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技術 自動二輪車の後車輪駆動装置

出願人 川崎重工業株式会社
発明者 高木泉
出願日 1997年2月13日 (23年10ヶ月経過) 出願番号 1997-028817
公開日 1998年8月25日 (22年4ヶ月経過) 公開番号 1998-226386
状態 拒絶査定
技術分野 車両の乗手推進、伝動装置
主要キーワード 従動筒 各取付箇所 中間連結板 各揺動位置 横ひずみ 駆動調車 受圧ローラ チェーン列
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月25日)のものです。
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図面 (10)

課題

自動二輪車後車輪駆動装置において、フレーム剛性を維持しつつ、チェーンメンテナンスの容易化並びにエンジン振動のフレームへの伝達防止を図ることを目的としている。

解決手段

車体フレームの左右の各チューブ21に形成された1対のピボット部間を、リヤアーム支軸32により所定の左右間隔を保つように結合固定する。該支軸32の外周には、リヤアーム33の前端部を回動自在に嵌合すると共に、被駆動調車57を回転自在に嵌合し、該被駆動調車57に、後輪駆動用チェーン式伝動機構60の駆動スプロケットギヤ58を一体的に支軸芯回りに回転するように設ける。すなわち、エンジン22と後車輪との間の伝動機構を、前側のVベルト式と、後側のチェーン式とに、リヤアーム支軸32を中間点として2段式とする。エンジン22は、フレームのチューブ20,21に弾性体120を介して浮動支持する。

概要

背景

この種のチェーン駆動式の後車輪駆動装置としては、特公昭60−20230号公報に記載された装置があり、後車輪の終端スプロケットギヤは直接にエンジン出力スプロケットギヤチェーンを介して連動連結しており、リヤアームピボットシャフトは、車体フレームの左右チューブを結合し、該ピボットシャフトにリヤアームの前端部を揺動自在に嵌合している。

上記エンジンの出力スプロケットギヤは、ピボットシャフトとの干渉を避けるために、ピボットシャフトから前方に離れた位置に配置されており、リヤアームが揺動する際には、上下チェーン列の範囲内にピボットシャフトが収まるようにしてある。

ところがこの構造では、リヤアームの各揺動位置において出力スプロケットギヤと終端スプロケットギヤとの軸間距離が僅かに異なる。該軸間距離の差が大きいと、後車輪が上下死点に位置した際、すなわち、軸間距離が短くなった際に、チェーンの弛みが大きくなり、ラチェッティング現象が発生する場合があると共に、チェーンあるいはスプロケットギヤの摩耗の原因にもなるので、出力スプロケットギヤの軸芯をできるだけピボットシャフトの軸芯に近付ける必要がある。しかし、ミッションケース内ギヤ径の制限により、近付ける距離には限界があり、上記軸間距離の変化を解消することはできない。

したがって、僅かなチェーンの伸びあるいは摩耗に対しても後車輪が上下死点位置にあるときはチェーンの弛みが大きくなるため、頻繁にチェーンの張り調節をしなければならず、チェーンのメンテナンスに手間がかかっている。

これに対し、駆動スプロケットギヤと終端スプロケットギヤとの軸間距離変化をなくした構造として、実公昭54−35470号あるいは自動三輪車としては実開昭59−11095号の各公報に記載された後車輪駆動装置がある。これらは図9に示すように、リヤアーム用支軸1を左右のチューブ2に形成されたピボット部11に固定し、リヤアーム用支軸1にリヤアーム3の前端部を揺動自在に嵌合支持すると共に、並列一体型の1対のスプロケットギヤ5,6を回転自在に嵌合している。そして、一方のスプロケットギヤ5を後車輪の終端スプロケットギヤ12にチェーン7を介して連動連結し、他方のスプロケットギヤ6をエンジン8の出力スプロケットギヤ9にチェーン10を介して連動連結している。

すなわち、エンジン8の出力軸13から後車軸に至るまでに、出力軸13とリヤアーム用支軸1との間の第1のチェーン伝動機構14と、リヤアーム用支軸1から後車軸までの第2のチェーン伝動機構15との2段のチェーン伝動機構により動力伝達するようにしている。

