図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(1998年9月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

多重反射がなく、偏光性を保持した良好な黒表示を実現し、かつ周囲の映り込みを生ずることがなく、視差がなく、その上、観察方向に対して光を散乱させた十分な明るさを有する白表示を有する反射型液晶表示装置を得る。

解決手段

液晶素子の光の入射側に偏光板を有する反射型液晶表示装置において、液晶素子は少なくとも透明電極を形成した絶縁性基板と、当該一方表面に形成された1/4波長板と、当該一方表面に形成された光反射膜と前記透明電極と協働して表示駆動する対向電極が形成された光反射部材と、前記絶縁性基板と前記反射部材との間に液晶相高分子樹脂相からなる複合層でかつ液晶配向ツイスト角を絶縁性基板と反射部材との間で40〜50度になるように設定した高分子分散液晶層とを備える。

概要

背景

近年、ノートブック型パーソナルコンピュータあるいは携帯型テレビジョン受信機などの各種情報および映像表示機器への液晶表示装置の応用が急速に進展している。特に液晶表示装置の中でも、外部から入射した周囲光反射させて表示を行う反射型液晶表示装置は、光源となるバックライトが不要であり、また消費電力が低く、かつ薄型軽量化が可能であるため注目されている。

そして、従来より反射型液晶表示装置には、TN(ツイテッドマティック)方式、およびSTN(スーパーツイステッドネマティック)方式の液晶表示素子が用いられているが、これらは、表示方式原理の点で液晶表示素子を一対の偏光板で挟む構成にし、その外側に反射板を設置する必要がある。このため、液晶表示素子に用いられるガラス基板の厚さのために、使用者がガラス基板を見る角度、すなわちガラス基板の法線方向と前記使用者が液晶表示素子を見る方向とのなす角度によって視差が生じ、表示が二重に認識されるという問題点がある。

ここで、偏光板1枚と1/4波長板とを用いた反射型TN(45度ツイスト型)方式の液晶表示装置が、特開昭55−48733号公報に開示されている。この先行技術は、液晶層を狭持する上下基板間で45度捩れた液晶層を用い、印加される電界の制御によって、入射直線偏光偏光面を、1/4波長板の光軸に平行な状態と45度の角度を持つ状態の2つの状態を制御し、白黒表示を行う。この液晶表示素子は、入射光側から、偏光板、液晶層を狭持する上下基板間で45度捩れた液晶層を有する45度ツイスト液晶表示素子、1/4波長板および反射板で構成されている。

前記技術の表示状態電圧制御方法について、以下に説明する。偏光板からの直線偏光は入射側から液晶層に入射し、その偏光面を液晶配向捻れ(ツイスト)に追随して偏光面を回転させながら液晶層を通過し、1/4波長板の遅相軸または速相軸に平行な振動方向の光となって1/4波長板に入射する。1/4波長板の光軸に平行な偏光面の直線偏光は、直線偏光状態を保ったまま1/4波長板を通過し、反射板で反射される。反射光は、入射時と同様に直線偏光のまま1/4波長板を通過し偏光面を液晶の配向の捻れに追随して回転させながら液晶層を通過して、結果として入射時と同方向偏光面を持った直線偏光になる。このとき、出射光は偏光板を通過して明表示となる。

一方、液晶層に電圧を印加してツイストを解消した状態では、偏光板からの直線偏光は、液晶層を偏光面を回転させることなく直線偏光のまま通過し、1/4波長板の光軸とほぼ45度に入射する。1/4波長板では、たとえば右回り円偏光偏光状態が変化し、反射板に入射する。反射板で反射した円偏光は進行方向が反転し、たとえば左回りの円偏光となる。さらに、反射光となって再び1/4波長板を通過すると、入射時の1/4波長板に入射した直線偏光と直交した偏光面の直線偏光になり、ツイストの解けた液晶層を入射時と逆向きに直線偏光のまま通過する。このとき、入射時と同様、偏光面は回転しないため、偏光板の吸収方位の直線偏光になり、暗表示が達成される。上記説明では、入射光が液晶層および1/4波長板を通過した後の偏光状態は右回りの円偏光であったが、これが左回りであっても同様の効果になる。つまり、本先行技術は、1/4波長板に入射する直線偏光の偏光面を液晶層で変調することによって表示が実現するものである。

このような電圧印加時に暗表示を実現し、電圧無印加時は明表示になる配置(以下、ノーマリーホワイトの配置と呼ぶ)以外にも、1/4波長板の光軸の設置方位を45°ずらして電圧無印加時に暗表示を実現し電圧印加時に明表示を実現する配置(以下、ノーマリーブラックの配置と呼ぶ)も可能である。この場合は1/4波長板による直線偏光の振動方向の変換が電圧無印加時に行われる。

そして、ノーマリーブラック、ノーマリーホワイトのいずれの場合にも、偏光板1枚と1/4波長板の間に、ねじれ角45度の配向を施した液層セルを配置し、従来のTN型液晶表示素子と同様な表示を偏光板1枚で可能としている点は同様である。

概要

多重反射がなく、偏光性を保持した良好な黒表示を実現し、かつ周囲の映り込みを生ずることがなく、視差がなく、その上、観察方向に対して光を散乱させた十分な明るさを有する白表示を有する反射型液晶表示装置を得る。

液晶素子の光の入射側に偏光板を有する反射型液晶表示装置において、液晶素子は少なくとも透明電極を形成した絶縁性基板と、当該一方表面に形成された1/4波長板と、当該一方表面に形成された光反射膜と前記透明電極と協働して表示駆動する対向電極が形成された光反射部材と、前記絶縁性基板と前記反射部材との間に液晶相高分子樹脂相からなる複合層でかつ液晶配向ツイスト角を絶縁性基板と反射部材との間で40〜50度になるように設定した高分子分散液晶層とを備える。

目的

例えば、特開昭55−70817号公報に記載されている液晶表示装置では、液晶セルの外側に1/4波長板と反射板を設けているため、入射時と反射時に通過する液晶層のずれが生じ、これが視差となって、高精細かつ高品位な表示が観察できる方向が限定される。そこで、本発明の目的は、かかる課題を解決し、高精細でコントラストが高く、視差がない反射型液晶表示装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

