図面 (/)
構成
効果
概要
背景
例えば、プリント配線板の作成においては近年、上下に適当な保護用当て板を配して基板を複数枚を重ね合わせ、それらを相互に厳格に固定し、そのようにして重ね合わせ固定した基板に、穴明機をもって一度に導通孔を形成することが通常的に行なわれている。
しかして、上記した基板を重ね合わせて厳格に固定することにおいては、「図1」に示す如く、保護用当て板(1)の周囲を、適宜の間隔をおいて粘着テープ(2)で固定することが行なわれる。
尚、実作業上では、粘着テープ(2)で固定した状態で、さらに固定用ピン(3)を打ち込み、固定の完全化を図っている。
そこで、導通孔の形成を終えたら、基板だけ取り外し、保護用当て板は再使用に供することになるが、この保護用当て板の周囲には、粘着テープが付着しているので、これを取り除かなければならないが、現在、この粘着テープの取り除き作業は手作業によっているのが実状であり、作業の煩雑さと非能率性が大きなネックとなっている。
概要
対向する剥離刃18a1、18a2が処理板P挟んで一定距離後退し処理板Pから粘着テープを除去する。除去された粘着テープを、一対の作動ハンド16b1、16b2が捕捉し収容する。作動ハンド16b1、16b2にて捕捉収容された糊くずを圧縮空気の噴出口17から吹き飛ばす。作動ハンド16b1、16b2の内表面は離型性が付与され、剥離刃18a1、18a2は、処理板Pの板厚に追随する。
粘着テープの除去、除去した糊くずの捕捉・収容、収容した糊くずの外部への除去が自動的に行なわれ、極めて高能率な粘着テープの除去作業を行える。捕捉した糊くずが本機に付着することがなく、本機の運転効率が極めて高いものに維持され、板厚が全面均一でない処理板でも粘着テープの除去を完全に行える。
目的
本発明は、上記実状に鑑み提案に及んだもので、板材の周端部に付着残存する粘着テープを簡単、適切に取り除くことができ、かつその取り除いた粘着テープ(糊くず)を適切に排出させることのできる粘着テープの自動剥離機の提案を目的とするものである。
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
差し入れられた処理板を剥離刃が挟んで一定距離後退することにより処理板から粘着テープを強制除去する剥離手段と、上記剥離手段に接して配置されており、上記により除去された粘着テープ(糊くず)を捕促し収容する糊くず捕捉収容手段と、上記により捕捉・収容された糊くずを強制除去する糊くず強制除去手段、とを具備せしめたことを特徴とする粘着テープの自動剥離機。
請求項2
糊くず捕捉収容手段には離型性を付与せしめたことを特徴とする「請求項1」に記載の粘着テープの自動剥離機。
請求項3
粘着テープを強制除去する剥離手段には、処理板の板厚に追随する手段を組み込んで成ることを特徴とする「請求項1」に記載の粘着テープの自動剥離機。
技術分野
背景技術
0002
例えば、プリント配線板の作成においては近年、上下に適当な保護用当て板を配して基板を複数枚を重ね合わせ、それらを相互に厳格に固定し、そのようにして重ね合わせ固定した基板に、穴明機をもって一度に導通孔を形成することが通常的に行なわれている。
0003
しかして、上記した基板を重ね合わせて厳格に固定することにおいては、「図1」に示す如く、保護用当て板(1)の周囲を、適宜の間隔をおいて粘着テープ(2)で固定することが行なわれる。
0005
そこで、導通孔の形成を終えたら、基板だけ取り外し、保護用当て板は再使用に供することになるが、この保護用当て板の周囲には、粘着テープが付着しているので、これを取り除かなければならないが、現在、この粘着テープの取り除き作業は手作業によっているのが実状であり、作業の煩雑さと非能率性が大きなネックとなっている。
発明が解決しようとする課題
0006
本発明は、上記実状に鑑み提案に及んだもので、板材の周端部に付着残存する粘着テープを簡単、適切に取り除くことができ、かつその取り除いた粘着テープ(糊くず)を適切に排出させることのできる粘着テープの自動剥離機の提案を目的とするものである。
課題を解決するための手段
0007
本発明では、まず全体的な構成として、差し入れられた処理板を剥離刃が挟んで一定距離後退することにより処理板から粘着テープを強制除去する剥離手段と、上記剥離手段に接して配置されており、上記により除去された粘着テープ(糊くず)を捕捉し収容する糊くず捕捉収容手段と、上記により捕捉・収容された糊くずを強制除去する糊くず強制除去手段、とを具備せしめた粘着テープの自動剥離機、を完成することにより上記課題の解決を図ったものである。
0008
本発明ではさらに、糊くず捕捉収容手段について、離型性を付与しておくことにより、糊くずが同手段に付着するのを完全防止させたものである。
