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技術 芯体と外層体との焼結接合体

出願人 東芝機械株式会社
発明者 高橋栄
出願日 1997年1月31日 (23年5ヶ月経過) 出願番号 1997-019101
公開日 1998年8月18日 (21年10ヶ月経過) 公開番号 1998-219309
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 粉末冶金
主要キーワード 寸法記号 底部内周 張出し部分 金属製芯体 外層体 下方延 マトリクス金属 合金鋼製
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月18日)のものです。
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図面 (10)

課題

成形体収縮不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生を防止する。

解決手段

焼結接合体は、略円柱形状の金属製の芯体1と、円筒形状をなす焼結材料粉末加圧成形体2を、焼結台7上において芯体1の外周面焼結接合させてなる外層体3((c) 参照) とを備えている。芯体1は、外層体3の上部内周に対応する上方大径部11と、この上方大径部11より下方に形成された小径部12とを有している。上方大径部11と小径部12との間は、連結部13によってなだらかに連結されている。芯体1及び成形体2の寸法は、成形体2の焼結途中における温度が軟化温度(成形体2の底面5と焼結台7との間の摩擦の影響で成形体2下部の自由な収縮が妨げられる程度まで、成形体2の軟化が進行する温度)に達する前に、成形体2の収縮でその内周面23上部が芯体1の上方大径部11に接触((b)参照) するような寸法に、予め定められている。

概要

背景

例えばプラスチック成形機スクリュのように、耐摩耗性耐蝕性とが同時に要求される製品には、サーメットのような材料が適している。しかし、サーメットには靭性に乏しいという欠点がある。このため、高応力を受ける内層部分に靭性に優れた合金鋼を配し、プラスチック材料と接触する外層部分にサーメットを配した、複合構造スクリュエレメントが提案されている。

このような複合構造のスクリュエレメントを作製する場合、外層部分となるサーメット原料粉末成形体を、内層部分となる合金鋼製芯体焼結接合させる製造方法が提案されている。このような焼結接合による製造方法の例が、図4に示されている。すなわち、まず、図4(a)に示すように、サーメット原料粉末を円筒形状に加圧成形してなる成形体9を焼結台7上に載置する。そして、成形体9の中心孔91内部に、合金鋼製の円柱形状をなす芯体8を配置する。次に、これを真空中で加熱すると、成形体9が焼結・収縮してその内周面92が芯体8の外周面81に接合されて外層体90となり、図4(b)に示すような焼結接合体が完成する。

しかし、図4に示すような従来の焼結接合体は、図5に便宜上、誇張して示すように、外層体90の略両端部93内周に対応する部分に比較的大きな未接合部分100が生じ、十分な接合強度が得られないという問題がある。

すなわち、図4(a)に示す成形体9の焼結・収縮の過程で、成形体9の内周面92が芯体8の外周面81に接触し、その後両者の接合が進行して行くが、この両者の接合により成形体9の内周面92側の収縮が拘束されてしまう。このため、図5に示すように、外層体90の内周面92側に比べて外周面94側の収縮量の方が大きくなって、外層体90の両端部93側が外周方向へ反り、焼結接合体に全体の大きさに対して比較的大きな未接合部分100を生じさせてしまうことになる。

そこで、このような未接合部分を小さくするために、芯体の形状を改良した焼結接合体が提案されている(特願平8−235336参照)。この従来の焼結接合体においては、図6に示すように、芯体10は、外層体3の略両端部内周に対応する一対の大径部11a,11b(図6(c)参照)と、この一対の大径部11a,11b同士の間に形成された小径部120と、この小径部120と大径部11a,11bとの間を芯体10の縦断面においてなだらかに連結する連結部13a,13bとを有している。

