図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(1999年1月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

投射表示の不要光を除去する。

解決手段

表電極基板151にピッチP、高さdの鋸歯状面を持つ透明電極152が、裏電極基板153に画素長aの反射機能層154が形成され、両基板間に平均厚さGの液晶樹脂複合体155が挟持され(a>P、a>G)、鋸歯状面と平坦面との角度θ(x)の有効寸法長における平均値をθAVとすると、投射光学系の集光角δ(有効開口数F=sin-1δ)がθAV≧δ/2を満足する。

概要

背景

従来の液晶表示素子として、動的散乱型液表示素子TN型液晶表示素子STN型液晶表示素子が知られている。しかし、偏光板を用いるTN型、STN型は動作原理上偏光板を用いるため表示が暗くなる欠点があった。

さらに近年、液晶樹脂とを複合した液晶/樹脂複合体対向電極間に挟持せしめられた液晶表示素子が開発された。電圧印加時または非印加時のいずれかの状態において、樹脂の屈折率が液晶の屈折率とほぼ一致するように設けることで、光の散乱状態透過状態とを制御するものである。

この透過散乱型の液晶表示素子は、分散型液晶素子とか、高分子分散型液晶素子等と呼ばれており、偏光板を使用しないため、基本的に明るい表示が可能である。このため、特に投射型表示装置に使用すると、明るく、かつ大きな投射画面が得られる。

この透過散乱型の液晶表示素子を、素子の片面に光反射層を形成し、反射型素子として用いる場合、透過型素子として用いる場合に比べ光が変調材料層を往復するので、光に対する作用長が透過型の場合よりも略2倍となる。その結果、散乱時の散乱能が高い表示素子となる。したがって、この透過散乱型の液晶表示素子を反射型構成で用いると、透過状態と散乱状態の差が顕著に生じ、透過型構成で使用する場合に比べて、高コントラスト表示が可能となる。

また、透過型の表示素子に対して同じ散乱能とした場合、相対的に光変調層を薄く形成でき、その結果、対向電極間に印加する駆動電圧が低減できるので好ましい。また、この透過散乱型の液晶表示素子がTFT−アクティブマトリックス駆動方式を採用し、各画素毎に能動素子蓄積容量とを形成した場合、反射型構成にすることにより蓄積容量形成に伴う画素開口率の減少が少なくなり、透過型構成に比べて高開口率が得られやすいとともに、一般的に能動素子の設計自由度が大いに増加する。

また、反射型構成であるため、Siウェハ上に形成した単結晶MOSトランジスタを能動素子として用い、反射アクティブマトリックスアレイ基板として使用可能となる。つまり、Siウェハを一方の基板に用い、透明な対向基板と組み合わせて表示素子を形成する。

単結晶Si−MOSトランジスタをアクティブマトリックスとした反射型の液晶表示素子またはそれを用いた投射型液晶表示装置の従来技術の例が、Liquid Crystals:applications and uses Vol.1(Edited by Birendra Bahadur:WorldScientific Publishing Co.Rte.Ltd.1990,p455−468)に記載されているように、既に1980年代試作されており公知の技術である。ただし、当時の透過散乱型の液晶表示素子はDSM型のものであった。

また、液晶/樹脂複合体と単結晶MOS−トランジスタのアクティブマトリックスとを組み合わせて構成した反射型の液晶表示素子の技術に関しては、例えば、特開平6−194690号公報、特開平8−328034号公報に記載されている。

このように、投射型液晶表示装置に透過散乱型の液晶表示素子を反射構成で用いた場合、透過型構成の場合に比較して高性能化が期待できる。しかし、反射型の液晶表示素子として用いた場合、光反射層と平行な素子界面が光路中に存在し、それらの界面におけるフレネル反射光(不要光成分)が、反射層における反射光表示光成分)に重畳するため、特に暗レベルの増大を招く。その結果、コントラスト比劣化するため何らかのフレネル反射光低減対策が必要となる。

特に、液晶/樹脂複合体と接する光入射側の表電極基板における透明電極界面において、残留するフレネル反射光の影響は顕著である。このような界面反射を低減する対策として、液晶/樹脂複合体と接する光入射側の表電極基板における透明電極界面に、透明電極膜と屈折率の異なる誘電体膜を積層した反射防止膜を設けることが特開平3−223680号公報に記載されている。

また、反射防止膜を形成する代わりに透明電極界面に微細凹凸を形成し、界面反射光拡散させ、投射レンズ開口絞りに界面反射光を入射させないことにより投射像に界面反射光が重畳しない構成が特開平4−253860号公報に記載されている。

また、透過散乱型の液晶表示素子を透過型素子として用いた場合に、散乱時の後方散乱光成分を増大させコントラスト比を向上するため、液晶層を挟む基板の1面または2面の内面に凹凸を設けた例が特開平4−318518号公報に記載されている。ただし、この従来例における凹凸の作用効果は上記の反射モードの場合とは異なる。

しかし、反射型の液晶表示素子を採用した従来例は、投射型液晶表示装置に構成した際の残留界面反射に関して、何ら言及がなかった。また、実施例および図面の記載には、平坦な基板面に平坦な透明電極層が形成されているだけであるため、基板と透明電極界面の反射光が投射像に重畳し、コントラスト比の向上は達成できていなかった。

また、特開平4−318518号公報と同様の目的で、透過散乱型の液晶表示素子を用いた場合に、液晶層が散乱時に基板との界面における散乱を増大させ、コントラスト比を向上するため、液晶層を挟む対向する基板の少なくとも一方に等方性媒質矩形断面を形成した回折方式液晶パネルの例が特開平5−27213号公報に記載されている。

概要

投射表示の不要光を除去する。

表電極基板151にピッチP、高さdの鋸歯状面を持つ透明電極152が、裏電極基板153に画素長aの反射機能層154が形成され、両基板間に平均厚さGの液晶/樹脂複合体155が挟持され(a>P、a>G)、鋸歯状面と平坦面との角度θ(x)の有効寸法長における平均値をθAVとすると、投射光学系の集光角δ(有効開口数F=sin-1δ)がθAV≧δ/2を満足する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光源系と、透明電極を有する表電極基板反射機能層を有する裏電極基板との間に液晶樹脂複合体が挟持され、表電極基板の内面側に凹凸面が形成され、反射機能層に平坦面が備えられた液晶表示素子と、少なくとも1つのレンズと1つの絞りが備えられた投射光学系と、が設けられた投射型液晶表示装置であって、液晶/樹脂複合体が透明状態の時、表電極基板側から液晶表示素子に入射した後、反射機能層で正規反射された光は、投射光学系の絞りの開口部を通過し、所望の空間位置に液晶表示素子の表示画像がレンズによって結像され、液晶/樹脂複合体が散乱状態の時、表電極基板側から液晶表示素子に入射した光のうち、凹凸面の近傍で反射され、投射光学系の絞りの開口部を通過する成分が全入射光に対して1%以下であることを特徴とする投射型液晶表示装置。

請求項2

投射光学系の集光角をδ(有効開口数F=sin-1δ)とし、液晶表示素子の基板面の垂直断面内に現れる凹凸面の断面曲線が、前記断面内に現れる平坦面の交差直線に対する傾斜角度を位置の関数θ(x)とし、少なくとも有効寸法長におけるθ(x)の平均値をθAVとすると、θAV≧δ/2の関係を満たし、凹凸面と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)と、面全体の傾き度を示す傾斜角度成分率Q=100・[頻度(0≦θ(x)≦δ/2)]/[頻度(0≦θ(x)≦90°)](%)とが、RFR×Q≦1%の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の投射型液晶表示装置。

請求項3

表電極基板の透明電極と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)が液晶表示素子への入射光の波長に対して5%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の投射型液晶表示装置。

請求項4

投射光学系の集光角をδ(有効開口数F=sin-1δ)とし、液晶表示素子の基板面の垂直断面内に現れる凹凸面の断面曲線が、前記断面内に現れる平坦面の交差直線に対する傾斜角度を位置の関数θ(x)とし、表電極基板の凹凸面と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)と、面全体の傾き度を示す傾斜角度成分率Q=100・[頻度(0≦θ(x)≦δ/2)]/[頻度(0≦θ(x)≦90°)とが、Q≦50%を満足することを特徴とする請求項1、2または3記載の投射型液晶表示装置。

請求項5

基板面に垂直な断面に現れる凹凸面の断面曲線が、ほぼ鋸歯形状であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の投射型液晶表示装置。

請求項6

表電極基板の元基板自身または元基板に付着せしめる構成部材に、マスタ基板にあらかじめ形成された鋸歯状凹凸転写し、さらに転写した鋸歯状凹凸を利用して透明電極の形状を形成する液晶基板の製造方法。