概要

自動二輪車の後車輪駆動装置において、フレーム剛性を維持しつつ、チェーンのメンテナンスの容易化並びにエンジン振動のフレームへの伝達防止を図ることを目的としている。

車体フレームの左右の各チューブ21に形成された1対のピボット部間を、リヤアーム用支軸32により所定の左右間隔を保つように結合固定する。該支軸32の外周には、リヤアーム33の前端部を回動自在に嵌合すると共に、被駆動調車57を回転自在に嵌合し、該被駆動調車57に、後輪駆動用チェーン式伝動機構60の駆動スプロケットギヤ58を一体的に支軸芯回りに回転するように設ける。すなわち、エンジン22と後車輪との間の伝動機構を、前側のVベルト式と、後側のチェーン式とに、リヤアーム支軸32を中間点として2段式とする。エンジン22は、フレームのチューブ20,21に弾性体120を介して浮動支持する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

後車輪を支持する上下揺動自在なリヤアームを備え、後車輪の終端スプロケットギヤとこれより前方に配置された駆動スプロケットギヤとをチェーンにより連動連結する自動二輪車の後車輪駆動装置において、車体フレームの左右の各チューブに形成された1対のピボット部間を、リヤアーム用支軸により所定の左右間隔を保つように結合固定し、該支軸の外周に、リヤアームの前端部を回動自在に嵌合すると共に被駆動調車を回転自在に嵌合し、該被駆動調車に、上記駆動スプロケットギヤを支軸芯回りに一体回転するように設け、エンジンは車体フレームに弾性的に浮動支持し、該エンジン側の駆動調車と上記被駆動調車との間にVベルトを巻き掛けてVベルト式自動変速機を構成していることを特徴とする自動二輪車の後車輪駆動装置。

技術分野

0001

この発明は自動二輪車後車輪駆動装置に関し、特に、後車輪を支持する上下揺動自在なリヤアームを備え、後車輪の終端スプロケットギヤとこれより前方に配置された駆動スプロケットギヤとをチェーンにより連動連結する自動二輪車の後車輪駆動装置に関する。

背景技術

0002

この種のチェーン駆動式の後車輪駆動装置としては、特公昭60−20230号公報に記載された装置があり、後車輪の終端スプロケットギヤは直接にエンジン出力スプロケットギヤにチェーンを介して連動連結しており、リヤアームのピボットシャフトは、車体フレームの左右チューブを結合し、該ピボットシャフトにリヤアームの前端部を揺動自在に嵌合している。

0003

上記エンジンの出力スプロケットギヤは、ピボットシャフトとの干渉を避けるために、ピボットシャフトから前方に離れた位置に配置されており、リヤアームが揺動する際には、上下チェーン列の範囲内にピボットシャフトが収まるようにしてある。

0004

ところがこの構造では、リヤアームの各揺動位置において出力スプロケットギヤと終端スプロケットギヤとの軸間距離が僅かに異なる。該軸間距離の差が大きいと、後車輪が上下死点に位置した際、すなわち、軸間距離が短くなった際に、チェーンの弛みが大きくなり、ラチェッティング現象が発生する場合があると共に、チェーンあるいはスプロケットギヤの摩耗の原因にもなるので、出力スプロケットギヤの軸芯をできるだけピボットシャフトの軸芯に近付ける必要がある。しかし、ミッションケース内ギヤ径の制限により、近付ける距離には限界があり、上記軸間距離の変化を解消することはできない。

0005

したがって、僅かなチェーンの伸びあるいは摩耗に対しても後車輪が上下死点位置にあるときはチェーンの弛みが大きくなるため、頻繁にチェーンの張り調節をしなければならず、チェーンのメンテナンスに手間がかかっている。

0006

これに対し、駆動スプロケットギヤと終端スプロケットギヤとの軸間距離変化をなくした構造として、実公昭54−35470号あるいは自動三輪車としては実開昭59−11095号の各公報に記載された後車輪駆動装置がある。これらは図9に示すように、リヤアーム用支軸1を左右のチューブ2に形成されたピボット部11に固定し、リヤアーム用支軸1にリヤアーム3の前端部を揺動自在に嵌合支持すると共に、並列一体型の1対のスプロケットギヤ5,6を回転自在に嵌合している。そして、一方のスプロケットギヤ5を後車輪の終端スプロケットギヤ12にチェーン7を介して連動連結し、他方のスプロケットギヤ6をエンジン8の出力スプロケットギヤ9にチェーン10を介して連動連結している。

