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技術 高処理量及び低流体容積要件を有するパッチ固定装置及び方法

出願人 ソフィオンバイオサイエンスアクティーゼルスカブ
発明者 オルセンセーレンペテルクリストフェルセンパーレ
出願日 1995年6月7日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1996-514270
公開日 1998年9月22日 (22年3ヶ月経過) 公開番号 1998-509794
状態 特許登録済
技術分野 サンプリング、試料調製 特有な方法による材料の調査、分析 微生物・酵素関連装置
主要キーワード ヘッドステー 廃棄物収集容器 支持液体 金属パーツ 支持流体 電気的測定値 管状コイル 連結バルブ
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重要な関連分野

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図面 (13)

課題・解決手段

生体組織イオン移動シャネル上のある物質の作用を研究するのに使用されるパッチクランプ技術を実行するための装置、更に詳しくは、高いスループットを提供するためにHPLC装置と共に使用されるような自動サンプラーを使用したパッチクランプ装置が開示される。本発明は更に、ごく少量のテストすべき物質とごく少量の液体キャリヤを用い、それによって、短時間で多くのテストを完了することができるようにすることができる新規マイクロ灌流チャンバアセンブリを含む。本発明は更に広くは、高いスループットを提供し、かつ、ごく少量の溶液およびテストすべきサンプルしか必要としない化学物質スクリーニングするための新規な電気生理学的薬剤取扱いおよび適用装備に関する。本発明は又、本発明の装置を使用するための幾つかの新規な手順を含む。

概要

背景

概要

生体組織イオン移動シャネル上のある物質の作用を研究するのに使用されるパッチクランプ技術を実行するための装置、更に詳しくは、高いスループットを提供するためにHPLC装置と共に使用されるような自動サンプラーを使用したパッチクランプ装置が開示される。本発明は更に、ごく少量のテストすべき物質とごく少量の液体キャリヤを用い、それによって、短時間で多くのテストを完了することができるようにすることができる新規マイクロ灌流チャンバアセンブリを含む。本発明は更に広くは、高いスループットを提供し、かつ、ごく少量の溶液およびテストすべきサンプルしか必要としない化学物質スクリーニングするための新規な電気生理学的薬剤取扱いおよび適用装備に関する。本発明は又、本発明の装置を使用するための幾つかの新規な手順を含む。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
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請求項1

膜のイオン移動チャネル上の化合物テストサンプルの作用を確認する装置であって、テストサンプル溶液を収容可能な複数の容器と、前記各容器から、前記テストサンプルを自動的に取り出し、受け器に排出する手段を備えた自動サンプラーと、支持液体を収容可能な容器と、テストサンプル溶液、支持液体および前記膜を受け入れ可能な灌流チャンバであって、該チャンバ内に含まれる溶液と電気的に接触可能な基準電極を備えた灌流チャンバと、前記自動サンプラーの受け器から、前記テストサンプル溶液を、その容器から支持液体を、前記灌流チャンバに移送する手段と、前記テストサンプルおよび前記支持液体を、前記灌流チャンバから取り去る手段と、その内部に電極を備え、前記灌流チャンバ上を移動可能に位置し、高電気抵抗シールに、前記チャンバ内に位置している前記膜のパッチの表面を提供するパッチ・ピペットと、前記パッチ・ピペット電極および前記基準電極に電気的に接続され、前記テストサンプルを前記灌流チャンバに導入する前後に、前記両電極を流れる電流を測定する手段を備えた装置。

請求項2

テストサンプルおよび支持液体を前記灌流チャンバに移送する手段が、前記灌流チャンバ上に取付けられ、テストサンプルおよび支持液体を前記灌流チャンバ内に放出する孔を有するU型管を備えた請求の範囲第1項に記載の装置。

請求項3

膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプルの作用を確認する装置であって、テストサンプル溶液を収容可能な複数の容器と、前記各容器から、前記テストサンプルを自動的に取り出し、受け器に排出する手段を備えた自動サンプラーと、支持液体を収容可能な容器と、テストサンプル溶液、支持液体および前記膜を受け入れ可能なマイクロ灌流チャンバであって、その容積が約5マイクロリットルないし約50マイクロリットルで、該チャンバ内に含まれる溶液と電気的に接触可能な基準電極を備えたマイクロ灌流チャンバと、前記自動サンプラーの受け器から、前記テストサンプル溶液を、その容器から支持液体を、前記マイクロ灌流チャンバに移送する手段と、前記テストサンプルおよび前記支持液体を、前記マイクロ灌流チャンバから取り去る手段と、その内部に電極を備え、前記マイクロ灌流チャンバ上を移動可能に位置し、高電気抵抗シールに、前記チャンバ内に位置している前記膜のパッチの表面を提供するパッチ・ピペットと、前記パッチ・ピペット電極および前記基準電極に電気的に接続され、前記テストサンプルを前記マイクロ灌流チャンバに導入する前後に、前記両電極を流れる電流を測定する手段を備えた装置。

請求項4

前記マイクロ灌流チャンバの容積が約10マイクロリットルないし約15マイクロリットルの範囲にある請求の範囲第3項に記載の装置。

請求項5

前記マイクロ灌流チャンバの容積が約10マイクロリットルないし約12マイクロリットルの範囲にある請求の範囲第3項に記載の装置。

請求項6

さらに、前記マイクロ灌流チャンバから廃液吸い出す手段を備えた請求の範囲第3項に記載の装置。

請求項7

前記容器から、前記テストサンプルを自動的に取り出し、受け器に排出する前記自動サンプラーの前記手段が、注入ポンプとそれに接続されたニードルを備えた請求の範囲第3項に記載の装置。

請求項8

管状コイルが、前記マイクロ灌流チャンバの中に導入されたサンプルの体積を定量的に測定するために前記テストサンプルを移送する手段と直列に配置されている請求の範囲第3項に記載の装置。

請求項9

ベースと、前記ベースに設けられた孔と、前記ベースの底部にわたる透明手段とを有し、前記孔及び前記透明手段は協働して、前記マイクロ灌流チャンバの前記側壁と底部とを構成し、更に、前記チャンバ内の液体と接触するように配置された基準電極と、液体を前記チャンバの中に導入する手段と、液体を前記チャンバから吸い出す手段と、前記基準電極を電気計測装置に電気的に接続する手段とを有するマイクロ灌流チャンバアセンブリ

請求項10

前記チャンバの底部を形成する前記透明手段は、透明なカバーガラスである請求の範囲第9項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項11

前記ベースは、少なくとも前記マイクロ灌流チャンバの側壁を構成する孔の表面上に蒸着されたハロゲン化銀被覆を有する銀を備え、それにより、前記チャンバ内に入っている液体と電気的に接触をするようになった前記ベースの基準電極を提供する請求の範囲第9項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項12

前記ベースは、少なくとも前記マイクロ灌流チャンバの側壁を構成する孔の表面上に蒸着された塩化銀の被覆を有する銀を備える請求の範囲第9項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項13

前記ベースは、前記チャンバの側壁を含む表面全体にわたって蒸着された塩化銀の被覆を有する銀を備える請求の範囲第12項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項14

前記マイクロ灌流チャンバは、円筒状、截頭円錐状、又は、楕円状である請求の範囲第13項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項15

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約5マイクロリットルないし約50マイクロリットルである請求の範囲第13項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項16

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルないし約15マイクロリットルである請求の範囲第13項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項17

マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルないし約12マイクロリットルである請求の範囲第13項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項18

非導電性材料で形成されたベースと、前記ベースに設けられた孔と、前記ベースの底部の透明カバー手段とを有し、前記孔と前記透明カバー手段は協働して、前記マイクロ灌流チャンバの側壁と底部を構成し、更に、前記マイクロ灌流チャンバの側壁を貫通して前記ベースに設けられ、かつ、前記チャンバの中に入っている液体と電気的に接触するように配置された基準電極と、液体を前記チャンバに導入する手段と、液体を前記チャンバから吸い込む手段と、前記基準電極を電気計測装置に電気的に接続する手段とを有するマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項19

前記ベースはプラスチック材料からなる請求の範囲第18項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項20

前記プラスチック材料が、ポリメチルメタクリレートポリスチレンポリ塩化ビニル、又は、ポリカーボネートである請求の範囲第19項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項21

前記電極が、粒状の銀とハロゲン化銀との混合物により取り囲まれた銀製ワイヤを有する請求の範囲第18項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項22