この芯体10の小径部120は、成形体20を単独で(その中心孔21内に芯体10を入れずに)焼結させた場合におけるその内径寸法より僅かに大きく、かつ大径部11a,11bの外形寸法より僅かに小さい外形寸法を有している。また、芯体10は、上方の大径部11aから上方へ延び大径部11aと同一の外径寸法を有する上方延長部14′と、下方の大径部11bから下方へ短く延び大径部11bと同一の外径寸法を有する下方延長部15とを有している。

このような従来の焼結接合体によれば、図6(a)〜(c)に示す焼結接合の過程において、成形体20の焼結・収縮によって、図6(b)に示すように、まず芯体10の大径部11a,11b付近の外周面に成形体20の内周面230が接触する。その後、成形体20の内周面230が芯体10の外周面形状に略対応した形状に変形しながら芯体10の外周面に焼結接合してゆき、最終的に図6(c)に示すような外層体30が形成され、焼結接合体が完成する。

すなわち、この従来の焼結接合体は、成形体20の内周面230が芯体10の外周面形状に略対応した形状に変形しながら芯体10の外周面に焼結接合して外層体30をなすようにすることで、芯体10と外層体30との未接合部分4を小さくしようとするものである。

概要

成形体の収縮の不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生を防止する。

焼結接合体は、略円柱形状の金属製の芯体1と、円筒形状をなす焼結材料粉末の加圧成形体2を、焼結台7上において芯体1の外周面に焼結接合させてなる外層体3((c) 参照) とを備えている。芯体1は、外層体3の上部内周に対応する上方大径部11と、この上方大径部11より下方に形成された小径部12とを有している。上方大径部11と小径部12との間は、連結部13によってなだらかに連結されている。芯体1及び成形体2の寸法は、成形体2の焼結途中における温度が軟化温度(成形体2の底面5と焼結台7との間の摩擦の影響で成形体2下部の自由な収縮が妨げられる程度まで、成形体2の軟化が進行する温度)に達する前に、成形体2の収縮でその内周面23上部が芯体1の上方大径部11に接触((b)参照) するような寸法に、予め定められている。

目的

本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、成形体の収縮の不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生を防止できるような焼結接合体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

略円柱形状をなす金属製の芯体と、略円筒形状をなす焼結材料粉末加圧成形体を、焼結台上において前記芯体の外周面焼結接合させてなる外層体とを備え、前記芯体は、前記外層体の上部内周に対応する上方大径部と、この上方大径部より下方に形成されるとともに、前記成形体を単独で焼結させた場合におけるその内径寸法より大きく且つ前記上方大径部の外径寸法より小さい外径寸法を有する小径部と、この小径部と前記上方大径部との間を前記芯体の縦断面においてなだらかに連結する連結部とを有し、前記成形体の底面と前記焼結台との間の摩擦の影響によって、前記成形体の下部の自由な収縮が妨げられるようになる程度まで、前記成形体の軟化が進行するような前記成形体の温度を軟化温度としたとき、前記芯体及び前記成形体の寸法は、前記成形体の焼結途中における温度が前記軟化温度に達する前に、前記成形体の収縮によって、前記成形体の内周が前記芯体の上方大径部に接触するような寸法に、予め定められていることを特徴とする芯体と外層体との焼結接合体

請求項2

前記芯体は、前記外層体の底部内周に対応するとともに、前記小径部の外径寸法より大きく、前記上方大径部の外径寸法より小さい外径寸法を有する下方大径部と、この下方大径部と、前記小径部との間を前記芯体の縦断面においてなだらかに連結する下方連結部とを更に有することを特徴とする請求項1記載の芯体と外層体との焼結接合体。

技術分野

0001

本発明は、略円柱形状の外形を有する金属製芯体外周面に、略円筒形状をなす焼結材料粉末加圧成形体焼結接合させて外層体を形成した焼結接合体係り、とりわけ、芯体と加圧成形体との寸法関係、及び芯体の形状を改良することにより、外層体に生ずる未接合部分を小さくするようにした焼結接合体に関する。

