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技術 酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法

出願人 日本電気株式会社
発明者 服部渉
出願日 1997年1月8日 (24年1ヶ月経過) 出願番号 1997-001383
公開日 1998年7月31日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1998-200169
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理 超電導ディバイスとその製造方法 超電導用冷却・容器・薄膜
主要キーワード 中心導体幅 遅延線回路 劣化無し グランドプレーン間 積層回路 コプレーナ伝送線路 酸化物超伝導材料 配向薄膜
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この項目の情報は公開日時点(1998年7月31日)のものです。
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課題

結晶構造組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面を、超伝導特性劣化無しに高度に平坦化でき、膜厚制御性にも優れた方法を提供する。

解決手段

結晶構造や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法であって、該薄膜表面上にコーティング剤基板表面に平行に塗布して平坦面を形成し、次いで、該平坦面に平行な面内で基板を回転させた状態で、入射角を基板表面に対して0度以上45度未満とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックすることによって前記薄膜表面を平坦化する方法。

概要

背景

酸化物超伝導薄膜エレクトロニクス分野で用いるためには、微細パターンを形成する技術が必要となる。このような微細加工を行う場合、パターンの転写精度を良くするため、酸化物超伝導薄膜には表面の平坦性が求められる。

しかしながら、酸化物超伝導薄膜を形成する際、酸化物超伝導体が4元ないしは5元の物質か或いはそれらを母体としたさらに多元化合物であるため、成膜時のわずかな組成のずれにより超伝導相以外の析出物を生じる。これら析出物の内の一部は、酸化物超伝導体より成長速度が速いため、例えば膜厚0.5μm程度の酸化物超伝導薄膜を形成する場合、その表面から0.5μm以上、すなわち膜厚と同等か或いはそれ以上の高さで薄膜中から突出する形で析出していた。このような析出物は一種類ではなく、例えば、BaCuO2、CuO或いはY2O3のように複数の種類の析出物が同一の酸化物超伝導薄膜内に存在していることが確認されている(フィジカルレビューB(Physical Review B),50(5),pp.3280-8287(1994))。

また、YBa2Cu3O7-X系酸化物超伝導薄膜においては、c軸配向膜を作製した場合でも、局所的にa軸配向粒が混じりやすい傾向がある。この場合、YBa2Cu3O7-X薄膜結晶成長速度の異方性のため、a軸配向結晶はc軸配向結晶と比較して膜厚方向の成長速度が速いため、膜厚を0.5μm程度とした場合、c軸配向薄膜表面から0.5μm以上突出する形で薄膜中に形成されていた。

以上に記したように、酸化物超伝導薄膜表面に形成される、超伝導体と同じ元素を持ちながら配向方向や組成の異なる粒子の一部は、少なくとも膜厚程度は表面から突出している。このため、微細回路パターンを形成する際に、これら突出物のまわりの酸化物超伝導体がエッチング残留物として残りやすくなり、微細回路パターン中のショートの原因となっていた。また、積層回路を作製するために絶縁膜をこのような酸化物超伝導薄膜上に積層した場合、上記のような突出物は絶縁膜にピンホールを形成したり、あるいは絶縁膜の薄い部分を形成したりするため、回路歩留まりの低下や絶縁膜の絶縁耐力の低下を招いていた。

そこで上記の課題を解決するため、例えば特開平4−94179号公報に記載されているような平坦化技術が開発されてきた。この公報に開示された技術では、イオンビームエッチングイオン種(例えばAr)によるエッチング速度の違いを利用すれば、上記の突出物を優先的に除去して平坦化することができるとされている。

概要

結晶構造や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面を、超伝導特性劣化無しに高度に平坦化でき、膜厚の制御性にも優れた方法を提供する。

結晶構造や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法であって、該薄膜表面上にコーティング剤基板表面に平行に塗布して平坦面を形成し、次いで、該平坦面に平行な面内で基板を回転させた状態で、入射角を基板表面に対して0度以上45度未満とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックすることによって前記薄膜表面を平坦化する方法。

