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技術 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

出願人 東レ株式会社
発明者 本間雅登田村真一井上俊英
出願日 1998年3月19日 (22年9ヶ月経過) 出願番号 1998-070437
公開日 1998年12月15日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1998-330439
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 重合方法(一般) グラフト、ブロック重合体
主要キーワード 加熱プレス後 表面外観特性 グラフト共重合体組成物 ABS樹脂 アルキルチオール化合物 成形品表面外観性 分散性低下 ゴム質重合体粒子
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課題

ゴム含量の極めて高いグラフト重合体ブレンドしたゴム強化スチレン系樹脂において、成形品表面外観衝撃強度を向上させること。

解決手段

グラフト重合体のグラフト効率及び未グラフト重合体成分の極限粘度を制御すること。

概要

背景

アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ABS樹脂)は耐衝撃性の優れた樹脂として知られており、この効果はマトリックス樹脂(AS樹脂)中にゴム質重合体粒子が分散することで発現される。ここで、ゴム質重合体とマトリックス樹脂とは本来相容しないため、ゴム質重合体にマトリックス樹脂と相溶性のある成分をグラフトさせることが必要である。

また、ABS樹脂は、一般的にゴム質重合体組成の高いグラフト重合体とマトリックス樹脂とを別途製造してから両者をブレンドするプロセスにより製造されているが、これは、ゴム質重合体の存在下に全ての単量体成分重合して得られる製造プロセスよりも生産性経済性が非常に高く、且つ樹脂組成物の物性、特に衝撃性流動性機械物性バランスよく設定できるという利点があるためである。

概要

ゴム含量の極めて高いグラフト重合体をブレンドしたゴム強化スチレン系樹脂において、成形品表面外観衝撃強度を向上させること。

グラフト重合体のグラフト効率及び未グラフト重合体成分の極限粘度を制御すること。

目的

効果

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請求項1

ジエン系ゴム質重合体65〜85重量部の存在下、芳香族ビニル系単量体50〜99重量%、シアン化ビニル系単量体1〜50重量%、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体混合物15〜35重量部をグラフト重合してなるものであって、式(1)で定義されるグラフト効率が60〜80%であるグラフト共重合体組成物。グラフト効率=(グラフトした単量体重量)/(全単量体重量) (1)

請求項2

ジエン系ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物をグラフト重合させる反応を乳化重合で行うことを特徴とする請求項1のグラフト重合体(A)の製造方法。

請求項3

ジエン系ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物をグラフト重合させる際に生成するグラフトしない重合体(未グラフト重合体)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度が0.05〜0.35dl/gである請求項1〜2いずれかに記載のグラフト重合体。

請求項4

請求項1〜3記載のグラフト重合体(A)10〜90重量部と、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる群より選択された少なくとも一種の単量体を重合してなる重合体(B)10〜90重量部とからなる熱可塑性樹脂組成物

請求項5

重合体(B)が、芳香族ビニル系単量体単位50〜99重量%、シアン化ビニル系単量体単位1〜50重量%、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜50重量%からなることを特徴とする請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項6

重合体(B)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度が0.3〜1dl/gである請求項4〜5いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項7

前記グラフト重合体(A)と重合体(B)とを溶融混練することにより得られる請求項4〜6記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ゴム質重合体を含有するグラフト重合体及び該グラフト重合体を含んでなる耐衝撃性成形品表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ABS樹脂)は耐衝撃性の優れた樹脂として知られており、この効果はマトリックス樹脂(AS樹脂)中にゴム質重合体粒子が分散することで発現される。ここで、ゴム質重合体とマトリックス樹脂とは本来相容しないため、ゴム質重合体にマトリックス樹脂と相溶性のある成分をグラフトさせることが必要である。

0003

また、ABS樹脂は、一般的にゴム質重合体組成の高いグラフト重合体とマトリックス樹脂とを別途製造してから両者をブレンドするプロセスにより製造されているが、これは、ゴム質重合体の存在下に全ての単量体成分重合して得られる製造プロセスよりも生産性経済性が非常に高く、且つ樹脂組成物の物性、特に衝撃性流動性機械物性バランスよく設定できるという利点があるためである。

