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技術 III−V族化合物半導体膜とその成長方法、GaN系半導体膜とその形成方法、GaN系半導体積層構造とその形成方法、GaN系半導体素子とその製造方法

出願人 日本電気株式会社
発明者 砂川晴夫碓井彰
出願日 1998年3月13日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1998-062760
公開日 1998年11月24日 (21年3ヶ月経過) 公開番号 1998-312971
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理 発光ダイオード 気相成長(金属層を除く) 半導体レーザ LED素子(パッケージ以外) 半導体レーザ
主要キーワード 研磨器 物理的性 窒化物表面 断面透過電子顕微鏡 初期成長段階 GaN系半導体積層構造 共振器ミラー面 Cl流
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図面 (7)

課題

成長するIII−V族化合物半導体層と基板結晶熱膨張係数差、および格子定数差によって生じるクラックを抑え、欠陥の導入を抑制する。

解決手段

マスク14により成長領域13を制限した基板を用いて、エピタキシャル成長によりIII−V族化合物半導体膜15のファセット構造を形成し(b)、マスク14を覆うまでファセット構造を発達させる(c)。さらに、ファセット構造を完全に埋め込む(d)。最終的に平坦な表面を有するIII−V族化合物半導体成長層を形成する(e)。

概要

背景

III−V族化合物半導体で、例えば窒化ガリウム(GaN)は、禁制帯幅が3.4eVと大きく、かつ直接遷移型であることから青色発光素子材料として注目されている。

この材料を用いた発光デバイスを作製するための基板材料としては、成長させるエピタキシャル層と同じ物質バルク結晶を用いることが望ましい。しかしながら、GaNのような結晶では、窒素解離圧が高いことによりバルク結晶の作製が非常に困難であった。したがってバルク結晶の作製が非常に困難な材料を用いてデバイスを作製する場合は、例えばサファイア(Al2 O3 )基板などのような格子定数熱膨張係数などの物理的性質や、化学的性質も全く異なる基板が用いられてきた。

概要

成長するIII−V族化合物半導体層と基板結晶熱膨張係数差、および格子定数差によって生じるクラックを抑え、欠陥の導入を抑制する。

マスク14により成長領域13を制限した基板を用いて、エピタキシャル成長によりIII−V族化合物半導体膜15のファセット構造を形成し(b)、マスク14を覆うまでファセット構造を発達させる(c)。さらに、ファセット構造を完全に埋め込む(d)。最終的に平坦な表面を有するIII−V族化合物半導体成長層を形成する(e)。

目的

本発明の目的は、格子定数や熱膨張係数が異なるヘテロ基板を用いてエピタキシャル成長を行っても、基板やエピタキシャル成長層への歪みや欠陥の発生が少なく、また厚い膜を成長してもクラックが入りにくいエピタキシャル成長層を得るための成長方法を提供することにある。

さらに本発明の他の目的は、上記エピタキシャル成長をGaN系半導体の成長に利用し結晶欠陥の少ないGaN系半導体膜を提供することにある。

また本発明の他の目的は、上記エピタキシャル成長により形成されたGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子構造(例えばGaN系半導体発光素子構造)を作製することにより、優れた素子特性の得られるGaN系半導体素子(例えばGaN系半導体発光素子)を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
22件
牽制数
66件

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請求項1

III−V族化合物半導体エピタキシャル成長において、基板表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域に前記基板と格子定数熱膨張係数が異なるIII−V族化合物半導体を成長する工程と、前記成長領域で前記III−V族化合物半導体をファセット構造を形成しながら成長させ、隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程を有することを特徴するIII−V族化合物半導体の成長方法

請求項2

III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長において、基板表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域に前記基板と格子定数や熱膨張係数が異なるIII−V族化合物半導体を成長する工程と、前記成長領域で前記III−V族化合物半導体をファセット構造を形成しながら成長させ、隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程と、前記平坦化された表面に前記各工程を繰り返すことを特徴とするIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項3

前記基板表面に、前記成長領域に成長するIII−V族化合物半導体と同じ材料か、あるいは格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体を形成した後に、前記パターニングされたマスク材料により形成された成長領域を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項4

前記マスク材料を用いて形成する成長領域がストライプ形状矩形状、丸状、又は三角形状であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項5

前記マスクの形状がストライプ形状であって、前記ファセット構造の側壁が{1−101}面であることを特徴とする請求項4記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項6

前記マスクの形状がストライプ形状であって、ストライプ方向が<11−20>方向または<1−100>方向であることを特徴とする請求項4記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項7

前記基板は、MgAl2 O4 基板、Si基板ZnO基板SiC基板、LiGaO2 基板、Al2 O3 基板のいずれか1つから選択され、前記III−V族化合物半導体は、GaN膜InGaN膜AlGaN膜、InN膜、GaP膜、GaAs膜のいずれか1つから選択されることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項8

前記III−V族化合物半導体がGaN系半導体であって、異なる組成半導体層がGaN、InGaN,およびAlGaNのうち少なくとも2つの材料から構成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4記載のIII−V族化合物半導体の成長方法。

請求項9

III−V族化合物半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板と、前記基板表面に成長領域を形成するパターニングされたマスク材料と、前記成長領域でファセット構造を形成しながら成長したIII−V族化合物半導体が隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体の成長とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記III−V族化合物半導体の成長により前記ファセット構造が埋め込まれて形成されたIII−V族化合物半導体とを有することを特徴とするIII−V族化合物半導体膜。

請求項10

III−V族化合物半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板と、前記基板表面に成長領域を形成するパターニングされたマスク材料と、前記成長領域でファセット構造を形成しながら成長したIII−V族化合物半導体が隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体の成長とともに前記マスク材料を覆い、前記III−V族化合物半導体の成長により前記ファセット構造が埋め込まれて形成されたIII−V族化合物半導体とを有するIII−V族化合物半導体膜であって、前記III−V族化合物半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とする特徴とするIII−V族化合物半導体膜。

請求項11

前記基板表面に、前記成長領域に成長するIII−V族化合物半導体と同じ材料か、あるいは格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体が形成され、前記III−V族化合物半導体表面上にマスク材料による成長領域が形成されてることを特徴とする請求項9あるいは請求項10記載のIII−V族化合物半導体膜。

請求項12

GaN系半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板表面、あるいは前記基板上に形成されたGaN系半導体表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域にGaN系半導体がファセット構造を形成するように成長させ、隣接する成長領域のGaN系半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程を有することを特徴とするGaN系半導体膜形成方法

請求項13

請求項12に記載されたGaN系半導体膜の形成の後、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程とを有することを特徴とするGaN系半導体膜の形成方法。

請求項14

GaN系半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板と、前記基板表面、あるいは前記基板上に形成されたGaN系半導体表面に成長領域を形成するパターニングされたマスク材料と、前記成長領域でファセット構造を形成しながら成長したGaN系半導体が隣接する成長領域のGaN系半導体の成長とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記GaN系半導体の成長により前記ファセット構造が埋め込まれて形成されたGaN系半導体を有することを特徴とするGaN系半導体膜。

