図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
従来、同軸ケーブルによる信号伝送用システムから電子機器に高周波信号を導くための機器としては、ケーブルテレビジョンや集合住宅におけるTV共同聴取設備などに多用されているタップオフが代表例である。そのシステムと機器とについて述べる。
図9は、従来のTV信号用タップを多用したCATV共同受信設備の概要を示すもので、図9において101,102,103,104はTV信号受信用のアンテナ群で、101および102はBSおよびCS受信用のSHF帯のパラボラアンテナを示し、103はVHF帯の地上波受信用、そして104はUHF帯の地上波受信用のアンテナを示している。
これらのアンテナ群で受信された各TV信号は、同軸ケーブル105,106,107,108で混合器増幅器121に導入される。この他に、CATV聴取受信設備ではVTR122,123,124からのビデオテープによる番組が混合器125でレベル調整とか成形をされた上で、同じく混合器増幅器121の入力に同軸ケーブルで導かれて所定出力レベルに設定された後、幹線増幅器131の入力に入る。
さらに、分岐増幅器132は4分配器を示しているが、ここで4等分に分配されたCATV信号は、タップが多段に接続された同軸ケーブルを通して、タップオフ133,134により各TV視聴者140に配信される。
この場合、各アンテナと混合器、増幅器、VTR、チャンネル変換器、モニタ等の機器を一体としたものが端局の性格を帯びていることから、一般にこれらを総称してヘッドエンドと呼ばれている。
ここで、従来のCATVタップオフを説明しておくと、電気的には方向性結合器を利用した機器で、入力端子から入った高周波信号は、その一部が分岐端子に結合し、残りはそのまま出力側に伝送される。この場合、出力端子側から入る高周波信号は入力側には伝送されるが、分岐端子へは結合しない、いわゆるハイブリッド回路になっている。これは、当該タップオフよりも下り回線側にあるTVから発生した雑音が流入しないように配慮した結果である。また、通常使用可能な周波数帯は5−1,000MHz程度である。
図10は、従来のCATVタップの構造概要を示すもので、この図10において入力端子151は、同軸ケーブルの内部導体が接続され、高周波信号を筐体内部に導く役目をしており、内部導体は上下組み合わせ型の金属ケース152に対して絶縁されている。入力側の同軸ケーブルの外部導体は、入力端子151と同軸のコネクタシェル154とで筐体に接地される構造になっている。同様に、出力端子は入力端子151の反対側の筐体側面に、入力端子151と同様な方式で取り付けられている。
分岐端子153は、下側ケース152の表面に、その内部導体を絶縁した形でコネクタで取り出される。これらは、道路際などの電柱間に張られたメッセンジャーワイヤに、露出した形で取り付けられるので、そのために規定寸法のネジ孔の明いたストランドクランプ155で、メッセンジャーワイヤをネジ止めするのが一般的である。
概要
同軸ケーブルの任意の場所に設定でき、ケーブルテレビジョン用サービスと同時に、電話用サービスが合理的かつ経済的に行えるとともに、システムの拡張、交換、変更工事を時間的に早くかつ経済的に対応できるケーブルテレビジョン・テレホンタップを提供すること。
同軸ケーブルを利用して加入者に対し高周波信号とともに電話用電流を分配供給するケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、少なくとも上側筐体と下側筐体とを含み、互いに組み合わされる複数の筐体1,2と、前記上側筐体および下側筐体の何れか一方における同一筐体壁面に配置された、前記加入者に対する前記高周波信号の分岐端子9と、前記分岐端子と同じ筐体壁面に設けられた前記電話用電流を流す電流分配線を挿通するための貫通孔7と、前記筐体における前記貫通孔の周囲に、前記筐体と協働して前記貫通孔を取り囲むように設けられた隔壁43と、をそなえたことを特徴とするケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
目的
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、同軸ケーブルの任意の場所に設定でき、ケーブルテレビジョン用サービスと同時に、電話用サービスが合理的かつ経済的に行えるとともに、システムの拡張、交換、変更工事を時間的に早くかつ経済的に対応できるケーブルテレビジョン・テレホンタップを提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
