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技術 回折型色収差補正走査光学系

出願人 ペンタックス株式会社
発明者 上窪淳二
出願日 1996年12月27日 (23年6ヶ月経過) 出願番号 1996-357490
公開日 1998年7月31日 (21年11ヶ月経過) 公開番号 1998-197820
状態 特許登録済
技術分野 機械的光走査系 レンズ系
主要キーワード 円弧曲線 光束合成素子 ベース形状 fθレンズ 直線性誤差 回折レンズ面 被除数 フレネルレンズ状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年7月31日)のものです。
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図面 (6)

課題

分散の異なるレンズ材料の組み合わせによりfθレンズ色収差補正するためには、色収差を補正しない場合と比較してレンズ枚数が増加する。光源発光波長の違いにより選別して用いる場合には、選別作業自体に手間がかかるのに加え、光源の経時変化バラツキにより発光波長に差が生じた場合には対処できない。

解決手段

半導体レーザー等の光源1から発してコリメートレンズ2により平行光束とされたレーザー光は、副走査方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズ3を介して回転軸4a回りに回転駆動されるポリゴンミラー(偏向器)4に入射し、ポリゴンミラー4で走査、偏向されて走査レンズである3枚構成のfθレンズ20を介して走査対象面5上に結像する。fθレンズ20の第1レンズ21のポリゴンミラー側のレンズ面21aは、回折レンズ面であり、ベースカーブとなる回転対称な非球面上に屈折レンズ部分での倍率色収差を補正する作用を有するフレネルレンズ状回折レンズ構造が形成されている。

概要

背景

レーザープリンター等の走査光学装置では、半導体レーザー等の光源から発した光束をポリゴンミラーにより偏向させ、fθレンズ(走査レンズ)を介して感光体ドラム等の走査対象面上に結像させることにより、この面上に主走査方向に走査するスポットを形成する。

fθレンズは、単一、または複数枚レンズから構成され、ポリゴンミラーの回転に伴って走査対象面上のスポットが等速で直線的に走査するよう諸収差補正されている。また、複数の光源からの光束により同時に複数の走査線を形成するマルチビーム用装置に適用される走査光学系では、分散の異なる正レンズ負レンズとを組み合わせることによりfθレンズの色収差を補正し、あるいは、光源を選別して発光波長の近い組み合わせを用いることにより各光源間の発光波長のバラツキが描画に与える影響を低減するようにしている。

光源間の波長誤差は、半導体レーザーを例にとると、仕様上の誤差(カタログスペック)として標準値±15nmが一般であり、2以上の半導体レーザーを光源として用いるマルチビーム装置では、最大で30nmの波長誤差が生じる可能性がある。ここで、fθレンズが倍率色収差を持つと、書き出し位置、書き終わり位置が走査線によって異なることとなり、描画パターン許容範囲を越える影響が発生する。

概要

分散の異なるレンズ材料の組み合わせによりfθレンズの色収差を補正するためには、色収差を補正しない場合と比較してレンズ枚数が増加する。光源を発光波長の違いにより選別して用いる場合には、選別作業自体に手間がかかるのに加え、光源の経時変化のバラツキにより発光波長に差が生じた場合には対処できない。

半導体レーザー等の光源1から発してコリメートレンズ2により平行光束とされたレーザー光は、副走査方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズ3を介して回転軸4a回りに回転駆動されるポリゴンミラー(偏向器)4に入射し、ポリゴンミラー4で走査、偏向されて走査レンズである3枚構成のfθレンズ20を介して走査対象面5上に結像する。fθレンズ20の第1レンズ21のポリゴンミラー側のレンズ面21aは、回折レンズ面であり、ベースカーブとなる回転対称な非球面上に屈折レンズ部分での倍率色収差を補正する作用を有するフレネルレンズ状回折レンズ構造が形成されている。

目的

この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、既存の単一ビーム用の走査レンズの枚数を増やすことなく、倍率色収差を補正して光源の発光波長のバラツキによる描画性能劣化を避けることができる走査光学系を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
12件

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請求項1

光源と、該光源から発した光束を偏向する偏向器と、該偏向器により偏向された光束を走査対象面上に結像させる走査レンズとを備え、前記走査レンズは、屈折レンズとして正のパワーを有すると共に、少なくともー面に回折レンズ構造を有し、該回折レンズ構造は、前記走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより発生する倍率色収差補正する作用を有することを特徴とする回折型色収差補正走査光学系。