発明が解決しようとする課題

0004

一般的に、マトリックス樹脂とブレンドするグラフト重合体のゴム質重合体含量が高い程、生産性、経済性を一層高められる。しかし、グラフト重合体のゴム質重合体含量が高めるとともに、樹脂組成物の成形品表面外観が低下し、更に物性をバランスよく設定することが困難となる。特に、ゴム質重合体含量が65重量%以上では、フィッシュアイに見られる成形品の表面外観性及び衝撃性が著しく低下する。

0005

これは、ゴム質重合体が凝集し、マトリックス樹脂への分散性が低下したものと考えられる。この凝集は、特にゴム質重合体含量が65重量%以上で顕著であり、グラフト成分の相対的減少によりマトリックス樹脂とグラフト重合体の相溶性の低下及びグラフト重合体同士の凝集などが原因として考えられる。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは上記課題の解決を鋭意検討した結果、ゴム質重合体含量が65〜85重量%のグラフト重合体を製造するに際し、ゴム質重合体同士の凝集を抑制するためグラフト反応に供する単量体成分の一部をグラフトさせずに重合させる、つまりグラフト重合におけるグラフト効率を特定の範囲に制御することが有効であることを見出した。

0007

即ち、本発明は、
1.「ジエン系ゴム質重合体65〜85重量部の存在下、芳香族ビニル系単量体50〜99重量%、シアン化ビニル系単量体1〜50重量%、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体混合物15〜35重量部をグラフト重合してなるものであって、式(1)で定義されるグラフト効率が60〜80%であるグラフト共重合体組成物
グラフト効率=(グラフトした単量体重量)/(全単量体重量) (1)
」、
2.「ジエン系ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物をグラフト重合させる反応を乳化重合で行うことを特徴とする前記グラフト重合体(A)の製造方法。」、
3.「ジエン系ゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合物をグラフト重合させる際に生成するグラフトしない重合体(未グラフト重合体)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度が0.05〜0.35dl/gである前記いずれかのグラフト重合体。」、
4.「前記いずれかのグラフト重合体(A)10〜90重量部と、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる群より選択された少なくとも一種の単量体を重合してなる重合体(B)10〜90重量部とからなる熱可塑性樹脂組成物。」、
5.「重合体(B)が、芳香族ビニル系単量体単位50〜99重量%、シアン化ビニル系単量体単位1〜50重量%、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体単位0〜50重量%からなることを特徴とする前記記載の熱可塑性樹脂組成物。」、
6.「重合体(B)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度が0.3〜1dl/gである前記いずれかの熱可塑性樹脂組成物。」を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明で重量とは質量を意味する。

0009

まず、本発明のグラフト重合体(A)とはジエン系ゴム質重合体65〜85重量部の存在下、芳香族ビニル系単量体50〜99重量%、シアン化ビニル系単量体1〜50重量%、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%からなる単量体混合物15〜35重量部をグラフト重合してなるものである。

0010

これに用いられるジエン系ゴム質重合体としては、共役ジエンを主成分とした重合体または共重合体が好適である。このうち共役ジエンの含有量は75重量%以上、特に85重量%以上が好ましい。具体的には、ポリブタジエンスチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体およびイソプレンゴムなどを使用することができる。

0011

これらのジエン系ゴム質重合体の平均粒子径は0.1〜0.6μmのものを使用することが好ましく、0.2〜0.4μmのものが更に好ましく用いられる。その粒子径分布については、特に限定しないが、2分布を有するゴム質重合体を使用すると耐衝撃性などをよく改良できる。

0012

本発明において、上記ゴム質重合体の存在下にグラフト重合する単量体は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及び必要に応じこれらと共重合可能な他のビニル系単量体の混合物である。