請求項15

請求項14記載の前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とするGaN系半導体膜。

請求項16

請求項12あるいは請求項13に記載のGaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子積層構造を形成する工程を有することを特徴とするGaN系半導体積層構造の形成方法。

請求項17

請求項12に記載のGaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造を形成する工程と、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程とを有することを特徴とするGaN系半導体積層構造の形成方法。

請求項18

前記GaN系半導体素子は、ダブルテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であることを特徴とする請求項16、あるいは請求項17記載のGaN系半導体積層構造の形成方法。

請求項19

前記GaN系発光素子GaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項18記載のGaN系半導体積層構造の形成方法。

請求項20

請求項14あるいは請求項15に記載のGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造が形成されていることを特徴とするGaN系半導体積層構造。

請求項21

請求項14あるいは請求項15記載のGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造が形成され、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とするGaN系半導体積層構造。

請求項22

前記GaN系半導体素子は、ダブルへテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であることを特徴とする請求項20あるいは請求項21記載のGaN系半導体積層構造。

請求項23

前記GaN系発光素子がGaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項22記載のGaN系半導体積層構造。

請求項24

請求項12あるいは請求項13記載のGaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子を形成する工程を有することを特徴とするGaN系半導体素子の製造方法。

請求項25

請求項12に記載のGaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子を形成する工程と、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程とを有することを特徴とするGaN系半導体素子の製造方法。

請求項26

前記GaN系半導体素子は、ダブルへテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であることを特徴とする請求項24あるいは請求項25記載のGaN系半導体素子の製造方法。

請求項27

前記GaN系発光素子がGaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項26記載のGaN系半導体素子の製造方法。

請求項28

請求項14あるいは請求項15に記載の前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子が形成されていることを特徴とするGaN系半導体素子。

請求項29

請求項14に記載の前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子が形成され、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とするGaN系半導体素子。

請求項30

前記GaN系半導体素子は、ダブルへテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であることを特徴とする請求項28あるいは請求項29記載のGaN系半導体素子。

請求項31

前記GaN系発光素子がGaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項30記載のGaN系半導体素子。

技術分野

0001

本発明は、半導体結晶エピタキシャル成長方法に関し、格子定数や、熱膨張係数の異なる基板上にIII−V族化合物半導体結晶膜エピタキシャル成長させる方法及びこの成長方法これによって得られるIII−V族化合物半導体膜に関する。特に結晶欠陥の少ない半導体膜の形成が困難なGaN系半導体のエピタキシャル成長方法の適用に有効である。

0002

さらにGaN系半導体素子及びその製造方法に関し、結晶欠陥の少ないGaN半導体膜上に形成されたGaN系半導体素子及びその製造方法に関する。

背景技術

0003

III−V族化合物半導体で、例えば窒化ガリウム(GaN)は、禁制帯幅が3.4eVと大きく、かつ直接遷移型であることから青色発光素子材料として注目されている。

0004

この材料を用いた発光デバイスを作製するための基板材料としては、成長させるエピタキシャル層と同じ物質バルク結晶を用いることが望ましい。しかしながら、GaNのような結晶では、窒素解離圧が高いことによりバルク結晶の作製が非常に困難であった。したがってバルク結晶の作製が非常に困難な材料を用いてデバイスを作製する場合は、例えばサファイア(Al2 O3 )基板などのような格子定数、熱膨張係数などの物理的性質や、化学的性質も全く異なる基板が用いられてきた。

発明が解決しようとする課題

0005

このようなヘテロ基板上にエピタキシャル成長を行うと、基板や、エピタキシャル層に歪みや、欠陥が発生し、特に厚い膜を成長した場合には、クラックが発生することが報告されている「ジャニーズジャーナルオブアプライフィジックス第32巻(1993)第1528−1533頁」(Jpn.J. Appl.Phys.Vol 32(1993) pp.1528-1533)。このような場合には、デバイスとしての性能が極端に悪くなるばかりではなく、成長層が粉々に破壊されるという結果をしばしば招いた。

0006

また格子不整合系のエピタキシャル成長において、転位密度が少ない高品質エピタキシャル成長層を得るために、最初の結晶成長で1μmのSiO2 膜でストライプを形成したサファイア基板上にGaN膜選択成長を行い、格子欠陥転位を特定の領域に集中させることが特開平8−64791号公報に記載されている。しかし特開平8−64791号公報の例ではSiO2膜部分で成長が起こらないために全面に平坦な成長層を得ることができず、素子形成箇所に制約が生じていた。

0007

本発明の目的は、格子定数や熱膨張係数が異なるヘテロ基板を用いてエピタキシャル成長を行っても、基板やエピタキシャル成長層への歪みや欠陥の発生が少なく、また厚い膜を成長してもクラックが入りにくいエピタキシャル成長層を得るための成長方法を提供することにある。

0008

さらに本発明の他の目的は、上記エピタキシャル成長をGaN系半導体の成長に利用し結晶欠陥の少ないGaN系半導体膜を提供することにある。

0009

また本発明の他の目的は、上記エピタキシャル成長により形成されたGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子構造(例えばGaN系半導体発光素子構造)を作製することにより、優れた素子特性の得られるGaN系半導体素子(例えばGaN系半導体発光素子)を提供することにある。

0010

本発明のIII−V族化合物半導体の成長方法は、III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長において、基板表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域に前記基板と格子定数や熱膨張係数が異なるIII−V族化合物半導体を成長する工程と、前記成長領域で前記III−V族化合物半導体をファセット構造を形成しながら成長させ、隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程を有することを特徴する。

0011

また本発明のIII−V族化合物半導体の成長方法は、III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長において、基板表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域に前記基板と格子定数や熱膨張係数が異なるIII−V族化合物半導体を成長する工程と、前記成長領域で前記III−V族化合物半導体をファセット構造を形成しながら成長させ、隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程と、前記平坦化された表面に前記各工程を繰り返すことを特徴とする。

0012

さらに本発明のIII−V族化合物半導体の成長方法は、前記基板表面に、前記成長領域に成長するIII−V族化合物半導体と同じ材料か、あるいは格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体を形成した後に、前記パターニングされたマスク材料により形成された成長領域を形成することを特徴とする。また前記マスク材料を用いて形成する成長領域がストライプ形状矩形状、丸状、又は三角形状であることを特徴とする。

0013

本発明のIII−V族化合物半導体膜は、III−V族化合物半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板と、前記基板表面に成長領域を形成するパターニングされたマスク材料と、前記成長領域でファセット構造を形成しながら成長したIII−V族化合物半導体が隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体の成長とともに前記マスク材料を覆い、前記III−V族化合物半導体の成長により前記ファセット構造が埋め込まれて形成されたIII−V族化合物半導体膜を有することを特徴とする。さらに、前記III−V族化合物半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とする特徴とする。

0014

また、前記マスク材料形成前の基板表面に前記成長領域に成長するIII−V族化合物半導体と同じ材料か、あるいは格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体が形成されていることを特徴とする。

0015

本発明のGaN系半導体膜の形成方法は、GaN系半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板表面、あるいは前記基板上に形成されたGaN系半導体表面にパターニングされたマスク材料により成長領域を形成する工程と、前記成長領域にGaN系半導体がファセット構造を形成するように成長させ、隣接する成長領域のGaN系半導体とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記ファセット構造を埋め込んで表面を平坦化する工程を有することを特徴とする。またGaN系半導体膜の形成の後、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程とを有することを特徴とする。

