混ぜたものである。本実施形態では、ラップ液ごしに干渉縞検出を行うので、測定への影響を極力抑えるために砥粒サイズは小さいほうがよい。粒径1μm以下の砥粒を使うことが好ましく、本実施形態では、粒径0.25μmのダイヤモンド砥粒を使用している。この砥粒を混ぜた適度な粘度をもつラップ液が、測定窓9を伝わり、ラップ盤5とワーク11の境界面に侵入する。このようにして、ワーク11の上面がラッピング加工される。

0041

装置ベース1上には、加工機構ベース3の横に、円柱形状の支持柱17が設けられ、支持柱17の上には干渉計本体19が取り付けられている。干渉計本体19は、加工機構ベース3の上方へはり出しており、先端部分はワーク11の上方に位置している。この先端部分に干渉計が収納されており、干渉計が下方のワーク11の加工面を対象として干渉縞検出を行う。干渉計は、フィゾー式等の周知のものでよい。本実施形態の場合、干渉計は下方へ平行光線を照射し、この光線が測定窓9を通り、ワーク11上のラップ液を通過して加工面に達し、加工面で反射する。反射光を基に干渉計では干渉縞を表す像が生成される。干渉計の検出範囲はワーク11の大きさにほぼ等しく、これに合わせて干渉計本体19の下側の開口の大きさも設定されている。従って、干渉計は一度に一つのワーク11の全範囲についての干渉縞の像を生成する。

0042

干渉計本体19は、図示しないアクチュエータにより、支持柱17に対して回転され(矢印Y)、かつ、水平長手方向(図示の矢印Z)に伸縮される。従って、干渉計は、2次元方向に移動可能であり、3つのワーク11の上方に位置して、各ワーク11を計測可能である。

0043

干渉計による干渉縞の検出を正確に行うためには、測定窓9がワーク11と対面している部分において、加工面上にラップ液の均一な皮膜が形成されている必要がある。このような均一な皮膜が得られるように、ラップ盤5の回転数が適度に制御される。これにより、加工中において干渉計を用いて加工面の干渉縞を検出し、平面精度を計測することができる。

0044

図2図4を用いて、上記の干渉計を用いて得られる干渉縞の像について説明する。図2図4は、CCDカメラ等を用いて干渉縞の像を画像化したものである。

0045

図2は、ラップ盤5が回転している最中であって、盤上にラップ液を滴下した直後に撮影されたものである。条件としては、ワーク11はゲージ用のステンレス部材であり、ワーク11の直径は約50mm、各測定窓9の直径は8mmであり、ラップ盤5は、同図の領域において、図中の右下方向に約30mm/secの速度で移動の最中である。

0046

図2の状態では、ラップ液供給直後であるために、まだ、ラップ液の膜厚が安定していない。図2の中央部に丸印をつけた窓部ではラップ液が多少余分であり、表面張力が作用して窓部周辺にラップ液が集まっており、そのために干渉縞が乱れている。また、図2の右上に丸印をつけた窓部では、ラップ盤の移動に伴い、移動方向と反対側(移動方向に沿った後ろ側)の縁部にて余分なラップ液がかき寄せられ、ここでも干渉縞が乱れている。しかし、ラップ液が適量になっている他の窓部分では、ラップ液がワーク11の表面上に薄く塗り広げられるように均一の液膜を形成しており、良好な干渉像が得られている。ラップ液の供給から適当な時間をおけば全体に膜厚が均一化するので、これを待ってから実際の測定をするとよい。

0047

図3は、好適な条件のもとで撮影された干渉縞の画像を示している。ラップ液の膜厚が均一になる回転速度でラップ盤5が回転駆動され、かつ、ラップ液の供給後に膜厚が安定した後に撮影された画像である。図3は、加工開始からかなり早い時期に撮影された画像である。また、図4は、比較用の画像であり、図3に示されるワークそのものを、加工前に別の従来の干渉計を用いて計測することにより得られた干渉像である。

0048

図3図4を比較すると、干渉縞の全体的な形状はかなり近似していることがわかる。従って、本実施形態の測定装置には、加工中における加工面の平面形状の測定を十分な精度で実現する能力があることがわかる。