0013

芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン及びo,p−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、特にスチレンが好ましく用いられる。これらは1種または2種以上を併用しても良い。

0014

シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。

0015

また、これらと共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸系単量体不飽和カルボン酸無水物系単量体不飽和カルボン酸エステル系単量体、またはマレイミド系単量体などを用いることができる。具体的には、(メタアクリル酸無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2,3−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,4−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,6−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,3−ジクロロフェニルマレイミド、N−2,3−ジブロモフェニルマレイミドを使用できる。

0016

本発明のグラフト重合体(A)はジエン系ゴム質重合体65〜85重量部、好ましくは70〜80重量部に対し、単量体混合物15〜35重量部、好ましくは20〜30重量部をグラフト重合することにより得られる。ゴム質重合体が85重量部を越えると単量体混合物の相対的減少により、樹脂の表面外観特性及び耐衝撃性が著しく低下する。また、65重量部未満では生産性、経済性の面で著しく劣るため好ましくない。

0017

ここで、グラフト重合反応に供する単量体のうち、芳香族ビニル系単量体の割合は50〜99重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは70〜80重量%であり、50重量%未満ではマトリックス樹脂へのゴム粒子の良好な分散状態が得られず好ましくない。

0018

シアン化ビニル系単量体の割合は全単量体のうち1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%であり、50重量%を越える場合は樹脂組成物の衝撃性及び表面外観が低下するため好ましくない。

0019

また、これらと共重合可能な他のビニル系単量体は50重量%以下で用いれば本発明の目的を達成させることが可能である。

0020

該グラフト重合体の製造方法については、乳化重合が好ましい。乳化重合における単量体混合物、乳化剤重合開始剤および連鎖移動剤などの成分の添加方法としては様々の方法を採用することができる。即ち、重合初期に全量を添加する方法、一部を初期に添加し残りを連続添加する方法、全量を連続添加する方法及び2回以上に分割して添加する方法などが挙げられる。

0021

使用する乳化剤、重合開始剤及び連鎖移動剤の種類については特に制限はなく、通常の乳化重合で用いられる試薬を使用できる。代表的な乳化剤としてはロジン酸カリウムステアリン酸カリウム及びオレイン酸カリウムなどが、重合開始剤としては有機ハイドロパーオキサイドと含糖ピロリン酸硫酸第一鉄の併用系及び過流酸塩などが、また連鎖移動剤としてはアルキルチオール化合物がそれぞれ挙げられる。

0022

本発明の目的を達成するためには、上記のグラフト重合において、(1)式で定義されるグラフト効率を60〜80%の範囲にすることが必要である。
グラフト効率=(グラフトした単量体重量)/(全単量体重量) (1)

0023

グラフト効率が80%を越えると、これは、未グラフト重合体が不足したことによるグラフトゴム分散性低下が原因と考えられる。また、グラフト効率が60%未満であっても成形品表面外観性及び衝撃性が低下するため好ましくない。これは、グラフト成分の減少によるものと推察される。

0024

ここで、未グラフト重合体は、アセトンによる抽出で容易にグラフト重合体と分離できる。該未グラフト重合体のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度は0.05〜0.35dl/g、好ましくは0.1〜0.30dl/gである。0.35dl/gを越えるとグラフトゴムの分散性が低下するため好ましくない。また、0.05dl/g未満では十分な衝撃強度が得られず好ましくない。

0025

グラフト効率及び未グラフト重合体の極限粘度はゴム質重合体と単量体混合物の比率や、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤の種類及び添加量を調節することにより制御可能である。

0026

本発明では、さらにグラフト重合体(A)10〜90重量部と、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体からなる群より選択された少なくとも一種の単量体を重合してなる重合体(B)10〜90重量部とからなる熱可塑性樹脂組成物が提供される。

0027

以下、重合体(B)について具体的に説明する。

0028

重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体単位、シアン化ビニル系単量体単位、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体単位からなることを特徴とする熱可塑性の重合体であり、芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン及びo,p−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、特にスチレンが好ましく用いられる。これらは1種または2種以上を併用しても良い。

