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技術 光学的情報記録媒体の記録再生方法及び記録再生装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 鳴海建治西内健一
出願日 1997年8月7日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 1997-213195
公開日 1998年12月18日 (21年11ヶ月経過) 公開番号 1998-334469
状態 未査定
技術分野 光学的記録再生1
主要キーワード プリセット回路 熱的負担 初期メモリ 劣化領域 遅延量制御回路 特定位 ダミーデータ領域 ID検出信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年12月18日)のものです。
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図面 (20)

課題

記録条件及び記録媒体に応じてデータ領域の記録開始点変化幅を変えることによって、光ディスク記録膜劣化を適切に抑制し、繰り返し記録可能回数を更に増大させることができる記録再生方法及び装置を提供する。

解決手段

識別検出回路119により光ディスク113上の書き換えセクタでの記録条件を識別し、その記録条件に応じて遅延量制御回路106にて記録開始点の変化幅の範囲を設定する。そして、設定した変化幅の範囲内で変調データ信号105の記録タイミングを変化させ、光ディスク113上の該当セクタの情報を書き換える動作を行う。

概要

背景

近年、光学的に情報を記録するための媒体として、光ディスク光カード光テープなどが提案され、また実用化されている。その中でも特に、光ディスクは大容量かつ高密度の記録及び再生ができる媒体として注目されている。

以下に、従来の光ディスクの記録再生方法について、図面を参照しながら説明する。まず、記録膜として相変化記録膜を用いた光ディスクの構成例を図27に示す。ガラス樹脂材料(例えばPMMAポリカーボネート)からなる基板2301にはガイド溝2302や、アドレス情報等を示す凸凹形状ピット(このピット列の存在する領域をID領域という)をあらかじめ形成する。ガイド溝は内周から外周へ渦状又は同心円状に形成する。ガイド溝とガイド溝の間の部分2307はランドと呼ばれる。ID領域はガイド溝の途中に所定間隔で配置する。ID領域とID領域との間の各ガイド溝の領域はセクタと呼ばれる。その基板2301上に保護膜2303、記録膜2304、反射膜2305をスパッタリング等により堆積し、更に保護基板2306を接着する。

このような光学的情報記録媒体記録再生を図28及び29に基づいて説明する。図28は従来の記録再生装置の構成例を示す図である。また、図29は光ディスクの記録再生動作を説明するための図であり、(a)は記録データ信号、(b)はレーザ駆動信号、(c)は光ディスクへの記録状態、(d)は記録のフォーマットをそれぞれ示している。

光ディスクからの再生は次のように行う。システム制御回路101がスピンドルモーター114を駆動して光ディスク113を回転させる。光ヘッド112は、弱いレーザ光(すなわち、図29(b)のレーザパワーPr)を集束して光ディスク113に照射し、図29(c)のガイド溝2302上及び一連のピット2502上をトラッキングする。ピット2502の有無及び記録マーク2501の有無により光ディスク113からの反射光量が変化する。この反射光量を検出して再生信号122を得る。そして再生信号処理回路115において2値化等の信号処理を行ない、復調回路116で復調する。そしてエラー訂正情報によりエラー訂正を行い、ディインターリーブ処理を施して所望の再生情報が得られる。ディインターリーブ処理はインターリーブ処理により並べ替え記録情報復元するものである。

つぎに、光ディスクへの記録は以下のように行う。上位計算機と接続されたシステム制御回路101から2値化情報である記録情報102が与えられると、この記録情報にエラー訂正情報(パリティともいう)を付加し、インターリーブ処理を行う。インターリーブ処理は光ディスク113の欠陥等に起因するバーストエラー(すなわち連続的な長い誤り)をランダムエラー(すなわち短い誤り)に変換してエラー訂正を容易にするためのものであり、記録情報を一定の法則にしたがって分割し並べ替える処理である。その後、変調回路104にて、例えば(1,7)RLL変調方式や(8−16)変調方式で変調する。この結果、図29(d)のデータ領域604に記録する記録パターンに対応した変調データ信号105が得られる。

そして合成回路109において、各セクタに記録するデータ長ごとに同期信号発生回路108からのVFO及びRESNCや、必要に応じてダミーデータ発生回路107からのダミーデータを付加して記録データ信号118とする。VFO及びRESYNCはいずれも再生信号処理回路115内のPLL(同期信号発生器)にて再生信号に同期したクロックを生成するために設ける同期信号である。VFOは変調データ信号の前に、RESYNCは変調データ信号内に一定の間隔をおいて配置する。またダミーデータは、繰り返し記録時にセクタ中での記録終了点に発生する記録膜劣化の影響を緩和するために設けるデータ記録領域である。ダミーデータには必ずしも記録情報を含む必要はない。記録データ信号118は図29(a)のような波形となる。

この記録データ信号118に対応して、レーザ駆動回路110によりレーザ駆動信号111を発生し、光ヘッド112内のレーザを駆動しレーザ光の強度を変調する。レーザ駆動信号111は図29(b)のような波形となる。

図28の光ヘッド112により集束させた強いレーザ光(すなわち、図29(b)のレーザ光のパワーPp)を光ディスク113の記録膜に照射して記録膜の温度を融点を越えて上昇させると、溶融部分は急速に冷却されて非晶質(アモルファスともいう)状態の記録マーク2501(図29(c)参照)になる。また、記録膜の温度を融点近くまで上昇させる程度のレーザ光(すなわち図29(b)のレーザ光のパワーPb)を集束して照射すると、照射部の記録膜は結晶化温度以上に昇温し、徐冷されて結晶状態になる。

このようにしてガイド溝2302のデータ領域604上には変調データ信号105に対応した結晶質と非晶質との記録パターンが形成される。そして結晶質と非晶質との反射率相違を利用して、情報の記憶、再生が行われる。

また、図29(d)に示すように、ID領域601とVFO領域603との間にはギャップ領域602を設け、ダミーデータ領域605と次のID領域601との間にはバッファ領域606を設ける。ギャップ領域602はレーザパワーを制御する時間を得るための領域であり、バッファ領域606はスピンドルモータ回転ムラによる記録位置のズレを吸収するための領域である。

また、記録時に光ディスクのセクタ607間にあるID領域601を走査するときは、レーザ光の強度を再生時と同様の弱いパワーに落として光ディスクに照射することによりアドレス情報を再生する。

システム制御回路の構成を図30を用いて説明する。上位計算機と記録再生装置との記録情報及び再生情報の転送は、それぞれ記録情報用バッファ回路2601と再生情報用バッファ回路2602を介して行われる。再生情報は、再生情報用バッファ回路2602とともにアドレス情報検出回路2603にも入力される。アドレス情報検出回路2603では、アドレス情報を検出し、アドレス情報検出のタイミングを示すアドレス情報検出信号を発する。アドレス情報検出信号は記録情報用バッファ回路2601及び再生情報用バッファ回路2602に送られる。またモーター駆動回路2604はスピンドルモーターを回転させる。

ところで、上記のようにして光ディスクへの記録を繰り返すと、セクタに記録したデータの再生信号の品質局所的に劣化する傾向がある。特に、類似した記録データを同じセクタに繰り返し記録した場合、この傾向が顕著になる。これはセクタ上において、多数回の溶融固化を繰り返す部分と全く溶融しない部分とが生じ、両部分の境界で記録膜の膜厚が変動して熱的及び光学的特性が劣化するためである。その結果、データの再生信号の品質が劣化したり、情報が記録できなくなる場合があった。

このような課題を解決するために、光ディスクのセクタにおけるデータの記録開始点を一定範囲(これを変化幅という)内でランダムシフトさせて情報を記録する記録方法が提案されている(例えば特開平2−94113号公報参照)。

概要

記録条件及び記録媒体に応じてデータ領域の記録開始点の変化幅を変えることによって、光ディスクの記録膜の劣化を適切に抑制し、繰り返し記録可能回数を更に増大させることができる記録再生方法及び装置を提供する。

識別検出回路119により光ディスク113上の書き換えるセクタでの記録条件を識別し、その記録条件に応じて遅延量制御回路106にて記録開始点の変化幅の範囲を設定する。そして、設定した変化幅の範囲内で変調データ信号105の記録タイミングを変化させ、光ディスク113上の該当セクタの情報を書き換える動作を行う。

目的

本発明は上記のような従来の問題点を解決するために、記録条件及び記録媒体に応じてデータ領域の記録開始点の変化幅を変えることによって、光ディスクの記録膜の劣化を適切に抑制して、繰り返し記録可能回数を更に増大させることができる記録再生方法及び装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

