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技術 溶接熱影響部靭性の優れた厚鋼板

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 児島明彦渡部義之吉江淳彦千々岩力雄吉田譲澤井隆門矢哲治植森龍治
出願日 1997年3月26日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1997-090039
公開日 1998年10月6日 (23年0ヶ月経過) 公開番号 1998-265897
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード TiN粒子 発生起点 水圧鉄管 延伸介在物 破壊起点 スラブ中心 レプリカ試料 長時間熱処理
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この項目の情報は公開日時点(1998年10月6日)のものです。
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図面 (3)

課題

広範な溶接条件において良好なHA靭性を有する厚鋼板

解決手段

重量%で、C:0.03〜0.2、Mn:0.3〜2、Al:0.002〜0.01、Ti:0.005〜0.03、Mg:0.0003〜0.005、O:0.001〜0.005、N:0.0015〜0.006で、以下、Si:0.4、P:0.02、S:0.01以下で、かつ重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.007〜0.017%で、残部が鉄と不可避的不純物である鋼中に、0.1μm未満の大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在する、溶接熱影響靭性の優れた厚鋼板。O−0.66Mg−0.89≧0の場合、[Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.89Al)>0・・(1)。同<0の場合、[Ti]=Ti・・(2)。[Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N・・(3)。同<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti]・・(4)。

概要

背景

1400℃以上に加熱される溶融線近傍HAZではオーステナイト(γ)粒が粗大化するため、冷却後のHAZ組織も粗大化してしまって靭性劣化する。鋼の加熱γ粒を細粒化する方法として、鉄と鋼,62(1976),1209−1218「低炭素低合金鋼オーステナイト粒度に及ぼすTiNの分散状態の影響」に記載されているように、TiN粒子を鋼中に微細分散させてγ粒成長を抑制(ピンニング)することが知られている。しかしながら、鉄と鋼,71(1985),S1510「溶接再現熱サイクルにおけるオ−ステナイト異常粒成長とTiNの溶解」にも記載されているように、1400℃以上に加熱されるようなHAZ粗粒域ではTiN粒子の粗大化や地鉄中への溶解が生じるため、TiN粒子のピンニング効果は低下する。すなわち、従来のTiN利用技術(TiN鋼)では、1400℃以上に加熱される溶融線近傍HAZのγ粒を安定に細粒化することはできず、良好な靭性を得ることは困難であった。溶接入熱量が大きくなるほど溶融線近傍HAZのγ粒は粗大化し、HAZ靱性の劣化が著しかった。

概要

広範な溶接条件において良好なHAZ靭性を有する厚鋼板

重量%で、C:0.03〜0.2、Mn:0.3〜2、Al:0.002〜0.01、Ti:0.005〜0.03、Mg:0.0003〜0.005、O:0.001〜0.005、N:0.0015〜0.006で、以下、Si:0.4、P:0.02、S:0.01以下で、かつ重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.007〜0.017%で、残部が鉄と不可避的不純物である鋼中に、0.1μm未満の大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在する、溶接熱影響靭性の優れた厚鋼板。O−0.66Mg−0.89≧0の場合、[Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.89Al)>0・・(1)。同<0の場合、[Ti]=Ti・・(2)。[Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N・・(3)。同<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti]・・(4)。

目的

本発明は、広範な溶接条件において良好なHAZ靭性を有する厚鋼板を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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請求項1

重量%でC:0.03〜0.2%Si:0.4%以下Mn:0.3〜2%P:0.02%以下S:0.01%以下Al:0.002〜0.01%Ti:0.005〜0.03%Mg:0.0003〜0.005%O:0.001〜0.005%N:0.0015〜0.006%を含有し、かつ重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.007〜0.017%であり、残部が鉄および不可避的不純物によって構成された鋼中に、0.1μm未満の大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在することを特徴とする溶接熱影響部靭性の優れた厚鋼板。O−0.66Mg−0.89Al≧0の場合、[Ti]=Ti−2(O−0.66Mg−0.89Al)>0 ・・・・(1)O−0.66Mg−0.89Al<0の場合、[Ti]=Ti ・・・・(2)[Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N ・・・・(3)[Ti]<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti] ・・・・(4)