同軸ケーブルを利用して加入者に対し高周波信号とともに電話用電流を分配供給するケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、少なくとも上側筐体と下側筐体とを含み、互いに組み合わされる複数の筐体と、前記上側筐体および下側筐体の何れか一方における同一筐体壁面に配置された、前記加入者に対する前記高周波信号の分岐端子と、前記分岐端子と同じ筐体壁面に設けられた前記電話用電流を流す電流分配線を挿通するための貫通孔と、前記筐体における前記貫通孔の周囲に、前記筐体と協働して前記貫通孔を取り囲むように設けられた隔壁と、をそなえたことを特徴とするケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項2
請求項3
請求項2記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、前記応圧性充填材は、高分子化合物により形成されてなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項4
請求項5
請求項2ないし4の何れかに記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、前記応圧性充填材に圧力を加えるための押さえ板を有するケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項6
請求項2ないし5の何れかに記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、前記応圧性充填材は、高分子化合物に磁性体粉を分散してなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項7
請求項1記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、電流分配線用の貫通孔を配置した筐体とは異なる筐体に、前記電流分配線の接続のための操作をする窓を設けてなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項8
請求項1記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、電流分配線用の貫通孔を配置した筐体と同一の筐体に、前記電流分配線の接続のための操作をする窓を設けてなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
請求項9
同軸ケーブルを利用して加入者に対し高周波信号とともに電話用電流を分配供給するケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、少なくとも上側筐体と下側筐体とを含み互いに組み合わされる複数の筐体と、前記複数の筐体の何れか一方に設けられた前記電流分配線の接続のための操作をする窓とをそなえたことを特徴とするケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
技術分野
0001
本発明のケーブルテレビジョン・テレホンタップは、主として一般住宅とか集合住宅、または事務所などに設置される同軸ケーブルによるTV信号伝送用システムから加入者に対してTV高周波信号を配信すると同時に、同軸ケーブルに重畳する形式で、あるいは同軸ケーブルとは別個に設けた電流分配線によって、電話機に低周波電流を給電するためのケーブルテレビジョン・テレホンタップである。
背景技術
0002
従来、同軸ケーブルによる信号伝送用システムから電子機器に高周波信号を導くための機器としては、ケーブルテレビジョンや集合住宅におけるTV共同聴取設備などに多用されているタップオフが代表例である。そのシステムと機器とについて述べる。
0003
図9は、従来のTV信号用タップを多用したCATV共同受信設備の概要を示すもので、図9において101,102,103,104はTV信号受信用のアンテナ群で、101および102はBSおよびCS受信用のSHF帯のパラボラアンテナを示し、103はVHF帯の地上波受信用、そして104はUHF帯の地上波受信用のアンテナを示している。
0004
これらのアンテナ群で受信された各TV信号は、同軸ケーブル105,106,107,108で混合器増幅器121に導入される。この他に、CATV聴取受信設備ではVTR122,123,124からのビデオテープによる番組が混合器125でレベル調整とか成形をされた上で、同じく混合器増幅器121の入力に同軸ケーブルで導かれて所定出力レベルに設定された後、幹線増幅器131の入力に入る。
