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技術 編地終端部の編成方法及び該編地終端部の編成方法により編成された編地

出願人 株式会社島精機製作所
発明者 小畑好幸
出願日 1997年1月20日 (23年6ヶ月経過) 出願番号 1997-007133
公開日 1998年8月4日 (22年0ヶ月経過) 公開番号 1998-204759
状態 特許登録済
技術分野 編地 編機
主要キーワード 終端縁 開始箇所 ガーター 目落ち 補助ベッド 編成効率 袋編み 止め処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年8月4日)のものです。
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図面 (10)

課題

解れ止め処理した箇所の伸縮性および引っ張り強度が向上された編地終端部編成方法および編地終端部が解れ止め処理された編地を開示する。

解決手段

少なくとも前後一対針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する伏せ目処理方法において、縁編目部は3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目を重ねる。

概要

背景

例えばベスト後身頃部分を横編機編成する場合、裾ゴム部分から衿首方向へと編成し、編成完了後に衿首部分編地終端部リンキングを施す等して解れ止めが行われる。このように編成と別工程で行われるリンキング作業により解れ止め処理する方法では、工程が複雑化することから製品生産コストの上昇が避けられない。そこで、横編機上で編成により編地の終端部に解れ止めを施し、編成完了後の後処理を軽減するための編成方法が種々研究されている。このような伏せ目処理方法を開示したものとして特開昭59−21758号公報が存在する。特開昭59−21758号公報では編地の終端部を編成する際に、編地終端部の編目の内、一端の編目を隣接する編目と目移しにより重ね合わせ、該重ね合わせた編目に次コースの編目を形成して縁編目部を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目をさらに隣接する編地終端部の編目と重ね合わせ、重ね合わせた編み目給糸して縁編目部に次コースの編目を形成するという編成を繰り返し行うことで、編地終端部の編目を連結する縁編目部を形成して解れ止めを行う。

また、上記した特開昭59−21758号公報では、例えば編地の終端部を補強のために袋編組織またはリブ編組織等の前後両針床の針を使用して編成される編組織により編成する場合のように、前後両針床の針が編目を係止した状態で編成される編地を伏せ目処理する場合、前後何れか一方の編地の編目を他方の針床に目移しして編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編地終端部の編目を上記した編成方法により解れ止め処理する方法が開示されている。

概要

解れ止め処理した箇所の伸縮性および引っ張り強度が向上された編地終端部の編成方法および編地終端部が解れ止め処理された編地を開示する。

少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する伏せ目処理方法において、縁編目部は3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目を重ねる。

目的

しかしながら、従来の方法により伏せ目処理された編地は、編地終端部の編目を連結する縁編目部の伸縮性が乏しく、伏せ目処理された部分に力が掛かると縁編目部の編目が切断され目落ちが発生する可能性があった。したがって衿首部のように着用時に引き伸ばされ易く引っ張り強度が必要とされる部分を伏せ目処理するには不適であった。本発明は上記した従来の伏せ目処理方法が抱えていた伏せ目箇所の伸縮性および引っ張り強度を向上することのできるとともに綺麗な編地終端部を形成することのできる編地終端部の編成方法および、伸縮性と引っ張り強度に優れるとともに綺麗な編地終端部が形成された編地を開示することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

少なくとも前後一対針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地終端部編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編地終端部の編成方法において、縁編目部は3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目を重ねて伏せ目処理することを特徴とする編地終端部の編成方法。

請求項2

縁編目部が3ウエールの編目数で形成され、その中央に位置するウエールの編目を編地終端部の編目と重ねて伏せ目処理することを特徴とする請求項1に記載の編地終端部の編成方法。

請求項3

編地終端部の編目と重ねる縁編目部の編目を裏目として形成することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかの項に記載の編地終端部の編成方法。