0016

本発明のGaN系半導体積層構造の形成方法は、GaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造を形成する工程を有することを特徴とする。また前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程と有することを特徴とする。

0017

本発明のGaN系半導体素子の製造方法は、GaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子を形成する工程を有することを特徴とする。さらにGaN系半導体膜の形成の後に、前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子を形成する工程と、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料を除去する工程とを有することを特徴とする。また前記GaN系半導体素子は、ダブルテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であること、さらに前記GaN系発光素子GaN系半導体レーザであることを特徴とする。

0018

本発明のGaN系半導体膜は、GaN系半導体と格子定数や熱膨張係数が異なる基板と、前記基板表面、あるいは前記基板上に形成されたGaN系半導体表面にパターニングされたマスク材料により形成された成長領域と、前記成長領域でファセット構造を形成しながら成長したGaN系半導体が隣接する成長領域のGaN系半導体の成長とともに前記マスク材料を覆い、さらに前記GaN系半導体の成長により前記ファセット構造が埋め込まれていることを特徴とする。また前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とする。

0019

本発明のGaN系半導体積層構造は、前述のGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造が形成されていることを特徴とする。さらに前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とする。

0020

本発明のGaN系半導体素子は、GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子が形成されていることを特徴とする。また前記GaN系半導体膜上にGaN系半導体素子が形成され、前記GaN系半導体膜から少なくとも前記基板、マスク材料が除去されていることを特徴とする。

0021

さらに前記GaN系半導体素子は、ダブルへテロ構造を含むGaN系半導体発光素子であることを特徴とする。前記GaN系発光素子がGaN系半導体レーザであることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。

0023

(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態について、III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を例に図1を参照して説明する。

0024

初めに、基板材料とは性質を異にし、その次の工程で成長する材料と同じか、あるいはその材料と格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体12を基板上に成長し、その表面上にフォトリソグラフィー法ウエットエッチング法を用いて基板上の成長領域を制限するマスク14を形成する。マスクの形状はストライプとし、このときマスク14の厚さは10nmから2μm程度であり、成長領域13およびマスク14のストライプ幅は、通常0.1μmから10μm程度とした。(図1(a))。

0025

次に、成長領域に対しIII−V族化合物半導体膜のエピタキシャル成長を行う。マスク14の付いた基板をエピタキシャル装置反応管に挿入して、水素ガス窒素ガス、または、水素と窒素の混合ガスV族原料ガスを供給しながら基板11を所定の成長温度まで昇温する。温度が安定してからIII族原料を供給して、成長領域13にIII−V族化合物半導体15を成長する。結晶成長方法は、好ましくはIII族原料に塩化物を用いる塩化物輸送法による気相成長(VPE:Vapor Phase Epitaxy )で行うが、III族原料に有機金属を用いる有機金属化合物気相成長(MOCVD:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)を用いてもよい。

0026

III−V族化合物半導体15は、初期段階ではマスク14上に成長せず、成長領域13のみで結晶成長が起こり、成長領域上のIII−V族化合物半導体15にはファセット構造が形成される。このときのIII−V族化合物半導体15の成長条件はファセット構造が形成されるよう650℃から1100℃の成長温度、III族原料の供給量に対し等倍から200000倍を供給するV族原料の供給量の範囲で行う。(図1(b))。

0027

さらにエピタキシャル成長を続けると、III−V族化合物半導体15はファセット構造の面に対して垂直な方向に成長が進むため、成長領域だけでなくマスク14を覆うようになる。そして隣接する成長領域のIII−V族化合物半導体15のファセット構造と接触する(図1(c))。

0028

さらにエピタキシャル成長を続けると、ファセット構造が埋め込まれ(図1(d))、最終的には、平坦な表面を有するIII−V族化合物半導体膜15を得ることができる(図1(e))。

0029

通常、基板上に格子定数や熱膨張率の異なるIII−V族化合物半導体の結晶成長を行うと、基板との界面で発生した結晶欠陥にともなう転位は、界面と垂直方向伸びるために、たとえエピタキシャル膜を厚くしても、転位の低減は見られない。

0030

本実施の形態による方法では、選択成長により成長領域にファセット構造を形成している。このファセットは成長速度が他の面より遅いために現れる。ファセットの出現により転位がファセットに向かって進み、基板と垂直に伸びていた転位が垂直な方向へ伸びることができなくなる。結晶欠陥はファセットの成長とともに横方向に曲げられ、エピタキシャル膜の膜厚増加に伴い、成長領域では結晶欠陥が減少していき、結晶の端に出てしまうか、閉ループを形成することがわかった。これにより、エピタキシャル膜内の欠陥の低減が計られる。このようにファセット構造を形成して成長することで、結晶欠陥を大幅に減らせる。

0031

特にIII族原料に塩化物を用いる塩化物輸送法による気相成長では、III−V族化合物半導体15の成長が速いため、ファセット構造のうち基板面と同じ面が消えるのがはやい。したがって基板と垂直に伸びる転位は、はやくからファセット構造のうち基板面と異なる面の方向に伸びることになりIII−V族化合物半導体15における垂直に伸びる転位を大幅に減らすことができる。

0032

なお、III族原料に有機金属を用いる有機金属化合物気相成長は塩化物輸送法による気相成長と比べて成長速度が遅くなるが、上述のようにのIII−V族化合物半導体15のファセット構造のうち基板面と同じ面がはやく消えるようにすればよい。例えば成長領域に対するマスクの面積を大きくすればマスク上からの成長種の供給量が増えるため成長領域におけるIII−V族化合物半導体15の成長をはやめることができる。

0033

(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態について、III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を例に図5を参照して説明する。

0034

図5(a)〜(b)までは第1の実施の形態の図1(a)から(e)と同様な工程で作製しているため説明を省略する。第2の実施の形態では、III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を行い成長層を平坦化した後に、第2のマスクを設け(図5(c))、第1の実施の形態と同様にファセット構造を形成し、平坦化を行っている(図5(d))。

0035

第2の実施の形態では、図1(a)から(e)の作製工程を繰り返すことにより形成したIII−V族化合物半導体膜の欠陥密度をさらに低減することができる。

0036

第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態は、基板と格子定数や熱膨張係数の異なる材料を結晶成長する場合に有効であり、Al2 O3 ,Si,SiC,MgAl2 O4 ,LiGaO2 ,ZnO等の基板への、GaN、GaAlN、InGaN、InN、GaAs又はGaP等のIII−V族化合物半導体の成長に適用できる。

0037

また図1あるいは図5では基板にその次の工程で成長する物質と同じ、あるいはその物質と格子定数や熱膨張係数の似た性質を有するIII−V族化合物半導体膜表面にマスクを形成した例を示したが、基板11表面に直接マスクを形成して図1(b)〜(e)あるいは図5(b)〜(d)のプロセスを行っても同様な効果が得られる。

