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技術 チタン製治具の前処理法及びアルミニウムの電解着色処理法

出願人 日本軽金属株式会社
発明者 長沢大介海老原健
出願日 1997年2月14日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1997-030797
公開日 1998年8月25日 (21年0ヶ月経過) 公開番号 1998-226900
状態 未査定
技術分野 表面反応による電解被覆 電気分解または電気泳動による被覆
主要キーワード 調整片 多孔性皮膜 耐酸性樹脂 固定通電 用型材 水素ガス発生反応 治具側 各使用後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月25日)のものです。
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図面 (4)

課題

チタン治具を用いてアルミニウム被処理材電解着色処理を行う際に、この電解着色処理に先駆けてチタン製治具に対して施す新しいチタン製治具の前処理法を提供する。

解決手段

陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行う際に、このアルミニウム被処理材を保持して電解着色浴中に浸漬するために用いられるチタン製治具の前処理法であり、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬して陰極電解処理を行うことにより、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物析出させる前処理法である。また、このような前処理が施されたチタン製治具を用いて行うアルミニウムの電解着色処理法である。

概要

背景

概要

チタン治具を用いてアルミニウム被処理材電解着色処理を行う際に、この電解着色処理に先駆けてチタン製治具に対して施す新しいチタン製治具の前処理法を提供する。

陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行う際に、このアルミニウム被処理材を保持して電解着色浴中に浸漬するために用いられるチタン製治具の前処理法であり、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬して陰極電解処理を行うことにより、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物析出させる前処理法である。また、このような前処理が施されたチタン製治具を用いて行うアルミニウムの電解着色処理法である。

目的

従って、本発明の目的は、チタン製治具を用いてアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬した状態で電解着色処理を行う際に、この電解着色処理が円滑に進行するように、電解着色処理に先駆けてチタン製治具に対して施す新しいチタン製治具の前処理法を提供することにある。

また、本発明の他の目的は、チタン製治具を用いてアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬した状態で電解着色処理を円滑に行うための新しい電解着色処理法を提供することにある。

更にまた、本発明は、陽極酸化皮膜処理の際に用いられ、優れた耐蝕性を有するチタン製治具を、電解着色処理においてもそのまま使用することができ、これによって電解着色処理の作業性を向上せしめることができるチタン製治具の前処理法あるいは電解着色処理法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行う際に、このアルミニウム被処理材を保持して電解着色浴中に浸漬するために用いられるチタン治具前処理法であり、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬して陰極電解処理を行うことにより、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物析出させ、この析出した水酸化物でチタン製治具の表面を被覆することを特徴とするチタン製治具の前処理法。

請求項2

陰極電解処理は、水素ガス発生反応優先する電流密度帯域で行う請求項1に記載のチタン製治具の前処理法。

請求項3

陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材をチタン製治具を用いて保持し、このチタン製治具で保持されたアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行い、このアルミニウム被処理材の表面に着色を施すアルミニウムの電解着色処理法において、上記チタン製治具として、アルミニウム被処理材を保持した状態でこのチタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を被覆せしめたチタン製治具を用いることを特徴とするアルミニウムの電解着色処理法。

請求項4

陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材をチタン製治具を用いて保持し、このチタン製治具で保持されたアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行い、このアルミニウム被処理材の表面に着色を施すアルミニウムの電解着色処理法において、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬し、水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域で陰極電解処理を行って、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出させ、次いで電解着色処理に適した電流密度帯域に戻して電解着色処理を行うことを特徴とするアルミニウムの電解着色処理法。

技術分野

0001

この発明は、陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材に対して行われる電解着色処理及びこの電解着色処理においてアルミニウム被処理材を保持するために用いられるチタン又はチタン合金製治具(以下、単に「チタン製治具」という)の前処理に関する。

0002

チタン又はチタン合金は、種々の電解浴に対して優れた耐蝕性を有することから、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材表面処理工程で、電解浴中にアルミニウム材を浸漬する際にこのアルミニウム材を保持するめの治具として、あるいは、対極として使用されている。

