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技術 半透膜支持体

出願人 三木特種製紙株式会社
発明者 三木輝久篠木孝典高津直哉宮城明夫
出願日 1997年2月13日 (23年10ヶ月経過) 出願番号 1997-042832
公開日 1998年8月25日 (22年4ヶ月経過) 公開番号 1998-225630
状態 特許登録済
技術分野 濾過材 半透膜を用いた分離 積層体(2)
主要キーワード 組み合わせ式 超精密濾過 貫通小孔 水透過率 バブルポイント試験 濾過液体 半導体洗浄用 吐き出し量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月25日)のものです。
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課題

半透膜との接着性に優れていて半透膜の剥離や破損が生じず、寸法安定性に優れていて高圧濾過等に用いた場合に膜の剥離や破損等が発生せず、濾過速度が大きくても膜を安定して支持でき、表面平滑性に優れていて凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、しかも製膜液裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成できる半透膜支持体及びその製法の提供。

解決手段

5%伸長時の縦方向及び横方向の裂断長平均値が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒の不織布からなる本発明の半透膜支持体により上記の課題が解決され、該半透膜支持体は、好ましくは複屈折(△n)が0.170以上で且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル主体繊維熱融着性バインダー繊維を用いてウエブをつくり、それを加熱加圧処理して製造することができる。

概要

背景

海水淡水化廃水処理食品濃縮バクテリア酵母ウイルスなどの微生物の分離、血液濾過などの医療用半導体洗浄用超純水の製造をはじめとして、多くの分野で半透膜が広く用いられている。半透膜は一般に合成重合体から形成されており、膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布などの繊維基材支持体として用い、その上に合成重合体を含む製膜液流延し、製膜することによって製造されている。

半透膜のうちでも、特に限外濾過逆浸透などのような超精密濾過に用いられる半透膜は、100気圧近い高圧下で使用されることがあり、その場合には膜を補強する支持体に対しては高圧下でも破断しない高い強度と共に、伸びなどのない寸法安定性が要求される。従来は、そのような要求に対処するために、支持体の目付坪量)を高くする方法が一般に採用されているが、コストの上昇や濾過効率の低下などの問題がある。

半透膜による濾過速度を向上させるには、膜および支持体の孔径を大きくすればよいが、膜の孔径や厚さは、半透膜の用途や使用態様における要求によって必然的に決まることが多く、そのため一般に支持体の孔径のみが可変である。しかしながら、支持体の孔径を大きくすると、支持体上に重合体を含む製膜液を流延した時に裏抜けなどが生じ、次の凝固工程で支持体の表裏両面に同時に膜が形成されて、ピンホールなどの欠陥を有する膜が形成されてしまうという欠点がある。一方、支持体の孔径を小さくすると、半透膜の濾過速度が低下し、しかも半透膜の製造時に製膜液が支持体内に十分に浸透しないために膜と支持体との間の接着が不十分になり、濾過時の加圧洗浄時の負圧などに対する耐久性不足し、支持体からの膜の剥離、膜の破損などが生じ易い。さらに、半透膜自体は一般に極めて薄い膜であるため、支持体表面の不均一であると、膜表面にもその不均一性がそのまま現れて膜に凹凸が形成され、濾過する液体がその凹部に集中することが多くなって、有効濾過面積の減少、汚染物質の凹部への集積などの問題が生ずる。

そこで、半透膜における上記した問題の解決を目的として、従来からいくつかの提案がなされている。例えば、表面に突起を有するガイドロールなどを用いて半透膜支持体を巻き取ることによって、支持体の膜形成面に凹状のくぼみを形成するか又は支持体を貫通する小孔を形成し、該凹状のくぼみ又は貫通小孔への膜成分の投錨効果によって膜と支持体との付着性の向上をはかるようにした半透膜支持体が知られている(特開昭61−15705号公報)。しかしながら、この半透膜支持体の場合は、支持体に形成した前記のくぼみや貫通小孔への膜の投錨効果が十分ではないために支持体への膜の付着強度がそれほど高くない。しかも、支持体の膜形成面にくぼみを形成したり支持体に貫通小孔を形成したことによって、その表面に形成される膜自体にも凹部が形成され、上記したような、濾過液体の凹部への集中による有効濾過面積の減少、汚染物質の膜凹部への集積などが発生し易い。また、支持体に貫通小孔を設けたものでは、製膜液の裏抜けによるピンホールの発生などの問題もある。

また、別の従来技術としては、支持体への膜の付着性の向上、製膜液の裏抜けなどによるピンホールの発生防止、機械的特性の向上などを目的として、通気度が5〜50cc/cm2・秒の低密度乾式ウエブ層と通気度が0.1cc/cm2・秒以上で5cc/cm2・秒未満の高密度湿式ウエブ層からなる二層構造の不織布により形成した半透膜支持体が提案されている(特公平5−35009号公報)。しかしながら、この半透膜支持体は、膜と接触する面が粗い乾式ウエブ(不織布)であるため、平滑な膜面を形成することが困難であり、広い有効濾過面積を確保できない。

さらに、機械的強度および水透過率の向上を目的として、ポリエステル不織布からなる支持体基材コロナ放電処理した後、水を振り撒き、5〜10秒以内にポリスルホンなどの多孔性支持体溶液キャスティングして支持層膜を作製し、その上にポリアミド系薄膜を形成して半透膜を製造する方法が提案されている(特開平8−25539号公報)。しかしながら、この方法による場合は、半透膜を形成させるための支持体として、コロナ放電処理、水の散布および多孔性支持体層の形成という多段処理を施したものを用いる必要があり、そのため工程が繁雑であり、しかもポリスルホンのような多孔性支持体物質を使用することから原料コストが高くつくという欠点がある。

概要

半透膜との接着性に優れていて半透膜の剥離や破損が生じず、寸法安定性に優れていて高圧濾過等に用いた場合に膜の剥離や破損等が発生せず、濾過速度が大きくても膜を安定して支持でき、表面平滑性に優れていて凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、しかも製膜液の裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成できる半透膜支持体及びその製法の提供。

5%伸長時の縦方向及び横方向の裂断長平均値が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒の不織布からなる本発明の半透膜支持体により上記の課題が解決され、該半透膜支持体は、好ましくは複屈折(△n)が0.170以上で且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル主体繊維熱融着性バインダー繊維を用いてウエブをつくり、それを加熱加圧処理して製造することができる。

目的

したがって、本発明の目的は、半透膜との接着性に優れていて半透膜の支持体からの剥離や破損が生じず、寸法安定性に優れていて高圧濾過などに用いた場合にも膜の剥離や破損などが発生せず、濾過速度が大きくても膜を安定して支持することができ、表面平滑性に優れていて凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、しかも製膜液の裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成することのできる、品質の高い半透膜支持体を提供することである。さらに、本発明の目的は、上記した特性を備える半透膜支持体の製造方法、該半透膜支持体を有する半透膜を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
12件

