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技術 抗菌性を有する高分子成形物

出願人 日本蚕毛染色株式会社
発明者 冨部信二五味渕禮三冨部純子
出願日 1997年3月19日 (23年9ヶ月経過) 出願番号 1997-085891
公開日 1998年9月29日 (22年2ヶ月経過) 公開番号 1998-259260
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の処理 繊維製品の化学的、物理的処理
主要キーワード 製品繊維 塩素イオン含有量 価銅イオン 耐アルカリ試験 抗菌性高分子 高分子成形物 採算性 耐酸性試験
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この項目の情報は公開日時点(1998年9月29日)のものです。
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課題

成形後の高分子成形物に対して表面加工することにより製造可能な抗菌性高分子成形物を提供する。

解決手段

少なくとも表面部がシアノ基及び/又はチオシアノ基を含有する高分子材料で形成されている成形物において、その表面に該シアノ基及び/又はチオシアノ基を介して1価銅イオン担持させたものであって、該シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料中の塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量が、合計量で400wtppm以下であることを特徴とする抗菌性を有する高分子成形物。

概要

背景

抗菌性繊維を作る方法としては、抗菌性有機化合物もしくは抗菌性の金属を担持させたゼオライトをドープに加え紡糸する方法が用いられることが多い。また、本発明者らはアクリル系繊維カルボキシル基を導入する方法を提案し、そのカルボキシル基に金属を置換することにより抗菌性繊維とすることを提案した(特開平7−238469)。また、種々の抗菌剤バインダーを用いて繊維の表面に付着させる方法もある。いずれも、コストの問題や抗菌作用持続性の問題等を含み、未だ満足し得るものではない。近時、合成繊維メーカーはその採算性の面から多種類の繊維を紡糸することを嫌う傾向にあり、いろいろな機能性は紡糸後に付与することが得策と考えられている。抗菌性繊維の場合も同様である。また、抗菌性を有するフィルム容器に対する要望も強いが、これまでのところ、未だ満足し得るものは殆ど皆無である。

概要

成形後の高分子成形物に対して表面加工することにより製造可能な抗菌性高分子成形物を提供する。

少なくとも表面部がシアノ基及び/又はチオシアノ基を含有する高分子材料で形成されている成形物において、その表面に該シアノ基及び/又はチオシアノ基を介して1価銅イオンを担持させたものであって、該シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料中の塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量が、合計量で400wtppm以下であることを特徴とする抗菌性を有する高分子成形物。

目的

本発明は、成形後の高分子成形物に対して表面加工することにより製造可能な抗菌性高分子成形物を提供することをその課題とする。

効果

実績

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請求項1

少なくとも表面部がシアノ基及び/又はチオシアノ基を含有する高分子材料で形成されている成形物において、その表面に該シアノ基及び/又はチオシアノ基を介して1価銅イオン担持させたものであって、該シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料中の塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量が、合計量で400wtppm以下であることを特徴とする抗菌性を有する高分子成形物

請求項2

該高分子成形物が、アクリル系繊維である請求項1の高分子成形物。

請求項3

該高分子成形物が、フィルム又は容器である請求項1の高分子成形物。

技術分野

0001

本発明は、抗菌性を有する高分子成形物に関するものである。

背景技術

0002

抗菌性繊維を作る方法としては、抗菌性の有機化合物もしくは抗菌性の金属を担持させたゼオライトをドープに加え紡糸する方法が用いられることが多い。また、本発明者らはアクリル系繊維カルボキシル基を導入する方法を提案し、そのカルボキシル基に金属を置換することにより抗菌性繊維とすることを提案した(特開平7−238469)。また、種々の抗菌剤バインダーを用いて繊維の表面に付着させる方法もある。いずれも、コストの問題や抗菌作用持続性の問題等を含み、未だ満足し得るものではない。近時、合成繊維メーカーはその採算性の面から多種類の繊維を紡糸することを嫌う傾向にあり、いろいろな機能性は紡糸後に付与することが得策と考えられている。抗菌性繊維の場合も同様である。また、抗菌性を有するフィルム容器に対する要望も強いが、これまでのところ、未だ満足し得るものは殆ど皆無である。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、成形後の高分子成形物に対して表面加工することにより製造可能な抗菌性高分子成形物を提供することをその課題とする。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、少なくとも表面部がシアノ基及び/又はチオシアノ基を含有する高分子材料で形成されている成形物において、その表面に該シアノ基及び/又はチオシアノ基を介して1価銅イオンを担持させたものであって、該シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料中の塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量が、合計量で400wtppm以下であることを特徴とする抗菌性を有する高分子成形物が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0005

