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技術 コントロールされた麻酔、鎮痛、鎮静のための装置

出願人 ミヒャエル・ゲオルギエフ
発明者 ミヒャエル・ゲオルギエフ
出願日 1998年3月10日 (22年2ヶ月経過) 出願番号 1998-076605
公開日 1998年9月22日 (21年7ヶ月経過) 公開番号 1998-248934
状態 未査定
技術分野 治療用噴霧、吸入、呼吸装置
主要キーワード 不活性ガス含有 閉鎖回路 充填注入 フルオロカーボン製 吸入マスク エネルギー価 フッ素化アミン 酸素必要量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

コントロールされた麻酔や、鎮痛鎮静を確実に行うことを可能にする装置(または施設)を提供する。

解決手段

不活性ガスを含む液体製剤を保持する容器1,4と、患者への前記製剤のコントロールされた投与のための手段2,3から構成される、麻酔、鎮痛または鎮静を誘発するための装置。

概要

背景

この様なコントロールを、高い信頼性で、合併症を伴わずに実現するには、活性物質はまず幾つかの必要条件を満たさなくてはならない。例えば、活性物質の一特徴は、作用が速やかに開始しなくてはならない(数秒以内)。しかし、一方で、作用は迅速に消失する必要もある(例えば、1〜3分、可逆性麻酔を終了した時点で、全ての脱機能症状が消失しなくてはならない)。更なる必要条件は、(例えば、麻酔学的に)安全限界が十分なことである。所望の状態(例えば、疼痛感消失および意識消失)を達成するのに必要な濃度は、患者生命維持に必要な機能を障害しない濃度よりも数倍低くなくてはならない。しかし、最終的に、コントロール性、即ち濃度または注入速度を変えることにより状態を増強、軽減または終了できることも、決定的な因子である。より長時間持続する手術の場合(例えば、10秒以上かかる手術)、更なる必要条件は、明らかな副作用を引き起こすことなく、活性物質を長時間にわたりより高濃度投与できることである。

現在使用されている静脈内麻酔薬の顕著な特徴の1つは、作用が速やかに開始することであるが、これらは一様に多くの欠点を呈する。プロポフォル(propofol)とエトミデート(etomidate) は、特に、鎮痛作用は全くなく、コントロールが難しいことを強調すべきである。これらの注入麻酔薬のその他の欠点は、評価が困難な副作用(例えば、血圧低下徐脈硬直アレルギー反応)といった、場合によっては重大な禁忌である。最終的に、プロポフォルを用いる完全静脈内麻酔(TIVA:total intravenous anaesthesia)は、特に麻酔がより長時間にわたった後は、覚醒遷延と見当識障害高頻度で引き起こす。従って、現在公知の静脈内投与用活性物質はこれらの必要条件を満たさないものと思われる。

現状の技術による活性物質の組み合わせは、これらの問題を解決しない。特に麻酔の場合、組み合わせにより薬物動態薬力学相互作用を引き起こし、これは麻酔維持中に十分コントロールできないことは明白である。麻酔中の一定の短時間、それぞれの活性物質の薬物動態と薬力学が異なる結果、濃度および/または注入速度を適切に調節することは不可能である。換言すれば、静脈内投与製剤に活性物質の組み合わせが使用される場合、全体としての作用は個々の作用の合計に事実上全く対応しない。従って、この様な配合製剤はコントロール性の必要条件を満たすことはできない。従って、上記に系統立てて述べられた必要条件を満たす、単一の物質として、あるいはその他の活性物質と組み合わせて使用される物質が必要である。

麻酔、特に麻酔の維持を極めて正確にコントロールするには、患者の血液中の活性物質特有の濃度をいつでも測定しなくてはならない。操作手技が単純で分かり易く、薬物動態が公知の場合には、例えばプロポフォル等による複数段階注入法等によって、限られたコントロールが可能である。しかし、この様な方法は、柔軟性に欠け、変化する麻酔および操作環境において、コントロールされた方法で活性物質を投与しなくてはならない場合には特に融通が利かず、不適切である。

手動による注入法は柔軟性に欠け、公知の活性物質の薬物動態の数学モデルは非常に複雑なことから、コンピュータ制御注入システムが開発されている。これらのコンピュータシステムは、使用される活性物質、例えばプロポフォルに関して、患者における薬物動態モデル数学的解法によりプログラムされる。次に、コンピュータは、血液濃度理論的目標値を達成、維持するために必要な注入速度を計算する。それからコンピュータは、患者に投与される活性物質の注入速度もコントロールする。この種のコントロールも、目標値にコントロールされる注入法(TCI:target control infusion)として公知である。

しかし、薬物動態は患者毎に異なるので、活性物質の濃度には常に不確実性が存在する。麻酔医により実際に決定されてきた目標濃度には非常にばらつきがあることが事実認められている。このため、術中の患者の実際の要求に相関して、麻酔中の特定の状態を調節またはコントロールできるシステムが非常に必要となった。血中活性物質の目標濃度に大きな差があり、また個々の患者および追加使用される薬物により、術中に観察される変動が明らかなため、TCIは全ての面で有効なコントロールの必要条件を未だ満たしていないとの結論に達した。

システムは現在開発中で、これによって多くの麻酔がより正確に調節できるようになる。これらは閉鎖回路システムで、注入麻酔薬は、実際に測定される麻酔の深度に相関してコントロールされる(いわゆる、閉鎖ループ麻酔薬システム(CLAN: closed loop anaesthesia systems))。しかし、これらのシステムは、患者における麻酔薬の作用、すなわち麻酔の深度を正確に決定するために多くの費用を要する。

