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課題

合成保存料、塩砂糖などの保存助剤などを添加することなく、且つ変質などがほとんどない、常温で水を含む液体などを保存するための新規の方法及び容器を提供すること、更に保存前と同様の液性にできる工程を含む新規な保存方法及び容器を提供する。

解決手段

イオン交換性官能基を持つ固体保存対象物に添加、混合又は接触し共存させることにより、防腐効果があることを見いだし保存方法としての有効性を確認した。この効果は、単にpHの効果のみでないことも見いだした。又、この保存方法を簡便に実施できるように構成した容器を見い出した。更に、液性を保存前と同様に変えるためのイオン交換性官能基を持つ固体と対象物とを接触処理する方法やそのための簡便な容器を見いだした。

概要

背景

従来、水をかなり含む食品化粧品などを常温長期間保存する方法として、食塩砂糖の添加による方法、アルコール類の添加による方法、食酢のような有機酸などの使用により水素イオン濃度指数(以下、pHという)を調節する方法、濃縮などによって大幅に水分を除去する方法、発酵による方法、酸化還元力のある物質を添加する方法、缶詰やいわゆる無菌包装のように滅菌後又微生物の除去などの後の微生物の侵入遮断する方法、酸素除去ガス置換などを利用する方法、更に、比較的少量で保存性の確保が期待できる合成保存料、又は天然物由来保存料を添加する方法、又は前記の方法などを組み合わせた方法が利用されてきた。

しかし、滅菌後などに微生物の侵入を遮断する方法では、加熱滅菌などによって保存対象物変質劣化する場合が多いうえ、さらに、一旦容器包装を開いた後では、微生物などの侵入の遮断が十分でなく、微生物による腐敗や変質の恐れがあり、開封後の長期保存に問題がある。ガス置換を利用する方法でも、これと同様な問題がある。又、塩や砂糖の添加による方法、アルコール類を添加する方法、酢のような有機酸などの使用によりpHを調節する方法では、保存性を確保するためにはかなりの添加物濃度にする必要があるため、保存対象物本来の風味香り、時には外観などまでを変えてしまう点で問題がある。 更に、保存後に添加物を除去して添加前の状態に戻すことが実質的に困難であり、保存前の保存対象物本来の状況で保存できない欠点を持っている。また、濃縮などによって水分を大幅に除去する方法もこれらと同様である。さらに、発酵による方法や酸化・還元力がある物質を添加する方法では、保存対象物を変えてしまう欠点がある。

合成保存料又は天然物由来の保存料を添加する方法では、通常、添加量が少ない場合が多いので、上記のような保存対象物本来の風味、香り及び外観などを著しく変えてしまうことが少ないことに特徴がある。しかし、天然物由来の保存料の場合、合成保存料に比較して一般にその抗菌力あるいは殺菌力が穏和であるうえ、抗菌スペクトルが狭く、価格も割高であるなどの問題がある。そのため食品用日持ち剤用など実用範囲は狭く限定されているのが実状である。又、合成保存料については、例えば食品、化粧品などの抗菌防腐剤としてソルビン酸デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸誘導体などがよく使用されているが、安全性の点で問題があり、人体に影響を及ぼす恐れがあり、添加量や添加できる食品の対象が制限されている。そのため、近年、これらのような合成保存料を添加していない食品、化粧品などが好まれる傾向が強まっており、特にいわゆる自然食品や自然化粧品など自然をうたった商品分野でその傾向が強い。以上のように、上記の各種の保存法は、食品、化粧品などの分野で広く実用されているが、それぞれに解決が望まれている種々の問題がある。

概要

合成保存料、塩砂糖などの保存助剤などを添加することなく、且つ変質などがほとんどない、常温で水を含む液体などを保存するための新規の方法及び容器を提供すること、更に保存前と同様の液性にできる工程を含む新規な保存方法及び容器を提供する。