請求項2

重量%でC:0.03〜0.2%Si:0.4%以下Mn:0.3〜2%P:0.02%以下S:0.01%以下Al:0.002〜0.01%Ti:0.005〜0.03%Mg:0.0003〜0.005%O:0.001〜0.005%N:0.0015〜0.006%含有し、さらにCu:1.5%以下Ni:10%以下Cr:1.0%以下Mo:1.0%以下Nb:0.05%以下V:0.05%以下Ca:0.003%以下Ce:0.003%以下La:0.003%以下B:0.0015%以下の一種以上を含有し、かつ重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.007〜0.017%であり、残部が鉄および不可避的不純物によって構成された鋼中に、0.1μm未満の大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在することを特徴とする溶接熱影響部靭性の優れた厚鋼板。O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.17Ce−0.89Al≧0の場合、[Ti]=Ti−2(O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.17Ce−0.89Al)>0 ・・・・(1)O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.17Ce−0.89Al<0の場合、[Ti]=Ti ・・・・(2)[Ti]≧3.4Nの場合、有効TiN量=4.4N ・・・・(3)[Ti]<3.4Nの場合、有効TiN量=1.3[Ti] ・・・・(4)

技術分野

0001

本発明は溶接熱影響部(Heat Affected Zone:HAZ)靭性の優れた厚鋼板であり、鉄骨橋梁船舶ラインパイプ建設機械海洋構造物タンク水圧鉄管などの各種の溶接構造物として用いられる。

背景技術

0002

1400℃以上に加熱される溶融線近傍のHAZではオーステナイト(γ)粒が粗大化するため、冷却後のHAZ組織も粗大化してしまって靭性が劣化する。鋼の加熱γ粒を細粒化する方法として、鉄と鋼,62(1976),1209−1218「低炭素低合金鋼オーステナイト粒度に及ぼすTiNの分散状態の影響」に記載されているように、TiN粒子を鋼中に微細分散させてγ粒成長を抑制(ピンニング)することが知られている。しかしながら、鉄と鋼,71(1985),S1510「溶接再現熱サイクルにおけるオ−ステナイト異常粒成長とTiNの溶解」にも記載されているように、1400℃以上に加熱されるようなHAZ粗粒域ではTiN粒子の粗大化や地鉄中への溶解が生じるため、TiN粒子のピンニング効果は低下する。すなわち、従来のTiN利用技術(TiN鋼)では、1400℃以上に加熱される溶融線近傍HAZのγ粒を安定に細粒化することはできず、良好な靭性を得ることは困難であった。溶接入熱量が大きくなるほど溶融線近傍HAZのγ粒は粗大化し、HAZ靱性の劣化が著しかった。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、広範な溶接条件において良好なHAZ靭性を有する厚鋼板を提供することを課題とする。

0004

本発明者らは、Al量の低い鋼へTiとMgを複合添加することで鋼中にTiN粒子が効率的に多量微細化する、AlとMgを含有する0.1μm未満の非常に微細な酸化物が多量に生成する、ことで溶融線近傍HAZの結晶粒成長抑制(ピンニング)効果が著しく増大することを発見し、この発見に基づいて良好なHAZ靭性を有する厚鋼板を発明した。

0005

本発明は、重量%で
C:0.03〜0.2%
Si:0.4%以下
Mn:0.3〜2%
P:0.02%以下
S:0.01%以下
Al:0.002〜0.01%
Ti:0.005〜0.03%
Mg:0.0003〜0.005%
O:0.001〜0.005%
N:0.0015〜0.006%
含有し、さらに必要に応じて
Cu:1.5%以下
Ni:10%以下
Cr:1.0%以下
Mo:1.0%以下
Nb:0.05%以下
V:0.05%以下
Ca:0.003%以下
Ce:0.003%以下
La:0.003%以下
B:0.0015%以下の一種以上を含有し、かつ重量%を用いて下記の(1)〜(4)式で計算される有効TiN量が0.007〜0.017%であり、残部が鉄および不可避的不純物によって構成された鋼中に、0.1μm未満の大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在することを特徴とする溶接熱影響部靭性の優れた厚鋼板である。