本発明における高分子成形物は、少なくともその表面部が、シアノ基(−CN)及び/又はチオシアノ基(−SCN)を含有する高分子材料で形成されているものである。このようなものには、従来公知の各種のもの、例えば、繊維(糸)、織布、不織布、編布、フィルム、板、棒体、容器、その他の物品包含される。本発明における高分子成形物は、必ずしもそれ全体がシアノ基及び/又はチオシアノ基を有する高分子材料からなる必要はなく、その成形物の表面部のみがそのような高分子材料から形成されているものであってもよい。表面部のみがシアノ基及び/又はチオシアノ基を有する高分子材料からなる形成物としては、シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料からなるフィルムを他の高分子材料からなるフィルム、その他の成形物上に積層接着させたものや、シアノ基及び/又はチオシアノ基含有高分子材料の溶液を、他の高分子材料からなる成形物表面に膜状に塗布乾燥したもの等が挙げられる。

0006

シアノ基を含有する高分子材料としては、アクリロニトリル重合体アクリロニトリル共重合体が挙げられる。チオシアノ基を含有する高分子材料は、塩素等のハロゲンを含有する高分子材料にチオシアン酸カリウムを反応させることにより得ることができる。シアノ基及び/又はチオシアノ基を含有する高分子材料において、そのシアノ基及び/又はチオシアノ基の含有量は、高分子材料1000g中、100〜500g、好ましくは170〜490gの割合である。本発明で用いる好ましい高分子成形物は、アクリル系繊維である。このアクリル系繊維には、アクリル繊維及びモダクリル繊維が包含される。本発明で用いる他の好ましい高分子成形物はフィルム又は容器である。このフィルム又は容器は、アクリロニトリル重合体又は共重合体あるいはそれらのものと他の高分子とのブレンド体を用いて形成することができる。

0007

本発明の抗菌性を有する高分子成形物を製造するには、前記成形物を、2価銅イオンと、2価銅イオンを1価銅イオンに還元し得る還元剤を含む水溶液と接触させる。これにより1価銅イオンがそのシアノ基及び/又はチオシアノ基を介して成形物表面に担持される。この場合、水溶液中に含まれる塩素イオン及び硝酸イオンは、その濃度をコントロールすることが必要で、それらの水溶液中濃度は、それらの合計量で、0.03wt%以下、好ましくは0.01wt%以下に保持する。これらの塩素イオンや硝酸イオンは、製品としての1価銅イオンを含む成形物中に混入すると、その1価銅イオンを2価銅イオンと金属銅に変化させ、銅が成形物中に保持されなくなるので好ましくない。

0008

2価銅イオン源としては、硫酸銅酢酸銅クエン酸銅水酸化銅等の2価銅化合物が挙げられる。本発明においては、2価銅イオン源としては、塩化銅硝酸銅の使用は好ましくない。水溶液に加える2価銅化合物の量は、水溶液1リットル当り、0.005〜0.1モル、好ましくは0.01〜0.05モルの割合である。還元剤としては、水溶液中で2価銅イオンを1価銅イオンに還元し得るものであれば任意のものが使用可能であり、例えば、ヒドロキシルアミン硫酸第1鉄、亜硫酸パルプ廃液バナジン酸アンモン、フルフラールアスコルビン酸、金属銅等が挙げられるが、特に、金属銅の使用が好ましい。これらの還元剤の使用量は、前記2価銅化合物1モル当り、1〜10モル、好ましくは1〜3モルの割合である。2価銅化合物及びその還元剤を含む水溶液と成形物との接触温度は、70〜110℃、好ましくは80〜105℃である。接触時間は、30分以上、通常、60〜120分である。

0009

本発明で用いる水溶液中には、2価銅イオンの還元により生成する1価銅イオンの安定性を増加するために、スルホン酸基を有する有機化合物、例えば、スルホン酸基を有する界面活性剤酸性染料等を添加するのが好ましい。このようなスルホン酸基含有有機化合物の水溶液中濃度は、0.005〜5wt%、好ましくは0.01〜2wt%である。