0007

すなわち、エンジン8の出力軸13から後車軸に至るまでに、出力軸13とリヤアーム用支軸1との間の第1のチェーン伝動機構14と、リヤアーム用支軸1から後車軸までの第2のチェーン伝動機構15との2段のチェーン伝動機構により動力伝達するようにしている。

0008

図9に示す後車輪駆動装置は、終端スプロケットギヤ12に連動連結する前方の駆動スプロケットギヤ5を、エンジン8から離すと共にリヤアーム用支軸1と同軸芯に配置することにより、リヤアーム3が揺動した時の軸間距離変化を無くし、それによるチェーン7の弛み等を解消している。

0009

しかしながら、自動二輪車の加速時あるいは減速時には前後の各チェーン伝動機構のチェーン10,7に大きな引張力が発生することになり、前側のチェーン10によりエンジン8が後方に引っ張られる。この際、前側チェーン10の張力によるフレーム各部の弾性変形により、スプロケットギヤ9,6の軸間距離が短くなる方向に変化することに対し、エンジンの取付剛性及びフレームの剛性等を高め、ラチェッティング現象を防ぐ必要がある。このために、エンジンはフレームに剛結あるいはきわめて剛性の高い弾性体を介して取り付けられる結果となり、防振に対し不利な構成となっている。

0010

本願発明は、車体フレームの剛性を高く維持しながらも、チェーン伝動機構のメンテナンス性を確保すると同時に、エンジン振動が車体に伝達されるのを防止できるようにすることを目的としている。

課題を解決するための手段

0011

前記目的を達成するため、本願請求項1記載の発明は、後車輪を支持する上下揺動自在なリヤアームを備え、後車輪の終端スプロケットギヤとこれより前方に配置された駆動スプロケットギヤとをチェーンにより連動連結する自動二輪車の後車輪駆動装置において、車体フレームの左右の各チューブに形成された1対のピボット部間を、リヤアーム用支軸により所定の左右間隔を保つように結合固定し、該支軸の外周に、リヤアームの前端部を回動自在に嵌合すると共に被駆動調車を回転自在に嵌合し、該被駆動調車に、上記駆動スプロケットギヤを支軸芯回りに一体回転するように設け、エンジンは車体フレームに弾性的に浮動支持し、該エンジン側の駆動調車と上記被駆動調車との間にVベルトを巻き掛けてVベルト式自動変速機を構成していることを特徴とする自動二輪車の後車輪駆動装置である。

発明を実施するための最良の形態

0012

図1は本願発明による後車駆動装置を備えたスクータ形自動二輪車の左側面図であり、車体フレームは、上側ダウンチューブ20と下側ダウンチューブ21をそれぞれ左右1対備えており、上記4つのダウンチューブ20,21で囲まれた空間内にエンジン22の大部分が収納されている。エンジン22は4本のダウンチューブ20,21間の狭いスペースに配置する必要性から、そのシリンダ中心線略水平状態に近い前倒し姿勢で配置されている。エンジン22の上面の前,後部及び下面の後部に取付ブラケット23がそれぞれ左右1対形成され、各取付ブラケット23は、フレームの各クロスメンバー25に形成されたエンジンマウント130に弾性部材を介して浮動支持されている。エンジン22のクランクケース26はその右側部分に後方へと延び出す軸ケース27を一体に備えている。

0013

下側ダウンチューブ21の後下部には左右1対のブラケット30を介してリヤアーム用支軸32が固定され、該リヤアーム用支軸32にはリヤアーム33の前端ボス部114(図4)が回動自在に嵌合支持されている。リヤアーム33の後端部は後車軸36を介して後車輪34を支持すると共にリヤクッション35を介して上下揺動自在に上部フレーム懸架されている。

0014

図2図1の平面図であり、エンジン22の左右幅が4本のダウンチューブ20,21で囲む狭いスペース内に収まるように、クランク軸41と平行な回転軸42を後方の前記軸ケース27に回転自在に支持し、該回転軸42に、遠心型発進クラッチ43と、駆動調車推力発生機構44と、駆動調車45とを装着してある。回転軸42とクランク軸41とは、1対のスプロケットギヤ49,50及びチェーン52よりなる1次減速伝動機構53により連動連結している。上記回転軸42は、Vベルト式自動変速機47の駆動軸としての役目を果たしているので、以下、上記「回転軸42」を「駆動軸42」と称する。