0006

O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.17Ce−0.89Al≧0の場合、
[Ti]=Ti−2(O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.1
7Ce−0.89Al)>0 ・・・・(1)
O−0.40Ca−0.17La−0.66Mg−0.17Ce−0.89Al<0の場合、
[Ti]=Ti ・・・・(2)
[Ti]≧3.4Nの場合、
有効TiN量=4.4N ・・・・(3)
[Ti]<3.4Nの場合、
有効TiN量=1.3[Ti] ・・・・(4)

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0008

図1は溶融線近傍HAZに対応する1450℃での加熱γ粒径平均粒径)に及ぼす有効TiN量の影響を示す。有効TiN量とは上述の式(1)〜(4)で計算される値であり、化学量論的に生成しうるTiN量を表す。従来鋼(TiN鋼)では有効TiN量の増加によって1450℃加熱γ粒径は僅かに小さくなる傾向にあるが、依然としてγ粒径が大きいために良好なHAZ靱性は得られない。

0009

さらに、重量%で0.017%を超える過剰な有効TiN量のもとでは数μmに及ぶ粗大なTiNが生成し、これらが破壊起点として作用することでHAZおよび母材の靱性が劣化する。発明者らはTiとMgを複合的に添加する場合に、有効TiN量の増加に伴って1450℃加熱γ粒径が著しく細粒化する現象を発見した。これは、低いAl量のもとでTiとMgを複合添加することで溶鋼中の0.5μm以上の大きさの酸化物が微細分散化し、さらに、AlとMgを含有する0.1μm未満の非常に微細な酸化物が多量に生成し、前者の酸化物は凝固核として、後者の酸化物はピンニング粒子として作用することで、鋳片の組織が著しく微細化し、鋳片の冷却中に析出するTiNが多量かつ微細に生成することが1つ理由である。すなわち、初期生成TiNの多量微細分散化によって、有効にTiNのピンニング効果を引き出すことが可能である。1450℃加熱γ細粒化のもう1つの理由は、AlとMgとを含む0.1μm未満の大きさの酸化物は熱的に安定であり、加熱γ粒成長を強力にピンニングするためである。本発明鋼はこの新たな冶金現象に基づいて発明されたものである。

0010

図2は1450℃加熱の再現HAZ靱性(溶接入熱量が50kJ/mmに相当)に及ぼす1450℃加熱γ粒径の影響を示す。

0011

図2に示すように、1450℃加熱γ粒径が250μm以下に細粒化すると0℃におけるシャルピー衝撃試験吸収エネルギーは従来鋼の約2倍以上に向上する。加熱γ粒の細粒化は変態後のHAZ組織の微細化をもたらし、HAZ靱性を向上させる。HAZ靱性向上に有効な250μm以下の小さな1450℃加熱γ粒径を達成するには、図1から有効TiN量を0.007%以上にする必要がある。しかし、有効TiN量が0.017%を超えると加熱γ細粒化効果は飽和するうえ、先述のように粗大なTiNが生成して材質上好ましくない。さらに、大きな溶接入熱量のもとで安定して250μm以下の加熱γ粒を得るためには、熱的に安定なAlとMgを含有する0.1μm未満の大きさの酸化物を5000個/mm2以上分散させる必要がある。このように非常に微細な酸化物は破壊起点として無害であるため、ピンニングの観点から多い程好ましい。このような非常に微細な酸化物の分散状態は、例えば、TiNが完全に溶解するような高温長時間熱処理を施して急冷した後、抽出レプリカ試料あるいは薄膜試料について透過電子顕微鏡観察(倍率≧2万倍)によって酸化物の大きさと個数を測定することで定量化できる。酸化物は複合体として存在してもピンニングに有効であることから、本発明では0.1μm未満の単体あるいは複合体の酸化物が5000個/mm2以上あることが必須である。

0012

以上のことから、溶融線近傍においても良好なHAZ靭性を得るために、低いAL量でTiとMgを複合添加して有効TiNを0.007〜0.017%の範囲に制御し、0.1μm未満の酸化物が5000個/mm2以上分散させることが本発明の特徴である。

0013

以下に鋼の化学成分の限定理由を説明する。

0014

Cの下限0.03%は母材及びHAZの強度、靱性を確保するための最小量から決定した。しかし、Cが多すぎると母材及びHAZの靭性を低下させるとともに溶接性を劣化させるのでその上限を0.2%とした。

