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技術 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法

出願人 日本化薬株式会社
発明者 池田浩一白石明海清本正之
出願日 1997年3月28日 (23年10ヶ月経過) 出願番号 1997-092896
公開日 1998年10月13日 (22年4ヶ月経過) 公開番号 1998-272435
状態 未査定
技術分野 消化剤;有害な化学剤の無害化 固体廃棄物の処理
主要キーワード 両性元素 アクロデキストリン 封じ込め効果 メンテナンス作業性 重金属含有廃棄物 水和過程 鉛溶出量 混合混練機
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課題

重金属含有廃棄物安定化処理した場合、重金属イオン溶出基準値以下に安定化でき、しかもその重金属イオンの安定化の効果を持続させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供すること。

解決手段

潜在水硬性物質及び多糖類を含有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤及び該処理剤と重金属含有廃棄物及び必要により水を混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の安定化処理法。

概要

背景

近年、都市及び工場等から発生する廃棄物が増大するなか、重金属を含有する廃棄物は、環境対策上、十分な無害化処理が必要になっている。特に重金属を含有する飛灰等の一般廃棄物産業廃棄物は、特別管理廃棄物としてその処理、処分に際して厳しい規制が設けられている。

従来、重金属を含有する廃棄物を処分する場合には、セメントと混合し、必要により水を添加して混練し重金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が採られている。しかしながら、平成7年度から適用された埋め立て処理を行う廃棄物からの重金属の溶出量が、最も安定化処理が難しいとされる鉛の場合、環境告示13号に基づく溶出試験で0.3mg/l以下になるように安定化することを義務付けているが、セメントのみでこの基準をクリヤーするのは難しい状況にある。

これは、代表的なセメントである普通ポルトランドセメントと廃棄物を混合、硬化させる場合を例にとると、水和過程において生成する水酸化カルシウムはセメントの硬化を促進する反面、過剰に生成した水酸化カルシウムが廃棄物とセメントとの混合物のpHを高め、両性元素である鉛等の重金属イオンの溶解度を増大させるため、本来セメントが有していると考えられる重金属安定化効果が大きく損なわれるためであると考えられる。

また、セメントを使用した場合、連続で使用している場合はよいが、処理を中断する場合は混合機混練機等の設備洗浄しないと残留している処理物が前記機械器壁固化してしまうというメンテナンス作業性上の問題がある。

また更に、硫黄含有キレート剤等によって薬剤処理して重金属イオンを捕捉し、安定化する事も試みられておりこれによれば前記溶出基準値以下に安定化することが可能である。しかしながら、このような薬剤は高価であるばかりか、安定化処理後の重金属イオンの保持の持続性が不十分なため、処理直後は充分な重金属安定化の効果を発現しても、経時的に重金属イオンの溶出量が増大するといった問題点を有している。

概要

重金属含有廃棄物を安定化処理した場合、重金属イオンの溶出を基準値以下に安定化でき、しかもその重金属イオンの安定化の効果を持続させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供すること。

潜在水硬性物質及び多糖類を含有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤及び該処理剤と重金属含有廃棄物及び必要により水を混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の安定化処理法。

目的

本発明の目的は、重金属含有廃棄物を安定化処理する祭、重金属イオンの溶出を基準値以下に安定化出来、しかもその重金属イオン安定化の効果を持続させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

潜在水硬性物質及び多糖類を含有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤

請求項2

潜在水硬性物質が高炉水砕スラグである請求項1記載の処理剤

請求項3

多糖類が単一多糖類またはその誘導体である請求項1または2記載の処理剤。

請求項4

単一多糖類がα−スターチである請求項3記載の処理剤。

請求項5

重金属含有廃棄物、請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて、混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理法

請求項6

重金属含有廃棄物、請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて混合、混練した後40℃以上に加熱処理することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理法。

請求項7

重金属含有廃棄物がゴミ焼却場焼却灰飛灰汚染土壌、又は、総理府令第5号に定める判定基準満足しなければならない金属などを含む産業廃棄物である請求項5または6記載の重金属含有廃棄物の処理法。

請求項8

重金属含有廃棄物が環境告示第13号に基づく溶出試験後の溶出液のpHが中性または酸性である重金属含有廃棄物に請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理剤及び塩基性物質を添加し処理することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の処理法。