前記電極が、粒状の銀と塩化銀との混合物によって取り囲まれた銀製ワイヤを有する請求の範囲第18項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項23

前記粒状の銀と塩化銀が前記銀製ワイヤに固定されている請求の範囲第22項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項24

液体を前記マイクロ灌流チャンバの中に導入する前記手段は、前記チャンネルを構成するように前記透明カバー手段と協働する、前記ベースに設けられた溝であり、前記チャンネルの近位端は、前記マイクロ灌流チャンバと連通しており、更に、前記ベースの上に設けられた孔は、前記チャンネルの遠位端と連通し、かつ、液体を前記マイクロ灌流チャンバの中に導入するために、そこに連結された流入ダクトを持つようになっている請求の範囲第18項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項25

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約5マイクロリットルから約50マイクロリットルである請求の範囲第24項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項26

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約15マイクロリットルである請求の範囲第24項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項27

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約12マイクロリットルである請求の範囲第24項に記載のマイクロ灌流チャンバアセンブリ。

請求項28

灌流チャンバに収容された膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプルの作用を確認する方法であって、内部に電極を有するパッチ・ピペットが前記膜の表面でギガオームシールに係合したチップを有し、前記チャンバ内には前記チャンバに収容された溶液と接触するようになった基準電極が設けられ、移動特性ベースライン基準として確認されるべきイオンを含む支持液体を前記チャンバに連続的又は定期的に導入し、同じ支持液体に溶解された前記テストサンプルの1つを、テストサンプル溶液を保持した複数の容器を有する自動サンプラーを用いて、前記チャンバに定期的に装入し、前記テストサンプルを前記チャンバに導入する前後の両方で、前記ピペット・電極と前記基準電極とに接続された電気測定段回路を流れる電流を測定し、かかる手順を繰り返す、灌流チャンバに収容された膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプルの作用を確認する方法。

請求項29

前記支持液体を前記灌流チャンバに連続的に導入し、過剰な支持液体を吸引し、かつ、テストサンプルを前記支持液体の流れに定期的に導入して前記支持液体と共に前記灌流チャンバに流入させるように前記自動サンプラーをプログラミングする請求の範囲第28項に記載の方法。

請求項30

前記マイクロ灌流チャンバは、約5マイクロリットルから約50マイクロリットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバである請求の範囲第29項に記載の方法。

請求項31

前記マイクロ灌流チャンバ、約10マイクロリットルから約15マイクロリットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバである請求の範囲第29項に記載の方法。

請求項32

前記マイクロ灌流チャンバは、約10マイクロリットルから約12マイクロリットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバである請求の範囲第29項に記載の方法。

請求項33

前記支持液体を前記灌流チャンバに定期的に導入し、過剰な支持液体を吸引し、かつ、テストサンプルを前記支持液体の流れに定期的に導入して前記支持液体とと共に前記灌流チャンバに流入させるように前記自動サンプラーをプログラミングする請求の範囲第28項に記載の方法。

請求項34

前記自動サンプラーの容器の幾つかは前記支持液体を収容し、かつ前記支持液体および前記テストサンプルを順次前記灌流チャンバに導入するように前記自動サンプラーをプログラミングする請求の範囲第33項に記載の方法。

請求項35

テストサンプルと支持液体の両方をごく少量ずつ用い、前記灌流チャンバが約5から50マイクロリットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバであり、前記自動サンプラーの容器の幾つかは前記支持液体を収容し、前記自動ンプラーは初めに前記容器の1つから1容量の支持溶液を吸引し、この支持溶液を前記マイクロ灌流チャンバに入れ、前記自動サンプラーは前記容器の1つからテストサンプルを順次吸引し、このテストサンプルをマイクロ灌流チャンバに入れて前記チャンバ内の前記支持液体と置換し、前記支持液体が前記マイクロ灌流チャンバ内にあるときと、前記テストサンプルが前記マイクロ灌流チャンバ内にあるときの両方で電気測定を行う請求の範囲第28項に記載の方法。

請求項36

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約15マイクロリットルである請求の範囲第35項に記載の方法。

請求項37

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約12マイクロリットルである請求の範囲第35項に記載の方法。

請求項38

前記電極に外部電流印加して基準電流を所望の値にもたらす請求の範囲第32項に記載の方法。

請求項39

前記電極に外部電流を印加して基準電流を所望の値にもたらす請求の範囲第37項に記載の方法。

背景技術

0001

処理量及び低流体容積要件を有する
パッチ固定装置及び方法
発明の分野
本発明は生体膜イオン移動チャンネルを研究するのに利用されるパッチ固定
法を実施するための装置に関し、より詳細には、高処理量を有し、且つ化合物
ほんの僅かなテストサンプル、すなわち、ほんの少量の液体キャリヤを利用し、
個々の膜パッチについて短時間で多くのテストを実施することのできるかかるパ
ッチ固定装置に言及する。本発明は化学物質又は化合物のスクリーニングのため
提示され、高処理量を提供し、且つテストすべき溶液及びサンプルの低容積
すむ新規電気生理学薬取扱い及び適用にもっと広く言及する。本発明は又本発
明の装置を利用するためのいくつかの方法を含む。
先行技術

0002

マイクロピペットを使用して膜のパッチを電気的に隔離すること及び電圧−固
定条件下でそのパッチのイオンチャンネルを研究することの一般的な考えはプフ
ルエガアーチ(Pflueger Arch)375;219−278,19
78年「細胞外パッチ固定、生体膜の個々の開放チャンネルの中の電流解明
る方法」にネーハー,サクマン,及びステインバックによって概説されている。
彼らが発見したことは、アセチルコリンを収容するピペット(ACH)を筋肉細胞
膜の表面に押しつけることによって、彼らがACH−活性イオンチャンネルの開
閉に帰する電流の不連続のジャンプを見ることができたことである。しかしなが
ら、彼らの仕事がピペットのガラスと膜との間のシール抵抗(10−50MΩ
)がチャンネルの抵抗(−10GΩ)に対して大変小さい事実によって制限され
た。かかるシールから生じる電気ノイズは抵抗に逆比例し、イオンチャンネルを
通る電流を分かり難くする程大きく、イオンチャンネルのコンダクタンスはAC
Hチャンネルのコンダクタンスよりも小さい。電気ノイズはまたピペットの
電圧を、生ずるシールを通る大電流により浴の値と異なる値に固定することを妨
げた。

0003

ガラスピペット火仕上げし、ピペットが細胞の表面と接触するときピペット
の内部に僅かな吸引を付与することによって、ノイズ大きさの程度)を生物
関心事の殆どのチャンネルを研究することができるレベルまで減じ、且つこれ
らの研究をすることができる電圧範囲を大きく伸ばした大変高い抵抗(1−10
0GΩ)のシールを得ることができたことを発見した。この改良されたシールは
「ジガ−シール」と呼ばれ、ピペットは「パッチピペット」と呼ばれてきた。パ
ッチ固定法を開発する仕事について、ネーハ及びサクマンは生理学及び医学部
で1991ノーベル賞授与された。

0004

イオンチャンネルは細胞膜を横切る無機イオンの移動を引き起こす膜貫通型
白質である。イオンチャンネルは活動電位シナプス伝達ホルモン分泌、筋
肉の収縮等の発生およびタイミングのような種々の過程に関係する。多くの薬は
それらの特殊な効果をイオンチャンネルの転形を経て発揮する。例は脳の電圧依
存Na+−チャンネルを遮断するフェニトイン及びラモトリジンのような抗てん
かん化合物、スムースな筋肉細胞の電圧依存Ca2+−チャンネルを遮 断するニ
フェジピン及びジルチアゼムのような抗高血圧薬、及び膵臓ATPK+−
チャンネルを遮断するグリベンクラミド及びトルグタミドのようなインシュリン
放出の刺激薬である。イオン−チャンネル活性化学的誘導される転形に加え
て、パッチ固定法により科学者は電圧依存チャンネル操作を行うことができた。
これらの方法はパッチピペットの電極極性を調整すること、及び塩水組成を変
えて浴溶液中の自由イオンレベルを調整することを含む。

