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技術 分散補償光ファイバおよびその光ファイバを用いた波長多重光伝送路

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 武笠和則鈴木好久
出願日 1998年3月25日 (22年8ヶ月経過) 出願番号 1998-096695
公開日 1998年12月8日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1998-325913
状態 拒絶査定
技術分野 光通信システム 光ファイバ、光ファイバ心線 光伝送方式 光ファイバの素線、心線
主要キーワード 要求点 布設ケーブル 補償率 理論曲線 モジュール型 セグメントコア 分散値σ 情報社会
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図面 (7)

課題

波長1.31μmに零分散を持つシングルモード光ファイバに接続してシングルモード光ファイバの分散補償機能と光伝送路としての機能を併せ持つ分散補償光ファイバを提供する。

解決手段

分散補償光ファイバの屈折率分布をW型プロファイルとする。波長1.55μmでの分散値を−20ps/nm/km以上−10ps/nm/km以下とし、波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比をシングルモード光ファイバの同じ波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比と正負の符号が逆で絶対値はほぼ等しく設定する。センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8%以下とし、比屈折率差Δ+に対するダイドコア2のクラッド3に対する比屈折率差Δ−の比RΔを−0.25以下とし、サイドコアの径bに対するセンタコア1の径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲とする。モードフィールド径は5.5μm以上とする。

概要

背景

光通信伝送網として、波長1.3 μmの波長帯零分散を持つシングルモード光ファイバが世界中に敷設されている。最近においては、情報社会発展により、通信情報量が飛躍的に増大する傾向にあり、このような情報の増大化に伴い、波長多重伝送WDM伝送)が通信分野に広く受け入れられ、今や波長多重伝送の時代を迎えている。波長多重伝送は、光通信の波長が一波長でなく、複数の波長に分割して複数の光信号を伝送する方式であり、大容量高速通信に適した光伝送方式である。

しかしながら、既設の1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバは、一般的に伝送損失が大きく、1.3 μmの波長帯を用いて波長多重光通信を行う場合には、通常の光増幅器利得帯域である1.55μmの波長帯と波長域が一致しないため、光増幅器が使用できず、長距離光通信に支障を来すという問題があり、そのため、最近においては、既設の1.3 μmの波長帯に零分散を持つ伝送シングルモード光ファイバを用いて、1.55μmの波長帯での波長多重光通信が行われている。

しかしながら、1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバを用いて1.55μmの波長帯で光通信を行うと、既設の伝送用シングルモード光ファイバは、この1.55μmの波長帯では、正の分散と正の分散スロープを持つので、伝送用シングルモード光ファイバに光信号が伝搬するにつれ、波長多重の各波長の信号の分散が大きくなり、受信側で信号の分離が困難になり、光通信の品質が低下し、光通信の信頼性が失われるという問題が生じた。

そこで、最近においては、このような問題を解消すべく、分散補償光ファイバの開発が行われている。この分散補償光ファイバは、負の分散をもっており、分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバの受信側に接続することで、伝送用シングルモード光ファイバを伝搬して来る光信号の正の分散を、分散補償光ファイバの負の分散で減殺して、受信側での光信号の分散をほぼ零分散に近い状態にして受信するものである。このように、伝送用シングルモード光ファイバに分散補償光ファイバを接続することにより、波長多重の各光信号の受信側での分離が可能となり、品質の高い大容量高速通信が期待されるものである。

この種の分散補償光ファイバはモジュール化されており、できるだけ短い分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバの受信側に接続して分散補償を行うようにしたものが一般的である。

概要

波長1.31μmに零分散を持つシングルモード光ファイバに接続してシングルモード光ファイバの分散補償機能と光伝送路としての機能を併せ持つ分散補償光ファイバを提供する。

分散補償光ファイバの屈折率分布をW型プロファイルとする。波長1.55μmでの分散値を−20ps/nm/km以上−10ps/nm/km以下とし、波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比をシングルモード光ファイバの同じ波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比と正負の符号が逆で絶対値はほぼ等しく設定する。センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8%以下とし、比屈折率差Δ+に対するダイドコア2のクラッド3に対する比屈折率差Δ−の比RΔを−0.25以下とし、サイドコアの径bに対するセンタコア1の径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲とする。モードフィールド径は5.5μm以上とする。

目的

本発明者はこの点に着目し、分散補償光ファイバを単にモジュール化した分散補償専用の光ファイバとすることから発想転換し、光伝送用シングルモード光ファイバに該光伝送用シングルモード光ファイバとほぼ同じ長さの分散補償光ファイバを接続して、分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバを伝搬して来る光信号の分散を補償しながら光信号を長距離伝送するという機能、つまり、分散補償の機能と光伝送の機能を併せ持つ分散補償光ファイバを提供することを本発明の第1の目的とし、さらに、本発明の第2の目的は、光伝送用シングルモード光ファイバと前記分散補償光ファイバを接続して成る波長多重光伝送路を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
16件