目的

そこで本発明の目的は、結晶構造(配向方向等)や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜であっても、その表面を超伝導特性の劣化無しに高度に平坦化でき、膜厚の制御性にも優れた方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

薄膜表面から突出する、結晶構造組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法であって、該薄膜表面上にコーティング剤基板表面に平行に塗布して平坦面を形成し、次いで、該平坦面に平行な面内で基板を回転させた状態で、入射角を基板表面に対して0度以上45度未満とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックすることによって前記薄膜表面を平坦化することを特徴とする酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法。

請求項2

入射角を基板表面に対して0度以上30度以下とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックする請求項1記載の酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法。

請求項3

請求項1記載の酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法による表面平坦化処理を、同一薄膜に対して複数回行うことを特徴とする酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法。

技術分野

0001

本発明は、酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法に関するものである。

背景技術

0002

酸化物超伝導薄膜をエレクトロニクス分野で用いるためには、微細パターンを形成する技術が必要となる。このような微細加工を行う場合、パターンの転写精度を良くするため、酸化物超伝導薄膜には表面の平坦性が求められる。

0003

しかしながら、酸化物超伝導薄膜を形成する際、酸化物超伝導体が4元ないしは5元の物質か或いはそれらを母体としたさらに多元化合物であるため、成膜時のわずかな組成のずれにより超伝導相以外の析出物を生じる。これら析出物の内の一部は、酸化物超伝導体より成長速度が速いため、例えば膜厚0.5μm程度の酸化物超伝導薄膜を形成する場合、その表面から0.5μm以上、すなわち膜厚と同等か或いはそれ以上の高さで薄膜中から突出する形で析出していた。このような析出物は一種類ではなく、例えば、BaCuO2、CuO或いはY2O3のように複数の種類の析出物が同一の酸化物超伝導薄膜内に存在していることが確認されている(フィジカルレビューB(Physical Review B),50(5),pp.3280-8287(1994))。

0004

また、YBa2Cu3O7-X系酸化物超伝導薄膜においては、c軸配向膜を作製した場合でも、局所的にa軸配向粒が混じりやすい傾向がある。この場合、YBa2Cu3O7-X薄膜結晶成長速度の異方性のため、a軸配向結晶はc軸配向結晶と比較して膜厚方向の成長速度が速いため、膜厚を0.5μm程度とした場合、c軸配向薄膜表面から0.5μm以上突出する形で薄膜中に形成されていた。

0005

以上に記したように、酸化物超伝導薄膜表面に形成される、超伝導体と同じ元素を持ちながら配向方向や組成の異なる粒子の一部は、少なくとも膜厚程度は表面から突出している。このため、微細回路パターンを形成する際に、これら突出物のまわりの酸化物超伝導体がエッチング残留物として残りやすくなり、微細回路パターン中のショートの原因となっていた。また、積層回路を作製するために絶縁膜をこのような酸化物超伝導薄膜上に積層した場合、上記のような突出物は絶縁膜にピンホールを形成したり、あるいは絶縁膜の薄い部分を形成したりするため、回路歩留まりの低下や絶縁膜の絶縁耐力の低下を招いていた。

0006

そこで上記の課題を解決するため、例えば特開平4−94179号公報に記載されているような平坦化技術が開発されてきた。この公報に開示された技術では、イオンビームエッチングイオン種(例えばAr)によるエッチング速度の違いを利用すれば、上記の突出物を優先的に除去して平坦化することができるとされている。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記のように酸化物超伝導薄膜内に複数の種類の突出物を含む場合は、イオンビームエッチングのエッチング種によるエッチング速度の違いを利用することのみで、酸化物超伝導薄膜表面を平坦化することは困難である。