イオン交換性官能基を持つ固体を保存対象物に添加、混合又は接触し共存させることにより、防腐効果があることを見いだし保存方法としての有効性を確認した。この効果は、単にpHの効果のみでないことも見いだした。又、この保存方法を簡便に実施できるように構成した容器を見い出した。更に、液性を保存前と同様に変えるためのイオン交換性官能基を持つ固体と対象物とを接触処理する方法やそのための簡便な容器を見いだした。

目的

本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、水を含む液体状の保存対象物、又は、含水液体中ある固体状の保存対象物について、保存料添加することなく、かつ保存対象物を変質させることがほとんどない保存方法及び保存容器を提供することである。更に、必要な場合、保存前と同様の液性にすることができる方法及び容器をも提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

水素イオン形陽イオン交換性官能基又は水酸イオン形の陰イオン交換性の官能基を持つイオン交換性固体を、水を含む液体、又は、水を含む液体中に浸され、又はけん濁、又は分散、又は沈殿している固体を含む含水液体に接触共存させることを特徴とするの含水液体などの保存方法

請求項2

請求項1記載のイオン交換性固体が、水素イオン形の強酸性陽イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体である含水液体などの保存方法。

請求項3

請求項1記載のイオン交換性固体が、水酸イオン形の強塩基性陰イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体である含水液体などの保存方法。

請求項4

請求項1記載のイオン交換性固体が、保存対象である含水液体などの容器構成材料の少なくとも一部であるか、又はその容器に実質的に固定又は封じ込められており、保存対象物を当該容器から取り出すに際し、当該イオン交換性固体を容器に残し、当該保存対象物のみを取り出すことができることを特徴とする含水液体などの保存容器

請求項5

第一工程として請求項1記載の保存方法を、第二工程として第一工程で保存した後に、保存対象物であった水を含む液体などを金属イオン形陽イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体、又は、酸の共役塩基であるアニオン形陰イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体と接触処理を行う工程とを具備することを特徴とする含水液体などの保存方法。

請求項6

請求項4記載の含水液体などの保存容器であって、保存対象物を取り出す経路の一部に金属イオン形陽イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体、又は、酸の共役塩基であるアニオン形陰イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体を実質的に固定又は封じ込めた部分を持たせ、保存対象物であった水を含む液体などがその部分を通過することによって請求項5記載の第二工程にあたる金属イオン形陽イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体、又は、酸の共役塩基であるアニオン形陰イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体との接触を行うことを特徴とする保存容器。

技術分野

0001

本発明は、水を含む液体状の、又は液体中に浸せき、けん濁、分散又は沈殿している固体状の、食品化粧品などの保存方法に関する。更に詳しくは、イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体を保存すべき液体に接触共存させることを特徴とする含水液体などの保存方法及び容器に関するものである。更に、必要な場合保存後の含水液体などを前記の保存のための工程で使用したイオン交換性官能基を持つイオン交換性固体と少なくともイオン状態の異なるイオン交換性官能基を持つイオン交換性固体と接触処理することにより、保存前と同様のの液性にする工程を含む含水液体などの保存方法及びその容器に関する。

背景技術

0002

従来、水をかなり含む食品、化粧品などを常温長期間保存する方法として、食塩砂糖の添加による方法、アルコール類の添加による方法、食酢のような有機酸などの使用により水素イオン濃度指数(以下、pHという)を調節する方法、濃縮などによって大幅に水分を除去する方法、発酵による方法、酸化還元力のある物質を添加する方法、缶詰やいわゆる無菌包装のように滅菌後又微生物の除去などの後の微生物の侵入遮断する方法、酸素除去ガス置換などを利用する方法、更に、比較的少量で保存性の確保が期待できる合成保存料、又は天然物由来保存料を添加する方法、又は前記の方法などを組み合わせた方法が利用されてきた。

