図面 (/)

技術 半導体薄膜及びその製膜方法

出願人 株式会社自由電子レーザ研究所
発明者 大山秀明鈴木敏司西和久三露常男冨増多喜夫
出願日 1997年1月30日 (23年11ヶ月経過) 出願番号 1997-016363
公開日 1998年8月11日 (22年4ヶ月経過) 公開番号 1998-214785
状態 特許登録済
技術分野 再結晶化技術 アニール レーザ(2) 再結晶化技術 レーザ(2)
主要キーワード 材料表 マクロパルス ステージ板 改質部分 磁石ピッチ 共鳴吸収波長 照射試料 半導体薄膜材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

物理的又は化学的方法により製膜された半導体薄膜レーザ光照射により改質して結晶構造秩序化及び電気的担体活性化を図ることのできる製膜方法及びこの方法により半導体薄膜を得ること。

解決手段

自由電子レーザ10からのレーザ光を可変として半導体薄膜材料16にその構成元素格子振動共鳴吸収する波長のレーザ光を照射してその結晶構造の秩序化を図ると共に、導入された不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射して電気的担体の活性化を図ることにより半導体薄膜を製膜する。

概要

背景

半導体材料物理的又は化学的手段により薄膜として形成し、この半導体薄膜により電子素子を構成する際に、半導体薄膜の乱れ結晶構造秩序化し再結晶化する、あるいは電気的担体活性化させる処理方法の1つとして、電気炉等を用いて高温熱処理をする方法が知られている。この方法では炭化珪素のような半導体材料では摂氏1300℃以上の高温とする必要があり、このような高温の熱処理に起因して電極材料選択幅が狭く、又工程の順番を最適に選択できないなど種々の制約がある。

一方、イオン注入された非晶質層レーザ照射によって単結晶化する試みがレーザアニール法として提案されて以来、加熱が短時間にできる、表面層の任意の場所だけの加熱ができる、再結晶領域に溶解する不純物の量を多くすることができるなど、従来の電気炉による加熱とは異なる点に着目して、その後多くの応用研究が行なわれている。

このような背景のなかで、低温かつ局所的に同様な熱処理の効果を得るために上記レーザアニール法の応用例の1つとして提案された特開平7−22311号公報による半導体材料の作製方法が知られている。

この方法においては、アモルファス半導体中の炭素窒素酸素の濃度を一定以下に低減した状態で所定強度レーザ光照射して再現性が良く、高いキャリア移動度を有する半導体薄膜を作製することを提案している。

上述した原理的なレーザアニール法では材料を一旦溶融させるため半導体材料の電気的特性の再現性が悪く、このため上記特許公報によるレーザアニール法では炭素、窒素、酸素の濃度を一定以下としたアモルファス半導体にレーザ光を照射して材料を溶融させることなく秩序化するとしている。

この場合、レーザ光の照射では材料表面は溶融せず、吸収されたレーザ光のエネルギにより固相成長した固相秩序化領域非晶質領域が混在した(セミアモルファス化)ものとなり、炭素、窒素、酸素の濃度が低いという条件下であれば高い移動度が得られるとされている。

概要

物理的又は化学的方法により製膜された半導体薄膜をレーザ光の照射により改質して結晶構造の秩序化及び電気的担体の活性化を図ることのできる製膜方法及びこの方法により半導体薄膜を得ること。

自由電子レーザ10からのレーザ光を可変として半導体薄膜材料16にその構成元素格子振動共鳴吸収する波長のレーザ光を照射してその結晶構造の秩序化を図ると共に、導入された不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射して電気的担体の活性化を図ることにより半導体薄膜を製膜する。

目的

この発明は、上記のような従来のレーザアニール法における種々の問題に鑑みて、物理的又は化学的方法により製膜された半導体薄膜をレーザ光の照射により薄膜を溶融することなく改質して結晶構造の秩序化を図り、かつ電気的担体の活性化を図ることのできる製膜方法とこの方法により半導体薄膜を得ることを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

物理的又は化学的方法により形成した半導体薄膜不純物元素を導入した薄膜構成元素結晶構造をこの構成元素の格子振動共鳴吸収する波長レーザ光照射して秩序化し、かつ不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射し局在振動により電気的担体活性化して成る半導体薄膜。

請求項2

前記半導体薄膜を炭化珪素膜とし、不純物元素を窒素アルミニウム、又はほう素のいずれかとしたことを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜。

請求項3

物理的又は化学的方法により半導体薄膜を形成してこれに不純物元素を導入し、この薄膜に構成元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射し結晶構造を秩序化すると共に、不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射して局在振動を励起せしめ電気的担体を活性化することから成る半導体薄膜の製膜方法