0015

Vベルト式自動変速機47は、上記駆動軸42に配置された駆動調車45、駆動調車推力発生機構44及び発進クラッチ43と、後方の筒形従動軸55上に配置された被駆動調車57と、両調車45,57間に巻き掛けられたVベルト46から構成されている。

0016

筒形従動軸55には上記被駆動調車57と共に2次減速用伝動機構60の駆動スプロケットギヤ58が固着され、該駆動スプロケットギヤ58は後車軸36の終端スプロケットギヤ59にチェーン61を介して連動連結している。

0017

図3は、図1のIII−III断面拡大部分図を示しており、駆動軸42の軸芯より前側の実線の状態は駆動調車45の実効巻回径が最小となっている状態、すなわちVベルト式自動変速機47の減速比が最大で主として低速走行時の状態を示し、前側の仮想線及び後側の状態は駆動調車45の実効巻回径が最大となっている状態、すなわちVベルト式自動変速機47の減速比が最小で主として高速走行時の状態を示している。駆動軸42の右端部は軸ケース27の右端壁軸受62を介して支持され、中央左寄り部分は軸ケース27の左端壁に固着したカバー28に可動スリーブ63及び軸受64を介して支持されると共に左方へと軸ケース外に突出している。駆動軸42の軸ケース27内部分には、右から順に前記スプロケットギヤ50、遠心型発進クラッチ43及び駆動調車推力発生機構44が並んでおり、駆動調車推力発生機構44から軸方向に離れた軸ケース外に駆動調車45が配置されていることになる。スプロケットギヤ50は駆動軸42に対し軸受メタル74を介して回転自在に支持されている。可動スリーブ63とカバー28の内周孔との間には、軸受64の左方にシール75を嵌着し、軸ケース27内を密封している。

0018

遠心型発進クラッチ43は、前記スプロケットギヤ50のボスに固着されて該ギヤ50と一体的に回転するシューホルダー65と、該シューホルダー65に駆動軸42と平行な支持ピン66を介して回動自在に支持された複数のシュー67と、駆動軸42に回転方向移動不能にスプライン嵌合すると共に軸方向にも移動不能に固定されたアルミ製のハブ68と、該ハブ68の円板状の端壁部に固着された鉄製のドラム69から構成されている。該ドラム69は、シュー67に径方向の外方から対向する筒形の本体部分と、これと一体で軸芯方向と直角な端壁部分69aとから構成されており、該端壁部分69aは、ハブ68の円板状端壁に形成された環状段部79にはめ込まれ、周方向に間隔をおいて配置された複数のリベット78により、ハブ68に固着されている。

0019

入力側シューホルダー65の回転速度が一定以上になると遠心力により径方向外方にシュー67が拡開し、ドラム69の内周面圧接する。これによりスプロケットギヤ50の回転力が、ホルダー65、シュー67、ドラム69及びハブ68を介して駆動軸42に伝達される。

0020

駆動調車推力発生機構44は、複数の受圧ローラ72を備えた可動板73と、前記可動スリーブ63と、上記受圧ローラ72に対向するカムウエイト71を備えている。カムウエイト71は回動支軸70にメタルブッシュを介して回動自在に支持されており、回動支軸70は、前記ハブ68及びクラッチドラム端壁69aに固定されている。可動板73は、駆動軸42に軸方向移動可能にスプライン嵌合すると共に前記可動スリーブ63にこれと一体的に移動するように当接し、これらにより可動体を構成している。各受圧ローラ72は各カムウエイト71に対応する位置に固定された支軸82にメタルブッシュを介して嵌合している。ハブ68の回転速度の増加に伴ってカムウエイト71が矢印P方向に回動することにより受圧ローラ72は左方へ押され、これにより可動板73、可動スリーブ63及び可動シーブ81が左方へと一体的に移動するようになっている。

