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技術 魚類用飼料添加物及びその使用方法

出願人 株式会社グリーンカルチャア
発明者 上田貞子
出願日 1997年6月3日 (23年6ヶ月経過) 出願番号 1997-181676
公開日 1998年12月15日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1998-327771
状態 拒絶査定
技術分野 特定動物用飼料 飼料(2)(一般)
主要キーワード 成分作用 霧吹き器 ネクトン アミ目 養殖物 生存競争 採掘場 化石化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

貝化石の有する血液性状改善機能や鑑賞魚の発色調整機能により、天然物養殖物との垣根を取り払う

解決手段

石灰質珪酸等からなる各種ネクトンプランクトン藻類海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を150°C〜300°Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、この熱処理貝化石を魚類用飼料に混ぜ一定期間魚類に与えると、専ら血液性状改善剤や鑑賞魚の発色調整剤として極めて有効であり、天然物と養殖物との垣根を限りなく取り払うことが出来る。

概要

背景

従来の貝化石主体とした魚類用飼料添加物は、本出願人による特開昭63−196234号公報が知られている。この公報によれば、0.01〜50.00μmに粉砕精製加工された貝化石を、魚類用飼料に対して0.5〜2重量%添加し、養殖魚類に与えると、臭みの解消、運動不足栄養過多による脂肪の減少及び身割れ現象の解消、体質強化による死亡率の低下、さらに、養殖場環境改善となることが、開示されている。

また、本出願人による特開平7−313014号公報によれば、水産動植物養殖する際、天然の貝化石を熱処理し粒状貝化石としたものを、養殖場所の底に所定量散布し、更にこの熱処理粒状貝化石を粉末化したものを、水産動植物の供与物に対して0.5〜5.0重量%添加し、水産動植物に与えると、これらの貝化石の成分作用により、養殖場所の環境を整えつつ、天然物と遜色のない養殖水産動植物を生育できることが、開示されている。

概要

貝化石の有する血液性状改善機能や鑑賞魚の発色調整機能により、天然物と養殖物との垣根を取り払う

石灰質珪酸等からなる各種ネクトンプランクトン藻類海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を150°C〜300°Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、この熱処理貝化石を魚類用飼料に混ぜ一定期間魚類に与えると、専ら血液性状改善剤や鑑賞魚の発色調整剤として極めて有効であり、天然物と養殖物との垣根を限りなく取り払うことが出来る。

目的

そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、熱処理貝化石が水産動植物の生理機構に及ぼす影響のうち、血液性状改善機能及び鑑賞魚にあってはその発色調整機能に着目し、熱処理貝化石の効率のよい投与時期や期間を明確にし、いわゆる天然物と養殖物との差を縮めたり、その垣根を取り払うことが出来るようにした魚類用飼料添加物及びその使用方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

石灰質珪酸等からなる各種ネクトンプランクトン藻類海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を、150゜C〜300゜Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、該熱処理貝化石を専ら血液性状改善剤としたことを特徴とする魚類用飼料添加物

請求項2

石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を、150゜C〜300゜Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、該熱処理貝化石を専ら鑑賞魚の発色調整剤としたことを特徴とする魚類用飼料添加物。

請求項3

専ら血液性状改善剤とした熱処理貝化石及び/又は専ら鑑賞魚の発色調整剤とした熱処理貝化石を粉末状にし、この粉末状熱処理貝化石を魚類用飼料に0.5〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%添加してなることを特徴とする魚類用飼料添加物の使用方法

技術分野

0001

本発明は、魚類用飼料添加物及びその使用方法に関し、詳しくは、天然貝化石熱処理し、この熱処理貝化石が有する血液性状改善機能及び鑑賞魚の発色調整機能に関する特異な性質を専ら利用する魚類用飼料添加物及びその使用方法に関する。

背景技術

0002

従来の貝化石を主体とした魚類用飼料添加物は、本出願人による特開昭63−196234号公報が知られている。この公報によれば、0.01〜50.00μmに粉砕精製加工された貝化石を、魚類用飼料に対して0.5〜2重量%添加し、養殖魚類に与えると、臭みの解消、運動不足栄養過多による脂肪の減少及び身割れ現象の解消、体質強化による死亡率の低下、さらに、養殖場環境改善となることが、開示されている。