請求項4

前記薄膜の構成元素及び不純物元素の格子振動にそれぞれ共鳴吸収する波長のレーザ光を自由電子レーザにより選択的に照射することを特徴とする請求項3に記載の半導体薄膜の製膜方法。

請求項5

前記自由電子レーザの照射光が、パルス幅10-11 秒以下、ピークパワ100万W以上であることを特徴とする請求項4に記載の半導体薄膜の製膜方法。

技術分野

0001

この発明は、半導体材料レーザ光照射し、その結晶構造秩序化し電気的担体活性化した半導体薄膜及びその製膜方法に関する。

背景技術

0002

半導体材料を物理的又は化学的手段により薄膜として形成し、この半導体薄膜により電子素子を構成する際に、半導体薄膜の乱れた結晶構造を秩序化し再結晶化する、あるいは電気的担体を活性化させる処理方法の1つとして、電気炉等を用いて高温熱処理をする方法が知られている。この方法では炭化珪素のような半導体材料では摂氏1300℃以上の高温とする必要があり、このような高温の熱処理に起因して電極材料選択幅が狭く、又工程の順番を最適に選択できないなど種々の制約がある。

0003

一方、イオン注入された非晶質層レーザ照射によって単結晶化する試みがレーザアニール法として提案されて以来、加熱が短時間にできる、表面層の任意の場所だけの加熱ができる、再結晶領域に溶解する不純物の量を多くすることができるなど、従来の電気炉による加熱とは異なる点に着目して、その後多くの応用研究が行なわれている。

0004

このような背景のなかで、低温かつ局所的に同様な熱処理の効果を得るために上記レーザアニール法の応用例の1つとして提案された特開平7−22311号公報による半導体材料の作製方法が知られている。

0005

この方法においては、アモルファス半導体中の炭素窒素酸素の濃度を一定以下に低減した状態で所定強度のレーザ光を照射して再現性が良く、高いキャリア移動度を有する半導体薄膜を作製することを提案している。

0006

上述した原理的なレーザアニール法では材料を一旦溶融させるため半導体材料の電気的特性の再現性が悪く、このため上記特許公報によるレーザアニール法では炭素、窒素、酸素の濃度を一定以下としたアモルファス半導体にレーザ光を照射して材料を溶融させることなく秩序化するとしている。

0007

この場合、レーザ光の照射では材料表面は溶融せず、吸収されたレーザ光のエネルギにより固相成長した固相秩序化領域非晶質領域が混在した(セミアモルファス化)ものとなり、炭素、窒素、酸素の濃度が低いという条件下であれば高い移動度が得られるとされている。

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、上記特許公報によるレーザアニール法は種々の半導体材料に対して適用できる旨記載されているが、半導体材料はアモルファス化したものであることが条件であるため種々の半導体材料に適用できる訳ではなく、根本的な解決方法ではない。

0009

又、半導体材料に対するレーザ光の発振条件は明確でなく、材料に対するレーザ光の吸収長さがその波長に依存するため、紫外線レーザであるエキシマレーザ可視光YAGレーザ、あるいは赤外域での赤外線レーザからその材料に最適なレーザを選択しなければならない。

0010

さらに、上記特許公報によるレーザアニール法ではレーザ照射して改質された半導体材料はセミアモルファス化されたものであるから、固相秩序化領域と非晶質領域が混在するため、材料の全領域にわたって結晶構造が均質に秩序化されたものではなく、不純物元素を含む結晶構造では移動度についてさらに改善する余地がある。

0011

この発明は、上記のような従来のレーザアニール法における種々の問題に鑑みて、物理的又は化学的方法により製膜された半導体薄膜をレーザ光の照射により薄膜を溶融することなく改質して結晶構造の秩序化を図り、かつ電気的担体の活性化を図ることのできる製膜方法とこの方法により半導体薄膜を得ることを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

この発明は、上記課題を解決する手段として、物理的又は化学的方法により半導体薄膜を形成してこれに不純物元素を導入し、この薄膜に構成元素格子振動共鳴吸収する波長のレーザ光を照射し結晶構造を秩序化すると共に、不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射して局在振動励起せしめ電気的担体を活性化することから成る半導体薄膜の製膜方法としたのである。

0013

そして、上記方法によって、物理的又が化学的方法により形成した半導体薄膜に不純物元素を導入した薄膜の構成元素の結晶構造をこの構成元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射して秩序化し、かつ不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射し局在振動により電気的担体を活性化して成る半導体薄膜を得るようにしたものである。