請求項7

請求項6記載の製造方法で製造された液晶基板が表電極基板として用いられ、裏電極基板にアクティブマトリックス基板が用いられ、両電極基板間に液晶/樹脂複合体が挟持された液晶表示素子であって、表電極基板の透明電極に鋸歯状凹凸面が備えられ、その鋸歯状凹凸のピッチPが裏電極基板の画素の大きさaに比べ小さいとともに、液晶/樹脂複合体の平均厚さGが画素の大きさaに比べて小さい液晶表示素子。

技術分野

0001

本発明は、液晶基板の製造方法、および透過散乱型の動作モードを有する液晶表示素子反射型の構成で用いる投射型液晶表示装置に関する。

背景技術

0002

従来の液晶表示素子として、動的散乱型液表示素子TN型液晶表示素子STN型液晶表示素子が知られている。しかし、偏光板を用いるTN型、STN型は動作原理上偏光板を用いるため表示が暗くなる欠点があった。

0003

さらに近年、液晶樹脂とを複合した液晶/樹脂複合体対向電極間に挟持せしめられた液晶表示素子が開発された。電圧印加時または非印加時のいずれかの状態において、樹脂の屈折率が液晶の屈折率とほぼ一致するように設けることで、光の散乱状態透過状態とを制御するものである。

0004

この透過散乱型の液晶表示素子は、分散型液晶素子とか、高分子分散型液晶素子等と呼ばれており、偏光板を使用しないため、基本的に明るい表示が可能である。このため、特に投射型表示装置に使用すると、明るく、かつ大きな投射画面が得られる。

0005

この透過散乱型の液晶表示素子を、素子の片面に光反射層を形成し、反射型素子として用いる場合、透過型素子として用いる場合に比べ光が変調材料層を往復するので、光に対する作用長が透過型の場合よりも略2倍となる。その結果、散乱時の散乱能が高い表示素子となる。したがって、この透過散乱型の液晶表示素子を反射型構成で用いると、透過状態と散乱状態の差が顕著に生じ、透過型構成で使用する場合に比べて、高コントラスト表示が可能となる。

0006

また、透過型の表示素子に対して同じ散乱能とした場合、相対的に光変調層を薄く形成でき、その結果、対向電極間に印加する駆動電圧が低減できるので好ましい。また、この透過散乱型の液晶表示素子がTFT−アクティブマトリックス駆動方式を採用し、各画素毎に能動素子蓄積容量とを形成した場合、反射型構成にすることにより蓄積容量形成に伴う画素開口率の減少が少なくなり、透過型構成に比べて高開口率が得られやすいとともに、一般的に能動素子の設計自由度が大いに増加する。

0007

また、反射型構成であるため、Siウェハ上に形成した単結晶MOSトランジスタを能動素子として用い、反射アクティブマトリックスアレイ基板として使用可能となる。つまり、Siウェハを一方の基板に用い、透明な対向基板と組み合わせて表示素子を形成する。

0008

単結晶Si−MOSトランジスタをアクティブマトリックスとした反射型の液晶表示素子またはそれを用いた投射型液晶表示装置の従来技術の例が、Liquid Crystals:applications and uses Vol.1(Edited by Birendra Bahadur:WorldScientific Publishing Co.Rte.Ltd.1990,p455−468)に記載されているように、既に1980年代試作されており公知の技術である。ただし、当時の透過散乱型の液晶表示素子はDSM型のものであった。

0009

また、液晶/樹脂複合体と単結晶MOS−トランジスタのアクティブマトリックスとを組み合わせて構成した反射型の液晶表示素子の技術に関しては、例えば、特開平6−194690号公報、特開平8−328034号公報に記載されている。

0010

このように、投射型液晶表示装置に透過散乱型の液晶表示素子を反射構成で用いた場合、透過型構成の場合に比較して高性能化が期待できる。しかし、反射型の液晶表示素子として用いた場合、光反射層と平行な素子界面が光路中に存在し、それらの界面におけるフレネル反射光(不要光成分)が、反射層における反射光表示光成分)に重畳するため、特に暗レベルの増大を招く。その結果、コントラスト比劣化するため何らかのフレネル反射光低減対策が必要となる。

0011

特に、液晶/樹脂複合体と接する光入射側の表電極基板における透明電極界面において、残留するフレネル反射光の影響は顕著である。このような界面反射を低減する対策として、液晶/樹脂複合体と接する光入射側の表電極基板における透明電極界面に、透明電極膜と屈折率の異なる誘電体膜を積層した反射防止膜を設けることが特開平3−223680号公報に記載されている。

0012

また、反射防止膜を形成する代わりに透明電極界面に微細凹凸を形成し、界面反射光拡散させ、投射レンズ開口絞りに界面反射光を入射させないことにより投射像に界面反射光が重畳しない構成が特開平4−253860号公報に記載されている。

0013

また、透過散乱型の液晶表示素子を透過型素子として用いた場合に、散乱時の後方散乱光成分を増大させコントラスト比を向上するため、液晶層を挟む基板の1面または2面の内面に凹凸を設けた例が特開平4−318518号公報に記載されている。ただし、この従来例における凹凸の作用効果は上記の反射モードの場合とは異なる。

0014

しかし、反射型の液晶表示素子を採用した従来例は、投射型液晶表示装置に構成した際の残留界面反射に関して、何ら言及がなかった。また、実施例および図面の記載には、平坦な基板面に平坦な透明電極層が形成されているだけであるため、基板と透明電極界面の反射光が投射像に重畳し、コントラスト比の向上は達成できていなかった。

0015

また、特開平4−318518号公報と同様の目的で、透過散乱型の液晶表示素子を用いた場合に、液晶層が散乱時に基板との界面における散乱を増大させ、コントラスト比を向上するため、液晶層を挟む対向する基板の少なくとも一方に等方性媒質矩形断面を形成した回折方式液晶パネルの例が特開平5−27213号公報に記載されている。

発明が解決しようとする課題

0016

透過散乱型の液晶表示素子を反射構成で用いる場合、不要な反射光をカットしてより表示品位を高めることが必要であった。特に、特開平4−318518号公報記載の例の場合、液晶表示素子が散乱状態の時に液晶層界面の0次光回折正規反射光)が最大となるように矩形断面の回折格子が形成されている。そのため、反射型の液晶表示素子として投射型表示装置に用いた場合、散乱時に回折格子界面の正規反射光成分が最大となって投射像に重畳しコントラスト比の向上は達成できなかった。

0017

したがって、反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置において、液晶表示素子の表電極基板の透明電極界面の構成を最適化することにより、投射像に重畳する不要光成分を実質的に低減し、コントラスト比の高い投射像を実現することが大きな課題となっていた。また、表示の均一性および視認性の良好な高品位投射画像両立することが困難であった。また、量産に適した製造の容易な構造であって、かつ歩留のよい安定した製造方法で製造できる反射型構成の液晶表示素子の実現が期待されていた。

課題を解決するための手段

0018

本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、明るく高コントラスト比を有する投射型液晶光学装置およびそれに用いる液晶表示素子を提供するものである。

0019

すなわち、請求項1は、光源系と、透明電極を有する表電極基板と反射機能層を有する裏電極基板との間に液晶/樹脂複合体が挟持され、表電極基板の内面側に凹凸面が形成され、反射機能層に光学的平坦面が備えられた液晶表示素子と、少なくとも1つのレンズと1つの絞りが備えられた投射光学系と、が設けられた投射型液晶表示装置であって、液晶/樹脂複合体が透明状態の時、表電極基板側から液晶表示素子に入射した後、反射機能層で正規反射された光は、投射光学系の絞りの開口部を通過し、所望の空間位置に液晶表示素子の表示画像がレンズによって結像され、液晶/樹脂複合体が散乱状態の時、表電極基板側から液晶表示素子に入射した光のうち、凹凸面の近傍で反射され、投射光学系の絞りの開口部を通過する成分が全入射光に対して1%以下であることを特徴とする投射型液晶表示装置を提供する。

0020

また、請求項2は、投射光学系の集光角をδ(有効開口数F=sin-1δ)とし、液晶表示素子の基板面の垂直断面内に現れる凹凸面の断面曲線が、前記断面内に現れる平坦面の交差直線に対する傾斜角度を位置の関数θ(x)とし、少なくとも有効寸法長におけるθ(x)の平均値をθAVとすると、θAV≧δ/2の関係を満たし、凹凸面と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)と、面全体の傾き度を示す傾斜角度成分率Q=100・[頻度(0≦θ(x)≦δ/2)]/[頻度(0≦θ(x)≦90°)](%)とが、RFR×Q≦1%の関係を満足することを特徴とする請求項1記載の投射型液晶表示装置を提供する。