従って、要約すると、前に検討した様に、適正なコントロールシステム(TCIまたはCLAN)において使用するための必要条件を満たす麻酔、鎮痛鎮静作用を有する物質が必要なだけでなく、複雑なコンピュータプログラムおよび/または高価な測定機器(および評価プログラム)がなくても機能でき、公知のシステムと対照的に、真の状態(例えば、真の血中濃度)を反映するより単純なシステムが必要とされている。

概要

コントロールされた麻酔や、鎮痛、鎮静を確実に行うことを可能にする装置(または施設)を提供する。

不活性ガスを含む液体製剤を保持する容器1,4と、患者への前記製剤のコントロールされた投与のための手段2,3から構成される、麻酔、鎮痛または鎮静を誘発するための装置。

目的

本発明の目的は、コントロールされた麻酔や、鎮痛、鎮静を確実に行うことを可能にする装置(または施設)を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

麻酔薬鎮痛薬または鎮静薬として有効量の脂肪親和性不活性ガスを含む液体製剤を保持する容器と、患者に製剤をコントロールしながら投与するための手段を含む、コントロールされた麻酔鎮痛、または鎮静のための装置。

請求項2

液体製剤の注入速度を調節するための灌流装置を含む、請求項1記載の装置。

請求項3

上記容器が、注入バックと、液体製剤の注入速度を調節するための調節装置を有する、請求項1記載の装置。

請求項4

脂肪親和性不活性ガスを含む注入溶液静脈内投与が患者の呼気中不活性ガス濃度相関して調節される、注入溶液用容器(1)と注入速度を調節するための計量手段(2)から成る、コントロールされた麻酔を実行するための装置。

請求項5

患者の実験データが更に記録され、麻酔の深度に関する結論を導くことができる、請求項4記載の装置。

請求項6

不活性ガスを溶解された形態で取り込むことができる液体製剤の貯蔵容器(30)と、不活性ガス用ガス容器(4)と、その中で製剤が不活性ガスと混合されるミキサー(3)とから構成される、請求項1記載の装置。

請求項7

(a)鎮静薬として有効量の脂肪親和性ガスを含む液体製剤を供給する設備と、(b)患者のデータを記録し、前記データにより患者の状態に関する結論を導くことができる、データ測定手段と、(c)測定データに相関して、前記設備から患者へのエマルジョン投与を調節する調節手段とから成る鎮静を誘発するための請求項1記載の装置。

技術分野

0001

本発明は、麻酔や、鎮痛鎮静コントロールするために使用できる装置に関する。この場合、コントロールとは、患者の状態(麻酔や、鎮痛、鎮静)を患者の実際の状態から必要または望ましい状態に可能な限り短時間で変更できることを意味すると理解される。これは、例えば、麻酔の場合、(1)鎮痛、(2)意識喪失、(3)筋弛緩の状態が、可能な限り短時間で達成され、麻酔がかかった状態から意識が完全となるまでの移行が迅速に進行し、合併症を伴わないことを意味する。コントロールは、一旦ある状態が達成されたなら、長時間(数時間から数日)にわたり、その状態が安定して保たれる事も意味する。これは、変化の激しい環境においても、その状態が維持され、その後のコントロールが問題なく行われることを意味する。

背景技術

0002

この様なコントロールを、高い信頼性で、合併症を伴わずに実現するには、活性物質はまず幾つかの必要条件を満たさなくてはならない。例えば、活性物質の一特徴は、作用が速やかに開始しなくてはならない(数秒以内)。しかし、一方で、作用は迅速に消失する必要もある(例えば、1〜3分、可逆性、麻酔を終了した時点で、全ての脱機能症状が消失しなくてはならない)。更なる必要条件は、(例えば、麻酔学的に)安全限界が十分なことである。所望の状態(例えば、疼痛感消失および意識消失)を達成するのに必要な濃度は、患者の生命維持に必要な機能を障害しない濃度よりも数倍低くなくてはならない。しかし、最終的に、コントロール性、即ち濃度または注入速度を変えることにより状態を増強、軽減または終了できることも、決定的な因子である。より長時間持続する手術の場合(例えば、10秒以上かかる手術)、更なる必要条件は、明らかな副作用を引き起こすことなく、活性物質を長時間にわたりより高濃度投与できることである。

0003

現在使用されている静脈内麻酔薬の顕著な特徴の1つは、作用が速やかに開始することであるが、これらは一様に多くの欠点を呈する。プロポフォル(propofol)とエトミデート(etomidate) は、特に、鎮痛作用は全くなく、コントロールが難しいことを強調すべきである。これらの注入麻酔薬のその他の欠点は、評価が困難な副作用(例えば、血圧低下徐脈硬直アレルギー反応)といった、場合によっては重大な禁忌である。最終的に、プロポフォルを用いる完全静脈内麻酔(TIVA:total intravenous anaesthesia)は、特に麻酔がより長時間にわたった後は、覚醒遷延と見当識障害高頻度で引き起こす。従って、現在公知の静脈内投与用活性物質はこれらの必要条件を満たさないものと思われる。

0004

現状の技術による活性物質の組み合わせは、これらの問題を解決しない。特に麻酔の場合、組み合わせにより薬物動態薬力学相互作用を引き起こし、これは麻酔維持中に十分コントロールできないことは明白である。麻酔中の一定の短時間、それぞれの活性物質の薬物動態と薬力学が異なる結果、濃度および/または注入速度を適切に調節することは不可能である。換言すれば、静脈内投与製剤に活性物質の組み合わせが使用される場合、全体としての作用は個々の作用の合計に事実上全く対応しない。従って、この様な配合製剤はコントロール性の必要条件を満たすことはできない。従って、上記に系統立てて述べられた必要条件を満たす、単一の物質として、あるいはその他の活性物質と組み合わせて使用される物質が必要である。