0005

パッチ固定法は生物学及び医薬の主要な開発を代表する、と言うのはこのパッ
チ固定法により単一のイオンチャンネル蛋白質の中を通るイオンの流れの測定を
可能にし、且つ又薬に対する単一のイオンチャンネル応答の研究を可能にするか
らである。簡単に言えば、普通のパッチ固定法では、細い(直径が<1μm)ガ
ラス製ピペットが使用される。このパッチピペットの先端を細胞膜の表面に押し
つける。ピペットの先端は細胞に対して気密にシールし、膜の小さなパッチ内の
数個のイオンチャンネル蛋白質を隔離する。これらのチャンネルの活性を電気的
に測定することができ(単一のチャンネル記録)、或いは別のやり方として、パ
ッチ固定を破ることができて細胞膜全体のチャンネル活性の測定を可能にする(
全体の細胞記録)。

0006

単一チャンネル記録及びセル全体記録の両方の間、個々のチャンネル特殊型
活性を、膜を横切って「電圧固定」を負荷することによってなお一層分解させる
ことができる。フィードバック閉回路を使用することによって、「電圧固定」は
膜を横切って電圧勾配を負荷して全チャンネル活性を制限し不連続チャンネル特
殊型の溶解を可能にする。

0007

そのような実験における溶解率及び電圧制御は見事であり、しばしば、ミリセ
カンドの範囲であり、あるいは、マイクロセカンドの範囲ですらある。しかしな
がら、薬学上のスクリーニングにおける一般的な方法としてのパッチ固定法の主
要な障害は、日当たり(典型的には1、2日程度)に試験することができる化合
物の数が限られていることである。また、セル及びパッチの周囲で行われる溶解
変化が非常に低速であるということが重要な障害となるかもしれない。

0008

パッチ固定技術の処理量を決定する重要な制限は、溶解された化合物を灌流
れたセルおよびパッチに導く供給装置性質である。通常のパッチクランプの構
成において、セルは、生理塩水によって連続的に灌流された大きな実験チャンバ
(0.2ないし2ml)の中に置かれる。次に、入口を少数の供給びんに連結さ
れた弁に切り換えることによって化合物が与えられる。しかしながら、この従来
技術には多くの問題が存在する。第1に、化合物の数がアプリケーション装置
一回に連結されるびんの数によって制限されることである。この数は通常6より
小さい。第2に、支持液体及び試験されるサンプルの必要な容量が極めて多いこ
とである。第3に、セル及びパッチの周囲の溶解化合物を変化させるために必要
な時間が通常のパッチクランプ実験にしては長いことである。第4に、試験され
る化合物の導入及びアプリケーションが非常に多くの手による操作及び中断を含
み、従ってセル/ピペット連結の完全性危険にさらすことである。

0009

U管や他の装置のようなチャンネルを調整した神経伝達体(neurotransmitter
)を活性化するための化合物を局部的なアプリケーションを行うための精巧な装
置の開発は、実際上のアプリケーション時間を、多くの場合受入れられる10な

し100msecまで短縮させる。しかしながら、この速いアプリケーション装
置によって換えられなければならないバス溶液の容積はまったく大きく、多数の
化合物を一日にスクリーニングするための限られた容量となっている。このこと
が目下、医療産業において、これらの手順をとることを制限している。重要な理
由は、U管を満たす供給装置の不撓性と小容積にある。これらの装置は従来のパ
ッチ固定実験で使用される装置と事実上同じであり、それ故これらの装置の不便
さによってなお苦しめられている。
発明の目的
本発明によれば、驚くことにパッチ固定技術を自動サンプラー組合わせる
ことを可能としたが、特に、該技術が自動サンプラーから発生する振動や電気ノ
イズのような障害に敏感でありせいぜい不可能すなわち不作動の組合せであると
見做されていたという事実により、この組合せは当業者に対し当初非自明であっ
た。

0010

本発明の目的は、自動薬剤処理及びアプリケーション装置を提供し適応させる
こと、さらにイオンチャンネル移送の結果を測定するために化学物質あるいは化
合物をスクリーニングする電子式生理学装置において該装置を利用することであ
り、新規なこの装置は処理量が多く流体容量がと少ないものである。

0011

本発明の目的はさらに、スクリーニングの速度を早くすることに加え、試験さ
れるいかなる化合物の必要量も少なくし、これによって製薬会社の商業的スクリ
ニングに適した最初の電子的生理学試験装置を提供することである。

0012

本発明の目的はさらに、極端に小さい容積のマイクロ灌流チャンバを有する新
規なマイクロ灌流チャンバ構造を提供することである。

0013

本発明はさらに付加的な目的として、本発明による装置を利用するパッチ固定
技術を実施する新規な方法を提供することである。本発明の上述した及び他の目
的、利点、及び特徴的主要点は、実施例について添付図面と一緒に検討される以
下の説明から明らかになり、添付図面においては符合する参照番号が多数の図に
わたって符合する要素を示している。
発明の概要

0014

次いで、出願人が発明であると信じているものは、とりわけ、以下のものを、
単独で、或いは、組み合わせて、含む。

0015

膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプルの作用を確認するための
装置であって、

0016

テストサンプル溶液を収容するようになった複数の容器と、前記各容器から前
記テストサンプルを自動的に取り出し、これらのテストサンプルを受け器に排出
するための手段とを備えた自動サンプラーと、

0017

支持液体を収容するようになった容器と、

0018

テストサンプル溶液と、支持液体と、前記膜とを受け入れるようになった灌流
チャンバを有し、該灌流チャンバが、前記灌流チャンバ内に収容された溶液と電
気的に接触するようになった基準電極を備え、

0019

前記自動サンプラーの受け器から前記テストサンプル溶液を、その容器から支
液体を、前記灌流チャンバに移送するための手段と、前記テストサンプル及び
前記支持液体を前記灌流チャンバから取り去るための手段と、

0020

内部に電極を備え、前記灌流チャンバ上に移動可能に位置決めされ、高電気抵
抗シールに、前記チャンバ内に位置決めされた前記膜のパッチの表面を提供する
ようになったパッチ・ピペットと、

0021

前記パッチ・ピペット電極及び前記基準電極に電気的に接続された、前記テス
トサンプルを前記灌流チャンバに導入する前後に、前記両電極を流れる電流を測
定するための手段と、

0022

を有する装置。

0023

テストサンプル及び支持液体を前記灌流チャンバに移送するための手段が、前
記灌流チャンバ上に取付けられ、テストサンプル及び支持液体を前記灌流チャン
バ内に放出するための孔を備えたU型管を有する、前記装置。

0024

膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプルの作用を確認するための
装置であって、

0025

テストサンプル溶液を収容するようになった複数の容器と、前記各容器から、
前記テストサンプルを自動的に取り出し、これらのテストサンプルを受け器に排
出するための手段とを備えた自動サンプラーと、

0026

支持液体を収容するようになった容器と、

0027

テストサンプル溶液と、支持液体と、前記膜とを受け入れるようになったマイ
クロ灌流チャンバを有し、該マイクロ灌流チャンバの容積が約5マイクロリット
ル乃至約50マイクロリットルであり、前記マイクロ灌流チャンバが、該マイク
ロ灌流チャンバに収容された溶液と電気的に接触するようになった基準電極を備
え、

0028

前記自動サンプラーの受け器から前記テストサンプル溶液を、その容器から支
持液体を、前記マイクロ灌流チャンバに移送するための手段と、前記テストサン
プル及び前記支持液体を前記マイクロ灌流チャンバから取り去るための手段と、

0029

内部に電極を備え、前記マイクロ灌流チャンバ上に移動可能に位置決めされ、
高電気抵抗シールに、前記チャンバ内に位置決めされた前記膜のパッチの表面を
提供するようになったパッチ・ピペットと、

0030

前記パッチ・ピペット電極及び前記基準電極に電気的に接続された、前記マイ
クロ灌流チャンバへの前記テストサンプルの導入前後に、前記両電極を流れる電
流を測定する手段と、

0031

を有する装置。

0032

前記マイクロ灌流チャンバの容積が約10マイクロリットル乃至約15マイク
リットルの範囲にある前記装置。

0033

前記マイクロ灌流チャンバの容積が約10マイクロリットル乃至約12マイク
ロリットルの範囲にある装置。

0034

前記マイクロ灌流チャンバから廃液吸い出すための手段を備えた装置。

0035

前記容器から、前記テストサンプルを自動的に取り出し、これらのサンプルを
受け器に排出するための前記自動サンプラーの前記手段が、注入ポンプと該注入
ポンプに連結されたニードルを備えた装置。

0036

前記マイクロ灌流チャンバに導入されたサンプルの容積を量的に確認するため
管状コイルが、前記テストサンプルを移送するための前記手段と直列に位置決
めされている装置。

