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技術 スケール防止剤及びスケール付着防止方法

出願人 栗田工業株式会社
発明者 佐藤茂飯村晶木幡賢二臼井麗
出願日 1997年5月29日 (23年1ヶ月経過) 出願番号 1997-155859
公開日 1998年12月15日 (21年6ヶ月経過) 公開番号 1998-328697
状態 未査定
技術分野 スケール防止
主要キーワード 高分子両性電解質 マグネシウム系スケール 亜鉛水酸化物 循環水出口 循環水入口 マグネシウム硬度 熱交換器チューブ 対象水質
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課題

冷却水系ボイラ水系などで生成する各種スケール付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供する。

解決手段

水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン共重合体を含有することを特徴とするスケール防止剤、並びに、該水溶性カチオン性共重合体を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方法。

概要

背景

冷却水系ボイラ水系などの水と接触する伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特に、開放循環式冷却水系において、省資源省エネルギー立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞など、ボイラ熱交換器運転に重大な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭酸カルシウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウムリン酸カルシウムケイ酸カルシウムケイ酸マグネシウム水酸化マグネシウムリン酸亜鉛水酸化亜鉛塩基性炭酸亜鉛などがある。カルシウム系マグネシウム系スケールに対しては、マレイン酸アクリル酸イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有する重合体スケール防止剤として有効であり、さらにカルボキシル基を有する単量体と、ビニルスルホン酸アリスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体を対象水質に応じて組み合わせた共重合体が、スケール防止剤として一般的に使用されている。また、シリカ系スケールに対しては、アクリルアミド系、四級アンモニウム塩系や、ポリエチレングリコールを用いるスケール防止剤などが提案されており、スケール種に応じて重合体が使い分けられている。冷却水系において使用される水は、通常は工業用水水道水などであるため、水中には種々のイオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行う場合には、全てのスケール種に効果的に対応できるスケール防止剤が必要であるが、現状ではこのような条件を満たすスケール防止剤はなく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤がない。シリカ系スケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤として、アクリルアミド系重合体アクリル酸系重合体を含むスケール防止剤が提案されている。しかし、アクリルアミド系重合体は、シリカ濃度が低い場合にはスケール防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効果が低下する。また、ポリエチレングリコール及び低分子量のカルボン酸系重合体又はホスホン酸を含有するスケール防止剤が提案されている。しかし、ポリエチレングリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付着を抑える効果はあるが、他のイオンの影響を受けやすく効果が安定しないという問題がある。さらに、リン酸カルシウム系スケールの付着抑制方法として、カルボキシル官能性単量体、アンモニウムホスホニウム又はスルホニウムカチオン性単量体及びヒドロキシプロピルアクリレートの共重合体である高分子両性電解質を添加する方法が提案されている。しかし、このような高分子両性電解質は、適用する水のpHや、共存イオンの影響を受けやすく、分子内のイオン反応で重合体が沈殿析出する場合があり、効果が安定しない。また、高分子両性電解質自体が経時変化しやすく、ハンドリング性にも問題がある。

概要

冷却水系、ボイラ水系などで生成する各種スケールの付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供する。

水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を含有することを特徴とするスケール防止剤、並びに、該水溶性カチオン性共重合体を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方法。

目的

本発明は、冷却水系、ボイラ水系などで生成する各種スケールの付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供することを目的としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン共重合体を含有することを特徴とするスケール防止剤

請求項2

さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体を含有する請求項1記載のスケール防止剤。

請求項3

水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方法

請求項4

さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体を添加する請求項3記載のスケール付着防止方法。

技術分野

0001

本発明は、スケール防止剤及びスケール付着防止方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ボイラ水系冷却水系などのスケールを効果的に防止することができ、特にシリカ系スケールの防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法に関する。