セクタ構造フォーマットからなる書換え可能な光学的情報記録媒体記録再生方法であって、情報信号を前記光学的情報記録媒体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換する変調工程と、第1の記録タイミング又は第2の記録タイミングを選択する選択工程と、前記選択工程で第1の記録タイミングが選択されたときは、前記変調データ信号の記録開始点セクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに変化させ、前記選択工程で第2の記録タイミングが選択されたときは、前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して前記所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに変化させる記録制御工程とを備え、少なくとも第2の記録タイミングが選択されたときには、前記変調データ信号の記録開始点と、VFOの記録開始点をセクタ位置に対してそれぞれ独立に変化させることを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項2

前記光学的情報記録媒体に記録された識別子を検出する識別工程を備え、前記識別工程の識別結果に基づき前記選択工程において第1の記録タイミング又は第2の記録タイミングを選択することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項3

前記光学的情報記録媒体を保持するカートリッジに記録された識別子を検出する識別工程を備え、前記識別工程の識別結果に基づき前記選択工程において第1の記録タイミング又は第2の記録タイミングを選択することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項4

前記識別工程が、繰り返し記録頻度の異なる複数の前記光学的情報記録媒体、又は、繰り返し記録頻度の異なる前記光学的情報記録媒体上の複数の領域を識別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項5

前記識別工程が、前記光学的情報記録媒体上において記録するセクタディレクトリ領域であるかディレクトリ領域以外であるかを識別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項6

前記識別工程が、前記光学的情報記録媒体上において記録するセクタがグルーブ上にあるかランド上にあるかを識別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項7

セクタ構造のフォーマットからなる書換え可能な光学的情報記録媒体の記録再生方法であって、記録密度の異なる複数の前記光学的情報記録媒体を識別する識別工程と、記録情報を前記光学的情報記録媒体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換する変調工程と、前記識別工程の識別結果に基づいて第1の記録タイミング又は第2の記録タイミングを選択する選択工程と、前記選択工程で第1の記録タイミングが選択されたときは、少なくとも前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに変化させ、前記選択工程で第2の記録タイミングが選択されたときは、少なくとも前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して前記所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに変化させる記録制御工程とを備えていることを特徴とする光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項8

少なくとも第2の記録タイミングが選択されたときは、前記変調データ信号の記録開始点とVFOの記録開始点とをそれぞれ所定の変化幅の範囲内で独立に変化させることを特徴とする請求項7記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項9

前記識別工程において、前記光学的情報記録媒体の所定の領域に記録されている識別子を検出することを特徴とする請求項7又は8記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項10

前記識別工程において、前記光学的情報記録媒体を保持するカートリッジに記録されている識別子を検出することを特徴とする請求項7又は8記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項11

前記識別工程において、線密度及びトラックピッチのうちの少なくとも一つが異なる複数の光学的情報記録媒体を識別することを特徴とする請求項7又は8記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項12

前記識別工程において、変調方式が異なる複数の光学的情報記録媒体を識別することを特徴とする請求項7又は8記載の光学的情報記録媒体の記録再生方法。

請求項13

セクタ構造のフォーマットからなる書換え可能な光学的情報記録媒体の記録再生装置であって、記録密度の異なる複数の前記光学的情報記録媒体を識別する識別手段と、情報を前記記録媒体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換する変調回路と、前記変調回路から与えられた変調データ信号の記録開始点を前記セクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに遅延させる第1の遅延手段、及び、前記変調回路から与えられた変調データ信号の記録開始点を前記セクタ位置に対して前記第1の遅延手段による所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに遅延させる第2の遅延手段を含む記録制御部と、前記識別手段の識別結果に基づいて第1又は第2の遅延手段を選択する選択回路とを備えている光学的情報記録媒体の記録再生装置。

請求項14

変調データ信号の直前にVFOを配置し前記変調データ信号の直後にダミーデータを配置する合成回路と、前記合成回路から与えられたVFOの記録開始点を前記セクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに遅延させる第3の遅延手段、及び、前記合成回路から与えられたVFOの記録開始点を前記セクタ位置に対して前記第3の遅延手段による所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに遅延させる第4の遅延手段を含む第2の記録制御部と、前記識別手段の識別結果に基づいて第1又は第2の遅延手段、及び、第3又は第4の遅延手段を選択する選択回路とを備えている請求項13記載の光学的情報記録媒体の記録再生装置。

技術分野

0001

本発明は、光学的に情報を記録・再生するための光記録媒体記録再生方法及び装置に関する。

背景技術

0002

近年、光学的に情報を記録するための媒体として、光ディスク光カード光テープなどが提案され、また実用化されている。その中でも特に、光ディスクは大容量かつ高密度の記録及び再生ができる媒体として注目されている。

0003

以下に、従来の光ディスクの記録再生方法について、図面を参照しながら説明する。まず、記録膜として相変化記録膜を用いた光ディスクの構成例を図27に示す。ガラス樹脂材料(例えばPMMAポリカーボネート)からなる基板2301にはガイド溝2302や、アドレス情報等を示す凸凹形状ピット(このピット列の存在する領域をID領域という)をあらかじめ形成する。ガイド溝は内周から外周へ渦状又は同心円状に形成する。ガイド溝とガイド溝の間の部分2307はランドと呼ばれる。ID領域はガイド溝の途中に所定間隔で配置する。ID領域とID領域との間の各ガイド溝の領域はセクタと呼ばれる。その基板2301上に保護膜2303、記録膜2304、反射膜2305をスパッタリング等により堆積し、更に保護基板2306を接着する。

0004

このような光学的情報記録媒体記録再生図28及び29に基づいて説明する。図28は従来の記録再生装置の構成例を示す図である。また、図29は光ディスクの記録再生動作を説明するための図であり、(a)は記録データ信号、(b)はレーザ駆動信号、(c)は光ディスクへの記録状態、(d)は記録のフォーマットをそれぞれ示している。

0005

光ディスクからの再生は次のように行う。システム制御回路101がスピンドルモーター114を駆動して光ディスク113を回転させる。光ヘッド112は、弱いレーザ光(すなわち、図29(b)のレーザパワーPr)を集束して光ディスク113に照射し、図29(c)のガイド溝2302上及び一連のピット2502上をトラッキングする。ピット2502の有無及び記録マーク2501の有無により光ディスク113からの反射光量が変化する。この反射光量を検出して再生信号122を得る。そして再生信号処理回路115において2値化等の信号処理を行ない、復調回路116で復調する。そしてエラー訂正情報によりエラー訂正を行い、ディインターリーブ処理を施して所望の再生情報が得られる。ディインターリーブ処理はインターリーブ処理により並べ替え記録情報復元するものである。

0006

つぎに、光ディスクへの記録は以下のように行う。上位計算機と接続されたシステム制御回路101から2値化情報である記録情報102が与えられると、この記録情報にエラー訂正情報(パリティともいう)を付加し、インターリーブ処理を行う。インターリーブ処理は光ディスク113の欠陥等に起因するバーストエラー(すなわち連続的な長い誤り)をランダムエラー(すなわち短い誤り)に変換してエラー訂正を容易にするためのものであり、記録情報を一定の法則にしたがって分割し並べ替える処理である。その後、変調回路104にて、例えば(1,7)RLL変調方式や(8−16)変調方式で変調する。この結果、図29(d)のデータ領域604に記録する記録パターンに対応した変調データ信号105が得られる。

0007

そして合成回路109において、各セクタに記録するデータ長ごとに同期信号発生回路108からのVFO及びRESNCや、必要に応じてダミーデータ発生回路107からのダミーデータを付加して記録データ信号118とする。VFO及びRESYNCはいずれも再生信号処理回路115内のPLL(同期信号発生器)にて再生信号に同期したクロックを生成するために設ける同期信号である。VFOは変調データ信号の前に、RESYNCは変調データ信号内に一定の間隔をおいて配置する。またダミーデータは、繰り返し記録時にセクタ中での記録終了点に発生する記録膜劣化の影響を緩和するために設けるデータ記録領域である。ダミーデータには必ずしも記録情報を含む必要はない。記録データ信号118は図29(a)のような波形となる。

0008

この記録データ信号118に対応して、レーザ駆動回路110によりレーザ駆動信号111を発生し、光ヘッド112内のレーザを駆動しレーザ光の強度を変調する。レーザ駆動信号111は図29(b)のような波形となる。