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請求項1

5%伸長時の縦方向(MD)および横方向(CD)の裂断長平均値が4.0km以上であり且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布からなることを特徴とする半透膜支持体

請求項2

複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維主体繊維とする不織布からなる請求項1の半透膜支持体。

請求項3

複屈折(△n)が0.170以上、200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dおよび平均単繊維繊度が1.0〜8.0デニールであるポリエステル繊維を主体繊維とし且つ該ポリエステル繊維の含量率が30〜70重量%である不織布からなる請求項1または2の半透膜支持体。

請求項4

前記ポリエステル繊維が、エチレングリコール単位および/または1,4−ブタンジオール単位よりなるジオール単位と、テレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位よりなるジカルボン酸単位から主としてなるポリアルキレンアリレート)繊維である請求項1〜3のいずれか1項の半透膜支持体。

請求項5

半透膜支持体の製造方法であって、複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維と熱融着性バインダー繊維を70:30〜30:70の重量比で含有する原料を用いて抄造を行って単層の抄造ウエブを形成した後、前記の単層の抄造ウエブをそのまま用いるか又は前記の抄造ウエブの層を少なくとも有する積層ウエブを形成して、前記の抄造ウエブまたは積層ウエブを加熱加圧処理して繊維同士を結合させるか;或いは前記の単層の抄造ウエブを加熱加圧処理して繊維同士を結合させた後にそれに前記単層の抄造ウエブまたは他の繊維ウエブを積層して加熱加圧処理を行って一体化させる、ことを特徴とする半透膜支持体の製造方法。

請求項6

熱融着性バインダー繊維がポリエステル系繊維である請求項5の製造方法。

請求項7

請求項1〜4のいずれか1項の半透膜支持体の一方の面に半透性の膜を形成してなる支持体付き半透膜

技術分野

0001

本発明は半透膜支持体およびその製造方法、並びに該半透膜支持体を有する半透膜に関する。より詳細には、本発明は、寸法安定性表面平滑性、膜との接着性に優れ、しかも微細な孔が多数存在していて高い通気度を有する半透膜支持体およびその製造方法、並びに前記の半透膜支持体を有する半透膜に関するものであり、本発明の半透膜支持体およびそれを有する半透膜は、限外濾過逆浸透などの精密濾過をはじめとして広範な用途に有効に使用することができる。

背景技術

0002

海水淡水化廃水処理食品濃縮バクテリア酵母ウイルスなどの微生物の分離、血液濾過などの医療用半導体洗浄用超純水の製造をはじめとして、多くの分野で半透膜が広く用いられている。半透膜は一般に合成重合体から形成されており、膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布などの繊維基材支持体として用い、その上に合成重合体を含む製膜液流延し、製膜することによって製造されている。

0003

半透膜のうちでも、特に限外濾過や逆浸透などのような超精密濾過に用いられる半透膜は、100気圧近い高圧下で使用されることがあり、その場合には膜を補強する支持体に対しては高圧下でも破断しない高い強度と共に、伸びなどのない寸法安定性が要求される。従来は、そのような要求に対処するために、支持体の目付坪量)を高くする方法が一般に採用されているが、コストの上昇や濾過効率の低下などの問題がある。

0004

半透膜による濾過速度を向上させるには、膜および支持体の孔径を大きくすればよいが、膜の孔径や厚さは、半透膜の用途や使用態様における要求によって必然的に決まることが多く、そのため一般に支持体の孔径のみが可変である。しかしながら、支持体の孔径を大きくすると、支持体上に重合体を含む製膜液を流延した時に裏抜けなどが生じ、次の凝固工程で支持体の表裏両面に同時に膜が形成されて、ピンホールなどの欠陥を有する膜が形成されてしまうという欠点がある。一方、支持体の孔径を小さくすると、半透膜の濾過速度が低下し、しかも半透膜の製造時に製膜液が支持体内に十分に浸透しないために膜と支持体との間の接着が不十分になり、濾過時の加圧洗浄時の負圧などに対する耐久性不足し、支持体からの膜の剥離、膜の破損などが生じ易い。さらに、半透膜自体は一般に極めて薄い膜であるため、支持体表面の不均一であると、膜表面にもその不均一性がそのまま現れて膜に凹凸が形成され、濾過する液体がその凹部に集中することが多くなって、有効濾過面積の減少、汚染物質の凹部への集積などの問題が生ずる。

0005

そこで、半透膜における上記した問題の解決を目的として、従来からいくつかの提案がなされている。例えば、表面に突起を有するガイドロールなどを用いて半透膜支持体を巻き取ることによって、支持体の膜形成面に凹状のくぼみを形成するか又は支持体を貫通する小孔を形成し、該凹状のくぼみ又は貫通小孔への膜成分の投錨効果によって膜と支持体との付着性の向上をはかるようにした半透膜支持体が知られている(特開昭61−15705号公報)。しかしながら、この半透膜支持体の場合は、支持体に形成した前記のくぼみや貫通小孔への膜の投錨効果が十分ではないために支持体への膜の付着強度がそれほど高くない。しかも、支持体の膜形成面にくぼみを形成したり支持体に貫通小孔を形成したことによって、その表面に形成される膜自体にも凹部が形成され、上記したような、濾過液体の凹部への集中による有効濾過面積の減少、汚染物質の膜凹部への集積などが発生し易い。また、支持体に貫通小孔を設けたものでは、製膜液の裏抜けによるピンホールの発生などの問題もある。

0006

また、別の従来技術としては、支持体への膜の付着性の向上、製膜液の裏抜けなどによるピンホールの発生防止、機械的特性の向上などを目的として、通気度が5〜50cc/cm2・秒の低密度乾式ウエブ層と通気度が0.1cc/cm2・秒以上で5cc/cm2・秒未満の高密度湿式ウエブ層からなる二層構造の不織布により形成した半透膜支持体が提案されている(特公平5−35009号公報)。しかしながら、この半透膜支持体は、膜と接触する面が粗い乾式ウエブ(不織布)であるため、平滑な膜面を形成することが困難であり、広い有効濾過面積を確保できない。

0007

さらに、機械的強度および水透過率の向上を目的として、ポリエステル不織布からなる支持体基材コロナ放電処理した後、水を振り撒き、5〜10秒以内にポリスルホンなどの多孔性支持体溶液キャスティングして支持層膜を作製し、その上にポリアミド系薄膜を形成して半透膜を製造する方法が提案されている(特開平8−25539号公報)。しかしながら、この方法による場合は、半透膜を形成させるための支持体として、コロナ放電処理、水の散布および多孔性支持体層の形成という多段処理を施したものを用いる必要があり、そのため工程が繁雑であり、しかもポリスルホンのような多孔性支持体物質を使用することから原料コストが高くつくという欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0008