0037

また、マイクロ灌流チャンバアセンブリは、ベースと、このベースに設けられ
た孔と、上記ベースの底の上の透明手段とを有し、これら孔および透明手段は、
マイクロ灌流チャンバの両側壁および底を形成するように協働しており、また、
マイクロ灌流チャンバアセンブリは、マイクロ灌流チャンバの中の液体と接触す
るように配置された基準電極と、マイクロ灌流チャンバの中に液体を導入するた
めの手段と、マイクロ灌流チャンバから液体を吸い出すための手段と、基準電極
を電気的な測定機器に電気的に接続するための手段とを有する。

0038

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の底を形成する透明手段は透明なカバーグラスである。

0039

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記ベースは、マイク
ロ灌流チャンバの両側壁を形成する少なくとも上記孔の面の上に付着されたハロ
ゲン化銀からなるコーティングを備えた銀を有し、これにより、マイクロ灌流チ
ャンバの中に収容された液体と電気的に接触するようになった上記ベースの基準
電極を提供する。

0040

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記ベースは、マイク
ロ灌流チャンバの両側壁を形成する少なくとも上記孔の面の上に付着された塩化
銀のコーティングを有する銀を備えている。

0041

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記ベースは、マイク
ロ灌流チャンバの両側壁を含むその全ての面の上に付着された塩化銀のコーティ
ングを備えた銀を有する。

0042

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
は、円筒状、截頭円錐状長円状である。

0043

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は、約5マイクロリットルないし約50マイクロリットルである。

0044

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は、約10マイクロリットルないし約15マイクロリットルである。

0045

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は、約10マイクロリットルないし約12マイクロリットルである。

0046

マイクロ灌流チャンバアセンブリは、非導電性材料から作られたベースと、こ
のベースに設けられた孔と、上記ベースの底の透明カバー手段とを有し、これら
孔および透明カバー手段は、マイクロ灌流チャンバの両側壁および底を形成する
ように協働しており、また、マイクロ灌流チャンバアセンブリは、上記ベースに
設けられてマイクロ灌流チャンバの側壁を貫通して延び且つマイクロ灌流チャン
バの中に収容された液体と電気的に接触するように配置された基準電極と、マイ
クロ灌流チャンバに液体を導入するための手段と、マイクロ灌流チャンバから液
体を吸い出すための手段と、基準電極を電気的な測定機器に電気的に接続するた
めの手段とを有する。

0047

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記ベースはプラスチ
ック材料からなる。

0048

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記プラスチック材料
は、ポリメタクリル酸メチルポリスチレンポリ塩化ビニル、あるいはポリ
ボネートである。

0049

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記基準電極は、粒状
の銀とハロゲン化銀との混合物によって囲まれた銀ワイヤからなる。

0050

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記基準電極は、粒状
の銀と塩化銀との混合物によって囲まれた銀ワイヤからなる。

0051

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記粒状の銀および塩
化銀は、上記銀ワイヤに付着されている。

0052

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、上記のマイクロ灌流チ
ャンバに液体を導入するための手段は、上記ベースに設けられて、その近位端が
マイクロ灌流チャンバと連通するチャンネルを形成するように上記透明カバー手
段と協働する溝と、上記ベースの頂に設けられて、上記チャンネルの遠位端と連
通し且つマイクロ灌流チャンバに液体を導入するために上記チャンネルに連結さ
れた流入路を備えた孔とからなる。

0053

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は約5マイクロリットルないし50マイクロリットルである。

0054

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は約10マイクロリットルないし15マイクロリットルである。

0055

このようなマイクロ灌流チャンバアセンブリにおいて、マイクロ灌流チャンバ
の容積は約10マイクロリットルないし12マイクロリットルである。

0056

灌流チャンバに収容された膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプ
ルの作用を確認する方法であって、内部に電極を有するパッチ・ピペットが前記
膜の表面でギガオームシールに係合したチップを有し、前記チャンバ内には前記
チャンバに収容された溶液と接触するようになった基準電極が設けられ、

0057

移動特性ベースライン基準として確認されるべきイオンを含む支持液体を前
記チャンバに連続的又は定期的に導入し、

0058

同じ支持液体に溶解された前記テストサンプルの1つを、テストサンプル溶液
を保持した複数の容器を有する自動サンプラーを用いて、前記チャンバに定期的
装入し、

0059

前記テストサンプルを前記チャンバに導入する前後の両方で、前記ピペット・
電極と前記基準電極とに接続された電気測定段回路を流れる電流を測定し、か
かる手順を繰り返す、

0060

灌流チャンバに収容された膜のイオン移動チャネル上の化合物のテストサンプ
ルの作用を確認する方法と、

0061

前記支持液体を前記灌流チャンバに連続的に導入し、過剰な支持液体を吸引し
、かつ、テストサンプルを前記支持液体の流れに定期的に導入して前記支持液体
と共に前記灌流チャンバに流入させるように前記自動サンプラーをプログラミン
グするかかる方法と、

0062

前記マイクロ灌流チャンバは、5マイクロリットルから約50マイクロリット
ルの容積を有するマイクロ灌流チャンバであるかかる方法と、

0063

前記マイクロ灌流チャンバは、約10マイクロリットルから約15マイクロリ
ットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバであるかかる方法と、

0064

前記マイクロ灌流チャンバは、約10マイクロリットルから約12マイクロリ
ットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバであるかかる方法と、

0065

前記支持液体を前記灌流チャンバに定期的に導入し、過剰な支持液体を吸引し
、かつ、テストサンプルを前記支持液体の流れに定期的に導入して前記支持液体
とと共に前記灌流チャンバに流入させるように前記自動サンプラーをプログラミ
ングするかかる方法と、

0066

前記自動サンプラーの容器の幾つかは前記支持液体を収容し、かつ前記支持液
体および前記テストサンプルを順次前記灌流チャンバに導入するように前記自動
サンプラープログラミングするかかる方法と、

0067

テストサンプルと支持液体の両方を少量ずつ用い、前記灌流チャンバは、約5
から50マイクロリットルの容積を有するマイクロ灌流チャンバであり、前記自
動サンプラーの容器の幾つかは前記支持液体を収容し、前記自動ンプラーは初め
に前記容器の1つから1容量の支持溶液を吸引し、この支持溶液を前記マイクロ
灌流チャンバに入れ、前記自動サンプラーは前記容器の1つからテストサンプル
を順次吸引し、このテストサンプルをマイクロ灌流チャンバに入れて前記チャン
バ内の前記支持液体と置換し、前記支持液体が前記マイクロ灌流チャンバ内にあ
るときと、前記テストサンプルが前記マイクロ灌流チャンバ内にあるときの両方
で電気測定を行うかかる方法と、

0068

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約15マイ
クロリットルであるかかる方法と、

0069

前記マイクロ灌流チャンバの容積は、約10マイクロリットルから約12マイ
クロリットルであるかかる方法と、

0070

前記電極に外部電流印加して基準電流を所望の値にもたらすかかる方法と、

0071

前記電極に外部電流を印加して基準電流を所望の値にもたらすかかる方法と、

0072

が提供される。
図面の説明

0073

図1は、本発明のいくつかの実施形態を実施する際に組み合わせて用いられる
構成要素の集成装置全体の略図である。

0074

図2は、本発明の連続流れ法を実施する際に用いられる場合の装置の一部の略
図である。

0075

図3は、本発明のU型管法を実施する際に用いられる場合の改造された装置の
一部の略図である。

0076

図4は、本発明の停止流れ法を実施する際に用いられる場合の改造された装置
の一部の略図である。

0077

図5は、本発明の一実施態様にかかるマイクロ灌流チャンバ・プレートの平面
図である。

0078

図6は、図5の6−6線における図5に示すマイクロ灌流チャンバ・プレート
横断面図である。

0079

図7は、本発明の別の実施態様にかかるマイクロ灌流チャンバ・プレートアセ
ブリの平面図である。

0080

図8は、図7に示されるアセンブリのマイクロ灌流チャンバ・プレートの平面
図である。

0081

図9は、図7に示されるアセンブリのマイクロ灌流チャンバ・プレートの底面
図である。

0082

図10は、図8の10−10線における横断面図である。

0083

図11は、電圧依存性カルシウムチャネルに対する基準化合物の影響を表示す
グラフである。

0084

図12は、カルシウム活性化カリウムチャネルに対するテスト化合物の影響を
表示するグラフである。
好ましい実施形態の説明

0085

本発明は、自動サンプラー、例えば、HPLC装置とともに用いられる自動サ
ンプラーを利用したパッチ固定法を実施する装置を提供するものであり、数多く
の実験を、短時間の間に、実施する非常に迅速な手段を提供するものである。本
発明はまた、少量のテストサンプルおよび少量の支持液体のみを利用して、パッ
チ固定実験を実施可能にするものである。また、本発明は、非常に少量のテスト
サンプルおよび非常に少量の支持液体のみを利用しつつ、パッチ固定研究を支え
ることのできるマイクロ灌流チャンバのためのいくつかの新規な構造を提供する
ものである。本発明はまた、新規な装置を利用して、パッチ固定実験を実施する
ためのいくつかの異なった手法を提供するものである。

