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技術 継目無鋼管の製造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 飯田純生
出願日 1997年2月20日 (23年2ヶ月経過) 出願番号 1997-036358
公開日 1998年9月2日 (21年8ヶ月経過) 公開番号 1998-230306
状態 拒絶査定
技術分野 管の製造;マンドレル 潤滑性組成物 潤滑剤
主要キーワード 所定性能 管内面温度 中実素材 投入供給 プラグ形状 輻射温度計 浸炭現象 表面酸化スケール
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この項目の情報は公開日時点(1998年9月2日)のものです。
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課題

鋼中のC濃度が0.03重量%以下の製品管で、圧延後の管内面浸炭層を発生させることがなく、しかもプラグ使用寿命を向上させることができる継目無鋼管の製造方法を提供する。

解決手段

鋼中のC含有量が0.03重量%以下の中実素材穿孔圧延機により中空素管成形し、この中空素管の内面温度が900℃以上である間に、その内面にカリウム珪素マイカナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイト、およびバーミキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上の酸化物系層状物質からなる粒子状固体潤滑剤を供給して延伸圧延する。

概要

背景

熱間圧延法による継目無鋼管の製造プロセスのなかには、穿孔圧延機による穿孔圧延工程の次段に、バレル型またはコーン型からなる一対のロールとこのロール間に配置されたプラグとを備えたエロンゲータミルと称される延伸圧延機による延伸圧延工程を設ける方法がある。そして、エロンゲータミルでは、通常、3%Cr−1%Ni系に代表される低合金鋼製で、その表面に黒皮スケールを付着させる熱処理を施したプラグが用いられる。

しかし、上記のプラグは、13Cr鋼やSUS304などのステンレス鋼をはじめとする合金鋼を延伸圧延した場合の使用寿命炭素鋼などの普通鋼を延伸圧延した場合に比べて極端に短いという問題を有している。これは、次の理由による。すなわち、合金鋼と普通鋼の摩擦係数を比べると合金鋼の方が高い。また、合金鋼と普通鋼の表面酸化スケール量を比べると合金鋼の方が遥かに少ない。従って、合金鋼の延伸圧延時には、プラグ表面に付着させた黒皮スケールが早期に摩耗消滅するのみならず、被圧延材表面からのスケール移着がほとんどない。この結果、スケールによる耐熱性が早期に低下し、プラグ表面に「えぐれ」と称される凹状疵が生じるのみならずプラグ形状が変形し、これによって被圧延材に焼付き疵が発生するようになるためである。

このため、通常は、被圧延材である中空素管内面顆粒状にした黒鉛系の潤滑剤を投入して延伸圧延することでプラグの使用寿命を向上させるようにしている。

しかし、上記の場合、中空素管の内面温度が900℃以上である間に延伸圧延すると、その圧延中に管内面で浸炭現象が生じ、延伸圧延後の管内面側炭素濃度母材のそれよりも高い浸炭層が発生するようになる。そして、この浸炭層部分は、例えば、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定されたステンレス鋼製の製品管の場合、管内面の耐粒界腐食性などの耐食性を低下させ、所定性能を満たさなくる。

従って、所定性能の耐食性を有する製品管を得るためには、圧延後、その浸炭層部分を回転駆動される砥石などを用いて研削除去するなどの除去工程が必要になる。その結果、生産性の低下を招いて製品製造コスト上昇が著しなる。このため、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管を得るのに際し、延伸圧延時には黒鉛系の潤滑剤を使用することができない。

一方、中空素管の内面温度が900℃未満になってから延伸圧延すると、上記黒鉛系の潤滑剤を用いても管内面で浸炭現象が発生することはないが、被圧延材の変形抵抗が高くなるためにプラグの損傷変形が著しくなり、その使用寿命が短くなる。

そこで、従来は、潤滑剤として酸化鉄粉末Ni粉末水ガラスを混合した非黒鉛系の潤滑剤を用いる方法(特開平2−112805号公報)や、プラグとしてその表面にMo合金層を形成させたプラグを用いる方法(特開平1−154808号公報)が提案されている。