0010
処理板の板厚に従って上側剥離刃の上下方向の位置設定(上下剥離刃の間隔調整)が済んだら、本機操作者は、処理板の先端がリミット・スイッチを押すまで処理板を上下の剥離刃の間に差し入れれば、上側剥離刃が下動して処理板の上面に突き当たり(これにより、上下剥離刃で処理板を挟み付けた状態を得る)、それに連続して上下剥離刃が一定距離後退して、処理板から粘着テープを強制的にかき落とす。
0011
上記により処理板から除去された粘着テープ(糊くず)は、糊くず捕捉収容手段の働きにより、間髪を入れずに同手段に捕捉収容されるが、当該手段には離型性が付与されているので、糊くずが付着することは一切ない。
0012
糊くず捕捉収容手段に収容された糊くずは、糊くず強制除去手段により強制的に系外に除去されるので、操作者が、本機の操作を止めて糊くずを取り除くなどの手間は一切不要である。
0013
剥離手段には、処理板の板厚に追随する手段が組み込んであるので、板厚が全面均一でない処理板にも対応できる(板厚が変化しても粘着テープを完全に除去出来る)。
0014
以下、一実施例を示した添付図面を参照しながら本発明の一具体例を説明する。
0016
(7)は、基台(5)に、基台(5)の前後方向に平行に取り付けられた一対のガイド体である。このカイド体(7)には、長尺の、断面形状が角棒体形状の摺動基体(8)が、該ガイド体(7)に方向を規制されて、基台(5)上を前後に(「図2」において左右に)摺動するようになっている。
0017
この摺動基体(8)上には、L字形の連結体(9)が止具(10)にて取り付けられている。そして、この連結体(9)には、基台(5)に立設された支持体(11)に基部(12a)が枢着(13)されたエアーシリンダー(12)のピストンロッド(14)の先端が、止具(15)にて取り付けられている。
0018
従って、エアーシリンダー(12)を作動させピストンロッド(14)を伸び縮みさせると、摺動基体(8)は、ガイド体(7)に規制されて基台(5)上を前後に(「図2」において、左右に)摺動するものである。
0020
このエアーハンド装置(16)は、公知の機構であるので詳細構造の図示は省略してあるが、同装置(16)を構成するシリンダー(16a)への空気の圧入と排出により、対向する一対の作動ハンド(16b1)(16b2)が、互いに平行を保ちながら接離するようになっており、「図2」は、作動ハンド(16b1)(16b2)が開いた(作動ハンド《16b1》《16b2》が互いに離れた)状態を、「図3」は、作動ハンド(16b1)(16b2)が閉じた(作動ハンド《16b1》《16b2》が互いに接触した)状態をそれぞれ示している。
0021
尚、作動ハンド(16b1)(16b2)の内表面は離型性を付与せしめてある。すなわち、所謂テフロン加工を施してあり、捕捉した粘着テープ(糊くず)の付着を完全に防止する。
0022
(17)は、圧縮空気の噴出口を示している。この圧縮空気噴出口(17)は、図示しない圧縮空気供給機構に連結されており、作動ハンド(16b1)(16b2)内に捕捉・収容された糊くずを外部に吹き飛ばす役割を担っている。
0023
摺動基体(8)の前面には、下側剥離刃(18a1)が垂直に取り付けられており、これも上記摺動基体(8)の移動と一体移動を成すようになっている。
0024
摺動基体(8)の後部位置には、エアーシリンダー(12)を跨いだ格好で支持枠(19)が止具(20)をもって立設されている。そして、この支持枠(19)の上部位置には、前面に上側剥離刃(18a2)が垂直に取り付けられている長尺の回動長皿(21)が枢着(22)されている。
0025
また、この回動長皿(21)には、摺動基体(8)に垂直に立設された軸(23)の先端が貫通しており、そして、回動長皿(21)と摺動基体(8)の間には、上記軸(23)に巻き付けてあるバネ体(24)が挟装されており、回動長皿(21)は、このバネ体(24)の弾発力により常に上方に持ち上げられようとしている。
0026
一方、回動長皿(21)の先端部上面には、下端部が摺動基体(8)に取り付けられた支持枠(25)に下向きに垂直に取り付けられたエアーシリンダー(26)のピストンロッド(27)の先端が押し当てられており、回動長皿(21)は、上記のバネ体(24)の下方からの押圧力により上方に持ち上げられようとする作用は、このピストンロッド(27)により制止され、かくして、回動長皿(21)は、「図2」に示す如く、常に水平姿勢が保たれている。
0027