0005

麻酔、特に麻酔の維持を極めて正確にコントロールするには、患者の血液中の活性物質特有の濃度をいつでも測定しなくてはならない。操作手技が単純で分かり易く、薬物動態が公知の場合には、例えばプロポフォル等による複数段階注入法等によって、限られたコントロールが可能である。しかし、この様な方法は、柔軟性に欠け、変化する麻酔および操作環境において、コントロールされた方法で活性物質を投与しなくてはならない場合には特に融通が利かず、不適切である。

0006

手動による注入法は柔軟性に欠け、公知の活性物質の薬物動態の数学モデルは非常に複雑なことから、コンピュータ制御注入システムが開発されている。これらのコンピュータシステムは、使用される活性物質、例えばプロポフォルに関して、患者における薬物動態モデル数学的解法によりプログラムされる。次に、コンピュータは、血液濃度理論的目標値を達成、維持するために必要な注入速度を計算する。それからコンピュータは、患者に投与される活性物質の注入速度もコントロールする。この種のコントロールも、目標値にコントロールされる注入法(TCI:target control infusion)として公知である。

0007

しかし、薬物動態は患者毎に異なるので、活性物質の濃度には常に不確実性が存在する。麻酔医により実際に決定されてきた目標濃度には非常にばらつきがあることが事実認められている。このため、術中の患者の実際の要求に相関して、麻酔中の特定の状態を調節またはコントロールできるシステムが非常に必要となった。血中活性物質の目標濃度に大きな差があり、また個々の患者および追加使用される薬物により、術中に観察される変動が明らかなため、TCIは全ての面で有効なコントロールの必要条件を未だ満たしていないとの結論に達した。

0008

システムは現在開発中で、これによって多くの麻酔がより正確に調節できるようになる。これらは閉鎖回路システムで、注入麻酔薬は、実際に測定される麻酔の深度に相関してコントロールされる(いわゆる、閉鎖ループ麻酔薬システム(CLAN: closed loop anaesthesia systems))。しかし、これらのシステムは、患者における麻酔薬の作用、すなわち麻酔の深度を正確に決定するために多くの費用を要する。

0009

従って、要約すると、前に検討した様に、適正なコントロールシステム(TCIまたはCLAN)において使用するための必要条件を満たす麻酔、鎮痛、鎮静作用を有する物質が必要なだけでなく、複雑なコンピュータプログラムおよび/または高価な測定機器(および評価プログラム)がなくても機能でき、公知のシステムと対照的に、真の状態(例えば、真の血中濃度)を反映するより単純なシステムが必要とされている。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、コントロールされた麻酔や、鎮痛、鎮静を確実に行うことを可能にする装置(または施設)を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

この目的は、麻酔薬、鎮痛薬または鎮静薬として有効量の脂肪親和性不活性ガスを含む液体製剤と、患者にこの製剤をコントロールしながら投与するための手段を含むことを特徴とする装置によって達成される。この装置の目的は、不活性ガスを含む製剤を患者に静脈内投与により、あるいは一定時間コントロール方式で投与することである。「一定時間コントロール方式」とは、ここでは例えば、手術手技中に必要な状態(麻酔、鎮痛および/または鎮静)が一定時間、例えば2分または1ないし2時間以上でも(数日まで)、常に正確にコントロールされ得ることを意味する。これは、例えば、血中濃度に対応する、最終呼気中キセノン濃度に特に標的を定めることによって達成される。極めて単純な例では、液体製剤を保持する容器シリンジである。コントロールされた投与手段はシリンジプランジャーで、これに、いわゆる灌流装置等の補助により圧がかけられる。前記圧が製剤のコントロールされた投与を行う(例えば、30秒間にわたる20mlの容量の持続静脈内投与)。この様な装置により、より短時間(10秒から約60分)にわたる麻酔が確実に行われる。麻酔の深度、鎮痛、鎮静、筋弛緩は、例えば最終呼気中キセノン濃度により正確に調節される。活性物質の薬物動態は、プロポフォルの場合よりも遥かに単純なので、勾配注入法は必要ない。

0012

別の実施例は、液体製剤を満たした注入バッグと、患者に接続するためのチューブと、投与をコントロールするための単純な調節装置とを含む。より複雑な実施例は、電子制御設備ポンプ、例えば注入ポンプを含む。

0013

不活性ガスを含む液体製剤の注入に必要な調節は、例えば、事前に患者に関する手術の進行過程を想定することにより、その場で決定できる。これは、特定の状態(麻酔や、鎮痛、鎮静)に対して適切な注入速度や濃度が、患者に関して事前に決定されることを意味する。この様な決定は、実際に手術を行う直前に、問題なく下すことができる。

0014

本発明は、麻酔、鎮痛または鎮静の状態が、不活性ガス(Kr、Ar、Xe)を含む液体製剤を使用して容易にコントロールできるという驚くべき発見に一部基づいている。キセノンは、この点から考えて特に有効であることが証明された。

0015

キセノンは、無色、無臭、無味原子番号54の単原子不活性ガスである。キセノンは空気よりも5倍以上密度が高い。自然界に存在するキセノンは、例えば、同位元素124、126、128、129、130、131、132、134、136等の同位体も含まれる。キセノン114、キセノン133、キセノン142の様な合成同位元素も公知である。これらの同位元素は、1.2秒から約40日間の半減期で分解する。本発明は、この様な半減期の短いキセノンの放射性同位元素には言及しない。