背景技術

0002

冷却水系、ボイラ水系などの水と接触する伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特に、開放循環式冷却水系において、省資源省エネルギー立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類濃縮されて、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩となってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の低下、配管の閉塞など、ボイラ熱交換器運転に重大な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭酸カルシウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウムリン酸カルシウムケイ酸カルシウムケイ酸マグネシウム水酸化マグネシウムリン酸亜鉛水酸化亜鉛塩基性炭酸亜鉛などがある。カルシウム系マグネシウム系スケールに対しては、マレイン酸アクリル酸イタコン酸などを重合したカルボキシル基を有する重合体がスケール防止剤として有効であり、さらにカルボキシル基を有する単量体と、ビニルスルホン酸アリスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体を対象水質に応じて組み合わせた共重合体が、スケール防止剤として一般的に使用されている。また、シリカ系スケールに対しては、アクリルアミド系、四級アンモニウム塩系や、ポリエチレングリコールを用いるスケール防止剤などが提案されており、スケール種に応じて重合体が使い分けられている。冷却水系において使用される水は、通常は工業用水水道水などであるため、水中には種々のイオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行う場合には、全てのスケール種に効果的に対応できるスケール防止剤が必要であるが、現状ではこのような条件を満たすスケール防止剤はなく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤がない。シリカ系スケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤として、アクリルアミド系重合体アクリル酸系重合体を含むスケール防止剤が提案されている。しかし、アクリルアミド系重合体は、シリカ濃度が低い場合にはスケール防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効果が低下する。また、ポリエチレングリコール及び低分子量のカルボン酸系重合体又はホスホン酸を含有するスケール防止剤が提案されている。しかし、ポリエチレングリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付着を抑える効果はあるが、他のイオンの影響を受けやすく効果が安定しないという問題がある。さらに、リン酸カルシウム系スケールの付着抑制方法として、カルボキシル官能性単量体、アンモニウムホスホニウム又はスルホニウムカチオン性単量体及びヒドロキシプロピルアクリレートの共重合体である高分子両性電解質を添加する方法が提案されている。しかし、このような高分子両性電解質は、適用する水のpHや、共存イオンの影響を受けやすく、分子内のイオン反応で重合体が沈殿析出する場合があり、効果が安定しない。また、高分子両性電解質自体が経時変化しやすく、ハンドリング性にも問題がある。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、冷却水系、ボイラ水系などで生成する各種スケールの付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体の水系への添加、あるいは、さらに該水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体の水系への添加が、スケールの付着防止、特にシリカ系スケールの付着防止に優れた効果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を含有することを特徴とするスケール防止剤、(2)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体を含有する第(1)項記載のスケール防止剤、(3)水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方法、及び、(4)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体を添加する第(3)項記載のスケール付着防止方法、を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0005

本発明のスケール防止剤は、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を含有する。水溶性カチオン性共重合体中に水酸基を有するノニオン性単量体単位を導入する方法には特に制限はなく、例えば、加水分解により水酸基を生成する単量体を共重合したのち得られた共重合体を加水分解することができ、あるいは、水酸基を有するノニオン性単量体を共重合することができる。加水分解により水酸基を生成する単量体としては、例えば、酢酸ビニルプロピオン酸ビニルアリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。水酸基を有するノニオン性単量体としては、例えば、アリルヒドロキシエチルエーテルビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒドロキシプロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエーテル、重合度2〜30のポリエチレンオキサイドモノアリルエーテルモノビニルエーテルなどのエーテル結合を有する単量体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート、重合度2〜30のポリエチレンオキサイドのモノ(メタ)アクリレートなどのエステル結合を有する単量体、さらに、アリルアルコール、2,3−ジヒドロキシプロピルアリルエーテルなどを挙げることができる。

0006

共重合体中にカチオン性基を有する単量体単位を導入する方法には特に制限はなく、例えば、カチオン性基を有する単量体を共重合することができ、あるいは、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体を共重合したのち、得られる共重合体を変性することができる。カチオン性基を有する単量体としては、例えば、アリルアミンビニルピリジンジアリルジメチルアンモニウムクロリドジアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート又はその四級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド又はその四級アンモニウム塩などのカチオン性単量体などを挙げることができる。また、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体を共重合したのち、得られる共重合体を変性する例としては、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリルアミド単位ホフマン分解によりビニルアミン単位とする反応、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリルアミド単位にジメチルアミンホルマリンを反応し、マンニッヒ変成により室温以下で反応を行い、副生成物のカルボキシル基の生成を抑制してN−ジメチルアミノメチルアクリルアミド単位とする反応、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルコハク酸イミドなどを共重合し、加水分解することによりビニルアミン単位とする反応などを挙げることができる。