0021

ここで、頻度(0≦θ(x)≦δ/2)とは、微妙な変化を呈する表面形状を測定する際に、片方の基準面(裏電極基板の平坦面)に対して微小領域の角度関係がどの程度であるかを示す指標である。ほとんど一定の傾きを持ち変化の急峻な面、例えば、鋸歯状凹凸の場合には、Qの数値は小さくなる。理想的には0となる。逆に平坦面に近いような微係数を持つ曲面の場合には、Qの数値が大きくなる。なお、本発明において、鋸歯状凹凸面とは平坦部の少ない曲線形状を含み、例えばサイン波状半円弧状や台形状のものを含む。

0022

また、請求項3は、表電極基板の透明電極と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)が液晶表示素子への入射光の波長に対して5%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の投射型液晶表示装置を提供する。

0023

また、請求項4は、投射光学系の集光角をδ(有効開口数F=sin-1δ)とし、液晶表示素子の基板面の垂直断面内に現れる凹凸面の断面曲線が、前記断面内に現れる平坦面の交差直線に対する傾斜角度を位置の関数θ(x)とし、表電極基板の凹凸面と液晶/樹脂複合体との界面フレネル反射率の平均値RFR(%)と、面全体の傾き度を示す傾斜角度成分率Q=100・[頻度(0≦θ(x)≦δ/2)]/[頻度(0≦θ(x)≦90°)とが、Q≦50%を満足することを特徴とする請求項1、2または3記載の投射型液晶表示装置を提供する。

0024

また、請求項5は、基板面に垂直な断面に現れる凹凸面の断面曲線が、ほぼ鋸歯形状であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の投射型液晶表示装置を提供する。

0025

また、請求項6は、表電極基板の元基板自身または元基板に付着せしめる構成部材に、微細な鋸歯状凹凸が形成されたマスタ基板の凹凸を転写し、さらに転写した鋸歯状凹凸面の形状にほぼ相関した形状を有する透明電極膜を形成する液晶基板の製造方法を提供する。

0026

また、請求項7は、請求項6記載の製造方法で製造された液晶基板が表電極基板として用いられ、裏電極基板にアクティブマトリックス基板が用いられ、両電極基板間に液晶/樹脂複合体が挟持された液晶表示素子であって、表電極基板の透明電極に鋸歯状凹凸面が備えられ、その凹凸のピッチPが裏電極基板の画素の大きさaに比べ小さいとともに、液晶/樹脂複合体の平均厚さGが画素の大きさaに比べて小さい液晶表示素子を提供する。

0027

また、上記の各請求項の発明において、表電極基板の透明電極面の微細な凹凸のピッチPは裏電極基板の画素の大きさaに比べ小さいとともに、液晶/樹脂複合体の平均厚さGは画素の大きさaに比べ小さいことが好ましい。

0028

また、上記の各請求項の発明において、表電極基板の透明電極面の微細な凹凸の平均ピッチPと平均深さdは、0. 5μm≦P≦30×dの関係を満たし、液晶/樹脂複合体の平均厚さG(μm)と透明電極面の微細な凹凸の平均深さd(μm)は、20≦G/d≦300の関係を満たすことが好ましい。

0029

また、上記の各請求項の発明において、表電極基板に形成された微細な凹凸上に成膜される透明電極膜はITO膜であり、液晶表示素子への入射光または投射光の中心波長λに対して、ITO膜の光学的膜厚屈折率n1 ×膜厚d1 ≒λ/2であることが好ましい。

0030

また、上記の各請求項の発明において、表電極基板に形成された微細な凹凸上に成膜される透明電極膜は互いに屈折率の異なる誘電体膜とITO膜の積層膜であり、微細な凹凸上に最初に誘電体膜が形成され、さらにその上にITO膜が積層された構造を有し、誘電体膜の屈折率n2 は、表電極基板の基板材料の屈折率をng とした場合、n1 >n2 >ng の関係を満足することが好ましい。

0031

このとき、液晶表示素子への入射光または出射光中心波長に対して、ITO膜の光学膜厚n1 ×d1 ≒λ/2であり、誘電体膜の光学膜厚=n2 ×d2 ≒λ/4、または、n2 ×d2 ≒3・λ/4であることが好ましい。

0032

また、上記の請求項6または7の発明において、表電極基板の透明電極面の微細な凹凸は、急峻な形状変化を持った鋸歯状形状であることが好ましく、裏電極基板側の平坦な反射面に対して、平行になる微小領域がほとんどないことが特に好ましい。ガラス基板の上に透明樹脂層を形成し、そこに鋸歯状形状を転写して形成することが特に好ましい。

0033

また、上記の請求項6または7の発明において、微細な鋸歯状凹凸が形成されたマスタ基板を準備し、CVD法により表電極基板のと略同一屈折率の誘電体膜をマスタ基板上に成膜し、さらに、その上に成形樹脂層が塗布された表電極基板の元基板の樹脂層にこの微細な鋸歯状凹凸を転写した後、イオンエッチング法により表面の微細な鋸歯状凹凸を保ったまま樹脂層と誘電体膜層を樹脂層がなくなるまでエッチングし、誘電体膜層に微細な鋸歯状凹凸を形成し、さらにその上に透明電極膜を形成することが好ましい。

0034

また、上記の請求項6または7の発明において、表電極基板の透明電極面の鋸歯状凹凸は、表電極基板の元基板にホトレジストを塗布した後、鋸歯状凹凸のピッチに対応したピッチで開口部を有するようにホトレジストとを露光および現像によりパタニングしてマスクを形成し、元基板を溶解するエッチング液に長時間浸透させることによりホトレジスト界面の元基板に鋸歯状凹凸を形成し、残留ホトレジストを剥離した後にその上に透明電極膜を形成することが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0035

本発明の投射型液晶表示装置では、光変調手段として透過散乱の動作モードを有する液晶表示素子を用いる。そして、他の光学要素と組み合わせて反射型の投射型液晶表示装置を構成する。

0036

この場合、散乱状態の画素では、散乱されずに裏側まで到達した光は反射機能層で反射され、光路を戻る際に、再度液晶表示素子のセル内の散乱部分を通過することで散乱され、結果として薄い光変調層で高い散乱率が得られる。

0037

具体的には上記の液晶/樹脂複合体を用いた液晶表示素子を採用することが好ましい。なぜなら、電気的に散乱状態と透過状態とを直接制御でき、明るい光源を使用でき、かつ透過時の光の透過率を大幅に向上できるので高コントラスト比の表示が容易に得られるからである。

0038

本発明に用いる液晶/樹脂複合体層比抵抗としては、5×1010Ωcm以上のものが好ましい。さらに、漏れ電流等による電圧降下を最小限にし、高精細度の表示を得るためには、1011Ωcm以上がより好ましく、この場合には大きな蓄積容量を画素電極毎に付与する必要がない。

0039

液晶/樹脂複合体の構造は種々のものがあるが、本発明では、連続相液晶中に3次元ネットワ−ク状の樹脂が形成された構造が特に好ましいが、連続相の樹脂中に多数の液晶の粒を含むような構造でも本発明の効果は発揮しうる。液晶と樹脂相は電圧の印加時または非印加時のいずれかの状態においてその樹脂の屈折率が使用する液晶の常光屈折率(no )または異常光屈折率(ne )とほぼ一致するように設けられる。

0040

特に、液晶のno が樹脂の屈折率(np )とほぼ一致することが好ましく、このとき電界印加時に高い透明性が得られる。具体的にはno −0.03<np <no +0.05の関係を満たすことが好ましい。

0041

これに所望の画素の電極間に電圧を印加する。この電圧を印加された画素部分では、液晶が電界方向に平行に配列し、液晶のno と樹脂のnp とが一致することにより透過状態を示し、当該所望の画素で光が透過することとなり、投射スクリーンに明るく表示される。

0042

液晶の屈折率異方性Δn(=ne −no )は、散乱性に寄与し、高い散乱性を得るには、ある程度以上大きいことが好ましく、具体的にはΔn≧0.18が好ましく、特にΔn≧0.20が好ましい。

0043

また、誘電異方性が正のネマチック液晶を用いることが好ましい。また、液晶の体積分率Φは、およそ60〜75%、特には65〜70%、とすることがより好ましい。また、液晶に求められる動作温度範囲動作電圧など種々の要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利である。

0044

この液晶/樹脂複合体を表電極基板と、反射膜を有する裏電極基板との間に挟持して反射型の液晶表示素子とする。この反射型の液晶表示素子の電極間への電圧の印加状態により、その液晶の実効的な屈折率が変化し、樹脂相の屈折率と液晶相の屈折率との関係が変化し、両者の屈折率がほぼ一致した時には透過状態(正規反射して光が出射)となり、屈折率が異なった時には散乱状態(拡散光が液晶表示素子から出射)となる。