0021

図5は、カムウエイト71の取付構造の詳細を示す分解斜視図であり、ハブ68の軸方向の前端面には、前に向いて開口する断面形状円弧形の凹部37が形成されており、該凹部37の周方向幅の中央部にはカムウエイト配置用切欠き38が形成されている。凹部37の長さは回動支軸70よりも長くなっており、回動支軸70をはめ込んだ時に凹部両端に固定ボルト56の概ね外径分に相当するスペースが残るように設定されている。上記凹部37は周方向に等間隔をおいてたとえば3つ形成されており、また、各凹部37間には前記リベット78を挿通するための孔40が形成されている。ドラム端壁69aには、前記凹部37及び切欠き38に対応する十字形支持孔39が形成されている。

0022

カムウエイト71をメタルブッシュを介して回動支軸70に回動自在に嵌合し、カムウエイト71の両側の回動支軸70部分にワッシャ54を嵌合し、回動支軸70を支持孔39及び凹部37内に前方からはめ込むと同時にカムウエイト71の基端部を支持孔39及び切欠き38内に配置する。そして、回動支軸70の両端に沿ってワッシャ付固定ボルト56を挿入し、前記ねじ孔48に螺着することにより、図6に示すように固定ボルト56のワッシャ部分でもって回動支軸70の両端部分を固定する。

0023

図6のVII-VII断面を示す図7において、凹部37の深さは、回動支軸70の半径よりも小さく、たとえば回動支軸70の直径の1/3程度の深さとなっており、少なくとも回動支軸70の上端縁がクラッチドラム69の支持孔39の上端縁に当接するようになっている。これにより、回動支軸70に調車推力反力Rがかかった場合に、その反力の径方向の分力R1がクラッチドラム端壁69aにより受け持たれ、一方、軸方向の分力R2がハブ68により受け持たれる。一般に、調車推力の反力Rは、図7回動軸芯Oを座標原点とすると、第1象限(R1より右でR2よりも上の範囲)に存在し、かつ、径方向の分力R1が軸方向の分力R2よりも格段と大きい値となっている。

0024

図3において、駆動調車45は、左側の固定シーブ80とこれに軸方向に対向する前記可動シーブ81からなっており、固定シーブ80は、駆動軸42の左端部にスプライン嵌合することにより回転方向に固定されると共に、ワッシャ76及びナット77により軸方向にも固定されており、一方、可動シーブ81は、可動スリーブ63の左端部のねじ部に螺着し一体化されており、スリーブ63の左方への移動と共に左方へ移動するようになっている。固定シーブ80の左端面には冷却ファン92が形成され、ファンカバー90の空気通路91を通して駆動調車45に冷却空気強制的に取り入れるようになっている。

0025

軸ケース27内の駆動調車推力発生機構44及び発進クラッチ43を潤滑するための潤滑機構として、駆動軸42の右端部に、潤滑油ポンプ(図示せず)に接続する潤滑油室85を設けると共に該潤滑油室85に連通する潤滑通路84を駆動軸芯部分に形成しており、潤滑通路84は途中のクラッチ用潤滑通路86と、奥端部(左端部)の駆動調車推力発生機構用潤滑通路87に連通している。クラッチ用潤滑通路86は径方向の外方へと延び、ハブ68の右端部の油孔88を介してドラム69内に開放しており、ドラム69内を強制的に潤滑及び冷却するようになっている。一方、駆動調車推力発生機構用潤滑通路87は、径方向の外方へと延びてスリーブ63の内周環状隙間89に連通しており、該環状隙間89の左端部はスリーブ63の油孔90を介して軸受64部分に連通し、軸受64を潤滑するようになっている。また、環状隙間89の右側部は油孔92を介してローラ72に向いて開口すると共に、可動板73の内周スプライン部分を通して該可動板73の右端縁にも連通し、それぞれ受圧ローラ72及びカムウエイト71を潤滑するようになっている。

0026

図4は被駆動調車57を示しており、右側の固定シーブ93と左側の可動シーブ94から構成されており、固定シーブ93は筒形従動軸55に軸方向及び回転方向に固定され、可動シーブ94は筒形従動軸55に嵌合する可動スリーブ95にリベット等により固着されている。可動スリーブ95には固定シーブ側に行くに従い回転方向前方捩れ螺旋状の複数のカムガイド溝97が形成されており、該カムガイド溝97が、筒形従動軸55に係止されたローラピン96に摺動自在に係合しており、これによりVベルト46からの回転トルクが増加して可動シーブ94が回転方向の前方に捩れると可動シーブ94を固定シーブ93側へと押すように構成されている。可動スリーブ95の外周にはつば付きのカバー98が嵌着され、該カバー98の右端つば部と左方のばね受け99との間にばね100を縮設しており、該ばね100により可動スリーブ95及び可動シーブ94を一定のばね力右方付勢している。