請求項4

編地の一端側から他端側に向かい編地終端部の編目が縁編目部の編目に重ね合わされ、重ね合わされた編目に形成された次コースの編目がさらに続く編地終端部の編目と重ね合わされて編地終端部の編目が伏せ目処理された編地であって、縁編目部が3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目が重て解れ止め処理されてなることを特徴とする編地。

請求項5

少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成される編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編地終端部の編成方法において、編地終端部は前後の針床の針で係止された状態に編成され、リブ編組織として形成した前後一対の縁編目部の編目を、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、および後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が重なるように編目を重ねて伏せ目処理することを特徴とする編地終端部の編成方法。

請求項6

少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編地終端部の編成方法において、編地終端部は前後の針床の針で係止された状態に編成され、リブ編組織として形成した前後一対の縁編目部の編目を、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、および後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部のループが重なるように編目を重ねて伏せ目処理することを特徴とする編地終端部の編成方法。

技術分野

0001

本発明は横編機を使用して編成される編地終端部を編成により解れ止め処理するための編成方法であって、ウエール方向伸縮性に優れた編地終端部を形成することのできる編地終端部の編成方法および該編地終端部の編成方法により編成された編地に関する。

背景技術

0002

例えばベスト後身頃部分を横編機で編成する場合、裾ゴム部分から衿首方向へと編成し、編成完了後に衿首部分の編地終端部にリンキングを施す等して解れ止めが行われる。このように編成と別工程で行われるリンキング作業により解れ止め処理する方法では、工程が複雑化することから製品生産コストの上昇が避けられない。そこで、横編機上で編成により編地の終端部に解れ止めを施し、編成完了後の後処理を軽減するための編成方法が種々研究されている。このような伏せ目処理方法を開示したものとして特開昭59−21758号公報が存在する。特開昭59−21758号公報では編地の終端部を編成する際に、編地終端部の編目の内、一端の編目を隣接する編目と目移しにより重ね合わせ、該重ね合わせた編目に次コースの編目を形成して縁編目部を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目をさらに隣接する編地終端部の編目と重ね合わせ、重ね合わせた編み目給糸して縁編目部に次コースの編目を形成するという編成を繰り返し行うことで、編地終端部の編目を連結する縁編目部を形成して解れ止めを行う。

0003

また、上記した特開昭59−21758号公報では、例えば編地の終端部を補強のために袋編組織またはリブ編組織等の前後両針床の針を使用して編成される編組織により編成する場合のように、前後両針床の針が編目を係止した状態で編成される編地を伏せ目処理する場合、前後何れか一方の編地の編目を他方の針床に目移しして編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編地終端部の編目を上記した編成方法により解れ止め処理する方法が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の方法により伏せ目処理された編地は、編地終端部の編目を連結する縁編目部の伸縮性が乏しく、伏せ目処理された部分に力が掛かると縁編目部の編目が切断され目落ちが発生する可能性があった。したがって衿首部のように着用時に引き伸ばされ易く引っ張り強度が必要とされる部分を伏せ目処理するには不適であった。本発明は上記した従来の伏せ目処理方法が抱えていた伏せ目箇所の伸縮性および引っ張り強度を向上することのできるとともに綺麗な編地終端部を形成することのできる編地終端部の編成方法および、伸縮性と引っ張り強度に優れるとともに綺麗な編地終端部が形成された編地を開示することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記した問題を解決するため本発明の編地終端部の編成方法は、少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編地終端部の編成方法において、縁編目部は3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目を重ねて伏せ目処理する。したがって、編地終端部が引き伸ばされた際には、編地終端部のループと連結されていない縁編目部の編目から編地終端部の編目と連結されている縁編目部の編目に編糸が補充され編目が拡大されるため編地終端部の伸縮性および引っ張り強度が向上された綺麗な編地終端部を形成できる。

0006

また、縁編目部が3ウエールの編目数で形成され、その中央に位置するウエールの編目を編地終端部の編目と重ねて伏せ目処理することも特徴の一つである。本発明によれば、中央の編目の両側に形成された編目が編地終端部の側面に向かってカールし、編地終端部の3方に縁編目部の編目が現れる。