0086

図1を参照すると、本発明を実施するための構成要素のアセンブリ全体が示さ
れている。図示の装置は、「連続流れ法」と呼ばれる本発明の実施態様を実施す
るのに用いられるよう特に設計されている。しかしながら、このアセンブリは、
わずかな設計変更によって、以下に説明する本発明の他の実施態様を実施するた
めに利用することができる。構成要素のアセンブリ10は、ファラディケージ
14を支持するエア・テーブル12を有している。ファラディ・ケージ14内に
は、テーブルトップ18を支持するブリッジ16が設けられている。一般に、H
PLC(高速液体クロマトグラフィー)装置とともに用いられ、複式連結バルブ
22を備えた自動サンプラー20(ギルソンモデル(Gilson Model)231sl)が、
注入ポンプ24および蠕動ポンプ26(ギルソンモデル(Gilson Model)Minipl
us 3)とともに、テーブルトップ18上に取付けられている。テスト化合物溶液
が、自動サンプラー・トレー21内に配置されたサンプル容器28内に含まれて
いる。自動サンプラー20の構成部品であるニードル30が、容器28間で横方
向および鉛直方向に移動可能に設けられている。ニードル30をすすぎいす
のに用いられた溶液を収集するすすぎステーション23が設けられている。注入
ポート32が、多連結形バルブ22と連通している。注入ポンプ24は、ダクト
40によってニードル30に結合されており、これにより、動作時においては、
ニードル30は、自動サンプラー・トレー21内の特定の位置で、測定された量
の液体をあらかじめ選択されたサンプル容器28から吸い上げる。ニードル30
はテストされるべきサンプル溶液を吸い込むと、注入ポート32まで移動してこ
の中にサンプルを注入する。

0087

例えば、生理食塩水のような流体を収容する支持流体容器34が、ファラディ
・ケージ14内に設けられている。廃棄物収集容器36もまた、ファラディ・ケ
ージ14内に設けられている。流体をアセンブリの種々の構成要素間で移送する
ために、複数のダクトが、これら種々の構成要素を互いに連結している。たとえ
ば、ダクト38が支持流体容器34を蠕動ポンプ26に、ダクト39が支持流体
容器34を注入ポンプ24に、ダクト40がニードル30を注入ポンプ24に、
ダクト42がバルブ22を廃棄物収集容器36に、ダクト44が蠕動ポンプ26
を多連結形バルブ22に、ダクト48が注入ポート32を多連結形バルブ22に
、ダクト50がすすぎステーション23を廃棄物収集容器36に、ダクト52が
蠕動ポンプ26を廃棄物容器36に、それぞれ、連結している。

0088

ステージ56を有する顕微鏡54(Nomarski optics,Olympus model EPC-9)が
別のテーブル上に、倒立状態に取付けられている。顕微鏡それ自体は、テーブル
可動部分に取り付けられている。少なくとも一つの電子式マイクロマニプレー
タ58(Eppendorf)もまた、顕微鏡のステージ56上に取付けられ、プレ増幅
ヘッドステージ)61および従来型パッチピペット62が取り付けられたパッ
チピペット電極ホルダ60を支持しており、これは、電圧及び電流固定ループ
完成するよう他の電極を保持するのが好ましい。マイクロ灌流チャンバ72を含
むマイクロ灌流チャンバ・プレート64が顕微鏡ステージ56に取り付けられて
いる。供給ダクト66が多連結バルブ22からの出口をマイクロ灌流チャンバ・
プレート64の入口に連結し、廃棄物ダクト68がマイクロ灌流チャンバ・プレ
ート64の廃棄物ポートを廃棄物を除去するための真空源に連結している。デッ
ドスペースをできるだけ少なくするためには、バルブ22の出口からマイクロ灌
流チャンバ72までの距離は10cmである。パッチピペット63内の電極と基
準電極は、いずれもプレ増幅器(ヘッドステージ)61に接続されている。電線
76がプレ増幅器(ヘッドステージ)61を電圧増幅器78に接続している。電
線77が、マイクロ灌流チャンバ72内の基準電極をプレ増幅器(ヘッドステー
ジ)61に接続している。その他の電圧または電流固定電極用電線は、プレ増幅
器(ヘッドステージ)61によって所望の電流または電圧勾配を達成するよう設
計された増幅器に接続される。電圧増幅器78はコンピュータ80に電気的に接
続され、コンピュータは、テスト中の膜または細胞のイオンチャネル蛋白質をイ
オンが通過したことを指示する電気的インパルスを測定するのに用いられる。パ
ッチピペットホルダ60を備えた電子式マイクロマニプレータ58は、顕微鏡ス
テージ56の右側部に取り付けられている。

0089

細胞または膜に対してハッキリとした適用を得るため、そしてわずかな量のテ
ストサンプルおよび支持液体のみを利用するために、バルブ22の出口は、マイ
クロ灌流チャンバにできるだけ近接して、あるいは、U型管が用いられる場合に
は、このU型管にできるだけ近接して配置すべきである。したがって、自動サン
プラーはそれ自体、図1に示されるように、ファラディ・ケージ内で、パッチ固
定増幅器78のヘッドステージ(前置増幅器)61及びテスト中の膜と接触して
いるパッチピペット62に近接して配置されている。これにより、潜在的に深刻
な2つの問題が生じる。

0090

1)電気ノイズ。交流電圧で動作させる必要のある任意の装置をファラディ・
ケージ内に導入すると、50ヘルツまたは60ヘルツの電磁放射線源が生じるこ
とになる。これは、パッチピペット62内の電極(アンテナとして動作する)に
よってピックアップされやすく、したがって、電流信号が妨害される。しかしな
がら、設備全体のすべての金属パーツ慎重に共通の高品質接地用導体アー
スすることにより、この問題は本質的に解決されることになる。過度の電気ノイ
ズの発生を避けるためには、自動サンプラー20の重要な部品アースして、遮
蔽するよう特に気配りする必要がある。他の自動サンプラーを用いる場合、これ
らは、図1に示される設備で用いたギルソンモデルと比較して、効果的にアース
することは一層困難であるかもしれないが、これら自動サンプラーを別のファ
ディ・ケージ内に遮蔽することが必要になる場合がある。

0091

2)振動。振動は、ニードル30がサンプル容器28相互間で移動するとき、
自動サンプラー20によって生じる。これには、次の2つの言外の意味がある。
(1)ピペット62に伝達される振動は、細胞取付け記録モードおよび細胞全体の
記録モード中ギガシール(ギガオーム級のシール)を必然的に破壊することに
なる。(2)弱い機械的振動でも、これが電流信号中に見え低周波電気ノイズに
変換される場合がある。しかしながら、図1に示されるブリッジ形設備では、こ
れら両方の問題は回避される。

0092

本手法は、イオンチャネルを有する膜をマイクロ灌流チャンバ72内に置くこ
とによって実施される。好ましくは、培養細胞を載せた小さなカバーガラス74
(2.8mm)をマイクロ灌流チャンバ72内に挿入することにより、パッチ固
定法が実施される。次いで、パッチ電極ピペット62を、カバーガラス74上に
支持された膜と接触するようになるまで、マイクロ灌流チャンバ72内へ下降
せる。ギガシール(ギガオーム)がパッチピペット62の端部と生体膜との間に
形成されるまで、吸引力をパッチピペット62に及ぼす。テストが、次いで実施
される。電気信号が、プレ増幅器(ヘッドステージ)61に取り付けられたパッ
チピペット62内の電極によって検出され、次いで、電線76によって図1に示

電圧増幅器78およびコンピュータ80に伝送される。マイクロ灌流チャンバ内
の溶液と接触している基準電極(図示せず)がプレ増幅器(ヘッドステージ)61
接地端子に接続されている。