0003

また、本出願人による特開平7−313014号公報によれば、水産動植物養殖する際、天然の貝化石を熱処理し粒状貝化石としたものを、養殖場所の底に所定量散布し、更にこの熱処理粒状貝化石を粉末化したものを、水産動植物の供与物に対して0.5〜5.0重量%添加し、水産動植物に与えると、これらの貝化石の成分作用により、養殖場所の環境を整えつつ、天然物と遜色のない養殖水産動植物を生育できることが、開示されている。

発明が解決しようとする課題

0004

上記した本出願人による従来例は、いずれも魚類用飼料などの水産動植物の供与物に対して、熱処理した貝化石を所定の比率で添加することにより、養殖場所の環境が水産動植物の育成にとって望ましいものではないのに係わらず、専ら熱処理貝化石の有する吸着性能の利用及び熱処理貝化石の有するミネラル分補給により、天然物と遜色のない養殖水産動植物を育成できるから、画期的なものである。しかしながら、これら従来例では、魚類用飼料に熱処理貝化石を添加したものを、水産動植物に一定期間与えることにより結果的に好ましい効果が生じたことが記載されているのみで、その機構については何ら開示されていない。このため、魚類用飼料に混ぜる熱処理貝化石の効率のよい投与時期や期間が不明である。従って、今以上に、いわゆる天然物と養殖物との差を縮めたり、その垣根を取り払うことは困難である。

0005

一般的に、養殖場所の環境は、水産動植物の過密育成であることから、水産動植物にとってのすべての不都合が生ずると言って良く、養殖場所が汚染し易いこと、酸素ミネラル不足になりやすいこと、水産動物の場合、運動量が少なくなりがちでストレスが生じ易いこと、などである。逆に水産動植物に都合の良い点として、や養分が自動的に与えられ生存競争がほとんど無いことが上げられる。そして、過密育成は、養殖である限り避けて通ることの出来ないものである。

0006

この過密育成が避けて通ることの出来ないものであれば、次のステップとして、養殖水産動植物に投与した熱処理貝化石が具体的にどのような働きによって、天然物と遜色のない養殖水産動植物を育成できるようになるかを、明確にする必要がある。すなわち、熱処理貝化石が養殖水産動植物の生理機構に対してどのように作用することにより、天然物と遜色のない養殖水産動植物を生み出すのか、その時の健康状態がどのようなものであるか、解明されなければならない。

0007

人間の健康状態が血液性状を検査することにより、ほぼ把握出来るとの知見に基づき、天然物及び養殖物の血液性状を検査しその差を把握し、加えて養殖物に熱処理貝化石を与えることによる血液性状の変化を検査し、上記の天然物及び養殖物の血液性状の差と比較検討することで、熱処理貝化石が養殖水産動植物の生理機構にどの様に働いているか調べる必要性がある。

0008

そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、熱処理貝化石が水産動植物の生理機構に及ぼす影響のうち、血液性状改善機能及び鑑賞魚にあってはその発色調整機能に着目し、熱処理貝化石の効率のよい投与時期や期間を明確にし、いわゆる天然物と養殖物との差を縮めたり、その垣根を取り払うことが出来るようにした魚類用飼料添加物及びその使用方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は、長年貝化石の組成、性質について調査研究を続けてきた。その調査研究により得られた成果を基にして、その新たな用途を見つけ出し、その都度開示して来た。更に貝化石の新たな利用局面を探るべく鋭意研究を重ねて来た。その結果、本発明者等は、魚類用飼料に貝化石を添加したものをコイに長期にわたり与えることにより、養殖コイの臭さを軽減し、かつ空気中における養殖コイの生存時間(約2.6時間)が、今までの常識をはるかに越えて劇的に長くなったこと(約6.2時間)を見出した。すなわち、コイの低酸素に対する抵抗力の高まりは、血液性状を劇的に改善していることを暗示するから、貝化石がコイの血液性状に及ぼす影響を長期にわたり調査した。それにより、赤血球数、ヘモクロビン濃度、ヘマトクリット値が増加し、血液性状が劇的に改善していることを見出し、本発明に到達したのである。

0010

すなわち、上記課題を解決するために、請求項1の発明は、石灰質珪酸等からなる各種ネクトンプランクトン藻類海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を150゜C〜300゜Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、該熱処理貝化石を専ら血液性状改善剤としたことを特徴とする魚類用飼料添加物である。