0005
さらに、分岐増幅器132は4分配器を示しているが、ここで4等分に分配されたCATV信号は、タップが多段に接続された同軸ケーブルを通して、タップオフ133,134により各TV視聴者140に配信される。
0007
ここで、従来のCATVタップオフを説明しておくと、電気的には方向性結合器を利用した機器で、入力端子から入った高周波信号は、その一部が分岐端子に結合し、残りはそのまま出力側に伝送される。この場合、出力端子側から入る高周波信号は入力側には伝送されるが、分岐端子へは結合しない、いわゆるハイブリッド回路になっている。これは、当該タップオフよりも下り回線側にあるTVから発生した雑音が流入しないように配慮した結果である。また、通常使用可能な周波数帯は5−1,000MHz程度である。
0008
図10は、従来のCATVタップの構造概要を示すもので、この図10において入力端子151は、同軸ケーブルの内部導体が接続され、高周波信号を筐体内部に導く役目をしており、内部導体は上下組み合わせ型の金属ケース152に対して絶縁されている。入力側の同軸ケーブルの外部導体は、入力端子151と同軸のコネクタシェル154とで筐体に接地される構造になっている。同様に、出力端子は入力端子151の反対側の筐体側面に、入力端子151と同様な方式で取り付けられている。
0009
分岐端子153は、下側ケース152の表面に、その内部導体を絶縁した形でコネクタで取り出される。これらは、道路際などの電柱間に張られたメッセンジャーワイヤに、露出した形で取り付けられるので、そのために規定寸法のネジ孔の明いたストランドクランプ155で、メッセンジャーワイヤをネジ止めするのが一般的である。
発明が解決しようとする課題
0011
しかしながら、入出力端子I/Oに接続される幹線には増幅器の電源電流が流れているので、図11に示すように方向性結合器DCおよび分岐器SPを用いて高周波信号を分岐するとともに、幹線からの電流を加入者端子BにチョークコイルLを用いて分流し高周波信号と重畳して分配する方法が考えられる。このような方式では、次のような問題がある。
0012
1. 1加入者当たり約200mAの電流を供給しなければならないが、長期間の使用に対し、従来型のタップの分岐端子における芯線の接触の信頼性に不安がある。
2.幹線に加入者端子Bの数に応じたチョークコイルLが並列に挿入されるので、チョークコイルL間の結合による共振によって幹線の高周波伝送特性に影響する場合がある。
3.加入者側の機器に、高周波信号と電話用低周波電流の分離装置が要求される。
4. TV受信に加入したまま電話の加入を休止する場合の装置をタップに必要とし、それを動作させるため当該加入者以外の加入者の電話やTVを一時的に切断しなければならない場合がある。
5. 上記2.、3.、4.記載の装置を収納するため、タップの大きさが従来に比べ著しく大きくなり、取り扱いに不便をきたす。ことなどである。
0013
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、同軸ケーブルの任意の場所に設定でき、ケーブルテレビジョン用サービスと同時に、電話用サービスが合理的かつ経済的に行えるとともに、システムの拡張、交換、変更工事を時間的に早くかつ経済的に対応できるケーブルテレビジョン・テレホンタップを提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
課題を解決するための手段
0014
上記目的達成のため、本発明では、請求項1記載の、同軸ケーブルを利用して加入者に対し高周波信号とともに電話用電流を分配供給するケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいて、少なくとも上側筐体と下側筐体とを含み、互いに組み合わされる複数の筐体と、前記上側筐体および下側筐体の何れか一方における同一筐体壁面に配置された、前記加入者に対する前記高周波信号の分岐端子と、前記分岐端子と同じ筐体壁面に設けられた前記電話用電流を流す電流分配線を挿通するための貫通孔と、前記筐体における前記貫通孔の周囲に、前記筐体と協働して前記貫通孔を取り囲むように設けられた隔壁と、をそなえたことを特徴とするケーブルテレビジョン・テレホンタップ、請求項2記載の、請求項1記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける前記貫通孔に応圧性充填材を配してなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ、請求項3記載の、請求項2記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける前記応圧性充填材は、高分子化合物により形成されてなるケーブルテレビジョンテレホンタップ、請求項4記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける前記高分子化合物は、室温硬化型シリコンゴムであるケーブルテレビジョン・テレホンタップ、請求項5記載の、請求項2ないし4の何れかに記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける前記応圧性充填材に圧力を加えるための押さえ板を有するケーブルテレビジョンテレホンタップ、請求項6記載の、請求項2ないし5の何れかに記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける前記応圧性充填材は、高分子化合物に磁性体粉を分散してなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ、請求項7記載の、請求項1記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける電流分配線用の貫通孔を配置した筐体とは異なる筐体に、前記電流分配線の接続のための操作をする窓を設けてなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ。
0015
請求項8記載の、請求項1記載のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける電流分配線用の貫通孔を配置した筐体と同一の筐体に、前記電流分配線の接続のための操作をする窓を設けてなるケーブルテレビジョン・テレホンタップ、および請求項9記載の、同軸ケーブルを利用して加入者に対し高周波信号とともに電話用電流を分配供給するケーブルテレビジョン・テレホンタップにおける少なくとも上側筐体と下側筐体とを含み互いに組み合わされる複数の筐体と、前記複数の筐体の何れか一方に設けられた前記電流分配線の接続のための操作をする窓とをそなえたことを特徴とするケーブルテレビジョン・テレホンタップ、を提供するものである。
0016
(実施例1)図1は、本発明の第1の実施例の外観を示す斜視図である。この図1は、上側筐体1の斜め上から見た状態を示しており、上側筐体1には、3つの端子つまり入出力端子1−1,1−2および1−3と、その上部にメッセンジャーワイヤに吊下するためのストランド・クランプ4−1および4−2が取り付けられている。この上側筐体1に対して、下側筐体2が、合体ボルト8−1,8−2,8−3により固定される。他に同様の3本の合体用のボルトがあるが、図1には示されていない。
0017
上側筐体1の側面にはフランジ3で周囲を囲われた窓12があり、この窓12から下側筐体2に取り付けられた電流分配用コネクタ5の接、断および電流制限素子6の着脱を操作する。この窓12には、ヒンジ3″で支持されるドア3′が設けられており、このドア3′に脱落防止構造によって取り付けられたボルト10−1,10−2(図示せず)を、上側筐体1におけるフランジ3の外側に設けられた雌ねじ11−1,11−2に締め込むことにより、ドア3′を固定する。
0018
ここで、ドア3′と上側筐体1とは、フランジ3部分の防水用ガスケット13によって防水構造になっている。なお、図1では示していないが、防水ガスケット13の内側に金属製のメッシュガスケットを設けることにより、電磁的な遮蔽を強化してもよい。
0019
窓12の内側に配された、応圧性充填材である高分子化合物を押さえる押さえ板14には、電流分配線が通過するための貫通孔7が明けられている。この貫通孔7の数は、電流分配用コネクタと同様に、高周波信号の分岐端子の数と同数である。
0020
図2は、図1に示した実施例を図1とほぼ同方向の斜め下側から見た斜視図である。この図2は下側筐体の外観を示したものであり、中央に8個の高周波信号分岐端子9が直線上に設けられている。そして、図1の高分子化合物を押さえる押さえ板14に明けた孔7に対応する位置に、下側筐体2に明けられた電流分配線が通過する貫通孔がある。
0022
入出力端子は、上側筐体1に切られた雌ねじとして形成され、この雌ねじに幹線用フィッティング形のコネクタが筐体の外側からねじ込まれ、また芯線はコンタクトポスト1−3′の貫通孔1−3′aに差し込まれた上で、芋ネジ1−3′bで締め付けられる。上側筐体1の天井板付近に取り付けられたプリント配線板40には、各種電気部品が取り付けられ、ネジで上側筐体1に取り付けられている。