したがって、本発明の目的は、半透膜との接着性に優れていて半透膜の支持体からの剥離や破損が生じず、寸法安定性に優れていて高圧濾過などに用いた場合にも膜の剥離や破損などが発生せず、濾過速度が大きくても膜を安定して支持することができ、表面平滑性に優れていて凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、しかも製膜液の裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成することのできる、品質の高い半透膜支持体を提供することである。さらに、本発明の目的は、上記した特性を備える半透膜支持体の製造方法、該半透膜支持体を有する半透膜を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記した目的を達成すべく本発明者らが検討を重ねてきた。その結果、特定の裂断長を有し且つ特定の通気度を有するポリエステル繊維製の不織布が、半透膜支持体として極めて適していること、そのポリエステル繊維製不織布からなる半透膜支持体は、表面平滑性に優れていて凹凸のない均一で平滑な膜を形成させ得ること、製膜液の裏抜けがなくピンホールのない膜を形成し得ること、膜の付着性が良好であること、さらには寸法安定性に優れていて高圧濾過などに用いた場合にも膜の剥離や破損などがないことを見出した。さらに、本発明者らは、上記した優れた特性を有する半透膜支持体は、複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維を主体繊維とし、これに熱融着性バインダー繊維を混合してなる原料を用いて抄造し、加熱加圧することによって円滑に製造されることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。

0010

すなわち、本発明は、5%伸長時の縦方向(MD)および横方向(CD)の裂断長の平均値が4.0km以上であり且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布からなることを特徴とする半透膜支持体である。

0011

上記した本発明の半透膜支持体は、複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維を主体繊維とする不織布によって好ましくは形成され、前記した複屈折値および熱収縮応力値と共にさらに平均単繊維繊度が1.0〜8.0デニールであるという特性を備えるポリエステル繊維を主体繊維とする不織布からより好ましく形成される。また、前記の不織布を構成する上記した好ましいポリエステル繊維としては、エチレングリコール単位および/または1,4−ブタンジオール単位よりなるジオール単位と、テレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位よりなるジカルボン酸単位から主としてなるポリアルキレンアリレート)繊維が好ましく用いられる。

0012

そして、本発明は、半透膜支持体の製造方法であって、複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維と熱融着性バインダー繊維を70:30〜30:70の重量比で含有する原料を用いて抄造を行って単層の抄造ウエブを形成した後、前記の単層の抄造ウエブをそのまま用いるか又は前記の抄造ウエブの層を少なくとも有する積層ウエブを形成して、前記の抄造ウエブまたは積層ウエブを加熱加圧処理して繊維同士を結合させるか;或いは前記の単層の抄造ウエブを加熱加圧処理して繊維同士を結合させた後にそれに前記単層の抄造ウエブまたは他の繊維ウエブを積層して加熱加圧処理を行って一体化させる、ことを特徴とする半透膜支持体の製造方法である。さらに、本発明は、上記した半透膜支持体の一方の面に形成した半透性の膜を有する支持体付き半透膜を包含する。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下に本発明について詳細に説明する。上記のように、本発明の半透膜支持体は、5%伸長時の縦方向(MD)および横方向(CD)の裂断長の平均値が4.0km以上であり且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布からなっている。

0014

本発明者らは、半透膜支持体の開発を行うに当たって、半透膜に用いられる支持体においては、その破断伸度の値よりもむしろ数%伸長時の応力、すなわち5%伸長時の応力が半透膜支持体の寸法安定性にとって極めて重要な要件となるということを見出した。そして、特に半透膜支持体を構成する不織布の5%伸長時の縦方向(MD)および横方向(CD)の裂断長の平均値[以下「平均裂断長(5%伸長時)」という]が4.0km以上であることが半透膜支持体の寸法安定性の点から極めて重要であるという知見を得た。そのため、本発明の半透膜支持体では、その平均裂断長(5%伸長時)が、上記のように4.0km以上であることが必要である。半透膜支持体の平均裂断長(5%伸長時)が4.0km未満であると、半透膜支持体の寸法安定性が低下して、濾過時に半透膜に加えられる圧力や半透膜洗浄時の負圧などによって支持体が伸び易くなり、支持体からの膜の剥離や膜の破損、半透膜の孔径の拡大や変形などによる濾過機能の低下などを生ずる。本発明の半透膜支持体においては、その平均裂断長(5%伸長時)が5.0km以上であることが、寸法安定性、膜支持能、半透膜の濾過性能などの点から好ましい。

0015

ここで、本明細書でいう、裂断長とは、JIS P 8113(1976)に準拠して測定した値をいい、不織布試料の坪量や幅などに左右されない不織布自体の抗張力を示す指標である。そして、本発明の半透膜支持体に用いる不織布の「平均裂断長(5%伸長時)」は、以下の実施例に詳述する方法で求められる。

0016

ポリエステル繊維を主体とする従来の衣料用不織布や産業資材用の不織布では、本明細書に記載した方法で測定した平均裂断長(5%伸長時)が、通常3.8km以下であり、かかる点から、本発明の半透膜支持体を構成する不織布は、従来一般に用いられていないような、高い平均裂断長(5%伸長時)を有している点に大きな特徴がある。

0017

さらに、本発明の半透膜支持体は、その通気度が上記のように0.2〜10.0cc/cm2・秒の範囲内であることが必要であり、1.0〜5.0cc/cm2・秒であることが好ましい。半透膜支持体を構成する不織布の通気度が0.2cc/cm2・秒未満であると、半透膜を形成するための製膜液が低濃度、低粘度であっても、不織布中に充分に浸透せず、膜が不織布に強固に接着しなくなる。一方、不織布の通気度が10.0cc/cm2・秒を超えると、膜を形成するための製膜液が高濃度、高粘度であっても、不織布の裏面にまで滲出し易くなり(裏抜けが生じやすくなり)、その際に不織布の空隙内に存在する空気を巻き込んで膜構造にピンホールが発生し易くなる。ピンホールの発生は、半透膜における分離能の低下および耐久性の低下をもたらす。ここで、本明細書でいう不織布の通気度は、JIS L 1079(1966)に準拠して測定した値をいい、その詳細については以下の実施例の項に記載するとおりである。

0018

本発明の半透膜支持体は、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布からなるものである限り、不織布を構成する繊維の種類や不織布の製造方法などは特に制限されない。そのうちでも、本発明では、半透膜支持体用の不織布における基本骨格を形成する主体繊維として、複屈折(△n)が0.170以上であり、かつ200℃における熱収縮応力[以下「熱収縮応力(200℃)」という]が0.10〜0.60g/d(グラム/デニール)であるポリエステル繊維が好ましく用いられ、そのようなポリエステル繊維を用いることによって、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である、目的とする不織布を円滑に得ることができる。ここで、本明細書でいう複屈折(△n)とは、以下の実施例の項にも記載するように、ナトリウム光源を用いて、偏光顕微鏡光路にベレック(Berek)のコンペンセーターを挿入し、α−ブロムナフタリン中で測定して求めた値をいう。