0038

さらに本実施の形態ではマスク14としてストライプ状のパターンを用いた成長領域について説明を行ったが、これに限られるものではなく、ファセット構造が現れるものであれば、成長領域の形状が矩形状、丸状、又は三角状となるマスクでもよい。

0039

(第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態で説明したIII−V族化合物半導体のエピタキシャル成長をGaN系半導体の成長に利用しGaN系半導体膜を形成するものである。

0040

第3の実施の形態は、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態で説明したエピタキシャル成長をGaN系半導体に利用したものであり、共通する箇所については説明を簡略化する。

0041

はじめに、GaN系半導体と熱膨張係数や格子定数の異なる基板材料上に、フォトリソグラフィー法とウエットエッチング法を用いて基板上の成長領域を制限するマスクを形成する。

0042

次に成長領域に対しGaN系半導体のエピタキシャル成長を行う。成長領域に成長するGaN系半導体の結晶成長方法は、III族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いる塩化物輸送法による気相成長(VPE:Vapor Phase Epitaxy )であるハイドライドVPE法や、Ga原料に有機金属を用いる有機金属化合物気相成長(MOCVD:Metal Organic Vapor PhaseEpitaxy)を用いる。成長温度は650℃から1100℃で行い、V族原料の供給量はIII族原料の供給量に対し等倍から200000倍を供給すればよい。

0043

GaN系半導体層のエピタキシャル成長は、第1の実施の形態と同様に、GaN系半導体が初期段階ではマスク上に成長せず成長領域のみで結晶成長が起こり、成長領域上のGaN系半導体膜には基板の面方位とは異なる面方位のファセット構造が形成される。

0044

エピタキシャル成長を続けると、GaN系半導体はファセット構造の面に対して垂直な方向に成長が進むため、成長領域だけでなくマスクを覆うようになる。そして隣接する成長領域のGaN系半導体のファセット構造と接触する。さらにエピタキシャル成長を続けると、GaN系半導体によりファセット構造が埋め込まれ、最終的には、平坦な表面を有するGaN系半導体膜を得ることができる。

0045

GaNはバルク結晶の作製が困難なため、従来のGaN系半導体の結晶成長では基板としてサファイア基板、SiC基板等を用いてきたが、これらの基板はGaN系半導体とは格子定数や熱膨張率が異なっている。このためGaN系半導体のエピタキシャル成長を行うと、基板との界面で発生した結晶欠陥にともなう転位が界面と垂直方向に伸び、たとえエピタキシャル膜を厚くしても転位の低減は見られなかった。

0046

本実施の形態によるエピタキシャル成長方法では、GaN系半導体と熱膨張係数や格子定数の異なる基板材料上のマスク材料により選択的に形成された成長領域に、基板面方位とは異なる面方位のファセット構造を有するGaN系半導体をエピタキシャル成長している。このファセットは成長速度が他の面より遅いために現れ、ファセットの出現により、基板とGaN系半導体の界面付近から発生した転位がファセットに向かって進むようになり、基板と垂直に伸びていた転位が垂直な方向へ伸びることができなくなる。

0047

したがってGaN系半導体の結晶欠陥はファセットの成長とともに横方向に曲げられ、GaN系半導体のエピタキシャル成長による膜厚の増加に伴い、成長領域では結晶欠陥が減少していき、結晶の端に出てしまうか、閉ループを形成する。これにより、エピタキシャル膜内の欠陥の低減が計られる。

0048

このように基板上にマスクにより選択的に形成された成長領域にファセット構造を有するGaN系半導体膜を成長することで、GaN系半導体膜の結晶欠陥を大幅に減らすことが可能となる。

0049

さらに、第3の実施の形態で得られるGaN系半導体膜は膜厚を所望の厚さに成長してから基板(サファイア基板等)とマスクとGaN系半導体の一部を除去することで、結晶欠陥の少ないGaN系半導体膜の基板として用いることができる。このようなGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子を作製することで、GaN系半導体素子の積層構造の結晶性を改善することができる。

0050

またGaN系半導体素子がGaN系半導体発光素子の場合は、サファイア基板等で問題となっていたGaN系半導体発光素子における基板裏面への電極形成が可能になる。

0051

さらにGaN系半導体発光素子がGaN系半導体レーザの場合は、GaN系半導体とへき開面が異なるヘテロ基板上にレーザ構造を形成しても、へき開による共振器ミラーの作製が可能になる。

0052

なお、第3の実施の形態におけるGaN系半導体膜の形成は説明上第1の実施の形態のエピタキシャル成長を用いた記載としたが、第2の実施の形態でも適用可能である。

0053

第3の実施の形態の説明では、GaN系半導体と格子定数や熱膨張係数の異なる基板表面に直接マスクを形成する例を示したが、基板上にGaN系半導体を成長した後に、該GaN系半導体表面にマスクを形成しても同様な効果が得られる。

0054

さらに本実施の形態に用いるマスクとしては第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と同様な材料、寸法、形状を適用することができる。また本実施の形態におけるGaN系半導体膜としてはGaN、AlGaN、InGaN等があげられるがGaNが最も好ましい。

0055

またGaN系半導体素子としては、GaN系半導体レーザやGaN系LED等のGaN系半導体発光素子の他にFETHBTなどのデバイスにも適用可能である。

0056

(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態について、図6を参照して説明する。

0057

第4の実施の形態は、GaN系半導体と熱膨張係数や格子定数が異なる基板上に、第1の実施の形態のエピタキシャル成長を利用してGaN系半導体厚膜を成長し、さらにこのGaN系半導体厚膜上にGaN系半導体素子を作製するものである。

0058

第4の実施の形態ではGaN系半導体膜上のGaN系半導体素子としてGaN系半導体発光素子を用いた場合について説明する。

0059

はじめに、基板表面にマスクを形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングでマスクと成長領域に分離する。基板には、GaN系半導体と熱膨張係数や格子定数の異なる基板材料上にGaN系半導体が形成された基板を用いる。

0060

マスク及び成長領域の形状としては、第1の実施の形態の説明のように成長領域のGaN系半導体にファセットが出現する形状とする。

0061

次に成長領域に対しGaN系半導体のエピタキシャル成長を行う。GaN系半導体の成長法は、III族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いるハイドライドVPE法が好ましいが、有機金属化学気相成長法(MOVPE)を用いてもよい。

0062

GaN系半導体のエピタキシャル成長は、第1の実施の形態と同様に、GaN系半導体が初期段階ではマスク上に成長せず成長領域のみで結晶成長が起こり、成長領域上のGaN系半導体には基板の面方位とは異なる面方位のファセット構造が形成される。

0063

エピタキシャル成長を続けると、GaN系半導体はファセット構造の面に対して垂直な方向に成長が進むため、成長領域だけでなくマスクを覆うようになる。そして隣接する成長領域のGaN系半導体膜のファセット構造と接触する。さらにエピタキシャル成長を続けると、GaN系半導体によりファセット構造が埋め込まれ、最終的には、平坦な表面を有するGaN系半導体膜を得ることができる。