0016

本発明の見地から、液体製剤とは一般に、ある種の脂肪親和性により、上記キセノンまたはクリプトンの様な脂溶性ガスを容易に取り込むことができる液体製剤で、前記製剤の具体例はエマルジョンである。

0017

麻酔作用を達成するには、医薬製剤へのキセノン添加量はエマルジョン1mlあたりキセノン約0.2から0.3mlであろう。これは、キセノン含有量が少なくとも0.2ml/mlエマルジョンの製剤に関して鎮痛および/または鎮静作用が保証できることを意味する。抗炎症作用は、0.1ml/mlエマルジョンで既に観察できる。30秒にわたる持続注入で、エマルジョン1mlあたり0.3mlのキセノンを含む20mlのエマルジョンが、約85kgの患者において準麻酔状態を引き起こすことが観察された。エマルジョン1mlあたり2から4mlのキセノンを含む添加濃度が高い過フルオロカーボンエマルジョンを用いる場合、麻酔を引き起こすために、例えば、このエマルジョン20mlを30秒かけて注入できる。麻酔を維持するには、少なくとも7.5ml/分の注入速度で十分であろう。従って、1時間の手術には合計470mlのエマルジョンが使用される。キセノン含有量がエマルジョン1mlあたり3mlの場合、これはキセノン容量1410mlであり、吸入麻酔消費されるキセノンのほんの一部にしか相当しない(体重85kgに基づくもので、これは1時間に1kgあたり16.6mlの消費量となる。)

0018

本製剤の不活性ガスに追加して、別の薬理活性物質を含めることも更に可能であり、特定の条件下では有利でもある。これは、例えば、静脈内投与鎮静薬または麻酔薬が可能である。このような物質が水溶性か脂溶性かによって、この物質は水相またはキセノンと共に脂質相に存在する。2,6−ジイソプロピルフェノールは、有効な麻酔薬であり(例えば、1.5〜20mg/ml)、好ましくは、目的に特に適切であることが認められている。0.1〜2mg/mlの濃度のエトミデート(Hypnomidate R 、イミダゾール−5−カルボキシル酸誘導体)も適切である。その他の麻酔薬に追加して溶解されたキセノンを使用することにより、麻酔をかけるために必要なジイソプロピルフェノールまたはエトミデートの濃度を下げることができる。従って、例えば、本発明の1mlの脂肪エマルジョン(エマルジョン1mlあたり約0.1gの脂肪を含む)は、キセノンに加えて、2.5〜20mgの2,6−ジイソプロピルフェノール、すなわち2.5、5.0、7.5、10、15または20mgを含むことが可能である。

0019

非常に一般的な見地から、キセノンと共に存在する麻酔、鎮痛、鎮静作用を有する物質は、別の麻酔薬、鎮痛薬、筋弛緩薬または鎮静薬が可能である。その他の適切な麻酔薬の例は、バルビツール剤(特に、バルビタールフェノバルビタールペントバルビタールセコバルビタールヘキソバルビタールチオペンタール)が一般的で、それにオピオイドである。公知の鎮痛薬は、特に、モルヒネ型化合物で、例えば、ヒドロモルホンオキシモルホンコデインヒドロコドン、テバコンヘロインなどがある。モルヒネの合成誘導体、例えば、ペチジン、レボメタドン、デキストロラミド、ペンタゾシンフェンタニルおよびアルフェンタニルを使用することも可能である。アントラニル酸誘導体フルフェナム酸メフェナム酸)、アクリル酸誘導体(ジコルフェナク、トルメチン、ゾメピラク)、アリールプロピオン酸誘導体(イブプロフェンナプロキセンフェノプロフェンケトプロフェン)およびインドール酢酸またはインデン酢酸誘導体インドメタシンスリンダク)等のより弱い鎮痛薬を使用することも可能である。使用される筋弛緩薬は、中枢性筋弛緩薬、例えば、バクロフェンカリソプロドールクロルジアゼポキシドクロルメザノンクロルオキサゾン、ダントロレンジアゼパム、フェニラドールオルフェナドリン等が可能である。本発明に遵って使用できる鎮静薬は特に、トリアゾラム、ロルメタバンクロチアゼパムフルラゼパムニトラゼパムフルニトラゼパム等のベンゾジアゼピン誘導体である。

0020

脂肪親和性不活性ガスを取り込むことができる液体は、例えば、血液代用物であり、過フルオロカーボンエマルジョンを含む(例えば、過フルブロン(perflubron))。

0021

多数のガスが、過フルオロカーボン化合物への溶解度が高いことは一般に知られている。本発明の過フルオロカーボンエマルジョンは、例えば、90%(重量/容量)までの過フルブロン(C8 F17)を含む。ニワトリ卵黄から得られるリン脂質の様な乳化剤が更に必要である。本発明に従ってキセノンを添加できるこれらの乳化剤は、例えば、J.A. Wahr et al. in Anesth. Analg. 1996, 82, 103-7に報告されている。

