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技術 座標入力装置及び振動伝達板

出願人 キヤノン株式会社
発明者 小林克行吉村雄一郎柳沢亮三田中淳佐藤肇
出願日 1997年5月20日 (23年7ヶ月経過) 出願番号 1997-130059
公開日 1998年12月4日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1998-320106
状態 未査定
技術分野 位置入力装置
主要キーワード 群回路 超音波利用 立ち下がりゼロクロス 発生誤差 振動検出回路 振動伝搬 振動伝達板 伝達距離
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

測定精度を保ちながら座標入力面接着剤等の手段によって別の物体を固着させることを可能とする座標入力装置を提供する。

解決手段

座標入力装置は、入力された振動検出センサの装着位置まで伝播させる振動伝達板8と、振動伝達板8とは音響的に不連続な状態で積層状に配置された弾性部材25とを有する。振動伝達板8には、伝播する振動を検出する圧電センサ6が設けられる。当該装置の筐体の一部である上ケース粘着層24を介して、弾性部材25に接着され、固定される。振動ペンによる振動伝達板8への振動の入力は、弾性部材25を介して行なわれる。

概要

背景

従来より振動伝達を利用した座標入力装置として、振動ペンから入力された弾性波振動振動伝達板に複数設けられたセンサにより検出し、振動ペンから振動伝達板に入力された弾性波振動の伝達時間を計測し、その伝達時間に基づいて振動ペンによる振動入力点の座標を検出する座標入力装置がある。

この種の装置としては、例えば、超音波を利用して、2点間の距離を算出する方式が知られており、その具体的な応用例として特公平5−60615号等に記載されているような座標入力装置が知られている。この装置は、座標入力面となる振動伝達板に、振動を発生し座標入力指示器具となる座標入力ペンからの振動を入力し、振動伝達板に取付けられた複数のセンサ(例えば図7におけるセンサ6a〜6d)でこの振動を検出して、振動が各センサまで到達する時間を計測することで、振動が入力された座標位置の算出を行なうものである。

このような座標入力装置を用いれば、座標入力ペンで指示した位置座標を、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に出力することによって、手書きによる文字、図形の入力が可能となる。

概要

測定精度を保ちながら座標入力面に接着剤等の手段によって別の物体を固着させることを可能とする座標入力装置を提供する。

座標入力装置は、入力された振動を検出センサの装着位置まで伝播させる振動伝達板8と、振動伝達板8とは音響的に不連続な状態で積層状に配置された弾性部材25とを有する。振動伝達板8には、伝播する振動を検出する圧電センサ6が設けられる。当該装置の筐体の一部である上ケース粘着層24を介して、弾性部材25に接着され、固定される。振動ペンによる振動伝達板8への振動の入力は、弾性部材25を介して行なわれる。

目的

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、測定精度を保ちながら座標入力面に接着剤等の手段によって別の物体を固着させることを可能とする座標入力装置及び振動伝達板を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

振動伝達板伝播する振動を検出して指示座標を検出する座標入力装置であって、前記振動伝達板を構成し、入力された振動を検出センサの装着位置まで伝播させる第1の弾性部材と、前記第1の弾性部材と空気層を介して積層状に配置された第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材に装着され、該第1の弾性部材を伝播する振動を検出する検出手段と、前記第2の弾性部材の部分と当該座標入力装置の筐体の部分とを固着する固着手段とを備えることを特徴とする座標入力装置。

請求項2

振動を発生する振動ペンを更に備え、前記振動ペンによって指示された位置において、該振動ペンが発生した振動は、前記第2の弾性部材を介して前記第1の弾性部材に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。

請求項3

前記固着手段は、粘着層を前記振動伝達板に設定される座標入力有効エリアの周囲外側近傍に配置していることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。

請求項4

前記粘着層は、少なくとも1対の対向する面を有する形状の弾性体と、該弾性体の該1対の対向する面の各々に粘着層を設けた構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。