0003

しかし、滅菌後などに微生物の侵入を遮断する方法では、加熱滅菌などによって保存対象物変質劣化する場合が多いうえ、さらに、一旦容器の包装を開いた後では、微生物などの侵入の遮断が十分でなく、微生物による腐敗や変質の恐れがあり、開封後の長期保存に問題がある。ガス置換を利用する方法でも、これと同様な問題がある。又、塩や砂糖の添加による方法、アルコール類を添加する方法、酢のような有機酸などの使用によりpHを調節する方法では、保存性を確保するためにはかなりの添加物濃度にする必要があるため、保存対象物本来の風味香り、時には外観などまでを変えてしまう点で問題がある。 更に、保存後に添加物を除去して添加前の状態に戻すことが実質的に困難であり、保存前の保存対象物本来の状況で保存できない欠点を持っている。また、濃縮などによって水分を大幅に除去する方法もこれらと同様である。さらに、発酵による方法や酸化・還元力がある物質を添加する方法では、保存対象物を変えてしまう欠点がある。

0004

合成保存料又は天然物由来の保存料を添加する方法では、通常、添加量が少ない場合が多いので、上記のような保存対象物本来の風味、香り及び外観などを著しく変えてしまうことが少ないことに特徴がある。しかし、天然物由来の保存料の場合、合成保存料に比較して一般にその抗菌力あるいは殺菌力が穏和であるうえ、抗菌スペクトルが狭く、価格も割高であるなどの問題がある。そのため食品用日持ち剤用など実用範囲は狭く限定されているのが実状である。又、合成保存料については、例えば食品、化粧品などの抗菌防腐剤としてソルビン酸デヒドロ酢酸及びその塩、パラオキシ安息香酸誘導体などがよく使用されているが、安全性の点で問題があり、人体に影響を及ぼす恐れがあり、添加量や添加できる食品の対象が制限されている。そのため、近年、これらのような合成保存料を添加していない食品、化粧品などが好まれる傾向が強まっており、特にいわゆる自然食品や自然化粧品など自然をうたった商品分野でその傾向が強い。以上のように、上記の各種の保存法は、食品、化粧品などの分野で広く実用されているが、それぞれに解決が望まれている種々の問題がある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、水を含む液体状の保存対象物、又は、含水液体中ある固体状の保存対象物について、保存料添加することなく、かつ保存対象物を変質させることがほとんどない保存方法及び保存容器を提供することである。更に、必要な場合、保存前と同様の液性にすることができる方法及び容器をも提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は従来技術における以上のような現状に鑑み、食品、化粧品などの保存について上記のような問題のない方法について鋭意研究を行った結果、イオン交換性官能基を持つイオン交換性固体(以下、「イオン交換性物質」という)を保存対象液体に添加、混合又は接触させ共存させることにより、微生物に対し抗菌静菌又は防腐効果があることを見いだし、対象物の保存に有効であることを確認した。この効果は、イオン交換性物質の添加によって保存対象液体のpHがほとんど変化しない場合にも確認され、単なるpHの効果のみでないことも見いだした。又、一般にろ過などによる保存対象物との分離が容易な形状のイオン交換物質入手容易であり、保存後イオン交換物質を分離して、保存前の性状液組成などを実質的に変えずに保存できうる方法であることを見いだした。更に、保存の後にイオン交換物質を含まない含水液体など保存対象物などのみを容易に取り出せるように構成した容器が有効であることを見い出した。又、本発明による前記の保存方法を塩を含む液体に適用した場合、pHが変化する場合があるので、必要な場合には先に使用したイオン交換性物質と少なくとも結合イオン状態が異なるイオン交換性物質と接触処理することによって、保存対象物の液性を先に使用したイオン交換性物質を保存対象物に添加する前の保存対象物の液性と同様の液性に変えることが出来る方法を見い出し、更に、前記の保存と液性の変更とを一つ又は一組の容器内で簡便に実施できる保存容器を見いだし、本発明を完成した。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明による保存方法及び保存容器について詳しく説明する。本発明で用いるイオン交換性物質としては、有機イオン交換体無機イオン交換体、その他セルロースイオン交換体がある。有機イオン交換体としては、例えば、スチレンジビニルベンゼン共重合体アクリル酸系重合体メタクリル酸系重合体などを高分子基体として用い、イオン交換性官能基を導入したいわゆる有機イオン交換樹脂や、膜状の交換体であるイオン交換膜、繊維状のイオン交換繊維などを用いることができる。ちなみに、必要に応じて保存対象物と容易に分離できることが一般に望まれるので、イオン交換性物質は、保存対象物との分離が容易である形状、粒度などを持つものが望ましい。