0045

本発明に用いる液晶/樹脂複合体は光励起重合相分離法(Photo Induced Phase Separation:PIPSと略称される。)で形成することが好ましい。液晶/樹脂複合体を構成する樹脂相の材料としては、未硬化硬化性化合物として光硬化性化合物の使用が好ましく、オリゴマーを含有した光硬化性ビニル系化合物の使用が特に好ましい。例えば、特開昭63−271233号公報、63−278035号公報、特開平3−98022号公報に開示された技術である。

0046

他の手法による液晶/樹脂複合体も基本的には採用できる。また、これらの液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物には、基板間隙制御用セラミック粒子プラスチック粒子ガラス繊維等のスペーサ顔料色素粘度調整剤、その他本発明の性能に悪影響を与えない添加剤を添加してもよい。なお、この液晶/樹脂複合体を使用した反射型の液晶表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散乱状態でのヘイズ値は80%以上であることが好ましい。

0047

本発明で能動素子としてTFTを用いる場合には、半導体材料としてはシリコンが好適である。特に多結晶シリコンは、非結晶シリコンよりも高速動作可能であって、面積の小さなTFTで動作可能となり、高い開口率を達成でき明るい表示が得られる。また、裏電極基板としてMOS半導体基板も使用できる。この場合、駆動電圧をTFTよりも高く設定でき、15V駆動のときに、セルギャップを15μm程度まで厚くできる。

0048

基本的な構成は以下のようなものである。光源系は光源と集光手段と第1の開口絞りとからなり、光源から出射された発散光は集光手段により第1の開口絞りの開口部に集光され、第1の開口絞りを通過した光が反射型光変調手段に入射せしめられ、投射光学系の構成要素である凸レンズによって液晶表示素子に集光される。

0049

液晶表示素子が透明状態の時、反射機能層によって正規反射された光が再び同一の凸レンズによって集光され、投射光学系は凸レンズによって第1の絞りの開口部の共役像が第1の開口絞りと重ならない位置に形成され、第1の絞りの開口部の共役像の近傍に共役像と同じ開口形状の第2の絞りを有する投射レンズが配置されたものである。

0050

図1は、本発明の投射型液晶表示装置の基本的構成を示すブロック図である。光源系1にランプ11、集光鏡12、第1の絞り13が備えられ、投射光学系2には集光レンズ14、第2の絞り16、投射レンズ17が備えられている。

0051

図1に示す構成において、ランプ11から出射した光は集光鏡12によって集光された後、その集光点近傍に配置された第1の絞り13を通過した発散光が集光レンズ14によって集光され反射型の液晶表示素子15に入射し、裏側の反射機能層で反射されて入射側に出射してきて、再度集光レンズ14を通過し投射光学系2の第2の絞り16の開口部に集光され透過した光が投射光学系のレンズ17により図示されていないスクリーンに投射される。

0052

反射型の液晶表示素子の反射機能層の法線に対して入射光の光軸AXは角度γ/2で入射し、反射機能層で正規反射した出射光の光軸BXも角度γ/2をなす。この際、液晶表示素子の表電極基板側に凹凸面が形成され、少なくとも有効長LO ≒20画素の単位で、上記の条件が満足されている。実際には透明電極152にこの凹凸面が形成され、不要な反射光は第2の絞り16の位置外に光路を偏向される。

0053

図2は本発明の投射型液晶表示装置に用いる反射型の液晶表示素子15の構成を模式的に示した断面図である。液晶表示素子15は、内面に透明電極152が形成された表電極基板151と内面に反射電極膜154が形成された裏電極基板153とによってセル組みされた素子に液晶/樹脂複合体155が封入された構成となっている。この透明電極152と反射電極膜154との間に電圧を印加することにより液晶/樹脂複合体155の透過特性(または散乱特性)が変化する。中間電位に対する中間調表示も可能となる。

0054

透明電極152が形成される表電極基板151の表面には、例えば図2に示すような形状のピッチP(μm)、深さd(μm)の微細な鋸歯状凹凸が形成されている。裏電極基板153に形成された反射電極膜154は光学的に平坦面を有し、表示単位である画素電極に分割されていて、その短辺の長さをa(μm)とする。

0055

このとき、液晶/樹脂複合体155の平均厚さをGとし、ピッチP、深さdの微細な凹凸の傾斜面が平坦な反射電極膜154となす角度をθ(x)とする。液晶/樹脂複合体層155が透明状態の時、反射電極膜154に対して入射角αの入射光は反射電極膜154により反射角αで正規反射される。

0056

一方、液晶表示素子の一断面の状態を図2に示した。切断面の方向がxであり、矩形の画素の1辺に平行となるようにした。ここで、反射電極膜154の平坦面に対して角度θ(x)を有する凹凸面の傾斜面(図中、1つののこぎり歯の長い部分)に対しては入射角がα−θ(x)である。この面の正規反射光は反射電極膜154の法線に対して、反射角α−2θ(x)をなす。したがって、反射電極膜154による正規反射光と微細な凹凸の傾斜面による正規反射光は2θ(x)の角度差を保って出射される。

0057

液晶表示素子への入射光の分散角をφとすると、面全体における傾斜角度θ(x)の平均θAVが、θAV≧φ/2の関係を満足していれば、分散した光が液晶表示素子へ入射した場合でも、反射電極膜154の正規反射光と微細な凹凸の傾斜面による正規反射光とは同一角度範囲に混在することなく区別される。

0058

その結果、集光レンズ14と投射光学系2の第2の絞り16の開口部によって規定される集光角δを分散角φと同一に設定しておけば(すなわち、θAV≧δ/2)、反射電極膜154の正規反射光は第2の絞り16の開口部を通過して投射光学系のレンズ17により図示されていないスクリーンに投射されるが、微細な凹凸の傾斜面による正規反射光は遮断されてスクリーンに到達しない。

0059

実際にピッチPが100μm以下の微細な凹凸の傾斜面の場合、図2のようなエッジ部がった鋸歯形状を安定して作製することが難しく、θ(x)<δ/2の傾斜角度成分が多く発生する。したがって、画像情報である反射電極膜154の正規反射光に重畳する透明電極152の界面反射光の、液晶表示素子への入射光に対する比率A(%)は、透明電極152の界面反射率RFR(%)と微細な凹凸の傾斜面のうち、θ(x)<δ/2の傾斜角度成分率Q(%)との積で表される。

0060

液晶/樹脂複合体層155が散乱状態の時、液晶/樹脂複合体層155の散乱光以外の界面反射光を低減して投射像のコントラスト比を向上するためには、A=RFR×Qの比率を1%以下にすることが重要である。

0061

例えば、集光角δ=10°のとき、入射光に対して液晶/樹脂複合体層が透明時における表示素子の反射率(画素電極の開口率、反射電極の反射率、表電極基板の透過率、液晶/樹脂複合体層の透過率を総合した値)が50%であって、液晶/樹脂複合体層が散乱時におけるAを除いた表示素子の反射率が0. 5%である場合、実際の表示コントラスト比CRは、CR=50/(0. 5+A)となり、A=1%の場合はCR=33、A=0. 5%の場合はCR=50、A=0. 05%の場合はCR=91が得られる。

0062

透明電極152の界面反射率RFR(%)の値が低い程比率Aは小さな値となり、また液晶/樹脂複合体層が透明時の表電極基板透過率も高い値となるため、界面反射率RFR(%)の値は小さいほど好ましい。したがって、入射光に対して界面反射率RFR(%)が5%以下、さらに好ましくは2%以下の小さな値となるような透明電極膜構成とすることが好ましい。

0063

また、微細な凹凸の傾斜面の深さdに応じて、液晶/樹脂複合体層の厚さGがそのピッチPの範囲内で分布するため、液晶/樹脂複合体層の駆動電圧や散乱能がピッチ内で異なる。その結果、液晶表示素子が拡大投影された場合、表示ムラとなる。したがって、表示画素をまたがった表示ムラを発生させないためにピッチPは1画素の短辺長aに比べて小さくすることが好ましい。

0064

また、微細な凹凸の傾斜面の深さdとピッチPにより概略規定される傾斜角θは2°以上であることが好ましいため、P≦30×dの関係を満たすことが好ましい。さらに、P≦10×dの関係を満たすことが好ましい。

0065

また、液晶/樹脂複合体層の厚さGに応じて微細な凹凸の傾斜面の深さdがある程度大きな値の場合、ピッチP内での液晶/樹脂複合体層の駆動電圧が分布し不均一な表示となるとともに印加電圧反射率特性の傾斜が緩慢になり動作電圧幅および駆動電圧が実質的に増加するといった問題が生じる。したがって、Gとdの関係は、20≦G/dの範囲であることが好ましい。ただし、液晶/樹脂複合体層の厚さGは通常4〜30μm程度の範囲であり、4〜15V程度の低電圧駆動の場合はG=6〜20μm程度が好ましい。