請求項5

前記第2の弾性部材が樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。

請求項6

前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材が周辺端部において固定され、両者間の空気層をシールする構造となるることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。

請求項7

入力された振動を検出センサの装着位置まで伝播させる第1の弾性部材と、前記第1の弾性部材と空気層を介して積層状に配置された第2の弾性部材とを備えることを特徴とする振動伝達板。

請求項8

前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材が、前記入力された振動を伝播するべき範囲の外側において固定され、両者間の空気層をシールすることを特徴とする請求項7に記載の振動伝達板。

技術分野

0001

本発明は座標入力装置に関し、特に座標入力面に対して与えられた振動の伝達時間を計測して入力座標を検出する座標入力装置及びこれに用いられる振動伝達板に関するものである。

背景技術

0002

従来より振動伝達を利用した座標入力装置として、振動ペンから入力された弾性波振動を振動伝達板に複数設けられたセンサにより検出し、振動ペンから振動伝達板に入力された弾性波振動の伝達時間を計測し、その伝達時間に基づいて振動ペンによる振動入力点の座標を検出する座標入力装置がある。

0003

この種の装置としては、例えば、超音波を利用して、2点間の距離を算出する方式が知られており、その具体的な応用例として特公平5−60615号等に記載されているような座標入力装置が知られている。この装置は、座標入力面となる振動伝達板に、振動を発生し座標入力指示器具となる座標入力ペンからの振動を入力し、振動伝達板に取付けられた複数のセンサ(例えば図7におけるセンサ6a〜6d)でこの振動を検出して、振動が各センサまで到達する時間を計測することで、振動が入力された座標位置の算出を行なうものである。

0004

このような座標入力装置を用いれば、座標入力ペンで指示した位置座標を、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に出力することによって、手書きによる文字、図形の入力が可能となる。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記従来例の様な座標入力装置では、ある媒体伝播する音波の音速は一定であるという物理現象を利用し、音波の到達する時間を計測することで振動発生源振動検出素子間の距離を導出することを基本原理としているため、例えば、振動が伝播して行く際に音速が変化するような場合には、その検出精度距離測定精度、或は座標算出精度)は大幅に低下することになる。

0006

このような現象が起こる場合として具体的な例を、特公平5−60615号に用いられているような板波(Lamb Wave)で説明すれば、一般に板波の音速は伝播する媒体の材質、或は板の厚みt、さらには振動の周波数に依存することが知られている。つまり、振動が伝播する板の厚みが変化するような場合(例えば板の断面が台形状となっている場合)には、その変化量に応じて波の伝播速度が変化する様になる。これは、装置の測定精度を低下させるので、この種の装置では板の厚みが一定となるように構成されるのが一般的である。

0007

しかし、板の厚みが例え一定であっても、セロテープ等の粘着物を振動伝達板に密着させた様な場合にもこのような現象が発生することが確認されており、大幅な精度低下につながる。つまり、この種の座標入力装置に於て、振動を伝達させる伝播体には、接着等の手段によって別の物体を固着させるような構成を採用することは検出精度を低下させることにつながり、好ましいことではない。しかしながら、この種の座標入力装置を実際に製品形態とするような場合、図8に示されるような形態にすることがしばしば要求される。つまり、座標を入力することができる有効エリアを形作るため、或は、振動検出手段を目隠しするため、或は、原稿(紙)を位置決めするための位置決め手段として、あるいは、装置を保護するための保護手段としてケース101を付ける構成が製品仕様として要求される。

0008

このとき問題となるのが、このケース101と振動伝達板100の隙間である。隙間が有れば、原稿を突き当てた時に原稿がその空間に入り込み、原稿の位置決めができない、或は原稿を抜き取る際に原稿を破く場合が有り、ユーザにとって非常に扱いにくい製品となる。また、作業中にコーヒー等の液体をこぼしてしまった場合(または雨に濡れた場合)には、その空間に存在する液体を拭き取ることができず、装置の故障につながるばかりでなく、水滴が存在することによって前述の音速が変化する(又はその部分で大幅な吸収がおき、音波が伝達し無くなる)等の問題が発生し、装置の信頼性を大幅に低下させることになる。