0049

図3の画像の利用法の例を説明する。干渉像は、例えば、加工機に備えられた表示装置に表示される。作業者は、表示を見て平面度を目視判定する。そして、平面度が要求値に達していると判断したとき、加工機を止めてワーク11を取り出す。従って、要求精度が得られたか否かを確認するために、加工途中でいちいちワーク11を加工機から取り出して測定を行う必要がない。

0050

ただし、この手法では、図3の画像をそのまま利用している。図3の画像では、測定窓以外の部分であって干渉縞が見えない部分がかなり広い。見えない部分については、窓部分の像を基にした作業者の推量に頼らなくてはならない。この点に鑑みて、適当な補間処理などの画像処理によって隣合う窓同士縞模様をつないでしまう手もある。また、好ましくは、下記のような手法を用いて、ワーク11全体の実際の干渉像を得るのがよい。

0051

図5は、ワーク全体の干渉像を得るための手法を示しており、この手法では、複数画像を合成することにより、ラップ盤5に遮られて見えない部分がなくなる。図5は、一つの測定窓9の部分の干渉縞の画像である。画像Bは、画像Aを撮影してから、ラップ盤5が少し回転した後に撮影された画像である。画像Aと画像Bとでは、撮影時のラップ盤5の位置が異なり、ワーク11の位置は同じである。従って、両画像では、ワーク11上で干渉縞のできる位置は同じであり、また、ワーク11の異なる部分が測定窓9から見えている。2つの画像から測定窓部分(すなわちラップ盤5以外の部分)を抽出して合成すれば、画像Aのみのときより広い範囲の干渉像が得られる。このような処理をさらに複数の画像について行うことにより、ワーク全体の干渉像が得られる。

0052

本実施形態では、合成処理として、具体的には下記のような手法が用いられる。図5の下側には、画像A、画像Bについて、図中のラインLに沿った明るさ強度の分布が示されている。横軸はラインL上の位置、縦軸は明るさ強度であり、図示のごとく画像A、画像Bは256階調の画像である。明るさ強度は、画像データ中の画素ごとのデータに含まれている。

0053

図5において、縦軸上のIRは、ラップ盤部分の平均的な明るさ強度である。ラップ盤は、どの部分もほぼ一定の明るさ強度に映るようにその表面が仕上げられている。また、ラップ盤5の干渉像が生成されないように、ラップ盤表面は適当な粗さに仕上げられている。本実施形態では、ラップ盤の材質や仕上げ、干渉計の調整や画像の適当な前処理により、IRが約192(256階調の中間)になるように設定されている。IRの値は、光学系ノイズや性能でも多少変化するので、使用前に予め測定を繰り返して適切な値を調べておくことが好ましい。

0054

図5に示されるように、画像A、画像Bの双方において、ラップ盤がないところでは、干渉縞の明暗に応じて周期的に明るさ強度が変化し、ラップ盤のあるところでは明るさ強度がほぼ一定になる。

0055

ここでは、画像Aをベースとして、この画像Aに画像Bを合成する。両画像で同位置(m,n)(m、nは画像中の座標)の画素pに着目する。画像A、画像Bにおける画素p(m,n)の明るさ強度を、それぞれ、IA(m,n)、IB(m,n)とする。このIA(m,n)、IB(m,n)とIRの差の絶対値ap、bpを、下式に従って求める。

0056

ap=|IR−IA(m,n)|
bp=|IR−IB(m,n)|
ap<bpであれば、画像Bのデータ中の画素pの明るさ強度をもって、画像Aのデータ中の画素pの明るさ強度を置き換える。すなわち、画像Aのデータ中のIA(m,n)を、IB(m,n)に置き換える。ap≧bpであれば、置き換えは行わず、当該画素pに関し、画像Aのデータをそのままとする。

0057

画素pが図示の位置にあるとき、画像Aについては画素pがラップ盤部分にあり、apがほぼ0である。画像Bでは画素pが干渉縞の暗い部分にある。bpがapよりも大きいので、IA(m,n)がIB(m,n)に置き換えられる。一方、画素q(m1,n1)についてみると、画像Aでは画素qが干渉縞の明るい部分にある。画像Bでは画素pがラップ盤部分にあり、bqはほぼ0である。従って、IA(m1,n1)は、IB(m1,n1)には置き換えられず、そのままとされる。