請求項9

塩基性物質が水酸化カルシウムである請求項8記載の処理法。

請求項10

請求項5〜9のいずれか1項に記載の処理法で得られた処理物

技術分野

0001

本発明は、一般廃棄物並びに産業廃棄物中に含有される重金属不溶化し、安定化処理するのに有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関する。更に詳細には、都市ゴミ、産業廃棄物、汚泥等の焼却炉、及び溶融炉などから発生する焼却灰飛灰、汚泥や汚染土壌等の廃棄物に含まれる重金属を不溶化し、安定化処理するのに有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関する。

背景技術

0002

近年、都市及び工場等から発生する廃棄物が増大するなか、重金属を含有する廃棄物は、環境対策上、十分な無害化処理が必要になっている。特に重金属を含有する飛灰等の一般廃棄物や産業廃棄物は、特別管理廃棄物としてその処理、処分に際して厳しい規制が設けられている。

0003

従来、重金属を含有する廃棄物を処分する場合には、セメントと混合し、必要により水を添加して混練し重金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が採られている。しかしながら、平成7年度から適用された埋め立て処理を行う廃棄物からの重金属の溶出量が、最も安定化処理が難しいとされる鉛の場合、環境告示13号に基づく溶出試験で0.3mg/l以下になるように安定化することを義務付けているが、セメントのみでこの基準をクリヤーするのは難しい状況にある。

0004

これは、代表的なセメントである普通ポルトランドセメントと廃棄物を混合、硬化させる場合を例にとると、水和過程において生成する水酸化カルシウムはセメントの硬化を促進する反面、過剰に生成した水酸化カルシウムが廃棄物とセメントとの混合物のpHを高め、両性元素である鉛等の重金属イオンの溶解度を増大させるため、本来セメントが有していると考えられる重金属安定化効果が大きく損なわれるためであると考えられる。

0005

また、セメントを使用した場合、連続で使用している場合はよいが、処理を中断する場合は混合機混練機等の設備洗浄しないと残留している処理物が前記機械器壁固化してしまうというメンテナンス作業性上の問題がある。

0006

また更に、硫黄含有キレート剤等によって薬剤処理して重金属イオンを捕捉し、安定化する事も試みられておりこれによれば前記溶出基準値以下に安定化することが可能である。しかしながら、このような薬剤は高価であるばかりか、安定化処理後の重金属イオンの保持の持続性が不十分なため、処理直後は充分な重金属安定化の効果を発現しても、経時的に重金属イオンの溶出量が増大するといった問題点を有している。

発明が解決しようとする課題

0007

前述の様に従来の重金属含有廃棄物用処理剤及び処理法では、溶出基準以下に重金属イオンを安定化することが困難であるばかりでなく、安定化ができても、その保持の持続性、耐久性に問題があり経時的に2次公害が懸念されるのが現状である。

0008

本発明の目的は、重金属含有廃棄物を安定化処理する祭、重金属イオンの溶出を基準値以下に安定化出来、しかもその重金属イオン安定化の効果を持続させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らはこうした実情に鑑み、重金属含有廃棄物を完全に安定化できる処理剤及び処理法を求めて鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、

0010

(1)潜在水硬性物質及び多糖類を含有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤、(2)潜在水硬性物質が高炉水砕スラグである上記(1)に記載の処理剤、(3)多糖類が単一多糖類である上記(1)または(2)に記載の処理剤、(4)単一多糖類がα−スターチであ上記(3)記載の処理剤、(5)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて、混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理法、(6)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて混合、混練した後40℃以上に加熱処理することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理法、(7)重金属含有廃棄物がゴミ焼却場の焼却灰、飛灰、汚染土壌、又は、総理府令第5号に定める判定基準満足しなければならない金属などを含む産業廃棄物である上記(5)または(6)に記載の重金属含有廃棄物の処理法、(8)重金属含有廃棄物が環境庁告示第13号に基づく溶出試験後の溶出液のpHが中性または酸性である重金属含有廃棄物に上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理剤及び塩基性物質を添加し処理することを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれか1項に記載の処理法、(9)塩基性物質が水酸化カルシウムである上記(8)記載の処理法、(10)上記(5)〜(9)のいずれか1項に記載の処理法で得られた処理物に関する。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明を詳細に説明する。本発明で必須成分として用いる潜在水硬性物質とは、水のみでは水和反応を起こさず、例えば刺激剤等の添加で水和反応を起こすものである。用いうる潜在水硬性物質の具体例としては、高炉水砕スラグ、転炉スラグ等を挙げることが出来る。これら潜在水硬性物質のうち高炉水砕スラグが好ましい。これら潜在水硬性物質は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用して用いることもできる。