0019

ポリエステル繊維の複屈折(△n)が0.170未満であると、および/または熱収縮応力(200℃)が0.10g/d未満であると、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上の不織布が得られにくくなる。また、該ポリエステル繊維の熱収縮応力(200℃)が0.60g/dを超える場合には、不織布を製造する際の抄造時やその後の加熱加圧処理時に、ウエブの収縮が大きくなって、地合の低下が生じ易くなり、甚だしい場合はウエブの切断などが発生することもある。

0020

衣料用に用いられるポリエステル繊維は、一般に、その複屈折(△n)が0.170未満で且つ熱収縮応力(200℃)が0.8g/d未満であり、このポリエステル繊維から製造した不織布は弾性率が低い。そのため、そのようなポリエステル繊維から平均裂断長(5%伸長時)が4.00km以上の不織布を得ようとすると、不織布の坪量を極めて大きくせざるを得ず、その場合には濾過機能の低下などを生ずるので、本発明の半透膜支持体用の不織布には適さない。また、産業資材用として用いられるポリエステル繊維では、ミシン糸ルーフィング材ロープ等の高強力を要するものの場合は、その複屈折(△n)が0.170を超すものも知られているが、その熱収縮応力(200℃)はいずれも0.10g/d未満であり、そのようなポリエステル繊維から製造した不織布はやはり弾性率が低く、平均裂断長(5%伸長時)が4.00km以上にならず、半透膜支持体用の不織布には適さない。また、セール帆布、はえ縄などの特殊漁網などに用いられるポリエステル繊維ではその熱収縮応力(200℃)が0.10g/dを超えるものもあるが、複屈折(△n)が0.170よりも大幅に低く、やはり半透膜支持体用の不織布の製造には適さない。

0021

したがって、本発明の半透膜支持体用の不織布における主体繊維として好ましく用いられる、上記した複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維は、従来一般に用いられているポリエステル繊維とは大きく異なるものであり、このポリエステル繊維は以下の実施例などで詳述するような紡糸延伸熱処理工程を経て製造することができる。

0022

本発明では、半透膜支持体用の不織布における主体繊維として、複屈折(△n)が0.170以上であり、かつ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維であればいずれも好ましく用いられる。そのうちでも、そのようなポリエステル繊維は、脂肪族ジオール単位芳香族ジカルボン酸単位から主としてなるポリ(アルキレンアリレート)を用いることによって円滑に得ることができる。そのため、本発明では、半透膜支持体用の不織布を構成する主体繊維として、複屈折(△n)が0.170以上で、かつ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dであるポリ(アルキレンアリレート)繊維を用いる場合をその好ましい態様として包含する。

0023

そして、上記したポリ(アルキレンアリレート)繊維としては、エチレングリコール単位および/または1,4−ブタンジオール単位からなるジオール単位と、テレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン酸単位からなるジカルボン酸単位より主としてなるポリ(アルキレンアリレート)から形成された繊維がより好ましく用いられる。具体例としては、複屈折(△n)が0.170以上で、かつ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dである、ポリエチレンテレフタレート繊維ポリエチレンナフタレート繊維ポリブチレンテレフタレート繊維およびポリブチレンナフタレート繊維を挙げることができ、これらのポリ(アルキレンアリレート)繊維は単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。また、それらのポリ(アルキレンアリレート)繊維は、前記した物性を満たすものである限りは、場合により約20モル%以下の他の共重合成分に由来する構造単位を有していてもよい。

0024

半透膜支持体用の不織布を構成する主体繊維であるポリエステル繊維(以下「ポリエステル主体繊維」ということがある)は、その平均単繊維繊度が1.0〜8.0デニールであることが好ましく、1.0〜4.5デニールであることがより好ましい。前記した平均単繊維繊度を有するポリエステル繊維を用いる場合は、ポリエステル繊維が比較的細デニールであることから、不織布に充分な強度を保持しながら、上記した0.2〜10.0cc/cm2・秒の通気度を有し且つ表面の平滑性に優れる不織布を円滑に得ることができる。それに対して、ポリエステル主体繊維の平均単繊維繊度が1.0デニール未満である場合は、高弾性率を有する不織布を得ようとするとその通気度が0.2cc/cm2・秒未満と低くなり易く、一方9.0デニールを超えるものを用いるとそれにより得られる不織布の通気度が10cc/cm2・秒を超えたり、比較的大きな空隙を有するようになり、いずれの場合も濾過機能に優れる半透膜を支持体上に形成することが困難になる。

0025

また、ポリエステル主体繊維は、その繊維長カット長)が3〜20mmであることが、半透膜支持体用の不織布の強度、抄造に用いる原液中での繊維の分散性、得られる不織布の地合などの点から好ましい。

0026

また、ポリエステル主体繊維は、その断面形状が円形であっても、または異形であってもよく、異形断面繊維の場合は、例えば、楕円形三角形四角形五角形以上の多角形、T字形十字形、多葉形偏平形、ドッグボーン形などの任意の断面形状にすることができる。さらに、ポリエステル主体繊維は、その特性を損なわない限り、場合によっては、芯鞘型、海島型サイドバイサイド型などの複合繊維であってもよい。

0027

また、ポリエステル主体繊維は、上記した特性を損なわない範囲で、必要に応じて、他のポリマー(例えばポリオレフィンポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイドポリエーテルエーテルケトンフッ素樹脂など)、酸化チタンカオリンシリカ硫酸バリウムカーボンブラック顔料酸化防止剤紫外線吸収剤光安定剤などの添加剤の1種または2種以上を含有していてもよい。

0028

そして、複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維、特にそれらの特性を有し且つ平均単繊維繊度が1.0〜8.0デニールあるポリエステル繊維、とりわけポリ(アルキレンアリレート)繊維からなるそのような繊維を主体繊維として用いて不織布を形成することによって、坪量が低く、極めて細かい空隙が不織布全体に均一に多数分散していて半透膜の付着性が極めて良好であり、しかも表面平滑性に優れる、平均裂断長(5%伸長時)が4.0kg以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒の本発明の半透膜支持体用の不織布を円滑に得ることができ、そのような支持体上には濾過面積の大きな半透膜を形成させることができる。

0029

半透膜支持体用の不織布に使用するポリエステル主体繊維の製造法は何ら制限されず、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dであるという上記した物性を有するポリエステル繊維を製造し得る方法であればいずれの方法で製造したものであってもよい。何ら限定されるものではないが、上記した特性を備えるポリエステル繊維は、例えば、固有粘度が0.5〜0.8dl/gのポリエステル[好ましくは上記したポリ(アルキレンアリレート)]を用いて、溶融紡糸した後、温水浴中で延伸し、引き続いて緊張熱処理および/または弛緩熱処理を行い、所定の長さに切断することによって製造することができる。その際の溶融紡糸条件、延伸条件延伸倍率延伸温度など)、熱処理条件熱処理温度、熱処理時間、熱処理時の張力など)、巻き取り条件などは、使用するポリエステルの種類や固有粘度などに応じて適当なものを選んで行えばよい。