0066

特に、微細な凹凸の傾斜面の深さdのばらつきに伴う液晶/樹脂複合体層の厚さGの面内分布が大きな場合には、液晶/樹脂複合体を光変調層とし、その背面に反射機能層を有する液晶表示素子の印加電圧−反射率特性が幾何学的に分布するため、中間調階調表示においては表示ムラを引き起こすが、上記の凹凸形状の条件範囲であれば、その影響を抑制できる。

0067

また、入射光に対して傾斜面として機能するためには、入射光の波長程度以上の微細な凹凸傾斜面のピッチPであることが必要である。したがって、具体的には、0. 5μm≦P、および、0. 2μm≦dであることが好ましい。

0068

上記説明では、液晶表示素子内の光線と液晶表示素子外、すなわち空気中の光線とは表電極基板の屈折率に応じて屈折するため、スネル則により角度が変化するが、説明を簡単にするためその相違の記載を省略した。

0069

裏電極基板153は、電極を有するとともに反射膜により反射機能を有するので、ガラスプラスチック、金属、セラミクス半導体等のいずれでもよい。この裏電極は画素電極154として、パターニングされて用いられるので、必要に応じて、TFT、薄膜ダイオードMIM、MOSトランジスタ等の能動素子を設けて接続する。

0070

また、反射電極膜ではなく、裏電極と反射膜との組み合わせでもよく、反射膜として屈折率が相対的に高い透光性誘電体薄膜と屈折率が相対的に低い透光性誘電体薄膜とを積層した誘電体多層膜でもよい。誘電体多層膜は、SiO2 、MgF2 、Na3 AlF6 等の低屈折率透光性誘電体薄膜と、TiO2 、ZrO2 、Ta2 O5 、ZnS、ZnSe、ZnTe、Si、Ge、Y2 O3 、Al2 O3等の高屈折率透光性誘電体薄膜とを交互に積層した構造からなり、必要とする反射および透過波長帯、反射率に応じて、材料・膜厚・層数が異なり、設計自由度が金属膜に比べ広い。

0071

また、裏電極の1つ毎に能動素子が形成される場合、反射型の液晶表示素子に入射した光が直接能動素子に到達しないよう、遮光膜としての機能も果たす。その結果、光導電効果の大きなアモルファスシリコン等の能動素子を用いた場合でも、別途遮光層を設けなくとも、光誘起電流の発生を低減できる。

0072

反射型の液晶表示素子の透過状態の画素の部分では、光が透過し、反射膜で正規反射した後空気側に出射する。この直進光は拡散光を減ずる装置である第2の絞り16を通過する光となるので、投射スクリーン上で明るく表示される。

0073

一方、散乱状態の画素の部分では、光が散乱されて、拡散光として出射する。この光はほとんどが拡散光を減ずる装置である第2の絞り16を通過できないので、投射スクリーン上で暗く見えることになる。

0074

なお、本発明では、反射型の液晶表示素子としているので、散乱状態の画素の部分では、散乱されずに裏側まで到達した光は反射されて再度散乱部分を通過するため、さらに散乱され、結果として薄い液晶/樹脂複合体層155で高い散乱率が得られる。また、透過型の液晶表示素子に対して同じ散乱能とした場合、液晶/樹脂複合体層が薄くできるので、駆動電圧が低減できる。

0075

図3は本発明の投射型液晶表示装置200の模式的な平面図である。図4は、本発明の投射型液晶表示装置200の模式的な側面図である。図3図4において、楕円鏡12の第1焦点位置にランプ11の発光部が配置され、ランプ11から出射した光は楕円鏡12でその第2焦点近傍に集光された後、第2焦点位置に配置された第1の開口絞り13を通過した光が平凸レンズ14で集光され反射型の液晶光学素子15に入射し、裏側で反射されて入射側に出射してきて、再度平凸レンズ14を通過し集光され、拡散光を減ずる装置である第2の開口絞り16を通過し、投射光学系のレンズ17により図示されていないスクリーンに投射される。

0076

図4において、楕円鏡12の第2焦点位置近傍に配置された錐体状プリズム18は液晶表示素子15に照射される光の分布を均一化するとともに光利用効率を改善する効果を有する(錐体状プリズムの作用・構成は、特開平7−134295号公報を参照)。

0077

平凸レンズ14の平面側は液晶表示素子15の光入射側ガラス基板に平凸レンズ14およびガラス基板と屈折率がほぼ等しいカップリングオイルを用いて接合されることによって、界面反射は生じない。ここで用いられる平凸レンズ14の素材はガラスでもプラスティックでもよいが、反射型表示素子15の表電極基板151と屈折率が略等しいことが接着界面フレネル反射を生じさせないために好ましい。

0078

また、凸面の形状は球面が一般的だが、投射像の解像度および投射レンズと組み合わせたときの収差を向上するために非球面形状とすることが好ましい。また、フレネル形状とすることによって平凸レンズの厚さを軽減し軽量・安価にしてもよい。

0079

本発明の光源系は、図3図4では楕円面鏡を集光鏡として用いた例を示したが、放物面鏡球面鏡やレンズ等を適当に組み合わせたものも光源光学系として使用できる。ランプとしては、ハロゲンランプメタルハライドランプキセノンランプ等がある。さらに、この光源系には冷却系を付加したり、赤外線カットフィルタ紫外線カットフィルタ等を組み合わせて用いる。

0080

また、凸錐体状プリズム18はその凸面を光源側に配置してもよく、代わりに凹錐体状プリズムを用いてもよい。このような光学素子を用いることにより、投射光の照度均一性および光利用効率が向上する。また、レンズアレイインテグレータロッド・インテグレータ、単一レンズ拡散板等の光学素子を配置してもよい。

0081

色光に別れた入射光を複数の反射型表示素子に入射させる場合には、最初から3色の光源を準備してもよく、ダイクロイックミラーダイクロイックプリズム等により分光してもよい。具体的に図3および図4の装置に適用するとすれば、反射型の液晶表示素子15と光源系1および投射光学系のレンズ17との間に色分離合成系4を配置し、RGBの各色光に対して3個の反射型表示素子が配置されることになる。

0082

そのように構成した投射型液晶表示装置300の模式的な平面図を図5に、模式的な側面図を図6に示す。この例では、R反射GB透過のダイクロイックミラー41と、B反射G透過のダイクロイックミラー42の2枚構成で光源系からの入射白色光をRGBに色分離するとともに、RGB各液晶表示素子15R、15G、15BからのRGB反射光を色合成している。なお、RまたはRedとは可視光域で赤の領域の色光を指し、GまたはGreenとは緑の領域の色光を指し、BまたはBlueとは青の領域の色光を指す。

0083

図6において(図6の断面では平凸レンズ14Gと液晶表示素子15Gが示されている)、反射型構成である液晶表示素子15R、15G、15Bに接合された平凸レンズ14R、14G、14Bは、いずれもその回転中心軸が反射型表示素子の表示面外に位置する偏心レンズ構成となっている。

0084

その結果、反射型表示素子の反射機能層と平行な平凸レンズの凸面が表示素子内に存在しないため、凸面での残留界面反射光は反射機能層での正規反射光とは方向が異なり投射レンズの第2の絞り16の開口部を通過しない。したがって、平凸レンズの凸面で残留反射があっても投射像には重畳しない。

0085

液晶表示素子が微細な画素からなる表示素子でスクリーン上に画像を投射する場合、表示面の隅々まで表示画素を分解できる投射レンズの解像度が要求されるため、投射レンズは一般に複数枚材質・形状の異なるレンズから構成されている。このような場合、第2の絞り16の相対的位置は投射レンズ内の瞳位置、すなわち、平凸レンズ14によって形成される第1の絞り13の共役像位置に、第1の絞り13の開口形状の共役像とほぼ一致するように開口形状が設定されることが好ましい。

0086

本発明では液晶/樹脂複合体を用いて反射型の液晶表示素子とするので、薄い厚みの液晶/樹脂複合体であっても高い散乱特性が得られ、素子自体の特性として高コントラスト比が得られる。

0087

また、透明電極が形成される表電極基板面に、最適化された微細な鋸歯形状の凹凸が形成されるとともに、透明電極の周辺における界面反射率が低減される構成としているため、投射像に重畳する界面反射光の影響がわずかであり、投射型液晶表示装置として高コントラスト比が得られる。

0088

(実施例1)本発明の第1の実施例である投射型液晶表示装置に用いられる反射型液晶表示素子の断面形状を図2を用いて説明する。画素形状は、1辺長a=40μmの正方形画素で、縦768個×横1024個から構成される表示対角長約2インチサイズである反射型の液晶表示素子である。図1で断面は矩形である画素の1辺に平行となっている。切断された方向をxo とする。