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請求項1

波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号伝送を行う分散補償光ファイバにおいて、波長1.55μmでの分散値σが、−35ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲に設定されていることを特徴とする分散補償光ファイバ。

請求項2

波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号の伝送を行う分散補償光ファイバにおいて、波長1.55μmでの分散値σが、−20ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲にあり、波長1.55μm帯での分散値分散スロープの比が同じ波長1.55μm帯における前記シングルモード光ファイバの分散値と分散スロープの比に対して正負の符号が逆で絶対値がほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする分散補償光ファイバ。

請求項3

屈折率が最も高いセンタコア周りを囲んで屈折率が低いサイドコアが配置され、そのサイドコアの周りを囲んで前記センタコアよりも屈折率が低くサイドコアよりは屈折率が高いクラッドが配置されて、屈折率分布をW型のプロファイルと成した請求項1又は請求項2記載の分散補償光ファイバ。

請求項4

センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8 %以下の範囲と成し、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+に対するサイドコアのクラッドに対する比屈折率差Δ−の比RΔ(RΔ=Δ−/Δ+)を−0.25以下と成し、かつ、サイドコアの径bに対するセンタコアの径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲とした請求項3記載の分散補償光ファイバ。

請求項5

モードフィールド径を5.5μm以上としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の分散補償光ファイバ。

請求項6

波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバにほぼ同じ長さの分散補償光ファイバが接続されてなる波長多重光伝送路であって、前記分散補償光ファイバは請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の分散補償光ファイバによって構成されていることを特徴とする波長多重光伝送路。

技術分野

0001

本発明は、1.3 μmの波長帯零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて、該シングルモード光ファイバを通して伝送されて来る1.55μmの波長帯の光信号の分散を補償する機能と伝送用光ファイバとしての機能を併せ持つ分散補償光ファイバおよびその光ファイバを用いた波長多重光伝送路に関するものである。

背景技術

0002

光通信伝送網として、波長1.3 μmの波長帯に零分散を持つシングルモード光ファイバが世界中に敷設されている。最近においては、情報社会発展により、通信情報量が飛躍的に増大する傾向にあり、このような情報の増大化に伴い、波長多重伝送WDM伝送)が通信分野に広く受け入れられ、今や波長多重伝送の時代を迎えている。波長多重伝送は、光通信の波長が一波長でなく、複数の波長に分割して複数の光信号を伝送する方式であり、大容量高速通信に適した光伝送方式である。

0003

しかしながら、既設の1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバは、一般的に伝送損失が大きく、1.3 μmの波長帯を用いて波長多重光通信を行う場合には、通常の光増幅器利得帯域である1.55μmの波長帯と波長域が一致しないため、光増幅器が使用できず、長距離光通信に支障を来すという問題があり、そのため、最近においては、既設の1.3 μmの波長帯に零分散を持つ伝送シングルモード光ファイバを用いて、1.55μmの波長帯での波長多重光通信が行われている。

0004

しかしながら、1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバを用いて1.55μmの波長帯で光通信を行うと、既設の伝送用シングルモード光ファイバは、この1.55μmの波長帯では、正の分散と正の分散スロープを持つので、伝送用シングルモード光ファイバに光信号が伝搬するにつれ、波長多重の各波長の信号の分散が大きくなり、受信側で信号の分離が困難になり、光通信の品質が低下し、光通信の信頼性が失われるという問題が生じた。

0005

そこで、最近においては、このような問題を解消すべく、分散補償光ファイバの開発が行われている。この分散補償光ファイバは、負の分散をもっており、分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバの受信側に接続することで、伝送用シングルモード光ファイバを伝搬して来る光信号の正の分散を、分散補償光ファイバの負の分散で減殺して、受信側での光信号の分散をほぼ零分散に近い状態にして受信するものである。このように、伝送用シングルモード光ファイバに分散補償光ファイバを接続することにより、波長多重の各光信号の受信側での分離が可能となり、品質の高い大容量高速通信が期待されるものである。

0006

この種の分散補償光ファイバはモジュール化されており、できるだけ短い分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバの受信側に接続して分散補償を行うようにしたものが一般的である。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、分散補償光ファイバをモジュール化して短いファイバ長でもって分散を補償するためには、モジュール化される分散補償光ファイバは高い負の分散と負の分散スロープを持たせることが必要となる。

0008

しかしながら、分散補償光ファイバに負の高い分散と分散スロープを持たせるためには、分散補償光ファイバの屈折率分布を定める各種パラメータの条件が非常に厳しくなり、製造が難しくなる上に、負の高い分散と分散スロープを持たせる屈折率構造にすると必然的に非線形現象が生じやすくなり、光ファイバのモードフィールド径MFD)も小さくなる。前記非線形現象が生じると、信号波形の歪みが生じ、波長多重光伝送の高速化、大容量化を行う上で新たな問題となる。