0093

パッチ固定手法においては、テストされるべき化合物に適したプロトコール
応じて、種々の支持溶液を使用できる。カルシウム活性化カリウムチャンネル
記録に用いられる標準溶液は、140mMのKCl、1mMのCaCl21mM
のMgCl2、1.3mMのEGTA、10mMのHEESを含んでいる。この
組成を用いると、溶液中の遊離カルシウムの濃度が0.3mMになる。EGTA
濃度を1.07mMに変えることにより、カルシウムイオンにより誘起されるK
チャネル活性化を達成でき、その結果、溶液中の遊離カルシウム濃度は1.0
mMとなる。テスト化合物は、選択したアッセイのプロトコールに応じて、支持
溶液中に溶解される。すべてのテスト化合物溶液および生理食塩水は、本装置
使用する前に瀘過される。

0094

本発明の方法を連続流れに使用した場合には、図1を参照すると、支持液体の
連続流が蠕動ポンプ26によって得られる。定期的に、自動サンプラー20は選
択したサンプルバイアル28から、特定量のテスト化合物を吸引し、これを注入
ポート32を経て、管状ループ70内へ導入する(全ループ充填方式)。サンプ
体積、ループ容積、流量は任意である。導入後、多連結形バルブ22の出口が
切り替わり、ループ内容物がバルブからマルチ灌流プレートまでのダクト66に
よって、マイクロ灌流チャンバ72内へ導かれ、この灌流チャンバ72から、過
剰の流体が吸出しによって除去される。テスト化合物を操作する時間は、ループ
サイズ及び流量によって決定される。化合物のウォッシュアウト(washout)は注
入の時間間隔によって随意的に決定される。自動サンプラーはあらかじめ定めら
れたプログラムに従って、チャンバ溶液を自動的に取り替える。ウォッシュアウ
ト期間の間にテストされる化合物の数は、選択したプロトコールに応じて様々で
ある。

0095

従来の連続流れ方式と比較した場合の本発明の連続流れ方式の特定の利点は次
の通りである。

0096

(1)テスト溶質自動切替え。

0097

(2)自動サンプラーとパッチ固定増幅器との間の大きな範囲で融通性のある調
整。

0098

(3)化合物操作の融通性、実験中のプログラムの変更等。

0099

(4)化合物のテスト直前における化合物の自動溶解(これは不安定な物質にと
って重要である)。

0100

(5) 個々の操作ごとの間のキャリーオーバを回避するためのニードル及び注入
ポートの自動すすぎ。

0101

図2を参照すると、図1に示される装置を用いる本発明の連続流れ法の詳細が
概略的に示されている。動作原理を説明すると、蠕動ポンプ26によって生理食
塩水または他の支持液体を、定常状態で、バルブ22を通じ、マイクロ灌流チャ
ンバ72に圧送する。また、流体を真空によって、ダクト68を経て、マイクロ
灌流チャンバ72から連続的に吸い出す。操作手順は次のように連続して行われ
る。

0102

a)少量の空気を、注入ポンプ24によって、ニードル30内へ吸引する。

0103

b)ニードル30をサンプルバイアル28まで移動させ、特定量のサンプルを
吸い込ませる。

0104

c)ニードル30を注入ポート32まで移動させ、管状ループ70にサンプル
を導入させる(通常は、ループ容積の3倍であり、過剰量は多連結形バルブ22
の出口5を通して排出する)。

0105

d)多連結形バルブ22は注入モードに切り替わり、管状ループ70の内容物
は、バルブ22からマイクロ灌流チャンバ72までのダクト66内に注入される

0106

e)多連結形バルブバルブ22は連続流れモードに切り替わり、生理食塩水は
分取されたサンプルのテストの後も、流れ続ける。

0107

f)次の操作が開始される前に、ニードル30をすすぎステーション23内で
すすぎ洗いする(両側部に対してリザーバ溶液による灌流)。リザーバ溶液を、
支持液体容器からのダクト39を通って、支持流体容器34から吸い上げ、ニー
ドル30を通じて、すすぎステーション23で廃棄する。注入ポート32を、リ
ザーバ食塩水をバルブ22内へ導入することによって、出口5を通して、廃棄さ
れた廃棄物溶液を用いて、すすぎ洗いする。

0108

図3を参照すると、本発明の別の実施態様が示されており、この実施態様はU
型管法を実施するのに利用される。この自実施態様の方法を実施するのに利用さ
れる構成要素は、図1に示されるものと実質的に同一である。ただし、テストサ
ンプルを、U型管82の底部に設けられた孔83を通じて、灌流チャンバ73内
に放出する点が異なっている。

0109

U型管方式のような従来型の迅速操作方式は、自動サンプラーを含む本発明の
装置によって容易に実施される。細胞を、上述の連続流れ法で用いた灌流チャン
バよりもやや大きな灌流チャンバ内に置く。これによって、U型管の位置決めが
容易になる。自動サンプラーは、上述の連続流れ法で動作するのとほとんど同じ
仕方で、U型管法でも動作する。膜は、蠕動ポンプ26により、蠕動ポンプ26
から灌流チャンバ73までのダクト67を通って、定常状態で圧送される標準
理食塩水により連続的に灌流される(このダクトは、多連結形バルブ22を通ら
ない)。また、流体は、ダクト68及び蠕動ポンプを経て、灌流チャンバ73か
ら連続的に吸い出される。蠕動ポンプはまた、標準生理食塩水をU型管82中へ
連続的に圧送する。流体は、多連結形バルブ22を通り、ダクト64を介して、
U型管に圧送される。流体の流れに起因して、U型管内の圧力が減少するので、
少量の流体が灌流チャンバ73から孔83を通って、U型管内へ吸い出される。
連続流れ法におけるように、薬剤サンプルを管状ループ70内へ導入する。多連
結形バルブ22は注入モードに切り替わり、管状ループ70の内容物は、多連結
形バルブ22の出口ポートから、U型管82までのダクト69内へ注入される。
U型管82の出口に設けられた電磁バルブ84を閉じると、U型管内の圧力が上
昇し、その結果、薬剤サンプルの一部が孔83を通って、灌流チャンバ73内へ
圧送される。薬剤サンプルのテスト完了後、バルブ84を再び開き、孔83を通
る薬剤サンプルがそれ以上流れないようにする。灌流チャンバの連続吸出しによ
り、薬剤サンプルが灌流チャンバから迅速に灌流される。

0110

操作時間は随意であり、これはバルブの閉鎖期間によって決定される。U型管
を用いるには、図3に示されるような大きな実験用灌流チャンバが必要である。
U型管を、別個のマイクロマニピレータ上に置き、顕微鏡で見ながら、誘導して
位置決めする。

0111

U型管方式の利点は、これが、トランスミッタにより調整されるチャネルの検
討に必要な迅速な操作時間と自動サンプラーの大容量で容積が小さいという要求
とを兼ね備えていることである。

0112

図3は、U型管方式で生じる際のフローパターンを示している。このパターン
は、上述の連続流れ法のパターンと本質的には同一である。動作原理を説明する
と、蠕動ポンプ26により、食塩水を、蠕動ポンプ26から灌流チャンバ73ま
でのダクト67を通って、定常状態で圧送する(このダクトは、多連結形バルブ
22を通らない)。また、流体を、ダクト68及び蠕動ポンプを経て、灌流チャ
ンバ73から連続的に吸い出す。蠕動ポンプはまた、標準生理食塩水をU型管8
2内へ連続的に圧送する。流体は、多連結形バルブ22を通り、ダクト69を介
して、U型管に圧送される。一般的操作手順は次の通りである。

0113

a)少量の空気を図1に示される注入ポンプ24によって、ニードル30内へ
吸引する。

0114

b)ニードル30をサンプルバイアル28まで移動させ、特定量のサンプルを
吸い込ませる。

0115

c)ニードル30を注入ポート32まで移動させ、管状ループ70にサンプル
を導入させる(通常は、ループ容積の3倍であり、過剰量は出口5を通って排出
される)。

0116

d)多連結形バルブ22は注入モードに切り替わり、管状ループ70の内容物
は、多連結形バルブ22の出口ポートからU型管82までのダクト69内に注入
される。

0117

e)操作は、電磁バルブ84によるU型管出口の閉鎖によって生じる。

0118

f)電磁バルブ84を再び開くと、標準生理食塩水の流れがU型管内のサンプ
ルにとって代わる。サンプル溶液は、ダクト67から圧送され、ダクト68を通
って吸引される標準生理食塩水の連続流れによって、灌流チャンバ73から灌流
される。