0064

次にGaN系半導体膜上にGaN系半導体発光素子の素子構造を作製する。GaN系半導体膜を形成した後、GaN系半導体膜が形成された基板をMOCVD装置にセットし、所定の温度、ガス流量、V/III比で、n型GaN層、n型AlGaNクラット層、n型GaN光ガイド層アンドープInGaN量子井戸層とアンドープInGaN障壁層からなる多重量子井戸構造活性層、p型AlGaN層、p型GaN光ガイド層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順次形成しレーザー構造を作製する。

0065

次に、レーザー構造を形成した基板を研磨器にセットし、基板、SiO2マスク、およびGaN系半導体膜の一部を研磨してGaN系半導体膜を露出させる。露出したGaN系半導体膜の面、すなわちGaN系半導体発光素子裏面側にn型電極を形成し表面側にp型電極を形成する。

0066

第4の実施の形態により以下の効果が得られる。

0067

第1の実施の形態のエピタキシャル成長で得られたGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子構造を成長することにより、従来のサファイア基板を用いた成長で問題となっていたGaN系半導体素子構造におけるエピタキシャル成長膜の結晶性が改善でき、GaN系半導体素子特性を向上させることができる。

0068

さらにGaN系半導体素子がGaN系半導体発光素子の場合においては、裏面に電極を形成することができるため、従来のようにドライエッチング等複雑な作製工程で電極をGaN系半導体膜の表面に形成することなく素子を作製でき電極作製工程が簡略化できる。

0069

またGaN系半導体発光素子がGaN系半導体レーザの場合は、結晶欠陥が少ないGaN系半導体厚膜を形成した後に基板、マスクを除去することで、へき開によりGaN系半導体レーザ構造の共振器ミラー面を形成できる。このため従来のドライエッチング等による複雑な工程で共振器ミラー面を形成したものに比べ大幅に簡略化でき歩留まりも大幅に向上できる。

0070

なお、第4の実施の形態は上記の説明に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成、成長法を採ることが可能である。

0071

例えば、GaN系半導体膜のエピタキシャル成長は第1の実施の形態だけでなく、第2の実施の形態の適用もできる。

0072

さらにGaN系半導体膜上にGaN系半導体素子の積層構造を作製した後に基板、マスクを除去したが、GaN系半導体膜形成後に基板、マスクとGaN系半導体膜の一部を除去した後にGaN系半導体素子の積層構造を作製してもよい。

0073

なお、GaN系半導体膜から基板、マスクを除去した例を説明したが、GaN系半導体膜上に形成されたGaN系半導体素子の結晶性の効果だけ得たいのであれば、基板、マスクの除去を行わず、GaN系半導体素子表面側に電極を形成する構成としてもよい。

0074

さらに本実施の形態に用いるマスクとしては第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と同様な材料、寸法、形状を適用することができる。また本実施の形態におけるGaN系半導体膜としてはGaN、AlGaN、InGaN等があげられるがGaNが最も好ましい。

0075

またGaN系半導体素子としては、GaN系半導体レーザやGaN系LED等のGaN系半導体発光素子の他にFETやHBTなどのデバイスにも適用可能である。

0076

次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。

0077

(第1の実施例)本発明の実施例について、図1を参照して説明する。本実施例では、基板として、(0001)面サファイア(Al2 O3 )基板11上に1μm程度の膜厚のGaN膜12をあらかじめ形成した基板を用いた。このGaN膜12表面にSiO2 膜を形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングでマスク14と成長領域13に分離した。成長領域13およびマスク14は、それぞれ5μmおよび2μmの幅のストライプ状である。ストライプ方向は<11−20>方向とした((図1(a))。

0078

成長領域13に成長するGaN膜15は、III族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いるハイドライドVPE法を用いた。基板11をハイドライドの成長装置にセットし、水素雰囲気で成長温度1000℃に昇温する。成長温度が安定してから、HCl流量を20cc/毎分で供給し、NH3流量1000cc/毎分で5分程度供給することで、成長領域13にGaN膜15の{1−101}面からなるファセット構造を成長させた(図1(b))。さらに、20分間程度エピタキシャル成長を続け、マスク14を覆うまでファセット構造16を発達させた(図1(c))。

0079

エピタキシャル成長を続けることによりファセット構造を埋め込み(図1(d))、最終的には、5時間の成長で200μm程度の平坦な表面を有するGaN膜を形成させた(図1(e))。GaN膜15を形成後、アンモニアガスを供給しながら、常温まで冷却し成長装置より取り出した。

0080

第1の実施例では成長領域を制限する選択成長により、側壁が{1−101}面からなるファセットを形成して結晶成長を行っている。このファセットは成長速度が他の面より遅いために現れてくる。ファセットが現れる前は、基板と垂直に伸びていた転位が、ファセットの出現でこの方向へ伸びることができなくなる。

0081

本発明により成長した結晶を詳細に調べると、ファセットの出現で、横方向に曲げられ、エピタキシャル膜の膜厚増加に伴い、結晶の端に出ることがわかった。これにより、エピタキシャル膜内の欠陥の低減が計られる。

0082

第1の実施例によって形成されたGaN膜15には、サファイア基板11と格子定数や熱膨張係数が違うにもかかわらずクラックが入っていないことが確認された。しかも、厚膜成長を行ったGaN膜には、欠陥が非常に少なく、欠陥密度は106 cm2 程度であった。

0083

本実施例で成長したGaN膜は欠陥が非常に少なく、この上にレーザ、FET、およびHBTなどの高品質なデバイス構造を成長することで、デバイス特性を向上させることが可能となる。

0084

さらにサファイア基板11を研磨等によって除去することで、GaN膜15を基板材料として用いることもできる。

0085

第1の実施例では、GaN膜のエピタキシャル成長にハイドライドVPE法を用いて形成したが、有機金属化合物気相成長法(MOCVD)を用いても同様な効果が得られる。またAl2 O3基板11を用いたが、Si基板ZnO基板、SiC基板、LiGaO2 基板、MgAl2 O4 基板等を用いても同様な効果が得られる。さらにAl2 O3 基板11上にGaN膜12をあらかじめ形成したが、基板11上に直接マスクを形成してもよい。

0086

またマスク14としてSiO2 を用いたがこれに限られるものではなく、SiNx 等の絶縁体膜でもよい。この実施例ではマスク14の幅を2μmとしたが、マスクを埋め込むことのできる幅であれば同様な効果が得られる。さらにストライプを<11−20>方向に形成したが、ファセットが形成されれば、これと垂直の方向<1−100>でもよく、これらの方向から傾けた角度であっても結晶成長の条件により、成長領域にファセット構造を形成することができる。なおファセット構造が形成される結晶成長の条件は材料によってそれぞれ異なる。

0087

またGaNのエピタキシャル成長について述べたが、InGaN膜AlGaN膜、InN膜、GaP膜あるいはGaAs膜をエピタキシャル成長しても同様な効果が得られる。さらに成長するIII−V族化合物不純物の添加しても同様な効果が得られる。

0088

(第2の実施例)本発明の第2の実施例について、第1の実施例と同じく図1を参照して説明する。

0089

第2の実施例では、基板として、(0001)面SiC基板11上に1μm程度の膜厚のAl0.1 Ga0.9 N膜12をあらかじめ形成した結晶を用いた。このAl0.1 Ga0.9 N膜12表面にSiO2 膜を形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングでマスク14と成長領域13に分離した。成長領域13、およびマスク14は、それぞれ2μm、および10μmの幅のストライプ状である。ストライプ方向は<1−100>方向とした((図1(a))。