0009

また、光ファイバのモードフィールド径が小さくなると、光ファイバの曲げによる伝送損失が大きくなるという問題が生じることになる。

0010

なお、零分散波長を1.31μmから1.55μmにシフトさせた分散シフト光ファイバを用いて光伝送を行う方式も提案されている。この1.55μmの波長に零分散を持つ分散シフト光ファイバを用いて1.55μmの波長によって光信号の伝送を行うことにより、分散のない信号伝送が可能となるが、波長1.55μm帯の信号を用いて波長多重光伝送を行うと、波長1.55μmについては分散を生じないが、その近辺の他の波長の信号に対しては分散が生じてしまい、大容量高速波長多重光通信を行う上では適しない光伝送方式となってしまう。また、この種の分散シフト光ファイバは非線形現象が生じやすいという点でも問題がある。

0011

この点、1.31μmの波長に零分散を持つシングルモード光ファイバは低非線形性の点では非常に優れており、したがって、光伝送線路として既設の波長1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバを利用し、この伝送用シングルモード光ファイバに低非線形性を有しモードフィールド径の大きい分散補償光ファイバを接続して1.55μm帯の波長を用いた波長多重光伝送をほぼ零分散の状態で行うことができれば理想的である。

0012

本発明者はこの点に着目し、分散補償光ファイバを単にモジュール化した分散補償専用の光ファイバとすることから発想転換し、光伝送用シングルモード光ファイバに該光伝送用シングルモード光ファイバとほぼ同じ長さの分散補償光ファイバを接続して、分散補償光ファイバを伝送用シングルモード光ファイバを伝搬して来る光信号の分散を補償しながら光信号を長距離伝送するという機能、つまり、分散補償の機能と光伝送の機能を併せ持つ分散補償光ファイバを提供することを本発明の第1の目的とし、さらに、本発明の第2の目的は、光伝送用シングルモード光ファイバと前記分散補償光ファイバを接続して成る波長多重光伝送路を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明は上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。すなわち、第1の発明は、波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号の伝送を行う分散補償光ファイバにおいて、波長1.55μmでの分散値σが、−35ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲に設定されている構成をもって課題を解決する手段としている。

0014

また、第2の発明は、波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号の伝送を行う分散補償光ファイバにおいて、波長1.55μmでの分散値σが、−20ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲にあり、波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比が同じ波長1.55μm帯における前記シングルモード光ファイバの分散値と分散スロープの比に対して正負の符号が逆で絶対値がほぼ等しくなるように設定されている構成をもって課題を解決する手段としている。

0015

さらに第3の発明は、前記第1又は第2の発明の構成を備えたものにおいて、屈折率が最も高いセンタコア周りを囲んで屈折率が低いサイドコアが配置され、そのサイドコアの周りを囲んで前記センタコアよりも屈折率が低くサイドコアよりは屈折率が高いクラッドが配置されて、屈折率分布をW型のプロファイルと成したことをもって課題を解決する手段としている。

0016

さらに第4の発明は、前記第3の発明の構成を備えたものにおいて、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8 %以下の範囲と成し、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+に対するサイドコアのクラッドに対する比屈折率差Δ−の比RΔ(RΔ=Δ−/Δ+)を−0.25以下と成し、かつ、サイドコアの径bに対するセンタコアの径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲としたことをもって課題を解決する手段としている。

0017

さらに第5の発明は、前記第1又は第2又は第3又は第4の発明の構成を備えたものにおいて、モードフィールド径を5.5μm以上とした構成をもって課題を解決する手段としている。

0018

さらに第6の発明は、波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバにほぼ同じ長さの分散補償光ファイバが接続されてなる波長多重光伝送路であって、前記分散補償光ファイバは前記1乃至5のいずれか1つの発明の分散補償光ファイバによって構成されていることをもって課題を解決する手段としている。

0019

本発明では、波長1.3 μm帯に零分散を持つ(より具体的には波長1.31μmに零分散を持つ)シングルモード光ファイバに本発明の分散補償光ファイバがほぼ同じ長さだけ接続されて波長多重光伝送路が形成される。この波長多重光伝送路を用いて波長1.55μm帯の光信号を用いて波長多重光伝送を行うと、波長1.55μm帯の各波長はシングルモード光ファイバを伝送するにつれ、正の分散が増加して行く。

0020

波長多重の各波長の光信号がシングルモード光ファイバから分散補償光ファイバに切り替わって伝送されるが、分散補償光ファイバはその分散値σが、−20ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲の比較的低い負の分散値を有し、分散補償光ファイバにおける波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比が同じ波長1.55μm帯におけるシングルモード光ファイバの分散値と分散スロープの比に正負の符号が逆で絶対値がほぼ等しくなるように設定されていることで、シングルモード光ファイバを伝搬して来ることによって増加した分散は分散補償光ファイバを伝搬して行くにつれ次第に減殺される方向に補償されて行き、分散補償光ファイバの終端側で、波長多重の各波長の分散はほぼに補償されて受信されることになる。