0003

例えば、特開昭54−143738号、特開昭58−71395号、特開昭63−38599号等の公報には、陽極酸化皮膜処理の際にアルミニウム材を保持するための治具の材料として、チタニウムあるいはチタニウム合金が使用されることが記載されており、また、特開平4−362196号公報や特許第2534805号公報には、アルミニウム被処理材の電解着色処理の前処理としての交流電解処理中間処理)において、チタン等の不溶性電極を対極として用いることが記載されている。

0004

しかしながら、アルミニウム被処理材の電解着色処理において、このアルミニウム被処理材を保持するための治具としてチタン製治具を用い、このチタン製治具まで電解着色浴中に浸漬すると、この電解着色処理ために供給する電流がチタン製治具側優先的に流れてアルミニウム被処理材の電解着色が阻害され、満足の行く電解着色処理を行うことができない。

0005

そこで、従来においては、電解着色処理においてチタン製治具を用いる場合には、このチタン製治具が電解着色浴中に浸漬しないようにして使用されていたが、このような場合には、必然的にアルミニウム被処理材において電解着色が施されない部分が生じ、結果としてアルミニウム被処理材の歩留りが低下するという問題があった。また、アルミニウム被処理材が小物であると、このアルミニウム被処理材の全体を電解着色浴中に浸漬しなければならない場合もあり、このような場合には、アルミニウム被処理材の電解着色処理において、チタン製治具そのものの使用ができず、このような場合には例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製の治具(以下、単に「アルミニウム製治具」という)等、他の材質の治具を使用せざるを得ず、耐久性に乏しいという問題があった。特に、アルミニウム製治具を用いる場合には、そのアルミニウム製治具を使い捨てにするか、あるいは、アルミニウム被処理材との間の接点を確保するために各使用後表面研磨表面研削等のメンテナンスをする必要があり、治具の寿命が短いという問題があった。

0006

また、チタン又はチタン合金に代わる耐蝕性に優れた材料として、ジルコニウムバナジウムタンタルネオビウム等の金属も知られているが、これらは何れもコストが高く、チタンに代わる材料として使用できるものではない。

発明が解決しようとする課題

0007

そこで、本発明者らは、電解着色処理の際においても浸漬状態でチタン製治具を用いることができるようにし、これによって電解着色処理において治具のメンテナンスを容易にすると共に繰り返し使用を可能にし、また、治具の寿命を大幅に改善することができる手段について鋭意検討した結果、電解着色処理に先駆けてチタン製治具の表面に電解着色浴を構成する浴成分に対応する水酸化物析出させてこの析出した水酸化物でチタン製治具の表面を被覆することにより、目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。

0008

従って、本発明の目的は、チタン製治具を用いてアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬した状態で電解着色処理を行う際に、この電解着色処理が円滑に進行するように、電解着色処理に先駆けてチタン製治具に対して施す新しいチタン製治具の前処理法を提供することにある。

0009

また、本発明の他の目的は、チタン製治具を用いてアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬した状態で電解着色処理を円滑に行うための新しい電解着色処理法を提供することにある。

0010

更にまた、本発明は、陽極酸化皮膜処理の際に用いられ、優れた耐蝕性を有するチタン製治具を、電解着色処理においてもそのまま使用することができ、これによって電解着色処理の作業性を向上せしめることができるチタン製治具の前処理法あるいは電解着色処理法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

すなわち、本発明は、陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行う際に、このアルミニウム被処理材を保持して電解着色浴中に浸漬するために用いられるチタン製治具の前処理法であり、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬して陰極電解処理を行うことにより、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出させ、この析出した水酸化物でチタン製治具の表面を被覆する、チタン製治具の前処理法である。

0012

また、本発明は、陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材をチタン製治具を用いて保持し、このチタン製治具で保持されたアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行い、このアルミニウム被処理材の表面に着色を施すアルミニウムの電解着色処理法において、上記チタン製治具として、アルミニウム被処理材を保持した状態でこのチタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を被覆せしめたチタン製治具を用いる、アルミニウムの電解着色処理法である。

0013

更に、本発明は、陽極酸化皮膜処理により陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム被処理材をチタン製治具を用いて保持し、このチタン製治具で保持されたアルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬して電解着色処理を行い、このアルミニウム被処理材の表面に着色を施すアルミニウムの電解着色処理法において、上記電解着色処理に先駆けて、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬し、水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域で陰極電解処理を行って、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出させ、次いで電解着色処理に適した電流密度帯域に戻して電解着色処理を行う、アルミニウムの電解着色処理法である。