0090

成長領域13に成長するGaN膜15は、III族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いるハイドライドVPE法を用いた。基板11をハイドライドの成長装置にセットし、水素雰囲気で成長温度1000℃に昇温する。成長温度が安定してから、HCl流量を20cc/毎分で供給し、NH3流量2000cc/毎分で5分程度供給することで、成長領域13にGaN膜15の{1−101}面からなるファセット構造を成長させた(図1(b))。

0091

さらに、20分間程度エピタキシャル成長を続け、マスク14を覆うまでGaNのファセット構造15を発達させた(図1(c))。

0092

エピタキシャル成長を続けることによりファセット構造を埋め込み(図1(d))、最終的には、5時間の成長で200μm程度の平坦な表面を有するGaN膜を形成させた(図1(e))。GaN膜15の形成後、NH3ガスを供給しながら常温なで冷却し、成長装置より取り出す。

0093

第2の実施例によって形成されたGaN膜15には、SiC基板11との格子定数や熱膨張係数が違うにもかかわらずクラックが入っていないことが確認された。しかも、厚膜成長を行ったGaN膜には、欠陥が非常に少なく欠陥密度は106 cm2 程度であった。

0094

本実施例で成長したGaN膜は欠陥が非常に少なく、この上にレーザ、FET、およびHBTなどの高品質なデバイス構造を成長することで、デバイス特性を向上させることが可能となる。

0095

また、SiC基板11を研磨等によって除去することで、GaN膜15を基板材料として用いることもできる。

0096

第2の実施例では、GaN膜のエピタキシャル成長にハイドライドVPE法を用いて形成したが、有機金属化合物気相成長法(MOCVD)を用いても同様な効果が得られる。また本実施例では、SiC基板11を用いたが、Si基板、ZnO基板、Al2 O3基板基板、LiGaO2 基板、MgAl2 O4 基板等を用いても同様な効果が得られる。さらにSiC基板11上に膜厚のGaN膜12をあらかじめ形成したが、基板11上に直接マスクを形成してもよい。

0097

またマスク14としてSiO2 を用いたがこれに限られるものではなく、SiNx 等の絶縁体膜でもよい。この実施例ではマスク14の幅を10μmとしたが、マスクを埋め込むことのできる幅であれば同様な効果が得られる。さらにストライプを<1−100>方向に形成したが、ファセットが形成されれば、これと垂直の方向<1−120>でもよく、これらの方向から傾けた角度であっても結晶成長の条件により、成長領域にファセット構造を形成することができる。なおファセット構造が形成される結晶成長の条件は材料によってそれぞれ異なる。

0098

またさらに基板11上の膜としてAl組成0.1のAlGaNを用いたが、この組成は任意のものでよく、この膜としてその他にAlN、InGaNなどを用いても同様な効果が得られる。さらにGaNのエピタキシャル成長について述べたが、InGaN膜、AlGaN膜、InN膜、GaP膜あるいはGaAs膜をエピタキシャル成長しても同様な効果が得られる。また成長するIII−V族化合物に不純物の添加しても同様な効果が得られる。

0099

(第3の実施例)本発明の第3の実施例について、図2を参照して説明する。

0100

第3の実施例では、基板として、(111)面のMgAl2 O4 基板21を用いた。この基板21表面にSiO2 膜23を形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングでマスク23と成長領域22に分離した。成長領域22、およびマスク23は、それぞれ4μm、および3μmの幅のストライプ状である。ストライプ方向は<11−20>方向とした((図2(a))。

0101

GaN膜の成長は、マスク23上に多結晶のGaNが付着を抑制するのに適したハイドライドVPE法を用いた。この手法では、III族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)と、V族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いる。

0102

まず、基板21を成長装置にセットし、水素ガスを供給しながら1000℃程度の高温熱処理した後、500℃に降温させ、HCl流量を0.5cc/毎分で供給し、NH3 流量1000cc/毎分で5分程度供給することで、結晶成長領域23に約20nmの膜厚のGaNバッファ層24を形成する(図2(b))。

0103

この状態で、NH3ガスを供給しながら1000℃に昇温する。成長温度が安定してから、HCl流量を20cc/毎分で供給し、NH3 流量1500cc/毎分で5分程度供給することで、成長領域22のGaNバッファー層24上にGaNの{1−101}面からなるファセット構造25を成長させた(図2(c))。

0104

さらに、エピタキシャル成長を続け、マスク23を覆うまでGaN膜25のファセット構造を発達させた後、ファセット構造を埋め込みながら成長を続け、最終的には、5時間の成長で200μm程度の平坦な表面を有するGaN膜25を形成させた(図2(d))。GaN膜25の形成後、NH3ガスを供給しながら常温まで冷却し成長装置より取り出す。

0105

第3の実施例によって形成されたGaN膜25には、MgAl2 O4基板21との格子定数や熱膨張係数が違うにもかかわらずクラックが入っていないことが確認された。しかも、厚膜成長を行ったGaN膜には、欠陥が非常に少なく、106 cm2 程度であった。

0106

本実施例で成長したGaN膜は欠陥が非常に少なく、この上にレーザ、FET、およびHBTなどの高品質なデバイス構造を成長することで、デバイス特性を向上させることが可能となる。またMgAl2 O4基板21を研磨等によって除去することで、GaN膜25を基板材料として用いることもできる。

0107

第3の実施例では、GaN膜のエピタキシャル成長にハイドライドVPE法を用いて形成したが、有機金属化合物気相成長法(MOCVD)を用いても同様な効果が得られる。また実施例では、MgAl2 O4基板21を用いたが、Si基板、ZnO基板、SiC基板、LiGaO2 基板、Al2 O3 基板等を用いても同様な効果が得られる。さらにMgAl2 O4 21上に直接マスクを形成したが、基板21上にGaN膜をあらかじめ形成してもよい。

0108

またマスク14としてSiO2 を用いたがこれに限られるものではなく、SiNx 等の絶縁体膜でもよい。さらにマスク24の幅を10μmとしたが、マスクを埋め込むことのできる幅であれば同様な効果が得られる。本実施例では、ストライプを<11−20>方向に形成したが、ファセットが形成されれば、これと垂直の方向<1−100>でもよく、これらの方向から傾けた角度でも結晶成長の条件により、成長領域にファセット構造を形成することができる。なお、ファセット構造が形成される結晶成長の条件は材料によってそれぞれ異なる。

0109

また本実施例では基板上に低温バッファ層を設けた後にGaN膜の成長を行っているため、結晶欠陥をより少なくすることが可能となる。

0110

さらに、実施例では、GaNのエピタキシャル成長について述べたが、InGaN膜、AlGaN膜、InN膜、GaP膜、GaAs膜をエピタキシャル成長しても同様な効果が得られる。さらに成長するIII−V族化合物に不純物の添加しても同様な効果が得られる。

0111

(第4の実施例)本発明の第4の実施例について、図3図4を参照して説明する。図3は選択的にエピタキシャル成長する成長領域の形状を丸形状、三角形状及び矩形状とした概略図である。