0009

図28の光ヘッド112により集束させた強いレーザ光(すなわち、図29(b)のレーザ光のパワーPp)を光ディスク113の記録膜に照射して記録膜の温度を融点を越えて上昇させると、溶融部分は急速に冷却されて非晶質(アモルファスともいう)状態の記録マーク2501(図29(c)参照)になる。また、記録膜の温度を融点近くまで上昇させる程度のレーザ光(すなわち図29(b)のレーザ光のパワーPb)を集束して照射すると、照射部の記録膜は結晶化温度以上に昇温し、徐冷されて結晶状態になる。

0010

このようにしてガイド溝2302のデータ領域604上には変調データ信号105に対応した結晶質と非晶質との記録パターンが形成される。そして結晶質と非晶質との反射率相違を利用して、情報の記憶、再生が行われる。

0011

また、図29(d)に示すように、ID領域601とVFO領域603との間にはギャップ領域602を設け、ダミーデータ領域605と次のID領域601との間にはバッファ領域606を設ける。ギャップ領域602はレーザパワーを制御する時間を得るための領域であり、バッファ領域606はスピンドルモータ回転ムラによる記録位置のズレを吸収するための領域である。

0012

また、記録時に光ディスクのセクタ607間にあるID領域601を走査するときは、レーザ光の強度を再生時と同様の弱いパワーに落として光ディスクに照射することによりアドレス情報を再生する。

0013

システム制御回路の構成を図30を用いて説明する。上位計算機と記録再生装置との記録情報及び再生情報の転送は、それぞれ記録情報用バッファ回路2601と再生情報用バッファ回路2602を介して行われる。再生情報は、再生情報用バッファ回路2602とともにアドレス情報検出回路2603にも入力される。アドレス情報検出回路2603では、アドレス情報を検出し、アドレス情報検出のタイミングを示すアドレス情報検出信号を発する。アドレス情報検出信号は記録情報用バッファ回路2601及び再生情報用バッファ回路2602に送られる。またモーター駆動回路2604はスピンドルモーターを回転させる。

0014

ところで、上記のようにして光ディスクへの記録を繰り返すと、セクタに記録したデータの再生信号の品質局所的に劣化する傾向がある。特に、類似した記録データを同じセクタに繰り返し記録した場合、この傾向が顕著になる。これはセクタ上において、多数回の溶融固化を繰り返す部分と全く溶融しない部分とが生じ、両部分の境界で記録膜の膜厚が変動して熱的及び光学的特性が劣化するためである。その結果、データの再生信号の品質が劣化したり、情報が記録できなくなる場合があった。

0015

このような課題を解決するために、光ディスクのセクタにおけるデータの記録開始点を一定範囲(これを変化幅という)内でランダムシフトさせて情報を記録する記録方法が提案されている(例えば特開平2−94113号公報参照)。

発明が解決しようとする課題

0016

しかしながら、上記の従来の記録方法では、記録媒体記録条件にかかわらず記録開始点の変化幅が一定であった。一方、同一の繰り返し記録回数に対する記録膜の劣化の度合い、及び、同程度の記録膜の劣化に対する再生可能性は、記録条件や記録媒体によって異なってくる。

0017

そのため、従来の記録方法では、繰り返し可能回数が十分に改善されない場合があった。例えば、光ディスクでデータ領域を書き換えるときには、セクタ単位書換えを行っている。そのため、書き換えるべき情報がセクタの一部であっても、実際には該当セクタ全体を書き換えることになる。とりわけ、ディスク上のディレクトリ領域は、ディスクに記録されている情報の目次に相当する情報が記録されるので、繰り返し記録の頻度が高く、かつ非常に類似したデータが書き換えられる。そのため、この領域では、実際の情報が記録されている領域(これを一般領域という)に比べて記録膜が早期に劣化する傾向がある。

0018

記録開始点の変化幅を大きくすれば記録膜の劣化は改善されるが、データ領域はセクタの中に収まらなければならないので、セクタ内でVFOやダミーデータに使用できる領域が減少することになる。つまり、同期信号を得るためのVFO領域をデータ領域の前に付加し、セクタ終端部分に生ずる記録膜劣化に対処するためのダミーデータ領域をデータ領域の後ろに付加したとき、データの記録開始点の変化幅を大きくするとVFO部分やダミーデータ部分の長さを短くせざるを得ない。このため、繰り返し記録を行ったときに起こるセクタの始端部分及び終端部分の記録膜劣化に対して敏感になる。すなわち、同等の記録膜劣化に対して、情報を再生できなくなる可能性が高くなる。そのため、結果的に繰り返し記録可能回数が減少することになる。

0019

更に、記録密度の高い媒体と低い媒体との両方を記録再生する装置の場合、記録密度の高い媒体では、記録マークの位置(又は間隔)やエッジが精密に検出できないと情報の再生ができないため、情報の再生能力は記録膜の劣化に対して敏感になる。すなわち、同等の記録膜劣化でも記録密度の高い媒体のほうが情報を正確に再生しにくい。

0020

本発明は上記のような従来の問題点を解決するために、記録条件及び記録媒体に応じてデータ領域の記録開始点の変化幅を変えることによって、光ディスクの記録膜の劣化を適切に抑制して、繰り返し記録可能回数を更に増大させることができる記録再生方法及び装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0021

本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方法及び装置によれば、光学的情報記録媒体のセクタ中のデータの記録開始点をランダムに変化させて情報を記録し、前記記録開始点の変化幅を少なくとも2種類以上に異ならせ、更に、前記変調データ信号の記録開始点と、VFOの記録開始点をそれぞれ所定の変化幅の範囲内で独立に変化させることにより、ギャップ領域及びバッファ領域を適度に確保しながら、同時にVFO及びダミーデータの必要な長さを確保することができる。

0022

本発明の記録再生方法は、情報信号を前記光学的情報記録媒体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換する変調工程と、第1の記録タイミングまたは第2の記録タイミングを選択する選択工程と、前記選択工程で第1の記録タイミングが選択されたときは、前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに変化させ、前記選択工程で第2の記録タイミングが選択されたときは、前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して前記所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに変化させる記録制御工程とを備え、前記変調データ信号の記録開始点と、VFOの記録開始点をセクタ位置に対してそれぞれ独立に変化させることを特徴とする。

0023

上記の構成によれば、繰り返し記録頻度の高い媒体の場合にはVFOやダミーデータの長さを短くして大きい変化幅を確保し、繰り返し記録時の記録膜の局所的な劣化を改善して情報の再生能力を高め、同時にセクタ始終端の劣化に対処して繰り返し記録回数をより多くすることができる。 他方、繰り返し記録頻度の低い媒体ではVFOやダミーデータの長さを長くしてセクタ始終端の劣化に対処し、繰り返し記録回数をより多くすることができる。

0024

記録条件や記録媒体の情報は、識別子として媒体に記録しておくことができる。この場合、本発明の記録再生方法は、光学的情報記録媒体に記録された識別子を検出する識別工程を備え、前記識別工程の識別結果に基づき前記選択工程において第1の記録タイミング又は第2の記録タイミングを選択することが好ましい。あるいは、情報記録媒体を保持するカートリッジに記録された識別子を検出するようにしてもよい。

0025

また、変調データ信号の種類に応じて変化幅を変えてもよい。更に、記録するセクタの繰り返し記録頻度、記録するセクタがディレクトリ領域であるか否か、グルーブ(すなわちガイド溝)上にあるかランド(すなわちガイド溝とガイド溝との間)上にあるか等の記録条件に応じて記録開始点の変化幅を設定してもよい。つまり、前記識別工程が、繰り返し記録頻度の異なる複数の前記光学的情報記録媒体又は繰り返し記録頻度の異なる前記光学的情報記録媒体上の複数の領域を識別し、又は前記光学的情報記録媒体上において記録するセクタがディレクトリ領域であるかディレクトリ領域以外であるかを識別し、又は記録するセクタがグルーブ上にあるかランド上にあるかを識別することが好ましい。

0026

本発明による別の光学的情報記録媒体の記録再生方法は、記録密度の異なる複数の前記光学的情報記録媒体を識別する識別工程と、記録情報を前記光学的情報記録媒体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換する変調工程と、前記識別工程の識別結果に基づいて第1の記録タイミングまたは第2の記録タイミングを選択する選択工程と、前記選択工程で第1の記録タイミングが選択されたときは、少なくとも前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して所定の変化幅の範囲内でランダムに変化させ、前記選択工程で第2の記録タイミングが選択されたときは、少なくとも前記変調データ信号の記録開始点をセクタ位置に対して前記所定の変化幅より大きい変化幅の範囲内でランダムに変化させる記録制御工程とを備えている。好ましくは、前記変調データ信号の記録開始点とVFOの記録開始点とをそれぞれ所定の変化幅の範囲内で独立に変化させる。