0014

本発明において、電解着色処理の対象となるアルミニウム被処理材は、陽極酸化皮膜処理が施されて表面に陽極酸化皮膜が被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材であれば特に限定されるものではなく、例えば、硫酸浴100〜600g/リットル浴温0〜30℃、及び電流密度(直流)6〜50mA/cm2 の条件でアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材に陽極酸化皮膜処理を行い、用途に応じてその表面に5〜50μm程度の多孔性皮膜(陽極酸化皮膜)を形成せしめて得られたものを挙げることができる。

0015

また、本発明において、電解着色処理の際に用いるチタン製治具は、チタン又はチタン合金で形成されており、従来よりアルミニウム被処理材の形状に応じて形成され使用されているものと同様な形状や構造を有する液中浸漬型治具を適宜使用することができるものであり、例えば、図1に示すように、互いに所定の間隔をおいて通電ビーム1に多数取り付けられ、各種の装飾品灰皿等の小物2を保持する小物用の治具A1 や、図2及び図3に示すように、略水平に配設される通電ビーム1と、一端がこの通電ビーム1に固定されてこの通電ビーム1から吊り下げられている固定通電3aと、一端が通電ビーム1に移動可能に吊り下げられて上記固定通電杆3aから所定の間隔をおいて位置する可動通電杆3bとからなる横吊り装置の上記可動通電杆3bに取り付けられ、これら固定通電杆3aと可動通電杆3bとの間にサッシ用型材カーテンウオール等の長尺アルミ押出形材4等を横吊りする際に使用される横吊り用の治具A2 (実公昭63−8762号公報参照)等を例示することができる。

0016

更に、本発明において、アルミニウム被処理材に対して行われる電解着色処理は、例えば、錫塩銅塩ニッケル塩コバルト塩鉄塩等の各種の金属塩を含み、必要により硫酸燐酸クロム酸硼酸等の無機酸や、スルホン酸酢酸等の有機酸を添加した酸水溶液を電解浴として用い、目標とする着色状態に応じてこれに交流矩形波パルス波、直流等の電流を定電流密度法や定電圧法により印加し、陽極酸化皮膜中に所定の金属酸化物金属水酸化物を析出させ、これによってゴールドアンバーブロンズグレイブラック等の色調の着色を施す処理であり、従来公知の種々の方法を採用することができる。

0017

この電解着色処理の条件については、特に制限されるものではないが、チタン製治具の前処理から浴組成を変更することなく連続して電解着色処理を行うのがコスト的にも望ましく、この観点から、Niイオン及び/又はCoイオンを5〜50g/リットルの範囲で含むニッケル及び/又はコバルトの硫酸塩、スルファミン酸塩蓚酸塩等の塩水溶液からなるNi浴、Co浴又はNi−Co混合浴を用い、これに必要に応じてFe、Zn、Mg、Mo等の他の金属塩を添加し、アンモニア酸化マグネシウム等を用いてpHを4〜7程度に調整し、更に必要に応じて硼酸50g/リットル以下、硫酸マグネシウム(7水塩)200g/リットル以下等を浴安定剤として添加して調製された、pH4〜7のいわゆる中性電解着色浴を用い、浴温度10〜40℃、電流密度1〜15mA/cm2 、電圧10〜100V、電解時間30秒〜30分の条件で処理するのがよい。

0018

そして、このような電解着色処理に先駆けて上記チタン製治具に対して施す前処理は、電解着色処理を行う場合と全く同様に、アルミニウム被処理材をチタン製治具に保持せしめ、その状態でアルミニウム被処理材と共にチタン製治具をpH4〜7のいわゆる中性電解着色浴中に浸漬し、所定の電流密度で所定の時間だけ電流を流して陰極電解処理を行い、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出せしめ、この析出した水酸化物でチタン製治具の表面を被覆する処理である。

0019

このチタン製治具の前処理に用いるpH4〜7の中性電解着色浴は、必要ならこのチタン製治具の前処理のためのみに調製してもよいが、好ましくはアルミニウム被処理材を電解着色処理するのに用いる電解浴と同じでよく、この場合にはチタン製治具の前処理として行う陰極電解処理に引き続いてアルミニウム被処理材の電解着色処理を行うことができる。