0012

潜在水硬性物質として高炉水砕スラグを用いる場合、その粒度ブレーン比表面積で2,000cm2 /g以上のものが使用できるが、好ましくは4,000cm2 /g以上のものが使用できる。ブレーン比表面積の大きいものほど重金属を安定化する効果は大きいが、製造コストが高く経済的に不利になる。

0013

潜在水硬性物質の重金属イオン安定化効果の機構は必ずしも明らかでないが、それ自身が重金属イオンの吸着能等をもっていると考えられる。また、重金属含有廃棄物に含有されるアルカリイオンにより潜在水硬性物質の硬化反応が進行し、その結果生ずる各種水生成物が、重金属のイオン交換能、拡散抑制能や吸着能をより強固に且つ持続的に発現するとも考えられる。

0014

本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は必須成分として更に多糖類を含有する。多糖類は、水の存在下で吸水−膨潤挙動を呈したり糊状に変化したりするが、これらの変化が重金属化合物自由水との隔離作用によって重金属化合物を封じ込めたり、接着効果によって重金属化合物を封じ込めたりして重金属含有廃棄物の安定化に寄与しているものと推察される。多糖類のみでは重金属化合物が水と先に接触して重金属イオンに変化してしまうと多糖類による封じ込め効果は弱くなるが、潜在水硬性物質によりイオン交換吸着された重金属イオンの形態であればより強固に封じ込めることができ、従来得られなかった重金属の安定化効果が得られる。また、後述するように重金属含有廃棄物が塩基性物質を含有したり、塩基性物質を新たに添加して処理を行う場合、潜在水硬性物質が硬化する際、潜在水硬性物質と糊状多糖類が混在する事によりより緻密な硬化(水和)生成物を形成し重金属化合物及び重金属イオンの拡散抑制が促進されるとも考えられる。即ち、それぞれ単独で用いるより重金属安定化効果が顕著になり、重金属化合物及び重金属イオンは潜在水硬性物質の水和物中に強固に封止されるため長期にわたって重金属の溶出を抑制でき、しかも酸性雨に晒されても重金属が溶出することがない。

0015

本発明で用いうる多糖類は、特に限定されないが、具体的にはアガロース、α−アミロース、β−アミロース、アミロペクチン、スターチ、α−スターチ、マンナンアミロデキストリンエリスロデキストリンアクロデキストリングリコーゲンセルロースカルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースデキストランイヌリンガラクタンキチンキトサンアルギン酸等の単一多糖類及びこれらの誘導体ペクチンヒアルロン酸コンドロイチン硫酸ヘパリン等の複合多糖類及びこれらの誘導体を挙げることができ、単一多糖類またはその誘導体が好ましく、α−スターチ、デキストリン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが更に好ましく、α−スターチが特に好ましい。これら多糖類は1種類でも、また2種以上を併用しても良い。

0016

また、多糖類は、粉体のまま使用することもできるが、重金属含有廃棄物と均一に混合させるため水溶液あるいは水分散液で使用することもできる。水溶液あるいは水分散液で使用する際の多糖類の濃度は、多糖類の種類や廃棄物の種類により異なるが、通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。

0017

多糖類の使用量は、潜在水硬性物質の種類や粒度あるいは廃棄物の種類により異なるが、概ね潜在水硬性物質100重量部に対して、5〜1000重量部、好ましくは10〜800重量部、更に好ましくは20〜500重量部である。本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は通常粉末の状態であるが、スラリー状の液状組成物としても取り扱う事も出来る。すなわち、潜在水硬性物質と多糖類に必要により分散剤を添加して、混合、混練することにより、スラリー状の本発明の処理剤を得ることが出来る。前記において分散剤は、セメント組成物流動化付与剤として一般的に用いられているポリメタアクリル酸等の水溶性高分子が用いることができ、その使用量は潜在水硬性物質100重量部に対し、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。