0089

実施例1では、反射型液晶表示素子として辺の長さa=40μmの正方形画素が縦768個×横1024個から構成され、アクティブマトリックスとして多結晶SiのTFTを用いた表示対角長約2インチサイズとする。

0090

ガラス基板上にゲート配線ソース配線および画素毎に多結晶Si−TFTが形成されたアクティブマトリックス基板に平坦化膜をコートし、さらに平坦化膜にコンタクトホールを形成した後、アルミニウム膜を成膜およびパターニングすることにより、TFTのドレイン電極アルミニウム反射電極とのコンタクトをとる。このときの反射電極の画素に占める開口率は80%である。

0091

反射電極において90%以上の高い反射率を得るためにはアルミニウム膜以外に銀(Ag)膜を用いてもよく、アルミニウム膜上に屈折率の異なる誘電体膜を積層して増反射膜としてもよい。

0092

表電極基板はガラスであり、ピッチPが約2〜6μm、深さdが約0. 3〜1μmの鋸歯形状の微細な凹凸が表面に形成され、その凹凸面に透明電極膜としてITOが成膜されている。

0093

このような微細な凹凸はブレーズ回折格子を作製するときに用いられるルーリングエンジンと呼ばれるダイヤモンド超精密加工機械を用いて、最初に必要とされる凹凸のピッチPおよび深さdの鋸歯形状の凹凸を有するマスタ原板を作製する。

0094

回折格子を作製する場合と異なり、凹凸は等間隔で精密な同一形状加工である必要はなく、既述の形状条件の範囲内であればよい。また、マスタ基板は平面平板に鋸歯形状の凹凸が形成されたものでもよく、円筒ローラ回転表面に鋸歯形状の凹凸が形成されたものでもよい。

0095

表電極基板にこの凹凸を形成する方法としては、加熱したガラス基板に直接マスタ基板を圧着し凹凸を転写する方法や、ガラス基板に透明樹脂の薄膜を形成し、その樹脂に凹凸を転写する方法、または凹凸を転写した樹脂フィルムをガラス基板に積層する方法が考えられる。この手法を図10および図11に示す。

0096

生産性を考慮すると、より低温で転写可能な透明樹脂を介して凹凸を形成する方が好ましく、このとき用いる透明樹脂の屈折率とガラス基板の屈折率の差は0.1以下であることが好ましい。光学材料として利用可能な樹脂としては、アクリル系樹脂ポリカーボネート系樹脂スチレン系樹脂ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。図10において、マスタ基板170、表電極基板151、アクリル系樹脂からなる転写層160を示す。

0097

樹脂が付着せしめられるガラス基板の屈折率が1.52である。樹脂のガラス基板に対する屈折率差としては、およそ0.15以内、好ましくは0.10以内に設定する。樹脂の組成を調整することにより所望の屈折率値が得られる。この際、屈折率差が少なければそれだけガラス基板−樹脂膜間での反射率を抑制できる。

0098

ガラス基板に透明樹脂の薄膜を形成しその樹脂に凹凸を転写するには、熱可塑性樹脂溶液をガラス基板に塗布し、溶媒を乾燥後、塗布した樹脂のガラス転移温度以上に加熱したマスタ基板を圧着して凹凸を転写する方法や、ガラス基板とマスタ基板の間に熱または光により硬化可能な未硬化の樹脂組成物注入し硬化させ凹凸を転写する方法がある。

0099

また、先に樹脂フィルムに凹凸を転写する方法としては、熱可塑性樹脂フィルムを樹脂のガラス転移温度以上に加熱した凹凸形成された円筒ローラと平滑なローラとの間に挟み凹凸を転写する方法や、凹凸を有するマスタ基板上に熱または光により硬化可能な未硬化の樹脂組成物を塗布し硬化させ凹凸を転写する方法がある。最後にこの微細な凹凸形状が転写された樹脂表面にITO膜を成膜し表電極基板とする。

0100

このとき、ITO膜界面の反射率Rの値を低減するためには、入射光の中心波長λに対してITO膜の光学的膜厚(屈折率×膜厚)を約λ/2とすることが好ましい。例えば、λ=540nmのGreen光の場合、ITO屈折率は約1.8のため、膜厚を約150nmとすれば波長540nm領域の光に対して、0.5%以下の反射率Rが得られる。

0101

この構成の問題点はλ(Green波長域)以外の例えば400〜480nmのBlueや、600nm以上のRedの波長域において反射防止条件を満たさないため、反射率Rが増大し表電極基板の透過率が低下する。したがって、中心波長λが540nm程度の白色光入射の場合には、光学膜厚がλ/2のITO膜を形成し、RGB3色に色分解された入射光の場合には各色の中心波長λに対して異なる光学膜厚のITOを作り分ければよい。

0102

このような波長依存性を低減する構成として、ITO膜を構成要素とする多層反射防止膜とすればよい。例えば、ガラス基板すなわち樹脂層の屈折率をng 、ITO膜の屈折率をn1 とした場合、誘電体膜としてその屈折率n2 が、ng <n2 <n1 の関係を満たす誘電体膜をガラス基板とITO膜との間に形成する。

0103

具体的には、ng =1. 5、n1 =1. 8〜1.9の場合は、n2 =1. 6程度となるため、CVD法によりSiON膜の屈折率が1. 6程度になる条件で成膜すればよい。または、Al2 O3 を真空蒸着法スパッタ法により成膜してもよい。このときの各膜厚の光学膜厚は、入射光の中心波長λに対して、n1 ×d1 =λ/2、n2 ×d2 =λ/4、または、n2 ×d2 =3・λ/4とすればよい。その結果、可視光の波長域で0.5%以下の比較的平坦な分光反射率特性が得られるため、白色光入射またはRGB色光入射の場合も同一の膜構成で反射防止透明電極膜として使用できる。反射防止透明電極膜の多層構成は上記の構成に限られず、種々の層数、屈折率値、光学膜厚の組み合わせが用いられる。

0104

このようにして作製された表電極基板と裏電極基板を用いて、平均ギャップG=10μmの空セルを作製し、液晶と未硬化の樹脂組成物(アクリル系モノマーアクリル系オリゴマー)を注入した後、紫外線を照射して光励起重合相分離法により液晶/樹脂複合体を形成する。このようにして作製される反射型の液晶表示素子を用い、他の光学部材と組み合わせて、図3図4に示した構成の投射型表示装置を準備する。

0105

本実施例で用いられる、平凸レンズ14は焦点距離f=120mmの平凸球面形状のBK7であり、縦40mm横45mmの長方形状とする。この平凸レンズの切断面には黒色塗料を塗布し、側面に入射した光は吸収されるようにする。また、凸面には可視波長域用の反射防止膜が形成されている。このような平凸レンズ14の平面側を、表示部形状が30. 5mm×40. 6mmで対角長が2インチである液晶表示素子15の表電極基板151に屈折率1. 52のカップリングオイルを用いて接合する。

0106

楕円鏡12の第2焦点位置に錐体状プリズム18と第1の絞り13を設置し、上記の各光学部品図3図4のように配置する。第1の絞り13はその開口直径可変となる虹彩絞りとする。また、液晶表示素子の反射光が平凸レンズ14によって集光され、第1の絞り13の開口部の像が結像される位置に第2の絞り16をその開口部が第1の絞り13の開口部の像と一致するように設置する。この第2の絞り16の開口部を透過した光が投射レンズ17を通してスクリーン上に投射される。

0107

第2の絞り16は投射レンズ17と分離して配置してもよいが、投射レンズ17の瞳位置に配置されることが好ましい。第1の絞り13の開口部直径をa、第2の絞り16の開口部直径をbとすると、平凸レンズ14の焦点距離fを用いて、液晶表示素子への入射光の分散角Φと投射光の指向性を示す集光角δは数1で規定される。ここで、φ=δとなるように第1の開口絞り13と第2の開口絞り16の開口径a、bを同時に調整する。

0108

tan(φ)=a/f
tan(δ)=b/f

0109

光源11としては、放電発光型のメタルハライドランプを用いる。このような構成で投射像のコントラスト比を集光角δ=5°、10°について表1にまとめた。また、反射型表示素子の駆動電圧、飽和反射率、暗反射率も合わせて表に載せた。

0110

実施例1は上記微細な鋸歯形状の凹凸面に透明電極としてITO膜を約150nm成膜された表電極基板を用いる場合を記した。また、反射型液晶表示素子の表電極基板の透明電極面が平坦であり、透明電極としてITO膜を約75nm成膜された表電極基板を用いる場合を比較例1に記した。