0009

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、測定精度を保ちながら座標入力面に接着剤等の手段によって別の物体を固着させることを可能とする座標入力装置及び振動伝達板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記の目的を達成するための本発明の座標入力装置は以下の構成を備える。すなわち、振動伝達板を伝播する振動を検出して指示座標を検出する座標入力装置であって、前記振動伝達板を構成し、入力された振動を検出センサの装着位置まで伝播させる第1の弾性部材と、前記第1の弾性部材とは音響的に不連続な状態で積層状に配置された第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材に装着され、該第1の弾性部材を伝播する振動を検出する検出手段と、前記第2の弾性部材の部分と当該座標入力装置の筐体の部分とを固着する固着手段とを備える。

0011

また、上記の目的を達成する本発明の振動伝達板は、入力された振動を検出センサの装着位置まで伝播させる第1の弾性部材と、前記第1の弾性部材とは音響的に不連続な状態で積層状に配置された第2の弾性部材とを備える。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、添付図面に従って本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。

0013

<座標入力装置の全体構成(図2)>図2は本実施形態による座標入力装置の全体的な構成を示すブロック図である。以下、図2を用いて、本実施形態における座標入力装置の装置全体の構成について説明する。図中1は装置全体を制御するとともに、座標位置を算出する演算制御回路である。2は振動子駆動回路であって、振動ペン3内に内蔵されている振動子4を振動させるものである。なお振動子4によって発生した振動は、ペン先5を介して振動伝達板8に入力され得る。

0014

振動伝達板8はアクリルガラス板等、透明部材からなり、振動ペン3による座標入力は、この振動伝達板8上の座標入力有効エリア(以下有効エリア、図中実線で示す符号Aの領域)をタッチすることで行なう。また振動ペン3で入力された振動が振動伝達板8の端面で反射し、振動が中央部にもどるのを防止(反射波減衰)するための防振材7が、振動伝達板8の外周に設けられている。

0015

図示されるように振動伝達板8の周辺部には圧電素子等、機械的振動電気信号に変換する振動センサ6a〜6dが固定されている。振動センサ6a〜6dからの信号は不図示の増幅回路増幅された後、信号波形検出回路9に送られ、信号処理を行ないその結果を演算制御回路1に出力し、座標を算出する。なお信号波形検出回路9、演算制御回路1については、その詳細を別途後述することとする。

0016

11は液晶表示器等のドット単位の表示が可能なディスプレイであり、振動伝達板の背後に配置している。そしてディスプレイ駆動回路10の駆動により振動ペン3によりなぞられた位置にドットを表示し、それを振動伝達板8(例えばガラス等の透明部材からなる場合)を透して見ることが可能になっている。

0017

振動ペン3に内蔵された振動子4は、振動子駆動回路2によって駆動される。振動子4の駆動信号は演算制御回路1から低レベルパルス信号として供給され、振動子駆動回路2によって所定のゲインで増幅された後、振動子4に印加される。電気的な駆動信号は振動子4によって機械的な超音波振動に変換され、ペン先5を介して振動伝達板8に伝達される。

0018

ここで振動子4の振動周波数はガラスなどの振動伝達板8に板波を発生することができる値に選択される。またこのとき、振動子4の周波数をペン先5を含んだ共振周波数とすることで効率の良い振動変換が可能となる。

0019

上記のようにして振動伝達板8に伝えられる弾性波は板波であり、表面波などに比べて振動伝達板の表面の傷、障害物等の影響を受けにくいという利点を有する。

0020

<演算制御回路の説明>上述した構成に於いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば5ms毎)に振動子駆動回路2、振動ペン3内の振動子4を駆動させる信号を出力すると共に、後述するタイマカウンタで構成されている)により計時を開始させる。そして、振動ペン3より発生した振動は振動センサ6a〜6dまでの距離に応じて遅延して到達する。