0119

g)次の操作を開始する前に、ニードル30をすすぎステーション内ですすぎ
洗いする(両側部に対してリザーバ溶液による灌流)。リザーバ食塩水をバルブ
22に導入することにより、注入ポート32を出口5から廃棄される廃棄物溶液
によりすすぎ洗いする。

0120

溶液の量及びテスト化合物に関する要件を絶対最少限に制限するためには、本
発明による停止流れ法(stop flow technique)が開発された。

0121

図4を参照すると、停止流れ法を実施するための構成要素のうち、いくつかが
わずかに修正された構成が示されている。注入ポート32、多連結形バルブ22
および管類を含むデッドスペースの総量が、ここでは特に重要である。したがっ
て、管状ループ70は、短い真っ直ぐ管片86で置き換えられている。その目
的は、テスト溶液経路を短くし、それによって、必要な溶液の量を少なくする
ことにある。溶液の量は、バルブの入口および出口の特定の連結法非ループ
式)によって、15マイクロリットルまで減少される。この修正例では、自動サ
ンプラーの動作は、HPLC自動サンプラーで用いられた動作原理とは多少異な
る。しかしながら、一般原理は単純であり、自動サンプラーは、特定量をサンプ
バイアルから吸い込み、これを、マイクロ灌流チャンバ100内に直接導入す
る。このプロセスは次のように実施される。

0122

a)少量の空気を、図1に示される注入ポンプ24によって、ニードル30内
へ吸引する。

0123

b)図1に示される蠕動ポンプ26を注入直前に自動的に作動させ、マイクロ
灌流チャンバ100内の過剰の流体を吸い出す。

0124

c)ニードル30をサンプルバイアル28まで移動させ、テスト溶液(コン
ロール溶液+テスト化合物)または食塩水だけを200マイクロリットル吸い込
ませる。

0125

d)ニードル30を注入ポートまで移動させる。サンプラーのオプションとし
ての「部分ループ充填方式」を用いて、注入された最初の20マイクロリットル
(これは、空気を含んでいる場合がある)を廃棄物バルブ出口5及びダクト42
を通して排出する。

0126

e)バルブを切り替え、ダクト68によりチャンバ100から過剰流体を連続
的に吸出しつつ、残りの180マイクロリットルの溶液をマイクロ灌流チャンバ
100に直接導入する(導入時間は15秒であるが、原理的には任意である)。

0127

f)注入後、ポンプおよび液体の流れを所望の期間にわたって停止させ、イオ
移送量を指示する手段として必要な電気的測定値を取り、その値をコンピュ
タによって記録する。

0128

g)次の操作を開始する前に、ニードル30をすすぎステーション内ですすぎ
洗いする(両側部に対してリザーバ溶液による灌流)。リザーバ食塩水をバルブ
22の出口5の中へ導入することによって、注入ポートをすすぎ洗いする。

0129

停止流れ方式の利点は主として、要求されるサンプルの量が非常に少ないこと
(全体で最高220マイクロリットル)である。灌流チャンバ容積の約20倍未
満の灌流が使用可能であれば、総容積をそれに応じて減少させることができる。
本発明に従って行った実験の示すところによれば、ちょうど100マイクロリッ
トル(全体で140マイクロリットル)注入することによって、90%を越える
置換が得られる。このように少量しか要求されないため、多くの場合、合成によ
り及び/又は天然物から単離される少量の化合物に基づく化学的ライブラリー
体の電気生理学的テストが可能になる。

0130

そのうえ、本発明によれば、きわめて小さなマイクロ灌流チャンバを有するマ
イクロ灌流チャンバアセンブリのいくつかの実施態様が開発されている。これら
マイクロ灌流チャンバの使用により、きわめて少量のテストサンプル及び支持液
体を分析し、それによりテスト操作に必要な時間を大幅に減少させることのでき
る装置が得られる。

0131

図5及び図6を参照すると、極小容積マイクロ灌流チャンバアセンブリ88の
一実施形態が示されている。このチャンバは非常に小さなサイズのものなので、
2本の電極を灌流チャンバ100内に配置するにはスペースが不十分である。し
たがって、基準電極は、チャンバ構造の一体部分でなければならない。図5及び
図6に示す実施形態では、チャンバアセンブリ88は、薄い塩化銀層92で被覆
された銀のディスク90を有している。銀のディスク90と塩化銀層92とは協
働して、基準電極として作用する。銀のディスク90は厚さが1mm、直径が6mm
である。3mmの孔94が、ディスクの中央に設けられており、マイクロ灌流チャ
ンバ100のキャビティを形成している。銀線96が銀のディスク90にハンダ
付けされている。塩化銀層92を銀のディスク90の表面に形成するには、銀の
ディスク90を塩化ナトリウム水溶液中に置き、別の銀線をカソードとして利用
するとともに、ディスクをアノードとして接続した状態でこのディスクを2時間
にわたって電気分解する。電極のショートを防止するために、少なくとも孔94
表面全体を塩化銀で被覆する必要がある。好ましくは、孔84の表面を含め、
銀のディスク90全体を塩化銀で被覆する。直径40mm、厚さ0.1mmのカバー
ガラス98が、被覆された銀製ディスク90の底面に、孔94を覆って、接着
れ、マイクロ灌流チャンバ100の透明な底部を形成している。マイクロ灌流チ
ャンバ100の容積は、5マイクロリットルないし50マイクロリットルである
のがよい。マイクロ灌流チャンバの容積が10マイクロリットルないし15マイ
クロリットルであると、一層望ましい結果が得られる。ただし、テストの対象で
ある材料のほんのわずかなサンプルおよび少量の支持液体を利用して、各テスト
所要時間を短くするためには、好ましい範囲は10マイクロリットル〜12マ
イクロリットルである。各種溶液は全て、入口102を通って、チャンバに入り
、出口104を通って、チャンバから吸い出される。

0132

培養細胞を、標準培養器内の小さなカバーガラス(厚さ0.1mm、直径2.8mm
)74上の単分子層内で成長させることができる。実験を行う前に、単一のカバ
ーガラス74を薄っぺらな鉗子でマイクロ灌流チャンバ100の底部に移し、こ
れに食塩水をかける。最終抵抗が2〜6MΩの標準型パッチ固定具である図1
示されるパッチピペット62を、図1図2図3および図4に示されるように
、上から下降させる。パッチピペット62の中には銀−塩化銀電極63が設けら
れており、このパッチピペットは、HEKAエレクトロニクス社により開発され
た標準型のパッチピペット・ホルダー60で支持されている。ピペット先端の直
径は、約1μmである。したがって、吸引力によりピペットを充填したり、ピペ
ットの再充填を行っても、溶液は、毛管作用による力に起因して、定位置にとど
まる。ピペットとテストの際に用いられる膜との間のギガシールを生じさせるに
は、わずかな吸引力を口で及ぼすだけでよい。パッチピペット62内に設けられ
ている電極63は、プレ増幅器(ヘッドステージ)63に電気的に接続され、プ
レ増幅器は、コンピュータ80に電気的に接続されたパッチ固定増幅器78に電
気的に接続されている。銀線96は、銀のディスク90と塩化銀層92とからな
る基準電極に電気的に接続されている。基準電極は銀線96に接続され、さらに
、銀
線は、プレ増幅器(ヘッドステージ)61の接地端子に電気的に接続されている
。イオンチャネル移送に対するテスト中の各サンプルの影響は、パッチピペット
62内に設けられている電極及び基準電極により、電流の形で測定され、コンピ
ュータ80で記録される。

0133

図7図8図9および図10を参照すると、別の実施態様におけるマイクロ
灌流チャンバアセンブリ106が示されている。図7に示されるように、アセン
ブリ106は、顕微鏡ステージ56の中央孔にぴったりと嵌まり込むように設計
された金属の支持ディスク108を有している。支持ディスク108に設けられ
た孔内には、図8および図9に詳細に示されるマイクロ灌流チャンバ・ディスク
110が設けられている。マイクロ灌流チャンバ・ディスク110の材質は非導
電性材料であるのが良く、その中には、メチルメタクリレート、ボリスレン
ポリ塩化ビニル、フェノールホルムアルデヒド、その他の多くの材料を含むプラ
スチックがある。直径が約3mmの孔112がマイクロ灌流チャンバ・ディスク1
10に設けられている。溝114がマイクロ灌流チャンバ・ディスク110の底
部に設けられ、カバーガラス116がディスク110の底部に接着されている。
カバーガラス116は、孔112と協働して、マイクロ灌流チャンバ118を形
成している。カバーガラス116は溝114と協働して、テストされるべき液体
サンプルと支持食塩水をマイクロ灌流チャンバ118内に導入するためのチャネ
ル117を形成している。孔120がディスク110の上壁に設けられ、液体を
チャネル117内に導入するためのポートとして機能している。管122が孔と
図1に示される自動サンプラーの多連結形バルブ22とを結合している。小径
銀−塩化銀ペレット電極124が、ディスク110の上面に設けられた溝126
に埋め込まれていて、基準電極として働く。ペレット電極124は、銀と塩化銀
の混合物を、カリフォルニア所在イン・ビーボー・メトリック社から入手
た銀線の周りに押し固めて形成したものである。電極124から延びる電線は、
図1に示す増幅器ヘッドステージ78に直接接続されている。