0030

何ら限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維の場合は、紡糸温度275〜300℃、引き取り速度600〜1000m/分の条件下に溶融紡糸し、それにより得られる繊維を70〜85℃の温度で延伸倍率4.8〜5.5の条件下に延伸処理を行った後、温度140〜210℃で0.99〜1.01倍程度の条件下に緊張熱処理し、次いで60〜140℃で弛緩熱処理する(例えばフリー金網ベルト上にトウを垂直に立ててのせてゆっくりと熱風ドライヤー中を移送させる)ことによって、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.100.60g/dのポリエチレンテレフタレート繊維を得ることができる。また、例えばポリブチレンナフタレート繊維の場合は、紡糸温度270〜295℃、引き取り速度600〜1000m/分の条件下に溶融紡糸し、それにより得られる繊維を70〜85℃の温度で延伸倍率4.8〜5.5の条件下に延伸処理し、次いでポリエチレンテレフタレート繊維の場合と同様の条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行うことによって、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dのポリエチレンテレフタレート繊維を得ることができる。

0031

上記の場合に、延伸処理は1段で行ってもまたは2段で行ってもよく、2段で行う場合は第1段の延伸温度を75〜80℃、延伸倍率を4.6〜4.6程度とし、第2段の延伸温度を80〜85℃、延伸倍率を1.10〜1.15程度とするのが好ましい。延伸処理を2段で行う方が工程が安定するので好ましい。そして、上記した一連の工程を採用する場合に、最終工程である熱処理工程(緊張熱処理および/または弛緩熱処理)における条件を調整することによって、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dである目的とするポリエステル繊維を円滑に得ることができる。

0032

上記したポリエステル主体繊維を用いて半透膜支持体用の不織布を製造するに当たっては、不織布における繊維間の結合を強固で良好なものにして力学的特性に優れる不織布を得るために、また表面平滑性に優れる不織布を得るために、さらに不織布の製造を容易にするために、ポリエステル主体繊維と共に熱融着性バインダー繊維を併用して不織布を製造することが好ましい。その場合のバインダー繊維としては、ポリエステル主体繊維よりも低温溶融し、且つ平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布を形成し得る熱可塑性繊維であればいずれも使用でき、特に制限されず、例えば、ポリエステル系熱融着性繊維、ポリアミド系熱融着性繊維、ポリオレフィン系熱融着性繊維などを用いることができる。それらのうちでも、ポリエステル系熱融着性繊維が、ポリエステル主体繊維との親和性、得られる不織布の半透膜支持体としての性能などの点から、バインダー繊維として好ましく用いられる。

0033

ポリエステル系熱融着性バインダー繊維としては、例えば、未延伸ポリエステル繊維低融点ポリエステル繊維低融点ポリエステルと通常のポリエステルとを低融点ポリエステルが繊維表面の少なくとも一部に存在するようにして形成した芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型などの複合繊維を挙げることができる。ポリエステル系熱融着性バインダー繊維は1種類のみを使用しても、または2種類以上を併用してもよい。その場合の低融点ポリエステル繊維または低融点ポリエステルとしては、例えば、共重合や溶融混合などによって低融点化したものを使用することができる。また、ポリエステル系熱融着性バインダー繊維としては、複屈折(△n)が0.05以下で、比重が1.335〜1.360の範囲のものが繊維間の接着能に優れていることから好ましく用いられる。、さらに、ポリエステル系熱融着性バインダー繊維をも含めて熱融着性バインダー繊維の融点は、120〜210℃の範囲であることが、熱融着性などの点から好ましい。

0034

不織布を形成する際のポリエステル主体繊維:熱融着性バインダー繊維の割合は、70:30〜30:70の重量比であることが好ましく、65:35〜45:55の重量比であることがより好ましい。ポリエステル主体繊維と熱融着性バインダー繊維の合計重量に基づいて、ポリエステル主体繊維の割合が30重量%未満であると、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cmである不織布が得られにくくなり、一方70重量%を超えると不織布を構成する繊維間に接着不良が生じて、毛羽立ちや寸法安定性の低下などが発生し易くなる。

0035

半透膜支持体用の不織布の製造に当たっては、上記したポリエステル主体繊維と熱融着性バインダー繊維を、好ましくは上記したように70:30〜30:70の重量比で用いて、乾式法または湿式法によって不織布を製造することができるが、湿式抄造法が好ましく用いられる。湿式抄造法による場合は、ポリエステル主体繊維と熱融着性バインダー繊維が均一に混合、分散している水性スラリーを調製した後、常法にしたがって湿式抄造する方法が好ましく用いられる。水性スラリーにおける固形分濃度は特に制限されず通常の湿式抄造の場合と同程度の固形分濃度にすればよく、一般には、最終固形分濃度が約0.01〜0.5重量%程度の水性スラリーが好ましく用いられる。

0036

また、水性スラリーの調製に当たっては、ポリエステル主体繊維および熱融着性バインダー繊維などの分散性を高めたり、得られる不織布の性能の向上などのために、親水剤分散助剤消泡剤帯電防止剤離型剤撥水剤抗菌殺菌剤などの1種または2種を紙料中に添加してもよい。さらに、必要に応じて、本発明の目的の妨げにならない範囲で、上記した成分以外の他の成分、例えば他のポリマー繊維ポリマーバインダーなどを少量併用してもよい。

0037

次に、上記で調製した水性スラリーを用いて湿式抄造を行うが、抄造方法および抄造装置は特に制限されず、湿式抄造において従来から採用されている方法および装置のいずれもが使用でき、例えば、長網抄紙機、短網抄紙機円網抄紙機などの1台または2台以上を用いて行うことができ、2台以上の抄紙機による抄合を行った場合には抄造むらの一層低減された抄上げウエブ(抄造ウエブ)が得られる。

0038

上記により得られる抄造ウエブを単層状態で加熱加圧処理するか、或いは該抄造ウエブ同士を複数枚積層するか又は該抄造ウエブと他の繊維ウエブとを積層して積層ウエブの形態にした状態で加熱加圧処理して、熱融着性バインダー繊維を溶融させて繊維間の結合・一体化を行うことによって目的とする半透膜支持体用の不織布を製造する。或いは、上記とは別の方法として、上記により得られる単層の抄造ウエブを加熱加圧処理して熱融着性バインダー繊維を溶融させて繊維同士を結合させた後、それに上記と同じ加熱加圧処理を施す前の単層の抄造ウエブまたは他の繊維ウエブを積層して、必要に応じて加熱加圧処理を行って半透膜支持体用の不織布を製造する方法を採用してもよい。