0018

本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は潜在水硬性物質と多糖類を主成分としているため、セメントを使用した場合のように使用中または保存中に吸湿して固化し使用できなくなるといった欠点がなく、また使用後数時間で水洗しなければ装置の内壁固化物が付着して装置そのものが使用できなくなるといったことが無いため設備メンテナンス上有利である。また更に、粉体でも取り扱うことができるが粉体作業を嫌う場合は上記のようなスラリー状の液状組成物として取り扱うことができるといった利点を有している。この液状組成物として取り扱える利点は他に、粉体で保存するよりも体積が小さくなるためサイロなどの大型の設備を必要としない、重金属含有廃棄物との混合、混練が容易になるという点を挙げることができる。

0019

重金属含有廃棄物が環境庁告示第13号の溶出試験の溶出液がアルカリ性である都市ゴミ焼却飛灰の場合は、本発明の重金属含有廃棄物処理剤が水和反応して重金属安定化効果を増強する。また、電炉灰、溶融飛灰、汚染土壌等の環境庁告示第13号の溶出試験の溶出液が中性または酸性の重金属含有廃棄物である場合は、本発明の処理剤に塩基性物質を添加して水和反応を発現させる方が好ましい。

0020

本発明で使用しうる塩基性物質の具体例としては、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物炭酸ナトリウム炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、珪酸ナトリウム珪酸カリウムメタ珪酸ナトリウム、等のアルカリ金属の珪酸塩、等を挙げることが出来る。取り扱い性コストを考慮すると、これら塩基性物質の中でアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物を使用するのが好ましく、その中でも水酸化カルシウムが特に好ましい。

0021

塩基性物質は、潜在水硬性物質と塩基性物質の割合が、通常90/10〜10/90(重量比)であり、好ましくは75/25〜25/75(重量比)となる量使用する。また、塩基性物質は予め本発明の処理剤中に添加しておいてもよいが、後述する本発明の処理法において使用するのが好ましい。また、前者の場合の処理剤は水を含有せず、また保存時の吸湿を避けるようにする。

0022

本発明の処理剤は上記各成分を所定の割合で均一に混合して得ることができる。粉状の本発明の処理剤を得る場合、各成分を公知の混合方法で粉体混合すればよい。又、液状の本発明の処理剤を得る場合の混合の仕方は特に限定はされないが、分散剤(任意成分)及び水を所定量混合して水溶液とした後、予め混合しておいた潜在水硬性物質及び多糖類、塩基性物質等の粉体成分に添加する方法が、全体が容易に均一になるので好ましい。

0023

本発明の重金属含有廃棄物の処理法は、本発明の処理剤、重金属含有廃棄物、後述する水(任意成分)を混合、混練して行う。これらを混合、混練する設備やこれらの添加順序等は特に限定されない。また、予め調製しておいた本発明の処理剤を重金属含有廃棄物と混合してもよいし、本発明の処理剤を構成する各成分を重金属含有廃棄物と混合してもよい。混合の方法は、例えばバッチ式で処理を行う場合はニーダールーダータイプ、撹拌機の付いたアイリッヒタイプの混合混練機が使用できる。また、連続的に処理を行う場合は一軸または二軸パドル型の混練機やパン造粒機を利用して混練してもよい。処理に要する時間(混合、混練時間)は、特に制限はなく、廃棄物と処理剤が均一に混練できればよい。

0024

本発明の処理法は室温において実施してもよいが、重金属安定化効果を短時間に引き出すため加熱処理を行うのが好ましい。加熱処理は、混練に伴って発生する熱を利用しても良いし、混練中強制的に加熱しても良い。また、混練の終わった処理物を強制的に加熱してもよい。加熱温度は、40℃以上にする事が好ましく、50℃以上にする事が更に好ましい。尚、強制的な加熱の方法は、機械的、物理化学的な方法等公知の方法でよい。加熱時間は、混練物あるいは処理物の熱伝導率、大きさ、加熱方法などによって異なり一義的には言えないが、通常5分以上であり、好ましくは10分以上であり、処理物の均一性や作業性の面から最大24時間も行えば十分である。