0111

さらに、反射型の液晶表示素子の表電極基板の透明電極面を#500のアルミナ研磨剤研磨して表面に粗い凹凸を形成した後、透明電極としてITO膜を約150nm成膜された表電極基板を用いる場合を比較例2に記した。

0112

飽和反射率RONは液晶/樹脂複合体層に充分な電界を印加して透明になった状態の反射率とし、駆動電圧V90は飽和反射率RONに対してその90%の反射率が得られる駆動電圧とし、暗反射率ROFFは液晶/樹脂複合体層に電界を印加しない散乱状態の反射率とし、コントラスト比CRはRON/Roff で算出される。

0113

0114

したがって、実施例1の構成により駆動電圧を低電圧に維持したまま、高い飽和反射率RONおよび低い暗反射率ROFFが得られるため、明るく高コントラストな投射像が達成される。

0115

また、比較例2の構成では、中間調の投射像において表電極基板の粗い凹凸形状に起因する液晶/樹脂複合体のギャップムラに対応した照度ムラが発生し、階調表示において問題となる。

0116

本実施例では光源として放電発光型のメタルハライドランプを用いる例を示したが、それ以外に、超高圧水銀ランプやキセノンランプや無電極マイクロ波放電ランプおよびフィラメント発光型のハロゲンランプ等でもよい。

0117

本発明に用いる透過散乱型の表示素子は、電圧の印加状態により、透過状態と散乱状態とをとりうる平面型の表示素子であれば使用できる。具体的には、DSMの液晶表示素子でもよく、微細な針状粒子を溶液に分散させておき、電圧の印加状態により透過散乱を制御する素子等のように他の散乱型表示素子でもよい。液晶素子以外の材料を用いることができる。また、駆動方式アクティブマトリックス方式に限られず、パッシブ駆動スタティック駆動等他の方法でもよい。

0118

投射型液晶表示装置は、通常は前述のように表示素子の画像が投射レンズにより別置したスクリーン上に投射結像される。この場合、前面投射型(観察者がスクリーンに対して投射型表示装置側に位置して見る)であっても、背面投射型(観察者がスクリーンに対して投射型表示装置と反対側に位置して見る)であってもよい。

0119

この反射型表示素子の反射電極を全面ベタ電極としたり、簡単な電極パターニングをした透過散乱型表示素子とした投射型表示装置とし、これを照明装置として使用できる。例えば、図3および図4装置自体をそのような構成とし、壁、天井等に埋め込んで配置しておくことにより、高速で色を変化させずに調光できる。

0120

また、本実施例において、カラー表示を実現するためには、表示面が反射表示画素からなる透過散乱型の液晶表示素子15の画素電極毎にRGBのモザイクカラーフィルタを形成し、各色画素電極にRGBの画像信号電圧を印加してカラー画像とすればよい。

0121

(実施例2)実施例1における表電極基板の微細な凹凸形成法とは異なる形成法を以下の実施例で採用する。図11を参照する。まず、表面が平坦な表電極基板のガラス基板151の表面に最終転写層161として、ガラス基板屈折率ng =1. 5と同程度の屈折率を有するSiON膜をCVD法により膜厚1〜2μm成膜する。SiONは屈折率約1. 46のSiO2 と屈折率約1. 7のSiNの混在した組成であるため、CV成膜条件により屈折率1. 46〜1. 7の任意の屈折率膜を成膜できる。

0122

次に通常のホトエッチングに用いられるホトレジストを第1転写層162としてSiON膜上に膜厚1〜2μm程度均一に塗布した後、ベーキングしてある程度固める。さらに、そのホトレジスト層に、実施例1と同様の微細な鋸歯状形状が刻印されたマスタ基板170を用いてプレスすることにより、微細な鋸歯状形状をホトレジスト層である第1転写層162に転写する。

0123

このようにして得られたSiON層とホトレジスト層とが積層された基板を、イオンエッチング法により表面エッチングする。このとき、SiONのエッチングレートとホトレジストのエッチングレートが同程度となり、かつ異方性の強いエッチング条件により、ホトレジストがなくなるまでエッチングすることにより、マスタ基板に刻印された微細な鋸歯状形状がSiON層からなる最終転写層161に転写される。

0124

このようにして、ガラス基板上に微細な鋸歯状形状のSiON層が形成され、その上に透明電極膜を形成することにより表電極基板が作製できる。実施例1に比べて、凹凸層が樹脂でなくSiONであるため、耐熱性等の耐久性の点で高い信頼性が維持できる。

0125

上記説明ではマスタ基板の微細な鋸歯状形状を最初に転写する第1転写層162としてホトレジストを用いたが、マスタ基板の微細形状の転写およびイオンエッチング可能な材料であれば何でもよい。また、最終転写層161としては屈折率が基板ガラスと同程度でイオンエッチング可能な材料であれば、SiON以外の材料でもよい。

0126

また、第1転写層162と最終転写層161のイオンエッチングレートが同一である必要はない。最終転写層162に比べ第1転写層162のレートが早い場合はマスタ基板の微細な鋸歯状形状と比較して深さが浅く傾斜が緩慢な凹凸面となり、第1転写層のレートが遅い場合はマスタ基板の微細な鋸歯状形状と比較して深さが深く傾斜が急峻な凹凸面となるため、最終転写層161と第1転写層162のエッチングレートの相違を調整することにより最終的に必要とされる凹凸形状を任意に調整できる。

0127

(実施例3)実施例1および実施例2における表電極基板の微細な凹凸形成法とは異なる形成法を以下の実施例で説明する。表電極基板のガラス基板平面にホトレジストを塗布し硬化させた後、格子単位ピッチが約6μmで開口部が約2μm×2μmである格子パターンをホトレジストの露光および現像により形成する。

0128

次にガラス基板を溶解するHFエッチング液に長時間浸透させることによりホトレジストをマスクとして2μm×2μmの開口部からガラスが浸食されホトレジスト下面もオーバエッチングにより浸食される。その結果、格子単位ピッチに一致したピッチの微細な凹凸がガラス基板に直接形成される。この場合、半球状の凹凸形状が形成されるが大半が微細な傾斜面であるため、拡散反射面となり有効である。次に、残留ホトレジストを剥離した後にその上に透明電極膜を形成することにより表電極基板が完成する。

0129

(実施例4)実施例1では、反射型の液晶表示素子15を単体で用いる例を示したが、各色毎に複数個の反射型の液晶表示素子15を用いフルカラー表示を行うこともできる。複数の反射型の液晶表示素子を各色毎に設けた場合には、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズム等で色合成してから投射するように構成してもよく、個々に投射してスクリーン上で色合成されるようにしてもよいが、色合成してから投射する方が光軸が一本になるので、小型で携帯を必要とする用途においては有利である。

0130

RGB各色毎に3個の透過散乱型の表示素子(15B、15G、15R)を用いた場合の投射型表示装置300の構成を示す模式的な平面図を図5に、側面図を図6に示す。ここでは、Red波長光を反射しGreenとBlueの波長光を透過する平板型ダイクロイックミラー41とBlue波長光を反射しGreen波長光を透過する平板型ダイクロイックミラー42とを入射光の光軸に対して入射角が30°になるよう、また各々のダイクロイックミラー41と42が60°の角度をなすように配置されている。

0131

そして、Red用の反射型液晶表示素子15Rと偏心平凸レンズ14Rがダイクロイックミラー41の反射面に対して面対称位置に配置され、Blue用の反射型液晶表示素子15Bと偏心平凸レンズ14Bがダイクロイックミラー42の反射面に対して面対称位置に配置されている。このような構成とすることによりにダイクロイックミラー41、42を色分離系および色合成系として共用できるため、小型化しやすい。

0132

このような平板型ダイクロイックミラーを用いたRGB3板の反射型の液晶表示素子構成とすることにより、実施例1の単板反射型表示素子構成に比べて、RGBの色純度を保ったまま高い光利用効率の投射型カラー表示装置が実現できる。

0133

(実施例5)上記の実施例1〜4では、正方形画素の1辺長さa=40μm、縦768個×横1024個、多結晶Si−TFT、表示対角長約2インチサイズであったが、本例では反射型液晶表示素子として、1辺の長さa=20μmの正方形画素が縦768個×横1024個から構成され、アクティブマトリックスとして単結晶SiのMOSトランジスタを用いた表示対角長約1インチサイズの反射型液晶表示素子を用いる。

0134

反射画素電極はアクティブマトリックス基板に絶縁体膜を形成しさらに絶縁体膜にコンタクトホールを形成した後、アルミニウム膜を製膜およびパターニングする。アルミニウム反射電極を光学的鏡面にするため、化学研磨(CMP:ケミカルメカニカルポリッシング)をする。または、下地絶縁膜をCMPにより平坦化した後、アルミニウム反射電極を成膜し、パターニングする。さらに、アルミニウム面に誘電体膜を積層して増反射膜とする。