0014

上記半導体薄膜の製膜方法において、物理的又は化学的方法により半導体薄膜を形成する方法は、例えばスパッタ法などによる物理的方法、あるいはレーザCVDなどによる化学的方法のように周知の方法であり、そのいずれでもよい。

0015

又、上記製膜方法においては、電気炉等による高温の熱処理で材料全体を溶かし熱平衡状態を経て乱れた原子再構成させたり、所望の格子位置に原子を配置するのではなく、構成元素の格子振動に共鳴吸収するレーザ光を照射して、材料を溶融することなく格子振動を直接励起して結晶構造を秩序化し薄膜材料の改質を図る。これにより薄膜材料の電気的特性の再現性が向上する。

0016

一方、半導体薄膜に導入された不純物元素が本来の構成元素の位置からずれた位置に入ったままではド−パントが不活性となり電気的特性が向上しない。これを解消するため、この製造方法では上記構成元素の格子振動とは異なる不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光を照射することにより電気的担体の活性化を図っている。この場合、構成元素と不純物元素のいずれの格子振動に対応する波長のレーザ光を先に照射してもよくその順序は問わない。

0017

以上のようにしてレーザ光を照射して半導体薄膜を製膜する際に、結晶構造の改質と電気的担体の活性化を図ることができる理由は次の通りである。図7に半導体材料の原子構造モデルを示す。図中の符号1、2は構成元素、3は材料中でその格子位置からわずかにずれた位置にいる原子を示している。例えば材料がSiC(炭化珪素)の場合、構成元素1、2のいずれかがSi、あるいはCである。

0018

(1)上記SiCの材料で3の原子が構成元素であればSi又はCのいずれかであり、このとき隣接する原子との格子振動モードはSi−C特有の振動モードであり、この振動に対応した波長のレーザ光(12.6μm、10.3μm)が照射されることにより、本来の格子位置からずれた位置にある乱れた元素が揺さぶられて本来の格子位置に入り、その結果結晶が再構成され秩序化されて再結晶化が実現する。

0019

(2)一方、3の原子が電気的担体を供出する不純物原子であれば、この原子3として例えばN、Al、Bなどが来る。このとき、隣接する原子との格子振動モードは、Nの場合Si−N特有の振動モードであり、この振動に対応する波長のレーザ光(10.4μm)が照射されることにより、本来の格子位置からずれた位置にある乱れた原子が揺さぶられて本来の格子位置に入り、このときは結果として結晶が再構成され、電気的担体の活性が図られる。

0020

なお、上記方法に用いられるレーザ光は格子振動に対応する波長のレーザ光であり、それぞれの半導体薄膜材料に固有な波長のレーザ光でなければならないから、予めその固有な波長を特定しておく必要があり、このような状況では発振波長に制約がない点で自由電子レーザが最適な光源であるが、予め自由電子レーザで上記固有な波長が特定されれば、それぞれの波長のレーザ光を、例えば半導体レーザのような発振波長が特定の他の形式のレーザを用いてもよい。

0021

以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

0022

図1は半導体薄膜の製膜装置の概略を示す。なお、この実施形態では基本となる半導体薄膜は一般的な薄膜製造方法によりSi基板上に製膜されたものとし、その詳細は周知であるから図示、説明は省略する。

0023

10は自由電子レーザ、11はこのレーザで発生した自由電子レーザ光であり、反射ミラー12で曲げられ、ZnSeレンズ13で収束光14として集光された後スキャニング用のガルバノメータミラー15により反射されて照射試料である半導体薄膜16上に改質部分16aの範囲にわたって照射される。17はSi製の絶縁基板、18はステージ板である。

0024

自由電子レーザ10の詳細は図示省略するが、電子銃で発生した電子ビーム加速器で光速近くに加速してウイグラ磁石などから成る周期磁場発生手段中を通過させ、その磁界との相互作用誘導放射される光を反射ミラー間で反復増幅して所定波長のレーザ光を発生させる方式のものである。そのレーザ光の発生原理上、磁場強度磁石ピッチ、あるいは電子ビームエネルギなどを調整することにより赤外線領域から紫外線X線領域まで自由に波長を可変とすることができる方式のレーザ発生装置である。

0025

ガルバノメータミラー15は、反射ミラーを任意の角度に自由に回転させる方式のものであり、その他の部材については説明するまでもない。なお、この実施形態の装置は予めステージ板18上の基板17上に作製された半導体薄膜の改質を目的としており、これに直接関連する構成のみを示している。半導体薄膜自体の作製は、例えばスパッタ法のような物理的な手段、あるいはレーザCVD法のような化学的な手段により行なうものとし、これらは公知のものであるから、詳細は省略する。