液晶素子の光の入射側に偏光板を有する反射型液晶表示装置において、液晶素子は少なくとも透明電極を形成した絶縁性基板と、該絶縁性基板の一方表面に形成された光反射膜と前記透明電極と協働して表示駆動する対向電極が形成された光反射部材と、前記絶縁性基板と前記反射部材との間に液晶相高分子樹脂相からなる複合層でかつ液晶配向ツイスト角を絶縁性基板と反射部材との間で40〜50度になるように設定した高分子分散液晶層と、前記光反射部材と前記高分子分散液晶層との間に形成された1/4波長板と、を備えたことを特徴とする反射型液晶表示装置。

請求項2

前記偏光板の透過軸が、高分子分散液晶ツイストしている液晶配向のいずれかの方向と一致して配置されることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項3

前記高分子分散液晶層を構成する高分子材料複屈折を示す材料であって、該高分子分散液晶層は電圧無印加状態にて散乱状態を示さず、電圧印加状態にて散乱状態を示すことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項4

前記光反射部材の光反射面を形成する光反射膜が、該光反射部材の前記高分子分散液晶層側に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型液晶表示装置。

請求項5

前記光反射面が、フラット鏡面ミラーかもしくはなめらか凹凸を有する拡散ミラーであることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項6

前記1/4波長板が、液晶性高分子からなるかもしくは液晶性を有する低分子から液晶配向を固定化して得られた高分子からなることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項7

前記光反射部材における光反射膜の上に前記1/4波長板が構成され、この1/4波長膜の上に透明電極を形成し、当該透明電極が前記絶縁性基板上に形成された透明電極に対向する電極として定められることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項8

前記絶縁性基板上、または絶縁性基板上に形成された透明電極上のいずれかにカラーフィルタ層を形成したことを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装置。

請求項9

前記1/4波長板が少なくとも2層からなり、該複数層のうち、第1層は層に垂直に入射する光線に対し120〜150nmのリタデーションを有し、第2層は第1層を第2層と反射面で狭持するように配置され、該第2層は第1層のほぼ2倍のリタデーションを有し、第1層と第2層の層面内の遅相軸の方位が60°〜120°異なっていることを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示装置。

技術分野

0001

本発明は反射型液晶表示装置に関し、さらに詳しくは、ワードプロセッサノート型パーソナルコンピュータ電子スチルカメラ携帯ビデオカメラ携帯情報端末自動車情報表示装置などの各種映像機器情報表示機器およびゲーム機器などに好適に用いられる反射型液晶表示装置に関する。

背景技術

0002

近年、ノートブック型パーソナルコンピュータあるいは携帯型テレビジョン受信機などの各種情報および映像表示機器への液晶表示装置の応用が急速に進展している。特に液晶表示装置の中でも、外部から入射した周囲光反射させて表示を行う反射型液晶表示装置は、光源となるバックライトが不要であり、また消費電力が低く、かつ薄型軽量化が可能であるため注目されている。

0003

そして、従来より反射型液晶表示装置には、TN(ツイテッドマティック)方式、およびSTN(スーパーツイステッドネマティック)方式の液晶表示素子が用いられているが、これらは、表示方式原理の点で液晶表示素子を一対の偏光板で挟む構成にし、その外側に反射板を設置する必要がある。このため、液晶表示素子に用いられるガラス基板の厚さのために、使用者がガラス基板を見る角度、すなわちガラス基板の法線方向と前記使用者が液晶表示素子を見る方向とのなす角度によって視差が生じ、表示が二重に認識されるという問題点がある。

0004

ここで、偏光板1枚と1/4波長板とを用いた反射型TN(45度ツイスト型)方式の液晶表示装置が、特開昭55−48733号公報に開示されている。この先行技術は、液晶層を狭持する上下基板間で45度捩れた液晶層を用い、印加される電界の制御によって、入射直線偏光偏光面を、1/4波長板の光軸に平行な状態と45度の角度を持つ状態の2つの状態を制御し、白黒表示を行う。この液晶表示素子は、入射光側から、偏光板、液晶層を狭持する上下基板間で45度捩れた液晶層を有する45度ツイスト液晶表示素子、1/4波長板および反射板で構成されている。

0005

前記技術の表示状態電圧制御方法について、以下に説明する。偏光板からの直線偏光は入射側から液晶層に入射し、その偏光面を液晶配向捻れ(ツイスト)に追随して偏光面を回転させながら液晶層を通過し、1/4波長板の遅相軸または速相軸に平行な振動方向の光となって1/4波長板に入射する。1/4波長板の光軸に平行な偏光面の直線偏光は、直線偏光状態を保ったまま1/4波長板を通過し、反射板で反射される。反射光は、入射時と同様に直線偏光のまま1/4波長板を通過し偏光面を液晶の配向の捻れに追随して回転させながら液晶層を通過して、結果として入射時と同方向偏光面を持った直線偏光になる。このとき、出射光は偏光板を通過して明表示となる。

0006

一方、液晶層に電圧を印加してツイストを解消した状態では、偏光板からの直線偏光は、液晶層を偏光面を回転させることなく直線偏光のまま通過し、1/4波長板の光軸とほぼ45度に入射する。1/4波長板では、たとえば右回り円偏光偏光状態が変化し、反射板に入射する。反射板で反射した円偏光は進行方向が反転し、たとえば左回りの円偏光となる。さらに、反射光となって再び1/4波長板を通過すると、入射時の1/4波長板に入射した直線偏光と直交した偏光面の直線偏光になり、ツイストの解けた液晶層を入射時と逆向きに直線偏光のまま通過する。このとき、入射時と同様、偏光面は回転しないため、偏光板の吸収方位の直線偏光になり、暗表示が達成される。上記説明では、入射光が液晶層および1/4波長板を通過した後の偏光状態は右回りの円偏光であったが、これが左回りであっても同様の効果になる。つまり、本先行技術は、1/4波長板に入射する直線偏光の偏光面を液晶層で変調することによって表示が実現するものである。