0021

振動波形検出回路9は各振動センサ6a〜6dからの信号を検出して、後述する波形検出処理により各振動センサへの振動到達タイミングを示す信号を生成するが、演算制御回路1は各センサ毎のこの信号を入力し、各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間の検出、そして振動ペンの座標位置を算出する。また演算制御回路1は、この算出された振動ペン3の位置情報を元にディスプレイ駆動回路10を駆動して、ディスプレイ11による表示を制御したり、あるいはシリアルパラレル通信によって外部機器座標出力を行なう(不図示)。

0022

図3は本実施形態の演算制御回路1の概略構成を示すブロック図である。演算制御回路1の各構成要素およびその動作概略を以下に説明する。

0023

図中、31は演算制御回路1及び座標入力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、内部カウンタ操作手順を記憶したROM、そして計算等に使用するRAM、定数等を記憶する不揮発性メモリなどによって構成されている。33は不図示の基準クロックを計時するタイマ(例えばカウンタなどにより構成されている)であって、振動子駆動回路2に振動ペン3内の振動子4の駆動を開始させるためのスタート信号を入力すると、その計時を開始する。これによって、計時開始とセンサによる振動検出の同期がとられ、センサ(6a〜6d)により振動が検出されるまでの遅延時間が測定できることになる。

0024

その他各構成要素となる回路は順を追って説明する。振動波形検出回路9より出力される各振動センサ6a〜6dよりの振動到達タイミング信号は、検出信号入力ポート35を介してラッチ回路34a〜34dに入力される。ラッチ回路34a〜34dのそれぞれは、各振動センサ6a〜6dに対応しており、対応するセンサよりのタイミング信号を受信すると、その時のタイマ33の計時値ラッチする。こうして全ての検出信号の受信がなされたことを判定回路36が判定すると、マイクロコンピュータ31にその旨の信号を出力する。

0025

マイクロコンピュータ31がこの判定回路36からの信号を受信すると、ラッチ回路34a〜34dから各々の振動センサまでの振動伝達時間をラッチ回路より読み取り、所定の計算を行なって、振動伝達板8上の振動ペン3の座標位置を算出する。そして、I/Oポート37を介してディスプレイ駆動回路10に算出した座標位置情報を出力することにより、例えばディスプレイ11の対応する位置にドット等を表示することができる。あるいはI/0ポート37を介しインターフェース回路に、座標位置情報を出力することによって、外部機器に座標値を出力することができる。

0026

振動伝搬時間検出の説明(図4図5)>図4は振動波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。尚、以下、振動センサ6aの場合について説明するが、その他の振動センサ6b、6c、6dについても全く同じである。

0027

振動センサ6aへの振動伝達時間の計測は、振動子駆動回路2へのスタート信号の出力と同時に開始することは既に説明した。この時、振動子駆動回路2から振動子4へは駆動信号41が印加されている。この駆動信号41によって、振動ペン3から振動伝達板8に伝達された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離に応じた時間をかけて進行した後、振動センサ6aで検出される。図示の42で示す信号は振動センサ6aが検出した信号波形を示している。

0028

この実施形態で用いられている振動は前述のとおり板波であるため、検出波形のエンベロープ421の伝播する速度(群速度Vg)と位相422の伝播する速度(位相速度Vp)が異なる。従って、振動伝達板8内での伝播距離に対して検出波形のエンベロープ421と位相422の関係は振動伝達中に、その伝達距離に応じて変化する。本実施形態では、この群速度Vgに基づく群遅延時間Tg、及び位相速度Vpに基づく位相遅延時間Tpから、振動ペン3と振動センサ6a間の距離を検出している。