0039

複数枚の抄造ウエブを重ね合わせて加熱加圧を行う場合に、同種のウエブを用いて行うと一体化された不織布の均一性増し、また異種のウエブを用いて行うと厚み方向に密度差やその他の物性差を有する不織布を得ることができ、半透膜の用途や種類などに応じて、それらのうちの適当なものを選択すればよい。また、複数枚の抄造ウエブを重ね合わせて加熱加圧してなる不織布においては、場合によっては、複屈折(△n)が0.170未満であったりおよび/または熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dの範囲から外れる繊維を用いて形成したウエブを一部使用することも可能である。

0040

不織布を製造する際の加熱加圧処理時の温度および圧力は、抄造ウエブの種類、重ね合わせ方法、不織布からなる半透膜支持体に求められる性能などに応じて調節可能であるが、一般には、好ましくは150〜260℃、より好ましくは200〜240℃の温度、好ましく50〜150kg/cm、より好ましくは80〜120kg/cmの線圧が採用される。

0041

また、加熱加圧処理に用いる熱プレス装置の種類などは特に制限されず、従来から汎用されているものを使用することができ、例えば、対になった加熱金属ロールからなるカレンダー装置、加熱金属ロールと弾性ロールの組み合わせよりカレンダー装置などを使用することができる。また、加熱プレス装置の前後に予熱装置および/または冷却装置を配置しておいてもよい。そして、例えば加熱ロールと弾性ロールの組み合わせよりカレンダー装置を使用する場合は、表裏2回通しによる加熱加圧処理を行うことが、不織布の両面の毛羽立ち防止、表面平滑性の均等化などの点から好ましい。その場合に、2回目加熱加工処理の温度や圧力条件は1回目の処理と同じであってもまたは異なっていてもよい。

0042

上記により、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cmである不織布よりなる本発明の半透膜支持体が得られる。かかる半透膜支持体は、従来の半透膜支持体に比べて、高弾性率であって寸法安定性に優れている。しかも、同一通気度にした場合に、従来の半透膜支持体に比べて、多数の細孔を有し、且つ表面平滑性に優れている。そのため、その半透膜支持体は、支持体上に形成される半透膜との接着性に優れていて半透膜の剥離や破損が生じず、高圧濾過などに用いた場合にも支持体の寸法変化が生じず、膜の剥離や破損などが発生せず、濾過速度が大きくても膜を安定して支持することができ、凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、製膜液の裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成することができるという種々の優れた特性を備えている。

0043

そして、上記した優れた特性を有する本発明の半透膜支持体は、例えば、超純水製造フィルター海水淡水化フィルター、工業用または家庭用廃水浄化フィルター、血液精製フィルター、食品の濃縮フィルターなどのような液体処理用フィルター、酸素濃縮装置などにおける気体用フィルターなどのような種々の半透膜装置における支持体として極めて有効に使用することができる。また、場合によっては、半透膜のない支持体のみで、予備フィルターとして半透膜装置の前に配置して使用することも可能である。

0044

本発明の半透膜支持体上に半透性の膜を形成して支持体付きの半透膜を形成するに当たっては、不織布などの多孔質支持体上に半透膜を形成させる従来既知の方法のいずれもが採用でき、何ら限定されない。また、半透膜の形成に用いられる製膜用の重合体の種類や、製膜液の種類や内容、製膜液の支持体上の施し方、支持体上に施された製膜液からの膜の形成方法なども何ら制限されない。何ら限定されるものではないが、例えば、本発明の半透膜支持体上に高分子を溶解または分散させた製膜液を流延やその他の方法で施した後に、凝固や乾燥を行って半透性の高分子膜を形成させることによって、上記した不織布よりなる支持体と半透性の膜からなる本発明の半透膜を得ることができる。

0045

以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例において、ポリエステルの固有粘度、ポリエステル繊維の複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)、並びに不織布(半透膜支持体)の平均裂断長(5%伸長時)、通気度、表面平滑度およびポアサイズは次のようにして求めた。また、以下の例において、%は時に断らない限り、重量%を意味する。

0046

《ポリエステルの固有粘度[η]》ポリエステルチップo−クロロフェノールに0.5%の濃度になるように溶解して得た溶液を、30℃の恒温槽中で、ウベローデ型粘度計を用いてその相対粘度(濃度0.5%)、さらに比粘度を求めた後、予め作成しておいた比粘度−濃度関係グラフより固有粘度を外挿換算して求めた(単位:dl/g)。

0047

《ポリエステル繊維の複屈折(△n)》ナトリウム光源を用いて、偏光顕微鏡の光路にベレック(Berek)のコンペンセーターを挿入し、温度20℃、相対湿度65%の条件下にα−ブロムナフタリン中で測定して求めた(無単位)。

0048

《ポリエステル繊維の熱収縮応力(200℃)》切断する前のポリエステルトウから125デニールとなるように単繊維サンプリングする。この125デニールの繊維束を熱収縮応力測定器カネボウエンジニアリング社製「KEII型」)の上下のフック(間隔約5cm)に掛けた後、繊維束を結び、250デニールの繊維束とする。次いで、該250デニールの繊維束に15gの初荷重を掛け、300℃/120秒の昇温速度で繊維が溶断するまで昇温し、200℃における繊維の熱収縮応力を求めた(単位:g/デニール)。

0049

《不織布(半透膜支持体)の平均裂断長(5%伸長時)》下記の各例で得られた不織布から縦×横=15mm×200mmの試験片採取し、その試験片を用いて、JIS P 8113(1976)に準拠して、その縦方向および横方向の引張強さを測定し、その5%伸長に対応する引張強さから裂断長を求めた。次いで、縦方向と横方向の裂断長の平均値{(縦方向の5%裂断長+横方向の5%裂断長)/2}を求めて、不織布の平均裂断長(5%伸長時)とした(単位:km)。この平均裂断長(5%伸長時)は不織布の寸法安定性の指標であり、その値が大きいほど寸法安定性が高いことを意味する。

0050

《不織布(半透膜支持体)の透気度》下記の各例で得られた不織布から縦×横=200mm×300mmの試験片を採取し、その試験片を用いて、JIS L 1079(1966)に準拠して、フラジール形試験機を用いて透気度を測定した(単位:cc/cm2・秒)。

0051

《不織布(半透膜支持体)の表面平滑度》下記の各例で得られた不織布を用いて、ベック試験器を使用して、JIS P8119(1976)に準拠して表面平滑度を測定した(単位:秒)。

0052

《不織布(半透膜支持体)におけるポアサイズ》下記の各例で得られた不織布を用いて、JIS K 3832(1990)「精密ろ過膜エレメント及びモジュールバブルポイント試験方法」に付記されている“解説”(7〜10頁)に従い、不織布のポアサイズ(最大孔径)を測定した(単位:μm)。不織布におけるポアサイズ(最大孔径)の大小は、通気度が同水準のときに、細かい孔の数が多いか否かの指標となる。