0008

この理由は次のとおりである。イオンビームエッチングのエッチング種によるエッチング速度の違いを利用する方法(特開平4−94179号公報記載の技術)では、高々2種類のエッチング速度の比しか制御できない。そのため、この方法は、わずか1種類の突出物のみを含む酸化物超伝導薄膜に対してしか有効ではない。しかるに、上記のような表面上に存在する多種類の析出物あるいはa軸配向結晶、および酸化物超伝導体は、各々の種類に応じて異なるエッチング速度を有している。したがって、多種類の析出物等を有する薄膜に対しては、上記公報記載の平坦化方法は、微細回路パターンを形成するためには不十分なものであった。

0009

また、上記公報記載の平坦化方法においては、酸化物超伝導薄膜に対して直接イオンビーム照射する方法を用いている。この場合、イオンビームのエッチング種を選択することにより酸化物超伝導体と突出物のエッチング速度の比を大きく取ったとしても、酸化物超伝導薄膜のエッチング速度を0にすることは不可能であるため、突出物がエッチングされると同時に酸化物超伝導薄膜もエッチングされる。すなわち、この平坦化プロセスによって酸化物超伝導薄膜の膜厚は減少してしまう。一方、酸化物超伝導薄膜表面の突出物は、薄膜作製条件を制御することにより作製された物ではないため、その薄膜表面からの突出高さは、各突出物間、また各薄膜間においてばらついている。このような状態の下では、平坦化のために必要とするエッチング量は各突出物ごとに、また各薄膜ごとに異なったものとしなければならず、平坦化処理後の酸化物超伝導薄膜の膜厚はばらついたものとなってしまう。

0010

さらに、上記公報記載の平坦化方法によって酸化物超伝導体をイオンビームに曝した場合、その超伝導特性劣化することが知られている(アイイーイーイー・トランザクションズ・オンアプライド・スーパーコンクテビティー(IEEE Transactions on Applied Superconductivity),5(2),pp.1733-1736(1995))。

0011

以上に記したように、従来の技術では複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜を超伝導特性の劣化無しに平坦化することは難しいという問題があった。

0012

そこで本発明の目的は、結晶構造(配向方向等)や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜であっても、その表面を超伝導特性の劣化無しに高度に平坦化でき、膜厚の制御性にも優れた方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明者は、上記の目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完成した。

0014

第1の発明は、薄膜表面から突出する、結晶構造や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法であって、該薄膜表面上にコーティング剤基板表面に平行に塗布して平坦面を形成し、次いで、該平坦面に平行な面内で基板を回転させた状態で、入射角を基板表面に対して0度以上45度未満とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックすることによって前記薄膜表面を平坦化することを特徴とする酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法に関する。

0015

第2の発明は、入射角を基板表面に対して0度以上30度以下とするイオンビームにより前記平坦面をエッチバックする第1の発明の酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法に関する。

0016

第3の発明は、第1の発明の酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法による表面平坦化処理を、同一薄膜に対して複数回行うことを特徴とする酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法に関する。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態を挙げて詳細に説明する。

0018

本発明は、図1(a)に示すような薄膜表面から突出する配向方向や組成の異なる複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜の表面上に、まず、同図(b)に示すように、平坦面を形成すると共に酸化物超伝導体がイオンビームに照射されて超伝導特性が劣化することを防ぐためのコーティング剤を、基板表面に平行に塗布する。次いで、図1(c)に示すように、平坦面に平行な面内で基板を回転させた状態で、その平坦面をイオンビームによりエッチバックすることにより、酸化物薄膜表面を平坦化する。その際、イオンビームの入射角αを基板表面に対して0度以上45度未満として、平坦面のエッチング速度を小さくするとともに、その種類に関わらず突出物のエッチング速度を大きくする。本発明は、以上を特徴とする酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法である。

0019

また本発明は、上記の酸化物超伝導薄膜の表面平坦化方法による処理を、同一の薄膜に対して複数回行うことにより、突出物の種類に依存するエッチング速度の違いを緩和して、表面平坦性をより向上させることを特徴とする。