背景技術

0002

例えばプラスチック成形機スクリュのように、耐摩耗性耐蝕性とが同時に要求される製品には、サーメットのような材料が適している。しかし、サーメットには靭性に乏しいという欠点がある。このため、高応力を受ける内層部分に靭性に優れた合金鋼を配し、プラスチック材料と接触する外層部分にサーメットを配した、複合構造スクリュエレメントが提案されている。

0003

このような複合構造のスクリュエレメントを作製する場合、外層部分となるサーメット原料粉末の成形体を、内層部分となる合金鋼製の芯体に焼結接合させる製造方法が提案されている。このような焼結接合による製造方法の例が、図4に示されている。すなわち、まず、図4(a)に示すように、サーメット原料粉末を円筒形状に加圧成形してなる成形体9を焼結台7上に載置する。そして、成形体9の中心孔91内部に、合金鋼製の円柱形状をなす芯体8を配置する。次に、これを真空中で加熱すると、成形体9が焼結・収縮してその内周面92が芯体8の外周面81に接合されて外層体90となり、図4(b)に示すような焼結接合体が完成する。

0004

しかし、図4に示すような従来の焼結接合体は、図5に便宜上、誇張して示すように、外層体90の略両端部93内周に対応する部分に比較的大きな未接合部分100が生じ、十分な接合強度が得られないという問題がある。

0005

すなわち、図4(a)に示す成形体9の焼結・収縮の過程で、成形体9の内周面92が芯体8の外周面81に接触し、その後両者の接合が進行して行くが、この両者の接合により成形体9の内周面92側の収縮が拘束されてしまう。このため、図5に示すように、外層体90の内周面92側に比べて外周面94側の収縮量の方が大きくなって、外層体90の両端部93側が外周方向へ反り、焼結接合体に全体の大きさに対して比較的大きな未接合部分100を生じさせてしまうことになる。

0006

そこで、このような未接合部分を小さくするために、芯体の形状を改良した焼結接合体が提案されている(特願平8−235336参照)。この従来の焼結接合体においては、図6に示すように、芯体10は、外層体3の略両端部内周に対応する一対の大径部11a,11b(図6(c)参照)と、この一対の大径部11a,11b同士の間に形成された小径部120と、この小径部120と大径部11a,11bとの間を芯体10の縦断面においてなだらかに連結する連結部13a,13bとを有している。

0007

この芯体10の小径部120は、成形体20を単独で(その中心孔21内に芯体10を入れずに)焼結させた場合におけるその内径寸法より僅かに大きく、かつ大径部11a,11bの外形寸法より僅かに小さい外形寸法を有している。また、芯体10は、上方の大径部11aから上方へ延び大径部11aと同一の外径寸法を有する上方延長部14′と、下方の大径部11bから下方へ短く延び大径部11bと同一の外径寸法を有する下方延長部15とを有している。

0008

このような従来の焼結接合体によれば、図6(a)〜(c)に示す焼結接合の過程において、成形体20の焼結・収縮によって、図6(b)に示すように、まず芯体10の大径部11a,11b付近の外周面に成形体20の内周面230が接触する。その後、成形体20の内周面230が芯体10の外周面形状に略対応した形状に変形しながら芯体10の外周面に焼結接合してゆき、最終的に図6(c)に示すような外層体30が形成され、焼結接合体が完成する。

0009

すなわち、この従来の焼結接合体は、成形体20の内周面230が芯体10の外周面形状に略対応した形状に変形しながら芯体10の外周面に焼結接合して外層体30をなすようにすることで、芯体10と外層体30との未接合部分4を小さくしようとするものである。

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、このような従来の焼結接合体には、以下のような問題点がある。まず第1に、図7(a)に示すように、成形体20Aの内周面230と芯体10Aの大径部11a,11bとの間の間隔d′が、全体の大きさに対して比較的広い場合、図7(c)に示すように、焼結接合体の下部において、芯体10Aと外層体30Aとの間に大きな未接合部分が生じてしまうことがある。