請求項2

前記光源は、前記走査対象面上で互いに異なる位置に結像する複数の光束を発することを特徴とする請求項1に記載の回折型色収差補正走査光学系。

請求項3

前記回折レンズ構造は、光軸を中心とする回転対称輪帯状パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の回折型色収差補正走査光学系。

請求項4

前記回折レンズ構造は、前記走査レンズの回転対称なレンズ面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回折型色収差補正走査光学系。

請求項5

前記回折レンズ構造は、前記走査レンズの最も前記偏光器側のレンズ面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回折型色収差補正走査光学系。

請求項6

読み取り対象物からの光を走査レンズを介して偏光器に入射させ、該偏光器で反射された光を受光素子により一点で受光する読み取り用走査光学系において、前記走査レンズは、屈折レンズとして正のパワーを有すると共に、少なくともー面に回折レンズ構造を有し、該回折レンズ構造は、前記走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより発生する倍率色収差を補正する作用を有することを特徴とする回折型色収差補正走査光学系。

請求項7

屈折レンズとして正のパワーを有すると共に、少なくともー面に回折レンズ構造を有し、該回折レンズ構造は、前記走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより発生する倍率色収差を補正する作用を有することを特徴とする回折型走査レンズ。

技術分野

0001

この発明は、レーザープリンター等の走査光学装置光学系として利用される走査光学系に関し、特に、色収差補正された走査光学系に関する。

背景技術

0002

レーザープリンター等の走査光学装置では、半導体レーザー等の光源から発した光束をポリゴンミラーにより偏向させ、fθレンズ(走査レンズ)を介して感光体ドラム等の走査対象面上に結像させることにより、この面上に主走査方向に走査するスポットを形成する。

0003

fθレンズは、単一、または複数枚レンズから構成され、ポリゴンミラーの回転に伴って走査対象面上のスポットが等速で直線的に走査するよう諸収差が補正されている。また、複数の光源からの光束により同時に複数の走査線を形成するマルチビーム用装置に適用される走査光学系では、分散の異なる正レンズ負レンズとを組み合わせることによりfθレンズの色収差を補正し、あるいは、光源を選別して発光波長の近い組み合わせを用いることにより各光源間の発光波長のバラツキが描画に与える影響を低減するようにしている。

0004

光源間の波長誤差は、半導体レーザーを例にとると、仕様上の誤差(カタログスペック)として標準値±15nmが一般であり、2以上の半導体レーザーを光源として用いるマルチビーム装置では、最大で30nmの波長誤差が生じる可能性がある。ここで、fθレンズが倍率色収差を持つと、書き出し位置、書き終わり位置が走査線によって異なることとなり、描画パターン許容範囲を越える影響が発生する。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述した従来例のように分散の異なるレンズ材料(硝材)の組み合わせによりfθレンズの色収差を補正するためには、色収差を補正しない場合と比較してレンズ枚数が増加し、また、レンズ材料の選択が屈折率のみで決定できなくなるため、使用できるレンズ材料の種類が限定されて設計の自由度が減少する。他方、光源を発光波長の違いにより選別して用いる場合には、選別作業自体に手間がかかるのに加え、光源の経時変化のバラツキにより発光波長に差が生じた場合には対処できないという問題がある。

0006

この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、既存の単一ビーム用の走査レンズの枚数を増やすことなく、倍率色収差を補正して光源の発光波長のバラツキによる描画性能劣化を避けることができる走査光学系を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

この発明にかかる走査光学系は、上記の目的を達成させるため、走査レンズを構成するレンズの少なくとも一面に、走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより生じる倍率色収差を補正する作用を有する回折レンズ構造を付加したことを特徴とする。すなわち、この発明の走査光学系は、光源と、光源から発した光束を偏向する偏向器と、偏向器により偏向された光束を走査対象面上に結像させる走査レンズとを備え、走査レンズは、屈折レンズとして正のパワーを有すると共に、少なくともー面に回折レンズ構造を有し、この回折レンズ構造が、走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより発生する倍率色収差を補正する作用を有することを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、この発明にかかる回折型色収差補正走査光学系の実施形態を説明する。図1は、実施形態にかかる回折型色収差補正走査光学系の主走査方向の説明図、図2はその副走査方向の説明図である。半導体レーザー等の光源1から発してコリメートレンズ2により平行光束とされたレーザー光は、副走査方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズ3を介して回転軸4a回りに回転駆動されるポリゴンミラー(偏向器)4に入射し、ポリゴンミラー4で走査、偏向されて走査レンズである3枚構成のfθレンズ20を介して走査対象面5上に結像する。