0021

本発明の分散補償光ファイバは前記の如くその分散値σが−20ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmという如く比較的低い負の分散値としているために、屈折率分布を規制する条件が従来例のモジュール化される負の高分散スロープを持つ分散補償光ファイバのようには厳格でなく、その条件が緩やかとなるために、低非線形性の光ファイバ構造となり、これにより、波長多重光伝送の各波長の波形の歪みの発生を抑制でき、モードフィールド径も5.5μm以上(より好ましくは6μm以上)と大きくできることで、光ファイバの曲げによる伝送損失の増大が防止され、伝送損失の小さい高品質の大容量高速波長多重光伝送が可能となる。

0022

また、波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号の伝送を行う分散補償光ファイバの波長1.55μmでの分散値σを、−35ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲に設定した発明にあっては、シングルモード光ファイバに該シングルモード光ファイバとほぼ同じ逆符号の分散となるファイバ長の分散補償光ファイバを接続することにより、分散補償光ファイバの終端側で、シングルモード光ファイバを伝搬することにより発生する波長1.55μm帯における特定波長の信号の分散を零分散に減殺補償することが可能となるものである。

0023

さらに、前記分散補償光ファイバの屈折率分布をW型のプロファイルと成すことで、分散補償光ファイバの前記設定される条件を備えた屈折率構造の光ファイバを容易に製造することが可能となり、また、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8 %以下の範囲と成し、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+に対するサイドコアのクラッドに対する比屈折率差Δ−の比RΔ(RΔ=Δ−/Δ+)を−0.25以下と成し、かつ、サイドコアの径bに対するセンタコアの径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲としたことで、シングルモード光ファイバを伝搬することにより生じる分散の補償率を理想的に近い1.0 の近辺に高めることが可能となるものである。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施形態例を図面に基づき説明する。図1には本発明に係る分散補償光ファイバの一実施形態例の屈折率分布のプロファイルが示されている。分散補償光ファイバの屈折率分布のプロファイルとしては、図4の(a)に示すようなマッチド型のものや、同図の(b)に示すようなセグメントコア型のものや、あるいは同図の(c)に示すような2重コア型等の様々な形態の屈折率プロファイルのものとすることが可能であるが、本実施形態例では、構造が単純で、屈折率構造の設計、制御のしやすく伝送損失も小さく、かつ、負の分散および負の分散スロープの実現性富む図1に示すようなW型の屈折率プロファイルを採用している。

0025

このW型プロファイルの分散補償光ファイバの屈折率構造は、最も屈折率の高いセンタコア1の周りを囲んで該センタコア1よりも屈折率の低いサイドコア2が配置され、さらにそのサイドコア2の周りを囲んで、サイドコア2よりも屈折率が高く前記センタコア1よりも屈折率の低いクラッド3が配されて、屈折率分布がW型を呈している。

0026

クラッド3は純シリカ(SiO2 )の層により形成されており、サイドコア2は純シリカ(SiO2 )に屈折率を低くするフッ素(F)をドープすることにより形成されており、また、センタコア1は純シリカに屈折率を高めるゲルマニウム(Ge)をドープすることにより形成されている。

0027

図1に示す屈折率構造において、センタコア1の屈折率をnC ,サイドコア2の屈折率をns ,クラッド3の屈折率をnL としたとき、センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+は次の(1)式により定義している。

0028

Δ+={(nC 2 −nL 2 )/2nC 2 }×100 ・・・・・(1)

0029

また、サイドコア2のクラッド3に対する比屈折率差Δ−は次の(2)式により定義される。

0030

Δ−={(ns 2 −nL 2 )/2ns 2 }×100 ・・・・・(2)

0031

本実施形態例においては、分散補償光ファイバは従来例のような分散補償専用のモジュール化した光ファイバとして機能させることから発想を転換し、シングルモード光ファイバを伝搬することにより発生する分散を補償する機能と、光信号を伝搬する伝送路としての機能とを併せ持つ構成とすることにより、分散補償光ファイバの分散の値を−20ps/nm/km以上であって、かつ、−10ps/nm/km以下に設定している。このように、本実施形態例の分散補償光ファイバの分散の値を従来例のモジュール化された分散補償光ファイバの分散値−55ps/nm/km(例えば特開平6−11620号公報の分散補償光ファイバモジュール)に比べ負の分散値を低い値にしたことで、W型屈折率分布のプロファイル設計の規制が緩やかとなり、低非線形性伝送路が形成できることとなった。なお、波長1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバは波長1.55μmで約17ps/nm/kmの分散スロープを持ち、波長1.55μm帯で約0.06ps/nm2 /kmの分散スロープを持つ。