0029

図5振動検出回路9のブロック図である。以下、図4とあわせて群遅延時間Tg、位相遅延時間Tpを検出するための手段について説明する。

0030

振動センサ6aの出力信号42は、前置増幅回路51により所定のレベルまで増幅された後、帯域通過フィルタ511により検出信号の余分な周波数成分が除かれ、信号44を得る。この信号44のエンベロープに着目すると、その波形が伝播する音速は群速度Vgであり、ある特定の波形上の点、例えばエンベロープのピークやエンベロープの変曲点を検出すると、群速度Vgに関わる遅延時間tgが得られる。そこで前置増幅回路51で増幅され、帯域通過フィルタ511を通過した信号は、例えば、絶対値回路及び、低域通過フィルタ等により構成されるエンベロープ検出回路52に入力され、検出信号のエンベロープ45のみが取り出される。さらにこのエンベロープ45に対して予め設定されている閾値レベル441を越える部分のゲート信号46を、マルチバイブレータ等で構成されたゲート信号発生回路56が形成する。

0031

群速度Vgに関わる群遅延時間tgを検出するためには、先に述べたようにエンベロープのピーク、もしくは変曲点等を検出すれば良いが、本実施形態の場合、エンベロープの最初の変曲点(後述する信号43の立ち下がりゼロクロス点)を検出している。そこでエンベロープ検出回路52で出力された信号45はエンベロープ変曲点検出回路53に入力され、エンベロープの2回微分波形43を得る。この微分波形信号43は前述のゲート信号46との比較結果より、マルチバイブレータ等から構成されたtg信号49が形成され、演算制御回路1に入力される。

0032

方位相速度Vpに関わる位相遅延時間tpについて説明すると、57は位相遅延時間tpを検出するためのゼロクロスコンパレータ、マルチバイブレータ等で構成されたtp信号検出回路であり、ゲート信号46が開いている間の位相信号44の最初の立ち上がりゼロクロス点を検出し、位相遅延時間tpの信号47が演算制御回路1に供給されることになる。

0033

以上の説明はセンサ1個に対するものであったが、他の振動センサにも同じ回路が設けられていてもかまわないし、アナログスイッチ等を用いてセンサを時分割で選択し、回路の共有化を行っても良いことは言うまでもない。

0034

<振動ペンとセンサ間の距離算出の説明(図6)>このようにして得られた群遅延時間tgと位相遅延時間tpとから振動ペンと各センサまでの距離をそれぞれ算出する方法について説明する。図6は本実施形態により得られる群遅延時間tg、位相遅延時間tpとペンセンサ間距離Lの関係をそれぞれ模式的に示した図である。本実施形態では検出波として板波を用いているので、群遅延時間tgは線形性が良いとは言えない。従って振動ペン3及び振動センサ6aの間の距離Lを(1)式に示されるように群遅延時間tgと群速度Vpの積として求めた場合、精度良く距離Lを求めることができない。

0035

L=Vg・tg …(1)

0036

そこで、より高精度な座標決定をするために、線形性の優れる位相遅延時間tpに基づき(2)式により演算処理を行なう。

0037

L=Vp・tp+n・λp …(2)

0038

ここで、λpは弾性波の波長、nは整数である。つまり(2)式、右辺第1項は、図6に於いて距離L0を示すものであり、求めたい距離Lと距離L0の差は図から明らかなように波長の整数倍時間軸上で階段の幅T*は、信号波形44の1周期、従ってT*=1/周波数、また距離で表せば階段の幅は波長λp)となっている。従って整数nを求めることによって精度良くペン−センサ間距離Lを正確に求めることができる。そこで前述の(1)式と(2)式から上記の整数nは、(3)式により求めることができる。

0039

n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] …(3)

0040

ここで、Nは“0”以外の実数であり、適当な値を用いる。例えば、N=2とすれば、群遅延時間tgの線形性が良くなくても、その発生誤差が±1/2波長以内であれば、nを正確に決定することができる。上記のようにして求めたnを(2)式に代入することで、振動ペン3および振動センサ6a間の距離を精度良く測定することができる。