0058

同様の処理が、画像全体について行われる。図5の上部においては、画像Bにしか表されない三日月型の干渉像部分があるが、この三日月型の部分が上記の処理結果として画像Aに加わる。さらに複数の画像C、D・・を用いて、A+C、A+Dという調子で同様の処理を行うことにより、さらに広い範囲の干渉像が画像Aに加わる。このようにして、ワーク11の全体を網羅する干渉像が得られる。原理的には、例えば、少なくとも図6のように測定窓を配置しておけば、どの位置にどの大きさのワークが配置されたときでも、ワーク全体の干渉像を得ることができる。なお、ここでは、各画素の明るさ強度を処理対象としたが、その他のデータであって干渉縞を表すもの(例えば、色値輝度値)を処理対象としても、同様の処理が可能である。

0059

次に、本実施形態の加工装置による自動加工について説明する。図7は、ラップ加工装置の全体構成を示すブロック図である。前述のように、ワーク11の上にラップ盤5が配置され、その上方の干渉計本体19内に干渉計21が配置されている。干渉計21にはカメラ装置が内蔵されており、干渉縞の像を撮影した画像はコントローラ23へ送られる。コントローラ23には、測定部25、アクチュエータ制御部27、ラップ液供給制御部29、モータ制御部31が設けられている。

0060

測定部25において、干渉縞画像生成部25aは、干渉計21の出力を基に、干渉縞の画像のデジタルデータを生成する。この画像生成部25aには、図5を用いて説明した画像合成を行う画像合成部25bが含まれる。測定部25は、干渉計21を制御して、ラップ盤5の角度位置が少しずつ異なるときの複数の干渉像を取得する。そして、干渉縞画像生成部25aでは、前述の画像合成により、複数の干渉像から、ワーク全体に渡って連続する干渉縞を表す画像が生成される。平面度判定部25cは、画像合成部25bにて生成された画像を用いて、加工面の平面度を判定する。干渉縞の像から平面度を得るための構成自体は周知であり、ここでの説明は省略する。

0061

アクチュエータ制御部27は、アクチュエータ33を制御している。アクチュエータ33は、前述のように、干渉計本体19を支持柱に対して回転させ、また干渉計本体19を伸縮させる。これにより、干渉計21は3つのワーク11のそれぞれの上方に移動する。ラップ液供給制御部29は、ラップ液供給装置35を制御対象として、ラップ液の供給位置、供給時期供給量を制御している。ラップ液供給装置35は、前述のように、ラップ盤5にラップ液を滴下する。モータ制御部31は、ラップ盤5を回転させるモータ37の回転、停止および回転速度を制御する。

0062

コントローラ23は、さらに、ラップ盤5の高さ方向の位置を検出する位置センサ39と接続されている。位置センサ39の出力を基に、ラップ盤の移動量が分かり、また、ワーク11の厚さや、ラップ加工によって削られた量が分かる。

0063

また、コントローラ23には、出力装置としてのディスプレイ41とキーボード等の入力装置43が接続されている。ディスプレイ41には、干渉画像生成部25aで生成された画像が表示される。入力装置43は、作業者が、装置の運転、停止やその他の指示を入力するための装置である。ディスプレイ41は、作業者の操作に必要な画面表示も適宜行う。

0064

次に、図7の装置の動作を説明する。加工開始時、モータ制御部31がモータ37を回転させる。ラップ盤が回転しはじめ、ラップ盤5に対しワーク11が公転および自転を行う。これとともに、ラップ液供給制御部29がラップ液供給装置35にラップ液を供給させ、ラップ液は測定窓を通ってラップ盤5とワーク11の隙間に入る。このようにしてラップ加工が行われる。

0065

アクチュエータ制御部27は、アクチュエータ33を制御して、干渉計21を、3つのワーク11の上方へ順番に移動させる。各ワーク11の上方では、干渉計21が、測定部25の指示に従い、ワーク11の干渉縞の像を検出してカメラ装置にて撮影し、コントローラ23に送る。アクチュエータ33および干渉計19は、この動作を所定周期で繰り返し行う。

0066

ラップ液供給制御部29は、所定時間おきにラップ液を供給させる。この供給から一定の時間が経過するまでは、干渉縞の検出は行われない。図2のようにラップ液が不均一な状態では、正確な平面度判断が難しいからである。この処理では、例えば干渉計21での撮影処理禁止され、あるいは、測定部25でのデータ処理が禁止される。