上記ピストンロッド(27)の上部領域には雄ネジ(図示せず)が刻設されており、この雄ネジ刻設部には、内部に雌ネジが刻設された下動制限輪体(28)が嵌着されており、エアーシリンダー(26)に対するこの下動制限輪体(28)の嵌着位置を任意に設定することにより(エアーシリンダー《26》の上面と下動制限輪体《28》の下面の距離《d》を任意に調節することにより)、ピストンロッド(27)の下動距離を任意に設定出来るようになっている。
0028
すなわち、エアーシリンダー(26)を作動させピストンロッド(27)を伸び出させると(ピストンロッド《27》を下動させると)、下動制限輪体(28)がエアーシリンダー(26)の上面に突き当たることにより、ピストンロッド(27)の下動が阻止されるものであるが、上記距離(d)を任意に設定することにより、ピストンロッド(27)の下動距離が所望する数値に制御されるものである。
0030
基台(5)には、支持体(30)が立設されており、該支持体(30)にはリミットスイッチ装置(31)が取り付けられている(「図3」参照)。
0031
(31a)は、当該リミットスイッチ装置(31)を構成する、下方部が手前側に張り出している作動舌体であり、この作動舌体(31a)の下方部を押すと、作動舌体(31a)の背面が、支持体(30)の前面に突出している突起(スィッチ・図示せず)を押し、リミットスイッチ装置(31)が作動するようになっている。
0032
支持体(30)は、処理板(P)を本機の処理板差入口(32)に差し入れ、処理板(P)の前端で作動舌体(31a)を押したとき、一定幅以上の処理板(P)の前進(挿入)を阻止するためのストッパーの役割も果たしている。すなわち、処理板(P)は、処理板(P)の前端がリミットスイッチ(突起)を押すと同時に、支持体(30)にて前進が阻止されるようになっている。
0033
このリミットスイッチ装置(31)の、本機の前後方向に係る取付位置は、「図2」においては、図の煩雑性を避けるために省略してあるが、同図において、上下の剥離刃(18a1)(18a2)が、点線で示すスタート位置から後退して処理板(P)上の粘着テープをかき落とし終わる位置である上側剥離刃(18a2)および下側剥離刃(18a1)の実線表示位置である。
0034
(33)は、本機の処理板差入口(32)に処理板(P)を差し入れるときの、処理板(P)を支持するための処理板支持棚である。
0035
以下、本機の操作方法を説明する。
0036
まず、処理板(P)の板厚に応じて、上側剥離刃(18a2)の長穴(180)により上側剥離刃(18a2)の上下方向の大まかな位置を決め、また左右の傾きの微調整等を行い止具(29)にて回動長皿(21)に締め付け固定する。
0037
すなわち、上側剥離刃(18a2)および下側剥離刃(18a1)の間に処理板(P)を簡単スムーズに挿入できる程度に、上側剥離刃(18a2)の上下方向の位置を設定し固定する。
0038
また、下動制限輪体(28)を調節して上側剥離刃(18a2)の下動距離を設定する。すなわち、エアーシリンダー(26)の作動によりピストンロッド(27)が下動し、それにより上側剥離刃(18a2)が下動して処理板(P)に突き当たるが、その突き当たる圧力が、処理板(P)上の粘着テープをかき落とすのに丁度良い圧力になるように上側剥離刃(18a2)の下動距離を設定する。
0039
次に、粘着テープが貼られた部分を、上下の剥離刃(18a2)(18a1)の間に位置するようにして、処理板(P)を処理板差入口(32)から差し入れ送り込むと、処理板(P)の前端が作動舌体(31a)の下方部を押し、リミットスイッチ装置(31)を作動させる。
0040
尚このとき、同時的に処理板(P)の前端は支持体(30)に突き当たり、処理板(P)は当該位置で止まる。
0041
すると、作動コントロール装置(34)からエアーシリンダー(26)に作動信号が与えられ、ピストンロッド(27)が下動し、これにより上側剥離刃(18a2)が処理板(P)の上面に突き当たり、適当な圧力を処理板(P)に与えつつ下動を停止する。すなわち、上下の剥離刃(18a1)(18a2)が、適当な圧力をもって処理板(P)を挟み込んだ状態となる。
0042
これに連続して、作動コントロール装置(34)からエアーシリンダー(12)に作動信号が与えられ、これにより、ピストンロッド(14)を縮み込ませ、上下の剥離刃(18a1)(18a2)を一定距離後退させる。
0043
「図2」は、この上下の剥離刃(18a1)(18a2)を一定距離後退させた状態を示し、前段落に記した作動は、図示点線位置にあった上下の剥離刃(18a1)(18a2)を実線位置まで後退させたことを指す。
0044
言うまでもなく、上記作動により、上下の剥離刃(18a1)(18a2)が処理板(P)の粘着テープをかき落とすものである。
0046