0007

このような電圧印加時に暗表示を実現し、電圧無印加時は明表示になる配置(以下、ノーマリーホワイトの配置と呼ぶ)以外にも、1/4波長板の光軸の設置方位を45°ずらして電圧無印加時に暗表示を実現し電圧印加時に明表示を実現する配置(以下、ノーマリーブラックの配置と呼ぶ)も可能である。この場合は1/4波長板による直線偏光の振動方向の変換が電圧無印加時に行われる。

0008

そして、ノーマリーブラック、ノーマリーホワイトのいずれの場合にも、偏光板1枚と1/4波長板の間に、ねじれ角45度の配向を施した液層セルを配置し、従来のTN型液晶表示素子と同様な表示を偏光板1枚で可能としている点は同様である。

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、従来の反射型液晶表示原理において、反射板が良好な偏光性を保持しない場合、前述したような右回りの円偏光から左回りの円偏光への変換、またはこの逆の変換、さらに、直線偏光から直線偏光の変換が効率的に行われなくなり、コントラストが低下する。そこで、偏光性を保持する反射板としては、平坦鏡面反射部材が適用され得るが、これは外部の物体がそのまま映るため、明表示では表示が見にくくなる欠点がある。

0010

この欠点を補い、周囲光を観察方位にも散乱させることを目的に、反射板には周囲光を拡散させる延伸したアルミ膜を用いる必要がある。しかし、この反射板では、前述した右回りの円偏光から左回りの円偏光への変換、またはこの逆の変換、さらに直線偏光から直線偏光への変換が効率的に行われなくなり、コントラストが低下する課題がある。即ち、従来の反射板では拡散性と偏光保持特性両立させることは不可能であった。

0011

例えば、特開昭55−70817号公報に記載されている液晶表示装置では、液晶セルの外側に1/4波長板と反射板を設けているため、入射時と反射時に通過する液晶層のずれが生じ、これが視差となって、高精細かつ高品位な表示が観察できる方向が限定される。そこで、本発明の目的は、かかる課題を解決し、高精細でコントラストが高く、視差がない反射型液晶表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の反射型液晶表示装置は、液晶素子の光の入射側に偏光板を有する反射型液晶表示装置において、液晶素子は少なくとも透明電極を形成した絶縁性基板と、該絶縁性基板の一方表面に形成された光反射膜と前記透明電極と協働して表示駆動する対向電極が形成された光反射部材と、前記絶縁性基板と前記反射部材との間に液晶相高分子樹脂相からなる複合層でかつ液晶配向ツイスト角を絶縁性基板と反射部材との間で40〜50度になるように設定した高分子分散液晶層と、前記光反射部材と前記高分子分散液晶層との間に形成された1/4波長板とを備えたことを特徴とする。

0013

このように構成することにより、偏光保持性能の良い反射膜を用いることで、暗表示を行う場合は、良好な黒表示を実現し、明表示を行う場合は、反射とともに散乱効果を利用して周囲光を観察者方向に向けて明るい白表示を実現し、コントラストの高い表示を得ることができ、また、視差も解消できる。

0014

また、前記液晶高分子複合層は、偏光に強く依存した散乱性を示すため、請求項2記載のように、前記偏光板の透過軸が、高分子分散液晶のツイストしている液晶配向のいずれかの方向と一致して配置されるということも特徴とする。

0015

また、前記液晶高分子複合層における偏光面の回転は、散乱作用の少ない場合でも良く、そのためには、偏光面の回転が可能な液晶状態において、散乱状態を示さないように、液晶と似た高分子を液晶と同様に配向させても良く、請求項3記載のように、前記高分子分散液晶層を構成する高分子材料複屈折を示す材料であって、該高分子分散液晶層は電圧無印加状態にて散乱状態を示さず、電圧印加状態にて散乱状態を示すことを特徴とする。

0016

さらに、反射された光が入射時と同じ表示状態にある液晶層を通過させるように、反射膜が液晶層に近いことも高精彩な表示を得る手段となる。そこで、請求項4記載のように、前記光反射部材の光反射面を形成する光反射膜が、該光反射部材の前記高分子分散液晶層側に配置されることを特徴とする。

0017

本発明のうち請求項5記載の反射型液晶表示装置は、前記光反射面が、フラット鏡面ミラーかもしくはなめらか凹凸を有する拡散ミラーであることを特徴とする。

0018

本発明のうち請求項6記載の反射型液晶表示装置は、前記1/4波長板が、液晶性高分子からなるかもしくは液晶性を有する低分子から液晶配向を固定化して得られた高分子からなることを特徴とする。

0019

本発明のうち請求項7記載の反射型液晶表示装置は、前記光反射部材における光反射膜の上に前記1/4波長板が構成され、この1/4波長膜の上に透明電極を形成し、当該透明電極が前記絶縁性基板上に形成された透明電極に対向する電極として定められることを特徴とする。

0020

本発明のうち請求項8記載の反射型液晶表示装置は、前記絶縁性基板上、または絶縁性基板上に形成された透明電極上のいずれかにカラーフィルタ層を形成したことを特徴とする。

0021

本発明のうち請求項9記載の反射型液晶表示装置は、前記1/4波長板が少なくとも2層からなり、該複数層のうち、第1層は層に垂直に入射する光線に対し120〜150nmのリタデーションを有し、第2層は第1層を第2層と反射面で狭持するように配置され、該第2層は第1層のほぼ2倍のリタデーションを有し、第1層と第2層の層面内の遅相軸の方位が60°〜120°異なっていることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明について、図面を用い、以下に説明する。ここで、偏光保持性能の高い反射板で黒状態を表示し、明表示では散乱作用を利用した反射型液晶表示装置の光学特性品位向上について説明する。まず、暗表示の場合には、観察者方向への表示光成分を可能な限り小さくすることが高コントラスト表示に必要である。そのため、液晶表示装置の低反射率化および、反射膜の偏光保持性能が高いことが重要である。さらに、通常の観察条件では、観察者はたとえば表示素子前面などで天井灯などからの光源の映り込みを避けるように、光源からの鏡面反射成分を避けるような位置にて使用する。この位置では、反射膜が鏡面や散乱性(拡散性)の小さな反射面である場合に、観察者方向へ向かう表示光量が少なく、黒表示には好ましい。こうして偏光保持性のよい反射板によって実現された黒表示効果とあいまって良好な黒表示状態が実現される。