0007

本発明に用いる水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体には、必要に応じて水酸基を有しないノニオン性単量体単位を導入することができる。このような共重合体を得るために共重合することができる水酸基を有しないノニオン性単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルスチレンメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。アニオン性単量体単位の導入は、共重合体の安定性を損なうため行わない。本発明において、水溶性カチオン性共重合体中の水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合は、20モル%以上であることが好ましく、50〜98モル%であることがより好ましい。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が20モル%未満であると、共重合体中の水酸基の量が不足して、シリカに対する水酸基の作用が弱くなるおそれがある。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が98モル%を超えると、必要なカチオン性基を有する単量体単位の量が不足するおそれがある。水溶性カチオン性共重合体中のカチオン性基を有する単量体単位の割合は、2〜50モル%であることが好ましい。カチオン性基を有する単量体単位の割合が2モル%未満であると、シリカに対するカチオン性基の作用が弱くなるおそれがある。カチオン性基を有する単量体単位の割合が50モル%を超えると、共重合体が水中の汚れ成分や、金属配管吸着され、有効に作用しなくなるおそれがある。

0008

本発明に用いる水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体は、分子量が2,000以上であることが好ましい。分子量が2,000以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮することができる。水溶性カチオン性共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。本発明に用いる水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を得るための共重合の方法には特に制限はなく、例えば、水酸基を有するノニオン性単量体、カチオン性基を有する単量体、高分子反応により水酸基を有するノニオン性単量体単位となる単量体、高分子反応によりカチオン性基を有する単量体単位となる単量体、その他必要に応じて共重合する単量体を、アゾ系、過酸化物系などの水溶性重合開始剤を用い、単量体濃度5〜50重量%、重合温度50〜100℃で、通常の水を媒体とする溶液重合乳化重合などを行うことができる。また、水を媒体とする重合のほかに、有機溶媒中の溶液重合、乳化重合、懸濁重合や、さらに塊状重合なども行うことができる。

0009

本発明のスケール防止剤は、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体に加えて、さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体を含有せしめることができる。カルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体を含有せしめることにより、カルシウム硬度の高い水系において、カルシウム系スケールの付着を有効に防止することができる。カルボキシル基を有する単量体単位を構成成分とする水溶性重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基を有する単量体の単独重合体、これらの単量体と、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、アリルヒドロキシエチルエーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒドロキシプロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、2,3−ジヒドロキシプロピルアリルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどとの共重合体を挙げることができる。さらに、カルボキシル基を有する単量体単位を構成成分とする水溶性重合体は、例えば、(メタ)アクリレート単位、(メタ)アクリルアミド単位などを有する重合体を加水分解して、(メタ)アクリル酸単位とすることにより、あるいは、無水マレイン酸単位を有する重合体を加水分解して、マレイン酸単位とすることにより、得ることができる。

0010

本発明において、水溶性重合体中のカルボキシル基を有する単量体単位の割合は、10モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。カルボキシル基を有する単量体単位の割合が10モル%未満であると、カルシウム硬度の高い水系において、カルシウム系スケールを防止する効果が弱くなるおそれがある。本発明に用いるカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体は、分子量が800以上であることが好ましい。分子量が800以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮することができる。水溶性重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。本発明に用いるカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体を得るための重合方法には特に制限はなく、例えば、カルボキシル基を有する単量体及び必要に応じて共重合する単量体を、アゾ系、過酸化物系などの水溶性重合開始剤を用い、単量体濃度5〜50重量%、重合温度50〜100℃で、通常の水を媒体とする重合を行うことができる。

0011

本発明のスケール防止剤の使用形態には特に制限はなく、例えば、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体をそれぞれ乾燥することにより粉末状とし、それぞれを別々に用いることができ、あるいは、粉末を混合して1剤型として用いることができる。また、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体の水溶液とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体の水溶液をそれぞれ調製して2液型として用いることができ、あるいは、水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体の両者を水に溶解して1液型として用いることができる。1液型として用いる場合は、保存中に沈殿を生じないよう、pHを調整することが好ましい。本発明のスケール防止剤は、適用する水系に、任意の濃度に調製した水溶液として添加することができる。通常は、適用する水中の水溶性重合体の濃度が、1〜100mg/リットルとなるように添加することが好ましく、10〜50mg/リットルとなるように添加することがより好ましい。