0011

その理由は、次の通りである。すなわち、焼結接合の過程における成形体(外層体)の温度変化は、図9に示すように、常温T0 から次第に温度が上昇し、軟化温度Tb を経て、焼結温度Ts に達する。そして、一定時間の間、焼結温度Ts を保って焼結接合が行われ、焼結接合の完了後、再び常温T0 まで温度が降下する。ここで、成形体は、上記軟化温度Tb に達するまでは、その底面50が焼結台7上を滑りながら自由に収縮できる。しかし、軟化温度Tb に達すると、成形体中のマトリクス金属軟化が進行し、その底面50と焼結台7との間の摩擦の影響によって、成形体下部の半径方向の自由な収縮が妨げられるようになる。

0012

そして、図7に示すように、成形体20Aの内周面230と芯体10Aの大径部11a,11bとの間の間隔d′が全体の大きさにに対して比較的広い場合は、成形体20Aの収縮により両者が接触する前(図7(b))に成形体20Aの温度が軟化温度Tb に達する場合がある。この場合、図9に符号a, b′, c,dで示す各段階に、それぞれ図7(a), (b), (c), (d)に示す状態が対応している。

0013

この場合、成形体20Aの上部では半径方向の自由な収縮が保たれるのに対して、成形体20Aの下部においては、上述したように半径方向の自由な収縮が妨げられる(図7(c)〜(d))。このため、焼結接合体の下部において、芯体10Aと外層体30Aとの間に大きな未接合部分110が生じてしまうことになる(図7(d))。特に、成形体20Aの重量が比較的重い(例えば1. 5kg以上の)場合は、摩擦の影響が大きくなりやすいので、このような未接合部分110の発生が顕著となり易くなる。第2に、図8(a)に示すように、成形体20Bの内周面230と芯体10Bの大径部11a,11bとの間の間隔d″が、全体の大きさに対して比較的狭く、成形体2の温度が軟化温度Tb に達する前に、成形体2の収縮により両者が接触し(図8(b))、上述したような摩擦の影響による未接合部分の発生の問題がない場合であっても、図8(d)に示すように、芯体10Bに対して外層体30Bが上下に斜めにずれた焼結接合体ができてしまうことがある。なお、この場合は、図9に符号a, b, c, dで示す各段階に、それぞれ図8(a), (b), (c), (d)に示す状態が対応している。

0014

その理由は、次の通りである。すなわち、この場合は、焼結の比較的初期の段階で、芯体10Bの上方と下方の両大径部11a,11bに成形体20Bの内周面230がほぼ同時に接触・接合する(図8(b))。そして、その状態から成形体20Bの収縮が更に進行して行くと、上下の接合部分の拘束によって、成形体20Bが上下方向に引っ張られることになる。このとき、成形体20Bはその円周方向の各部において、上方と下方の両大径部11a,11bのうち、接合力の強い方の側に引っ張られる。

0015

このため、最終的に、芯体10Bに対して外層体30Bが上下に斜めにずれた焼結接合体ができてしまうことになる(図8(d))。また、このような外層体30Bの上下方向のずれに伴って、外層体30Bのずれ方向とは反対側の部分に大きな未接合部分120, 130が生じてしまうという問題もある。

0016

本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、成形体の収縮の不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生を防止できるような焼結接合体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、略円柱形状をなす金属製の芯体と、略円筒形状をなす焼結材料粉末の加圧成形体を、焼結台上において前記芯体の外周面に焼結接合させてなる外層体とを備え、前記芯体は、前記外層体の上部内周に対応する上方大径部と、この上方大径部より下方に形成されるとともに、前記成形体を単独で焼結させた場合におけるその内径寸法より大きく且つ前記上方大径部の外径寸法より小さい外径寸法を有する小径部と、この小径部と前記上方大径部との間を前記芯体の縦断面においてなだらかに連結する連結部とを有し、前記成形体の底面と前記焼結台との間の摩擦の影響によって、前記成形体の下部の自由な収縮が妨げられるようになる程度まで、前記成形体の軟化が進行するような前記成形体の温度を軟化温度としたとき、前記芯体及び前記成形体の寸法は、前記成形体の焼結途中における温度が前記軟化温度に達する前に、前記成形体の収縮によって、前記成形体の内周が前記芯体の上方大径部に接触するような寸法に、予め定められていることを特徴とする芯体と外層体との焼結接合体である。