0023

一方、明表示の場合に反射膜の鏡面性が強く、その散乱作用が弱いと、液晶表示素子自身の反射率が高いため、周囲の状況が映り込みやすい。さらに、観察者の好むような配置、つまり光源の映り込みを防ぐような位置では、光源からの光は液晶表示面鏡面反射する成分が多くなり、観察者に向かう表示光は少なく、明るい表示になりにくく、良好な視認性は得られない。

0024

ところが、この明表示の反射が鏡面に近いものでなく、その散乱作用が強い場合、周囲の映り込みは散乱作用のために不鮮明になり、表示内容の認識が容易になり、いわゆるペーパーホワイト表示が実現される。また、光源の映り込みを防ぐ配置では上記の反射膜の鏡面性が強い場合に比べて、表示光量のうち観察者に向かう割合が増加し、観察者にとっては明るい表示になり、良好な視認性が得られる。以上のように明るい表示と良好な黒表示を実現するには液晶によって反射率を制御するのみならず、散乱性を制御することが有効な手段となる。

0025

そこで、本発明の代表的な液晶層の構成によって、詳細な説明を行う。例えば、液晶高分子複合膜として、電圧が印加されていない場合には散乱状態を示し、電圧が印加されている場合は透明状態を示すいわゆる高分子分散液晶モードを利用した液晶層について説明する。前記高分子分散液晶モードをラビングなどの配向処理し、液晶の配向を40〜50度ツイストさせた液晶層を2枚の基板で作製する。液晶高分子複合膜としては、電圧の切り替えで透明と散乱状態を切り替えることが可能な、例えば、高分子の中に微小液晶滴カプセル状に分散されているいわゆるNCAP(Nemaitc Curvilinear Aligned Phase)を利用する(米国特許4、435、047)。また、連続した液晶層の中に高分子の網目組織が形成されたPN(PolymerNetwork)LCも同様に好適である(Japan Display1989、690−693)。

0026

このような散乱制御型液晶表示モードで、液晶層がツイストしている場合には高分子液晶複合層を進行する光は偏光面を回転させながら伝播し、さらにその複合膜の散乱作用も同時に被る。この様子を図1(a)に模式的に示している。つまり、液晶分子が通常のTN型の液晶素子の様に偏光面を回転させ、さらにポリマーとの屈折率差によって散乱効果が発生する。

0027

上述の例では、配向処理を行った高分子分散液晶層の液晶は、電圧無印加時にはツイスト配向され、この中を透過した光は散乱しながら偏光を液晶分子配向にあわせて回転し、1/4波長板に入射する。この時、1/4波長板の主軸方位が1/4波長板に入射する直線偏光の偏光面に向くように配置(ノーマリーホワイト配置)されていると、従来技術である特開昭55−48733号公報と同様の明表示に散乱作用が付加された明るい表示が実現される。

0028

一方、電圧印加時において液晶は透光性電極反射電極に対して垂直に配向され、外部から入射して再び外部へ出射される光は、入射側の偏光板の透過方位を偏光面としたまま1/4波長板に達し、往復2回通過する。このため、実質的に、1/2波長分の位相差を生ずることとなり、偏光面が90度回転し、出射時には、入社光は偏光板に吸収されて、表示状態は暗表示となる。この際、反射膜は鏡面性が良く偏光保持性能も良いものを利用すれば良好な黒状態を示す。また、液晶高分子複合膜による散乱作用はほとんど無いため、偏光板で吸収されない入射光があった場合にも観察者には到達しない。この液晶部分を透過する光の様子を図1(b)に模式的に示している。液晶とポリマーとの屈折率差が無く、ほとんど散乱効果は生じない。以下、このように、ツイストしている液晶高分子複合層によって散乱された光が1/4波長板によって、偏光面を回転させることなく明表示を行うモードをツイスト散乱モードと称することとする。

0029

次に、電圧が印加されていない場合には透明状態で、電圧が印加されている場合には散乱状態を示す高分子分散液晶層を利用した液晶層について説明する。この表示モードは、上記ツイスト散乱モードと区別するため、以下、ツイスト透明モードと称することとする。この高分子分散型液晶の配向処理を行った、配向高分子分散液晶層の液晶および高分子は、電圧無印加時にはツイスト配向され、この中を透過した光は、散乱作用をほとんど受けず、偏光をツイストした配向にあわせて回転させながら透過する。この時、透過する光の様子を図2(a)に模式的に示している。前記複合膜と1/4波長板の主軸方位が、1/4波長板に入射する直線偏光の偏光面と45゜異なる方向に配置(ノーマリーブラック配置)されている1/4波長板と組み合わせることにより、以下のように表示状態が制御される。即ち、電圧無印加状態では、上記のツイスト散乱モードの電圧印加時と同様に往復1/2波長分の位相差を生じ、この波長板の効果のために、入射時と直交した直線偏光は液晶高分子複合層を通過し、出射時の偏光子において吸収されるため、暗表示になる。つまり、液晶が通常のTN型の液晶素子のように偏光面を回転させるが、この時ポリマーとの屈折率差がないため、散乱効果は生じない。

0030

電圧印加時には、散乱効果を生じ、偏光面の回転も生じない。1/4波長板が上記のように設置されている場合、1/4波長板の主軸方位に偏光した直線偏光が入射することになり、1/4波長板の存在でその偏光状態の変化を生じることなく、明表示になる。この明表示も、ツイスト散乱モードの明表示の場合と同様に、透過率の高い状態に散乱効果が付加された明るい明表示になる。この時、透過する光の様子を図2(b)に模式的に示している。つまり、液晶は基板に対し立ち上がっているため、液晶層を通過する光の偏光面は回転せず、さらにポリマーとの屈折率差によって散乱作用を生じる。

0031

このようなツイスト透明モードに好適な液晶高分子複合膜としては、低分子状態で液晶相を示し、重合して高分子になってもその光学的な異方性を保存しているような有機材料と、重合しない液晶材料を混合して重合相分離にて作製された高分子分散型液晶複合膜が利用できる。上記液晶相を用いた反射型液晶表装置について、以下に、実施形態をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでないことは言うまでもない。