0011

本発明に使用される貝化石は、考古学名では有孔化石地質学名では石灰質砂岩であり、日本では富山県、石川県能登半島、岐阜県高山市、北海道、山口県、徳島県、福島県、鹿児島県に産するが、産地による限定はない。以下に順次説明する特性を有する貝化石であれば、いかなる産地の貝化石であっても良い。その主な産地における貝化石の分析値は、表1の通りである。

0012

本発明の貝化石は、より具体的には、富山県内の採掘場において採掘された試料についての下記定量分析表(表2)によるものと、上記採掘場に近い同じ富山県内の採掘場において採掘された試料についての下記定量分析表(表3)によるものと、これらの採掘場から採掘された表2及び3に示す成分の貝化石の類似品と、である。

0013

0014

0015

0016

なお、上記富山県及び石川県において採掘されている貝化石は、日本の他の地域で採掘される貝化石の成分構成分子集合形態が大きく異なり、特に珪素もある程度含有し、炭酸カルシウム含有率も高く、珪素と炭酸カルシウムとの混合比率バランスが良いことが特徴となっている。そして、これらの貝化石は、生体であったものが完全に化石化せず、そのままの状態で堆積し、長期にわたる圧密により出来たものであるから、生体に必要な微量元素、すなわち、必須ミネラルを高密度でバランス良く含むものである。その微量元素の測定結果を表4に示す。

0017

0018

また、この貝化石は、生体より分泌されたアラライト形の結晶構造をとり、一定の有効径を持ち結晶水を含む小孔無数にあり、この結晶水を除去することで賦活化、すなわち、吸着性能を持つようになるものである。

0019

鉱山から採掘された貝化石に吸着性能を付与させた、熱処理貝化石を得るには、貝化石を5mm以下に粉砕し、目開き5mmのアミ目のふるいに通してドライヤーにて150゜C〜300゜Cの範囲内で熱処理して結晶水を除去し賦活化して、目開き2mmのアミ目のふるいに通してクーラーにて常温まで冷却して得る。その後、熱処理貝化石を公知の方法により、その使用目的に合わせて、粒径を決め粉砕する。血液性状改善剤はその粒径が75μm以下のものが望ましいが、特に限定しない。

0020

本発明の熱処理貝化石を主成分とする血液性状改善剤は、その粉末状のものを魚類用飼料に混ぜて魚類に与えられる。血液性状改善剤であるから、魚類にある程度継続して、例えば、1〜2か月間与える必要がある。血液性状改善剤としての特性は、以下のようなものがある。
・魚類の赤血球数は、投与後2週間で改善傾向が見られ、60日以後ではハッキリとした有意差が認められた。なお、赤血球は酸素を運搬するものであり、赤血球の占める総容積とも関連し、総容積が一定なら赤血球が小さく、数の多い方が総表面積が大となり都合良い。
・ヘマトクリット値は、投与後2週間で改善傾向が見られ、60日以後ではハッキリとした有意差が認められ、120日で差が最も大きくなり、その後は差が収束している。なお、ヘマトクリット値は、血液中の赤血球量を示し、赤血球数と同様に活動性及び酸素消費量に関係し、運動が活発な魚ほどヘマトクリット値が高く、血液中に占める赤血球の総容積が大きい。
ヘモグロビン濃度は、投与後2カ月間は改善傾向が一定しておらず、90日以後になって始めてハッキリとした有意差が認められ、以後同じ傾向が続いた。なお、ヘモグロビンは血液中の酸素運搬体であり、ヘモグロビン濃度は遊泳の活発な魚ほど高くなり、低酸素抵抗性が強い。
幼若赤血球出現率は、投与後直ぐに改善傾向が見られ、2週間で最大値となりその後漸次減少し、90日以後はほぼ一定の改善傾向で推移した。なお、幼若赤血球出現率は、造血機能の昂進あるいは低下を示す最も有効な指標であり、幼若赤血球が無い場合は造血機能の低下を、また、5%を越える出現率は造血機能の昂進を意味し、その造血機能の昂進がどの様な原因によるかが問題となる。
血漿カルシウムは、投与後4週間で改善傾向が見られ、その後はハッキリとした有意差が認められ、以後同じ傾向が続いた。なお、血漿カルシウムは、種々の重要な生理機構を果たしており、その恒常性は良く維持されなければならない。
・血漿ナトリウムは、投与後すぐに改善傾向が見られたが、投与後60日間はその傾向が続き、その後は差が収束している。なお、血漿ナトリウムも血漿カルシウムと同様なことが言える。
血漿蛋白質は、改善傾向が特に見られない。なお、血漿蛋白質は、魚の栄養状態を示す。
・血液性状改善剤投与後、100日目の空気中におけるコイの生存時間(鰓蓋運動の停止までの時間)は約6時間となり、血液性状改善剤投与していない場合は約2.6時間である。ちなみに天然物は約7時間であった。なお、空気中におけるコイの生存時間は、呼吸機能良否を意味し、血液中のヘモグロビンの酸素結合能が高ければ低酸素状態においても効率良く酸素を組織に運搬することができ、空気中でより長く生存できる。