0008

更に、請求項4に記載してある保存容器、すなわち、容器の保存対象物との接触面にイオン交換性官能基を化学結合させることにより導入したもの、容器の材料にイオン交換性官能基を持つ材料を混合した後容器に成型するなどにより容器にイオン交換性官能基を導入したものも、更に例えば粒状、又は膜状、又は繊維状のイオン交換性物質を容器の保存対象物との接触面に融着又は接着などより固定したもの、又はイオン交換物質を網、目皿格子などで容器内に固定又は封入し、保存の後保存対象物を容器から取り出す時、イオン交換物質が容器の外に出ず実質的に保存対象物のみが取り出せるようにしたものも使用できる。これは保存対象物を容器から取り出すに際しイオン交換性物質との分離を容易であり、又保存容器が基本的に繰り返し使用可能である点などで実用上及び経済的に有用である。

0009

本発明で用いるイオン交換性官能基としては、陽イオン交換性官能基としてスルホン酸基及びカルボキシル基などが、陰イオン交換性官能基として第四級アンモニウム塩基及びジメチルエタノールアミン基などがあげられるが、これらに限定されるものではない。又、本発明においては、保存のために保存対象液体にイオン交換性物質を接触させる際には、陽イオン交換性物質の場合は水素イオン形に、陰イオン交換性物質の場合は水酸イオン形に、少なくとも過半のイオン交換基が、好ましくは実質的すべてのイオン交換基が、なされている状態で、保存対象液体と接触させ使用する。

0010

本発明の方法によって、保存できる対象物(以下、「保存対象物」という)の一つとして、水を含む液体があげられる。この場合、均質な液体のみでなく、水を合む液体に溶解しない液体をけん濁又は分散させた液体、オイルインウォター型(O/W型)乳化液、水を含む液体の層とこの液体に溶解しない層とが分離し共存しているものなど不均質な液体にも適用できる。この場合、水を含む液体の部分がガラス電極でpHが測定できる程度の液性を持つものに適用できる。これらの外に、水を含む液体中に浸せき、又はけん濁、又は分散、又は沈殿している固体を含む含水液体にも適用できる。換言すれば、本発明の方法によって水を含む液体を保存できることによって、その液体中に浸され又は沈殿している固体状のもの、その液体中にけん濁又は分散された固体状のもの、その液体中に浸された当該含水液体と相互に溶解しない液体状のもの、その含水液体中にけん濁、分散又は乳化している液体状のもののにも、本発明の方法は適用できる。これら適用例として、トマトジュースのような野菜汁果汁清涼飲料アルコール飲料豆乳しょう油、そばつゆ、コンソメスープなどの液体食品、及び化粧水乳液頭髪用化粧液などの化粧品、及び液体中に浸せきされた豆腐加工済み野菜果物などのように水を含む液体中に存在する固体食品があげられるが、これらに限定されるものではない。