0025

重金属含有廃棄物が水を含有していない場合、又は含有していても混合混練するのに不十分な場合は水を添加する。水の使用量は、重金属含有廃棄物の含水状態、及びその粒度によって異なるが、概ね重金属含有廃棄物100重量部(乾燥状態換算)に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。水の添加量は安定化処理を行った後の処理体の形状をどのようにするか、すなわちペレット状にするか、顆粒状にするかによって異なってくる。

0026

本発明の処理剤で重金属イオンを安定化処理できる廃棄物に特に制限はなく、例えば、都市ゴミ等のゴミ、産業廃棄物、汚泥等をそのまま、或いはこれらを例えば焼却した焼却灰(焼却飛灰)等を単独で或いは混合して処理することができる。これら重金属含有廃棄物のうちゴミ焼却灰、飛灰、汚染土壌、例えば粒状の産業廃棄物、または総理府令第5号に定める判定基準を満足しなければならない金属などを含む産業(一般)廃棄物が、本発明の処理剤で処理するのに最も適している。

0027

本発明の処理剤及び処理法によれば、重金属含有廃棄物中の重金属が安定化され、処理後の混練物から重金属が溶出する事がほとんどなくなり、環境庁告示第13号に定められた産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法による溶出試験では、重金属イオンの溶出量はいずれも総理府令第5号記載の埋立規制値以下となる。

0028

こうして得られた本発明の処理物は、そのまま或いは必要により粉砕してセメント・コンクリート用の骨材道路舗装材用骨材として利用したり、必要に応じて、板状、ブロック状に成形して土木建設資材としても利用可能である。従って、これらの使用を目的として本発明の処理剤に種々の混和材、例えば粉砕された徐冷スラグフェロクロムスラグシリカアルミナタルク硅砂、硅石粉クレーカオリン炭酸カルシウム陶磁器粉砕物チタニアジルコニア川砂等の無機充填材ガラス繊維カーボン繊維ビニロン繊維ナイロン繊維アラミド繊維ポリプロピレン繊維アクリル繊維ポリエステル等の繊維、セルロース繊維スチール繊維アルミナ繊維等の繊維類等を添加してもよい。また、砂糖グルコース等の硬化遅延剤シランカップリング剤のような表面処理剤顔料等を必要に応じて使用してもよい。

0029

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0030

実施例1
ブレーン比表面積4,000cm2 /gの高炉水砕スラグ100重量部に対してαスターチ150重量部を配合しプラネタリーミキサーで粉体混合して本発明の重金属含有廃棄物用処理剤を得た。都市ゴミの焼却場から得た焼却飛灰(鉛含有量1960mg/kg 、環境告示13号に基づく鉛の溶出量53.4ppm)以下A飛灰と称す)100重量部と上記処理剤5重量部を添加して混合し、水を33重量部添加し混練した後、24時間室温養生して環境庁告示13号に基づく溶出試験をおこなった結果を表1に示した。また、1〜13週間室温養生した時の鉛の溶出量を表2に示した。

0031

実施例2〜7
ブレーン比表面積4,000cm2 /gの高炉水砕スラグ100重量部に対してα−スターチを表1に示した各量を粉体混合して処理剤を得た。A飛灰100重量部に対して各処理剤を表1に示した量添加し、実施例1と同様に処理し、溶出試験を行った時の鉛の溶出量を表1に併せて示した。また、1〜13週間室温養生した時の鉛の溶出量を表2に示した。尚、表2において環告13号鉛溶出量とは、環境庁告示第13号に基づく溶出試験における鉛の溶出量を示す(以下同様)。

0032

表1
α−スターチの含有量A飛灰に対する処理剤鉛の溶出量
(重量部)添加量( 重量部) (ppm)
実施例1 150 5 0. 14
実施例2 20 15 0. 25
実施例3 50 10 0. 23
実施例4 100 7 0. 18
実施例5 250 3 0. 13
実施例6 500 3 0. 08
実施例7 800 3 N.D.
尚、表1においてN.D.は0. 01以下であることを示す(以下同様)。

0033

表2
環告13号鉛溶出量(ppm)
養生時間1週後 4週後 8週後 13週後
実施例1 0. 08 0. 03 N.D. N.D.
実施例2 0. 03 N.D. N.D. N.D.
実施例3 0. 06 N.D. N.D. N.D.
実施例4 0. 07 N.D. N.D. N.D.
実施例5 0. 10 0. 06 N.D. N.D.
実施例6 N.D. N.D. N.D. N.D.
実施例7 N.D. N.D. N.D. N.D.