0026

実際の自由電子レーザ10で得られるレーザ光は、ビーム径大略50mmφ、ZnSeレンズ13は焦点距離10インチ、レンズの直前にはアパーチャが挿入され、ガルバノメータミラー15で試料上に照射されたレーザビームの径は略600μmφである。

0027

以上のような装置により半導体薄膜の改質を次のようにして行なった。基板17(Si)上にレーザCVD法により予め結晶3C−SiC薄膜を製膜し、これにNをイオン注入した。なお、イオン注入装置も公知のものであり、詳細は省略する。このNイオン注入薄膜に自由電子レーザ10を照射して半導体薄膜の改質を行なったのであるが、その時の自由電子レーザ10の照射条件は次の通りである。

0028

即ち、パルス幅〜10ps、ミクロパルスパワ密度〜180MW/cm2 、なお、このレーザビームの詳細については図2に示しており、ミクロパルス〜10psから成る幅20μsのマクロパルス光を100msの間隔で照射するというものである。又、照射領域は2mm四方で、マクロパルス3000ショット(5分間)が照射されるようにしたから、200μmφのビーム径で3000ショットスキャニングすると面積で0.942cm-2照射したことになり、単純には照射領域を万遍なく照射することになる。

0029

以上の照射条件でレーザ光を照射し、まず薄膜の結晶構造を秩序化して電気的特性の再現性の向上を図った。フーリエ変換赤外吸収測定法(FT−IR)により、その吸収度の変化をIR吸収スペクトルとして測定した。その結果を図3に示す。図中には比較のため改質用レーザ光を照射しない試料薄膜(●)、Nイオン注入し改質用レーザ光を照射しないNイオン注入薄膜(▲)、Nイオン注入し改質用の12.6μmのレーザ光を照射した改質薄膜(○)とが同時に示されている。

0030

図において、波長を9〜14μmまで変化させた結果12.6μmと10.3μmにそれぞれピークが見られるが、これはSiCのTOフォノンLOフォノンに対応した吸収を示しており、図からイオン注入後に12.6μmのピークが広くなっていることが分る。これは、イオン注入によりダメージ層が形成され、それによってピークが広がったものと推定される。そして、自由電子レーザ光を波長12.6μmとして照射するとこの波長においてピークの広がりが再び減少しており、これはダメージ層の結晶性がこの波長において大きく回復したことを示す。

0031

一方、比較のため改質波長をもう1つのピークである10.3μmで照射したときの結果を図4に示す。この例でも試料薄膜(●)、Nイオン注入薄膜(▲)と、波長10.3μmでの改質薄膜(○)に対する吸収スペクトルを示している。図から分るように、この例では波長12.6μmでの波長ピークの広がりの変化は見られず、Nをイオン注入したことにより生じたダメージ層が残ったままで、ダメージ層の結晶性は顕著に回復していないと考えられる。

0032

以上から、このSiC薄膜材料は照射されたレーザ光の吸収特性がピークとなる特定波長でSi−Cの伸長振動による強い共鳴吸収に対応して室温で局所的な結晶化ができることが示された。

0033

次に、薄膜材料中に注入される不純物による電気的担体の活性化を見るために、自由電子レーザの照射波長を13〜10μmに変化させて電気的特性の波長依存性を検討した。レーザ光を照射後の試料のホール効果測定を行い、これによって得られたキャリア濃度ホール移動度照射光波長に対する波長依存性の関係を図5に示す。図中の■はキャリア濃度の変化、●はホール移動度を示す。

0034

図から分るように、キャリア濃度は波長10.4μm前後に大きな変化が見られる。これは波長10.4μmで不純物の局存振動Si−Nを励起しているためである。キャリア濃度の活性化率見積ると、イオン注入のピーク位置でほぼ100%の活性化率が得られることが明らかになった。このような値は従来の熱処理法では全く得られない。

0035

以上から、Si−Nの伸縮振動による強い共鳴吸収に対応した波長の自由電子レーザ光を照射することにより室温で局所的な電気的担体の活性化ができることも示された。

0036

さらに、薄膜材料6H−SiCについて自由電子レーザ光の照射による効果を測定した。結晶SiCは多くの結晶型を有し産業上用いられているが、そのうちの6H−SiCを用いて同様な測定を試みた。具体的にはSi基板17上にp型(5×1012cm-3)6H−SiCをレーザCVDにより製膜し、その上にn型(5×1015cm-3)6H−SiC単結晶薄膜を製膜したものを用意した。