0041

この式は振動センサ6aの一つに関するものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b〜6dと振動ペン3の距離も同様にして得ることができる。

0042

回路遅延時間補正の説明>前記ラッチ回路34a〜34dによってラッチされた振動伝達時間は、位相回路遅延時間etpおよび群回路遅延時間etg(図6参照、またこれらの時間は回路遅延時間のほかに振動ペン3のペン先5中を振動が伝播する時間等を含む)を含んでいる。これらにより生じる誤差は、振動ペン3から振動伝達板8、振動センサ6a〜6dへと行われる振動伝達の際に必ず同じ量が含まれる。

0043

そこで、例えば図7原点Oの位置から、例えば振動センサ6aまでの距離をRa(=sqr{(X/2)^2+(Y/2)^2}、図7参照)とし、原点Oにて振動ペン3で入力を行ない実測された原点Oからセンサ6aまでの実測される振動伝達時間をtg0*、tp0*、また原点Oからセンサまで伝播体上を波が実際伝播するのにかかる伝達時間をtg0,tp0とすれば、
tg0*=tg0+etg …(4)
tp0*=tp0+etp …(5)
の関係がある。

0044

一方、任意の入力点P点での実測値tg*、tp*は同様に、
tg*=tg+etg …(6)
tp*=tp+etp …(7)
となる。この(4)式と(6)式、(5)式と(7)式の差を各々求めると、
tg*-tg0*=(tg+etg)-(tg0+etg)=tg-tg0 …(8)
tp*-tp0*=(tp+etp)-(tp0+etp)=tp-tp0 …(9)
となり、各伝達時間に含まれる位相回路遅延時間etpおよび群回路遅延時間etgが除去され、原点Oの位置から入力点Pの間のセンサ6a位置を点とする距離に応じた真の伝達遅延時間の差を求めることができ、前記(1)、(2)、(3)式を用いればその距離差を求めることができる。つまり、
tg=tg*−tg0* …(10)
tp=tp*−tp0* …(11)
として(1)、(2)、(3)式を用いて距離を計算し、その値に振動センサ6aから原点Oまでの距離Raを加えることで、振動入力ペン3と振動センサ6aまでの距離を正確に求めることができる。従って振動センサ6aから原点Oまでの距離をあらかじめ不揮発性メモリ等に記憶しておけば、振動ペン3と振動センサ6a間の距離を決定できる。他のセンサ6b〜6dについても同様に求めることができる。

0045

座標位置算出の説明(図7)>次に実際に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出原理を説明する。図7は、振動伝達板上の振動入力位置の座標算出を説明する図である。

0046

図7に示されるように、振動伝達板8上の4隅に4つの振動センサ6a〜6dを設けると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の位置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線距離da〜ddを求めることができる。さらに演算制御回路1でこの直線距離da〜ddに基づき、振動ペン3の位置Pの座標(x,y)を3平方定理から次式のようにして求めることができる。

0047

x=(da+db)・(da−db)/2X …(12)
y=(da+dc)・(da−dc)/2Y …(13)

0048

ここで、X,Yはそれぞれ振動センサ6a、6b間の距離、振動センサ6c、6d間の距離であり、以上のようにして振動ペン3の位置座標をリアルタイムで検出することができる。

0049

また、上記計算では3つのセンサまでの距離情報を用いて計算しているが、本実施形態では4個のセンサが設置されており、残りのセンサ1個の距離情報を用いて出力座標の確からしさの検証に用いている。もちろん、例えば最もペン−センサ間距離Lが大きくなったセンサの距離情報(距離Lが大きくなるので検出信号レベルが低下しノイズの影響を受ける確率が大きくなる)を用いず残りのセンサ3個で座標を算出しても良い。また本実施形態では4個のセンサを配置し、3個のセンサで座標を算出しているが、幾何学的には2個以上のセンサで座標算出が可能であり、製品スペックに応じてセンサの個数が設定されることは言うまでもない。