0027

左右1対のブラケット30は、それぞれ内周にボス102を溶着することによりピボット部を構成しており、リヤアーム用支軸32の両端部は、各ブラケット30のボス102内に抜差可能に嵌挿され、上記両端部に螺着された締付ナット103により両ブラケット30に軸方向移動不能に固定されている。リヤアーム用支軸32の外周面には、上記両ナット103を締め付けた時に両ブラケット30間の間隔を所定長さに固定できるように、たとえば右から順に軸受支持用のカラー105、中間カラー106、筒形従動軸支持用の軸受108、メインカラー109、筒形従動軸支持用の軸受110、スペーサ111,112及びリヤアーム支持用軸受113等が互いに隙間なく嵌合しており、したがって上記両ナット103を締め付けることにより、左右のピボット部は所定の距離を保った状態で、リヤアーム用支軸32により、強固に結合された状態となっている。

0028

リヤアーム33の前端部に形成された左右1対のボス部114のうち、前記2次減速用伝動機構60が配置される右側のボス部114は、左右1対の軸受115を介してリヤアーム用支軸32に回動自在に嵌合し、左側のボス部114は単一の前記軸受113を介してリヤアーム用支軸32に回動自在に嵌合している。

0029

筒形従動軸55は、左右各2個ずつの軸受108,110を介してリヤアーム用支軸32に回動自在に支持されており、その右端部に前記駆動側スプロケットギヤ58が固着されている。

0030

図8図1のVIII-VIII断面図であり、エンジンの浮動支持構造の詳細を示している。左右の取付ブラケット23にはそれぞれ有底状の筒形穴117が形成され、両筒形穴117は水平左右方向の同一軸芯上に形成され、右側の筒形穴117は右方に開口し、左側の筒形穴117は左方に開口し、さらに各筒形穴117の底壁にはそれぞれロッド挿通孔118が形成されている。筒形穴117内には、軸芯孔を有するゴム等の厚肉円筒状の弾性体120が一定の嵌め代で圧入されており、各弾性体120の軸芯孔にはスペーサ用のつば付カラー122が嵌着されている。つば付カラー122の各つば部は、各弾性体120の筒形穴底壁側の端面に当接し、つば部とは反対側の端部は弾性体120の横ひずみ代を確保するために弾性体端面から一定量突出し、また、両つば付カラー122間にはパイプ状のスペーサ126が配置されている。両つば付カラー122及びスペーサ126には共通のボルト119が挿通され、ボルト119の両端部には中間連結板125の前端部が嵌合すると共にナット121が螺着され、該ナット121とつば付カラー122の端縁との間で中間連結板125を締着している。中間連結板125の後端部はボルト123及びナット124により、クロスメンバー25に形成されたエンジンマウント130に締結されている。なお、エンジン22の上側の各取付箇所も同様の構造となっている。

0031

動力伝達装置の作動を簡単に説明する。エンジン停止時あるいはアイドリング時には、駆動調車45等は図3の前側に示すような状態となっている。すなわち、発進クラッチ43は切断しており、カムウエイト71は軸芯側へと閉じており、可動板73、可動スリーブ63及び可動シーブ81が右側に移動していることにより、駆動調車45の両シーブ80,81間が略最大まで開き、実効巻回径が最小となっている。一方、図4の被駆動調車57は、ばね100の弾性力により可動シーブ94を右側へと移動し、最大実効巻回径となっている。いわゆるロー状態となっている。

0032

回転速度を一定値まで上昇させると、図3の発進クラッチ43が接続し、回転力は、スプロケットギヤ50からシューホルダー65、シュー67、クラッチドラム69及ハブ68を介して駆動軸42に伝達され、駆動軸42と共に可動スリーブ63、可動板73及び両シーブ80,81が回転する。