0018

この発明によれば、芯体への成形体の焼結接合の過程において、成形体が焼結・収縮してゆき、成形体の温度が軟化温度に達する前に、芯体の上方大径部の外周に成形体の上部内周が接触する。そして、この芯体の上方大径部と成形体との接触部分の接合力と、成形体の収縮の進行とによって、成形体の全体を上方へ引き上げようとする力が発生する。また、成形体の収縮がさらに進行すると、芯体と成形体との接合力も増加し、成形体の収縮に伴って、成形体の底面が焼結台から浮き上がって行く。

0019

従って、芯体の上方大径部に成形体が接触し、両者の接合が進行し始めた後では、成形体の底面と焼結台との間の摩擦の影響は次第に減少し、最終的にはゼロになる。このため、この段階に入ってから成形体の温度が軟化温度に達しても、成形体の底面と焼結台との間の摩擦の影響によって、成形体下部の半径方向の自由な収縮が妨げられることはない。

0020

その後、成形体は、その収縮に伴って芯体の外周面全体に渡って接触し、芯体に焼結接合して行く。この際、芯体の上方大径部においては、成形体が芯体の外周面形状に略対応した形状に変形しながら接合して行く。そして、最終的に芯体に接合した外層体が形成され、焼結接合体が完成する。このように、成形体の全体が芯体の上方大径部側に引っ張られながら接合して行くので、外層体が上下に斜めにずれることはなくなる。

0021

本発明の焼結接合体は、前記芯体が、前記外層体の底部内周に対応するとともに、前記小径部の外径寸法より大きく、前記上方大径部の外径寸法より小さい外径寸法を有する下方大径部と、この下方大径部と、前記小径部との間を前記芯体の縦断面においてなだらかに連結する下方連結部とを更に有することが好ましい。

0022

このような焼結接合体によれば、最終的に外層体の底部内周が、芯体の下方大径部に対応し、しかも芯体の下方大径部と小径部との間が下方連結部によってなだらかに連結され、成形体の変形に対応するようになっているので、外層体の底部内周における芯体との未接合部分の大きさを極めて小さくすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態を示す図であり、図3は、本発明の他の実施形態を示す図である。なお、図1乃至図3に示す実施の形態の説明において、必要に応じて図9を参照して説明する。

0024

図1において、焼結接合体は、略円柱形状の外形を有する金属製の芯体1と、円筒形状をなす焼結材料粉末の加圧成形体2(図1(a)参照)を、焼結台7上において芯体1の外周面に焼結接合させてなる外層体3(図1(d)参照)とを備えている。

0025

上記芯体1は、外層体3の上部内周に対応する上方大径部11(図1(d)参照)と、この上方大径部11より下方に形成された小径部12とを有している。なお、この上方大径部11は、図6乃至図8に示す上記従来例の芯体10, 10A, 10Bにおける上方大径部11aのように、焼結接合時に外層体30, 30A, 30Bの略上端部内周に対応する部分のみを指すものと異なり、一定の幅を持って外層体3の上部内周と接合する部分を指すものである。また、芯体1は、上方大径部11から上方へ延び上方大径部11と同一の外径寸法を有する上方延長部14を有している。

0026

また、小径部12は、成形体2を単独で(その中心孔21内に芯体1を入れずに)焼結させた場合におけるその内径寸法より僅かに大きく、かつ上記大径部11の外形寸法より僅かに小さい外形寸法を有している。