0011

本発明方法においては、保存対象物とイオン交換性物質との接触処理の方法としては、流動床式固定床式イオン交換樹脂処理装置のようにイオン交換物質を装置の一部に実質的に固定又は封じ込め、保存対象物を移動させるような方法も、保存対象物を入れた容器内でイオン交換性物質をかく拌混合し接触させ処理する方法も使用できる。又、保存対象物に固体を含んでいる場合、例えば豆腐が浸せきしている液全体を保存するときには、あらかじめ保存対象物から固体部分を、この例では豆腐を、取り出して、残りの液体部分をイオン交換物質と接触処理した後、取り出した固体部分を処理済みの液体部分に戻して液体固体全体をイオン交換性物質に接触共存させて保存することもできる。

0012

保存対象物に対するイオン交換性物質の添加すべき量の割合は、使用するイオン交換性物質の官能基の種類、同イオン交換性物質の単位当たり交換容量保持量、保存対象物中の水を含む液体の全体に占める割合、水を含む液体の液性などにより異なる。又、保存対象物とイオン交換性物質との接触処理の方法によって異なる場合がある。保存対象物を入れた容器内でイオン交換性物質を接触混合して処理する場合は、保存対象物のうち水を含む液体部分1リットルに対して、水素イオン形の陽イオン交換性官能基又は水酸イオン形の陰イオン交換性官能基として、百分の1(0.01)ミリグラム当量〜2000ミリグラム当量、好ましくは1ミリグラム当量〜1000ミリ当量比率でイオン交換性物質を添加することができる。又、イオン交換性物質を装置の一部に実質的に固定し、保存対象物を移動させるような方法では、イオン交換性交換基の添加の比率を上記の上限を超えて使用することが出来る。

0013

ちなみに従来より公知の保存方法を併用した場合、イオン交換物質の添加の比率を上記の下限以下でも使用できる。又、抗菌・静菌の対象である微生物は、カビ酵母を含む真菌類と、グラム陰性菌グラム陽性菌を含む細菌類発育環境条件がかなり異なることが知られており、更に、例えば、細菌類の中でも、細菌各々によって、殺菌・静菌などの環境条件に違いがある。従って、防腐の対象である微生物の菌種絞り込める場合は、その菌種の発育環境条件によっては、イオン交換性物質の添加の比率を上記の下限以下でも使用できる。

0014

本発明の保存方法により保存対象物にイオン交換性物質を接触混合した場合、保存対象物の液のpHのような液性が変化する場合がある。例えば、塩化ナトリウムのような塩を含む中性水溶液に水素イオン形の強酸性陽イオン交換性物質を、又は水酸イオン形の強塩基性イオン交換性物質を接触混合した場合、それぞれ酸性、又はアルカリ性に変化する場合がある。本発明による液性の変更方法では、本発明の保存方法により保存対象物の液性に上記のような変化が起こり、且つ、本発明の保存方法適用前の液性と同様の液性に変更するときに適用できる。

0015

本発明による液性の変更を伴う含水液体などの保存方法のうち、請求項5記載の第二工程である液性の変更の方法を詳しく説明する。本発明で用いるイオン交換性物質としては、有機イオン交換体、無機イオン交換体、その他セルロースイオン交換体がある。有機イオン交換体としては、例えば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体、アクリル酸系重合体、メタクリル酸系重合体などを高分子基体として用い、イオン交換性官能基を導入したいわゆる有機系イオン交換樹脂や、膜状の交換体であるイオン交換膜、繊維状のイオン交換繊維などを用いることができる。ちなみに、必要に応じて保存対象物と容易に分離できるものが一般に望まれるので、イオン交換性物質は保存対象物との分離が容易である形状、粒度などを持つものが望ましい。更に、容器の保存対象物との接触面にイオン交換性官能基を化学結合させることにより導入させたもの、容器の材料にイオン交換性官能基を持つ材料を混合した後容器に成型するなどにより容器にイオン交換性官能基を導入したもの、又は、例えば粒状、又は膜状、又は繊維状のイオン交換性物質を容器の保存対象物との接触面に融着又は接着などより固定したもの、又は、イオン交換物質を網、目皿、格子などで容器内に固定又は封じ込めたものが使用できる。これらは、保存の後、保存対象物を容器から取り出す時、イオン交換物質が保存対象物に混じり込まないようにしたものであり、保存対象物を容器から取り出すに際しイオン交換性物質との分離を容易にした点で実用上有用である。