0022

適切なフルオロカーボンエマルジョンは、この20%w/vから125%w/vの高度にフッ素化された炭化水素化合物を含み、これらには例えば、ポリフッ素化ビスアルキルエテンフルオロデカリンまたは過フルオロデカリン等の環式フルオロカーボン化合物、フッ素化アダマンタン、またはフッ素化トリプロピルアミンおよびフッ素化トリブチルアミンの様な過フッ素化アミンフルオロカーボンが挙げられる。例えば、1−ブロモヘプタデカフルオロオクタン(C8 F17Br)、1−ブロモペンタデカフルオロヘプタン(C7 F15Br)、1−ブロモトリデカフルオロヘキサン(C6 F13Br)の様なモノ臭素化過フルオロカーボンの使用も可能である。(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )2 OCF(CF3 )2 ,(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )3 OCF(CF3 ),(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )2 OCF(CF3 )2 ,(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )3 OCF(CF3 ),(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )F,(CF3 )2 CFO(CF2 CF2 )3 F,(C6 F13)2 O等の過フッ素化アルキルエーテルまたはポリエーテルを含むその他の化合物も使用できる。上記過フルオロカーボンの塩素化誘導体も使用できる。

0023

上記過フルオロカーボン製剤は添加能がかなり高い。例えば、1から10ml/mlのキセノンの添加は、最も簡単な方法により達成された。例えば、これらの製剤は、それらにガスを通過させることによって、簡単に不活性ガスを添加することができる。

0024

脂質相に溶解または分散された脂肪親和性不活性ガスを含む脂肪エマルジョンを使用することも可能である。

0025

当量のキセノンを(脂肪)エマルジョンに加えることができることが見いだされている。従って、最も簡単な方法によってさえも、キセノンを1mlのエマルジョンあたり0.2から10mlの濃度で溶解または分散することができる(濃度は標準条件、すなわち20℃、通常の気圧に関するものである。)。キセノンの濃度は、多くの因子、特に脂肪または脂肪親和性物質の濃度に依存する。原則として、本発明の製剤は、飽和限界までキセノンを「添加」できる。しかし、例えば、静脈内投与でなお薬理作用が認められるならば、非常に低濃度も可能である。10%脂肪エマルジョンの場合、キセノン濃度をエマルジョン1mlあたり0.3から2mlにすることは簡単にできる。キセノン濃度を、例えばエマルジョン1mlあたり3、4、5、6または7mlのより高濃度にすることも勿論できる。これらの脂肪エマルジョンは、少なくとも気密容器内では、十分安定で、従来の保存期間にわたり気体として遊離されることはない。

0026

ガスを取り込む、すなわちガスを溶解および/または分散できる製剤の脂質相は、主にいわゆる脂肪で形成され、前記脂肪は本質的に長鎖および中鎖脂肪酸エステルである。この様な脂肪酸飽和または不飽和脂肪酸は、8から20個の炭素原子を含む。しかし、30個までの炭素原子を含むことが可能な、オメガ−3またはオメガ−6脂肪酸を使用することもできる。適切なエステル化脂肪酸は特に植物油で、例えば、綿実油大豆油アザミ油魚油等である。これらの天然油の主成分は脂肪酸トリグリセリドである。いわゆる水中油エマルジョン形態の製剤は特に重要で、エマルジョン中の脂肪の比率は従来5から30重量%で、好ましくは、10から20重量%である。しかし、原則として脂肪と共に乳化剤が存在し、証明された乳化剤は大豆ホスファチドゼラチンまたはホスファチドである。この様なエマルジョンは、通常は表面活性剤である乳化剤の存在下に、水と混合できない油を水と乳化することにより調製できる。その他の極性溶媒も水と共に存在することができ、例はエタノールグリセロールプロピレングリコール、へキシレングリコールポリエチレングリコールグリコールモノエーテル、水と混合できるエステル、その他)である。不活性ガスは、前の処理工程段階において脂質相に既に組み入れておくこともできる。しかし、最も簡単な例では、調製されたエマルジョンにキセノンが添加される。これは種々の温度で可能で、例えば、1℃から室温で可能である。この場合、エマルジョンを入れた容器に例えば、8大気圧以上の圧をかけることがしばしば有用である。

0027

本発明に従って、経静脈栄養に使用される様な脂肪エマルジョンを使用することができる。これらの脂肪エマルジョンは、適切な脂肪基剤(大豆油またはヒマワリ油)と耐用性が十分な乳化剤(ホスファチド)を本質的に含む。一般に使用される脂肪エマルジョンは、IntralipidR 、IntrafatR 、LipofundinR S 、Liposyn R である。これらの脂肪エマルジョンに関するより詳細な情報は、G. Kleinberger and H. Pamperl, Infusionstherapie, 108-117(1983) 3 に認められる。脂肪エマルジョンは一般に、リポソームの形態で存在する脂肪相を取り囲む水相の浸透圧を血液と等張にする添加剤も含む。グリセロールおよび/またはキシリトールをこの目的に使用することができる。更に、不飽和脂肪酸の酸化を防止するために、抗酸化剤の添加がしばしば有用である。ビタミンE(DL−トコフェロール)は、この目的に特に適している。

0028

上記トリグリセリドから形成できるが、一般に、いわゆるリン脂質分子からも形成できるいわゆるリポソームは、特に水中油エマルジョンの場合には、脂質相として特に有利である。これらのリン脂質分子は一般に、少なくとも1個のリン酸基から形成される水溶性部分と、脂肪酸または脂肪酸エステルから得られる脂質部分を含んでいる。

0029

米国特許第5334381号には、どの様にリポソームにガスを添加できるかが詳細に示されている。非常に一般的な観点から、装置をリポソーム、すなわち水中油エマルジョンで満たし、次いで内部のガスにより装置に圧をかける。この処理工程において温度を1℃の低温に下げることができる。ガスは加圧下に徐々に溶解し、リポソーム内部に入る。加圧を止めると小さな気泡が形成されるが、この段階でこれらはリポソームに包まれている。従って、高圧条件下で脂肪エマルジョン中にキセノンガスまたはその他のガスを保持することが実際可能である。分離ガス相がリポソーム外で形成されず、望ましい薬理作用が発揮されるならば、この様な製剤も本発明に従って使用できる。