0012

本発明のスケール防止剤は、必要に応じて他のスケール防止剤や防食剤と併用することができる。併用するスケール防止剤、防食剤としては、例えば、カルボキシル基を含まないアニオン性重合体ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ホスホノブタントリカルボン酸エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸無機リン酸塩亜鉛塩ベンゾトリアゾールトリルトリアゾールなどを挙げることができる。本発明のスケール防止剤は、必要に応じて、さらにヒドラジンイソチアゾロン化合物などの殺菌剤などと同じ溶液に混合して添加することができ、あるいは、別々にこれらの薬品注入することもできる。本発明のスケール防止剤を適用する場合の水質条件及びボイラや熱交換器の運転条件には特に制限はなく、通常のボイラ、熱交換器の運転条件及び水質に対して適用することができる。本発明のスケール防止剤は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、亜鉛水酸化物、ケイ酸マグネシウム、シリカなど、ボイラ、冷却水系において生成し、伝熱面や配管壁面に付着するスケールを効果的に防止することができる。特にケイ酸マグネシウムやシリカの付着の防止に有効である。本発明のスケール防止剤が、スケールの付着を抑制する詳細な作用機構は不明であるが、シリカを例にとると、水酸基を有するノニオン性単量体単位の水酸基とシリカの水酸基との水素結合による吸着が起こるとともに、カチオン性基を有する単量体単位のカチオン性基のシリカの水酸基の解離によって生ずるアニオン部分への吸着が起こり、シリカ系スケールの熱交換器壁面などへの付着を効果的に防止するものと考えられる。また、カルボキシル基を有する単量体単位は、水中のカルシウムイオンと結合してカルシウム系スケールの発生を防止するものと考えられる。

0013

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。実施例に使用した重合体を第1表に、比較例に使用した重合体を第2表に示す。

0014

0015

0016

スケール付着速度は、次の方法により求めた。すなわち、伝熱面積が約0.25m2の熱交換器を有する保有水量0.45m3の開放循環式冷却水系に、厚木市水に純水及び塩類を加えた水を循環水及び補給水として加え、一定の水質になるようにコントロールしながら30日間熱交換器を運転した。熱交換器チューブは、材質がSUS304で、外径が19mmのものを使用した。循環水入口温度は45℃、循環水出口温度は75℃、循環水流速は0.5m/秒である。上記の重合体の所定量を水系に添加し、30日後に熱交換器チューブに付着したスケールを採取し、105℃で乾燥したのち量して、スケールの付着速度を(mg/cm2/30日)単位で求めた。さらに、乾燥したスケールを600℃で焼成し、化学分析によりCaO及びSiO2の割合を求めた。
実施例1
pH8.9、カルシウム硬度80mg/リットル、Mアルカリ度120mg/リットル、シリカ160mg/リットル、マグネシウム硬度160mg/リットルの水質を有する水に、重合体A−1を濃度20mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。スケール付着速度は10mg/cm2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが35重量%、SiO2が3重量%であった。
実施例2〜5
実施例1と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−5を所定量添加して試験を実施した。
比較例1
実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度20mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが41重量%、SiO2が38重量%であった。
比較例2〜3
実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−3を所定量添加して試験を実施した。実施例1〜5及び比較例1〜3の結果を、第3表に示す。

0017

0018

水酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を有する水溶性カチオン性共重合体を添加した実施例1〜5においては、スケール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が少ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたスケール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付着防止に有効であることが分かる。これに対して、カルボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体のみを添加した比較例1〜3においては、スケール付着速度が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多い。
実施例6
pH9.1、カルシウム硬度480mg/リットル、Mアルカリ度480mg/リットル、シリカ190mg/リットル、マグネシウム硬度190mg/リットルの水質を有する水に、重合体A−1及び重合体B−1をそれぞれ濃度15mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。スケール付着速度は7mg/cm2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが42重量%、SiO2が3重量%であった。
実施例7〜10
実施例6と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−5及び重合体B−1、B−3を所定量添加して試験を実施した。
比較例4
実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度30mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが38重量%、SiO2が41重量%であった。
比較例5〜6
実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−3を所定量添加して試験を実施した。実施例6〜10及び比較例4〜6の結果を、第4表に示す。

0019

0020

水酸基を有する単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を有する水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体を併せて添加した実施例6〜10においては、スケール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が少ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたスケール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付着防止に有効であることが分かる。これに対して、カルボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体のみを添加した比較例4〜6においては、スケール付着速度が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多い。

発明の効果

0021

本発明のスケール防止剤及びスケール付着防止方法は、従来のスケール防止剤及び防止方法に比べて、スケールの付着防止に対する効果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に優れた効果を有する。

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