0023
このプリント配線板40上に取り付けられる電気部品のうち、主たるものとして高周波阻止用のチョークコイル21−1,21−2,21−3および高周波通過用のコンデンサ22−1,22−2,22−3がある。また、プリント配線板40と3本のリードとで構成された高周波用のジャンパープラグ23が、リードがプリント配線板40に半田付けされたソケットに差し込まれて装着される。ここで、3本のリードのうち両端の2本はプリント配線板40で接続されており、中央のリードはアースパターンとして使用され、高周波的にインピーダンスを整合する役目をしている。
0024
ここで、ジャンパープラグ23が差し込まれるソケット23−1は、図示しない回路パターンおよびコンデンサ22−1を通じて入出力端子1−1に接続され、同様にソケット23−2はコンデンサ22−2を通じて入出力端子1−2に接続され、またソケット23−3もコンデンサ22−3を通じて入出力端子1−3に接続されている。他の2個のソケットは、プリント配線板40のアースパターンに接続されている。したがって、ジャンパープラグ23をソケット23−1とソケット23−2とが短絡するように差し込むか、ソケット23−1とソケット23−3とが短絡するように差し込むかで、エアリアルマウントとペデスタルマウントの切替ができる。
0025
プリント配線板40の中央に設けられた方向性結合器24は、周囲をシールドケースで覆われている。この方向性結合器24は、プリント配線基板40に取り付けられたソケットに差し込まれるが、構造的には左右対称になっており、差し方によって高周波信号の方向を変えることができる。
0026
方向性結合器24の近傍に設けられ、上側筐体1と下側筐体2とを接続する高周波信号用の摺動式同軸コネクタのオス側25には、図4に示す同軸コネクタの雌側25′の外周ねじ部が摺動挿入されて接続される。
0027
またプリント配線板40には、電話用電流を下側筐体の電気回路を伝えるためのコネクタのオス側のピン26が設けられている。このピン26は、図4の隔壁43に取り付けられたソケット(雌側)に接続される。ただし、このソケットは図示されていない。
0028
ここで、本発明のケーブルテレビジョン・テレホンタップにおいては、設置通電後に高周波分岐量(タップバリュー)の変更などのために、通電状態で下側筐体2を外すことがある。この場合、上側筐体1と下側筐体2との接触は外れても、電話用電流のコネクタ26が接触していると、下側筐体2を持っている人間の手を通じてアースに電気が流れ、感電することがあって危険である。そこで、接触用金属バネ片41−1および42−2は、下側筐体2が完全に外れるまで後述する図4の隔壁43−1および43−2の外側の側面に接触して、上側筐体1のケースにアース電流を流し感電を防ぐ。溝42−1および42−2には、遮蔽効果を更に高めるために、金属製メッシュガスケット(図示せず)などを入れてもよい。
0031
そして下側筐体2の内部には、導電材料製の隔壁43に固定されてプリント配線板56が設けられており、このプリント配線板56上に電流制限素子6および電流分配用端子が搭載されている。隔壁43は、下側筐体2の溝42−1および42−2に差し込まれ、ネジ53(一部図示せず)で固定されている。
0032
これにより、下側筐体2の隔壁両側部43−1および43−2が、上側筐体1の溝42−1および42−2に入り込み、上側筐体1と下側筐体2とが合体したとき両筐体1,2を接続し、上側筐体1の内部と窓12の開口との間を電気的に遮蔽する。
0033
隔壁43によって支持されたプリント配線板56には、電話用電流を分配する電流分配線50が接続される。この電流分配線50は、電流分配コネクタ5および電流制限素子6に接続されるもので、下側筐体2の貫通孔7′を経てゴム製のガスケット51を通過し、押さえ板14の貫通孔7を通り電流分配用端子台5に接続されている。そして、ガスケット51には、電流分配線50の外径よりやや小径の貫通孔が開いており、電流分配線50はこの貫通孔に圧入されて挿通される。
0034
また、押さえ板14は、ネジ52−1および52−2(図示せず)で圧縮されるため、下側筐体2と高分子化合物などの応圧性材料により形成されたパッキング51との間を加圧状態に保持して両者間を防水する外、パッキング51の圧縮によって電流分配線50に一層密着する。高分子化合物には、たとえば室温硬化型シリコンゴムなどがあり、これにさらに磁性体粉を混入してもよい。したがって、電流分配線50の直径が異なった場合でも優れた防水効果を発揮する。