0007

また、編地終端部の編目と重ねる縁編目部の編目を裏目として形成することも特徴の一つである。

0008

また、本発明の編地終端部の編成方法により編成された編地は、編地の一端側から他端側に向かい編地終端部の編目が縁編目部の編目に重ね合わされ、重ね合わされた編目に形成された次コースの編目がさらに続く編地終端部の編目と重ね合わされて編地終端部の編目が伏せ目処理されてなる編地であって、縁編目部が3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目が重ねられる。本発明によれば、編地終端部が引き伸ばされた際には、編地終端部のループと連結されていない縁編目部の編目から編地終端部の編目と連結されている縁編目部の編目に編糸が補充され編目が拡大されるため伸縮性および引っ張り強度が向上された綺麗な編地終端部が形成された編地となる。

0009

また、本発明の編地終端部の編成方法は、少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成される編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編成方法において、編地終端部は前後の針床の針で係止された状態に編成され、リブ編組織として形成した前後一対の縁編目部の編目を、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が重なるように編目を重ねて伏せ目処理することも特徴の一つである。本発明によれば前後一対の縁編目部の編目が、給糸口の一方向への移動の際に形成されるとともに、前後両針床の針に形成した前後一対の縁編目部の編目が交差するように順次編地終端部の編目と重ねて伏せ目処理される。したがって、前後の編地のループを重ねることがなく、また隣接する編地終端部の編目と重ねられる前後の縁編目部の編目をリブ編み組織で形成しているため、縁編目部の編目の伸縮性が増し引っ張り強度が向上する。

0010

また、本発明の編地終端部の編成方法では、少なくとも前後一対の針床を有し、その何れか一方または双方の針床が左右摺動可能に構成される横編機を使用して編成された編地の終端部の編目に縁編目部の編目を重ね合わせ、該重ね合わせた編目に給糸して縁編目部に次コースの編目を形成し、該新たに形成した縁編目部の編目を続く編地終端部の編目に重ね、重ね合わせた編目に給糸して縁編目部の次コースの編目を形成する編成を編地の一端側から他端側に向かい繰り返し行うことで編地終端部の編目を解れ止め処理する編成方法において、編地終端部は前後の針床の針で係止された状態に編成され、リブ編組織として形成した前後一対の縁編目部の編目を、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部のループが重なるように編目を重ねて伏せ目処理することも特徴の一つである。本発明によれば前後一対の縁編目部の編目が、給糸口の一方向への移動の際に形成されるとともに、前後両針床の針に形成した前後一対の縁編目部の編目と編地終端部の編目が、前ベッドの針に係止されている編目同士および後ベッドの針に係止されている編目同士を重ねて伏せ目処理される。したがって、前後の編地のループを重ねることがなく、また隣接する編地終端部の編目と重ねられる前後の縁編目部の編目をリブ編み組織で形成しているため、縁編目部の編目の伸縮性が増し引っ張り強度が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0011

次に本発明の編地終端部の編成方法を図面とともに詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、説明の便宜上実際の編成で使用される針数よりも少ない数の針のみを使用して説明を行う。本発明の編地終端部の編成方法は、少なくとも前後一対の針床を有し、その前後何れか一方または双方が左右摺動可能に構成されるとともに目移し機能を有する横編機で編成される。

0012

図1は本発明の編地終端部の編成方法により衿首部を解れ止め処理してなるベストの後身頃部1を示す。このようなベストの後身頃部1は裾ゴム部分2から編成が開始され、衿首部3に向かって編成が行われ、衿首部3を袋編み組織で編成した後、衿首部3の最終コースの編目に対して伏せ目処理が施される。下記の実施の形態で示す編成コース図において左側の数字は編成コース番号を示し、編成コース図の右側のFは前ベッドを、Bは後ベッドを示し、上下に配したアルファベット大文字は前ベッドの針を、小文字は後ベッドの針を示し、右端の左右方向の矢印は給糸口の移動方向を、上下方向の矢印は目移しの方向を示す。

