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技術 油入変圧器の劣化度診断剤及び診断方法

出願人 一般財団法人中部電気保安協会
発明者 角田章池田展雄
出願日 1997年2月28日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1997-062214
公開日 1998年9月11日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 1998-241948
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析 一般用変成器の容器,取付け
主要キーワード 定量取り出し 抽出処理液 絶縁油中 溶剤層 サンプルビン アース側 放熱作用 油入変圧器
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この項目の情報は公開日時点(1998年9月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

本発明の課題は、油入変圧器劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することのできる診断剤及び診断方法を提供することである。

解決手段

p−ニトロフェニルヒドラジンを含む、又はフルフラール絶縁油から抽出することのできる溶剤、p−ニトロフェニルヒドラジン及びアルカリを組み合わせてなる油入変圧器の劣化度診断剤、並びにそのような劣化度診断剤を用いた油入変圧器の劣化度診断方法である。

概要

背景

一般的に油入変圧器では、コイル絶縁のために紙(絶縁紙)が用いられている。この絶縁紙は、放熱作用に優れるものの、経年により劣化するという欠点を有する。絶縁紙が劣化すると、例えば油入変圧器の近くに落雷した場合に、大きな電圧電気アース側から油入変圧器に流れ込み、そのショックで絶縁紙が砕けてコイルがショートし、油入変圧器が使用不能となることがある。従って、油入変圧器では絶縁紙の劣化度診断することが非常に重要である。

従来より、絶縁紙が劣化するとその重合度が低下してフルフラールが生成し、これが絶縁油中溶出することが知られている。また、絶縁紙の引張り強度平均重合度残率及びフルフラールの生成量には相関関係があることも知られている。従って、絶縁油中に溶出したフルフラールの量を測定すれば、絶縁紙の劣化度、即ち油入変圧器の劣化度を診断することができる。従来、この絶縁油中に溶出したフルフラールの量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを使用して行っていた。

概要

本発明の課題は、油入変圧器の劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することのできる診断剤及び診断方法を提供することである。

p−ニトロフェニルヒドラジンを含む、又はフルフラールを絶縁油から抽出することのできる溶剤、p−ニトロフェニルヒドラジン及びアルカリを組み合わせてなる油入変圧器の劣化度診断剤、並びにそのような劣化度診断剤を用いた油入変圧器の劣化度診断方法である。

目的

しかしながら、高速液体クロマトグラフィーの取り扱いは煩雑であり、また高速液体クロマトグラフィー自体のコストが高いという問題があった。従って、本発明の課題は、油入変圧器の劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することのできる診断剤及び診断方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

p−ニトロフェニルヒドラジンを含むことを特徴とする油入変圧器劣化度診断剤

請求項2

フルフラール絶縁油から抽出することのできる溶剤、p−ニトロフェニルヒドラジン及びアルカリを組み合わせてなる油入変圧器の劣化度診断剤。

請求項3

さらに2−プロパノールを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の油入変圧器の劣化度診断剤。

請求項4

前記p−ニトロフェニルヒドラジン及び/又はアルカリが、2−プロパノールを含有する溶媒を用いた溶液であることを特徴とする請求項2記載の油入変圧器の劣化度診断剤。

請求項5

p−ニトロフェニルヒドラジンを使用することを特徴とする油入変圧器の劣化度診断方法

請求項6

油入変圧器の絶縁油に対してフルフラール分の抽出処理を施した後、得られた抽出処理液とp−ニトロフェニルヒドラジンとを混合し、次いでアルカリを混合して、発色の程度を測定することを特徴とする油入変圧器の劣化度診断方法。

請求項7

さらに2−プロパノールを使用することを特徴とする請求項5又は6記載の油入変圧器の劣化度診断方法。

請求項8

前記p−ニトロフェニルヒドラジン及び/又はアルカリが、2−プロパノールを含有する溶媒を用いた溶液であることを特徴とする請求項6記載の油入変圧器の劣化度診断方法。

技術分野

0001

本発明は、油入変圧器経年劣化度フルフラール含有量に応じて診断することのできる診断剤及び診断方法に関する。

背景技術

0002

一般的に油入変圧器では、コイル絶縁のために紙(絶縁紙)が用いられている。この絶縁紙は、放熱作用に優れるものの、経年により劣化するという欠点を有する。絶縁紙が劣化すると、例えば油入変圧器の近くに落雷した場合に、大きな電圧電気アース側から油入変圧器に流れ込み、そのショックで絶縁紙が砕けてコイルがショートし、油入変圧器が使用不能となることがある。従って、油入変圧器では絶縁紙の劣化度を診断することが非常に重要である。