0016

本発明のの液性の変更を含む含水液体の保存方法を実施する場合、請求項6に記載した保存容器、すなわち保存対象物と保存用のイオン交換性物質とを接触共存させておくための容器部分と、必要な時、必要な量の保存対象物のみを取り出し、取り出した保存対象物を液性の変更するためのイオン交換性物質と接触処理させるための部分とを合わせ持つものでは、保存と液性の変更が実質的に一つ又は一組の容器内ででき、簡便性の点で有用である。更に保存容器が基本的に繰り返し使用可能である点などで実用上また経済的に有用である。すなわち請求項6記載の容器では、保存用のイオン交換性物質とを接触共存処理を行うに際し、容器の保存対象物との接触面にイオン交換性官能基を化学結合させることにより導入したもの、容器の材料にイオン交換性官能基を持つ材料を混合した後容器に成型するなどにより容器にイオン交換性官能基を導入したもの、更に例えば粒状、又は膜状、又は繊維状のイオン交換性物質を容器の保存対象物との接触面に融着又は接着などより固定したもの、又はイオン交換物質を網、目皿、格子などで容器内に固定又は封入し、保存の後保存対象物を容器から取り出す時、イオン交換物質が容器の外に出ず実質的に保存対象物のみが取り出せるようにしたものが使用できる。このように保存対象物を容器から取り出すに際し、実質的にイオン交換性物質を容器に残し、保存対象物のみを取り出すことができることが必要な条件である。同様に、液性を変更するためのイオン交換物質についても、保存を終えた保存対象物を取り出す経路の一部分に上記の保存するためのイオン交換性物質と同様に容器の材料であるか、又は固定又は封じ込められており、保存対象物を容器から取り出すに際し、液性を変更するためのイオン交換性物質と十分に接触した後、実質的に液性を変更するためのイオン交換性物質を容器の一定部分に残し、保存対象物のみを取り出すことができることが必要条件である。保存対象物を取り出す必要がある時、必要量を液性を変更するためのイオン交換性物質を含む部分を通過させ接触処理の後、容器から取り出す方法は、公知の方法でよく、目的に合致するものであれば特に制限されない。例えば、柔軟性を持つ容器を外から圧すことによる取り出す方法、気体の圧力によって取り出す方法、又は手押しポンプによる取り出し方法があげられる。

0017

本発明で用いるイオン交換性官能基としては、陽イオン交換性官能基としてはスルホン酸基及びカルボキシル基などが、陰イオン交換性官能基としては第四級アンモニウム塩基及び第三級アミン基などがあげられるが、これに限定されるものではない。更に、液性を中性又はそれに近いpHに変更するときは、カルボキシル基のような弱酸性陽イオン交換性官能基又は第三アミン基のような弱塩基性陰イオン交換性官能基が好ましい。又、本発明方法において液性の変更のため保存対象液体にイオン交換性物質を接触させる際には、陽イオン交換性物質の場合はナトリウムイオンカルシウムイオン又はマグネシウムイオンのような金属イオン形に、陰イオン交換性物質の場合は塩化物イオンのような酸の共役塩基であるアニオン形に、少なくとも過半のイオン交換基が、好ましくは実質的すべてのイオン交換基が、なされている状態で保存対象液体と接触させ使用する。なお、本発明の方法によって液性の変更するとき、保存のために使用したイオン交換性物質と保存対象物とが接触共存している場合、液性の変更のための処理を行う前に、保存対象物からイオン交換性物質を実質的に分離除去した後、本発明の方法を適用する。