0029

シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びエタクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。

0030

また、これらと共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸系単量体、不飽和カルボン酸無水物系単量体、不飽和カルボン酸エステル系単量体、またはマレイミド系単量体などを用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−2,3−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,4−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,6−ジメチルフェニルマレイミド、N−2,3−ジクロロフェニルマレイミド、N−2,3−ジブロモフェニルマレイミドを使用できる。

0031

芳香族ビニル系単量体の割合は全単量体のうち50〜99重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは70〜80重量%であり、シアン化ビニル系単量体の割合は1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%である。芳香族ビニル系単量体の割合が99重量%を越えても50重量%未満でも樹脂組成物の物性バランスが低下するため好ましくない。また、これらと共重合可能な他の単量体は、種々の目的で配合することができるが、必須成分ではなく、本発明の効果を維持するために50重量%以下の量が配合できる。

0032

具体的に、本発明に使用される重合体(B)としては、ポリスチレン、SAN(スチレン−アクリロニトリル共重合体)樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体などが挙げられ、これらは2種以上を併用しても良い。

0033

上記より選択される重合体(B)は、塊状重合懸濁重合溶液重合、及び乳化重合等による公知の方法によって重合される。得られた重合体のメチルエチルケトン溶媒、30℃の条件で測定した極限粘度は0.3〜1dl/gであり、好ましくは0.4〜0.8dl/gである。1dl/gを越えると、熱可塑性樹脂成形加工性が損なわれ、0.3dl/g未満では衝撃性や機械物性が十分でないため好ましくない。

0034

グラフト重合体(A)と重合体(B)を溶融混練する方法に関しては特に制限はなく、例えば単軸押出機などを用いて簡便に製造することができる。

0035

また、本発明のグラフト重合体(A)ならびにグラフト重合体(A)および重合体(B)からなる樹脂組成物には、目的に応じてカーボンブラックチタン化合物及び各種の色素を付与する顔料染料リン系、フェノール系の安定剤、ハロゲン系化合物アンチモン化合物金属水酸化物などの難燃剤、フェノール系、ホスファイト系及びイオウ系などの酸化防止剤ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系及びシアノアクリレート系の紫外線吸収剤ワックス高級脂肪酸や酸エステル系及び酸アミド系、更に高級アルコールなどの滑剤及び可塑剤アミン系、スルホン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤ガラス繊維タルク鉱物などのフィラー等を添加することもできる。

0036

そして、グラフト重合体(A)ならびにグラフト重合体(A)および重合体(B)からなる樹脂組成物は、射出成形押し出し成形などの方法により成形品として利用される

0037

以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。

0038

本発明のグラフト共重合体分析法を以下に示す。

0039

(1)グラフト率
グラフト重合体の所定量M(g)にアセトンを加え、4時間還流した。この溶液を9,000rpmで30分間遠心分離後不溶分を濾過した。この不溶分を60℃で5時間減圧乾燥し、重量N(g)を測定した。グラフト率は次式により算出した。
G=(N−M×L)/(M×L)
ここで、Lはグラフト重合体中のゴム質重合体の含有率を表す。

0040

(2)グラフト効率
上記で求めたグラフト率Gより、グラフト効率Fgは次式より算出できる。
Fg=(G×L)/(1−L)

0041

(3)未グラフト重合体の極限粘度
グラフト率測定に使用したアセトン溶液から不溶分を濾過した後、濾液からアセトンを蒸発させ、その残留分にメタノールを添加して非グラフト重合体を抽出した。抽出物を60℃で3時間減圧乾燥した後、メチルエチルケトンに溶解し、この溶液を30℃の恒温槽内で極限粘度の測定を行った。