0021

請求項2の発明は、石灰質や珪酸等からなる各種ネクトン、プランクトン、藻類、海藻等が埋没して堆積し、腐植溶性を帯びた結晶体となった貝化石を150゜C〜300゜Cの範囲内で加熱処理して結晶水を除去し賦活化させて熱処理貝化石とし、該熱処理貝化石を専ら鑑賞魚の発色調整剤としたことを特徴とする魚類用飼料添加物である。

0022

本発明に使用される貝化石は、上記血液性状改善剤の場合と同様であり、その投与の仕方も同様であるから、その説明を省略する。本発明の鑑賞魚の発色調整剤としての特性は、以下通りである。
・鑑賞魚の発色調整剤投与後、約4週間で有意差が認められた。その有意差の一つ目として、色の境目がハッキリしてくる。二つ目として、同じ系統の色でも鮮やかになってくる。
・色のくすみが約4週間で消滅する。

0023

請求項3の発明は、専ら血液性状改善剤とした熱処理貝化石及び/又は専ら鑑賞魚の発色調整剤とした熱処理貝化石を粉末状にし、この粉末状熱処理貝化石を魚類用飼料に0.5〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%添加してなることを特徴とする魚類用飼料添加物の使用方法である。

0024

粉末状熱処理貝化石は、その粒径が限定されない。目安としては、75μm以下のものが良好である。熱処理した後の貝化石を、目開き2mmのアミ目のふるいに通してクーラーにて常温まで冷却すると、特に粉砕しなくても、熱処理貝化石をそのまま使用することも可能である(最大径で0.6mm、最小径で5μmであり、0.2mmまでの粒径ものが70%を占める。)。ただ魚類に投与するには、熱処理貝化石の粒径を揃える意味で粉砕した方が良い。魚類用飼料に対する添加量は、0.5〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%の範囲であり、通常最も効果的なのは3.0重量%である。添加量が、0.5重量%未満であると、上記血液性状改善機能及び鑑賞魚の発色調整機能を発揮できない。また、5.0重量%より多くても、効果はあるが向上はせず、逆に魚類の食い込みが低下したりするから、余り好ましくはない。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、本発明の実施の態様について詳述する。まず、上記の熱処理貝化石を主成分とする血液性状改善剤及び鑑賞魚の発色調整剤の種々の効果を確認するために調査及び試験を行ったので、その状況を説明する。まず、本発明の熱処理貝化石を主成分とする血液性状改善剤及び鑑賞魚の発色調整剤の粒度分布を表5に示し、かつ水と0.6%塩酸溶解試験のデータを表6に示す。

0026

0027

0028

なお、表6によれば、熱処理貝化石は水に溶け、0.6%塩酸に対しては悪くても水の3倍も良く溶ける。したがって、魚類の中に熱処理貝化石が入った場合消化吸収出来ることを示唆する。