0033

回転速度の上昇により、カムウエイト71が径方向の外方に回動支軸70回りに拡開すると、図3の後側に示すようにカムウエイト71がローラ72を介して可動板73を左方へと押す。これにより可動板73、可動スリーブ63及び可動シーブ81が一体的に左方へと移動し、両シーブ80,81間の間隔を狭めることにより、実効巻回径を拡大する。これに伴い、図4の被駆動調車57はばね100に抗してVベルト46によりシーブ93,94間が広げられ、実効巻回径が縮小する。この時、図7に示すように調車推力の反力Rが回動支軸70を介してハブ68及びクラッチドラム69にかかるが、その反力Rのうち、径方向の分力R1は鉄製のクラッチドラム69が受け持ち、軸方向の分力R2はアルミ製のハブ68が受け持つ。

0034

駆動調車45から図4の被駆動調車57に伝達された回転力は、従動筒軸55を介して駆動スプロケットギヤ58に伝達され、さらにチェーン61を介して図2の終端スプロケットギヤ59から後車軸36に伝達される。

0035

エンジン振動は、前記図8の弾性体120により吸収され、車体フレームには伝わり難くなっている。

0036

急加速時等においては、図1のVベルト式自動変速機47のVベルト46に引張力がかかり、それによりエンジン22が後方に引き寄せられ両調車45,57間の軸間距離が主に前記弾性体の変形により短くなるが、チェーン伝動機構とは異なり、僅かに変速比が変化するもののチェーンのラチェッティング現象に相当するベルトスリップは、被駆動調車57が常にベルトをグリップしているために生じない。

0037

また、リヤアーム33が上下に揺動した場合でも、図2のように駆動スプロケットギヤ58がリヤアーム支軸32と同軸芯であることにより、両スプロケットギヤ58,59間の軸間距離の変化はなく、チェーン61が弛むこともない。

0038

(1)エンジンを弾性的に浮動支持する構造としては、ゴム120の代わりに金属板ばねを利用することも可能であり、又は空気あるいは油等の流体封入したダンパーを利用することも可能である。

発明の効果

0039

以上説明したように本願発明は、
(1)後車輪の終端スプロケットギヤ59に連結される駆動スプロケットギヤ58を、エンジン22とは離し、かつ、リヤアーム用支軸32と同軸芯に配置しているので、リヤアーム33の上下揺動によるスプロケットギヤ58,59間の軸間距離の変化をなくすことができる。これによりチェーン61の弛みを防止し、チェーン61の張り調節の頻度を少なくし、チェーン61のメンテナンスを容易化している。

0040

(2)リヤアーム33を揺動自在に支持する左右1対のピボット部を、リヤアーム支軸32により結合し、該リヤアーム支軸32に上記駆動スプロケットギヤ58を同軸芯で嵌合しているので、車体フレームの剛性を確保することができると同時に、チェーン61のメンテナンスの容易化も達成しているのである。

0041

(3)エンジン側の出力軸(駆動軸42)と後車軸36との間を、リヤアーム支軸32を中間点として、前側のVベルト式自動変速機47と、後側のチェーン伝動機構60との2段の伝動機構により連動連結しているので、従来のように前後2段ともにチェーン伝動機構により連動連結している場合に比べて、加速時あるいは減速時に、前側の伝動機構からエンジンに後向きにかかる引張力によりエンジン側の出力軸(駆動軸42)とリヤアーム支軸32との軸間距離が短くなっても、スリップ等の動力伝達上の問題はないので、エンジンの弾性体による支持が可能となる。

図面の簡単な説明

0042

図1本願発明による後車輪駆動装置を備えたスクータ形自動二輪車の要部の左側面図である。
図2図1の平面図である。
図3図1のIII−III断面拡大部分図である。
図4図1のIV−IV断面拡大部分図である。
図5カムウエイト部分の分解斜視図である。
図6カムウエイト部分の前面図である。
図7図6のVII−VII断面拡大部分図である。
図8図1のVIII−VIII断面拡大部分図である。
図9従来技術の平面図である。

--

0043

21ダウンチューブ
22エンジン
32リヤアーム用支軸
33 リヤアーム
24回転軸(駆動軸)
45駆動調車
46Vベルト
47 Vベルト式自動変速機
55筒形従動軸
57 被駆動調車
58駆動スプロケットギヤ
59終端スプロケットギヤ
61チェーン
120 弾性体

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