0027

また、前記識別工程において、線密度及びトラックピッチのうちの少なくとも一つが異なる複数の光学的情報記録媒体を識別し、又は変調方式が異なる複数の光学的情報記録媒体を識別し、前記光学的情報記録媒体の所定の領域に記録されている識別子を検出することが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、本発明による光学的情報記録媒体の記録再生方法及び装置の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。

0029

(実施形態1)図1は本発明に係る記録再生方法を用いた記録再生装置の構成を示す図であり、図2は本発明の実施形態1において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を説明するフローチャートである。上位計算機と接続されたシステム制御回路101は、光ディスク113上の書き換えるセクタのアドレス情報を検出(ステップ201)した後、2値化情報である記録情報102を出力する(ステップ202)。

0030

そしてこの記録情報にエラー訂正情報を付加しインターリーブを行って(ステップ203)、変調回路104にて変調する(ステップ204)。以上の動作は従来例の構成と同様である。

0031

つぎに、変調回路から出力した変調データ信号105を遅延量制御回路106に入力する。遅延量制御回路106では、該当領域がディレクトリ領域のような繰り返し記録頻度が高い領域か否かの識別結果にしたがって(ステップ205)、一般領域では記録開始点の変化幅を小さく(ステップ207)、ディレクトリ領域では記録開始点の変化幅を大きく設定する(ステップ206)。上記の識別結果は識別子検出回路119にて識別子を検出することにより行う。また識別子はあらかじめ各セクタのID領域(図29の601)等に記録されている。識別子検出回路119は、光ディスク113上の識別子の記録位置に対応してシステム制御回路101が発する所定のタイミングにしたがって識別子を検出し、その識別結果を信号として発信する。

0032

遅延量制御回路106は、変調データ信号105を設定した変化幅に相当する遅延量の範囲内でランダムに遅延する(ステップ208)。遅延量制御回路の構成の詳細については後述する。

0033

そして合成回路109において、各セクタに記録するデータ長ごとに同期信号発生回路108からの同期信号(VFO)、また必要に応じてダミーデータ発生回路107からのダミーデータ等を付加して記録データ信号118とする(ステップ209)。この記録データ信号118をレーザ駆動回路110に入力し、レーザ駆動信号111を発生させて光ヘッド112内のレーザを駆動する。そしてレーザ光の強度変調を行って(ステップ210)、光ディスク113に照射し該当セクタに記録する(ステップ211)。

0034

ここで、システム制御回路の構成を図3を用いて説明する。図3で従来のシステム制御回路と異なるのは、アドレス情報検出回路2603からのアドレス情報及びアドレス情報検出信号にしたがって、識別タイミング発生回路2701が識別タイミング信号を識別子検出回路119に与える点である。また、アドレス情報検出信号が遅延量制御回路106にも与えられる。

0035

つぎに、遅延量制御回路106について説明する。図4に遅延量制御回路106の構成の一例を示す。遅延量制御回路は異なる2種類の記録タイミング設定機能からなる記録制御部と、識別子に応じて前記の記録タイミング設定機能を選択する選択部からなる。図4の遅延量制御回路では、選択部は選択回路305からなる。記録制御部は複数の遅延回路301、遅延回路301を動作させるクロックを発生する2つのクロック発生回路302及び303、変調データ信号105の遅延回路301への入力先を決定するセレクタ304からなる。

0036

遅延回路301の遅延量は遅延用のクロックTにしたがって、それぞれ0, T, 2T, 3T,..., 16Tとなるように設定されている。すなわち、クロックがTのときには遅延量の変化する各段階の間隔はTであり、遅延量の段階数は16である。各遅延回路シフトレジスタ又はディレイラインカウンタ等によって構成される。

0037

そして図4の遅延量制御回路では2つのクロック発生回路302、303が設けられている。選択回路305を切り換えて第1のクロック発生回路302を選択すると、遅延回路301は0〜16Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる(これが第1の記録タイミング設定機能に相当する)。

0038

また、選択回路305により第2のクロック発生回路303を選択すると、遅延回路301は0〜160Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる(これが第2の記録タイミング設定機能に相当する)。

0039

図4の遅延量制御回路の実際の動作は以下のようになる。光ディスク113の一般領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがって選択回路305を第1のクロック発生回路302のほうに切り換える。第1のクロック発生回路302はクロックTを出力し、0〜16Tまでの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120によりセレクタ304の行き先をランダムに決定する。セレクタの行き先は次のアドレスを検出するまで保持される。

0040

一方、ディレクトリ領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがって選択回路305を第2のクロック発生回路303のほうに切り換える。第2のクロック発生回路303はクロック10Tを出力し、0〜160Tまでの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120によりセレクタ304の行き先をランダムに決定する。このようにして、ディレクトリ領域とそれ以外の領域とで遅延の各段階の間隔を異ならせることによりデータ領域の記録開始点の変化幅を異ならせることができる。

0041

図5は遅延量制御回路の構成の別の例を示す図である。図5の遅延量制御回路では、選択部は選択回路405からなる。記録制御部は複数の遅延回路401、遅延回路401を動作させるクロックを発生するクロック発生回路402、変調データ信号105の遅延回路401への入力先を決定する2つのセレクタ403及び404からなる。

0042

遅延回路401の遅延量は遅延用のクロックTにしたがって0, T, 2T, 3T,..., 160Tとなるように設定されている。すなわち、遅延量の変化する各段階の間隔はTであり、遅延量の変化幅は160Tである。

0043

そして図5の遅延量制御回路は2つのセレクタ403、404を有する。選択回路405を切り換えて第1のセレクタ403を選択すると、遅延回路401は0〜16Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる(これが第1の記録タイミング設定機能に相当する)。また、選択回路405により第2のセレクタ404を選択すると、遅延回路401は0〜160Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる(これが第2の記録タイミング設定機能に相当する)。

0044

図5の遅延量制御回路の実際の動作は以下のようになる。光ディスク113の一般領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがってセレクタ405が第1の選択回路403を経由するように切り替わり、遅延回路1〜16の16段階の遅延量のいずれかを選択するようにし、0〜16Tの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120により第1の選択回路403の行き先をランダムに決定する。セレクタの行き先は次のアドレスを検出するまで保持する。

0045

一方、ディレクトリ領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがってセレクタ405が第2の選択回路404を経由するように切り替わり、遅延回路0〜160の160段階の遅延量のいずれかを選択するようにし、0〜160Tの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120により第2の選択回路404の行き先をランダムに決定する。このようにして、ディレクトリ領域とそれ以外の領域とで遅延の段階数を異ならせることによりデータ領域の記録開始点の変化幅を異ならせることができる。

0046

本実施形態の効果を確かめるために行った比較実験(実施例)についてつぎに説明する。光ディスク113の基板には、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この基板には、凸凹形状の位相ピットをあらかじめアドレス情報としてプリフォーマットし、セクタ領域には記録用ガイド溝を形成した。ガイド溝のピッチは1.6μmである。基板上に保護膜、光感応性記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護基板を接着した。

0047

保護膜としてZnS-SiO2、光感応性記録膜としてTe-Sb-Ge、反射膜としてAlを用いた。そして、スピンドルモーター113によりこのディスクを線速度5m/sで回転させ、波長680nmのレーザ光を開口数(NA)0.6の対物レンズで集束させて記録を行った。

0048

記録再生時のレーザ光のパワーは、Pp=10mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。記録情報の変調方式は(8-16)パルス幅変調を用いた。最短マーク長は0.6μmとした。遅延量制御回路109は図4に示すような、クロック発生回路302、303により各段階の間隔を設定して記録開始点の変化幅を決定する構成を採用した。

0049

上記の条件を用い、まず、各領域における記録開始位置の変化幅と再生情報のエラーレートとの関係を調べた。ディレクトリ領域は、類似した記録情報が記録されることを想定して2パターンの記録情報を繰り返し記録し、変化幅を0〜160T(各段階の間隔は0〜10T)の範囲で設定した。一般領域は30パターンの記録情報を繰り返し記録し、変化幅を0〜64T(各段階の間隔は0〜4T)の範囲で設定した。そして1万回繰り返し記録後の再生情報のエラーレートを測定した。