0009

マルチビームの装置として用いる場合には、光源1として多点発光半導体レーザーを用いることができ、あるいは複数の半導体レーザーからの光束をビームスプリッター等の光束合成素子により合成して用いることができる。この場合、複数の発光部、あるいは複数の発光素子は、走査対象面上に形成されるスポットが、副走査方向に所定距離離れるように、すなわち、一回の走査で複数の走査線が形成されるように配置される。

0010

シリンドリカルレンズ3は、光源1から発する光束をポリゴンミラー4のミラー面の近傍で線状に結像させるために副走査方向に正のパワーを有する。fθレンズ20は、副走査方向においてミラー面近傍で線状に結像された光束を像面上にほぼ円形のスポットとして再結像させる。このようにミラー面と像面とを副走査方向においてほぼ共役とすることにより、ポリゴンミラー4の面倒れ誤差による走査線ズレを低減させることができる。

0011

fθレンズ20は、ポリゴンミラー4側から走査対象面5側に向けて順に、主走査、副走査の両方向に正のパワーを持つメニスカス形状の第1レンズ21と、主走査、副走査の両方向に正のパワーを持つ平凸の第2レンズ22と、ほぼ副走査方向にのみ正のパワーを有する長尺の第3レンズ23とが配列して構成される。第1レンズ21と第2レンズ22とは、ポリゴンミラー4の近くに配置され、第3レンズ23は走査対象面5の近くに配置されている。

0012

第1レンズ21のポリゴンミラー側のレンズ面21aは、回折レンズ面であり、ベースカーブとなる回転対称な非球面上に屈折レンズ部分での倍率色収差を補正する作用を有するフレネルレンズ状の回折レンズ構造が形成されている。回折レンズ構造を付加するレンズ面は、できるだけポリゴンミラー4に近く、かつ、回転対称な面であることが望ましい。走査対象面5に近いレンズ面では透過する光束径が絞られるため、光束がフレネル状の段差部分を通過する際に光束の状態が大きく変化する。また、金型加工の容易さからは、回転対称なベースカーブ上に回折レンズ構造を付加することが有利である。

0013

第1レンズ21の走査対象面側のレンズ面21bは、回転対称な非球面である。第2レンズ22は、ポリゴンミラー側のレンズ面22aが平面、走査対象面側のレンズ面22bが凸の球面である。第3レンズ23は、ポリゴンミラー側のレンズ面23aが、主走査平面内の非円弧曲線光軸と直交し主走査平面内に位置する回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される変形トーリック面であり、走査対象面側の面23bが凸の球面である。

0014

以下の表1は、実施形態の回折型色収差補正走査光学系のシリンドリカルレンズ3より走査対象面5側の構成を示す。表中の記号Ryは主走査方向の曲率半径、Rzは副走査方向の曲率半径(回転対称面の場合には省略)、dは面間の光軸上の距離、nは設計波長780nmでの屈折率である。

0015

表中、第1、第2面がシリンドリカルレンズ3、第3面がポリゴンミラー4のミラー面、第4面、第5面がfθレンズ20の第1レンズ21、第6面、第7面が第2レンズ22、第8面、第9面が第3レンズ23を示す。

0016

f=200.0 mm走査幅300 mm画角43.0゜設計波長780nm
面番号ry rz d n
1 ∞ 50.000 4.000 1.51072
2 ∞ - 94.500
3 ∞ - 50.000
4 -111.618 - 7.000 1.48617
5 -97.061 - 2.000
6 ∞ - 15.000 1.76591
7 -193.160 - 110.000
8 -663.528 32.298 5.000 1.48617
9 -672.444 - 88.120

0017

光軸回りに回転対称な非球面である第1レンズ23の第1面23aのベースカーブと、第2面23bとは、光軸からの高さがYとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次の非球面係数をA4,A6,A8として、以下の式で表される。