0029

次に、熱処理貝化石を主成分とする血液性状改善剤としての効果確認をおこなう。
1.供試魚の調整
県霞ヶ浦産のコイを186尾用い、北海道大学水産学部水槽センターエアレーション設備の有る屋内流水飼育池(237cm(L)×158cm(W)×31cm(H)=水量1.16t、換水率 1回/30時間、換水量 740ml/分)にて2週間飼育して馴化させた。その後体重を測定し〔平均体重35.5g(20〜56.5g)〕、実験群対照群とに93尾ずつ分けた。
2.実験飼料の作成
実験群の飼料は、コイ育成用配合飼料100gに対して血液性状改善剤を3gの割合で、霧吹き器を用いて水で湿らせた上記飼料に混合し、5時間ほど放置し乾燥させた。対照群の飼料は、コイ育成用配合飼料のみとする。なお、コイ育成用配合飼料の成分を表7に示す。血液性状改善剤は表4に示したものを使用する。
3.供試魚に対する実験飼料の供与
実験群の供試魚と対照群の供試魚との合計体重を毎月測定し、その合計体重の3%に当たる量を1日1回(14時〜15時)、週6日間給餌した。なお、血液性状改善剤を添加したコイ育成用配合飼料は、血液性状改善剤を控除し、コイ育成用配合飼料が実験群の実質体重の3%となるように補正した。
4.供試魚の体長及び体重の測定
実験群及び対照群の全個体につき、毎月1回体長及び体重の測定を行う。その結果を表8A、表8Bに示す。
5.供試魚からの血液の採血
血液性状の検査は、実験開始後の1か月目は2回、その後は1か月に1回行うため、各群とも8尾ずつから血液の採血を行い、いずれの場合も各群からコイを1尾ずつ交互に取り上げ、直ちに尾部を切断し採血した。
6.試験期間
試験期間は、1996(平成8)年7月から1997(平成9)年1月までである。
7.天然群のコイは、追跡調査が不可能なので、実験開始後120日目に、体長及び体重が実験群及び対照群の平均値と15%以内に入るものについて、1回の試験を行った。

0030

0031

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0033

実施例1
赤血球数の算定は、1か月毎に実験群の8尾からの採取血液をTurk液で200倍に希釈振とう後、顕微鏡下に用意した血球算定盤とカバーグラスとの間に希釈血液を入れ、2分後に計算することにより行った。
比較例1
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例1と同様に赤血球数を算定する。
比較例2
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例1と同様に赤血球数の算定を1回のみ実施する。その結果を表9に示す。

0034

0035

表9によれば、実験開始30日以後、実験群の赤血球数が対照群より多くなり、天然群と大差なく、実験群の方が呼吸機能上有利となった。更に実験群の赤血球も小さく、数も多いから総表面積が広く、呼吸機能上極めて有利となっている。

0036

実施例2
ヘモクロビン濃度の測定は、シアンメトヘモクロビン法を用い、蒸留水1l中にシアン化カリウム0.1g、フェリシアン化カリウム0.7gを溶解させた希釈液に、1か月毎に実験群の8尾からの血液を25μl注入し、攪拌後室温で30分以上放置し、この希釈液の吸光度波長540nmで分光光度計日立製、U−2000形)にて測定することにより行った。
比較例3
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例2と同様にヘモクロビン濃度を測定した。
比較例4
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例2と同様にヘモクロビン濃度を1回のみ測定した。その結果を表10に示す。

0037

0038

表10によれば、実験開始後90日までは実験群及び対照群のヘモクロビン濃度がランダムな値を示し、それ以後は実験群の方が高くなり、天然群のヘモクロビン濃度は実験開始後120日目実験群のものとほとんど差が無い。

0039

実施例3
ヘマトクリット値(赤血球容積比)の測定は、1か月毎に実験群の8尾からの血液をヘマトクリット管に適当量(約80%)採取し、4000回転で30分間遠心分離し、全血液柱に対する赤血球柱の容積比を%で示すことにより行った。
比較例5
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例3と同様にヘマトクリット値を測定した。
比較例6
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例3と同様にヘマトクリット値を1回のみ測定した。その結果を表11に示す。

0040

0041

表11によれば、実験群のヘマトクリット値が実験開始後30日以後増加し、低酸素飽和度に対する抵抗性が向上したことを示唆し、赤血球数及びヘモクロビン濃度が90日以後対照群より高いのに係わらず、実験群のヘマトクリット値が120日以降減少し、さらに180日目には両者の差がなくなったことは、上記した実験群の赤血球が小さく、数も多いから総表面積が広く、呼吸機能上極めて有利となったことを示唆する。なお、天然群のヘマトクリット値は実験開始後120日目の実験群のものとほとんど差が無い。