0013

図2のコース1は図1に示すベストの後身頃部1の編成が衿首部3の形成を開始する直前のコースの編成を示す。前ベッドの針A〜Eに係止されているのが後身頃部1の編目である。この時、衿首部3の両側の領域で編成される左右両肩部4、5においては特に伸縮性を必要としないため、公知の伏せ目処理を施す編成方法により伏せ目処理されて既に針から外された状態となっている。コース1では給糸口9を右方向に移動させ前ベッドの編針A〜Eに給糸して後身頃部を編成し、次にコース2では衿首部3を袋編み組織で編成するため、前後両針床の針を針半ピッチ分左右に位相をずらせた状態で前ベッドの針E〜Aおよび後ベッドのe〜aに交互に給糸するリブ編みを行い、後ベッドの編針e〜aに編糸を係止させる。次にコース3では後ベッドの針a〜eに、コース4では前ベッドの針E〜Aに対し給糸して環状に編成を行う。そしてコース3からコース4に示される編成を適宜回数繰り返し行うことで衿首部3を袋編み組織で編成した後、コース5では後ベッドの針a〜eに係止されている編目を前ベッドの針A〜Eに目移しして編目を重ねる。この時、前ベッドの針A〜Eに係止されている編目が伏せ目処理される衿首部3の最終コースの編目である。伏せ目処理は編地の左右何れの方向に向かって行ってもよいが、本実施の形態においては、右端側から左端側に向かって行う場合を例に説明し、以下の説明において伏せ目処理の進行方向とは右端から左端に向かう方向を意味する。まず、伏せ目処理の開始箇所となる編地終端部の編目を係止している針Eに隣接する領域の空針を使用し、伏せ目処理により編地終端部の編目を伏せ目処理する縁編目部の編始め箇所の形成を行う。まずコース6では給糸口10を左方向に移動させ、前ベッドの編針HおよびFに給糸し、コース7では給糸口10を反転させた後、前ベッドの編針Gに給糸してインターロック編成を行う。この時、針F〜Hに給糸された編糸は、前コースの編目が存在しないため通常の編目を形成することなく編針のフックに係止された状態となる。次にコース8では給糸口を左方向に移動させ再度前ベッドの編針H・Fに給糸して編目11、12を形成し、コース9ではコース7と同様に前ベッドの編針Gに給糸して編目13を形成する。これにより前ベッド編針F〜Hに新たに編目11、12、13が係止された状態となる。次にコース10では前ベッドの編針F〜Hに給糸して縁編目部の編目14、15、16を、図3のコース11では17、18、19を形成する。コース12では前ベッドの針Eに係止されている編地終端部の側端の編目20および縁編目部の針F〜Hに係止されている編目17、18、19を後ベッドの編針e〜hに目移し、コース13では縁編目部の編目17、18、19を前ベッドの針E〜Gに目移しする。次にコース14では後ベッドの針eに係止されている編地終端部の編目20を前ベッドの針Fに目移しし縁編目部の編目18と重ねる。コース15では縁編目部の編目を保持している前ベッドの針E〜Gに給糸して編目21、22、23を、コース16では編目24、25、26を形成する。これによりコース1で5目係止されていた編地終端部の編目が1目伏せ目処理されて減少したことになる。次に、コース17では、前ベッドの針Dに係止されている編地終端部の編目27及び縁編目部の編目24、25、26を後ベッドの針d〜gに目移しする。そしてコース18では縁編目部の編目24、25、26を前ベッドの針D〜Gに目移しし、コース19では後ベッドの針dに係止されている編地終端部の編目27を前ベッドの針Eに目移しし縁編目部の編目25と重ねる。そしてコース20で前ベッドの針D〜Fに給糸して縁編目部を編成することで、編地終端部の編目が更に1目伏せ目処理されコース1に示す状態から2目の編目が伏せ目処理され針から外された状態となる。