0018

本発明方法においては、保存対象物とイオン交換性物質との接触処理の方法について、例えば、流動床式や固定床式のイオン交換樹脂処理装置のようにイオン交換物質を一部の装置内に実質的に固定又は封じ込め、保存対象物を移動させるような方法も、保存対象物を入れた容器内でイオン交換性物質を接触混合し処理する方法も使用できる。又、保存対象物に対するイオン交換性物質の添加すべき割合は、使用するイオン交換性物質の官能基の種類、同イオン交換性物質の単位当たりの交換容量保持量、保存対象物中の水を含む液体の全体に占める割合、水を含む液体の液性などにより異なる。又、保存対象物とイオン交換性物質との接触処理の方法によって異なる場合がある。保存対象物を入れた容器内でイオン交換性物質を接触混合して処理を行う場合は、保存対象物のうち水を含む液体部分1リットルに対して、金属イオン形の陽イオン交換性官能基又は酸の共役塩基であるアニオン形の陰イオン交換性官能基として百分の1(0.01)ミリグラム当量〜2000ミリグラム当量、好ましくは1ミリグラム当量〜1000ミリ当量の比率でイオン交換性物質を添加混合することができる。又、イオン交換性物質を装置の一部に実質的に固定し保存対象物質を移動させるような方法では、イオン交換性交換基の添加の比率を上記の上限を超えて使用することが出来る。

0019

以下に、実施例により本発明を説明するが、本発明の技術的思想を逸脱しない限りにおいて、この例に制約されるものではない。

0020

実施例1
陽イオン交換樹脂ロームアンドハースジャパン(株)製のアンバーライトIR120B)を、塩酸水溶液塩化ナトリウム水溶液及び蒸留水を用い定法によって、市販品のナトリウムイオン形から、水素イオン形に変換した。カゴメ(株)製の入りカゴメ・トマトジュースを5mlを滅菌済みのふた付き内径52mmのペトリ皿に入れ、次に前記のように調製した水素イオン形の陽イオン交換樹脂を湿潤樹脂として1g取しペトリ皿に入れ、かく拌混合する。次に、一般生菌を培養した培養液の一部を蒸留水で100倍に希釈した液0.1mlを取り、前記のペトリ皿に入れ混合し、約25℃に室温調節された室内に7日間放置し、その間の外観などの変化の観察した。又7日後にペトリ皿の中の液体を0.1ml取り、普通寒天培地(栄研化学(株)製ポアメディアE−MP21)の表面上に均一に塗り広げ、平板培養法(35℃、24時間)により生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0021

比較例1
実施例1と同じトマトジュースについて、陽イオン交換樹脂をペトリ皿に添加せず、それ以外は実施例1と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0022

実施例2
(株)永更科布屋太衛製の缶入りそばつゆをペトリ皿に5ml取り、以下、実施例1のトマトジュースをそばつゆに入れ替え、他は同じ手順で、そばつゆについて室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0023

比較例2
実施例2と同じそばつゆについて、陽イオン交換樹脂を添加せず、それ以外は実施例2と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0024

実施例3
辻兼食品工業(株)製のプラスチック容器入りのもめん豆腐の浸せき液5mlをペトリ皿に取り、さらに、豆腐約1gを入れた後、ガラス棒つぶしペトリ皿全体に広げ、豆腐が浸せき液につかるようにした。さらに、実施例1のトマトジュースを豆腐と浸せき液に入れ替え、他は同じ手順で、豆腐および浸せき液について室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0025

比較例3
実施例3と同じ豆腐および浸せき液について、陽イオン交換樹脂を添加せず、それ以外は実施例3と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0026

実施例4
ハマメリス水10部、キューカンバーエキス3部、蜂蜜3部、アルコール1部及び精製水87部を混合し、保存料無添加の自然物原料の化粧水の基材を調製した。pH試験紙で測定したこの溶液のpHは4.9であった。この化粧水5mlをペトリ皿に取り、以下、実施例1のトマトジュースをこの化粧水基材に入れ替え、以下、実施例1と同じ手順で、陽イオン交換樹脂を添加混合した。添加混合後のpHを測定したところ、pHは4.9であった。更に、実施例1と同じ手順で、これについて室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0027