0034

実施例8〜12
表3に示した重金属含有廃棄物100重量部に、予め粉体混合したブレーン比表面積4,000ccm2 /gの高炉水砕スラグ2.5重量部とα−スターチ1.5重量部を添加し、表3に示した量の水を添加し混練した後、24時間養生して環境庁告示13号に基づく鉛の溶出試験をおこなった。結果を表3に併せて示す。

0035

表3
廃棄物の水添加量環告13号
鉛溶出量(重量部) 鉛溶出量
(ppm) (ppm)
実施例8飛灰2. 85 28 0. 17
実施例9焼却灰0. 50 10 N.D.
実施例10 焼却灰+飛灰 7. 10 12 0. 24
(55/75(重量比) 混合物) )
実施例11汚泥8. 3 10 0. 22
実施例12濃縮廃液12. 3 0 0. 28

0036

実施例13〜18
A飛灰100重量部と、表4に示したブレーン比表面積の高炉水砕スラグ50重量部に対して各種多糖類50重量部を粉体混合して得られた処理剤を5重量部添加して混合し、水を33重量部添加し混練した後、表4に示した処理条件で養生して環境庁告示13号に基づく溶出試験をおこなった結果を表4に併せて示した。

0037

表4
比表面積多糖類の処理条件環告13号
(cm2 /g) 種類鉛溶出量(ppm)
実施例13 2, 000アルギン酸40℃- 18時間 0. 12
実施例14 3, 000キトサン55℃- 12時間 0. 18
実施例15 6, 000甘藷でんぷん70℃- 6時間 0. 27
実施例16 8, 000 HPC 80℃- 4時間 0. 09
実施例17 10, 000セルロース90℃- 2時間 0. 22
実施例18 13, 000CMC80℃- 4時間 0. 06
但し、HPCはヒドロキシプロピルセルロース、CMCはカルボキシメチルセルロースのをそれぞれ表す。

0038

実施例19〜21
精鋼会社で発生する電炉灰100重量部に対して、ブレーン比表面積4,000cm2 /gの高炉水砕スラグ3重量部、α−スターチ3重量部及び表5に示した量の水酸化カルシウムからなる本発明の処理剤と表5に示した量(重量部)の水を添加し、混練した後24時間後の鉛の溶出量を環境庁告示第13号試験に従って測定した結果を表5に併せて記す。

0039

表5
本発明の処理剤中の水添加量溶出液鉛溶出量
水酸化カルシウムの のpH (mg/l)
配合量(重量部)
処理灰0 6.4 21
実施例19 2・5 20 9.4 0.02
実施例20 2.5 20 9.4 0.03
実施例21 2 18 9.3 0.09

発明の効果

0040

本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は、重金属含有廃棄物を安定化処理するのに適しており、重金属イオンの溶出を高度に安定化させることができ、その効果は持続的である。また、本発明の処理法は特殊な装置を使用することなく、容易に重金属含有廃棄物物の安定化を行うことができる。更に、本発明の処理法で得られた処理物はセメントの固化物以上の強度を示すための骨材や舗装材などの土木建築資材として利用(リサイクル)可能である。

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  • 株式会社プラスワンの「 資源化システム及び資源化システムにおける処理部の予熱方法」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】構成の複雑化やロスを抑えて効率よく予熱時間を短縮することができる資源化システム及び予熱方法の提供。【解決手段】過熱水蒸気により廃棄物を炭化・気化する資源化システムであって、蒸気を発生させるボイ... 詳細

  • 株式会社冨士機の「 多軸式破砕篩装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】土木掘削工事等において発生する土砂等の破砕、篩い分けを1つの装置にて行い得る多軸式破砕篩装置の提供。【解決手段】原料の進行方向に直交する方向に、上段回転ロール部と下段回転ロール部とを具備する下... 詳細

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