0027

また、芯体1は、上方大径部11と小径部12との間を、芯体1の縦断面において円弧、または円弧以外の曲線、さらにはこれらと直線との組み合わせなどによりなだらかに連結する連結部13を有している。なお、上記芯体1は例えば合金鋼製であり、上記成形体2の焼結材料粉末は例えばサーメット原料粉末である。また、上記焼結台7は通常、黒鉛アルミナ等のセラミクスで作られたものか、又は鋼で作られ表面にセラミクスの離型剤が塗布されたものである。

0028

ここで、焼結接合の過程における成形体2(外層体3)の温度変化は、図9に示すように、常温T0 から次第に温度が上昇し、軟化温度Tb を経て、焼結温度Ts に達する。そして、一定時間の間、焼結温度Ts を保って焼結接合が行われ、焼結接合の完了後、再び常温T0 まで温度が降下する。この場合、上記軟化温度Tb とは、成形体2の底面5と焼結台7との間の摩擦の影響によって、成形体2の下部の自由な収縮が妨げられるようになる程度まで、成形体2の軟化が進行するような成形体2の温度として定義される。

0029

すなわち、成形体2は、上記軟化温度Tb に達するまでは、その底面50が焼結台7上を滑りながら自由に収縮できる。しかし、軟化温度Tb に達すると、成形体2中のマトリクス金属の軟化が進行し、その底面50と焼結台7との間の摩擦の影響によって、成形体2の下部の自由な収縮が妨げられるようになる。

0030

そして、芯体1及び成形体2の寸法は、成形体2の焼結途中における温度が軟化温度Tb に達する前に、成形体2の収縮によって、成形体2の内周面23上部が芯体1の上方大径部11に接触(図1(b)参照)するような寸法に、予め定められている。具体的には、成形体2の内周面23と芯体1の大径部11との間の間隔dが、全体の大きさに対して十分狭くなるように、芯体1と成形体2との間の寸法関係が定められている。

0031

次に、このような構成よりなる本実施形態の焼結接合の過程および作用について説明する。なお、以下の説明において、図9に符号a, b, c, dで示す各段階に、それぞれ図1(a), (b), (c), (d)に示す状態が対応している。

0032

まず、図1(a)に示すように、焼結台7上に載置した成形体2の中心孔21内に芯体1を同軸に配置し、これを真空中または無酸素雰囲気中で加熱する。すると、成形体2が焼結・収縮してゆき、成形体2の温度が軟化温度Tb に達する前に、芯体1の上方大径部11の外周面に成形体2の内周面23が接触する(図1(b)及び図9の符号b参照)。

0033

そして、この芯体1と成形体2との接触部分の接合力と、成形体2の収縮の進行とによって、成形体2の全体を上方へ引き上げようとする力が発生する。また、成形体2の収縮がさらに進行すると、芯体1と成形体2との接合力も増加し、成形体2の収縮に伴って、成形体2の底面5が焼結台7から浮き上がって行く(図1(c))。

0034

従って、芯体1の上方大径部11に成形体2が接触し、両者の接合が進行し始めた後では、成形体2の底面5と焼結台7との間の摩擦の影響は次第に減少し、最終的にはゼロになる。このため、この段階に入ってから成形体2の温度が軟化温度Tb に達しても、成形体2下部の半径方向の自由な収縮が妨げられることはない。

0035

その後、成形体2は、その収縮に伴って芯体1の外周面全体に渡って接触し、芯体1に焼結接合して行く。この際、芯体1の上方大径部11の付近においては、成形体2が芯体1の外周面形状に略対応した形状に変形しながら接合して行く(図1(c)〜(d))。そして、最終的に図1(d)に示すような外層体3が形成され、焼結接合体が完成する。このように、成形体2の全体が芯体1の上方大径部11側に引っ張られながら接合して行くので、外層体3が上下に斜めにずれることはなくなる。