0032

また、本実施形態例では、シングルモード光ファイバを伝搬して来る波長1.55μm帯での波長多重の各波長の光信号の分散を一様にほぼ零分散に減殺補償するために、波長1.55μm帯での分散補償光ファイバの分散値と分散スロープの比が、同じ波長1.55μm帯における前記シングルモード光ファイバの分散値と分散スロープの比に対して正負の符号が逆で絶対値がほぼ等しくなるように設定されている。このように分散値と分散スロープの比を設定することで、分散補償光ファイバを1.31μmに零分散を持つ既設のシングルモード光ファイバにほぼ同じ長さをもって接続することにより、シングルモード光ファイバを伝搬して来る波長1.55μm帯での各波長の波長多重光信号の分散を分散補償光ファイバの終端側で一様にほぼ零分散の状態に減殺補償することができることとなる。

0033

分散補償光ファイバに求められる重要な要求点は、シングルモード光ファイバと接続したときに、波長1.55μm帯の広い範囲で低分散が実現されることである。そこで、本発明者は、W型屈折率分布のプロファイルの最適化を図り、分散の補償率を高くする検討を行った。なお、この分散の補償率は、次の(3)式により定義される。

0034

補償率={S(DCF)/S(SMF)}/{D(DCF)/D(SMF)}
・・・・・(3)

0035

前記(3)の式中、S(DCF)は分散補償光ファイバの波長1.55μm帯における分散スロープの平均値であり、S(SMF)は波長1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバの波長1.55μm帯での分散スロープの平均値であり、D(DCF)は分散補償光ファイバの波長1.55μmにおける分散値であり、D(SMF)は波長1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバの波長1.55μmにおける分散値でる。

0036

W型屈折率プロファイルを持つ分散補償光ファイバにおいては、センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+に対するサイドコア2のクラッド3に対する比屈折率差Δ−の比RΔ(RΔ=Δ−/Δ+)を−0.25以下にすることにより、波長1.55μm帯で低分散が補償されるような分散スロープが得られることを検証されており、この点に着目し、本実施形態例の分散補償光ファイバのRΔを−0.25以下と成している。

0037

表1は、その一例として、RΔを−0.285 にしたときの補償率をW型プロファイルのパラメータを異にした比較状態で示している。

0038

0039

この表1中の分散は、波長1.55μmでの実測値であり、分散スロープは波長1.53μm〜1.57μmの平均値で表してある。なお、この表1に示すデータは、サイドコア2の直径bに対するセンタコア1の直径aの比Ra(Ra=a/b)の値を0.4 に固定したときのデータである。

0040

前記表1から分かるように、RΔを−0.285 にすることにより、92%以上108%以下の高い分散の補償率が得られていることが分かる。

0041

次に、本発明者は、RΔを−0.25以下にする条件の下で、分散の補償率を十分に満足し得るRaの最適範囲シミュレーションにより求めた、そのシミュレーションの結果を図2に示す。この図2に示す実線理論曲線であり、プロット点はシミュレーションにより求められたデータである。

0042

この図2に示すシミュレーション結果から、Raを0.3 〜0.4 の範囲内とすることにより、充分に満足できる高い補償率が得られることを実証できた。このシミュレーション結果に基づき、本実施形態例の分散補償光ファイバのRaの値は0.3 以上0.4 以下の値に設定した。

0043

さらに、Raの値を0.3 以上0.4 以下に設定し、RΔを−0.25以下に設定した場合に、シミュレーションの結果によれば、分散値を−20ps/nm/km以上で−10ps/nm/km以下の値を実現するためには、センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+の値を最大でも1.8 %以下にしなければならないということが求められた。このようにΔ+の値を1.8 %以下とすることで、分散補償光ファイバのモードフィールド径(MFD)の広がり効果を得ることができ、本実施形態例ではモードフィールド径を5.5μm以上、より具体的には6μm以上とすることができた。このモードフィールド5.5μm以上(より具体的には径6μm以上)の値は、前記特開平6−11620号公報のモジュール化された分散補償光ファイバのモードフィールド径の4.4 μmの値と比較すれば明らかな如く、充分大きなモードフィールド径を得ることが可能となった。なお、Δ+の値を小さくし過ぎると、分散補償光ファイバの製造を行う際に、サイドコア2にドープされるフッ素(F)の層が不安定になり、図1に示すようなきちんとしたW型プロファイルの構造が達成されなくなるので、これを防止するためには、Δ+の値を1.0 %以上にすることが必要であり、本実施形態例では、Δ+の値を1.0 %以上1.8 %以下に設定している。

0044

すなわち、本実施形態例の分散補償光ファイバは、W型の屈折率分布のプロファイルを持ち、センタコア1のクラッド3に対する比屈折率差Δ+を1.0 %以上1.8 %以下とし、RΔ(RΔ=Δ−/Δ+)を−0.25以下とし、さらにRaを0.3 以上0.4 以下になるように設定して、モードフィールド径を5.5μm以上(より具体的には6μm以上)で、波長1.55μm帯での分散の値を−20ps/nm/km以上−10ps/nm/km以下とした分散補償光ファイバを得た。