0067

測定部25では、干渉計21の出力を基に、加工中のワーク11の加工面の平面度を求める。平面度が得られるたびに、その平面度が要求精度に達しているか否かが判断される。コントローラ23では、また、位置センサ39の出力より、ワーク11の厚さが加工要求値に達したか否かが判断される。ワーク11の厚さが加工要求値に達し、かつ、平面度が要求精度に達していると判断されたとき、モータ制御部31はモータ37を停止させる。

0068

このように、本実施形態によれば、ラップ加工しながら、ワークの平面度などの表面形態が分かる。要求精度が得られた時点で、モータを停止してラップ加工を終了させることができる。従って、表面形状の測定結果を基にした、高精度な自動加工が可能となる。

0069

なお、本実施形態の加工機は、ワーク11がラップ盤5の回転につられて自転するタイプであり、ワーク11には特に積極的な回転は与えられるない。これに対し、遊星歯車機構等を用いてワーク11の自転を決まった回転数で行わせるタイプの加工機にも、当然、本実施形態を同様に適用可能である。

0070

「実施形態2」実施形態1では、一般的な砥粒加工機の方式と異なり、ラップ盤が上に、ワークが下に配置されている。これにより、干渉計の配置等が容易で本発明が簡便に実現されている。実施形態2では、一般的な方式の砥粒加工機、すなわち、ラップ盤の上にワークを配置する加工機に本発明が適用される。なお、実施形態2の全体構成や原理は実施形態1と同様であるので、実施形態1と相違する部分を中心に説明する。

0071

図8は、実施形態2の加工装置のラップ盤5aの部分を示している。ラップ盤5aは加工基準面(ワーク11と擦り合わされる面)を上側にして配置されている。ラップ盤5aは、図示しないモータにより回転駆動される。実施形態2では、ラップ盤5aは上下に移動しない。ワーク11aは、ラップ盤5aの上に、加工面を下側にして載せられている。ワーク11aは、図示しない位置保持手段(ベアリング等)により、実施形態1と同様、同一位置にて回転自在に保持されている。加工加重を付加する場合、ワーク11aに重りを載せればよい。

0072

実施形態2では、干渉計21aがラップ盤5aの下側に配置されており、上方に位置するワーク11aの干渉縞検出を行う。実施形態1と同様、干渉計21aは、平面方向に移動可能であり、各ワーク11aを対象とした計測を行うことができる。

0073

実施形態2では、ラップ盤5a上のラップ液が測定窓9に流れこみ、ラップ盤5aの裏側に回り込んでたれ落ちる。落下したラップ液が干渉計にかかると、測定結果が悪影響を受けるおそれがあるため、下記の対策が採られている。

0074

まず、ラップ液を供給するために、ローラ式のラップ液塗布装置51が用いられる。塗布装置51は、ペンキ等の一般的な塗布剤用の器具と同様の原理でラップ液をラップ盤5aに塗布する。塗布装置51のローラはラップ液に浸され、ローラにはラップ液が染み込んだ状態で保持されている。ローラをラップ盤5aの基準面(上面)に接触させることにより、加工に必要な最小限のラップ液が均一にラップ盤5aに塗布される。従って、ラップ液のたれ落ち量が最小限に抑えられる。

0075

また、干渉計21aより少し高い位置であって、干渉計21aよりもラップ盤回転方向に少し手前側には(干渉計21aの斜め上方)、真空吸引式のラップ液回収装置53が設けられている。回収装置53は、干渉計21aの測定の邪魔にならないように、特に干渉計21aの干渉光路に空気の揺らぎを生じさせないように配置されている。回収装置53により、干渉計21aの手前上方で空気が吸い込まれる。ラップ盤5aの底面や測定窓の内周面に降りてきたラップ液も、空気とともに回収装置53に吸い込まれる。従って、干渉計21aより手前の位置で予めたれ落ちそうなラップ液が効果的に回収されるので、干渉計21aへのラップ液のたれ落ちを防止できる。

0076

ラップ盤5aの配置変更に対応する変形をのぞき、実施形態2のその他の構成は、実施形態1と同様である。実施形態2では、ローラ式ラップ液塗布装置51を採用し、また、ラップ液回収装置53を設けた。これにより、ラップ盤の上にワークを載せる通常方式の加工装置でも、本発明を問題なく実現できる。