0050

図6(a)は一般領域の記録開始位置の変化幅と、10万回繰り返し記録後の再生情報のエラーレートとの関係をプロットしたものである。図6(b)はディレクトリ領域の記録開始位置の変化幅と10万回繰り返し記録後の再生情報のエラーレートとの関係をプロットしたものである。

0051

図6より、記録開始位置の変化幅を大きくするほど10万回繰り返し記録後に良好なエラーレートが得られることがわかる。そして、良好なエラーレートが得られる最小の変化幅は各領域(すなわち、記録情報のランダム性)で異なることがわかった。

0052

上記の結果から、記録開始点の変化幅は以下のように設定した。エラーレート5×10-4以下が得られる変化幅として、一般領域での変化幅を16T、各段階の間隔は1Tとし、ディレクトリ領域での変化幅を160T,各段階の間隔を10Tとしたものを変化幅可変方式とした。そして、比較例として、双方の領域での変化幅を16T、各段階の間隔は1Tとしたものを変化幅固定方式1とし、双方の領域での変化幅を160T、各段階の間隔は10Tとしたものを変化幅固定方式2とした。

0053

つぎに、上記の各方式に対して設定した、記録のフォーマットについて以下に説明する。図7は、記録開始点の変化幅を16Tに設定したとき(すなわち、第1の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットを示す図である。ここで、データ記録用のクロックは遅延用のクロックTと同一とし、1セクタに記録できるデータ容量を1000バイト、記録開始点を変化させないときのVFO領域及びダミーデータの長さをそれぞれ15バイトとした。

0054

図7(a)は記録開始点を変化させていないときの記録のフォーマットである。データ領域(すなわち、変調データ信号に対応する領域)604は、図1の遅延量制御回路109により遅延を加えた後にVFO603及びダミーデータ605が付加されており、これらの領域に対応する信号(すなわち記録データ信号)をレーザ駆動回路110に入力し、レーザ駆動信号111を発生する。

0055

図7(b)は記録開始点を16T(すなわち1バイト)だけ後ろにシフトしたときの記録のフォーマットである。この場合データ領域に対応する部分のレーザの駆動信号(図1の111)は、図7(a)の場合よりも16Tだけ遅い時刻に発生する。変化幅16Tで記録する場合、遅延量制御回路によってデータ領域に対応する部分のレーザの駆動信号の発生するタイミングは16Tの範囲内で変化し、その結果、セクタ中のデータ領域の記録位置は16T(すなわち1バイト)の範囲で変化する。

0056

図8は、記録開始点の変化幅を160Tに設定したとき(すなわち、第2の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットを示す図である。図8(a)は記録開始点を変化させていないときの記録フォーマットである。図8(b)は記録開始点を80T(すなわち5バイト)だけ前にシフトしたときの記録のフォーマットである。図8(b)の場合、データ領域に対応する部分のレーザの駆動信号(図1の111)は、図8(a)の場合よりも80Tだけ早い時刻に発生する。図8(c)は記録開始点を80T(すなわち5バイト)だけ後ろにシフトしたときの記録のフォーマットである。図8(c)の場合、データ領域に対応する部分のレーザの駆動信号(図1の111)は、図8(a)の場合よりも80Tだけ遅い時刻に発生する。

0057

変化幅160Tで記録するときには、遅延量制御回路によってレーザの駆動信号の発生するタイミングは160Tの範囲内で変化し、その結果セクタ中の記録位置は160T(すなわち10バイト)の範囲内で変化する。光ディスク上に形成されたID領域によって、セクタの長さはあらかじめ決まっている。したがって、ギャップ領域802及びバッファ領域806の長さを固定する場合には、セクタ中での記録位置の変化範囲を大きくするほど、VFO領域やダミーデータ領域の長さは減少する。

0058

変化幅固定方式1では、ディレクトリ領域か否かにかかわらず変化幅は1バイトであるから、図7(a)及び(b)に示すようにVFO領域及びダミーデータ領域の長さはそれぞれ15〜16バイト(又は14〜15バイト)の範囲で変動し、VFO領域及びダミーデータ領域は最も短い場合で14(又は15)バイトである。また、変化幅固定方式2では、ディレクトリ領域か否かにかかわらず変化幅は10バイトであるから、図8(a)〜(c)に示すようにVFO及びダミーデータの長さはそれぞれ10〜20バイトの範囲で変動し、VFO及びダミーデータは最も短い場合で10バイトとなる。

0059

一方、変化幅可変方式では、ディレクトリ領域の場合は記録開始点の変化幅は10バイトであるから、図8(a)〜(c)に示すようにVFO領域及びダミーデータ領域の長さはそれぞれ10〜20バイトの範囲で変動し、VFO領域及びダミーデータ領域は最も短い場合で10バイトとなる。また、一般領域の場合には記録開始点の変化幅が1バイトであるから、図7(a)及び(b)に示すように記録開始点を変化させたときのVFO領域及びダミーデータ領域の長さはそれぞれ15〜16(又は14〜15)バイトの範囲で変動し、VFO領域及びダミーデータ領域は最も短い場合で14(又は15)バイトとなる。

0060

上記の条件を用い、ディレクトリ領域では2パターンの記録情報を、一般領域では30パターンの記録情報を同じセクタに繰り返し書換え記録し、繰り返し回数5万回及び10万回後エラー発生状況を調べた。

0061

表1は変化幅可変方式と変化幅固定方式1、変化幅固定方式2との比較を示している。ここで、「同期エラー」とはPLLがロックしなくなったことにより情報を再生できなくなった状態を表し、「再生エラー」とは完全なエラー訂正が不可能になったことにより情報を再生できなくなった状態を表している。

0062

0063

表1に示すように、変化幅固定方式1では一般領域のセクタは繰り返し回数10万回でも再生可能であった。しかし、ディレクトリ領域では5万回でエラーが発生した。ディレクトリ領域のセクタの場合には、この時点で再生波形エンベロープには歪みが発生していた。このことから、第1の従来例ではランダム性の低い記録に対して記録開始点の変化幅が小さすぎたために記録膜の局所劣化によってエラーが発生したと考えられる。

0064

また、変化幅固定方式2では、繰り返し回数5万回ではいずれの領域でも再生可能であったが、10万回ではいずれもエラーが発生した。いずれの領域においても、10万回の繰り返し記録後の再生波形はVFOの少なくとも5バイト以上が消滅していた。このことから、第2の従来例では記録開始点の変化量が大きくVFO領域の長さが短くなる場合が生じるので、セクタ始端部の記録膜劣化によってVFO領域中に占める劣化領域の割合が相対的に大きくなり、PLLがロックしなくなってエラーが発生したと考えられる。

0065

これに対し、変化幅可変方式では繰り返し回数5万回ではいずれの領域でも再生可能であり、10万回でも一般領域では再生可能であった。これは、一般領域に記録する場合には記録開始点の変化量を小さくし、VFO領域の長さを長く設定したので、VFO領域中に占める劣化領域の割合が相対的に小さくなったためと考えられる。また、ディレクトリ領域では記録開始点の変化幅を大きくしたのでデータ領域中の局所的な記録膜劣化が顕著に発生せず、5万回までは再生可能であったと考えられる。

0066

以上述べたように本実施形態に係る光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、記録する条件に合わせて記録開始点の変化幅を設定することができるので、記録膜劣化の顕著なディレクトリ領域の場合には変化幅を大きくすることにより、繰り返し記録時の記録膜の局所的な劣化を改善して繰り返し記録可能回数を多くすることができる。また、繰り返し記録に対して記録膜劣化の少ない一般領域ではVFO領域やダミーデータ領域の長さを長くしてセクタ始終端の劣化に対処し、繰り返し記録可能回数をより多くすることができる。

0067

なお、図1に示した実施形態では、合成回路109の前に遅延量制御回路106を設けたが、図9に示すように合成回路109の後に遅延量制御回路106を設けてもよい。図9の構成で、あるセクタを書き換える動作を示すフローチャートは図10のようになり、VFO603及びダミーデータ605を付加して(ステップ905)から遅延量制御回路106にて記録データ信号の遅延を行う(ステップ909)ことが図2のフローチャートと異なる。