0053

《実施例1〜5および比較例13》
(1)固有粘度が0.64dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)チップを300℃で溶融し、600個の丸孔を有する紡糸口金を通して285℃で吐き出し、565m/分の速度で引き取り、単繊維繊度が9.1デニールの未延伸糸を製造した。
(2) 上記(1)で得られた未延伸糸を引き揃えて65万デニールのトウとし、温水浴槽(温度75〜85℃)中で、下記の表1に示す延伸倍率で2段延伸した後、下記の表1に示す条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行って、下記の表1に示す複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)を有する、平均単繊維繊度が1.8〜2.1である延伸ポリエステル繊維をそれぞれ製造し、それを長さ10mmに切断して、捲縮のない延伸PET短繊維を得た。なお、前記の弛緩熱処理は所定温度で緊張熱処理(熱ローラー方式)したものを引き続いてフリーの状態で約30分間熱風乾燥して実施した。

0054

(3) 上記(2)で得られた延伸PET短繊維60重量部と、PET未延伸短繊維[複屈折(△n)0.012、単繊維繊度1.1デニール、繊維長5mm、比重1.340、断面円形、捲縮なし]40重量部とをパルパー投入し、水中で充分な混合および分散を行って、繊維濃度0.05%の水性スラリーを調整し、これを円網抄紙機に送り、抄造後にヤンキードライヤー(120℃)で乾燥して巻き取って、抄上げウエブを製造した(坪量72g/m2)。
(4) 上記(3)で得られた抄上げウエブを金属ロールコットンロール組み合わせの熱カレンダー加工機に、金属ロール設定温度230℃、線圧80kg/cm、加工速度10m/分の条件下に、まず裏側(抄造時にヤンキードライヤー非接触面)が金属ロールに接するようにして通過させ、次いで同一加工条件下に今度は表側が金属ロールに接するようにして通過させて、両面をカレンダー加工してPET不織布を製造した。これにより得られた不織布の坪量は72〜74g/m2であった。
(5) 上記(4)で得られた不織布の平均裂断長(5%伸長時)および通気度を上記した方法で求めたところ、下記の表1に示すとおりであった。

0055

0056

上記の表1の結果から、合成繊維よりなる不織布では、天然木材パルプよりなる紙などと異なり、繊維製造時の熱処理条件によってその性能が大きく変化すること、そして特定の複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)を有するポリエステル繊維、特に複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dの範囲にあるポリエステル繊維を用いることによって、目的とする平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cmである半透膜支持体用の不織布が円滑に得られることがわかる。

0057

《実施例6〜10》
(1)固有粘度が0.64dl/gのPETチップを300℃で溶融し、実施例1の(1)と同じような操作を行って、単繊維繊度が17.8デニールの未延伸糸を製造した。
(2) 上記(1)で得られた未延伸糸を引き揃えて65万デニールのトウとし、実施例1の(2)と同じようにして、温水浴槽(温度75〜85℃)中で、下記の表2に示す延伸倍率で2段延伸した後、下記の表2に示す条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行って、下記の表2に示す複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)を有する、平均単繊維繊度が3.8〜4.2である延伸ポリエステル繊維をそれぞれ製造し、それを長さ10mmに切断して、捲縮のない延伸PET短繊維を得た。
(3) 上記(2)で得られた延伸PET短繊維55重量部と、実施例1の(3)で用いたのと同じPET未延伸短繊維45重量部とをパルパーに投入し、実施例1の(3)と同様の操作を行って、抄上げウエブ(以下「抄上げウエブA」という)を製造した(坪量51g/m2)。

0058

(4) 上記(1)とは別に、上記(1)と同様の操作を行って平均単繊維繊度が6.2デニールの未延伸ポリエステル糸を製造し、その未延伸糸を引き揃えて65万デニールのトウとし、温水浴槽(温度75〜85℃)中で、下記の表2に示す延伸倍率で2段延伸した後、下記の表2に示す条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行って、下記の表2に示す複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)を有する、平均単繊維繊度が1.2〜1.4である延伸ポリエステル繊維をそれぞれ製造し、それを長さ5mmに切断して、捲縮のない延伸PET短繊維を得た。
(5) 上記(4)で得られた延伸PET短繊維55重量部と、実施例1の(3)で用いたのと同じPET未延伸短繊維45重量部とをパルパーに投入し、実施例1の(3)と同様の操作を行って、抄上げウエブ(以下「抄上げウエブB」という)を製造した(坪量51g/m2)。

0059

(6) 上記(3)で得られた抄上げウエブAと上記(5)で得られた抄上げウエブBを一層ずつ重ね合わせて、実施例1の(4)と同様にして、金属ロール/コットンロール組み合わせの熱カレンダー加工機で表裏両面の熱加工を行い、坪量が102〜102g/m2の不織布を製造した。
(7) 上記(6)で得られた不織布の平均裂断長(5%伸長時)および通気度を上記した方法で求めたところ、下記の表2に示すとおりであった。

0060

0061

上記の表2の結果から、抄上げウエブを複数積層して加熱加圧して不織布を製造するに当たって、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dの範囲にあるポリエステル繊維を用いて形成された抄上げウエブを少なくとも1層用いて加熱加圧して不織布を製造した場合には、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dの範囲にあるという条件から外れるポリエステル繊維を用いて形成された抄上げウエブを併用した場合であっても(実施例10)、複屈折(△n)が0.170以上で且つ熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60g/dの範囲にあるポリエステル繊維を用いて形成された抄上げウエブのみを複数積層して加熱加圧して不織布を製造した場合(実施例6〜9)と同様に、目的とする平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm・秒である半透膜支持体用の不織布が円滑に得られることがわかる。

0062

《実施例11》
(1)紡糸工程溶融ポリマー吐き出し量を変えて、実施例1の(1)と同じような操作を行って未延伸糸を製造し、この未延伸糸を引き揃えて65万デニールのトウとし、実施例1の(2)と同じようにして、温水浴槽(温度75〜85℃)中で、下記の表3に示す延伸倍率で2段延伸した後、下記の表3に示す条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行って、下記の表3に示す複屈折(△n)、熱収縮応力(200℃)および単繊維繊度を有する延伸ポリエステル繊維をそれぞれ製造し、それを長さ10mmに切断して、捲縮のない延伸PET短繊維を得た。
(2) 上記(1)で得られた延伸PET短繊維60重量部と、実施例1の(3)で用いたのと同じPET未延伸短繊維40重量部とをパルパーに投入し、実施例1の(3)と同様の操作を行って、抄上げウエブを製造した後、実施例1の(4)と同様にして、金属ロール/コットンロール組み合わせの熱カレンダー加工機で表裏両面の熱加工を行い、坪量が82〜83g/m2の不織布を製造した。
(3) 上記(2)で得られた不織布の平均裂断長(5%伸長時)および通気度を上記した方法で求めたところ、下記の表3に示すとおりであった。