0045

従来例のモジュール化した分散補償光ファイバでは、短いファイバ長でシングルモード光ファイバを伝搬して来る分散を補償するために、負の高分散値、高分散スロープを追求しているので、W型プロファイルを持つ分散補償光ファイバのセンタコアの比屈折率差Δ+は2%近い大きな値となっており、しかも、コアの径を小さく(狭く)せざるを得ないという事情があり、そのために、従来のモジュール化された分散補償光ファイバのモードフィールド径は大きくしてもせいぜい5μm程度となるため、曲げによる伝送損失が大きな値となったが、本実施形態例の分散補償光ファイバは、負の低分散値、低分散スロープとなるので、W型プロファイルを条件づけるパラメータの設計の規制が緩やかになるので、低非線形性が得られてモードフィールド径も大きくでき、分散補償光ファイバの曲げによる伝送損失の増大を抑制することが可能となった。

0046

本発明者の実験によれば、直径20mmの曲げによる伝送損失を5dB/m以下に保ちながら、波長1.55μmにおいて、モードフィールド径が5.5μm以上という条件を充分に達成できることが確認できた。この値は、低非線形性を有し、光伝送線路としての曲げにも充分対応し得る波長多重光伝送に最適な伝送用の光ファイバとしての条件を充分満たしている。

0047

図5は本実施形態例における波長多重光伝送路を示すもので、波長1.31μmに零分散を持つ伝送用シングルモード光ファイバSMFに該シングルモード光ファイバSMFとほぼ同じ長さをもって本実施形態例の分散補償光ファイバDCFが接続されて光伝送路が構成される。なお、図5中、4は波長1.55μm帯に利得領域を持つ光増幅器であり、5は受信局である。

0048

表2は波長多重光伝送路の適否関係を各種伝送路に対して検討した結果を示すものである。

0049

0050

この表2中の×印は波長多重光伝送路として不適であることを示しており、△印は実用性はあるが余り好ましくない線路であることを意味しており、○印はややよい状態の線路であること意味し、◎印は波長多重光伝送路に適している線路であることを意味しており、◎印が3個並んだ本実施形態例の光伝送路は波長多重光伝送を行う上で最適の線路であることを示している。

0051

表2の光ファイバSMFは波長1.31μmに零分散を持つ既設のシングルモード光ファイバであり、DSFは波長1.55μmに零分散を持つ分散シフト光ファイバであり、SMF+MDCFの光ファイバは、波長1.31μmに零分散を持つシングルモード光ファイバにモジュール化された屈折率分布がマッチド型をした分散補償光ファイバを接続した線路を意味しており、SMF+WDFCFの光ファイバは、同じくシングルモード光ファイバに屈折率分布がW型のプロファイルを持つモジュール化された分散補償光ファイバを接続して成る光線路を意味しており、DFFの光ファイバは、波長1.55μmに零分散を持ち、かつ、その波長帯の分散スロープが零の分散フラットファイバを意味しており、SMF+線路用DFCFの光ファイバは本実施形態例における光伝送路であり、波長1.31μmに零分散を持つシングルモード光ファイバに前記実施形態例の分散補償光ファイバを該シングルモード光ファイバとほぼ同じ長さをもって接続した線路を意味している。

0052

表2の検討結果によれば、分散フラットファイバDFFも波長多重光伝送に適した光伝送路と言えるが、この種の分散フラットファイバは、屈折率分布の各条件の規制が厳しく、その条件が僅かにずれると分散や分散スロープ等の特性が変化してしまうことから、製造が困難であり、汎用性を持った安定した波長多重光伝送路とする上では必ずしも望ましい線路ではなく、本実施形態例の光伝送路が最適な汎用性のある光線路であることが実証され、次世代の最も適した波長多重光伝送路として期待されるものである。

0053

次に本発明の具体的な実施例を説明する。まず実施例1として、図1に示すW型の屈折率分布を持ち、Δ+を1.44%,RΔを−0.285 ,Raを0.37とした分散補償光ファイバを試作した。その実施例1の分散補償光ファイバの波長分散特性の結果を図3に示す。

0054

同様に、W型の屈折率分布を持ち、Δ+を1.11%,RΔを−0.375 ,Raを0.33とした分散補償光ファイバを実施例2として試作した。その実施例2の分散補償光ファイバの波長分散特性の結果を同様に図3に示す。なお、この図3には波長1.31μmで零分散を持つシングルモード光ファイバの波長分散特性(SMFデータ)に−1を掛けたデータが比較例として示してある。

0055

この図3に示す波長分散特性から明らかな如く、実施例1と実施例2のデータは共にシングルモード光ファイバの波長分散特性に−1を掛けたデータに近づいており、このことは、シングルモード光ファイバに実施例1や実施例2で試作した分散補償光ファイバをシングルモード光ファイバとほぼ同じ長さをもって接続することにより、シングルモード光ファイバを伝搬することによって生じる波長1.55μm帯の各波長の分散を分散補償光ファイバの終端側で効果的にほぼ零分散に減殺補償できることを示している。