0077

なお、真空式のラップ液回収装置の代わりに、加圧流体を吹き付ける吹付装置を設けてもよい。加圧流体としては、空気や窒素等、加工や測定に影響のないものがよい。この場合、上記とは逆に、ラップ液が、干渉計21aにかかる前に吹き飛ばされる。

0078

実施形態1または2では、それぞれ、加工機がワーク11の片面を加工する。これに対し、ワーク11の両面を加工する加工機にも、実施形態1または2を同様に適用可能である。また、両面加工タイプの加工機に実施形態1、2の両方を適用することにより、上下の干渉計から、両側加工面の平面度の同時計測が可能となる。また、実施形態1、2では、ラップ盤5、ワーク11は平面に置かれていた。これに対し、ラップ盤5やワーク11を縦に配置しても、また、その他の適当な角度に配置しても、同様に実施形態1や2を適用できる。これらの変形は、下記の実施形態3においても同様に適用可能である。

0079

「実施形態3」実施形態1では、平面度の測定結果を基に、要求平面度が得られたか否かが判定される。実施形態3の装置は、さらに、測定結果を基に、ワークとラップ盤の位置関係を制御して、平面度を要求精度に近づける。なお、実施形態3において、実施形態1と同様の構成については説明を省略する。

0080

図9は、実施形態3のラップ盤5bの底面図であり、ラップ盤5bのサイズは実施形態1よりも大きい。ラップ盤5bの回転軸7の近くの位置D1にワーク11を配置したときと、回転軸7から離れた位置D3にワーク11を配置したときとでは、加工後の平面形状が下記のように異なることが経験的に知られている。すなわち、ワーク11が回転軸に近いほど(D1)、加工面の平面形状が中心部で凹になる傾向がある。また、ワーク11が回転軸から遠いほど(D3)、加工面の平面形状が中央で凸になる傾向がある。

0081

そこで、実施形態3では、加工途中に加工面の形状が凹であるか、凸であるかを判定する手段を備える。さらに、凹凸の判断結果に応じて、ワーク11の回転軸7からの距離(オフセット量)を制御する手段を備える。ラップ加工は図9の位置D2でスタートする。加工途中で加工面が凹と判断されたときは、ワーク11を位置D1へ移動させる。加工途中で加工面が凸と判断されたときは、ワーク11を位置D3へ移動させる。このようにして、加工中の平面度を見ながらワーク11を移動させて、凹凸のない、平面度の高い加工面を得ることができる。なお、上記のようにワークの位置を3カ所から選択するのではなく、凹凸の程度に合わせて無段階に調整してもよい。

0082

図10は、上記の原理を実現するための構成を実施形態1に付加した加工装置のブロック図である。実施形態1と同様の構成には同一符号が付されている。図10では、ラップ盤5bの半径方向へワーク11を移動させるワーク・アクチュエータ61が設けられている。このワーク・アクチュエータ61は、ワーク11を、ベアリングA、ベアリングBやワーク台とともに移動させる。ワーク・アクチュエータ61は、コントローラ100のワーク位置制御部106によって制御されている。ワーク位置制御部106は、ワーク・アクチュエータ61を駆動し、ラップ盤5bの回転軸から任意の距離のところにワーク11を位置させることができる。

0083

また、本実施形態では、干渉計21を本体内で上下に移動させる上下位置アクチュエータ63が設けられている。上下位置アクチュエータ63は、干渉計本体19を平面内で移動させるアクチュエータ33とともに、コントローラ100のアクチュエータ制御部104に制御されている。上下位置アクチュエータ63は、干渉計21の高さ位置をわずかに変化させる。これにより、干渉計21は、ワーク11との距離が異なるときの干渉像を生成し、コントローラ100へ出力する。

0084

コントローラ100の測定部102において、干渉縞画像生成部102aと画像合成部102bは、実施形態1と同様の構成である。平面度・凹凸判定部102cは、実施形態1と同様の平面度判定とともに、加工面の凹凸の判定を行う。干渉計21からは、複数の高さ位置で得られた干渉像が入力される。それぞれの高さ位置では、画像合成部102bでの合成処理に必要な枚数分の像が入力される。平面度・凹凸判定部102cでは、干渉計21の高さ位置が異なる画像間の干渉縞の移動方向が検出され、移動方向を基に加工面が凹であるか凸であるかが判定される。いわゆるフリンジスキャン手法である。判定結果は、ワーク位置制御部106に出力され、ワーク11の位置制御に用いられる。