0003

従来より、絶縁紙が劣化するとその重合度が低下してフルフラールが生成し、これが絶縁油中溶出することが知られている。また、絶縁紙の引張り強度平均重合度残率及びフルフラールの生成量には相関関係があることも知られている。従って、絶縁油中に溶出したフルフラールの量を測定すれば、絶縁紙の劣化度、即ち油入変圧器の劣化度を診断することができる。従来、この絶縁油中に溶出したフルフラールの量の測定は、高速液体クロマトグラフィーを使用して行っていた。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、高速液体クロマトグラフィーの取り扱いは煩雑であり、また高速液体クロマトグラフィー自体のコストが高いという問題があった。従って、本発明の課題は、油入変圧器の劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することのできる診断剤及び診断方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、p−ニトロフェニルヒドラジンを使用することにより、絶縁油中に溶出したフルフラールの量を発色の度合いによって測定することができ、油入変圧器の劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することができることを見出し、本発明を完成した。

0006

即ち、本発明は、p−ニトロフェニルヒドラジンを含むことを特徴とする油入変圧器の劣化度診断剤に関するものであり、特にフルフラールを絶縁油から抽出することのできる溶剤、p−ニトロフェニルヒドラジン及びアルカリを組み合わせてなる油入変圧器の劣化度診断剤に関するものである。更に、本発明は、p−ニトロフェニルヒドラジンを使用することを特徴とする油入変圧器の劣化度診断方法に関するものであり、特に油入変圧器の絶縁油に対してフルフラール分の抽出処理を施した後、得られた抽出処理液とp−ニトロフェニルヒドラジンとを混合し、次いでアルカリを混合して、発色の程度を測定することを特徴とする油入変圧器の劣化度診断方法に関するものである。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明を詳細に説明する。本発明の対象とする変圧器は、コイルの絶縁のために絶縁紙が使用されており、かつ絶縁油が使用されている油入変圧器である。該絶縁紙としては、一般的にセルロースからなるものが用いられる。また、絶縁油としては、一般的にナフテン系炭化水素芳香族炭化水素及びパラフィン系炭化水素を含む炭化水素混合物や、パラフィン系炭化水素からなるものが用いられ、これら絶縁油であれば本発明の診断を行うことができる。

0008

本発明では、まず油入変圧器の絶縁油に対して、フルフラール分の抽出処理を施す。通常、油入変圧器から絶縁油を一定量取り出し、それに対してフルフラールの抽出を行う。絶縁油を取り出す量は特に限定されず、劣化診断を行うことのできる範囲であればよい。一般的には、2〜200 ml程度で足りる。絶縁油からのフルフラールの抽出は、常法によって行うことができる。例えば、絶縁油に所定の溶剤を加え、よく振とうする。抽出に使用する溶剤としては、フルフラールを絶縁油から抽出することのできるものであれば特に限定されず、アセトニトリルメタノール等を使用することができるが、好ましくは、アセトニトリルを使用する。絶縁油と溶剤との体積比は、1:1〜1:4であるのが好ましい。また、振とうは1〜3分間程度行うのが好ましい。

0009

上記抽出処理を行った後、静置して、フルフラールを抽出した溶剤層(抽出処理液)を分離し、採取する。抽出処理液が得られたら、その抽出処理液とp−ニトロフェニルヒドラジンとを混合する(この混合液を、以下PNPH混合液という)。抽出処理液中にフルフラールが存在すれば、該フルフラールとp−ニトロフェニルヒドラジンとは脱水反応を起こす。p−ニトロフェニルヒドラジンは、一般的には溶液として使用する。濃度は、0.1 〜0.5 g/l であるのが好ましく、特に0.2 g/l であるのが好ましい。該p−ニトロフェニルヒドラジンの溶媒としては、2−プロパノールを使用するのが好ましい。この2−プロパノールは、フルフラールとp−ニトロフェニルヒドラジンとの反応物の発色を鮮明にすることができる。また、p−ニトロフェニルヒドラジン溶液は、濃塩酸を含有するのが好ましい。濃塩酸は、後述する発色反応を速やかに進行させることができる。濃塩酸のp−ニトロフェニルヒドラジン溶液中の濃度は、0.2 〜5g/l であるのが好ましく、特に1g/l であるのが好ましい。

0010

抽出処理液とp−ニトロフェニルヒドラジン溶液との混合比(体積)は、1:1〜1:4であるのが好ましい。PNPH混合液は、常法により60〜80℃で30秒〜2分加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、フルフラールとp−ニトロフェニルヒドラジンとの反応を効率よく進行させることができる。

0011

次に、得られたPNPH混合液とアルカリとを混合する。アルカリとしては、水酸化カリウム水酸化ナトリウム等を使用することができ、好ましくは、水酸化カリウムを使用する。このアルカリは、一般的には溶液として使用する。該アルカリは飽和溶液として使用するのが特に好ましいが、それよりも若干低い濃度であってもよい。アルカリ溶液の溶媒としては、2−プロパノールと水との混合物を使用するのが好ましい。2−プロパノールはフルフラールとp−ニトロフェニルヒドラジンとの反応物の発色を鮮明にすることができ、水はアルカリの析出を防止することができる。2−プロパノールと水との混合比(体積)は、40:1〜10:1であるのが好ましい。