しかし、前者の方法は、潤滑剤を構成する水ガラスがプラグ表面のスケールに溶融し、かえってプラグの使用寿命が低下するという欠点を有している。また、後者の方法は、そのMo合金層を50重量%以上のMo含有合金で形成しないと十分な耐焼付き性の確保が困難であるにも係わらず、その合金層クラックが発生しやすく、しかも剥離しやすいため、高価なわりにその使用寿命が不十分であるという欠点を有している。

従って、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管の得る際の上記エロンゲータミルによる延伸圧延は、従来にあってはやむおえず、中空素管の内面温度が900℃未満になってからその管内に潤滑剤を供給することなく圧延することにしていた。従って、3%Cr−1%Ni系に代表される低合金鋼製で、その表面に黒皮スケールを付着させる熱処理を施したプラグの使用寿命が短いという問題があった。

このため、そのプラグの使用寿命の向上と同時に、圧延後の製品管の内面に浸炭層を形成させることがないエロンゲータミルによる延伸圧延方法の開発が望まれていた。

概要

鋼中のC濃度が0.03重量%以下の製品管で、圧延後の管内面に浸炭層を発生させることがなく、しかもプラグの使用寿命を向上させることができる継目無鋼管の製造方法を提供する。

鋼中のC含有量が0.03重量%以下の中実素材を穿孔圧延機により中空素管に成形し、この中空素管の内面温度が900℃以上である間に、その内面にカリウム珪素マイカナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイト、およびバーミキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上の酸化物系層状物質からなる粒子状固体潤滑剤を供給して延伸圧延する。

目的

本発明は、上記の実状に鑑みてなされたもので、その課題は、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管を得る際のエロンゲータミルによる延伸圧延時に、圧延後の製品管の内面に浸炭層が形成されることがなく、しかもプラグの使用寿命を向上させることができる継目無鋼管の製造方法を提供することにある。

効果

実績

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請求項1

鋼中のC含有量が0.03重量%以下である継目無鋼管の製造方法であって、加熱された中実素材穿孔圧延機により中空素管成形し、この中空素管の内面温度が900℃以上である間に、その内面カリウム珪素マイカナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイト、およびバーミキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上の酸化物系層状物質からなる粒子状固体潤滑剤を供給して延伸圧延することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、継目無鋼管の製造方法に係わり、特に鋼中のC含有量が0.03重量%以下である継目無鋼管の製造方法に関する。

背景技術

0002

熱間圧延法による継目無鋼管の製造プロセスのなかには、穿孔圧延機による穿孔圧延工程の次段に、バレル型またはコーン型からなる一対のロールとこのロール間に配置されたプラグとを備えたエロンゲータミルと称される延伸圧延機による延伸圧延工程を設ける方法がある。そして、エロンゲータミルでは、通常、3%Cr−1%Ni系に代表される低合金鋼製で、その表面に黒皮スケールを付着させる熱処理を施したプラグが用いられる。

0003

しかし、上記のプラグは、13Cr鋼やSUS304などのステンレス鋼をはじめとする合金鋼を延伸圧延した場合の使用寿命炭素鋼などの普通鋼を延伸圧延した場合に比べて極端に短いという問題を有している。これは、次の理由による。すなわち、合金鋼と普通鋼の摩擦係数を比べると合金鋼の方が高い。また、合金鋼と普通鋼の表面酸化スケール量を比べると合金鋼の方が遥かに少ない。従って、合金鋼の延伸圧延時には、プラグ表面に付着させた黒皮スケールが早期に摩耗消滅するのみならず、被圧延材表面からのスケール移着がほとんどない。この結果、スケールによる耐熱性が早期に低下し、プラグ表面に「えぐれ」と称される凹状疵が生じるのみならずプラグ形状が変形し、これによって被圧延材に焼付き疵が発生するようになるためである。