0032

<実施形態1>図1に挙げて説明したツイスト散乱モードの一実施形態を、以下に説明する。図3は本発明の第1の実施形態の反射型液晶表示装置(以下、液晶表示装置と略す)の断面図である。液晶表示装置1は、一対の透明なガラス基板2、3を備え、ガラス基板2上にはアルミニウムニッケルクロムあるいは銀などの金属材料からなる金属反射膜7が形成され、光反射部材である反射板8を構成する。前記金属反射膜7上に1/4波長板5を形成し、さらに配向膜9を形成する。

0033

前記ガラス基板2と対向するガラス基板3の表面には、ITO(インジウムスズ酸化物)などからなる透明電極10が形成され、金属反射膜7と透明電極10とで液晶層に電界が印加される。また、ガラス基板3の表示面側には偏光板4を配置する。透明電極10が形成されたガラス基板3を被覆して配向膜11が形成され、相互に対向するガラス基板2、3の周縁部は後述するシール材12で封止される。配向膜9、11間は、45度ツイスト配向となるようにラビング処理されている。

0034

反射電極7は、例えば、Al、Ag等の高反射率で低抵抗金属部材スパッタリング法蒸着法により成膜されてなるものであるが、偏光解消性を有しないようにするために、成膜温度、成膜速度等を制御して、その表面が鏡面に形成されたものであることが必要である。また、その膜厚は十分な反射率で且つ低抵抗となる範囲に設定される必要があり、0.2乃至2μm程度が好適である。

0035

液晶層13には、例えば、誘電異方性Δεが正であるポリマー分散型液晶材料として、商品名PNM−106(大日本インキ社製)などの液晶材料を封入する。ツイスト角度の設定にあわせ、カイラル剤を調整し、液晶層は上下基板間で45度ツイストするように調整のうえ真空注入後封止し、紫外線照射を行い、ポリマーと液晶を相分離し、液晶分子は45度ツイスト配向させる。尚、この基板2を形成する部材は、透光性基板3と同一素材であってもよいが、必ずしも透光性である必要はない。

0036

高分子分散液晶層13は、液晶14が高分子からなる固形部(以下、高分子マトリクスと称す。)15中に分散、保持されているものであればよく、例えば、液晶が独立した液泡を形成してマイクロカプセル状に封じ込めらているもの(NCAP)や、これら液泡が連通したもの(PNLC)が用いられる。また、高分子マトリクスがゲル状に架橋されたものや、細かな孔が多数開口された高分子マトリクスの孔の部分に液晶が充填されたものであってもよい。高分子マトリクス15には、ツイスト散乱モードを採用しているため複屈折が無いものが望ましい。例えばエポキシ樹脂アクリル樹脂が好適である。なお、液晶14と高分子マトリクス15の境界は図では省略する。

0037

また、液晶14にはシアノビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系等の通常TN型やSTN型に用いられる誘電異方性が正の液晶が使用される。高分子分散液晶層13における液晶と高分子の含有割合は、液晶が50乃至98重量%程度の範囲で設定するのが好適である。

0038

なお、液晶の含有割合が低い場合には、電圧印加時の透明性を上げるために、高分子の屈折率と液晶の常光に対する屈折率との差は0.04以内、より好ましくは0.02以内であることが望ましい。液晶の含有割合が十分に高い場合には、このような点について特に留意する必要はない。また、表示面に観察者の顔や周囲が映り込む作用の防止と動作電圧低電圧化のために、液晶の光散乱性は高い方がよく、そのために液晶の複屈折率は、0.1以上、より好ましくは0.15以上であることが望ましい。

0039

この高分子分散液晶層13の製造方法としては、高分子マトリクスの原料と液晶とを予め混合し、熱重合させることにより相分離を生じさせる方法(例えば、特開昭63−501512号公報)、あるいは紫外線で重合させることにより相分離を生じさせる方法(例えば、特開平1−198725号公報)のいずれの方法によってもかまわない。

0040

尚、一定の厚みの高分子分散液晶層13を得る方法としては、高分子マトリクスの原料と液晶との混合溶液を準備し、電極基板上に流延供給して硬化させる方法や、従来のTN型液晶表示装置の場合のように、電極基板の周辺接着剤で封止し、注入口から高分子マトリクスの原料と液晶との混合溶液を注入して、熱又は紫外線により硬化させる方法等が利用できる。この際、上記散乱性の確保のため、液晶滴や網目状高分子の散乱単位の大きさを適宜制御することが必要になることはいうまでもない。

0041

1/4波長板5は、例えば、UVキュアラブル液晶を用いることができる。視感度最高となる波長が530〜550nmであるため、本実施形態においては1/4波長板5のリタ−デ−ションは133〜138nmに設定するのが好ましいが、用いる材料固有の屈折率異方性の波長分散にあわせ、適宜調整される。本実施形態においては、上述のツイスト散乱モードの表示装置を作製するため、偏光板4の偏光軸と1/4波長板5の遅延光軸は、それぞれの偏光軸と光軸が互いに45度をなすように配置する。

0042

また、さらに好ましくは、視感度の良い550nm付近のみではなく、より広い波長域の光に対して1/4波長条件を成立させるため、130nmの位相差を生じさせる前に、その波長による波長毎の偏光状態のずれを補償するための層を設けても良い。その際、この補償層複屈折量は、1/2波長条件にするのが最適であり、さらに1/4波長板と補償用1/2波長層の光軸同志の方位は60°〜120°の間に設定すると、この補償が最適に行えることを見いだした。このようにして構成される通常よりも広い帯域で。1/4波長条件を満たす位相差フィルムを1/4波長板5の代わりに用いても良く、この場合の1/4波長板の光軸に相当する方位は、直線偏光を円偏光にする方位であれば良いことは言うまでもない。

0043

また、反射膜7は、視差の効果をなくすために、基板2の高分子分散液晶層13側に形成することが望ましく、この場合は、1/4波長板5も図1のように基板2の高分子分散液晶層13側に配置される。前記ガラス基板3の液晶層13と反対側には、例えば単体透過率48%の偏光板4を配置する。