0020

本発明のように、基板上に堆積された酸化物超伝導薄膜の表面をエッチバックにより平坦化する方法において、イオンビームの入射角を基板表面に対して0度以上45度未満と浅く設定することによって、コーテイング剤を基板表面に平行に塗布して形成した平坦面に対するイオンビームの入射断面積は非常に小さく抑えられるため、平坦面のエッチング速度を小さくできる。一方、突出物に対しては、その種類に関わらず、平坦面から突出した表面へのイオンビームの入射断面積は増大する。なお、上記の効果は、原理的に0度以上45度未満の角度において現れるが、より実際的に効果的なエッチング速度の比を出すためには0度以上30度以下とすることが好ましいことが実験結果確認された。

0021

さらに本発明では、平坦面に平行な面内で基板を回転させているため、突出物は平坦面上のいかなる方位からもエッチングされ、その結果、イオンビームの入射角を浅く設定しても実効的に陰となる部分が存在しない。したがって、突出物の形状の影響も少なく、その種類に関わらず入射イオンが増加するため、エッチング速度を増大させることができる。

0022

その際、イオンビームの入射断面積は入射角がその表面に対して90度に近いほど増大するが、イオンビームの入射角度を基板表面に対して0度以上45度未満(好ましくは0度以上30度以下)と浅く設定しているため、突出物の表面と平坦面のなす角度が大きくなりエッチング速度が増大する。よって、複数の種類の突出物を含み、各々のエッチング速度が異なる場合においても、基板表面に対する突出物表面の角度がエッチング速度に及ぼす効果が大きいため、突出物の種類がエッチング速度に及ぼす効果を相対的に小さくすることができる。したがって、薄膜表面から突出する複数の種類の突出物を含む酸化物超伝導薄膜であっても、コーティング剤を塗布することにより作製した平坦面に対するエッチング速度は小さく、一方、平坦面から突出した突出物に対するエッチング速度は大きく設定することができるため、表面の平坦化が可能となる。

0023

さらにその際、コーティング剤を酸化物超伝導体上に塗布していることにより、酸化物超伝導体はイオンビームに曝されない。そのため、酸化物超伝導体はエッチングされず、薄膜を成長した時点での膜厚を保持しているため、膜厚の制御性に優れる。また、イオンビームに曝されることによる超伝導特性の劣化も生じない。

0024

また、上記エッチバックを一回のみ行う平坦化方法では十分に平坦化できないようなエッチング速度の小さい物質からなる突出物を薄膜内に含む場合でも、突出物が薄膜表面から十分に大きい角度で突出していれば、上記平坦化方法は有効に作用するため、上記平坦化方法による処理を同一薄膜に対して複数回行うことにより、平坦化することが可能となる。したがって、上記の平坦化方法を用いることにより、突出物の種類に依存するエッチング率の違いを緩和することができる。

0025

以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。なお、以下の実施例では酸化物超伝導材料としてYBa2Cu3O7-Xを用い、またコーテイング剤としてレジストを適用した例を示す。

0026

実施例1
図1は、コプレーナ伝送線路構造を用いた高集積高温超伝導遅延線回路に応用した場合の本発明の表面平坦化方法の模式的説明図である。

0027

図1(a)は、MgO基板5上にYBa2Cu3O7-X薄膜4を形成した状態を示し、図1(b)は、YBa2Cu3O7-X薄膜上にコーテイング剤としてレジスト6をスピンコートした状態を示し、図1(c)はエッチバックにより平坦化している状態を示し、図1(d)はレジスト6を除去した状態を示している。また、これらの図において、1はCuO析出物、2はBaCuO2析出物、3はa軸配向結晶粒7はArイオンビームである。

0028

本実施例においては、図1(a)に示すとおり、エキシマレーザーアブレーション法により、0.5μm厚のYBa2Cu3O7-X薄膜4を2.5cm角のMgO基板5上に形成した。この薄膜表面を走査型電子顕微鏡とEPMAにより観察したところ、この薄膜中には、CuO析出物1、BaCuO2析出物2、a軸配向結晶粒3が確認された。原子間力顕微鏡により測定したところ、それらの突出物の薄膜表面から突出している高さは、それぞれ0.2〜0.5μm、0.3〜1.0μm、0.4〜0.6μmであった。