0036

以上のことにより、成形体の収縮の不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生が防止される。なお、本実施形態においても、外層体3と芯体1との間に若干、上下の未接合部分4a, 4bが生ずるので、これらの未接合部分4a, 4bを除いた接合良好部分のみを製品に供することになる。また、上部の未接合部分4aについては、芯体1の上部における成形体2との接合部分である上方大径部11の幅(軸方向長さ)を適切な値に抑えることで、その大きさを小さくすることができる。なお、下部の未接合部分4bの大きさを小さくする手段については、他の実施形態として後述する。

0037

ここで、図1(d)に示すように、焼結接合体の外層体3の上部外周部分には、芯体1の上方大径部11に対応した張出し部分35が生ずる。しかし、この焼結接合体は通常、切削加工等の機械加工によって所定の形状に加工され、その際に張出し部分35も切削等により同時に除去できるので、この張出し部分35の存在は問題とならない。

0038

ここで、図2(a)を参照して、芯体1及び成形体2の具体的な寸法関係について説明する。芯体1の各部の寸法は、成形体2を単独で焼結させた場合におけるその内径D0及び軸方向長さL0 の寸法を基準として定められる。そして、図2(a)において、芯体1の小径部12の外径D1 =D0 ×1.004〜1.030、大径部11の外径D2 =D1 ×1.030〜1.070であることが好ましい。

0039

小径部12の外径D1 が上記の範囲より小さいと、芯体1と外層体3との接合が不十分となり、上記の範囲より大きいと、外層体3が変形するなどの問題を生ずるからである。また、上方大径部11の外径D2 が上記の範囲より大きいと、小径部12側の部分に未接合部分が発生するおそれがあるからである。

0040

次に、芯体1の上方大径部11より下方の部分の長さL1 はL0 とほぼ等しいことが好ましい。L1 がL0 より一定以上大き過ぎると、上述したような成形体2の引き上げの効果が生じないからであり、L1 がL0 より小さ過ぎると、芯体1の上方大径部11と成形体2との接合部分の長さが大きくなり過ぎるので、上部の未接合部分4aが大きくなってしまうからである。

0041

また、小径部12と上方大径部11との間をなだらかに連結する連結部13の長さL2 は、短かすぎると連結部13のカーブが急になって、連結部13周辺に未接合部分が発生するおそれがあるため、L2 =D1 ×0.50〜L1 の範囲とすることが好ましい。また、この連結部13の縦断面におけるカーブの形状は、小径部12と大径部11との間をなだらかに連結するものであればよく、上記のように円弧、円弧以外の曲線、又はこれらと直線とを組み合わせたもの等とすることができる。

0042

次に、図2を参照して、本実施形態の一実施例について説明する。本実施例において、成形体2は、B(粉末):2.2重量%,Si:3.2重量%,WC(粉末):30重量%,Mo(粉末):15重量%, Ni(粉末):Bal.の組成の焼結材料を回転ボールミルによりエチルアルコール中で48時間、混合粉砕し、この粉砕粉末CIP(冷間静水圧加圧成形したものであり、芯体1はSUS420J2製である。また、図2に示す芯体1と加圧成形体2の各部の寸法は、それぞれ次の表1に示す値とした。

0043

そして、焼結台7上において、芯体1を加圧成形体2の中心孔21内に同軸に配置し、真空中で加熱して焼結接合体を得たところ、その上下の未接合部分4a及び4bの深さは、それぞれ4mm及び5mmであった。

0044

ID=000003HE=080 WI=072 LX=0240 LY=0350
次に、図3により、本発明の他の実施形態について説明する。図3に示すように、本実施形態の焼結接合体は、芯体1Aと、加圧成形体2を焼結台7上において芯体1Aの外周面に焼結接合させてなる外層体3A(図3(d)参照)とを備えている。そして、本実施形態の芯体1Aは、外層体3Aの底面6側内周(底部内周)に対応する下方大径部16を有する点で、上記の実施形態と異なり、その他の構成は上記の実施形態と同様である。すなわち、本実施形態の芯体1Aにおいては、上方大径部11と下方大径部16との間に小径部12′が形成されている。