0020

このチタン製治具の表面に予め施す陰極電解処理は、基本的には、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出させて電気的な絶縁皮膜を形成させることができればよいが、好ましくは陰極電解処理の際に発生する水素ガス発生反応と着色金属還元反応とにおいて水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域で行うのがよい。

0021

そして、この水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域については、使用する電解着色浴の浴組成によっても異なるが、例えば電解着色浴が上述したNi浴、Co浴、Ni−Co混合浴である場合には、500mA/cm2 以上であって実用上3000mA/cm2 以下であり、また、この陰極電解処理の際の他の処理条件としては、浴温度10〜40℃、電圧10〜100V、及び電解時間5秒〜5分の条件下であって、NiやCoの水酸化物を電気的に絶縁皮膜として機能する程度の厚さ、概ね0.1mm以上の厚さでチタン製治具の表面に析出させる。その皮膜の厚さはその後の電解着色処理での電解条件を考慮して設定される。

0022

ここで、チタン製治具の前処理として陰極電解処理を行う際に、水素ガス発生反応が優先する所定の電流密度帯域に制御するための方法としては、各種表面積のチタン製治具を用意して実験的に定めたり、あるいは、チタン製治具にその表面積を調整するための表面積調整片を取り付けてもよい。なお、水素ガス発生反応が優先する電圧は、少なくとも電流密度帯域500mA/cm2 以上、好ましくは500〜3000mA/cm2 を維持できる電圧であって、一義的には決定されないが、通常は15〜50V程度である。

0023

従って、本発明によれば、アルミニウム被処理材の電解着色処理を行う際に、このアルミニウム被処理材を保持するチタン製治具の前処理から電解着色処理までを、同じ電解浴を用いて連続的に行うことができ、これによってアルミニウム被処理材の電解着色処理を能率的に行うことができる。すなわち、本発明の電解着色処理法は、先ずチタン製治具を用いてアルミニウム被処理材を保持し、この状態でアルミニウム被処理材と共にチタン製治具を電解着色浴中に浸漬して陰極電解処理を行い、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を被覆せしめ、次いで引き続き電解着色処理を行う方法である。

0024

このアルミニウムの電解着色処理法においても、チタン製治具の前処理としての陰極電解処理やこの陰極電解処理に引き続いて行う電解着色処理における処理条件については、上記と同様であり、好ましくは、先ず、アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をpH4〜7の電解着色浴中に浸漬し、水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域で陰極電解処理を行って、チタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を析出させ、次いで、電解着色処理に適した電流密度帯域に戻して電解着色処理を行うのがよい。

0025

本発明の電解着色処理により得れた電解着色アルミニウム材は、その後必要により、電着塗装封孔処理を行って最終のアルミニウム製品とされる。電着塗装としては、従来公知の方法を適用することができ、例えばアクリルメラミン系等の電着塗装で5〜15μmの膜厚塗装が施され、また、封孔処理としては例えばpH5.5〜6.5、温度95℃以上、及び20〜40分の条件で行われる沸騰水封孔、3〜5kg/cm2 及び20〜40分の条件で行われる蒸気封孔、Ni、Co、Cd、Zn、Cu、Al、Pb等の酢酸塩硝酸塩、硫酸塩等を用いて70〜100℃及び20〜40分の条件で行われる金属塩封孔等が挙げられる。

発明を実施するための最良の形態

0026

アルミニウム被処理材を保持したチタン製治具をNiイオン及び/又はCoイオンを5〜50g/リットルの範囲で含むpH4〜7のNi浴、Co浴あるいはNi−Co混合浴からなる電解着色浴中に浸漬し、水素ガス発生反応が優先する電流密度帯域500〜3000mA/cm2 となるように、浴温度10〜40℃、電圧15〜50V、及び電解時間5秒〜5分の条件でチタン製治具の表面に電解着色浴の浴成分に対応する水酸化物を概ね0.1mm以上の厚さで析出させ、次いで処理条件を浴温度10〜40℃、電流密度1〜15mA/cm2 、電圧10〜100V、及び電解時間0〜30分に変更して電解着色処理を行い、電解着色浴の金属成分に対応する色調の着色を行う。