0029

次に、図1(b)に示すように、この薄膜上にレジスト6を2μm厚にスピンコートし、基板面と平行な平坦面を形成した。次いで、図1(c)に示すように、基板表面からの入射角α=20度で加速電圧500VのArイオンビームを照射することにより、この平坦面を50分間エッチングした。その後、レジストを有機洗浄により剥離した(図1(d))。

0030

この薄膜上の突出物の高さを原子間力顕微鏡で測定したところ、CuO析出物1とa軸配向結晶粒3の高さは0.05〜0.1μm、BaCuO2析出物2の高さは0.1〜0.3μmであった。

0031

このBaCuO2析出物2がパ夕ーニングにおいて障害とならないように十分平坦化するため、さらに上記プロセスによる2回の平坦化を繰り返して行った。これにより、BaCuO2析出物2の高さは0.05〜0.1μmとなった。

0032

この薄膜に対して、中心導体幅5μm、中心導体グランドプレーン間スペース2.5μm、線路長20cmのコプレーナ伝送線路をパターニングし、高温超伝導遅延線回路を作製した。

0033

上記の表面平坦化方法を用いることにより、線路のパターニングの際、突出物に起因する中心導体とグランドブレーン間のショートが無くなり、歩留まりが5倍に向上した。さらにこのプロセスにおいてはレジストのコーティング剤を用いているため、試料間の膜厚は均一性に優れ、成膜時のみに起因するばらつき(±10%)以内に抑えることが可能となった。また、コーティング剤を用いない場合と比較して伝送損失がほぼ5分の1で、薄膜作製時と同程度の表面抵抗値を示し、超伝導特性の劣化がないことが確認された。

0034

実施例2
図2は、実施例1の高集積高温超伝導遅延線回路において放射損失を低減するために、MgO薄膜8(絶縁膜)とYBa2Cu3O7-X薄膜9を積層することによりグランドプレーンを形成した場合における本発明の実施例2の模式的説明図である。

0035

本実施例においては、まず、実施例1と同様にして作製した高温超伝導遅延線回路上に、エキシマレーザーアブレーション法により、2μm厚のMgO薄膜8と1μm厚のYBa2Cu3O7-X薄膜9を成長した。

0036

次いで、MgO薄膜8とYBa2Cu3O7-X薄膜9の一部にコンタクトホールを形成して、パッドを引き出した。

0037

このようにして作製した積層回路は、下層のYBa2Cu3O7-X薄膜4を平坦化した結果、従来見られた下層と上層のショ−トが生じず、優れた絶縁特性を示した。さらにこの配線伝送特性を測定したところ、放射損失が半減し、優れた特性を示した。

0038

前記の実施例1及び2では、酸化物超伝導体としてYBa2Cu3O7-X薄膜を用い、コーティング剤としてレジストを用いたが、他の酸化物超伝導体やコーティング剤を用いた場合においても、本発明は同様に適用できる。

発明の効果

0039

以上の説明から明らかなように本発明によれば、突出物の種類によらず平坦性の高い表面を形成でき、またその際の膜厚制御性にも優れるため、歩留まりが高く、さらには微細回路における突出物に起因するショート等の無い、均一な特性を有する微細回路を作製することができる。また、超伝導特性を劣化させること無く薄膜表面を平坦化することが可能である。

図面の簡単な説明

0040

図1本発明の表面平坦化方法の模式的説明図である。
図2本発明の表面平坦化方法の模式的説明図である。

--

0041

1 CuO析出物
2 BaCuO2析出物
3a軸配向結晶粒
4、9 YBa2Cu3O7-X薄膜
5MgO基板
6レジスト
7 Arイオンビーム
8 MgO薄膜

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