0056

次に、表3に本発明の他の実施例の分散補償光ファイバの特性結果を従来例の分散補償光ファイバ(モジュール化されたものとモジュール化されていないものを含む)の特性との比較状態で示す。この表3でWは屈折率分布がW型のプロファイルであることを示しており、Mは屈折率分布がマッチド型であることを示し、PMDは偏波分散を示している。また、表3中の分散値は、波長1.55μmの値であり、曲げロスは、直径20mmの曲げによる伝送損失を示しており、MFDはモードフィールド径を示している。

0057

0058

この表3のNo2、No3の実施例の分散補償光ファイバは分散が−10 ps/nm/km 、−15 ps/nm/kmと負の低い値を示しており、分散スロープも−0.03 ps/nm2 /km 、−0.06ps/nm2 /kmと負の小さい値を示している。モジュール化された従来例の分散補償光ファイバに比べ負の分散と負の分散スロープの値が充分小さい値になっていることが分かる。また、曲げロスも、モードフィールド径が5.5μm以上と従来例のモジュール化された分散補償光ファイバに比べ格段に大きな値となっているので、その曲げロスも小さな値となっており、曲げによる伝送損失が小さく、かつ、高速大容量の波長多重光伝送に最も適した光線路であることが実証されている。

0059

また、表3のNo.4の実施例のものは、分散値を-30ps/nm/kmとしており、このNo.4の例もモードフィールド径が5.5μm以上と大きく、かつ、曲げロスも小さく、良好な特性が得られている。

0060

表3には、偏波分散PMDの特性比較が示されているが、一般に波長合分波器WDMや光サーキュレータを用いて波長多重や、TDM時分割多重を行う場合、従来のMCVDで作られたシングルモード光ファイバSMFに分散補償光ファイバDCFをつなぐとき、シングルモード光ファイバSMFの偏波分散PMDが大きいので、分散補償光ファイバDCFに大きな偏波分散PMDの制限が付け加えられる。すなわち厳しいものでは偏波分散PMDが0.15以下の仕様が要求される。表3に示される本発明各実施例の偏波分散PMDは、0.15以下であり、これらの仕様を満足するものである。

0061

なお、表3中のNo.1、No.5、No.6の比較例は、線路型(非モジュール型)の分散補償光ファイバを示すが、No.1のものは、分散値と分散スロープの値がともに小さすぎ、分散補償の機能が不十分である。また、No.5、No.6のものは曲げロスの条件とモードフィールドの条件をともに満たしてはいない上に、偏波分散が大きく、本発明の各実施例の特性は得られていない。本発明に係る実施形態例および各実施例の分散補償光ファイバは低損失伝送路なので、布設ケーブル用としての利用に適したものである。

0062

図6は、上述した本発明に係る分散補償光ファイバDCFと1.31μmの波長帯に零分散を持つシングルモード光ファイバSMF1、SMF2とを直列に接続してなる波長多重光伝送路の実施例を示すもので、送信器受信器が接続される波長合分波器WDM間にシングルモード光ファイバSMF1と、分散補償光ファイバDCFと、シングルモード光ファイバSMF2の各線路をこの順序に接続し、これら線路の全体としての分散(総分散)を零(ほぼ零を含む)に調整するか、あるいは更にこれら線路全体の分散スロープを零(ほぼ零を含む)になるように調整したものである。

0063

本発明の布設ケーブルとしての分散補償光ファイバDCFは、曲げ損失が少ない方が布設ケーブル長を長くでき、また、モードフィールド径の大きい方が上記のように非線形効果非線形の影響)が小さいので望ましい。一般には、シングルモード光ファイバSMF1、SMF2のモードフィールド径が分散補償光ファイバDCFのモードフィールド径よりも大きい。

0064

したがって、図6に示す実施例のような順序で接続することにより、シングルモード光ファイバのSMF1あるいはSMF2から入力信号を入力すると、これらシングルモード光ファイバ内で、ある程度入力信号レベル減衰した後分散補償光ファイバDCFに入力され、しかも本発明の分散補償光ファイバDCFのモードフィールド径が大きいので、分散補償光ファイバDCF内で発生する非線形効果を小さくできる。すなわち、この実施例の波長多重光伝送路は、双方向通信に適したものとなっている。

0065

なお、シングルモード光ファイバSMFを通さずに、最初から分散補償光ファイバDCF入力信号を入力すると、パワーの大きな光信号が分散補償光ファイバDCFに入力することになるので、分散補償光ファイバDCFで非線形効果が生じ、入力パワーを大きくできない。この点、本実施例の場合は、双方向の場合であっても入力信号は最初にシングルモード光ファイバSMFを通過し、そこである程度信号パワーが減衰した後、通常の伝送用光ファイバと同程度の減衰量を持つ分散補償光ファイバDCFに到達するので、入力パワーを大きくでき、通信距離を長くできるという効果が得られる。