0030

リポソームを形成する脂質は、天然でも合成脂質でもよい。この様な物質の例は、コレステロールホスファチジルエタノールアミンホスファチジルセリンホスファチジルグリセロールホスファチジルイノシトールスフィンゴミエリングリコスフィンゴ脂質グルコ脂質、糖脂質、その他である。リポソームの表面は、例えば、ポリエチレングリコールの様なポリマーにより更に変えることができる。

0031

所望のコントロールされた状態をより正確に監視できるように、本発明のコントロール装置が患者に関するその他の実験値の測定(例えば、聴神経刺激によって誘発された電位)も含めることができることは自明である。不活性ガスはを通じての換気によってのみ排出されるので、不活性ガスを含む製剤の静脈内投与においては、不活性ガス(特にキセノン)の最終呼気中濃度測定によって実際の静脈薬剤濃度を持続的に測定することが初めて可能となったのである。従って、変化する実際の動脈内濃度をコントロールすることによって、麻酔深度鎮痛効果の深度の両者、もし所望ならば筋弛緩も、正確にコントロールすることができる。この様に、本発明は目標にコントロールされる麻酔を実際に実現するものである。この場合、有効血漿濃度に関する数学的モデルは不要である。

0032

排出は肺を通じてのみであるから、臓器機能が制限されている患者、例えば肝臓あるいは腎臓またはその両方の機能不全の患者においても麻酔の正確なコントロールが可能である。

0033

本発明は麻酔をコントロールするための装置も提供する。患者の呼気中の不活性ガス濃度に相関して不活性ガス含有注入溶液の静脈内供給が調節されるのである。呼気中の不活性ガス濃度は、特にキセノンの場合、ガス検出器によって特に容易に測定することができる。

0034

本装置の特徴は、装置として極めて単純であることである。特に、狭いスペースしか必要としない点が大きな利点となる救急医療において、利用することが可能である。本装置は、ガス麻酔により麻酔を監視またはコントロールするために使用される装置の一部ともなり得る。

0035

本発明は、(a)鎮静薬として活性を示す量の脂肪親和性不活性ガスを含むエマルジョンを提供する設備、(b)データ測定手段、これによって患者のデータを記録し、前記データにより患者の状態に関する結論を引き出すことができる、(c)測定データに相関して、設備から患者へのエマルジョンの投与をコントロールする手段、を有する、鎮静、特に鎮痛と鎮静を誘発するための装置を提供する。(監視された)鎮痛鎮静のための装置は、集中治療の状況で、また心臓手術の後で特に有用である。この装置は、灌流器、任意で呼気中キセノンを測定する手段、およびパルスオキシメータを含む。鎮静と同時に無痛を達成できることは有利である。

0036

要約すると、本発明の装置は種々の環境、特に集中治療、内視鏡膀胱鏡表在部の手術、心臓手術などにおいて使用できる。

0037

本発明は、患者に静脈内投与される製剤中のキセノン濃度を、麻酔をかけられた患者の呼気中のキセノン濃度に相関して調節する、コントロールされた麻酔をかけるための装置も提供する。この様な装置は、任意でミキサーを備えており、その中で製剤がキセノンと混合される。このミキサーは温度を調節できる(1℃から35℃の範囲)。(製剤は、予めキセノンを添加しておくこともできる。)既述の様に、キセノンはこの処理工程で大量に溶解される。最も簡単な例では、ミキサーは1つの容器で構成することが可能で、その容器に製剤を通過させ、容器はキセノンを透過できる半透膜により一部取り囲まれている。この場合、製剤中のキセノン濃度は、半透膜にかかるキセノンの圧によって本質的に決定される。この場合、キセノンガスの溶解や分散を改善するために、その他の補助的手段を、例えば、発動機を用いる、あるいは用いない攪拌部品を更に検討することも可能である。溶解または、超音波照射により改善することも可能である。患者を簡単に観察することにより、麻酔がまだ十分に効いている時の呼気中のキセノン濃度を、麻酔の全過程を通して、今では簡単に決定することが可能である。麻酔の深度が十分なレベル以下である場合には、製剤を介してキセノンの投与量を増加することにより後者を達成することができる。製剤を介するキセノンの供給は、今ではキセノン添加と注入速度(例えば、従来の注入ポンプにより)によりコントロールできる。この手順により、麻酔の微調節が可能となり、これは静脈内麻酔薬ではこれまでは達成できなかったことである。

0038

本発明は、キセノンの混合を行わない以外は、上記の装置に実質的に相当する装置も提供する。この様な場合、製剤は常にキセノンを既に添加された状態で、麻酔は、呼気中キセノン濃度測定値に相関して、注入速度またはキセノン濃度を調節することによってコントロールされる。製剤中のキセノン濃度は、例えば、不活性ガスを含まない別の製剤を混合することにより、減少させることができる。この場合も、単純な注入ポンプ(任意で蠕動ポンプ)が本発明の目的を果たす。この装置でも、キセノンが製剤の中に混合される既述の装置でも、温度調節は可能である。