0010

本発明による抗菌性を有する高分子成形物は、その表面に、そのシアノ基及び/又はチオシアノ基を介して、1価銅イオンを含有するものである。その1価銅イオンの含有量は、表面部に露出する金属銅として、1m2当り0.02〜0.2g、好ましくは0.03〜0.15g程度である。また、本発明の高分子成形物において、その塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量は、それらの合計量で、400wtppm以下、好ましくは100wtppm以下に規定する。塩素イオン含有量及び硝酸イオン含有量が前記範囲を超えると、成形物に担持された1価銅イオンが経時的に金属銅と2価銅イオンに変換されて脱落し、その成形物は抗菌性を消失してしまう。高分子成形物中に含まれる塩素イオン含有量と硝酸イオン含有量は、高分子成形物の処理剤として用いる前記水溶液中の塩素イオン濃度及び硝酸イオン濃度をコントロールすることにより特定量以下に規定することができる。本発明による抗菌性を有する高分子成形物において、その抗菌作用は耐水性及び耐久性の非常にすぐれたものであり、水や、酸、アルカリと接触しても、その抗菌性を容易に消失するようなことはない。

0011

次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、以下における%は、特に断りの無い限り繊維重量に体する百分率である。

0012

実施例1
シルロン100/−40(三菱レイヨン(株)製アクリルフィラメント糸)を、硫酸(50°Be)3%、硫酸銅(II)5%、銅網(直径0.28mm、15メッシュ)30%、エマール10(スルホン酸基含有アニオン界面活性剤)10%の水溶液に浴比1:15で浸漬し、徐々に昇温し103℃で60分間加熱処理した後、よく水洗する。得られた繊維は5.2%の重量の増加を示し、分析の結果、1.03%の1価銅イオンを含有していた。なお、前記水溶液中に含まれる塩素イオン及び硝酸イオンは通常の分析法では検出されず、製品繊維中の塩素イオンと硝酸イオンの合計含有量は実質上ゼロ%であった。

0013

実施例2
エマール10の代わりにスルホン酸基含有酸性染料(CIAcid Green25)1%を用い、実施例1と同様に実験を行なった。得られた繊維は0.93%の重量の増加を示し、分析の結果0.40%の1価銅イオンを含有していた。

0014

実施例3
シルパロン100/−40を、硫酸3%、硫酸銅5%、銅網30%を含む水溶液に浴比1:15で浸漬し、徐々に昇温し、103℃で60分間加熱処理した後、よく水洗する。得られた繊維は銅イオンの付着により0.55%の重量増を示した。なお、前記水溶液中に含まれる塩素イオン及び硝酸イオンは通常の分析法では検出されず、製品繊維中の塩素イオンと硝酸イオンの合計含有量は実質上ゼロ%であった。

0015

実施例4
シミロンFCW 7d×VC(旭化成工業(株)製アクリルステープル)を硫酸3%、硫酸銅5%、銅網30%、スルホン酸基含有酸性染料(CIAcid Green25)1%を含む水溶液に浴比1:15で浸漬し、徐々に昇温し、100℃で60分間加熱処理した後、よく水洗する。得られた繊維は1.99%の増量を示した。

0016

実施例5
プロテックス2d×51mm(化学工業(株)製アクリル系繊維)を硫酸3%、硫酸銅5%、銅網15%、エマール10の2%の水溶液に浴比1:7で浸漬し、徐々に昇温し、100℃で60分間加熱処理した後よく水洗する。得られた繊維は2.12%の増量を示した。

0017

比較例1
実施例1において、塩化ナトリウム1wt%を余分に加えた以外は同様にして実験を行なった。

0018

比較例2
実施例1において、硝酸ナトリウムを2wt%加えた以外は同様にして実験を行なった。

0019

次に、前記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた繊維について、以下のようにして、その抗菌性、耐酸性耐アルカリ性試験し、さらに経時的性状変化を調べた。その結果を表1に示す。
(1)抗菌試験
試験方法抗菌防臭加工製品の加工評価試験マニュアルシェークフラスコ
試験菌肺炎桿菌・Klebsiella pneumoniaeATCC4352
振盪条件:リストアクション330rpm×1時間
洗濯方法:JIS L 103法に準ずる方法にて10回
(2)耐酸性試験
硫酸15w/v%の液に室温にて1時間浸漬後の溶出量で判定(浴比1:100)
(3)耐アルカリ試験
水酸化ナトリウムにてpH12の液を作り、室温1時間浸漬後の溶出量で判定(浴比1:100)
(4)経時的性状変化試験
温度60℃、相対湿度98%の室に65日間放置する。

0020

0021

実施例5
実施例1において、高分子成形物としてアクリロニトリル重合体からなるフィルムを用いた以外は同様にして実験を行なった。この場合にも、得られたフィルムは良好な抗菌性を示した。

発明の効果

0022

本発明の抗菌性高分子成形物は、抗菌性にすぐれるとともに、その抗菌作用は耐久性の良いものである。

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