0035
図5は、図1の実施例に適用される防水構造の他の例を示す断面図である。この図5は、この防水構造部分の他の構造を示したものである。この場合、電流分配線50は、ほぼ電線の直径に等しい貫通孔の明いたゴム栓201を通して下側筐体の立ち上がり部204の貫通孔207を通過させる。下側筐体204の貫通孔207部分は筒状に外側に向けて延設されており、外周面にはネジが切られている。電流分配線50を通したゴム栓201は、座金202を介して蓋203によって締め付けられることで収縮し電流分配線50に密着するうえ、下側筐体の立ち上がり部204の貫通孔207の内壁に密着するため、優れた防水効果を発揮する。下側筐体204の内部においては、電流分配線50は磁性体205および押込み式の押さえ板206を通過させており、電磁シールド効果を持たせることができる。
0036
図6は、図1の実施例における回路構成を示しており、図1の実施例の高周波信号用の出力端子が4つの場合を例に、本発明のケーブルテレビジョン・テレホンタップの動作を説明するための回路構成を示している。この図6に示した回路において、入出力端子1−1,1−2,1−3は、幹線の高周波ケーブルに接続される。幹線に挿入されたチョークコイル21−1,21−2,21−3は、幹線に流れる電話用低周波電流のみを通過させ、高周波信号に対しては高いインピーダンスとなって通過を阻止する。これに対して、コンデンサ22−1,22−2,22−3は、幹線に流れる高周波信号は通過させ、電話用の低周波電流に対しては高いインピーダンスとなり、これを阻止する。
0037
ここで、ケーブルテレビジョン・テレホンタップの設置方法には、主として電柱間に展張されたメッセンジャーワイヤに取り付けて使用する、通称「エアリアルマウント」と、主としてケーブルを地下に埋設して設置される場合にペデスタルボックスに取り付けて使用する、通称「ペデスタルマウント」とに分けられる。
0038
エアリアルマウントの場合は、入出力端子1−1および1−2に、幹線の同軸ケーブルを接続し、入出力端子1−3には、保護用に防水構造の蓋を取り付ける。また、ペデスタルマウントの場合は、入出力端子1−1および1−3に、幹線の同軸ケーブルを接続し、入出力端子1−2には、保護用に防水構造の蓋を取り付ける。このエアリアルマウントおよびペデスタルマウントの各場合に、高周波の通過するラインを切り換えるための高周波用のジャンパープラグ23が設けられる。
0039
方向性結合器24は、方向性結合器としての入力端子24−1、方向性結合器の分岐端子24−2、方向性結合器としての出力端子24−3を有する。この方向性結合器24はプラグインユニットになっており、チョークコイル21およびコンデンサ22が取り付けられているプリント基板のソケットに差し込まれる。したがって、高周波信号が入出力端子1−2→入出力端子1−1の方向に流れるときは、方向性結合器24を逆に差し込むことで、入出力端子1−1,1−2の接続をやり直さなくとも幹線の信号の流れに対応することができる。
0040
この図6では、コンデンサ22−1側に方向性結合器の入力端子24−1が接続され、方向性結合器の出力端子24−3はジャンパープラグ23を通じてコンデンサ22−3の側に接続されているので、ケーブルテレビジョン・テレホンタップの入力端子1−1、出力端子1−3を有するペデスタルマウントの状態を示す。
0041
また、方向性結合器24の分岐端子は、下側筐体に取り付けられたプリント配線板上の分配器27に、高周波同軸コネクタ25により接続される。ここでは4分配の場合を示しており、各分配出力はコンデンサ28−1→コンデンサ28−4によって直流分は阻止され、高周波信号のみが出力端子9−1〜9−4に接続される。
0042
電話用電流は、チョークコイル21−1,21−2,21−3の接続点から取り出され、上側筐体と下側筐体とを分けるコネクタ26を通り、貫通コンデンサ31を経由してプリント配線板上の電流制限素子29−1〜29−4(図4における電流制限素子6)を通り、電流分配用コネクタ30−1〜30−4(図4における電流分配用コネクタ5)に接続される。なお、各電流分配用コネクタ30の片側はアースに接続されている。
0043
これら電流分配用コネクタ30に各別に接続された電流制限素子29は、それぞれ機器の過電流防止の働きをするものであり、端末側が短絡される等により過大な電流が流れた場合に、ケーブルテレビジョン・テレホンタップおよびシステムを保護する役目を果たす。また、電流制限素子29は下側筐体に取り付けられたプリント配線板上のソケットに差し込まれており、CATVには加入するが電話には加入しない加入者に対して、電流制限素子29を引き抜いておくことによって電話への非加入者に電話用電源を送らないようにするスイッチの役目も果たす。