0037

そして、この単結晶薄膜に、室温でNをイオン注入した。注入条件注入エネルギで200KeV、注入ドーズ量は5×1014cm-2である。利用した自由電子レーザを含む装置は先の測定で用いたものと同じであり、同じパルス幅、同じパルスパワ密度の自由電子レーザ光を同一光学系を経て対象の薄膜に照射した。

0038

この薄膜材料においても、図示省略しているが、自由電子レーザの照射による吸収波長のピークは先の薄膜材料と同じ12.6μmであった。

0039

その後電気的特性の波長依存性に基づく処理として、不純物元素(N)の格子振動波長10.4μmのレーザ光を照射し、その特性評価としてフォトルミネッセンス測定を行なった。図6に上記レーザ光による改質処理をした薄膜材料に対するフォトルミネッセンス測定結果を示す。測定用励起光として波長325mmのHe−Cdレーザを用いて測定を行なった。測定温度は10Kである。

0040

この測定において6H−SiCの典型的なドナーアクセプタペアー発光が観察された。図において、(a)は10.4μmレーザ光を照射した場合、(b)は比較例であり、Nイオン注入したが10.4μmレーザ光は非照射の場合である。(a)の場合に光子エネルギ(eV)=波長に対する発光強度特定値で特に急増しているのが分る。これは上記10.4μmレーザ光の照射によりSiC中の不活性であったNが活性化したためと考えられる。また、このフォトルミネッセンス照射による発光強度の変化には波長依存性があることも示しており、不純物元素Nの格子振動に共鳴する波長10.4μmの振動を直接励起していることを示している。

0041

以上から、この例でもSi−Nの伸縮振動による強い共鳴吸収に対応したレーザ光を照射することにより特に、室温で局所的な6H−SiC中の不純物の活性化が実現できることが理解される。

0042

なお、上記各薄膜材料の特性測定ではレーザ光として自由電子レーザを用いてレーザ光を可変とすることにより12.6μm、10.3μm、10.4μmのそれぞれの波長のレーザ光を照射するとしたが、各薄膜材料ごとに特定の波長のレーザ光を照射する場合、予め測定によって共鳴吸収波長が分った後はその特定波長のレーザ光を照射できるレーザであれば自由電子レーザでなくとも他のレーザ方式のものでもよい。

0043

又、不純物としてNイオンを注入する例を示したが、Nイオンに代えてAl、Bのいずれかのイオンを注入するとしてもよい。

発明の効果

0044

以上詳細に説明したように、この発明の半導体薄膜の製膜方法は薄膜の構成元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光の照射により結晶構造の秩序化を図ると共に、不純物元素の格子振動に共鳴吸収する波長のレーザ光の照射で電気的担体の活性化を図るとしたから、この製膜方法により得られる薄膜は結晶構造の秩序化により電気的特性の再現性が向上し、かつ電気的特性そのものも向上するという顕著な効果を奏する。

図面の簡単な説明

0045

図1実施形態の半導体薄膜製造装置概略構成
図2自由電子レーザのパルス構造の説明図
図3半導体薄膜材料3C−SiCのレーザ(波長12.6μm)照射前後の赤外吸収スペクトル図
図4半導体薄膜材料3C−SiCのレーザ(波長10.3μm)照射前後の赤外吸収スペクトル図
図5半導体薄膜材料3C−SiCのレーザ照射後の電気的担体濃度と移動度のレーザ波長依存性を示す図
図6半導体薄膜材料6H−SiCのレーザ(波長10.4μm)照射前後のフォトルミネッセンススペクトル
図7モデル化した原子構造による結晶構造の秩序化と電気的担体の活性化の説明図

--

0046

10自由電子レーザ
11 自由電子レーザ光
12反射ミラー
13 ZnSeレンズ
14収束光
15ガルバノメータミラー
16半導体薄膜
17絶縁基板
18 ステージ板

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ニコンの「 ガラス組成物、それを用いた光学素子及び光学装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】モル%表記で、Ga2O3を40〜80%、及び希土類酸化物を0%超〜60%含有し、最大フォノンエネルギーが730cm−1以下であるガラス組成物。... 詳細

  • トリルミナコーポレーションの「 表面実装対応可能なVCSELアレイ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】大量生産のために、従来の表面実装アセンブリ及びはんだ付け技術を利用してPCBに直接にはんだ付けできるアレイを構成するVCSEL/VECSELアレイの設計が開示されている。完成したVC... 詳細

  • 株式会社日本製鋼所の「 レーザ処理装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】結晶膜の品質を向上する。【解決手段】レーザ処理装置は、上面を基板2が移動可能なステージ1の周辺に配置された可動部材700Aを有する。この可動部材700Aは、開口部OPから基板2に向ってガスを噴... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