0012

PNPH混合液とアルカリ溶液との混合比(体積)は、1:2〜1:4であるのが好ましく、特に1:3であるのが好ましい。以上のようにPNPH混合液とアルカリとを混合すると、フルフラールとp−ニトロフェニルヒドラジンとの反応物が発色する。その色は、フルフラールの含有量に応じて濃赤紫色から黄橙色に変化する。また、ここで2−プロパノールが存在することにより、発色が鮮明になる。2−プロパノールは、上記のようにp−ニトロフェニルヒドラジン溶液やアルカリ溶液の溶媒として使用することもできるが、個別に添加してもよい。なお、絶縁紙の劣化によって種々のカルボン酸も生成するが、それらカルボン酸は発色をより鮮明にはしても、フルフラールの含有量と色の変化との関係に影響を与えるものではない。従って、この発色の程度を測定することにより、絶縁紙、ひいては油入変圧器の劣化度を診断することができる。

0013

例えば、フルフラールの含有量が既知の絶縁油について、本発明の方法に従って発色させた標準試料を用意しておけば、この標準試料の色と比較することにより、診断対象の絶縁油中のフルフラールの含有量が分かり、油入変圧器の劣化度を診断することができる。色の比較は目視によって行うこともできるが、例えば分光光度計を使用すれば、さらに正確に行うことができる。分光光度計を使用する場合、518 nmにおける吸光度を測定するのが好ましい。このように分光光度計を使用すると、絶縁油中における10ppm 以下の含有量のフルフラールを測定することができる。本発明では、標準試料、あるいはそれを用いた検量線さえ作製しておけば、実際に劣化度診断を行う際に高速液体クロマトグラフィーを使用する必要がないため、低コストで、また煩雑な操作を行うことなく、油入変圧器の劣化度の診断を行うことができる。

0014

以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔調製例1〕
p−ニトロフェニルヒドラジン溶液の調製
4mgのp−ニトロフェニルヒドラジン(半井テスク社製,EP)をサンプルビンに採取し、20mlの2−プロパノール(半井テスク社製,GR)で溶解した後、パスツールピペットにより10滴の濃塩酸(12N)を加えた。
〔調製例2〕
水酸化カリウム溶液の調製
2−プロパノール(半井テスク社製,GR)19mlに水1mlを加え、水酸化カリウム(半井テスク社製,GR)を飽和するまで加えた。

0015

〔実施例1〕使用期間の異なる各種油入変圧器から4mlづつの絶縁油(ナフテン系炭化水素40重量%、芳香族炭化水素20重量%及びパラフィン系炭化水素20重量%からなる炭化水素混合物)を採取し、試料とした。各試料について、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製,10AD)を使用してフルフラールの含有量を測定した。

0016

一方、各試料にアセトニトリル(半井テスク社製,EP)4mlを加え、1分間よく振とうした。その後放置し、界面が一定したところで、上層アセトニトリル層)を10〜40滴、別のサンプルビンに採取し、これにp−ニトロフェニルヒドラジン溶液を10〜40滴(採取したアセトニトリル層と同量)加えた。この混合液を1分間、80℃の湯浴に浸した後、水酸化カリウム溶液を3倍量加えた。それぞれの試料は、フルフラールの含有量に応じて鮮明に黄橙色から濃赤紫色(未使用の油入変圧器では黄色)に呈色した。これらを標準試料とした。得られた標準試料について、分光光度計(島津製作所製,UV−1200)を使用して518 nmにおける吸光度を測定した。その結果、絶縁油中のフルフラール含有量と吸光度との間には、図1〜4に示すような関係があることが分かった。

0017

次に、ある使用中の油入変圧器(使用している絶縁油は上記と同様)から、4mlの絶縁油を採取した。この絶縁油にアセトニトリル(半井テスク社製,EP)4mlを加え、1分間よく振とうした。その後放置し、界面が一定したところで、上層(アセトニトリル層)を20滴、別のサンプルビンに採取し、これにp−ニトロフェニルヒドラジン溶液を20滴加えた。この混合液を1分間、80℃の湯浴に浸した後、水酸化カリウム溶液を3倍量加えた。呈色した試料について、分光光度計(島津製作所製,UV−1200)を使用して518 nmにおける吸光度を測定したところ、0.438 であった。この結果及び図3より、絶縁油中のフルフラールの含有量は、2.18 ppmであることが推定できた。

0018

そこで、同じ絶縁油について高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製,10AD)を使用してフルフラールの含有量を測定した結果、2.236ppmのフルフラールが絶縁油中に含まれていることが分かった。即ち、本発明の方法によって、絶縁油中のフルフラールの含有量を測定することができ、それによって油入変圧器の劣化度を診断することができた。

発明の効果

0019

本発明によれば、油入変圧器の劣化度を簡便に、かつ低いコストで診断することができる。

図面の簡単な説明

0020

図1実施例1における吸光度と絶縁油中のフルフラール含有量(0〜1.0ppm)との関係を示す検量線である。
図2実施例1における吸光度と絶縁油中のフルフラール含有量(0〜2.5ppm)との関係を示す検量線である。
図3実施例1における吸光度と絶縁油中のフルフラール含有量(0〜4.0ppm)との関係を示す検量線である。
図4実施例1における吸光度と絶縁油中のフルフラール含有量(0〜25.0ppm )との関係を示す検量線である。

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