0042

次に樹脂組成物の物性評価法を以下に示す。

0043

(1)アイゾット衝撃強度
ASTMD−256で測定した(1/2インチノッチ付き、23℃)。

0044

(2)落錘衝撃強度
JJSK6745に準じて測定を行った。

0045

(3)フィッシュアイ
成形前の樹脂ペレット約10gを250℃で加熱プレス後延伸することにより厚さ10μmのフィルムを作成した。このフィルム100×200mm中に含まれているゴム状の塊(ブツ)の数を目視により測定した。表面の滑らかなフィルムはブツ数が100mm2あたり1以下の場合であり、このとき成形品の表面外観は良好である。また、ブツ数が100mm2あたり5を越えると成形品外観を著しく損なうものである。

0046

[グラフト重合体(A)の製造方法]表1に記した組成でジエン系ゴム質重合体(PBD)のラテックスガラス製反応容器仕込み、さらに撹拌しながらイオン交換水に溶解したブドウ糖ピロリン酸ナトリウム、硫酸第一鉄を仕込み、窒素容器内を置換した後、反応容器内の温度を65℃まで昇温した。

0047

この混合液に、所定のモノマ(ST、AN)及びtert−ドデシルメルカプタンからなる混合溶液と、クメンハイドロパーオキサイドのオレイン酸カリウム水溶液を連続滴下した。連続滴下にかかる時間は表1に重合時間として記載する。滴下終了後、撹拌をさらに1時間継続し反応を完結させ、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチルパラクレゾールを添加した。重合率は全て95〜99%の範囲であった。

0048

得られたグラフト共重合体のラテックスを硫酸凝固し、水酸化ナトリウム中和後、水洗脱水、乾燥してグラフト重合体を得た。各グラフト重合体のグラフト率、グラフト効率及びメチルエチルケトン可溶分の極限粘度を表1にまとめた。

0049

0050

[重合体(B)の製造]スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物を懸濁重合し、SAN樹脂を製造した。この重合体(B)のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.49dl/gであった。

0051

[実施例1〜3、比較例1〜7]上記で調製したグラフト重合体(A)と重合体(B)をそれぞれ表2に示した割合で配合すると共に、滑剤1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合した。樹脂組成物のPBDの含有率を12重量%及び24重量%において評価した。次に、40mmφ単軸押出機により混練温度220℃で押出し、それぞれペレット化した。物性評価を行うため、成形温度230℃、金型温度60℃の条件で射出成形し、各試験片を作製した。各樹脂組成物のフィッシュアイ及び物性の評価結果を表2に示す。

0052

0053

実施例および比較例より次のことが明らかである。

0054

本発明の範囲であるゴム含量が65〜85重量%でグラフト効率を60〜80%にしたグラフト重合体をブレンドした樹脂組成物(実施例1〜3)は、いずれも滑らかなフィルムが作成でき、100mm2あたりのブツ数も1未満である。これに対し、グラフト効率が上記範囲から外れたグラフト重合体をブレンドした樹脂組成物(比較例1〜7)ではフィッシュアイが多く出現しフィルム表面は凸凹が目立つ。同時に、フィッシュアイが生じた樹脂組成物については衝撃強度が低下する。特に落錘衝撃強度において、その傾向が明かである。この傾向は、樹脂組成物中のゴム質重合体の含量が12重量%のときも24重量%のときも同様に確認された。

0055

グラフト重合体のPBD含量が高くなるほど重合時間が短縮され、生産性の面で有利であるが、90重量%になるとグラフト効率を上記範囲に制御しても、樹脂組成物の表面外観性及び衝撃性が改善されない。これは、グラフトゴムとマトリックス樹脂との相溶性が著しく低下したためである。

発明の効果

0056

本発明の熱可塑性樹脂はゴム質重合体を含有するグラフト重合体とSANなどに代表されるスチレン系樹脂とをブレンドしたもので、成形品の表面外観特性、衝撃強度、機械的特性を損なうことなく生産性、経済性を高めることを可能にしたものであり、この効果はゴム質重合体の含量の極めて高いグラフト重合体を使用すること及びグラフト効率を制御することにより発揮されるものである。

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