0027

チタン製治具に対して前処理として行う陰極電解処理により、このチタン製治具の表面にはアルミニウム被処理材と接触した部分を接点として残してNiやCoの水酸化物が析出し、これが電気的な絶縁皮膜として機能し、引き続いて行われる電解着色処理においてチタン製治具側に電流が優先的に流れてアルミニウム被処理材の電解着色が阻害されるのを防止することができ、これによって引き続き行われる電解着色処理を円滑に遂行することができる。

0028

また、チタン製治具の前処理の際にその表面上に形成された絶縁皮膜のNiやCoの水酸化物は、例えば、酸性溶液中での超音波洗浄処理等により容易に剥離させ、また、溶解させることができ、比較的高価なチタン製治具の反復使用が容易であり、また、アルミニウム被処理材の形状が変化しても必要な電気的接点を容易に確保することができる。

0029

以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明方法を具体的に説明する。
試験用チタン製治具の調製〕工業用純チタンJIS1種製の棒状チタンを用い、図4に示す形状に形成したのち、絶縁性耐酸性樹脂を用いて2箇所のチタン露出部5a,5bを残して絶縁樹脂被覆6a,6b,6cを行い、チタン露出部5a,5b(チタン製治具に相当)の全露出面積(Ti露出面積)がそれぞれ1.0cm2 及び0.2cm2であるテストモデルM1 及びM2 を調製した。

0030

〔実施例1及び2並びに比較例1及び2〕このようにして調製したTi露出面積1.0cm2 のテストモデルM1 を用い、そのチタン露出部5a,5b間に厚さ10μmの陽極酸化皮膜を有する大きさ100cm2 の6063T5製の試験片(アルミニウム被処理材)を弾性保持して、NiSO4 ・6H2 O:160g/リットル及びH3 BO3 :40g/リットルの組成を有するpH5.0の中性電解着色浴中に浸漬し、対極:SUS304、浴温度30℃、及び表1に示す条件で前処理(直流)を行い、引き続いて電解着色処理(矩形波:デューティー比0.1、5Hz)を行い、着色の有無及びチタン露出部(チタン製治具)の状態を調べた。結果を表1に示す。

0031

0032

〔実施例3及び4〕Ti露出面積0.2cm2 のテストモデルM2 (実施例3)及び1.0cm2のテストモデルM1 (実施例4)を用い、実施例3では陰極電流/(Ti露出面積+Al面積)を3.0mA/cm2 に維持して、また、実施例4では陰極電流/(Ti露出面積+Al面積)を前処理時に10.0mA/cm2 で電解着色処理時に3.0mA/cm2 とし、実施例1及び2と同様にして前処理(直流)を行い、引き続いて電解着色処理(矩形波:デューティー比0.1、5Hz)を行い、着色の有無及びチタン露出部(チタン製治具)の状態を調べた。結果を表1に示す。

0033

0034

着色アルミニウム材色値Labの測定〕上記実施例1〜4で得られた着色アルミニウム材についてその色値Labを測定した。結果を表3に示す。また、実施例1で使用したチタン製治具のテストモデルM1 について、実施例1と全く同じ条件で3回繰り返して電解着色処理を行い、3回目に得られた着色アルミニウム材の色値Labを測定した。結果を表3に併せて示す。

0035

発明の効果

0036

本発明によれば、種々の電解浴に対して優れた耐蝕性を有するチタン製治具を用いて、アルミニウム被処理材を電解着色浴中に浸漬した状態で電解着色処理を行うことができ、これによって電解着色処理の作業性並びに治具の耐久性を著しく向上せしめることができ、また、製品の歩留りも良好になる。

図面の簡単な説明

0037

図1図1は、チタン製治具の一例を示す説明図である。
図2図2は、チタン製治具の他の例を示す説明図である。
図3図3は、図2部分拡大断面説明図である。
図4図4は、実施例及び比較例で用いたチタン製治具のテストモデルを示す説明図である。

--

0038

A1 …小物用の治具、A2 …横吊り用の治具、M1 ,M2 …テストモデル、5a,5b…チタン露出部、6a,6b,6c…絶縁樹脂被覆。

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