0068

そして、変化幅が16Tのとき(すなわち、第1の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットは図11のようになる。図11(a)は記録開始点を変化させていないとき、図11(b)は記録開始点を16T遅らせたときの記録のフォーマットである。変化幅が160Tのとき(すなわち、第2の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットは図12のようになる。図12(a)は記録開始点を変化させていないとき、図12(b)は記録開始点を80T早めたとき、図12(c)は記録開始点を80T遅らせたときの記録のフォーマットである。図9に示すような実施形態の場合、VFO603、データ領域604、ダミーデータ605すべての記録開始点を変化させることが図7及び図8と異なる。その結果、VFO領域及びダミーデータ領域の長さが短くなることはないので、セクタ始終端の劣化の影響を受けにくい利点がある。

0069

また、図1の別の実施形態として、図31に示すように合成回路109の前後に2つの遅延量制御回路3101、3102を設けてもよい。第1の遅延量制御回路3101は0〜144Tの変化幅の範囲内で変調データ信号の遅延を行ない、第2の遅延量制御回路3102は0〜16Tの変化幅の範囲内で記録データ信号の遅延を行う。図31の構成で、あるセクタを書き換える動作を示すフローチャートは図32のようになる。図32では、記録頻度の高い領域の場合のみ第1の遅延量制御回路3101により0〜144Tの変化幅の範囲内で変調データ信号の遅延を行う(3206)。そして、VFO603及びダミーデータ605を付加して(3207)から、記録頻度の高低にかかわらず第2の遅延量制御回路3102にて0〜16Tの変化幅の範囲内で記録データ信号の遅延を行う(3208)ことが図2のフローチャートと異なる。

0070

図34図31における第1の遅延量制御回路の構成例を示す図である。図34の遅延量制御回路では、選択部3406は選択回路3404からなる。記録制御部3405は複数の遅延回路3401、遅延回路3401を動作させるクロックを発生するクロック発生回路3402、変調データ信号105の遅延回路3401への入力先を決定するセレクタ3403からなる。

0071

遅延回路3401の遅延量は遅延用のクロックTにしたがって0, T, 2T,3T,..., 144Tとなるように設定されている。すなわち、遅延量の変化する各段階の間隔はTであり、遅延量の変化幅は144Tである。

0072

そして選択回路3404を切り換えてセレクタ3403を選択すると、遅延回路3401により0〜144Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングがランダムに変化する(これが第1の記録タイミング設定機能に相当する)。一方、選択回路3404は遅延回路401を経由しないで直接出力させることもできる。この場合、遅延量は常にゼロであり記録のタイミングは一定である(これが第2の記録タイミング設定機能に相当する)。

0073

図34の遅延量制御回路の実際の動作は以下のようになる。光ディスク113の一般領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがってセレクタ3404が選択回路3403を経由するように切り替わり、遅延回路1〜144Tの144段階の遅延量のいずれかを選択するようにし、0〜144Tの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120により選択回路3403の行き先をランダムに決定する。セレクタの行き先は次のアドレスを検出するまで保持する。

0074

一方、ディレクトリ領域に記録するときには、識別子検出回路119からの信号121にしたがってセレクタ3404が遅延回路3401を経由しないように切り替わり、常に遅延量がゼロになるようにする。

0075

図35図31における第2の遅延量制御回路の構成例を示す図である。図35の遅延量制御回路において、記録制御部3504は複数の遅延回路3501、遅延回路3501を動作させるクロックを発生するクロック発生回路3502、変調データ信号105の遅延回路3501への入力先を決定するセレクタ3503からなる。

0076

遅延回路3501の遅延量は遅延用のクロックTにしたがって0, T, 2T,3T,..., 16Tとなるように設定されている。すなわち、遅延量の変化する各段階の間隔はTであり、遅延量の変化幅は16Tである。

0077

図35の遅延量制御回路の実際の動作は以下のようになる。光ディスク113の記録領域(又は記録頻度)にかかわりなく、選択回路3503は遅延回路1〜16の16段階の遅延量のいずれかを選択するようにし、0〜16Tの遅延量を発生させるようにする。そして、システム制御回路からのアドレス検出信号120により選択回路3403の行き先をランダムに決定する。セレクタの行き先は次のアドレスを検出するまで保持する。

0078

このように図34図35の遅延量制御回路を用いて、ディレクトリ領域とそれ以外の領域とで遅延の段階数を異ならせることによりデータ領域の記録開始点の変化幅を異ならせることができる。

0079

図31の実施形態における記録のフォーマットについて説明する。図31の実施形態では、変化幅が16Tのとき(すなわち、第1の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットは図11のようになる。図11(a)は記録開始点を変化させていないとき、図11(b)は記録開始点を16T遅らせたときの記録のフォーマットである。これらの場合、VFO603、データ領域604、及びダミーデータ605は一様に1バイトの変化幅で記録開始点が変化する。

0080

変化幅が160Tのとき(すなわち、第2の記録タイミングが設定されたとき)の記録のフォーマットは図33のようになる。図33(a)は記録開始点を変化させていないとき、図33(b)は記録開始点を80T早めたとき、図33(c)は記録開始点を80T遅らせたときの記録のフォーマットである。これらの場合、VFO603及びダミーデータ605は1バイトの変化幅で記録開始点が変化し、データ領域では10バイトの変化幅で記録開始点が独立に変化することが図7及び図8と異なる。

0081

なお、図31の実施形態では、第1の記録タイミング機能が設定されたときには、VFO603、データ領域604、及びダミーデータ605が一様に変化するものとしたが、VFO及びダミーデータとデータ領域とが独立に変化するものであってもよい。ただし、一様に変化するものとしたほうが、第2の遅延量制御回路内で記録領域に対する切り換えが必要無いので、第2の遅延量制御回路の構成を簡略化できる利点がある。

0082

スピンドルモーター114の回転ジッタが小さいときや、レーザ駆動回路110でのレーザパワー制御動作が十分早い場合には、図9の構成にするのがより好ましい。逆に、スピンドルモーター114の回転ジッタ114が大きいときや、レーザ駆動回路110のレーザパワー制御動作が早くない場合には、図1の構成にして、図7及び図8のように、記録開始点の変化にかかわらず一定のギャップ領域602及びバッファ領域606を確保するのがより好ましい。図31の構成はギャップ領域602及びバッファ領域606が適度に確保できるものである。図1図9図31いずれの構成でも繰り返し記録可能回数をより多くすることができる。

0083

また、情報を高密度に記録する別の手法として、ガイド溝とガイド溝の間のランドにも情報を記録する方法が提案されている。この場合、ガイド溝とランドとでは、記録マーク周辺の基板断面形状が異なることから、記録マーク周辺部分への熱的負担が異なる。そのため、同等の回数だけ繰り返し記録しても、ガイド溝とランドとでは記録膜の劣化の度合いが異なる現象が生ずる。

0084

このような課題を解決するために、記録再生装置を図13のように構成してもよい。図13ではランド/ガイド溝識別子検出回路1201の識別結果により遅延量制御回路で記録開始点の変化幅を設定する点が図1と異なる。この場合には、ランドに記録するときとガイド溝に記録するときとで変化幅を異ならせることになる。そして、繰り返し記録可能回数をより増大させるという、図1の構成と同様の効果が得られる。

0085

また、情報を高密度に記録するために、記録マークの両端のエッジに情報を持たせるパルス幅変調(Pulse Width Modulation)方式を用いることが提案されている。しかし、パルス幅変調は、記録マークの位置(又は間隔)に情報を持たせるパルス位置変調(Pulse Position Modulation)方式に比べて、長い記録マークを形成することが多いため、記録膜の劣化が早い傾向にある。更に、パルス幅変調では記録マークのエッジを精密に検出できないと情報の再生ができないため、情報の再生能力は記録膜の劣化に対してより敏感になる。すなわち、同等の記録膜劣化でも、パルス幅変調のほうが情報を正確に再生しにくい。

0086

このような課題を解決するために、記録再生装置を図14のように構成してもよい。図14では変調方式識別子検出回路1301の識別結果により遅延量制御回路106で記録開始点の変化幅を設定する点が図1と異なる。この場合には、パルス幅変調で記録するときと、パルス位置変調で記録するときとで記録開始点の変化幅を異ならせることになる。そして、繰り返し記録可能回数をより増大させるという、図1の構成と同様の効果が得られる。

0087

また、記録情報を記録する線密度(トラック方向記録密度ともいう)が異なる複数の記録媒体又は単一媒体中の複数の記録領域に対し、単一の記録再生装置で記録することが提案されている。しかし、高い線密度で記録するときは記録マークのエッジ(又は位置)をより精密に検出できないと情報の再生ができないため、情報の再生能力は記録膜の劣化に対してより敏感になる。すなわち、同等の記録膜劣化でも線密度を高くして記録したほうが情報を正確に再現しにくい。