0112

本実施例では、基板として(0001)面のAl2 O3 基板41上に1μm程度の膜厚のGaN膜42をあらかじめ形成した結晶基板を用いた。

0113

このGaN膜42表面にSiO2 膜を形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングでマスク43と成長領域44に分離した。成長領域44は、4μmの直径の丸状(図3(a))、一辺が3μmの三角形状(図3(b))、および5μm角の矩形状(図3(c))の3種類となるマスクをそれぞれ用いた。

0114

形成した成長領域44に成長するGaN膜45は、III族原料にトリメチルガリウム(TMGa)及びトリメチルアルミニウム(TMAl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いる有機金属化合物気相成長法を用いた。

0115

図4図3の成長領域を形成した基板上に気相成長法を用いてIII−V族化合物半導体膜を形成する工程の概略図である。基板41を有機金属化合物気相成長装置にセットし、水素ガスとNH3ガスを供給しながら1050℃の成長温度に昇温する。成長温度が安定してから、トリメチルガリウム流量を5cc/毎分で供給し、NH3 流量5000cc/毎分で10分程度供給することで、成長領域44にGaN膜45の{1−101}面からなるファセット構造を成長させた(図4(a))。

0116

さらに、30分間程度エピタキシャル成長を続け、マスク43を覆うまでGaN層45のファセット構造を発達させた(図4(b))。

0117

エピタキシャル成長を続けることによりGaN層45のファセット構造を埋め込み(図4(c))、最終的には、12時間の成長で100μm程度の平坦な表面を有するGaN膜45を形成させた(図4(d))。

0118

3種類の形状の成長領域に形成したGaN膜45は、成長領域の形状によらず平坦な表面が得られ、サファイア基板41にクラックが入っていないことが確認された。また、本実施例では成長領域の形状を丸状、三角形状、および矩形状の3種類としたが、マスク領域を埋め込むことのできる形状であれは多角形の形状、大きさによらず同様の効果がある。

0119

本実施例で成長したGaN膜は欠陥が非常に少なく、この上にレーザ、FET、およびHBTなどの高品質なデバイス構造を成長することで、デバイス特性を向上させることが可能となる。

0120

さらにサファイア基板41を研磨等によって除去することで、GaN膜45を基板材料として用いることもできる。

0121

第4の実施例では、GaN膜のエピタキシャル成長にハイドライドVPE法を用いて形成したが、有機金属化合物気相成長法(MOCVD)を用いても同様な効果が得られる。またAl2 O3基板41を用いたが、Si基板、ZnO基板、SiC基板、LiGaO2 基板、MgAl2 O4 基板等を用いても同様な効果が得られる。さらにAl2 O3 基板41上に膜厚のGaN膜42をあらかじめ形成したが、基板41上に直接マスクを形成してもよい。

0122

またマスク43としてSiO2 を用いたがこれに限られるものではなく、SiNx 等の絶縁体膜でもよい。

0123

またGaNのエピタキシャル成長について述べたが、InGaN膜、AlGaN膜、InN膜、GaP膜あるいはGaAs膜をエピタキシャル成長しても同様な効果が得られる。さらに成長するIII−V族化合物に不純物の添加しても同様な効果が得られる。

0124

(第5の実施例)本発明の第5の実施例について、図5を参照して説明する。

0125

基板51には、1μmの膜厚のGaN膜52が形成された(0001)面のサファイア基板51を用いた。

0126

この基板51表面にSiO2 膜を形成し、フォトリソグラフィー法とウエットエッチングで第1のマスク53と第1の成長領域54に分離した。第1の成長領域54、および第1のマスク53は、それぞれ2μm、および5μmのストライプ状とした。ストライプ方向は、<11−20>とした(図5(a))。

0127

第1の成長領域54に成長する第1のGaN膜55は、上記の実施例1と同様にIII族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いるハイドライドVPE法を用いた。基板51をハイドライドの成長装置にセットし、水素雰囲気で成長温度1000℃に昇温する。650℃の温度から基板51をNH3ガス雰囲気にする。成長温度が安定してから、HCl流量を10cc/毎分で供給し、NH3 流量4000cc/毎分で60分間の成長で、第1の実施例で説明した図1の(a)から(e)の成長工程を経て、第1のマスク53を埋め込んだ第1のGaN膜55を形成する(図5(b))。第1のGaN膜55を形成後、NH3 ガス雰囲気で常温まで冷却し、成長装置より取り出す。

0128

次に、GaN膜55上に再びSiO2 膜を形成し、第2の成長領域56と第2のマスク57を形成する。それぞれのストライプ幅は、2μm、および5μmであり、ストライプ方向は<11−20>とした(図5(c))。この基板51上に、再び、第1の実施例で説明した図1の(a)から(e)の成長工程を経て、第2のマスク57を埋め込み、およそ150μmの第2のGaN層58を成長させ平坦化した表面を得た(図5(d))。

0129

成長した第2のGaN膜58の欠陥を断面透過電子顕微鏡で調べた結果、欠陥が105 cm2 以下と極めて少ないものであった。ここでは、2段階の選択成長について述べたが、上記工程を繰り返すことでさらに欠陥密度を減少させることができる。

0130

第5の実施例では、GaN膜のエピタキシャル成長にハイドライドVPE法を用いて形成したが、有機金属化合物気相成長法(MOCVD)を用いても同様な効果が得られる。またAl2 O3基板51を用いたが、Si基板、ZnO基板、SiC基板、LiGaO2 基板、MgAl2 O4 基板等を用いても同様な効果が得られる。さらにAl2 O3 基板51上にGaN膜52を成長した後にマスクを形成したが、これに限らず、基板上にGaN膜52を成長せず、直接第1のマスク53を成長してもよい。

0131

またマスク53としてSiO2 を用いたがこれに限られるものではなく、SiNx 等の絶縁体膜でもよい。さらに成長領域がストライプとなるようにパターニングされたマスクを用いたが、これに限らず、丸形状、矩形状、三角形状でもよい。またGaNのエピタキシャル成長について述べたが、InGaN膜、AlGaN膜、InN膜、GaP膜あるいはGaAs膜をエピタキシャル成長しても同様な効果が得られる。さらに成長するIII−V族化合物に不純物の添加しても同様な効果が得られる。

0132

本発明の各実施例ではGaN系のIII−V族化合物半導体を用いた例について述べたが、これに限られるものではなく、基板と格子定数あるいは熱膨張係数が異なるIII−V族化合物半導体の成長に適用可能であることはいうまでもない。

0133

(第6の実施例)本発明の第6の実施例について、図6を参照して説明する。図6は本発明のエピタキシャル成長をGaN膜の成長に用い、さらにこのGaN膜上にGaN系半導体レーザを製造する工程を説明するための概略図である。

0134

図6に示す基板61には、1μmの膜厚のGaN膜62が形成された(0001)面のサファイア基板61を用いた。この基板61表面にSiO2 膜を形成し、第1から第4の実施例と同様にフォトリソグラフィー法とウエットエッチングで第1のマスク63と第1の成長領域64に分離した。第1の成長領域64、および第1のマスク63は、それぞれ5μm、および2μmのストライプ状とした。ストライプ方向は、<11−20>方向から10度傾けて形成した(図6(a))。