0135

このようにして作製された反射電極の画素に占める開口率は90%程度であり、反射電極の反射率は95%以上が可能である。表電極基板および裏電極基板と組み合わせ実施例1と同様にして反射型液晶表示素子が作製される。

0136

このようにして作製される反射型液晶表示素子15R、15G、15BをRGB各波長毎に用いた3板構成の投射型表示装置とする場合、実施例3に用いられた2枚の平板型ダイクロイックミラー41、42では、ガラス基板透過に伴って生じる非点収差の影響やミラー面の平坦性精度の点でRGB各パネルの20μm画素を画素ズレなく合わせることが困難となる。

0137

したがって、このような表示精細度の場合は、複数のダイクロイックミラー面が形成されたプリズムをプリズム材料と同じ屈折率を有する接着剤を用いて接合した色分離合成プリズムを用いる。本実施例では4種の台形プリズムを接合し、図7の平面図および図9の側面図のように色分離合成プリズム50が配置された投射型表示装置400とする。

0138

ここでは、Blue波長光を反射しGreenとRedの波長光を透過するダイクロイックミラー面41とRed波長光を反射しGreenの波長光を透過するダイクロイックミラー面42とを入射光の光軸に対して入射角が30°になるように、また各々のダイクロイックミラー面41と42が60°の角度をなすようにプリズム51、52、53、54の形状が加工され、ダイクロイックミラーがプリズム51と53の傾斜面に成膜されている。

0139

また、プリズム52と54はダイクロイックミラー面41に対して対称形状であり、プリズム53と54はダイクロイックミラー面42に対して対称形状である。また、RGB用の各反射型表示素子に対応したプリズムの光入出射面には、各波長での残留反射率が0. 1%以下となる反射防止膜が成膜されている。このような色分離合成プリズム50を用いた構成とすることにより、ダイクロイックミラー面の平面精度は維持されるとともに非点収差は存在しない。

0140

ダイクロイックミラー面の入射角度が30°の場合、本実施例のプリズム接合構成の場合は平板型ダイクロイックミラーと比較してダイクロイックミラーの分光特性偏光依存性が増大し、RGBの各色純度が劣化しやすい。

0141

この課題の対策としては、色分離合成プリズム50と光源系1との間にBlueとGreenとの間の波長光、例えば495〜510nm、を減光するフィルタやGreenとRedとの間の波長光、例えば570〜595nmを減光するフィルタを配置すれば改善される。

0142

別な対策としては、RGB用の各反射型表示素子に対応したプリズムの光入出射面にRGB各主波長λに対応したλ/4位相差板接着した後各波長での残留反射率が0. 1%以下となる反射防止膜を位相差板表面に成膜することにより、SP偏光いずれかのダイクロイックミラー分光特性が選択されるため、色純度は改善される。

0143

本実施例では、RGB各反射型の液晶表示素子に平凸レンズが接合された構成が示されているが、平凸レンズの平面をRGB用の各反射型の液晶表示素子に対応したプリズムの光入出射面に接合し、表示素子の表電極基板の空気界面に各波長での残留反射率が0. 1%以下となる反射防止膜を成膜する構成でもよい。

0144

本実施例では、楕円鏡12により第1の絞り13の開口部に集光されるランプ出射光は投射レンズ17の下側に配置されたコールドミラー19により光軸が直角に偏向されている。このような構成により、投射レンズと楕円鏡の干渉配置を回避している。

0145

(実施例6)実施例5の色分離合成プリズム50は4種のプリズム51、52、53、54を全て接着し空気層のギャップを設けない構成であるが、実施例5において色分離合成プリズムのダイクロイックミラー面41に空気層ギャップを設けるプリズム構成の例を以下に説明する。

0146

実施例5と異なる色分離合成プリズム60と実施例5と同様のRGB用の平凸集光レンズ14B、14G、14Rと反射型表示素子15R、15G、15Bを用いた投射型液晶表示装置500の配置状態を示すの部分平面図を図9に示す。光源系や投射レンズ等の他の構成は実施例5と同様であるため図示を省略した。

0147

ダイクロイックミラー面41はBlue波長光を反射しGreenとRedの波長光を透過し、入射光の光軸に対して入射角が25°になるようにプリズム61およびプリズム62が加工された後プリズム61の一面に成膜される。

0148

ダイクロイックミラー面42はRed波長光を反射しGreenの波長光を透過し、入射光の光軸に対して入射角が13°になるようにプリズム62およびプリズム63が加工された後、プリズム62の一面に成膜される。このような3種のプリズム61、62、63により本実施例の色分離合成プリズムは構成されている。

0149

なお、実施例5および本実施例の色分離合成プリズムは白色自然光の画像を単一の撮像レンズにより取り込みRGBの3色に色分解した後、3種の撮像装置によって検出するときに従来より用いられている色分離プリズムと概略同じ機能・構成の光学素子である。

0150

プリズム62とプリズム63はダイクロイックミラー面41において、約5〜50μm程度のギャップを保つように向かい合うプリズム面ギャップ調整材混入されたシール材を塗布して接合されることにより、空気層が形成されている。プリズム62の空気層との界面には反射防止膜が成膜されている。また、各RGB波長光が入出射するプリズム面には実施例5と同様に、反射防止膜が成膜されている。

0151

プリズム61とプリズム63は実施例5と同様にプリズムと屈折率の等しい接着剤を用いて接合されている。このような構成とすることにより、入射光のうち、ダイクロイックミラー面41で反射されたBlue波長光はプリズム1の光入射側の空気との界面で全反射して平凸レンズ14BによりBlue用反射型表示素子15Bへ集光され、ダイクロイックミラー面41を透過した光のうち、ダイクロイックミラー面42で反射されたRed波長光はプリズム62とプリズム63の間に形成された空気層との界面で全反射して平凸レンズ14RによりRed用の反射型液晶表示素子15Rへ集光される。

0152

このような空気層全反射面を導入することにより、ダイクロイックミラー面41およびダイクロイックミラー面42における入射光の入射角度を30°以下になるようにプリズム形状を工夫できるため、ダイクロイックミラー41、42の分光特性の偏光依存性が低減される。その結果、RGB色純度が高く光損失の少ない色分離合成プリズムが得られる。

0153

また、実施例5の構成に比べ小型な色分離合成プリズムとなる。本発明は、このほか、本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能である。

図面の簡単な説明

0154

図1本発明の投射型液晶表示装置の第1の構成例を示すブロック図。
図2本発明の投射型液晶表示装置に用いられる反射型表示素子の構成例を示す断面図。
図3本発明の投射型液晶表示装置の第1の構成例を示す平面図。
図4本発明の投射型液晶表示装置の第1の構成例を示す側面図。
図5本発明の投射型液晶表示装置の第2の構成例を示す平面図。
図6本発明の投射型液晶表示装置の第2の構成例を示す側面図。
図7本発明の投射型液晶表示装置の第3の構成例を示す平面図。
図8本発明の投射型液晶表示装置の第3の構成例を示す側面図。
図9本発明の投射型液晶表示装置の第4の構成例の一部を示す平面図。
図10第1の転写法による表電極基板の凹凸面の製造を示す説明図。
図11第2の転写法による表電極基板の凹凸面の製造を示す説明図。

--

0155

1:光源系
2:投射光学系
4:色分離合成系
11:光源
12:楕円鏡
13:第1の開口絞り
14、14R、14B、14G:集光レンズ
15、15B、15G、15R:液晶表示素子
16:第2の開口絞り
17:投射用レンズ
18:錐体状プリズム
19:コールドミラー
41、42:ダイクロイックミラー
50、51、52、53、54、60、61、62、63:プリズム
151:表電極基板
152:透明電極
153:裏電極基板
154:反射機能層(反射電極)
155:液晶/樹脂複合体

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 冨士ベークライト株式会社の「 カバーパネル及びその製造方法」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】偏光サングラス等の偏光板を通して液晶表示パネルを見た場合であっても、ブラックアウトや虹ムラの発生が抑制され良好な視認性を確保することができるカバーパネルを提供する。【解決手段】自動車に搭載され... 詳細

  • 株式会社ジャパンディスプレイの「 センサ付き表示装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】検出性能を向上できるようにしたセンサ付き表示装置を提供する。【解決手段】センサ付き表示装置は、表示領域AAと、表示領域の周辺に位置する周辺領域NAAとを有する基板と、表示領域AAに配置され、行... 詳細

  • 京セラ株式会社の「 液晶素子」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】 温度上昇等による液晶の膨張によって一対の基板の基板間ギャップが拡がることを効果的に抑え、その結果ギャップの拡大による性能劣化を抑えること。【解決手段】 液晶素子は、多角形からなる一対の基... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