0050

<座標入力部の構成>以上説明したように、本実施形態の座標入力装置は、音波の到達遅延時間Tg、Tpを検出し、音速(Vg、Vp)が一定であるという物理現象を利用して、高精度に座標を算出している。しかしながら、この装置を実際に製品化した場合、この装置を保護するための筐体(保護ケース)が必要となる。具体的な実施形態として、この装置を複写機エディタとして用いた場合の構成について図1を用いて説明する。

0051

図1は、先に述べた座標入力装置を外装に組み込んだ状態の部分断面図である。振動伝達板8に弾性部材25が重ねて配置されている。本実施形態の場合、振動伝達板8と弾性部材25はその端面近傍で第2の粘着層27で固定されている。この構成は、組み立て上、或いは量産性の向上という目的だけでなく、次のような効果を発揮する。先にも述べている通り、振動伝達板8上の水滴或いは粘着層等は音速を変化させ、装置の座標算出精度を低下させる。従って、振動伝達板8と弾性部材25間に水滴、油等が入れば、信頼性を低下させるので、両者を端部で、第2の粘着層でシールすることにより、この問題を除去している。さらには、両者の空間がシールされているので、乾燥空気封入しておけば、使用中の温度変化による結露をも防止できる優れた効果が得られる(ただし、構成からいって空気量は非常に少量であり、室温大気中でシールしても問題ないことが実験により確認されている)。振動伝達板8は先に述べたように、ガラス、アルミニウム(他の金属でも可)等、音波を伝達することができる材料であれば良い。また弾性部材25はペット等の樹脂フィルム、或は金属等の材料でも良い。要は、振動ペン3で発生した振動がこの弾性部材25を介して振動伝達板8に伝達することができるような材料、あるいはそのために十分に薄い厚みを有する物で有れば良い。

0052

弾性部材25と振動伝達板8の両者は重ねて配置されているだけなので、微視的にはその間に空気層が存在し、音響的に不連続な特性となっている。つまり、両者の間に例えば、水滴等が存在すれば、両者の音響インピーダンス整合させる作用が発生するので、その様な場合には、振動伝達板8を伝播する音波の音速が、その部分で大きく変化する原因となる。ここでいう空気層は、振動伝達板8と弾性部材25が接触配置されていても良いことを意味し、要は液体が混入していなければ良いことを示す。

0053

23はこの座標入力装置を固定するためのフレームであり、本実施形態の場合、例えば両面テープで防振材7と接合されている。またフレーム23には振動伝達板8に設置されたセンサ6(上述のセンサ6a〜6d)からの電気的信号を取り出すための電極21がとりつけられている。さらにこのフレームには、上ケース26が固定され、上ケース開口部が座標入力可能な有効エリアを形作る様に構成されている。この様に構成することで、センサ6等の部材を目隠しすると共に、使用者に座標入力可能な領域を認知せしめることが可能となる。

0054

図示されるように、座標入力有効エリア近傍で上ケース26と弾性部材25は粘着層24で固定されている。粘着層24は両面テープ等でも良いが、開口部が大きくなる(座標入力有効エリアの大きさが大きくなる事と同等)と、上ケース26がたわむことが想定される。つまり、上ケース26をモールド成形樹脂製上ケース)した場合、熱応力等により上ケースがたわむので、この歪を吸収するために、粘着層を次のような構成とすることが好ましい。

0055

すなわち、粘着層24として、モルトプレーン等の発泡体、あるいはシリコンゴム等の弾性部材を採用し、その対向面に粘着層を設け、上ケース26と弾性部材25を結合する。この様に構成することで、粘着層24の変形により上ケース26の歪を吸収できるようにする。

0056

さて次に、振動伝達板8、弾性部材25、粘着層24を採用した構成の作用効果について述べる。説明を簡単にするために、図1の構成で弾性部材25が無い場合についてまず考えてみる。