比較例4
実施例4と同じ化粧水基材について、陽イオン交換樹脂を添加せず、それ以外は実施例4と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0028

実施例5
実施例4で使用した化粧水基材100部に対し、塩化ナトリウム0.5部を混合し、塩化ナトリウムを添加した保存料無添加の自然物原料の化粧水の基材を調製した。pH試験紙で測定したこの溶液のpHは4.9であった。この溶液5mlをペトリ皿に取り、以下、実施例1と同じ手順で、陽イオン交換樹脂を添加混合した。添加混合後に測定したpHは1.9であった。更に、実施例1と同じ手順で室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0029

比較例5
実施例5と同じ塩化ナトリウムを添加した化粧水の基材について、陽イオン交換樹脂を添加せず、それ以外は実施例5と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0030

実施例6
陰イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製のアンバーライトIRA410)を、硝酸水溶液、塩化ナトリウム水溶液および蒸留水を用いて、定法によって、市販品の塩化物イオン形から水酸イオン形に変換した。実施例2と同じそばつゆについて、実施例2の陽イオン交換樹脂に代えて上記の陰イオン交換樹脂を湿潤樹脂として2g添加し、それ以外は実施例2と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0031

比較例6
実施例2と同じそばつゆについて、陰イオン交換樹脂を添加せず、それ以外は実施例6と同じ手順で、室内放置後の外観などの変化の観察、生菌の発育状態の測定を行い、結果を表1に示した。

0032

0033

実施例7
弱酸性陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)アンバーライトIRC50)を、定法によって、市販の水素イオン形からナトリウムイオン形に変換した。一方、実施例5と同じ手順で、塩化ナトリウムを添加した化粧水の基材を調製した。この液のpHは4.9であった。この溶液100mlを栓付き三角フラスコに取り、実施例1で使用したと同じ水素イオン形陽イオン交換樹脂を湿潤樹脂として20g添加し、かく拌混合した後のpHは1.9であった。この溶液を約25℃に室温調節された室内に7日間放置した。放置後のpHは1.9であった。この上澄み液を10ml取り、上記の弱酸性陽イオン交換樹脂を湿潤樹脂として2g添加し、かく拌混合した。このpHは4.9であった。この液について、実施例4で調製した化粧水の基材、及び、実施例5で調製した塩化ナトリウム添加化粧水の基材と比較したところ、外観、におい及び触感において差異は認められなかった。

発明の効果

0034

本発明によるイオン交換性物質を含水液体などに接触共存させることを特徴とする保存方法は、合成保存料や塩、砂糖のような保存助剤などを添加せずに、保存対象物の保存前の性状、組成などを実質的にほとんど変えずに、保存できる方法である。従って、既存の保存法に比して、合成保存料など添加による手間や費用が省け、又はそれらからの好ましからざる副作用が無く、且つ、保存対象物の変質、組成変化などが少ないなど実用上より有用な保存方法であり、食品、化粧品などの液体及び固体を含む広範な製品分野で利用ができる。更に、保存の後、含水液体など保存対象物のみを容易に取り出せるように構成した請求項4記載の保存容器は、保存対象物とイオン交換性物質との分離が容易で、本発明による保存法を簡便且つ一層有用にするものである。又、本発明による保存方法を塩を含む液体に適用した場合、pHが変化する場合があるので、必要な場合には、先に使用したイオン交換性物質と少なくとも結合イオンの状態が異なるイオン交換性物質と接触処理することによって、保存対象液体の保存後の液性を保存前のそれと同様の液性に変える工程を含む請求項5記載の保存方法は一層多様な用途に対応できるので、本発明の利用範囲を一層拡大するものである。又、この保存方法を一つ又は一組の容器内で簡便に実施できる請求項6記載の保存容器は、利用範囲を更に拡大するものである。

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