0135

第1の成長領域64に成長する第1のGaN膜65は、上記の実施例1と同様にIII族原料にガリウム(Ga)と塩化水素(HCl)の反応生成物である塩化ガリウム(GaCl)とV族原料にアンモニア(NH3 )ガスを用いるハイドライドVPE法を用いた。基板61をハイドライドの成長装置にセットし、水素雰囲気で成長温度1000℃に昇温する。650℃の温度から基板51をNH3ガス雰囲気にする。成長温度が安定してから、HCl流量を40cc/毎分で供給し、NH3 流量1000cc/毎分、およびシラン(SiH4 )流量0.01cc/毎分で150分間の成長で、第1の実施例で説明した図1の(a)から(e)の成長工程を経て、第1のマスク63を埋め込んだ膜厚200μmの第1のGaN膜65を形成する(図5(b))。第1のGaN膜65を形成後、NH3ガス雰囲気で常温まで冷却し、成長装置より取り出す。GaN膜65は、n型で、1×1018cm-3以上のキャリア濃度であった。

0136

次に、GaN系半導体レーザ構造の作製には、有機金属化学気相成長法(MOVPE)を用いて作製した。GaN膜65を形成後、MOCVD装置にセットし、水素雰囲気で成長温度1050℃に昇温する。650℃の温度からNH3ガス雰囲気にする。Siを添加した1μmの厚さのn型GaN層66、Siを添加した0.4μmの厚さのn型Al0.15Ga0.85Nクラット層67、Siを添加した0.1μmの厚さのn型GaN光ガイド層68、2.5nmの厚さのアンドープIn0.2Ga0.8N量子井戸層と5nmの厚さのアンドープIn0.05Ga0.95N障壁層からなる10周期の多重量子井戸構造活性層69、マグネシウム(Mg)を添加した20nmの厚さのp型Al0.2Ga0.8N層70、Mgを添加した0.1μmの厚さのp型GaN光ガイド層71、Mgを添加した0.4μmの厚さのp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層72、Mgを添加した0.5μmの厚さのp型GaNコンタクト層73を順次形成しレーザー構造を作製した。p型のGaNコンタクト層73を形成した後は、HN3 ガス雰囲気で常温まで冷却し、成長装置より取り出す(図6(c))。2.5nmの厚さのアンドープIn0.2Ga0.8N量子井戸層と5nmの厚さのアンドープIn0.05Ga0.95N障壁層からなる多重量子井戸構造活性層69は、780℃の温度で形成した。

0137

次に、レーザー構造を形成したサファイア基板61を研磨器にセットし、サファイア基板61、GaN層62、SiO2マスク63、およびGaN膜65の50μm研磨してGaN膜65を露出させる。露出したGaN層65面には、チタン(Ti)−アルミ(Al)のn型電極74を形成し、p型のGaN層73上にはニッケル(Ni)−金(Au)のp型電極75を形成する(図6(d))。

0138

図6に示すレーザ構造では、裏面にn型電極が形成されており、従来のようにドライエッチング等複雑な作製工程でn型の電極を窒化物表面に形成することなく素子を形成できるため電極作製工程が簡略化できる。

0139

また、サファイアとGaN系半導体とは結晶のへき開面が異なるため、従来サファイア基板上に作製したレーザ構造の共振器ミラーはへき開により形成することが困難であった。

0140

これに対し、本実施例では結晶欠陥が少ないGaN層65を厚く成長することができるため、サファイア基板やマスク材料を除去してもGaN65上に形成したGaN系半導体のレーザ構造には影響はなく、またGaN層65上のレーザ構造はへき開により共振器ミラー面を形成できる利点を持っているため、従来のドライエッチング等による複雑な工程で共振器ミラー面を形成したものに比べ大幅に簡略化でき歩留まりも大幅に向上した。

0141

本実施例では、GaN層65上にレーザー構造形成してから、サファイア基板51、GaN膜62、SiO2マスク63を研磨したが、レーザー構造を作製する前にサファイア基板61、GaN膜62、SiO2 マスク63を研磨しても同様な効果が得られる。

0142

また、本実施例では、サファイア基板61、GaN層62、SiO2マスク63の研磨、およびGaN膜65の一部を研磨して、n型の電極を形成したが、研磨を行わずにドライエッチングによりn型のGaN層66または65まで除去しn型電極を形成し、共振器ミラー面を形成することで従来の構造を作製することもできる。

発明の効果

0143

以上説明したように、本発明によるIII−V族化合物半導体の成長方法は、初期成長段階で、マスクにより基板上の成長領域を制限し、ファセット成長を促すことで、成長するIII−V族化合物半導体層と基板結晶熱膨張係数差、および格子定数差によって生じるクラックを抑え、欠陥の導入を抑制して、高品質のIII−V族化合物半導体層を形成することができる。従って、本発明による結晶を用いれば、この上に高品質の半導体素子、例えばレーザ構造や、トランジスタ構造を作製することができ、その特性が飛躍的に向上することが期待される。

図面の簡単な説明

0144

図1本発明のIII−V族化合物半導体の形成方法を説明する工程概略図である。
図2AlGaN膜が形成されたMgAl2 O4基板上にハイドライドVPE法を用いて、GaN膜を形成する工程の概略図である。
図3選択的にエピタキシャル成長する成長領域の形状を丸形状、三角形状、及び矩形状に形成した概略図である。
図4図3の丸形状、三角形状、及び矩形状の成長領域を形成した基板上に気相成長法を用いてIII−V族化合物半導体膜を形成する工程の概略図である。
図5本発明の成長方法を2回繰り返して形成したGaN膜の概略図である。
図6本発明の成長方法を用いて形成したGaN膜上にGaN系半導体レーザー構造を形成する工程の概略図である。

--

0145

11基板
12 基板に形成されたIII−V族化合物半導体膜
13 III−V族化合物半導体を成長させる成長領域
14マスク
15エピタキシャル成長したIII−V族化合物半導体膜
16 III−V族化合物半導体のファセット構造
21 (0001)面のサファイア基板
22GaN膜
23 マスク
25 エピタキシャル成長したGaN膜
31 (111)面のMgAl2 O4 基板
32 1μmのGaN膜、またはAlGaN膜
32 基板上に形成された成長領域
33 基板上に形成したSiO2 膜のマスク
34 エピタキシャル成長したGaNバッファ層
35ハイドライドVPE法で成長したGaN膜
43 マスク
44 成長領域
51 (0001)面のサファイア基板
53 第1のマスク
54 第1の成長領域
55 第1のGaN層
56 第2の成長領域
57 第2のマスク
58 第2のGaN層
65 n型GaN膜
66 n型GaN層
67 n型Al0.15Ga0.85Nクラット層
68 n型GaN光ガイド層
69 10周期の多重量子井戸構造活性層
70 p型Al0.2Ga0.8N層
71 p型GaN光ガイド層
72 p型Al0.15Ga0.85Nクラット層
73 p型GaNコンタクト層
74 Ti-Alのn型電極
75 Ni-Auのp型電極

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