発明を実施するための最良の形態

0039

コントロールされた麻酔を実施するための本発明の装置が、図3の図を参考により詳細に説明されている。

0040

この装置は、不活性ガスを溶解された形態で取り込むことができる液体製剤の貯蔵容器30、不活性ガス用ガス容器4、およびその中で製剤が不活性ガスと混合されるミキサー3から構成される。患者への静脈内投与を調節するためのコントロール装置(注入ポンプ、調節装置、その他)は示されていない。本発明の装置はまた、図4の図を参考に更に詳細に説明されている。この装置はコントロールされた麻酔に使用でき、麻酔をかけられた患者の呼気中キセノン濃度は分析により測定され、患者に静脈内投与された製剤中のキセノン濃度は、この分析値に相関して調節される。従って、装置は、任意で温度調節可能な製剤貯蔵容器1(温度範囲1℃から35℃)から構成され、これはやはり任意で温度調節可能なミキサー3にライン5によって接続されている。キセノンは、キセノンボンベ4から、ライン6、計量器2、もう1本のライン7を通過しミキサー3に入り、ミキサー3の中の製剤と混合され、大量のキセノンがエマルジョンに溶解する。キセノンを含む製剤は、次にライン8を通過し、静脈にアクセスし、麻酔をかけられる患者に投与される。製剤は、本質的に公知のポンプによって運搬される(図に示されていない)。医療分野では、いわゆる蠕動ポンプが、この最も単純な例で使用されている。本発明の装置においては、この様なポンプは、例えば、ライン5に、更にライン8に提供できる。最終呼気感知分析の手段、およびサンプリング手段は図示されていない。通常、呼気は、チューブ連結装置において、またはマスク呼吸およびマスク酸素補給の場合には患者の呼吸中に口の部分においてサンプリングされる。呼気中のキセノン濃度測定方法は一般に公知である(ガス検出器等)。(溶液とガスの流入および流出を調節できる種々のバルブも図示されていない。)

0041

図5は、鎮静を誘発するための閉鎖ループコントロールを用いる本発明の装置を図示するものである。この場合、一方では、呼気中の不活性ガスを測定することにより、血中有効キセノン濃度が測定される。その一方で、患者に関するその他の実験データ(例えば、聴神経刺激によって誘発された電位)が記録される。両方の実験結果が、灌流ポンプの調節に利用される。

0042

呼気中のキセノン濃度(キセノン感知器または検出器9)と聴神経刺激によって誘発された電位(記録装置10)はデータライン22と23を介して灌流ポンプ21に入れられる。実験データは処理され(例えば、コンピュータにより)、キセノンを含む製剤の注入速度に変換され、その注入速度でライン8を通って患者に注入される。換言すれば、測定された実験データにより灌流ポンプが調節され、これが順に注入速度を決定する。ここに図示された装置は勿論模式図に過ぎず、例えば、コントロール中に手動で介入できるように、実際の装置には従来提供されている表示器調節器等が含まれている。灌流ポンプへの供給ライン、およびキセノン添加製剤を供給する貯蔵容器は図示されていない。

0043

図6は、本発明の装置が麻酔の一般的コントロールにどの様に組み入れることができるかを、図示するものである。この装置は、製剤用貯蔵容器1、ミキサー3、キセノンボンベ4、計量器から構成される。計量器は2はキセノン検出器9に接続されており、最終呼気のキセノン濃度を測定し、実験値を計量器2に提供する。それから、液体製剤に計量しながら供給されるキセノンの量が計量器により調節される。次に、キセノンを含む製剤は、ミキサー3から注入チューブ8を通って患者に投与される。注入速度も当然呼気中キセノン濃度により調節され得る。

0044

ガスまたは吸入麻酔を供給するために、調節装置も提供されている。この装置は、吸入マスク35を通じて麻酔ガスを供給および回収するための入口および出口チューブ31および32を含む。

0045

脂肪エマルジョン
以下の具体例においては脂肪エマルジョンとして市販されているIntralipid製剤(Pharmacia & Upjohn GmbH 社、ドイツ、エルランゲン市)が使用された。基本的にはこれらのエマルジョンは大豆油、3−sn−ホスファチジルコリン鶏卵卵黄由来)、グリセロールから構成されている。例えば、IntralipidR 10脂肪エマルジョンの組成は以下の通りである:

0046

大豆油100g
鶏卵の卵黄由来の
(3−sn−ホスファチジルコリン6g
グリセロール22.0g
注射用水添加 1000ml

0047

水酸化ナトリウムを用いてpHが8.0に調節されている。
エネルギー価/1:4600KJ(1100kcal)
浸透圧:260mOsm/l

0048

例えば、IntralipidR 20脂肪エマルジョンは下記の組成である。

0049

大豆油200g
鶏卵の卵黄由来の
(3−sn−ホスファチジル)コリン12g
グリセロール22.0g
注射用水添加 1000ml

0050

水酸化ナトリウムを用いてpHが8.0に調節されている。
エネルギー価/1:8400KJ(2000kcal)
浸透圧:270mOsm/l

0051

過フルオロカーボンエマルジョンへのキセノンの添加
一連の過フルオロカーボンエマルジョンを調製し、あるいは購入してキセノンを添加した。製剤の活性は動物モデルウサギ)を利用して確認された。全てのエマルジョンは上記のIntralipid製剤と同じ方法で使用した。すなわち、実験動物を、の中へ注射することによって迅速に麻酔した(約1ml)。

0052

各エマルジョンをビーカー内に置き、キセノンガスをエマルジョン内を通過させることによって添加した。次のフルオロカーボン化合物を利用した。過フルオロヘキシロクタン(1)、過フルオロデカリン(2)、パーフルブロン(perflubron: C8 F17)(3)。