すなわち、上下の剥離刃(18a1)(18a2)によりかき落とされた処理板(P)の粘着テープ(糊くず)が、間髪を入れずに一対の作動ハンド(16b1)(16b2)により捕捉され、同ハンド(16b1)(16b2)内に収容される。
0047
さらに上記に連続して、作動コントロール装置(34)から圧縮空気供給機構(図示せず)に作動信号が与えられ、圧縮空気の噴出口(17)から圧縮空気が噴き出し、作動ハンド(16b1)(16b2)内に収容された糊くずを外部に吹き飛ばす。
0048
また、上記作動信号と同時的に作動コントロール装置(34)からエアーシリンダー(26)にも作動信号が与えられる。すなわち、当該作動信号によりピストンロッド(27)を上動させて上側剥離刃(18a2)を上動させる。これにより、処理板(P)は上下の剥離刃(18a1)(18a2)による拘束を解かれるので、本機操作者は、粘着テープが取り除かれた処理板(P)を手前に本機外に引き戻す(以上で、処理板《P》からの粘着テープの取り除き作業が完了する)。
0049
尚、作動ハンド(16b1)(16b2)に捕捉された糊くずは、当然に粘着性を有しているが、作動ハンド(16b1)(16b2)の内表面には離型性が与えられているから、糊くずが作動ハンド(16b1)(16b2)に付着する恐れは皆無である。
0050
さらに上記に連続して、作動コントロール装置(34)からエアーシリンダー(12)に作動信号が与えられ、ピストンロッド(14)が伸び出し、上下の剥離刃(18a1)(18a2)はスタート位置(上下の剥離刃《18a1》《18a2》が、前後方向に関しては「図2」における点線位置に戻り、さらに、上側剥離刃《18a2》については、点線図示位置より一定距離上方に引き上げられた位置。言い替えれば、上下の剥離刃《18a1》《18a2》間に処理板《P》を簡単、スムーズに挿入することのできる上側剥離刃《18a2》の上下方向位置)に戻されるから、操作者は、上記の要領により(同程度の厚さの処理板であれば、単純に処理板(P)を処理板差入口《32》に差し入れる作業から)次の粘着テープの取り除き作業を行えばよい。
0051
尚、同じ種類の処理板を連続的に処理する場合等において、個々の処理板の厚さに微妙な違いがある場合等があるが、本発明では、このような場合にも対応できる対策を講じている。
0053
これによれば、「図2」におけるエアーシリンダー(26)について、適宜の圧力のものを選択し、また下動制限輪体(28)によるエアーシリンダー(26)のピストンロッド(27)の下動量への関与を解き、本機を操作させることにより、剥離刃(18)は処理板の厚さの変化に追随して処理板の表面に突き当たって行くから、例えば、処理板(P)の厚さが微妙に薄くなっても剥離刃(18)が粘着テープの表面を上滑りしてしまうようなことはない。
0054
また逆に、処理板(P)が微妙に厚くなっても、刃部(18e)の処理板(P)表面への無制限の喰い込みは、非刃部(18e′)により阻止されるのもので、このように、剥離刃(18)は処理板(P)の厚さに倣って処理板(P)の表面を適宜の圧力をもって移動するので、処理板の厚さが微妙に変化しても、粘着テープを常に完全に除去するという目的を達することができる。
0055
尚、処理板の厚さの変化に対応させる手段としては、もとより上例に限定するものでなく、たとえば、「図2」におけるエアーシリンダー(26)への空気圧力を圧力調整弁により制御する等の方法でも目的を達成できる。
発明の効果
0056
本発明によれば、処理板からの粘着テープの除去、その除去した糊くずの捕捉・収容、収容した糊くずの外部への除去が自動的に行なわれるので、快適かつ極めて高能率な粘着テープの除去作業を行える、という効果が得られる。
0057
しかも、本発明によれば、捕捉した糊くずが本機に付着することがないから、本機の運転効率が極めて高いものに維持される、という効果が得られる。
0058
さらに本発明では、処理板からの粘着テープの剥離手段には、板厚に追随する機能を備えているから、板厚が全面均一でない処理板でも粘着テープの除去を完全に行える、という効果が得られる。
図面の簡単な説明
0059
図1・・・プリント配線板を複数枚重ね固定した状態を示す図であり、図(A)は、その正面図。図(B)は、図(A)における(a)方向からみた図。
図2・・・本発明粘着テープ自動剥離機を、一部の機構、部材を省略して示した側面図。
図3・・・本発明粘着テープ自動剥離機を、外カバーを切欠いて示した正面図。
図4・・・基台とガイド体と摺動基体との関係を示した縦断面説明図。
図5・・・剥離刃の説明図であり、図(A)は、剥離刃の正面図。図(B)は、図(A)におけるA−A線断面図。図(C)は、図(A)におけるB−B線断面図。