0014

上記した第1の実施の形態により編成された編地を図4に示す。(図4は編地終端部の最終コースの編目と縁編目部の編目のみを示し、それ以前に編成された編目は省略している)。図4Aは編地終端部の通常の状態、図4Bは編地終端部が編地のウエール方向(図4において上下方向)に伸展された状態を示す。図4に示すように編地終端部の編目列Zが縁編目部の中央の編目列Cにより解れ止め処理されるとともに、編地終端部の編目と連結される縁編目部の中央の編目列Cの両側に縁編目列LおよびRが存在する。したがって、着用の際に編地終端部が引き伸ばされ、編地終端部の編目と重なっている中央の編目列Cが引き伸ばされても、隣接する縁編目列L、Rから編糸が補充され中央の編目列Cの各編目が拡大されるため編地終端部の伸縮性が増し引っ張り強度も向上する。さらに両外側の編目列L、Rは平編組織で形成されており編地終端部の編目と連結されていないため、編地の編成が完了した状態では、図5に示すように両外側の編目列L、Rが内側にカールして編地終端部を包み込む。したがって伏せ目箇所をどの方向から見ても編地の終端縁に縁編目部の編目が表れた綺麗な編地終端部を形成することができる。また、袋編み組織に続いて3目のウエール数で形成した縁編目部の中央の編目を編地終端部の編目と重ねて伏せ目処理した場合、袋編み組織により2重に形成された編地終端部と、伏せ目処理により形成された縁編目部の厚みがほぼ等しくなるため、編地終端部の厚みが一定に揃った綺麗な編地終端部となる。なお、上記した第1の実施の形態では、伏せ目処理を行う前に編地終端部を袋編み組織で編成した後、伏せ目処理を行う場合を例に説明したが、袋編み組織での編成は必ずしも必要な工程ではなく、袋編み組織での編成を省略する場合には図2のコース6以降に示される編成を行えばよい。

0015

次に上記した第1の実施の形態の変形例を説明する。上記した第1の実施の形態では、縁編目部を3目の平編み組織で形成したが、縁編目部において編地終端部の編目と重ねられる編目を裏目で形成するとともに、両外側の編目を表目組織で形成し縁編目部をリブ編み組織で形成してもよい。このように縁編目部をリブ編み組織で編成した場合、平編み組織に比べ隣接する編目間に渡る渡り糸が長くなるため、編地終端部が引き伸ばされた際に両外側の編目から中央の編目に供給される編糸長が長くなり、平編み組織で編成する場合に比べ編地終端部の伸縮性及び引っ張り強度が一層向上される。なお、上記した実施の形態においては、縁編目部を3ウエールの幅で形成したが、上記した実施の形態に限定されるものではなく、例えば縁編目部を3ウエール以上で形成したり、編地終端部の編目と重ねる編目を変更したり、編地の表側と裏側の縁編目の長さの比率を変えることも可能である。また、縁編目部をリブ編み組織やガーター編み組織により編成することも可能である。

0016

次に本発明の編地終端部の編成方法の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態では、ゴム編み組織や袋編み組織等の場合のように編地終端部の編目が前後両針床の針に係止された状態で編成を行う。まず、図6のコース1では前ベッドと後ベッドは左右に針半ピッチ分左右に位相をずらせた状態で前ベッドの針A〜Eおよび後ベッドの針a〜eに編目が係止されている状態から給糸口30を右方向に移動させ、前ベッドの針Fおよび後ベッドの針fに給糸する。そしてコース2では前ベッドの針Fに給糸して編目31を形成し、コース3では後ベッドの針fに給糸し編目32を形成する止め編みを行い、縁編目部の編始め箇所を形成する。次にコース4では新たに形成した編目の内、前ベッドの針Fに係止されている編目31を後ベッドの針eに目移しして編地終端部の編目33と重ねる。次にコース5では同じく後ベッドの針fに係止されている編目32を前ベッドの針Eに目移しして編地終端部の編目34と重ねる。そしてコース6では前ベッドの針と後ベッドの針が対向する状態とした後、前ベッドの針Eおよび後ベッドの針eに順番に給糸してリブ編みを行い編目35、36を形成し、コース7では編目37、38を形成する。これによりコース1に示す状態から前ベッドで1目、後ベッドで1目の編目がそれぞれ伏せ目処理されて針から外された状態となる。以下同様にコース8および図7のコース9で新たに形成した縁編目部の編目37、38を編地終端部の編目39、40と重ねる。そしてコース10で前ベッドの針D及び後ベッドの針dに給糸して編目を形成することで編地終端部の編目がさらに2目伏せ目処理されて針から外された状態となる。