0053

乳化剤は、例えば、卵黄レシチン(Lipoid GmbH 社、ドイツ、Ludwigshafen)、Pluronic PE6800 およびPlulronic F68 もエマルジョンを作製するのに利用した。全てのエマルジョンに関して、わずか40%(重量/容積、すなわちエマルジョンの容積に対する過フルオロカーボンの重量)の過フルオロカーボンエマルジョンでエマルジョン1ml当たり1ないし4mlのキセノンを吸収することが可能である。

0054

動物実験による研究
本発明によって麻酔のコントロールが可能であること、、今回の場合は麻酔の維持が可能であることを証明するために、14〜16週齢、体重36.4〜43.6kgの24頭を対象に実験を行なった。動物無作為に全部で6群に分割し、従来の方法、あるいは本発明によるエマルジョンのいずれかの方法で麻酔した。全ての群において、麻酔はペントバルビトン体重kg当たり8mg)およびブプレノルフィン(体重kg当たり0.01mg)による大量静脈内投与によって導入された。次に、麻酔は従来の吸入麻酔(笑気、あるいはキセノン/酸素混合ガス)、あるいはペントバルビトンとブプレノルフィンの静脈内投与によって維持された。1群(比較群)においては麻酔は2,6−ジイソプロピルフェノール(10mg/エマルジョン1ml)の静脈内投与によって維持された。各群4頭の豚群のうちの2群(本発明による群)は麻酔の維持に関しては、本発明のキセノンによって予め飽和されている(エマルジョン1ml当たりキセノン約0.3ml)重量比10%の脂肪エマルジョンが1ml/kg/時間で静脈内注入された。第2群においては、2,6−ジイソプロピルフェノールが7.5mg/体重kg/時で脂肪エマルジョンに追加投与された。

0055

豚に外科的手術標準手術:左大腿動脈切開)(各群内、および各実験動物に関して同一手術)が行なわれ、アドレナリン濃度、心拍数動脈圧酸素消費量が記録された。各群において必要なレベルまで鎮痛効果と麻酔深度を達成するために投与が必要であったペントバルビトンの追加量が決定された。

0056

群アドレナリン心拍数動脈圧VO2ペントバルビトン
pg/ml min-1 mm Hg ml/min必要量
mg/kg/min
比較群 60 115 110 410 0.25
134 120 105 391 0.36
112 105 115 427 0.31
85 98 101 386 0.42
第1群 38 112 112 341 0.09
21 106 100 367 0.04
16 95 104 348 0.11
30 112 118 334 0.15
第2群 10 88 100 325 -
23 100 85 346 -
14 94 93 331 -
8 104 87 354 -

0057

ここで、VO2 は単位時間あたりの酸素消費量を示す。

0058

本表に示された値は、本発明による製剤が、特に付加的な鎮痛作用に関して、現在利用可能な静脈内麻酔薬の全てよりも優れていることを示している。従って、第1群(キセノンによって飽和された10重量%の脂肪エマルジョン群)の豚は、比較(比較群参照)によって、著明ストレスの低下(アドレナリン濃度)、酸素消費量(VO2 )の低下、ペントバルビトン必要量の低下(すなわち良好な麻酔作用)を示した。最先端の静脈内麻酔薬との差異は、第2群(2,6−ジイソプロピルフェノールの10%脂肪エマルジョンでキセノンを添加されている)の結果を比較群と比較すると最も明らかである。これによって著明なストレスの低下が証明されているだけではない。著明な心拍数低下および動脈圧低下と酸素必要量の低下が組み合わされて、ペントバルビトンの追加投与量を不要とすることが可能であった。

0059

本研究は達成すべき目標、この場合には麻酔の維持が、麻酔の全経過にわたって達成可能であることを示している。

0060

もう1つの群(体重31.4から39.8kgの4頭の豚)で過フルオロカーボン製剤の使用が検討された。この実験群ではキセノン含量がエマルジョン1ml当たり2.1mlの40%過フルオロカーボンエマルジョンを使用した。導入および挿管のために、豚に20mlのエマルジョンを20秒かけて静脈内投与した(体重kg当たりキセノン1.34mlに相当)。挿管および呼吸開始後に、キセノンを30分にわたり持続的に静脈内に投与した。従って、実験動物は総量で75mlのエマルジョンを投与されたことになる(体重kg時間当たりキセノン10mlに相当)。

0061

0062

上の表はアドレナリン濃度、心拍数、動脈圧および酸素消費量に関する実験結果を示している。この結果は、キセノンの添加量と注入速度を増す(5ml/kg/h以上)ことによって、本発明による薬剤のみを使用して完全な麻酔が得られることを示している。全体として、単位時間あたりの酸素消費量(VO2 )は低下し、麻酔のストレス(アドレナリン濃度および心拍数)は減少することが立証されている。

図面の簡単な説明

0063

図1本発明の原理に使用できるようなシリンジを示す。本発明の非常に単純な実施例において、キセノン含有製剤を保持するシリンジは、麻酔薬、鎮痛薬または鎮静薬として有効量の脂肪親和性不活性ガスを含む製剤を提供する設備として考えられる。
図2調節装置が付いた充填注入バックである、本発明の装置を示す。
図3排液チューブが付いた充填された注入バックと、投与を調節するための単純な調節装置を有する本発明の装置を示す。
図4本発明の別の装置を示す。
図5鎮静を誘発するための本発明の装置を図示するものである(いわゆる閉鎖ループの配置)。
図6ガスによる麻酔を実施するための装置の一部で、呼気中の不活性ガスを測定するための手段を含む、本発明の装置を示す。

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