0044

上記構成において、高分子分散液晶層13の液晶14は、電圧無印加時には45度ツイスト配向され、この中を透過した光は散乱するものの、その散乱光偏光特性を保持することとなり、そのため、散乱光のほとんどの光は偏光板7を通過でき、本装置の表示状態はいわゆる明表示となる。この明表示においては、高分子分散液晶層13は白色散乱状態であるので、反射電極7の高分子分散液晶層13と接合する面が鏡面であっても、周囲からのいわゆる映り込みが生じる可能性は小さく、視認性を低下させることが殆どない。本発明者らは、鋭意検討の結果、図4に示すように散乱光がほとんど偏光性を保持することを見いだした。図4は、図5(a)で示した配置で、平面内で液晶セルを回転させ、その回転の角度ごとの散乱光の強度を測定し、さらにその散乱光を図5(b)に示すようにクロスニコルの偏光板で受光し測定した結果である。ここに示した図4は、簡単のため平行配向の液晶配向で上記手順にて作製された液晶セルの散乱光の偏光依存性を示す図である。

0045

図4に示すように、入射光の液晶配向方向の偏光成分のみが散乱され、その散乱光も、偏光を保存したまま散乱しているため、クロスニコル受光では散乱光は受光偏光板で吸収される。また、クロスニコルの偏光板の配置で、液晶は配向がどちらの偏光板とも異なる方位の例えば45度異なる場合、液晶の散乱作用によって液晶の配向方向に偏光が揃い、さらにその偏光成分が45度異なる受光偏光板で受光するため、クロスニコル受光の中では強度はもっとも高くなり、非偏光受光のピーク強度の約1/4になる。この性質は、液晶配向が45度ツイストしていても同様であることを確認した。そのため、入射時の偏光板による吸収以外での光量のロスはほとんど無く、本実施形態における液晶表示装置の散乱光の強度を図6の配置で測定すると、装置上面の偏光板の有無で10%の変化しか生じないことを確認した。

0046

一方、電圧印加時、液晶14は電極7、10に対して垂直に配向されるために、垂直入射光に対して複屈折効果は生じない。そのため、偏光状態の変化は1/4波長板5に起因するものだけとなる。外部から入射した光は、反射電極7で反射され1/4波長板5及び偏光板4を透過して再び外部へ出ることとなるが、本装置に入射して再び外部へ出るまでの間に1/4波長板6を2回通過するので、実質1/2波長分の位相変化を生ずることとなる。したがって、偏光面は90度回転し、出射時に偏光板7に吸収されて、本装置の表示状態はいわゆる暗表示となる。この場合、電圧を印加により散乱効果は起こらず、散乱のない黒表示が可能となる。

0047

図7の様に、前記金属反射膜7および透明電極10は、それぞれ走査回路16およびデータ回路17に接続される。走査回路16およびデータ回路17は、マイクロプロセッサなどの制御回路18の制御により、表示内容に対応する表示データに基づいて金属反射膜7および透明電極10を走査しつつ、電圧発生回路19からの表示電圧または非表示電圧を印加し表示を実現する。

0048

図8(a)は偏光板4、高分子分散型液晶層13、1/4波長板5の光学的構成を示す図である。偏光板4の吸収軸あるいは透過軸の軸方向L1に対して、1/4波長板の遅相軸の軸方向L2が時計回り方向になす角度θ1を、例えば45度に定める。一方、高分子分散型液晶層13の図3に示す液晶分子の配向方向のうち、基板3に接した側の配向L3が、前記軸方向L1に対して反時計回りになす角度θ2(不図示)を、例えば0度に定める。

0049

次に本実施形態の作製手順について述べる。各ガラス基板3上に、ポリイミド樹脂膜を形成し、200℃で1時間焼成する。例えば液晶を基板に平行に配向させるSE150(日産化学社製)を用いた。これにより配向膜9、11が形成される。この後、前記高分子分散型液晶分子13を配向させるためのラビング処理を行う。

0050

一方、ガラス基板2には、予め反射電極7としてアルミニウム2000Åが形成されており、その後1/4波長板5の形成を行った。この方法として、ガラス基板2上の反射電極7上に基板3と同様のポリイミド樹脂膜(不指示)を形成、焼成の後、ラビング処理を行う方法を用いた。このラビング方向はL2方位に1/4波長板5の遅相軸を形成するための下地処理であり、この処理の後、UVキュアラブル液晶を塗布、加熱、配向処理、紫外線露光重合硬化過程を経て、1/4波長板5を形成した。重合硬化した1/4波長板5上にさらにポリイミド樹脂膜を形成、焼成して配向膜9を形成する。さらに、ラビング処理により基板3に形成した配向膜11とこの配向膜9で、高分子分散液晶層13の配向を決めるべく作製した。このとき、ラビング方向は、基板2、3の間で45度のツイスト角が実現されるように決めた。これらのガラス基板2、3間を封止するシール剤12は、例えば直径11μmのスペーサ混入したエポキシ接着性シール剤をスクリーン印刷またはディスペンサー塗布することによって形成される。

0051

このようにして形成される反射板8と、前記透明電極10および配向膜11が形成されたガラス基板3とを組み合わせるに際して、ガラス基板2、3間に直径10μmのスペーサを散布し、液晶層の層厚規制を行う。ガラス基板2、3を対向して、前記シール剤12で貼り合わせた後、シール剤を硬化してセルを組立て、液晶層13を構成する液晶高分子前駆体混合物真空注入法により封入される。封入後、透明基板3側から高圧水銀灯により紫外線を照射し、配向高分子分散型液晶を作製した。

0052

図9は、本実施形態の液晶表示装置1の電圧/反射率特性を示すグラフである。本実施形態において、電圧を印加した場合、液晶表示装置1の法線方向に関して角度30度だけ傾斜した方向から入射した光に対する前記法線方向の反射率は最大約45%であり、最大コントラスト比は7であった。このときの反射率を決定するための基準となる部材として、酸化マグネシウムMgOの標準白色板を用いた。