0017

上記した第2の実施の形態により編成された編地は、補強の目的で編地終端部を袋編組織で形成し、袋編部分の最終コースの編目を伏せ目処理する場合、従来の編成方法では前後の編地を重ね合わせた後、伏せ目処理する方法が一般的であるのに対し、本実施の形態により編成された編地は、縁編目部分の編目をリブ編み組織により形成し、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が重なるように編目を重ねる。したがって、前後の編地のループを重ねることがなく、また隣接する編地終端部の編目と重ねられる前後の縁編目部の編目をリブ編み組織で形成しているため、縁編目部の編目の伸縮性が増し引っ張り強度が向上する。

0018

次に本発明の編地終端部の編成方法の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は前後両針床の針に編目が係止された状態で編成を行う点が第2の実施の形態と共通する。なお、以下に説明する第3の実施の形態では、編成効率を良くするため前後一対の下部針床上にそれぞれ上部補助ベッドを備えた四枚ベッド横編機を使用する場合を例に説明するが、2枚ベッド横編機においても実施可能である。図8の編成コース図においてFDは下部前ベッド、FUは上部前ベッド、BDは下部後ベッド、BUは上部後ベッドを意味する。コース1では下部前ベッドの針A〜Eおよび下部後ベッドの針a〜eに編地終端部の編目が係止されている状態から、給糸口50を右方向に移動させ、下部前ベッドの針Fおよび下部後ベッドの針fに給糸する。次にコース2では前ベッドの針Fに給糸して編目51を形成し、コース3では後ベッドの針fに給糸して編目52を形成し縁編目部の編成開始箇所を形成する。次にコース4では新たに形成した縁編目部の編目の内、下部後ベッドの針fに係止されている編目52を上部前ベッドの針Fに目移しする。コース5ではさらに下部後ベッドの針eに目移しして編地終端部の編目53と重ねる。コース6ではもう一つの縁編目部の編目51を上部後ベッドへ目移しし、さらにコース7で下部前ベッドの編針Eに目移しして編地終端部の編目54と重ねる。そして図9のコース8では下部前ベッドの針Eおよび下部後ベッドの針eに対し給糸し縁編目部の編目55、56を、コース9では編目57、58を形成する。以下同様にコース10からコース13で新たに形成した縁編目部の編目57、58を編地終端部の編目と重ねコース14で下部後ベッドの針dおよび下部前ベッドの針Dに給糸して編目61、62を形成することでコース1に示す状態から前後両針床で2目づつの編目が伏せ目処理されて針から払われた状態となる。

0019

上記した第3の実施の形態により編成された編地は、第2の実施の形態により編成された編地と同様に縁編目部の編目をリブ編み組織により形成しており、形成した前後一対の縁編目部の編目を、前ベッドの針に係止される縁編目部の編目と前ベッドの針に係止される編地終端部の編目が、後ベッドの針に係止される縁編目部の編目と後ベッドの針に係止される編地終端部のループが重なるように編目を重ねる。したがって、前後の編地のループを重ねることがなく、また隣接する編地終端部の編目と重ねられる前後の縁編目部の編目をリブ編み組織で形成しているため、縁編目部の編目の伸縮性が増し引っ張り強度が向上する。