0088

このような課題を解決するために、図14の変調方式識別子検出回路1301の代わりに線密度識別子検出回路を用いて構成してもよい。この場合には線密度を高くして記録するときと線密度を低くして記録するときとで記録開始点の変化幅を異ならせることになる。そして、繰り返し記録回数をより増大させるという、図1の構成と同様の効果が得られる。

0089

また、トラックピッチ(すなわちガイド溝間のピッチ)が異なる複数の記録媒体又は単一媒体中の複数の記録領域に対し、単一の記録再生装置で記録することが提案されている。しかし、狭いトラックピッチの領域に記録するときには隣り合ったガイド溝に対する記録による記録膜の劣化の影響も受けやすくなるため、情報の再生能力は記録膜の劣化に対してより敏感になる。すなわち、同等の記録膜劣化でもトラックピッチの高い領域に記録したほうが情報を正確に再生しにくい。

0090

このような課題を解決するために、図14の変調方式識別子検出回路1301の代わりにトラックピッチ識別子検出回路を用いて構成してもよい。この場合にはトラックピッチの高い領域に記録するときと低い領域に記録するときとで記録開始点の変化幅を異ならせることになる。そして、繰り返し記録回数をより増大させるという、図1の構成と同様の効果が得られる。

0091

なお、上記の繰り返し記録密度、変調データ信号の変調方式、線密度、トラックピッチが記録媒体ごとに異なるものである場合には、識別子は記録媒体を保持するカートリッジに記録されているものであっても同様の効果が得られる。

0092

また、記録開始点の変化幅、段階数、間隔や記録のフォーマット等は本実施形態で示したものに限るわけではなく、記録条件や媒体に応じて適切な値を設定することが可能である。更に、必要に応じて変調方式、繰り返し記録の頻度、ランド/グルーブ等を組み合わせて、記録開始点の変化幅を3種類以上に異ならせてもよいことは言うまでもない。

0093

(実施形態2)つぎに、本発明の別の実施形態に係る光学的情報記録媒体の記録再生方法について説明する。図15は本実施形態に係る記録再生装置の構成を示す図であり、図16は本実施形態において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を説明するフローチャートである。

0094

図15及び図16で従来の構成・動作と異なるのは、エラー訂正情報を付加する前に、並べ替え方法決定手段1401により、信号として発せられる記録情報102の並べ替え方法(変換方法)をランダムに決定し(ステップ1503)、並べ替え手段1402において一連の記録情報の分割・並べ替え(変換)を行って変換情報1405を得て(ステップ1504)、並べ替えた記録情報を復元するための並べ替え情報を識別情報として新たに付加する(ステップ1505)点である。

0095

図17は本実施形態において、あるセクタに記録した記録情報を再生する動作を説明するフローチャートである。図15及び図17で従来の構成・動作と異なるのは、エラー訂正及びディインターリーブを行った(ステップ1604)後、並べ替え情報検出回路1403により記録情報の復元のための情報を識別情報として検出し(ステップ1605)、その検出結果に基づいて選択した復元方法により復元手段1404において記録情報を復元する(ステップ1606)点である。

0096

並べ替え方法決定手段1401、並べ替え手段1402及び復元手段1404による、記録情報の並べ替え及び復元の動作の一例を図18及び図19を用いて具体的に説明する。

0097

記録情報の分割及び並べ替えは以下のようにして行う。図18(a)に示すような一連の記録情報に対し、分割する位置をランダムに決定する。そして記録情報の分割を行ない、入れ換え、分割した位置を示す並べ替え情報を識別情報として変換情報の後に付加し図18(b)に示す状態にする。例えば記録情報の20バイト目で分割して並べ替えた(これが変換方法に相当する)場合には、その「20バイト目」を示す情報を変換情報に付加する。なお、並べ替え情報は必ずしも各セクタに記録する必要はなく、ディレクトリ領域(ディレクトリ領域)に記録するものでもよい。また、一度の書換えに対する並べ替え方式は必ずしもセクタごとに異ならせる必要はなく、複数セクタに対する一連の書換えに対しては並べ替え方式は同じであってもよい。そして、エラー訂正情報付加及びインターリーブ処理を行う。

0098

再生のときには、図19(a)に示すようにエラー訂正及びディインターリーブ処理を行ったのちに変換情報の最後に付加されている並べ替え情報を検出する。例えば並べ替え情報が「20バイト目」を示す情報であった場合には、変換情報の後端20バイトを分割して先頭に付加する(これが復元方法に相当する)ことにより、図19(b)に示すように元の記録情報を得ることになる。

0099

何バイト目で分割するかは該当セクタに記録するごとに図15の並べ替え手段1402においてランダムに決定するので、たとえ同一の記録情報を同一のセクタに繰り返し記録する場合でも、常に異なる変調データ信号を用いて記録を行うことになる。その結果、VFO領域及びRESYNC領域以外は常に異なる記録データ信号を用いて光ディスク113に記録することになり、光ディスク113のガイド溝2302において記録マーク2501が形成される確率はセクタ内の記録領域のいずれの位置においてもほぼ等しくなる。それゆえ、多数回の書換えによって記録領域内で生じていた局部的なダメージは解消されることになる。

0100

上記の並べ替え動作を実現する、並べ替え方法決定手段1401、並べ替え手段1402の構成例を図20に示す。乱数発生回路2901は並べ替えタイミング信号トリガとして乱数を発生する。光ディスクの各セクタをランダムにアクセスするような用途で使用する場合には、乱数発生回路の代わりにカウンタ回路を用いても実質的に乱数を発生したのと同じことになる。乱数発生回路2901からの乱数に基づき、アドレスプリセット回路2902はメモリ2903から読み出す初期メモリアドレス(上記の並べ替え動作例では、メモリ2903に蓄えられた記録情報の先頭から20バイト目に相当するメモリ上のアドレス)をメモリ2903に設定する。メモリ2903は、記録情報をいったん蓄えた後、設定された初期メモリアドレスから記録情報を順番に出力し、記録情報の後端を出力した後は記録情報の先頭から出力することにより、並べ替えられた変換情報を発することになる。更に合成回路2904にて初期メモリアドレスを示す識別情報を結合する。

0101

また上記の復元動作を実現する並べ替え情報検出回路1403、復元手段1404の構成例を図21に示す。検出回路3001はエラー訂正・ディインターリーブを行った後の変換情報及び識別情報から、識別情報を検出する。ホールド回路3002は、つぎの識別情報を検出するまで識別情報をホールドしてアドレスプリセット回路3003に与える。アドレスプリセット回路3003はメモリ3004に初期メモリアドレス(上記の復元動作例では、メモリ2903に蓄えられた記録情報の後端から20バイト目に相当するメモリ上のアドレス)を設定する。メモリ3004は、変換情報をいったん蓄えた後、設定された初期メモリアドレスから変換情報を順番に出力し、変換情報の後端を出力した後は変換情報の先頭から出力することにより、ことにより記録情報を復元することになる。

0102

ここで、システム制御回路の構成を図22を用いて説明する。図22で従来のシステム制御回路と異なるのは、アドレス情報検出回路2603からのアドレス情報及びアドレス情報検出信号にしたがって、並べ替えタイミング発生回路2801が並べ替えタイミング信号を並べ替え方法決定手段1401に与える点である。

0103

以下に具体的な実施例をあげて本実施形態の効果を説明する。光ディスクへの記録条件は先の実施例と同様とした。光ディスク113のディスク基板には、直径130mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この樹脂基板には、凸凹形状の位相ピットをあらかじめアドレス情報としてプリフォーマットし、セクタ領域には記録用ガイド溝を形成した。基板上に保護膜、光感応性記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護基板を接着した。

0104

本実施例では、保護膜としてZnS-SiO2、光感応性記録膜としてTe-Sb-Ge、反射膜としてAlを用いた。そして、スピンドルモーター113によりこのディスクを線速度5m/sで回転させ、波長680nmのレーザ光を開口数(NA)0.6の対物レンズで集束させて記録を行った。記録再生時のレーザ光のパワーは、Pp=10mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。記録情報の変調方式は(1,7)RLLのパルス幅変調を用いた。また、最短マーク長は0.6μmである。