0053

図10および図11は本実施形態の液晶表示装置1の動作を説明する図であり、説明の便宜のため、液晶表示装置1を分解して示す。図10に示す遮光動作時では、入射光28は偏光板4を通過すると偏光板4の前記軸方向L1と平行な直線偏光29となる。液晶層13を通過して、そのままの直線偏光のまま1/4波長板5に入射し、例えば右回りの円偏光30となる。この円偏光30は反射板7で反射し左回りの円偏光31となる。この円偏光31は、1/4波長板5を通過し、液晶高分子複合層13を通過すると、前記入射時の直線偏光29の方向と直交する方向の偏光面を有する直線偏光32となる。この直線偏光32は偏光板4によって遮光される。すなわち、反射板8からの反射光は遮光される。この場合には配向高分子分散型液層は散乱しないため、散乱効果のない良好な黒表示が達成される。他方の例として、1/4波長板を通過して右回りの円偏光となる場合には、当該円偏光は反射板8で反射すると左回りの円偏光となる。

0054

一方、図11に示す光透過動作時には、入射光28は偏光板4を通過すると、前記軸方向L1と平行な直線偏光となった29は、液晶層13を通過し配向膜9、11に施した配向処理の方向に合わせて、偏光面が回転し、例えば左回りに45偏光面の回転した直線偏光29となる。液晶層13を通過した直線偏光29は1/4波長板を通過しても元の偏光状態を維持し、反射板8で反射し、再度1/4波長板を通過しても同様な直線偏光状態を保持する。さらに液晶層13を通過する場合に、入射時と逆の偏光の回転を伴い、偏光板の透過方位の直線偏光になって偏光板4を通過し出射する。この場合、配向高分子分散型液晶を通過する時に配向方向に一致した偏光が散乱し、液晶の配向の捩れに合わせて偏光面を回転させながら透過して行くため、明るい散乱光が偏光板から出射し、反射膜に鏡面ミラーを用いても良好な白状態を得ることができる。このようにして、従来の偏光板と液晶および1/4波長板による反射透過率変調に加え、散乱の効果がこの変調幅を増加するように有効に変化させる方式が実現された。

0055

なお、本発明では、1/4波長板5を高分子分散液晶層13と反射膜8の間に形成する必要があり、反射膜8が基板2の高分子分散液晶層13側に形成されている。本実施形態においては、UVキュアラブル液晶を用いたが、本発明における1/4波長板はこれに限定されるものではなく、例えばポリカーボネイト製の延伸フィルポリビニルアルコールPVA)あるいはポリメチルメタアクリレートPMMA)などの延伸フィルムも使用することができる。この場合には、基板2の液晶と接していない面にフィルムを配置し基板2に透光性が必要であることは言うまでもないが、更に透光性基板2の厚さを0.1〜0.7mmの程度に薄くし、視差を小さくする必要がある。

0056

本実施形態の反射型液晶表示装置1では、反射板8の金属反射膜7を形成した面が高分子分散液晶層13側に配置されているので、液晶表示装置1を観測する場合の視差が解消され、良好な表示画面が得られる。さらに液晶表示装置1がアクティブマトリクス駆動される構成の場合に、スイッチング素子として用いられる薄膜トランジスタMIM(金属−絶縁膜−金属)構造の非線形素子などに接続される絵素電極として用いられる場合も、前述したように良好な表示品位が実現できることを確認している。

0057

また、反射膜7を電極とする場合に、本実施形態のように反射電極7と透明電極11の間に高分子分散液晶層13と、1/4波長板5が入り駆動電圧の上昇や電荷吸着に伴う残像が引き起こされる。これを防止するために、高分子分散液晶層13と1/4波長板5の間に、透明電極(不図示)を形成し、これと透明電極7とを駆動に用いることも効果的である。

0058

<実施形態2>次に、高分子分散型液晶として、p型ネマティック液晶にE44(メルク社製)、n型ネマティック液晶にRDN−94207(ロディック社製)を用い、これに混合する高分子マトリックス材料としてUVキュアラブル液晶を用いた実施形態について説明する。このUVキュアラブル液晶は常温で液晶相を示し、通常の液晶材料と同じく配向し、紫外線を照射することで液晶分子の配列を保持したまま重合硬化し、硬化後にも、液晶相と同様の複屈折を保持している。この液晶を実施形態1と区別して、以下、配向高分子分散液晶と称する。

0059

配向膜としてはp型ネマティック液晶の場合には液晶を基板に平行に配向させるSE150(日産化学社製)を、またn型ネマティック液晶には液晶を基板に対して垂直に配向させるJALS204(日本合成ゴム社製)を用いた。

0060

液晶とUVキュアラブル液晶を重量比85:15で混合した。セル厚10ミクロンのセルに真空注入し、強度15mW/cm2の紫外線を500秒照射し、相分離させて配向高分子分散型液晶を作製した。電圧を印加しない状態での目視観察の結果は、表1のようになった。比較のため、通常の複屈折の生じない高分子材料のものも記載した。

0061

0062

このように、例えばp型液晶を用いた場合に高分子複合層を挟持する基板に平行に配向している液晶の場合であっても、通常の高分子樹脂の場合は高分子と液晶の屈折率のミスマッチによって散乱作用が見られるのに対し、UVキュアラブル液晶では散乱は見られず、電圧を印加すると、液晶が電界方向に配向するため、散乱が生じる。

0063

この作用をp型液晶の場合について、図示したのが図2である。電圧無印加状態では、液晶滴とUVキュアラブル液晶によって作製された液晶性高分子マトリクスと光学的に等価なため、あたかも複合層全体が液晶層単相によって構成されているように光が伝搬する。一方、電圧印加状態では散乱作用が生じる。

0064

このため、散乱効果を明表示に利用し、暗表示では散乱を抑制するという本発明の原理にかなっているのは、UVキュアラブル液晶とp型液晶の複合系では、「ノーマリーブラック配置」即ち、液晶が基板平行方向に配向して、複合層の透過光が45゜ツイスト偏光面の回転を生じせしめる場合は1/4波長によって偏光状態を変化させ、黒表示を得るような配置であり、その例を図8(b)に示した。偏光板4の吸収軸あるいは透過軸の軸方向L1に対して、1/4波長板の遅相軸の軸方向L2が時計回り方向になす角度θ1(不図示)は、例えば0度に定める。一方、配向高分子分散型液晶層13の図3に示す液晶分子の配向方向のうち、基板3に接した側の配向L3が、前記軸方向L1に対して反時計回りになす角度θ2(不図示)は、例えば0度に定める。