0042

実施例4
幼若赤血球出現率の測定は以下の通りである。スライドガラスに1か月毎に実験群の8尾からの血液を1滴取り、カバーガラスの1辺で薄く塗布し、室温で風乾し、99.5%のメチルアルコールで2〜3分間固定し、更に風乾後ギムザ液1滴に対してpH6.4の燐酸緩衝液1mlの割合で混合したギムザ希釈液で、15〜30分間染色した。染色後蒸留水で洗浄し風乾させた。そして、細胞及び核が円形細胞質好塩基性を示すものを幼若赤血球とし、赤血球1000個当たりの幼若赤血球を求めることにより、幼若赤血球出現率の測定を行う。
比較例7
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例4と同様に幼若赤血球出現率を測定した。
比較例8
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例4と同様に幼若赤血球出現率を1回測定した。その結果を表12に示す。

0043

0044

表12によれば、実験群及び対照群の幼若赤血球出現率は、実験群の方が高い状態でともに実験開始後直ぐに高くなり、両者の差は15日目で最大となり、それ以後は徐々に低下しかつ両者の差が狭まり、90日以後は両者の差がほとんどなくなり、両者の幼若赤血球出現率も一定となった。これは供試魚が腐れ病に罹っていたため、造血機能が昂進し、その後健康を取り戻したためである。また、実験群の方が対照群より幼若赤血球出現率が高いことは、それだけ供試魚の健康を取り戻す力が強いことを示す。なお、天然群も上記両者と差が無かった。

0045

実施例5
血漿タンパク質量の測定は、ブランドフォード(Brandford)の方法に従い、標準としてウシ血清アルブミンを用い、2.5mlの0.01% Coomassie Brilliant Blue G−250に対して、1か月毎に実験群の8尾からの血液50μlを加えて発色させ、この液の吸光度を波長595nmで分光光度計(日立製、U−2000形)にて測定することにより行った。
比較例9
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例5と同様に血漿タンパク質量を測定した。
比較例10
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例5と同様に血漿タンパク質量を1回測定した。その結果を表13に示す。

0046

0047

表13によれば、実験群及び対照群の血漿タンパク質量は、両者ともほとんど差が無く、天然群とも差が無かった。コイの血漿タンパク質量は、期に低く、期に高くなる季節変動を示すことが知られているが、本実施例でも実験開始(7月)から60日目(9月)では低く、90日目(10月)以後秋からにかけて高かく、同じ傾向を示した。

0048

実施例6及び7
血漿カルシウム及びナトリウムの測定は、0.01N塩酸で1000ppmに濃度調整した塩化ランタン溶液で、1か月毎に実験群の8尾からの血漿を希釈し、この希釈液の吸光度を分光光度計(日立製、U−2000形)にて測定することにより行った。なお、焔光分析混合溶液(血液用、第一化学薬品製)を標準液とした。
比較例11及び13
対照群の8尾からの採取血液につき、実施例6と同様に血漿カルシウム及びナトリウムを測定した。
比較例12及び14
天然群の8尾からの採取血液につき、実施例6と同様に血漿カルシウム及びナトリウムを1回測定した。その結果を表14、15に示す。

0049

0050

0051

表14によれば、血漿カルシウムは、実験開始後60日目以後実験群の方が高い状態で推移しているから、その生理機構上良い傾向を示していると、言える。表15によれば、血漿ナトリウムは、実験開始後15日目から30日目までは明らかに実験群の方が高い状態で推移し、60日目以後両者差が無くなった。

0052

実施例8
コイの空気中における生存時間の測定は、実験開始後100日目の実験群から5尾を迅速に取り上げ、図1、2に示すように、容器1の底2に湿らせた新聞紙3を敷き、その上に実験群からの5尾のコイ4を並べ、鯉蓋運動の停止時を死亡の基準とし、空気中における生存時間とすることにより行う。なお、平均気温16゜C、湿度64〜68%であった。
比較例15
実験開始後100日目の対照群から5尾のコイ4aを迅速に取り上げ、実施例7と同様にコイの空気中における生存時間を測定した。
比較例16
天然群の採取した平均体長15.2cm大の5尾のコイ4bについても、実施例7と同様にコイの空気中における生存時間を測定した。その結果を表16に示す。

0053

0054

表16によれば、実験群の平均生存時間は、6.2時間(最大7.1時間、最小5.5時間)であり、対照群の平均生存時間は、2.6時間(最大2.9時間、最小2.4時間)であり、天然群の平均生存時間は、7.2時間(最大8.1時間、最小6.8時間)である。したがって、実験群の一番良いものは、天然群の一番悪いものより勝っている。これは正に人工的に育てた天然物のコイと言える。