0015

Siは脱酸のために鋼に含有されるが、多すぎると溶接性およびHAZ靭性が劣化するため、上限を0.4%とした。鋼の脱酸はTiだけでも十分可能であり、良好なHAZ靭性を得るためには0.3%以下のSiとするのが望ましい。

0016

Mnは母材及びHAZの強度、靭性を確保するために不可欠であるため下限を0.3%とした。しかし、Mnが多すぎるとHAZ靭性を劣化させ、スラブ中心偏析を助長し、溶接性を劣化させるので上限を2%とした。

0017

本発明鋼において不純物元素であるP,Sをそれぞれ0.02%以下、0.01%以下とした理由はスラブ中心偏析の軽減などを通じて母材およびHAZの機械的性質を改善するためである。Pの低減はHAZの粒界破壊を抑制し、Sの低減はMnSの減少を通じて母材およびHAZの板厚方向材質を向上させる。好ましいP,Sはそれぞれ0.01%以下、0.003%以下である。

0018

Alは本発明では必要な元素であり、その量は低い範囲で適正化することが重要である。Alは、0.1μm未満の大きさの酸化物を5000個/mm2以上生成するために0.002%以上必要である。しかしながら、Alが0.01%を超えると脱酸に消費された残りのAlが固溶状態で鋼中に残存し、この過剰なAlが鋳片段階でのTiNの析出挙動に影響してTiNの微細分散化を妨げる。したがって、適正なAlの範囲は0.002%〜0.01%である。なお、酸化物の生成を多くするためにはAlは0.005%を越えて含有させれば良い。

0019

Tiは本発明に必須の元素であり、ピンニング粒子であるTiN粒子を十分に生成をするために0.005%以上必要である。しかし、Tiが0.03%を超えるとTiNを形成する以外に過剰なTiが生じ、これがTiCとして析出してHAZ脆化が起こる。

0020

Mgは本発明の最も重要な元素であり、上述したようにTiと複合的に添加することでTiN粒子のピンニング効果を増大させると同時に、0.1μm未満の大きさの酸化物を多量に生成する働きを持つ。Mgが0.0003%未満であるとこれらの効果は小さく、0.1μm未満の大きさの酸化物は5000個/mm2未満となる。0.005%を超えるとこれら効果は飽和し、過剰なMg添加製造コストを高めるため好ましくない。

0021

Oは本発明では重要な役割を果たす。Oは溶鋼中で酸化物を形成し、上述したようにMg添加によって溶鋼中で微細分散化し、凝固核やピンニング粒子として作用して加熱γ粒を細粒化してHAZ靭性の向上に寄与する。このような効果を引き出すための酸化物の個数を確保するためには0.001%以上のOが必要である。しかし、Oが0.005%を超えると大きな酸化物が一部に生成し、破壊発生起点としてHAZおよび母材の靱性を劣化させるため好ましくない。

0022

Nは本発明に必須であり、TiNを形成してHAZの加熱γ粒の成長をピンニングする。十分な量のTiNを得るために0.0015%以上のNが必要であるが、Nが過剰であると固溶NによってHAZ脆化が生じるため、上限を0.006%とする必要がある。

0023

つぎにCu、Ni、Cr、Mo、Nb、V、Ca、Ce,La、Bを添加する理由について説明する。

0024

Cu、Niは溶接性およびHAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させる。各元素の上限は溶接性およびHAZ靭性の劣化を防止するためそれぞれ1.5%、10%とした。

0025

Crは母材の強度を向上させる。しかしその添加量が1.0%を超えると母材およびHAZの靭性、ならびに溶接性を損なう。

0026

Moは母材の強度、靭性を向上させる。しかしその添加量が1.0%を超えると母材靭性、溶接性およびHAZ靭性を損なう。

0027

Nbは母材の組織微細化に有効であり、鋼の強度、靱性を向上させる。しかしその添加量が0.05%を超えるとHAZ靱性が劣化する。

0028

Vは母材の強度を向上させるが0.05%を超えると溶接性およびHAZ靭性を損なう。

0029

Ca、Ce、Laを添加するのは延伸介在物であるMnSの形態を制御して靱性を向上させるためである。しかしながら、これらの添加量が0.003%を超えると粗大な酸化物が多量に生成して母材およびHAZの靱性を劣化させる。