0065

また、UVキュアラブル液晶とn型液晶の配向高分子分散液晶層13の液晶14は、電圧無印加ではホメオトロピック配向した配向高分子分散液晶によって入射光の偏光面は回転しないため、L1とL2の関係は図8(a)に示す向きに取る。この暗表示においても、高分子分散液晶層13は透明状態であるので、良好な暗表示が得られる。

0066

一方、電圧印加時、液晶14がp型である場合、電極10、7に対して垂直に配向されるために、垂直入射光に対して複屈折効果は生じない。そのため、偏光状態の変化は1/4波長板5に起因するものだけとなる。外部から入射した光は、反射電極7で反射され、1/4波長板5及び偏光板4を透過して再び外部へ出ることとなるが、本装置に入射して再び外部へ出るまでの間に1/4波長板5を2回通過するので、実質1/2波長分の位相変化を生ずることとなる。したがって、偏光面は90度回転し、出射時に偏光板7に吸収されて本装置の表示状態はいわゆる暗表示となる。また、電圧印加時のn型液晶は基板に対し、平行方位に液晶が向くため、配向した高分子マトリクスとの屈折率差により散乱が生じる。このとき、予め液晶にカイラル剤を添加しておくことにより、1/4波長板5への入射光の偏光方向をL2方位に向けることができ、1/4波長板5による偏光状態の変化が生じなくなり、明表示となる。

0067

また、本実施形態におけるガラス基板2に代えて、例えばシリコン基板のような不透明基板でも同様な効果が発揮できることを確認している。このようなシリコン基板を前述の実施形態におけるガラス基板2として用いる場合には、前述した走査回路16、データ回路17、制御回路18および電圧発生回路19などの回路素子を、シリコン基板上に集積化して形成できる利点を有している。また、同様の回路集積化は、他の方式、例えば石英ガラス基板上に形成されたポリシリコン層を利用したり、ガラス基板上に作製された低温プロセスのポリシリコン層でも実現可能である。また、一方の基板にカラーフィルタ層を形成することにより、マルチカラーあるいはフルカラー表示が可能となる。

0068

<比較例>比較として、図12に図示するような構成例について説明する。この例では、実施形態と同様に、2枚の基板2、3に液晶層、1/4波長板、散乱性反射膜が挟持されているが、実施形態に詳細に述べたような散乱特性電圧制御は不可能である。従って、明表示と暗表示の散乱特性は変更不可能であり、明状態に合わせて散乱性反射膜の散乱作用を強くすれば、暗状態は明るくなり、暗状態に合わせて散乱効果を少なくすれば、明状態は暗くなる。

0069

また、他の比較例として、反射膜は鏡面とし、液晶表示素子の全面に散乱膜を付加する構成例とも比較する。この場合、液晶の偏光特性は理想的であるが、散乱板による後方散乱が入射光の一部を直ちに観察者側に返してしまうために、黒状態を明るくするとともに、ドットマトリックス表示の場合、隣接画素の表示内容が散乱されるため、表示精細度を悪化させる。また、これらを防止するために散乱効果を弱く設計すると、明状態が暗くなるのは同様であり、液晶部分の反射率で明暗の表示を行うに過ぎない。

発明の効果

0070

以上のように、本発明に従えば、入射光は偏光板、配向高分子分散型液晶層および1/4波長板を介して反射部材に到達し、反射部材で反射されて1/4波長板、液晶層、および偏光板を介して出射することとなる。すなわち、光反射膜を液晶表示素子の内部に構成し、しかも光反射部材の反射面は平坦であり、多重反射がなく、偏光性を保持した良好な黒表示を実現する反射面とすることができる。

0071

しかも電極の一方が反射電極であっても、明表示における高分子分散液晶の白濁状態により、周囲のいわゆる映り込みを生ずることがなく、視差がなく、その上、観察方向に対して光を散乱させるので十分な明るさを有するという効果を奏するものである。

0072

また、バックライトが不要であるので、バックライトを備えた液晶表示装置と比較して低消費電力で且つ視認性に優れた高精細で表示品位の高い反射型液晶表示装置を実現できる。

図面の簡単な説明

0073

図1本発明のツイスト散乱モードによる液晶高分子複合膜の散乱透過制御動作を説明する図である。
図2本発明のツイスト透明モードによる液晶高分子複合膜の散乱透過制御動作を説明する図である。
図3本発明による第1の実施形態の液晶表示装置1の断面図である。
図4実施形態1による液晶高分子複合膜の透過散乱特性測定結果の一例を示す図である。
図5図4に示す測定、評価のための光学配置図である。
図6実施形態1による液晶高分子複合膜の反射特性測定方法の配置図である。
図7液晶表示装置1を駆動する回路系の構成図である。
図8実施形態1による液晶高分子複合膜の液晶配向と偏光板透過軸及び1/4波長板の光学的構成図である。
図9液晶表示装置1の電圧ー反射率特性の特性図である。
図10液晶表示装置1の遮光動作時の表示説明図である。
図11液晶表示装置1の光透過動作時の表示説明図である。
図12比較例の構成例1の液晶表示装置の断面図である。

--

0074

1液晶表示装置
2、3ガラス基板
4偏光板
5 1/4波長板
金属反射性電極
8反射部材
9、11配向膜
10透明電極
13液晶高分子複合層
14液晶組成物
15 高分子マトリクス

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱電機株式会社の「 画像表示装置」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】表示領域の外周部に非表示領域を有する画像表示パネルを複数用いて構成した画面を、連続した1つの画面のように視認させる画像表示装置を提供する。【解決手段】第1の表示領域と第1の非表示領域とを有する... 詳細

  • 三菱ケミカル株式会社の「 液晶素子、液晶組成物、液晶素子を用いたスクリーン及びディスプレイ」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】調光素子としての性能に優れ、耐光性に優れる液晶素子を提供する。【解決手段】少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板を有し、基板間に、カイラルネマチック液晶相と高分... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 表示装置及び車載情報機器」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】コストアップ無しに、筐体からタッチパネルを剥がした際に筐体側に両面粘着テープが残るようにする。【解決手段】タッチパネル10のガラス面11と筐体20の樹脂面21とは、両面粘着テープ30により接着... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