0134

たとえば、符号72、100または118で示されるマイクロ灌流チャンバか
らの過剰流体の吸出しは、チャンバの全容量のうち、多くの部分が1秒ごとに吸
い出されるため、小さなチャンバの場合、特定の問題を提起する。ごく小さなプ
ラスチックチューブ128(エッペンドルフ・ジローダー・チップ)を用いた非
常に滑らかな吸出し操作を利用することができ、これは液体表面レベルの変動を
回避する上で必要不可欠である。液体表面が変化しやすいと、変化するバックグ
ラウンドノイズが生じ、また、細胞あるいはパッチに対する機械的応力が増大す
る場合があり、それによって、記録期間が制限される。

0135

以下の実施例により、本発明の実施方法に関する明確な理解が得られるであろ
う。ただし、これら実施例は例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
実施例1

0136

連続流れ法:ひよこの後根神経節細胞のカルシウム電流を、上述し、図7ない
図10に図示したように、自動サンプラーと注入ポンプと蠕動ポンプと、容積
が12マイクロリットルのマイクロ灌流チャンバとを有する装置を利用して、連
続流れ法を用い、全細胞記録法によって確認した。

0137

Ca2+電流を次のピペットおよび浴溶液を用いて他の電流から遮断した。

0138

ピペット:CsCl(100mM)、CsF(20mM)、EGTA(10m
M)、MgCl2(4mM)、HEPES(10mM)。

0139

浴:NaCl(140mM)、KCl(4mM)、CaCl2(2mM)、M
gCl2(1mM)、HEPES(10mM)、TTX(μM)。高カルシウム
濃度によりK+電流が遮断され、TTX(テトロドトキシン)によりNa+電流が
遮断される。

0140

電圧依存性カルシウムチャネルに対する5つの公知の標準剤であるフェニト
ン、アミロリド(amiloride)、ω−コノトキシン(conotoxin)MVIIA、ベイ(B
ay)K−8644、ニフェジピン(nifedipine)の作用を次々にテストし、これを図
11に報告している。図は、−70mV静止電位から0mVまでの5ミリセカ
ンドの減極電圧段階により誘起された最大電流に関する一連の記録をを示してい
る。化合物を500マイクロリットルのアリコートで灌流した。フェニトインと
アミロリドを、それぞれ、時間軸上の0分、15分の時点で注入したが、これら
はいずれも、電流には影響を及ぼさず、これにより、カルシウムイオンチャネル
に対する影響がないことがわかる。30分の時点で、ω−コノトキシンMVII
Aの500マイクロリットルアリコートを注入した。ω−コノトキシン
MVIIAは、グラフ上に記録されている電流の変調により明らかなように、N
型のカルシウムチャネルに対して親和性を有する。グラフは又、これから明らか
にわかるようなウォッシュアウトはないので、ω−コノトキシンMVIIA結合
非可逆的であったことを示している。ベイK−8644は、経時的にみて、ウォ
シュアウトから明らかなように、L型カルシウムチャネルを可逆的に刺激する。
ニフェジピンはL型カルシウムチャネルを遮断する。

0141

したがって、本発明は、周知の生理活性を有する化合物による灌流操作に対す
るパッチ固定法隔離式膜イオンチャネルの応答を確認する際に有用であることが
判明している。この結果は、5つの化合物が、単一の膜標本を用いて、1時間に
過ぎない時間でテストされたことを示し、また、生理的反応有効範囲を示して
いる。実際には、操作期間だけでなく操作の間のウォッシュアウト期間を含む未
知の化合物のスクリーニングは短く、従って、10ないし20の化合物を1時間
でスクリーニングできる。(特に実施例2参照)。
実施例2

0142

停止流れ方式:培養した人の平滑筋細胞カリウム電流を、上述し、図7
ないし図10に図示したように、自動サンプラーと注入ポンプと蠕動ポンプと容
積が12マイクロリットルのマイクロ灌流チャンバとを有する装置を利用し、停
止流れ方式を用いて、摘出裏返しパッチ法(excised inside out patch)により
確認した。

0143

ピペットおよび浴溶液の組成は次の通りである。

0144

ピペット:KCl(140mM)、CaCl2(1mM)、MgCl2(1mM
)、EGTA(1.3mM)、HEPES(10mM)。

0145

浴:KCl(140mM)、CaCl2(1mM)、MgCl2(1mM)、1
.07mM〜2.0mMのEGTA。遊離Ca2+濃度をEGTAの濃度によって求
めた。全てのテスト化合物を0.3μMの遊離Ca2+とともに浴溶液中に溶解さ
せた。

0146

カルシウム活性化カリウムチャネルに対する未知化合物の作用をテストし、図
12に報告している。実験プロトコールでは、食塩水(黒丸で示す)を用いて、
間欠式ウォッシュアウト法(intermittent washout)で、未知化合物(白丸で示
す)を、次々に灌流した(300マイクロリットル)。各操作を2分間にわたり
続け、これは6つのデータ点として報告されている。パッチには多チャネルが存
在し、これらの活性を、遊離カルシウム濃度が低い(0.3μM)の浴溶液によ
って、低レベル(全活性のうち20%)に調節した。このレベルは、未知のテス
ト化合物の考えられる活性化効果遮断効果の両方を検出できるよう選択された
。種々の時間間隔を置いて、濃度が1μMの遊離カルシウムイオン(□で示す)
を含む食塩水を用いて、灌流法で活性化を誘起した。0.5μMの遊離カルシウ
ムイオンを含む食塩水を用いた灌流操作を最後にテストした(*で示す)。1μ
Mの濃度における25の未知化合物のこのテストでは、基底カルシウム活性化カ
リウム電流からの変化を誘起した化合物はなかったが、膜標本のカリウムチャネ
ルは、カルシウム濃度が高い(1.0μM)食塩水にさらされると特徴的な高い
カリウム電流を示した。

0147

したがって、本発明は、少量のテスト化合物を迅速かつ連続して分析できる方
式を提供するものであることが判明している。このテストは、25を越える数の
未知化合物を2時間の間にスクリーニングしたことに鑑みて注目に値する。この
テストは、高濃度のカルシウムイオンを含む食塩水による灌流方式において誘起
されるKチャネルの間欠的な完全活性化によって実証された。この高いカルシウ
ム誘起カリウム電流は、膜標本から得ることができる電流応答の範囲を示し、活
性化合物を検出するのに必要な感度を明示している。

0148

本発明は、パッチ固定法を実施する際、HPLC自動サンプラーを用いる新規
な方法を提供する。これにより、多数のテストを比較的短時間で実施できる。本
発明は又、非常に小さなマイクロ灌流チャンバを含む新規なマイクロ灌流チャン
バアセンブリを使用しており、それによって、非常に少量のテストサンプル溶液
及び支持溶液を利用すればよく、しかも、各テストに必要な時間が短縮される。
また、本発明は、別の利点をもたらすパッチ固定法を実施するためのいくつかの
新規な手法を含んでいる。本発明は更に、非常に小さなチャンバを利用し、一体
形電極を有する新規なマイクロ灌流チャンバ構造を含んでいる。

0149

以下の請求の範囲において、「膜」という用語は、全細胞または部分的な細胞
膜を示すものとして用いられている。

0150

本発明の好ましい実施形態を添付の図面に示すと共に上述したが、当業者であ
れば、本発明の精神又は範囲から逸脱すること無く本発明の多くの設計変更例、
改造例、構成要素の置換例及び他の均等例を想到できるので、開示した実施態様
そのもの、又は、図示説明した作用方法そのものに限定されないことが理解され
るべきであり、したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された事項
にのみ基づいて定められるものである。

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