0004

このため、通常は、被圧延材である中空素管内面顆粒状にした黒鉛系の潤滑剤を投入して延伸圧延することでプラグの使用寿命を向上させるようにしている。

0005

しかし、上記の場合、中空素管の内面温度が900℃以上である間に延伸圧延すると、その圧延中に管内面で浸炭現象が生じ、延伸圧延後の管内面側炭素濃度母材のそれよりも高い浸炭層が発生するようになる。そして、この浸炭層部分は、例えば、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定されたステンレス鋼製の製品管の場合、管内面の耐粒界腐食性などの耐食性を低下させ、所定性能を満たさなくる。

0006

従って、所定性能の耐食性を有する製品管を得るためには、圧延後、その浸炭層部分を回転駆動される砥石などを用いて研削除去するなどの除去工程が必要になる。その結果、生産性の低下を招いて製品製造コスト上昇が著しなる。このため、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管を得るのに際し、延伸圧延時には黒鉛系の潤滑剤を使用することができない。

0007

一方、中空素管の内面温度が900℃未満になってから延伸圧延すると、上記黒鉛系の潤滑剤を用いても管内面で浸炭現象が発生することはないが、被圧延材の変形抵抗が高くなるためにプラグの損傷変形が著しくなり、その使用寿命が短くなる。

0008

そこで、従来は、潤滑剤として酸化鉄粉末Ni粉末水ガラスを混合した非黒鉛系の潤滑剤を用いる方法(特開平2−112805号公報)や、プラグとしてその表面にMo合金層を形成させたプラグを用いる方法(特開平1−154808号公報)が提案されている。

0009

しかし、前者の方法は、潤滑剤を構成する水ガラスがプラグ表面のスケールに溶融し、かえってプラグの使用寿命が低下するという欠点を有している。また、後者の方法は、そのMo合金層を50重量%以上のMo含有合金で形成しないと十分な耐焼付き性の確保が困難であるにも係わらず、その合金層クラックが発生しやすく、しかも剥離しやすいため、高価なわりにその使用寿命が不十分であるという欠点を有している。

0010

従って、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管の得る際の上記エロンゲータミルによる延伸圧延は、従来にあってはやむおえず、中空素管の内面温度が900℃未満になってからその管内に潤滑剤を供給することなく圧延することにしていた。従って、3%Cr−1%Ni系に代表される低合金鋼製で、その表面に黒皮スケールを付着させる熱処理を施したプラグの使用寿命が短いという問題があった。

0011

このため、そのプラグの使用寿命の向上と同時に、圧延後の製品管の内面に浸炭層を形成させることがないエロンゲータミルによる延伸圧延方法の開発が望まれていた。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、上記の実状に鑑みてなされたもので、その課題は、鋼中のC濃度が0.03重量%以下に規定された製品管を得る際のエロンゲータミルによる延伸圧延時に、圧延後の製品管の内面に浸炭層が形成されることがなく、しかもプラグの使用寿命を向上させることができる継目無鋼管の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明の要旨は、次の継目無鋼管の製造方法にある。

0014

鋼中のC含有量が0.03重量%以下である継目無鋼管の製造方法であって、加熱された中実素材を穿孔圧延機により中空素管に成形し、この中空素管の内面温度が900℃以上である間に、その内面にカリウム珪素マイカナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイト、およびバーミキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上の酸化物系層状物質からなる粒子状固体潤滑剤を供給して延伸圧延することを特徴とする継目無鋼管の製造方法。

0015

本発明者らは、多くの製造実験とその実験結果の解析を行った結果次のことを知見し、本発明をなすにいたった。

0016

すなわち、プラグの使用寿命を長くするには、先ず第1に、使用中におけるプラグ自体の損傷変形、特に変形を防ぐことが必要であり、そのためには被圧延材の変形抵抗が小さいうち、具体的には穿孔圧延機で穿孔された中空素管の内面温度が900℃以上ある間に延伸圧延を終了する必要があること。