0063

0064

上記の表3の結果から、平均裂断長(5%伸長時)が4.0km以上で且つ通気度が0.2〜10.0cc/cm2・秒である不織布を得るには、複屈折(△n)が0.170以上で、熱収縮応力(200℃)が0.10〜0.60gの範囲で、且つ単繊維繊度が1.0〜8.0デニールのポリエステル繊維を用いることが好ましく、ポリエステル繊維の単繊維繊度が1.0デニール未満であると不織布の通気度が0.2cc/cm2・秒よりも低くなり易く、一方8.0デニールを超えると不織布の通気度が10.0cc/cm2・秒を超え易いことがわかる。

0065

《実施例12〜14および比較例4〜5》
(1)固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンナフタレート(PEN)チップを305℃で溶融し、600個の丸孔を有する紡糸口金を通して288℃で吐き出し、565m/分の速度で引き取り、単繊維繊度が9.2デニールの未延伸糸を製造した。
(2) 上記(1)で得られた未延伸糸を引き揃えて65万デニールのトウとし、温水浴槽(温度75〜85℃)中で、下記の表4に示す延伸倍率で2段延伸した後、下記の表4に示す条件下に緊張熱処理および弛緩熱処理を行って、下記の表1に示す複屈折(△n)および熱収縮応力(200℃)を有する、平均単繊維繊度が1.9〜2.2である延伸ポリエステル繊維をそれぞれ製造し、それを長さ5mmに切断して、捲縮のない延伸PEN短繊維を得た。

0066

(3) 上記(2)で得られた延伸PEN短繊維50重量部と、PET未延伸短繊維[複屈折(△n)0.016、単繊維繊度1.0デニール、繊維長5mm、比重1.342、断面円形、捲縮なし]50重量部とをパルパーに投入し、水中で充分な混合および分散を行って、繊維濃度0.05%の水性スラリーを調整し、これを円網抄紙機に送り、抄造後にヤンキードライヤー(120℃)で乾燥して巻き取って、抄上げウエブを製造した(坪量88g/m2)。
(4) 上記(3)で得られた抄上げウエブを、実施例1の(4)と同様にして熱カレンダー加工機にて表裏両面を加工して、坪量が90〜91g/m2のPEN繊維を主体繊維とする不織布を得た。
(5) 上記(4)で得られた不織布の平均裂断長(5%伸長時)および通気度を上記した方法で求めたところ、下記の表4に示すとおりであった。

0067

0068

上記の表4の結果から、不織布を構成する主体繊維がPEN繊維の場合にも、PET繊維の場合と同様の結果が得られることがわかる。

0069

《比較例6〜7》
(1)複屈折(△n)0.166および熱収縮応力(200℃)0.06g/dのPET繊維(単繊維繊度6.0デニール、繊維長10mm)25重量部、複屈折(△n)0.162および複屈折(△n)0.05g/dのPET繊維(単繊維繊度1.5デニール、繊維長5mm)30重量部、並びに実施例1の(3)で用いたのと同じ未延伸ポリエステル短繊維45重量部をパルパーに投入し、水中で充分な混合および分散を行って、繊維濃度%の水性スラリーを調整し、これを円網抄紙機に送り、抄造後にヤンキードライヤー(120℃)で乾燥して巻き取って、抄上げウエブを製造した(坪量49g/m2)。
(2) 上記(1)で得られた抄上げウエブを2層の重ね合わせて、金属ロール/コットンロール組み合わせ式熱カレンダー加工機に、金属ロール温度230℃、線圧80kg/cm、加工速度10m/分の条件下にまず片面を熱圧着し、次いで積層体を裏返して反対側の面を同じ条件で熱圧着するか(比較例6)、または金属ロール温度240℃、線圧150kg/cm、加工速度10m/分の条件下に熱圧着して(比較例7)、坪量が102g/m2(比較例6)および坪量が104g/m2(比較例7)の不織布を得た。

0070

(3) 上記(2)で得られた不織布の平均裂断長(5%伸長時)、通気度、表裏面の平滑度およびポアサイズを上記した方法で求めたところ、下記の表5に示すとおりであった。
(4) また、比較のために、前記した実施例6および実施例8で得られた不織布についても、その平均裂断長(5%伸長時)、通気度、表裏面の平滑度およびポアサイズを上記した方法で求めたところ、下記の表5に示すとおりであった。なお、下記の表5においては、第1回目に熱カレンダー加工した面(第1回目に金属ロールと接触した面)を表とし、第2回目に熱カレンダー加工した面(第2回目に金属ロールと接触した面)を裏として、その表面平滑度を測定した。

0071

0072

従来は、不織布の通気度と表面平滑度とは逆相関にあり、通気度を上げるために不織布の密度下げるとその表面平滑度が低下し、一方表面平滑度を上げるために熱カレンダー加工時の加工条件を厳しくしたり細デニール繊維を使用すると通気度が下がるのが通弊であったが、上記の表5の結果から、本発明による場合は、通気度が高く且つ表面平滑度の高い不織布の提供が可能になったことが理解される。しかも、上記の表5の結果から、本発明の不織布では、ポアサイズ(最大孔径)が小さく、微細な孔を多数不織布中に存在させることによってその通気度の向上が達成されていることがわかる。

発明の効果

0073

本発明の半透膜支持体は、寸法安定性、表面平滑性、膜との接着性に優れ、しかも高い通気度を有しており、支持体上に形成される半透膜との接着性に優れていて半透膜の剥離や破損が生じず、高圧濾過などに用いた場合にも支持体の寸法変化が生じず膜の剥離や破損などを防止でき、濾過速度が大きくても膜を安定して支持することができ、しかも凹凸のない均一で平滑な膜を形成することができ、その上製膜液の裏抜けが生じずピンホールのない膜を形成することができる。本発明の半透膜支持体は力学的特性に優れ、耐久性に優れており、そのため低坪量化が可能であり、寿命も長い。

0074

そして、そのような優れた特性を有する本発明の半透膜支持体は、好ましくは複屈折(△n)が0.170以上であり且つ200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dであるポリエステル繊維、より好ましくは複屈折(△n)が0.170以上、200℃における熱収縮応力が0.10〜0.60g/dおよび平均単繊維繊度が1.0〜8.0デニールであるポリエステル繊維を主体繊維として用いることによって、極めて円滑に製造することができる。また、その際に上記したポリエステル主体繊維とともに熱融着性バインダー繊維を用いることによって、半透膜支持体用の不織布を加熱加圧処理によって極めて簡単な操作で、生産性よく、経済的に製造することができる。

0075

そのため、本発明の半透膜支持体は、上記した特性を活かして、例えば、超純水製造用フィルター、海水淡水化フィルター、工業用または家庭用の廃水浄化フィルター、血液精製フィルター、食品の濃縮フィルターなどのような液体処理用フィルター、酸素濃縮装置などにおける気体用フィルターなどのような種々の半透膜装置における支持体として極めて有効に使用することができる。

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