0020

上記した第1から第3の実施の形態においては、縁編目部を形成するにあたり、編目を係止していない空針を使用して縁編目部を形成するようにしているが、編地終端部の側端に位置する一部の編目に続いて形成することも可能である。また、上記した各実施の形態においては、縁編目部を2コース編成する毎に編地終端部の編目と重ねているが、縁編目部を1コース編成する毎に編地終端部の編目と重ねるようにしてもよい。また、上記した実施の形態では編地終端部の編成を最終コースまで行った後、伏せ目処理を開始する場合を説明したので、伏せ目処理を行う間に編地終端部の編成を行っていないが、伏せ目処理と編地終端部の伏せ目処理されていない領域の編目に次コースの編目を形成する編成を並行して行うことで、縁編目部を編地端縁に沿って斜めに形成することも可能である。

発明の効果

0021

上記したように本発明の編地終端部の編成方法では、伏せ目処理する際に編地終端部の編目と重ねられる編目の両側に編地終端部の編目と重ねられない編目が形成される。したがって、編地終端部に力が掛かった場合には編地終端部の編目と重ねられていない縁編目部の編目から編地終端部の編目と重ねられている編目に糸が補充されて編目が拡大される。したがって編地終端部の伸縮性が増し引っ張り強度が向上するため、従来伏せ目処理により解れ止めを施すのには不適だった箇所でも伏せ目処理により解れ止め処理することが可能となる。

0022

また、縁編目部を3ウエールの編目数で形成し、その中央に位置するウエールの編目を編地終端部の編目と重ねた場合には、編地の終端縁と編地両側面を包み込むように縁編目部の編目が現れる美観に優れた編地終端部を形成できる。

0023

また、編地終端部の編目と重ねる縁編目部の編目を裏目として形成した場合には、縁編目部を形成する編目間に渡る編糸が長くなり、その分編地終端部に力が掛かった場合に、編地終端部の編目から編地終端部の編目と重ねられている編目に補充される編糸長が長くなるため編地の伸縮性および引っ張り強度が一層向上される。

0024

また、本発明の編地終端部の編成方法により伏せ目処理された編地は、縁編目部が3以上のウエール数の編目で形成されるとともに、縁編目部を形成する編目の内、両側に編目が存在するウエールの編目と編地終端部の編目が重ねられているので、編地終端部に力が掛かった場合には、編地終端部の編目と重ねられていない編目から編地終端部の編目と重ねられている編目に編糸が補充されるため伸縮性および引っ張り強度に優れるとともに綺麗な編地終端部となる。

0025

また、本発明の編地終端部の編成方法では、前後両針床の針に編目を係止した状態で伏せ目処理を行うとともに、縁編目部をリブ編み組織で形成するため、補強を目的として編地終端部を袋編組織により編成する場合のように、編地終端部を前後両針床の針を使用して編成する編組織により編成した場合でも伏せ目処理した部分の伸縮性が損なうことなく引っ張り強度に優れた綺麗な編地終端部を形成することができる。

図面の簡単な説明

0026

図1本発明の編地終端部の編成方法により衿首部が伏せ目処理されたベストの後身頃部を示す図である。
図2本発明の第1の実施の形態を示す編成コース図である。
図3本発明の第1の実施の形態を示す編成コース図である。
図4第1の実施の形態により伏せ目処理した編地の伏せ目箇所を示す編目図である。
図5本発明の第1の実施の形態により編成した編地を伏せ目処理の進行方向に向かって見た状態を模式的に示す図である。
図6本発明の第2の実施の形態を示す編成コース図である。
図7本発明の第2の実施の形態を示す編成コース図である。
図8本発明の第3の実施の形態を示す編成コース図である。
図9本発明の第3の実施の形態を示す編成コース図である。

--

0027

1・・・ベストの後身頃部、2・・・裾ゴム部、3・・・衿首部、4, 5・・・肩部

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