0018

X=CY2/(1+√(1-(1+K)C2Y2))+A4Y4+A6Y6+A8Y8

0019

また、光軸回りに回転非対称な変形トーリック面である第3レンズ23のポリゴンミラー側のレンズ面23aは、その軌跡を形成する主走査面内の非円弧曲線を上記の式で定義することにより定義される。すなわち、非円弧曲線は、光軸からの主走査方向の高さがYとなる非円弧曲線上の座標点の非円弧曲線の光軸上での接線からの距離(サグ量)をX、非円弧曲線の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次の非円弧係数をA4,A6,A8として上記の式で表される。変形トーリック面であるレンズ面23aは、上記の式により定義される非円弧曲線を、この曲線と光軸との交点から32.298mm走査対象面5側で光軸と垂直に交差する主走査面内の回転軸を中心に回転させた軌跡として規定される。

0020

なお、表1における各非球面、変形トーリック面の曲率半径は、それぞれの光学素子の光軸上の曲率半径であり、円錐係数、非球面係数、非円弧係数は表2に示される。

0021

面番号K A4 A6 A8
4 2.80 -1.304×10-6 3.390×10-10 1.732×10-14
5 0.80 -9.924×10-7 1.078×10-10 3.297×10-14
8 0.00 8.526×10-9 3.920×10-13 -2.517×10-17

0022

第1レンズ21の回折レンズ面21a(面番号4)の形状は、屈折レンズ面としての巨視的なベース形状(上記の回転対称非球面)と、回折レンズ構造が持つべき光路長の連続的な付加量Δφ(h)との2つの要素に分けて考えることができる。回折レンズは、色収差補正効果に着目すると、負のアッベ数を持つ屈折レンズと等価に考えることができ、屈折レンズと組み合わせることにより色収差を補正することができる。回折レンズの分散は、屈折レンズ用のレンズ材料が持ち得る範囲外の値をとるため、レンズとしてのパワーが極めて低い場合にも十分な色収差補正効果を持たせることができる。実施形態の回折レンズ構造の光路長の連続的な付加量Δφ(h)は、光軸からの高さhに対して以下の表3に示されるように定められる。回折レンズ構造単独での設計波長780nmにおる焦点距離は2662.2mmである。

0023

h Δφ(h) h Δφ(h) h Δφ(h)
1.000 -0.171 15.000 -40.506 29.000 -173.952
2.000 -0.685 16.000 -46.405 30.000 -188.814
3.000 -1.544 17.000 -52.771 31.000 -204.653
4.000 -2.749 18.000 -59.622 32.000 -221.554
5.000 -4.304 19.000 -66.977 33.000 -239.613
6.000 -6.213 20.000 -74.856 34.000 -258.944
7.000 -8.481 21.000 -83.281 35.000 -279.678
8.000 -11.114 22.000 -92.277 36.000 -301.971
9.000 -14.121 23.000 -101.872 37.000 -326.005
10.000 -17.507 24.000 -112.094 38.000 -351.995
11.000 -21.284 25.000 -122.978 39.000 -380.196
12.000 -25.460 26.000 -134.561 40.000 -410.912
13.000 -30.047 27.000 -146.884 41.000 -444.504
14.000 -35.058 28.000 -159.997 42.000 -481.407

0024

実際の回折レンズの付加量は、高さhの増加に伴う連続的な付加量Δφ(h)の変化が波長整数倍となる位置で付加量を所定の初期値(後述の定数Cの値)にするように定められ、したがって、実際の回折レンズ面は、フレネルレンズのように境界毎に光軸方向の段差を持つ光軸を中心とした多数の輪帯を備えることとなる。この段差の高さは、利用する回折光次数と波長とに応じて決定される。

0025

回折レンズの実際の微視的な形状を示す光路長の断続的な付加量Δφ'(h)は、連続的な付加量Δφ(h)から波長の整数倍の成分を差し引いて以下の式のように表される。付加量Δφ'(h)、Δφ(h)の単位は波長λである。
Δφ'(h)=(MOD(Δφ(h)+C,±1)−C)
ここで、関数MOD(x,y)はxをyで割った余りを表し、Cは輪帯の境界位置の位相を設定するための定数(0≦C<1)、λは使用波長である。なお、関数MODの除数±1の符号は、被除数Δφ(h)+Cと同符号となる。(MOD(Δφ(h)+C,±1)=0となるhの点が輪帯の境となる。回折レンズ面の各輪帯の勾配や境界の段差は、ベース形状の上に上記の光路長の断続的な付加量Δφ'(h)を付加した形状となるように決定される。