0045
なお、二重の点線内の部品は、図4のプリント配線板56に搭載される。
0046
図7は、図1の実施例を利用したCATVシステムの一構成例を示す概念図である。この図7は、CATV回線を利用して従来のテレビジョン信号の外に電話用の信号および電話用の電源を供給する場合のタップオフ1から加入者側を示している。
0047
幹線4には、テレビジョンおよび電話の各信号の外に、電話用電源が重畳されている。テレビジョンの信号および電話の信号は、タップオフ1で分配され同軸ケーブル2−1,2−2によって加入者宅5−1および5−2に配信される。電話用電源は、タップオフ1で分配され、電源分配電源線3−1,3−2によって加入者宅に配電される。
0048
(実施例2)図8は、本発明の第2の実施例を示す。これは、高周波分岐端子と電話用電流の出力電線のための貫通穴が開いた同一の筐体に、電流制限素子および電流分配用コネクタなどを操作するための窓12を設けたものである。この窓12は、上側筐体1にはなくて下側筐体2にある。
0049
このような構造とすることによって、窓12の周囲に分配線用の防水パッキンを施し、この窓12を通過させて電流分配線を端子に配線してもよい。そして、このように構成しても、上側筐体1と下側筐体2とを分離しても、電流分配線が上側筐体1に絡み付くことはない。
0050
上記実施例では、高周波信号を同軸ケーブルにより、電話用電流を電流分配線により各別に供給する、いわゆるツイストぺア線形式のものを示したが、図11を用いて説明した従来例のように、電話用電流を同軸ケーブルに重畳するように構成することもできる。その場合、電流分配線を挿通する必要がないから上側筐体または下側筐体の高周波信号の分岐端子が設けられた壁面と同一壁面に貫通孔を設ける必要がない。
発明の効果
0051
本発明は上述のように構成したため、利用できる回線の周波数帯がケーブルテレビジョンと同等に広く、線路の任意の場所に本発明のケーブルテレビジョン・テレホンタップを設置し、加入者に高周波信号と電話用電流とを供給することができ、しかもどちらの結線作業も地上において簡単にでき、しかも防水性の確実なケーブルテレビジョン・テレホンタップとすることができる。したがって、CATVなどの同軸ケーブルを用いた高周波信号および電話用電流用の信号回線の新設、増設、用途変更、信号重畳、改修等が早く経済的にできるものである。
0052
まず請求項1記載の構成により、利用できる回線の周波数帯がケーブルテレビジョンと同等に広く、線路の任意の場所に本発明のケーブルテレビジョン・テレホンタップを設置し、加入者に高周波信号と電話用電流とを供給することができ、しかもどちらの結線作業も地上において簡単にできる。
0053
また請求項2記載の構成により、防水性の確実なケーブルテレビジョン・テレホンタップとすることができる。
0054
また請求項3記載の構成により、防水構造を簡単に形成することができる。
0055
また請求項4記載の構成により、取り扱いの容易な防水構造とすることができる。
0056
また請求項5記載の構成により、圧力を加えて防水性を確実に持たせることができる。
0057
また請求項6記載の構成により、防水性と電磁シールド性を合わせ持たせることができる。
0058
また請求項7または8記載の構成により、高周波信号線および電話用電流分配線の接続の作業性を向上することができる。
0059
そして請求項9記載の構成により、同軸重畳形式のものにも本発明を適用することができる。
図面の簡単な説明
0060
図1本発明の第1の実施例の外観を示す斜視図。
図2図1に示した実施例を下側から見た斜視図。
図3図1の実施例における上部筐体の内部構造を示す斜視図。
図4図1の実施例の下側筐体の内部構造を示す斜視図。
図5図1の実施例に適用される防水構造の他の例を示す断面図。
図6図1の実施例における回路構成を示す回路図。
図7図1の実施例を利用したCATVシステムの一構成例を示す概念図。
図8従来のCATVシステムに使用されるタップの構造を示す斜視図。
図9従来のCATVシステムに使用されるタップオフを用いたシステムを説明する図。
図10従来のCATVシステムに使用されるタップの構造を示す説明図。
図11同軸ケーブルに電話用の電源を重畳するための一般的なケーブルテレビジョン・テレホンタップを示すブロック線図。
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