0105

上記の条件を用いて、同一の記録情報を同一のセクタに10万回繰り返し記録した。そして、繰り返し記録ごとに記録情報をランダムな位置で2分割し並べ替えた記録情報並べ替え方式と、並べ替えを用いない従来方式とで再生信号のエラーレートを測定したものを比較した。いずれの方式でも、1セクタに記録する記録情報は500バイトとし、記録情報並べ替え方式では、分割位置を1バイト単位でランダムに決定した。その比較結果を表2に示す。

0106

0107

表2から明らかなように、記録情報並べ替え方式のほうが10万回繰り返し記録後のエラーレートが低く、繰り返し記録可能回数を増大させることができるという点で優れた効果が得られる。

0108

以上述べたように本実施形態に係る光学的情報記録媒体の記録再生方法によれば、同一の記録情報をディスク上の同じ位置で繰り返し書き換える場合でも、複数の異なるパターンへの変換により記録データ信号は異なるパターンとなるので、記録膜の特定位置へのダメージが分散され、多数回の書換えによる記録膜の劣化を抑制することができる。

0109

なお、記録情報の分割数等は本実施形態にて示したものに限られるものではなく、記録条件や媒体に応じて適切な値を設定することが可能である。また、一連の記録情報の変換の方法は本実施形態に記載のものに限られるものではなく、同一の記録情報を2種類以上の異なるパターンのいずれかに変換する方法であればどのようなものでもよい。

0110

例えば、図23のようにインターリーブ回路にて異なるインターリーブ方法を複数設けておく構成にしてもよい。この構成では、記録時には各インターリーブ方法のいずれか(103、1903)を第1の選択回路1902でランダムに選択してインターリーブ処理を行ない、インターリーブの方法を示す情報を識別情報として変換情報に付加する点が図15と異なる。また、再生時には、インターリーブ方法検出回路1906で検出したインターリーブの方法を示す情報に基づいて各ディインターリーブ方法のいずれか(117、1904)を第2の選択回路1905でランダムに選択してディインターリーブ処理を行う点が図15と異なる。またインターリーブ方法決定手段1901は、図15の並べ替え方法決定手段1401と同じく乱数発生回路やカウンタ回路によって構成する。

0111

図24(a)はインターリーブ処理をする前の記録情報の状態の一例を示している。図24(b)はインターリーブ処理をした後にインターリーブの方法を表す情報を付加した状態を示す。図24(c)はディインターリーブ処理をする前の記録情報の状態の一例を示す。そして、図24(d)はインターリーブの方法を示す情報に基づきディインターリーブ処理をした後の状態を示している。この場合、記録情報の分割及び並べ替え処理をインターリーブ処理と兼用することができるので、記録再生装置の構成をより簡便なものとすることができる。

0112

また、同一の記録情報を2種類以上の異なる変換方法によって変換情報に変換する方法として、以下のようなものであってもよい。図25は2種類以上の異なるスクランブル方法により、記録情報から変換情報を生成する例を示す構成である。本構成ではスクランブル方法として、記録情報単位ごとにビットシフトする方法を用いている。この構成では、記録時にはビットシフト方法決定手段2101にてシフトするビット数をランダムに決定し、ビットシフト回路2102においてある特定の記録情報単位(例えば記録情報の1バイト)ごとに一定ビットずつのビットシフト処理(これが変換方法に相当する)を施して変換情報1405を得、各記録情報単位のビットシフト量を示す情報を識別情報として付加する点が図15と異なる。また、再生時には、ビットシフト情報検出回路2103で検出したビットシフト数を示す情報に基づいて逆ビットシフト数を選択し、逆ビットシフト回路2104で一定ビットずつの逆ビットシフト処理(これが復元方法に相当する)を行う点が図15と異なる。またビットシフト方法決定手段2101は、図15の並べ替え方法決定手段1401と同じく乱数発生回路やカウンタ回路によって構成する。

0113

図26(a)はビットシフト処理をする前の記録情報の状態の一例を示す。図26(b)はビットシフト処理をした後にビットシフトの方法を表す情報を付加した状態を示す。図26(c)は逆ビットシフト処理をする前の記録情報の状態の一例を示す。そして、図26(d)はビットシフトの方法を示す情報に基づき逆ビットシフト処理をした後の状態を示している。この場合、並べ替えのために多くのバッファメモリを確保する必要がなく、記録再生装置の構成をより簡便なものとすることができる。

0114

更に、上記第2の各実施例において、セクタ中の変調データ信号の記録開始点をランダムに変化させて記録をすれば、データ領域中のRESYNC領域も異なる位置に記録されることになるので繰り返し記録可能回数を一層増大させることができる。

図面の簡単な説明

0115

図1本発明の第1の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
図2図1の記録再生装置において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を示すフローチャート
図3図1の記録再生装置におけるシステム制御回路の構成を示すブロック図
図4図1の記録再生装置における遅延量制御回路の構成を示すブロック図
図5図1の記録再生装置における遅延量制御回路の別の構成を示すブロック図
図6(a)は一般領域の場合の記録開始点の変化幅とエラーレートとの関係を示す図(b)はディレクトリ領域の場合の記録開始点の変化幅とエラーレートとの関係を示す図
図7図1の記録再生装置において変化幅16Tのときの記録のフォーマットを示す図
図8図1の記録再生装置において変化幅160Tのときの記録のフォーマットを示す図
図9図1の記録再生装置の変形例を示すブロック図
図10図9の記録再生装置において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を示すフローチャート
図11図9の記録再生装置における変化幅16Tのときの記録フォーマットを示す図
図12図9の記録再生装置における変化幅160Tのときの記録フォーマットを示す図
図13図1の記録再生装置の別の変形例を示すブロック図
図14図1の記録再生装置の別の変形例を示すブロック図
図15本発明の第2の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
図16図15の記録再生装置において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を示すフローチャート
図17図15の記録再生装置において、あるセクタの記録情報を再生する動作を示すフローチャート
図18図15の記録再生装置において記録情報の並べ替えの前後の状態を示す図
図19図15の記録再生装置において記録情報の復元の前後の状態を示す図
図20図15の記録再生装置における並べ替え方法決定手段、並べ替え手段の構成を示すブロック図
図21図15の記録再生装置における並べ替え情報検出回路、復元手段の構成を示すブロック図
図22図15の記録再生装置におけるシステム制御回路の構成を示すブロック図
図23図15の記録再生装置の変形例を示すブロック図
図24図23の記録再生装置におけるインターリーブ及びデインターリーブ処理の例を示す図
図25図15の記録再生装置の別の変形例を示すブロック図
図26図25の記録再生装置におけるビットシフト及び逆ビットシフト処理の例を示す図
図27従来の光学的情報記録媒体を示す断面図
図28従来の記録再生装置の構成を示すブロック図
図29従来の記録再生方法における記録データ信号、レーザ光の強度変調状態、光ディスクへの記録状態及び記録フォーマットを示す図
図30図28の記録再生装置におけるシステム制御回路の構成を示すブロック図
図31図1の記録再生装置の変形例を示すブロック図
図32図31の記録再生装置において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を示すフローチャート図
図33図31の記録再生装置における変化幅160Tのときの記録のフォーマットを説明するレイアウト
図34図34図31の記録再生装置における第1の遅延量制御回路の構成を示すブロック図
図35図35図31の記録再生装置における第2の遅延量制御回路の構成を示すブロック図

--

0116

101システム制御回路
102情報信号
103エラー訂正・インターリーブ回路
104変調回路
105変調データ信号
106遅延量制御回路
107ダミーデータ発生回路
108同期信号発生回路
109合成回路
110レーザ駆動回路
111レーザ駆動信号
112光ヘッド
113光ディスク
114スピンドルモーター
115再生信号処理回路
116復調回路
117 エラー訂正・ディインターリーブ回路
118記録データ信号
119記録頻度識別手段
120ID検出信号
121 記録頻度識別信号
122RF信号
301遅延回路
302 第1のクロック発生回路
303 第2のクロック発生回路
304セレクタ
305選択回路
306記録制御部
307 選択部
401 遅延回路
402 クロック発生回路
403 第1のセレクタ
404 第2のセレクタ
405 選択回路
406 記録制御部
407 選択部
601ID領域
602ギャップ領域
603VFO領域
604 データ領域
605ダミーデータ領域
606バッファ領域
607セクタ
1401 並べ替え情報決定手段
1402 並べ替え手段
1403 並べ替え情報検出手段
1404復元手段
1405 記録信号

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