0057

一般に、この種の電子回路を含んだ装置は、湿気嫌う。例えば座標入力面にコーヒー等の液体をこぼせば、早急に拭き取る必要があるが、前述のとおり上ケースを設けた場合には、上ケース26と振動伝達板8間に入り込んだ液体をどうすることもできない。つまり、弾性部材25が無い場合には、拭きとることのできない液体が直接振動伝達板8上に存在することになり、その存在位置が振動センサ6よりも有効エリア側であれば、その部分で音波の音速が変化して座標算出精度を低下させるほか、液体による音波の吸収で座標算出もできなくなる場合が発生する。これを復帰させるためには放置して、自然と乾かす他、手段が無いのである。

0058

そこで粘着層24を設けて防水効果を出すことが考えられるが、粘着層24を直接振動伝達板8に貼り付けると、その部分で伝播する音波の音速が変化し、やはり座標入力装置の精度を低下させることになる。

0059

本実施形態によれば、弾性部材25を振動伝達板8に重ねる構成を採用し、この弾性部材25と上ケース26を粘着層24で結合させることにより、振動伝達板8を伝播する音波への影響を防ぐよう構成すると共に、液体等から装置を守ることができるようになる。

0060

さらには、弾性部材25を設けることで、座標入力面上に他の部材(本実施形態の粘着層24と上ケース26)を固着することができるので、複写機用のエディタとしても、超音波を利用した座標入力装置を利用することができるようになった。

0061

なお、複写機用エディタの一般的な使い方として、座標入力面に原稿を重ね、原稿をなぞる等の動作により座標を入力する。その動作により指定された領域を記憶し、その原稿をコピーする際に、その部分だけコピーする、あるいは、その部分だけ色を換え、例えば赤くコピーする等の目的で使われる。この装置は、座標入力装置の座標系と原稿の座標を一致させるために、前述の上ケースの端面に原稿を突き当てる仕様とするのが一般的である。この時、粘着層24が無いと、原稿が上ケースの下に入り込む場合が想定され、使いにくい装置となる他、入り込んだ原稿を取り出す際に原稿を破く場合も想定される。この様な課題を解決するためには、粘着層24は必要不可欠であり、座標入力装置の座標算出精度を保証するという意味で、弾性部材25が必須の構成となる。

0062

以上説明したように本実施形態における座標入力装置によれば、振動伝達板8を伝播する音波の音速が一定に保たれるので、装置の座標算出精度、信頼性が向上する。このため、防水構造を持たせて装置を保護するとともに、高精度に座標算出を行うことが可能となる。従って、恒久的に装置の信頼性を保つことができるという優れた効果が得られるようになる。さらに原稿位置決め用の部材の設置が座標入力面上で可能となったので、超音波利用方式の座標入力装置でもこの種の装置に応用することができる優れた効果も得られるようになる。

0063

なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータインタフェイス機器リーダプリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。

発明の効果

0064

以上説明したように本発明によれば、測定精度を保ちながら振動検出方式の座標入力装置において、その座標入力面に接着剤等の手段によって別の物体を固着させることが可能となる。

0065

図面の簡単な説明

0066

図1先に述べた座標入力装置を外装に組み込んだ状態の部分断面図である。
図2本実施形態による座標入力装置の全体的な構成を示すブロック図である。
図3本実施形態の演算制御回路1の概略構成を示すブロック図である。
図4振動波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明するための図である。
図5振動検出回路9のブロック図である。
図6本実施形態により得られる群遅延時間tg、位相遅延時間tpとペン−センサ間距離Lの関係をそれぞれ模式的に示した図である。
図7振動伝達板上の振動入力位置の座標算出を説明する図である。
図8一般的な座標入力装置の外観を示す図である。

--

0067

1演算制御回路
2振動子駆動回路
3振動入力ペン
4振動子
5ペン先
6a〜6d振動センサ
7防振材
8振動伝達板
9信号波形検出回路
25弾性部材
24粘着層
26 ケース

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