発明の効果

0066

本発明は、波長1.55μmでの分散値が−20ps/nm/kmより大で−10ps/nm/kmよりも小さい範囲にあり、波長1.55μm帯での分散値と分散スロープの比が同じ波長1.55μm帯におけるシングルモード光ファイバの分散値と分散スロープの比に対して正負の符号が逆で絶対値がほぼ等しくなるように設定されているので、シングルモード光ファイバに該シングルモード光ファイバとほぼ同じ長さの本発明の分散補償光ファイバを接続することにより、分散補償光ファイバの終端側で、シングルモード光ファイバを伝搬することにより発生する波長1.55μm帯での波長多重光伝送の各波長の信号の分散をほぼ一様に零分散に減殺補償することが可能となる。

0067

また、波長1.31μm帯に零分散を持つシングルモード光ファイバに接続されて光信号の伝送を行う分散補償光ファイバの波長1.55μmでの分散値σを、−35ps/nm/km≦σ≦−10ps/nm/kmの範囲に設定した発明にあっては、分散補償光ファイバの終端側で、シングルモード光ファイバを伝搬することにより発生する波長1.55μm帯での特定波長の信号の分散を零(ほぼ零を含む)分散に減殺補償することが可能となる。

0068

さらに、本発明の分散補償光ファイバは従来例のモジュール化された短い光ファイバではなく、シングルモード光ファイバの分散を補償するばかりでなく光伝送用光ケーブルとして機能するものであるから、前記の如く波長1.55μmでの分散値は-35ps/nm/kmあるいは−20ps/nm/kmより大で−10ps/nm/kmより小という如く負の比較的小さい値を持つので、屈折率分布を規制する条件を緩やかにでき、これに伴い、モードフィールド径を大きくできるので低非線型性性質を備えたものとなるので、波長多重光伝送波形の歪みを抑制することができる。このように、本発明の分散補償光ファイバは低損失伝送路なので、布設ケーブル用としても適したものとなる。

0069

特に、屈折率分布をW型のプロファイルとした構成にあっては、プロファイル形状が単純となるため設計が容易で、伝送損失も小さく、また、負の分散および負の分散スロープを容易に実現できる性質を有するので、屈折率分布の条件の規制がより緩やかとなり、製造も容易化され、本発明の優れた性質を有する分散補償光ファイバおよびその分散補償光ファイバを用いた波長多重光伝送路を安価に提供することが可能となる。

0070

さらに、W型の屈折率プロファイルを持ち、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+を1.8 %以下としたことで、分散補償光ファイバの波長1.55μmでの分散値を容易に−35ps/nm/kmあるいは−20ps/nm/km以上−10ps/nm/km以下に設定することができる上に、前記比屈折率差Δ+を1.0 %以上としたことで、サイドコアにドープされるフッ素(F)の層の安定化を図ることが可能となる。また、Δ+の値を最大でも1.8 %以下に抑えることで、分散補償光ファイバのモードフィールド径の広がり効果を得ることができ、本発明の分散補償光ファイバによれば、モードフィールド径を5.5μm以上(特に好ましくは6μm以上)とすることが可能であり、この値は、従来のモジュール化された分散補償光ファイバのモードフィールド径に比べ充分大きな値となり、分散補償光ファイバの曲げによる伝送損失の増大を効果的に防止することができる。

0071

さらに、センタコアのクラッドに対する比屈折率差Δ+に対するサイドコアのクラッドに対する比屈折率差Δ−の比RΔを−0.25以下と成し、かつ、サイドコアの径bに対するセンタコアの径aの比Ra(Ra=a/b)を0.3 以上0.4 以下の範囲としたことにより、シングルモード光ファイバを伝搬することにより発生する1.55μm帯の波長多重光伝送の各波長の信号に対する分散の補償率を充分に高めることが可能となり、したがって、本発明の波長多重光伝送路を用いることにより、曲げによる伝送損失を小さくし、波長1.55μm帯での低非線型性によって信号歪みのない品質の高い高速大容量の波長多重光通信を可能とし、次世代の波長多重光線路として充分対応できるものとなる。

図面の簡単な説明

0072

図1本発明に係る分散補償光ファイバの一実施形態例の屈折率分布のプロファイルを示す図である。
図2本実施形態例における分散補償光ファイバのRaの値と補償率との関係を示すシミュレーションの図である。
図3本発明における実施例1,2の波長分散特性をシングルモード光ファイバの波長分散特性に−1を掛けたデータと比較状態で示すグラフである。
図4分散補償光ファイバの他の屈折率分布のプロファイル例を示す説明図である。
図5本実施形態例の波長多重光伝送路の説明図である。
図6波長多重光伝送路の一実施例の説明図である。

--

0073

1センタコア
2サイドコア
3 クラッド

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