0017

第2に、上記の高温域においては、浸炭現象の発生防止は勿論であるが、被圧延材とプラグとの焼き付を防止するとともに、被圧延材からプラグへの熱伝達を抑制することが最も重要であり、そのためには黒鉛系の潤滑剤を除いた潤滑剤であって、耐焼き付き性に優れる一方、熱伝導率の小さい潤滑剤を使用する必要があること。

0018

そして、その潤滑剤としては、無機質層状酸化物物質である白マイカカオリンパイロフィライトタルク、カリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイトおよびバーミュキュライトのうち、白マイカ、カオリン、パイロフィライトおよびタルクを除く、カリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイトおよびバーミュキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる粒子状の潤滑剤が最も適していることを知見した。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の方法について詳細に説明する。

0020

《被圧延材について》本発明で対象とする被圧延材は、普通鋼、低合金鋼、高合金鋼およびステンレス鋼などのFe基合金、またはNi基合金などで、鋼中のC含有量が0.03重量%以下の合金である。

0021

《被圧延材の圧延温度について》穿孔圧延機で穿孔された被圧延材、すなわち中空素管は、その内面温度が900℃以上である間に、上記穿孔圧延機の次段に設けられたエロンゲータミルで圧延を終了する必要がある。これは、中空素管の内面温度が900℃未満では、被圧延材の変形抵抗が大きく、使用中におけるプラグの損傷変形、特に変形を十分に抑制することができず、プラグの使用寿命が向上しないためである。

0022

中空素管の内面温度の上限は、特に制限しない。その理由は、温度が高ければ高いほど、被圧延材の変形抵抗が小さくなり、プラグの損傷変形、特に変形が少なくなるからである。

0023

なお、中空素管の内面温度は、穿孔圧延機による穿孔圧延前の素材中実ビッレト)の加熱温度(通常、1200〜1250℃)以上になることはない。また、中空素管の内面温度は、例えば輻射温度計などを用いて測定される。

0024

《潤滑剤について》本発明において用いる潤滑剤は、カリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイトおよびバーミキュライトのうちから選ばれた1種または2種以上の層状酸化物系物質の粒子状からなるものでなければならない。

0025

上記の層状酸化物系物質は、いずれも切断抵抗の小さな天然もしくは人工の層状酸化物系の無機物質で、その使用時に被圧延剤(中空素管)の内面とプラグ表面との間に介在して両者が焼き付くのを防止するとともに、被圧延材の熱がプラグに伝達されるのを抑制する役目を担っている。

0026

また、上記の層状酸化物系物質は、これを固体潤滑剤として使用した場合、いずれもほぼ同様な摩擦挙動を示す。このため、2種以上を混合する場合にもその混合割合は特に制限されない。

0027

上記の層状酸化物系物質からなる潤滑剤は、エロンゲータミルによる延伸圧延前の中空素管の圧延先端となる一方管端からその管内に固体潤滑剤投入機を用いて所定の量が一括して投入供給される。そのため、その形状は、延伸圧延時に円滑に流動して管内面の円周方向と軸長方向へ均一に供給されるように粒子状にする必要がある。その粒子の大きさは、特に制限されないが、直径が約5mm程度の顆粒状にすれば十分である。

0028

上記層状酸化物系物質の純度については、特に制限されない。しかし、その純度があまり低いと、夾雑物として存在しているアルミナ(Al2 O3 )やシリカ(SiO2 )などを主体とする不純物によってその潤滑性能が低下するようになる。このため、上記の層状酸化物系物質としては、その純度が81%以上のものを用いるのが望ましい。

0029

なお、上記と同様の層状酸化系物質である白マイカ、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、カオリンは、上記の層状酸化物系物質と比べると、その理由は定かではないが、潤滑性能が劣り、これらを用いたのでは所望の効果が得られない。

0030

よって、本発明では上記の層状酸化系物質、すなわちカリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイトおよびバーミキュライトの5種類の物質のみを用いることにした。