0045

この芯体1Aの下方大径部16は、小径部12′の外径寸法より大きく、上方大径部11の外径寸法より小さい外径寸法を有している。なお、この下方大径部16は、上方大径部11の場合と異なり、外層体3Aの底面6側内周に対応する部分のみを指すものである。

0046

また、芯体1Aは、その下方大径部16と小径部12′との間を、芯体1Aの縦断面において円弧、または円弧以外の曲線、さらにはこれらと直線との組み合わせなどによりなだらかに連結する下方連結部17を有している。さらに、芯体1Aは、下方大径部16から下方へ延び下方大径部16と同一の外径寸法を有する下方延長部18を有している。なお、この下方延長部18は、成形体2又は外層体3Aとの接合に直接関与するものではなく、主に上記下方大径部16を外層体3Aの底面6側内周に対応する高さに形成するための製法上の都合によるものである。

0047

次に、このような構成よりなる本実施形態の焼結接合の過程および作用について説明する。図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態においても上記の実施形態の場合と同様、焼結接合の過程において、成形体2の温度が図9に示す軟化温度Tb に達する前に、芯体1Aの上方大径部11の外周面に成形体2の内周面23が接触し、成形体2の収縮の進行に伴って、成形体2の底面5が焼結台7から浮き上がって行く(図3(c))。

0048

その後、成形体2は、その収縮に伴って芯体1Aの外周面全体に渡って接触し、芯体1Aに焼結接合して行く。従って、本実施形態においても、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。

0049

しかるに、本実施形態においては、最終的に外層体3Aの底面6側内周が、芯体1Aの下方大径部16に対応し、しかも芯体1Aの下方大径部16と小径部12′との間が下方連結部17によってなだらかに連結され、成形体2の変形に対応するようになっているので、芯体1Aと外層体3Aとの間の下部の(外層体3Aの底面6側内周における)未接合部分4b′の大きさを極めて小さくすることができる。

発明の効果

0050

本発明によれば、成形体の底面と焼結台との間の摩擦の影響によって、成形体下部の半径方向の自由な収縮が妨げられることはなく、成形体の全体が芯体の上方大径部側に引っ張られながら接合して行くので、外層体が上下に斜めにずれることもなくなる。このため、成形体の収縮の不均衡に起因する外層体の変形や大きな未接合部分の発生を防止することができる。

図面の簡単な説明

0051

図1本発明による焼結接合体の一実施形態を、その焼結接合の過程に従って示す縦断面図。
図2図1に示す芯体と成形体の、各部の寸法記号を示す側面図。
図3本発明による焼結接合体の他の実施形態を、図1の場合と同様に示す図。
図4従来の焼結接合体の第1の例を、その焼結接合の過程に従って示す縦断面図。
図5図4に示す焼結接合体における、未接合部分の発生原理を模式的に示す縦断面図。
図6従来の焼結接合体の第2の例を、その焼結接合の過程に従って示す縦断面図。
図7従来の焼結接合体の第3の例を、図6の場合と同様に示す図。
図8従来の焼結接合体の第4の例を、図6の場合と同様に示す図。
図9焼結接合体の焼結接合の過程における、温度変化の例を示すグラフ

--

0052

1, 1A, 8, 10, 10A芯体
2, 9, 20, 20A成形体
3, 3A, 30, 30A, 90外層体
5, 50 成形体の底面
6 外層体の底面
7焼結台
11 上方大径部
11a, 11b 大径部
12, 12′, 120小径部
13, 13a 上方連結部
16 下方大径部
13b, 17 下方連結部
Tb軟化温度
Ts 焼結温度

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