0085

次に、実施形態3の加工装置の動作を説明する。加工開始時、ワーク11は図9の位置D2に配置されている。実施形態1と同様にしてラップ加工が開始される。所定のタイミングで、加工面の平面度および凹凸が判定される。所定タイミングとは、例えば、位置センサ39の出力を基に、ワーク11の厚さが所定値に達したと判断されたときである。このとき、干渉計21がある高さ位置にある状態で、実施形態1と同様にして干渉縞の画像(画像合成部にて合成された画像)が生成される。アクチュエータ制御部104が干渉計21を上下方向に少し移動させる。この位置で、再び干渉縞の画像が生成される。平面度・凹凸判定部102cは、複数の画像から平面度の判定と凹凸の判定を行う。

0086

ワーク11の加工面の凹凸が小さいとき、ワーク11はそのままの位置D2にある。加工面が凹であると判断されたとき、ワーク位置制御部106は、ワーク・アクチュエータ61を駆動して、ワーク11を位置D1へ移動させる。逆に加工面が凸であると判断されたとき、ワーク位置制御部106はワーク11を位置D3へ移動させる。以上の、凹凸判断およびワーク11の位置制御は、3つのワーク11のそれぞれについて独立して行われる。

0087

ワーク11の移動後、実施形態1と同様に、ワーク厚さ、平面度を見ながらのラップ加工が継続される。適当な間隔で、上記と同様に、加工面の凹凸の検出と、検出結果に基づいたワーク位置の制御が行われる。ワーク厚さが要求値に達し、平面度が要求値に達した時点で、モータ制御部31がモータ37を停止させ、ラップ加工が終了する。

0088

以上に説明したように、実施形態3では、干渉計を用いて得られた測定結果に基づいてワークを移動させ、ワークとラップ盤の位置関係を変化させる。これにより、加工途中で加工面が凹や凸になっているときでも、この凹凸を減らして加工面を平面に近づけることができる。従って、さらに高精度な自動加工が可能となる。

0089

以上、本発明の好適な実施の形態について説明した。上記の変形例として、本発明の一態様の加工工具が備える測定窓によって、加工中に、干渉縞検出用の干渉計が発した光を通過させて被加工物表面の干渉縞測定を行うのみでなく、光変位計等の光測定器を使用して、より広範囲の変位検出を行うことも可能である。

図面の簡単な説明

0090

図1本発明の実施形態1の測定装置付きのラップ加工装置の斜視図である。
図2図1の装置の干渉計を用いて得られた干渉像の一例を示す中間調画像の説明写真である。
図3図1の装置の干渉計を用いて得られた干渉像の一例を示す中間調画像の説明写真である。
図4図3と比較用のための干渉像であって、加工前のワークを用いて得られた干渉像を示す中間調画像の説明写真である。
図5ワーク全体の干渉像を得るための、複数の干渉像の合成処理を示す図である。
図6図5の処理を用いてワーク全体の干渉像を得るために必要な測定窓の配置例であって、窓数を少なくしたときの配置を示す、ラップ盤の平面図である。
図7図1のラッピング加工機の全体構成のブロック図である。
図8実施形態2のラッピング加工機の構成を示す断面図である。
図9実施形態3のラッピング加工機のラップ盤の底面図である。
図10実施形態3のラッピング加工機の全体構成のブロック図である。

--

0091

1装置ベース、3加工機構ベース、5ラップ盤、7回転軸、9測定窓、11 ワーク、14ベアリングA、15 ベアリングB、19干渉計本体、21 干渉計、23,100コントローラ、25,102測定部、25a,102a干渉縞画像生成部、25b,102b画像合成部、25c平面度判定部、27,104アクチュエータ制御部、29ラップ液供給制御部、31モータ制御部、33アクチュエータ、35 ラップ液供給装置、37モータ、39位置センサ、61 ワーク・アクチュエータ、63 上下位置アクチュエータ、102c 平面度・凹凸判定部、106ワーク位置制御部。

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