0030

Bは焼入性を向上させて母材やHAZの強度、靱性を向上させる。しかし0.0015%を超えて添加するとHAZ靱性や溶接性を劣化させる。

0031

本発明鋼は、例えば、製鋼工程の溶鋼取鍋連続鋳造タンディッシュあるいはモールドにおいて溶鋼中にMg合金を添加し、連続鋳造した鋳片を1250℃以下に再加熱し、制御圧延加速冷却焼入、焼戻などの加工熱処理を施して厚鋼板として製造される。このとき、1250℃を超える温度での加工熱処理はTiNの分散状態に影響を及ぼし、HAZでのTiNのピンニング効果を弱めるため好ましくない。TiNの鋳片での析出状態をより微細分散化するためには連続鋳造時冷却速度を高めることが効果的である。

0032

表1に連続鋳造した鋼の化学成分と0.1μm以下の酸化物個数を、表2に鋼板の機械的性質を示す。鋳片を1250℃以下の温度で加工熱処理することで鋼板は製造された。本発明鋼はTSが450〜820MPaの範囲であり、溶接入熱量が7〜110kJ/mmの各種の溶接方法で溶接したHAZの溶融線にてvE(−20℃)が80〜310Jの良好なHAZ靱性を有する。特に、溶接入熱量の大きなエレクトロスラグ溶接においても良好なHAZ靱性が得られる。

0033

一方、比較鋼は化学成分および有効TiN量、並びに0.1μm未満の酸化物個数が適当でないためにHAZ靱性が劣っている。鋼12はC量が低すぎるために、鋼13はC量が高すぎるために、鋼14はSi量が高すぎるために、鋼15はMn量が低すぎるために、鋼16はMn量が高すぎるために、鋼17はP量が高すぎるために、鋼18はS量が高すぎるために、HAZ靱性が劣っている。

0034

鋼19はAl量が低すぎるために0.1μm未満の酸化物が5000個/mm2未満となり、HAZの加熱γ粒が粗大化してHAZ靱性が劣っている。鋼20はAl量が高すぎるために、鋳片でのTiNの分散状態が粗大となり、HAZの加熱γ粒が粗大化してHAZ靱性が劣っている。鋼21はTi量が低過ぎるために有効TiN量が0.007%未満と低く、十分な量のTiNが生成しないためHAZの加熱γ粒が粗大化して、HAZ靱性が劣っている。鋼22はTi量が高すぎるために過剰のTiがHAZでTiCとして析出し、HAZ靱性が劣っている。鋼23はMg量が低すぎるためにTiNのピンニング効果が高まらず、また、0.1μm未満の酸化物が5000個/mm2未満となり、HAZの加熱γ粒が粗大化してHAZ靱性が劣っている。鋼24はO量が低すぎるためにMgを添加しても酸化物の微細分散化の効果が凝固組織の微細化に反映されず、TiNのピンニング効果が高まらず、さらに、0.1μm未満の酸化物が5000個/mm2未満となり、HAZの加熱γ粒が粗大化してHAZ靱性が劣っている。鋼25はO量が高すぎるために酸化物が粗大化し、破壊起点とし作用してHAZ靱性が劣っている。

0035

鋼26はN量が低すぎるために有効TiN量が0.007%未満と低く、十分な量のTiNが生成しないためにHAZの加熱γ粒が粗大化してHAZ靱性が劣っている。鋼27はN量が高すぎるためにHAZの固溶Nが過剰となり、さらに有効TiN量が0.017%を越えて数ミクロンの粗大なTiNが生成し、HAZ靱性が劣っている。鋼28および鋼29はそれぞれ有効TiN量が不足、過剰であるためにHAZ靱性が劣っている。

0036

0037

発明の効果

0038

本発明によって広範な溶接条件において良好なHAZ靱性を有する厚鋼板が提供され、各種の溶接構造物の安全性が格段に向上した。特に、溶接入熱量の大きな高能率溶接においても良好なHAZ靭性が達成できるようになった。

図面の簡単な説明

0039

図11450℃加熱γ粒径に及ぼす有効TiN量の影響を示す図である。
図21450℃加熱の再現HAZ靱性(0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー)に及ぼす1450℃加熱γ粒径の影響を示す図である。

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