0055

次に、熱処理貝化石を主成分とする鑑賞魚の発色調整剤としての効果確認をおこなう。
1.供試魚の調整
愛知県産の錦コイを30尾用い、北海道大学水産学部水槽センターのエアレーション設備の有る屋内流水式飼育池(237cm(L)×158cm(W)×31cm(H)=1.16t、換水率 1回/30時間、換水量 740ml/分)にて2週間飼育して馴化させた。その後体重を測定し〔平均体重28.5g(16.6〜42.2g)〕、実験群と対照群とに15尾ずつ分けた。
2.実験飼料の作成
実験群の飼料は、コイ育成用配合飼料100gに対して鑑賞魚の発色調整剤を3gの割合で霧吹き器を用いて水で湿らせた上記飼料に混合し5時間ほど放置し乾燥させた。対照群の飼料は、コイ育成用配合飼料のみとする。なお、コイ育成用配合飼料の成分は表7に、発色調整剤の成分は表4に示してある
3.供試魚に対する実験飼料の供与
実験群の供試魚と対照群の供試魚との合計体重を毎月測定し、その合計体重の3%に当たる量を1日1回(14時〜15時)、週6日間給餌した。なお、発色調整剤を添加したコイ育成用配合飼料は、発色調整剤を控除し、コイ育成用配合飼料が実験群の実質体重の3%となるように補正した。
4.試験期間
試験期間は、1996(平成8)年7月から1997(平成9)年1月までである。

0056

実施例9及び比較例17
1か月毎に実験群及び対照群の各15尾を取り上げ、底が白色の容器に5尾ずつ入れ、実験群の5尾が入っている容器と対照群の5尾が入っている容器とを並べ、3列にする。
第1列目の容器について色彩の鮮やかなものから、別に用意した各容器に実験群及び対照群の錦ゴイを別々に入れ、上位6尾までどちらの群の錦ゴイが入っているか、パネラーによりカウントする。
第2列目の容器について色の境目がハッキリしたものから、別に用意した各容器に実験群及び対照群の錦ゴイを別々に入れ、上位6尾までどちらの群の錦ゴイが入っているか、パネラーによりカウントする。
第3列目の容器について色にくすみのあるものから、別に用意した各容器に実験群及び対照群の錦ゴイを別々に入れ、上位6尾までどちらの群の錦ゴイが入っているか、パネラーによりカウントする。その結果を表17に示す。

0057

0058

表17によれば、いずれの実験でも実験群の方が良い結果が得られた。

0059

なお、実験したのはコイだけであるが、他の内水面に生息する魚類、例えば、ウナギマスヤマメイワナアユ金魚スッポンなどにも利用できることは容易に予測できる。また、本発明の血液性状改善剤及び鑑賞魚の発色調整剤の利用につき、内水面に生息する魚類以外の海水中に生息する魚類、例えば、タイ、ハマチ、ヒラメについても適用出来ることは言うまでもない。

発明の効果

0060

以上詳述したように、本発明の魚類用飼料添加物によれば、以下のような効果がある。請求項1の発明は、血液性状改善剤を継続して魚類に投与することにより、魚類の血液性状が改善され、健康状態が良好となり、健康状態の集大成とも言うべきコイの空気中における生存時間につき、天然魚と大差ない結果を得た。したがって、人工的に育てた天然魚と言える。

0061

請求項2の発明は、発色調整剤を継続して鑑賞魚類に投与することにより、上述の効果に加えて、その色彩を鮮やかにし、色彩の境目もハッキリしかつ色彩のくすみもなくなり、鑑賞魚としての価値が向上する。

0062

請求項3の発明は、血液性状改善剤及び鑑賞魚の発色調整剤を単に魚類用飼料に所定の割合で添加し、魚類に投与するだけであるから、極めて容易に上記効果を得ることが出来る。

0063

図面の簡単な説明

0064

図1本発明のにおける効果を確認するための試験装置の平面図
図2本発明のにおける効果を確認するための試験装置の断面図

--

0065

1容器
2 底
3新聞紙
4実験群のコイ
4a対照群のコイ
4b天然群のコイ

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