0031

穿孔圧延機で穿孔圧延された外径232mm、肉厚38mm、長さ5515mmで、SUS304L(C含有量=0.013重量%)製の中空素管を、エロンゲータミルによって外径282mm、肉厚17mm、長さ9000mmの管に成形する延伸圧延を行った。

0032

この時、中空素管をエロンゲータミルに供給するのに先立ち、その内面温度を種々変化させる一方、その管内に種類の異なる層状酸化系物質からなる粒子状の固体潤滑剤を一定量(100g/本)投入供給した。

0033

また、プラグとしては、3%Cr−1%Ni系の低合金鋼製で、これを15体積%の水蒸気を含む950℃の雰囲気中に3時間加熱保持する熱処理を施すことで、その表面に厚さ200μmのFe3 O4 を主体とするスケール層を付着させたものを用いた。

0034

なお、比較のために、潤滑剤として黒鉛を用いた場合と、潤滑剤を用いない場合とでも、上記同様条件のもとで延伸圧延を行った。

0035

そして、同一プラグで焼き付き発生なく圧延できた中空素管の本数、すなわちパス回数を調べることでプラグの使用寿命を比較した。また、延伸圧延後の管については、その内面の浸炭層の発生有無を、管軸長方向中央部の内表面から肉厚方向に0.1mmの成分分析用の試料切削除去してそのC含有量を調べ、母材の炭素濃度0.013%超の場合に浸炭発生有りとして評価した。これらの結果を、圧延条件とともに表1に示した。

0036

0037

表1に示す結果から明らかなように、本発明の方法に従って延伸圧延した場合(表1の太線枠内)のプラグの使用寿命は、最低で7パス最高で11パスと良好であった。また、延伸圧延後の管には、その内面に浸炭層が全く発生しなかった。

0038

これに対し、潤滑剤として本発明で規定する層状酸化物系物質(カリウム四珪素マイカ、ナトリウム四珪素マイカ、天然金マイカ、ベントナイト、バーミキュライト)を用いても、延伸圧延時の管内面温度が本発明で規定する範囲外の850℃の場合、プラグの使用寿命は最大でも4パスで本発明によった場合の約半分以下と悪かった。

0039

また、延伸圧延時の管内面温度が本発明で規定する範囲内の910℃以上であっても、潤滑剤として本発明で規定する以外の層状酸化物系物質(白マイカ、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、カオリン)を用いた場合、プラグの使用寿命は最大でも4パスで本発明によった場合の約半分以下と悪かった。

0040

なお、上記いずれの場合も、用いた潤滑剤が黒鉛系の潤滑剤でないので、本発明によった場合と同じく、延伸圧延後の管内面に浸炭層の発生は認められなかった。

0041

一方、潤滑剤として黒鉛系の潤滑剤を用いた場合には、延伸圧延時の管内面温度が900℃未満であると、浸炭層は発生しないものの、プラグの使用寿命は4パスと悪かった。また、延伸圧延時の管内面温度が900℃超であると、プラグの使用寿命は12〜13パス良好であるが、延伸圧延後の管内面に浸炭層が発生した。

0042

さらに、潤滑剤を全く用いなかった場合には、延伸圧延後の管内面に浸炭層が発生しないものの、延伸圧延時の管内面温度の如何に係わらず、プラグの使用寿命は2パスのと極めて悪かった。

発明の効果

0043

本発明の方法によれば、圧延後の管内面に浸炭層を発生させることなく、プラグの使用寿命を向上させることができる。この結果、内面を研削除去仕上げする必要がないので、所定の耐食性を有する鋼中のC含有量が0.03重量%以下の製品管を生産性よく製造することができる。また、プラグの使用寿命が向上するので、プラグ原単位の低減と圧延時におけるプラグ交換作業が減少し、作業性が向上する。さらに、上記の相乗効果によって製品の製造コストが大幅に低減し、耐食性性能に優れた製品を安価に提供することができる。

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