0026

図3は、回折レンズ面の微視的形状を示す断面の説明図であり、破線で示される屈折レンズとしてのベースカーブを表す巨視的形状に対して断続的な付加量が実線で示すように付加される。光軸からの高さhの位置でのベースカーブと微視形状との段差量Sは、光路長付加量Δφ'(h)をレンズと空気との屈折率差で割ることにより求められる。例えば、h=17.000の位置では、表3からΔφ(17.000)=-52.771である。C=0の場合、微視形状Δφ'(17.000)は、上記の式から以下のように求められる。
Δφ'(h)=(MOD(-52.771+0,-1)−0)
=-0.771

0027

したがって、この位置での段差量Sは、以下のように求められる。S=|Δφ'(h)/(n−1)|=0.771×0.00078/(1.48617-1)=0.00124 (mm)なお、上記の表3では、高さhが整数となる位置での付加量Δφ(h)のみを示したが、高さに対して付加量は連続的に変化するものであり、回折レンズ構造が付される全範囲の各高さhに対して付加量Δφ(h)は一義的に決定される。

0028

図4は、上述した実施形態の構成による走査光学系の(A)直線性誤差、(B)像面湾曲(破線:主走査方向、実線:副走査方向)、そして(C)走査線の副走査方向の湾曲をそれぞれ示す。走査線の副走査方向の湾曲は、光軸から副走査方向に上下に離れた位置を走査する2本の走査線の位置を光軸を通る走査線からの差として示している。各グラフ縦軸像高(走査対象面上での走査スポットの光軸との交点からの高さ)、横軸は各収差の発生量であり、単位は縦軸、横軸いずれもmmである。

0029

また、図5は、回折レンズ構造を付加した走査レンズを利用した実施形態の走査光学系と、同様の構成を有して回折レンズ構造を付加しない走査レンズを備えた比較例の走査光学系との性能を比較したグラフである。両光学系は、設計波長を780nmとして設計されており、設計波長通りの光源を利用する場合には性能に差はない。グラフは、設計波長780nm±15nmの誤差があった場合の主走査方向のスポット位置のずれを示している。すなわち、795nmの光源を利用した場合のスポット位置を基準位置として縦軸の像高とし、同一の入射角度で765nmの光源からの光束を入射させた場合のスポット位置の基準位置からの差を横軸のスポット位置のずれとして示している。

0030

倍率色収差が補正されていない比較例の光学系では、破線で示されるように誤差が大きくなるにしたがって走査位置の変化が大きくなるが、実施形態の光学系は倍率色収差が補正されているため、光源の発光波長の設計波長からの誤差が大きくなっても図中実線で示されるようにスポット位置の変化を小さく抑えることができる。

0031

なお、上記の実施例では、回折レンズ構造を凹面である第1レンズの第1面に付加する例についてのみ説明したが、第2レンズの第1面のような平面に付加することも可能であるし、平板状の素子に回折レンズ構造を付加して色収差の補正されていない走査光学系に追加して設けることもできる。

0032

また、色収差は上記のような書き込み用の光学系のみでなく、白色光照明光として用いるような走査型読み取り光学系でも問題となるため、実施形態の走査レンズはこのような読み取り光学系にも適用することができる。読み取り光学系に適用する場合には、読み取り対象物からの光を走査レンズを介してポリゴンミラー等の偏光器に入射させ、この偏光器で反射された光をフォトダイオード等の受光素子により一点で受光するよう構成する。この構成において、走査レンズとして上述した実施形態と同様の回折レンズ構造を少なくとも一面に有するレンズを利用することにより、走査レンズの屈折レンズとしてのパワーにより発生する倍率色収差を補正することができる。

発明の効果

0033

以上説明したように、この発明によれば、走査光学系を構成する走査レンズの少なくとも一面に回折レンズを設けて屈折レンズ部分の倍率色収差を補正する構成としたため、既存の単一ビーム用の走査レンズの枚数を増やすことなく、光源の発光波長のバラツキによる描画性能の劣化を避けることができる。

図面の簡単な説明

0034

図1この発明にかかる回折型色収差補正走査光学系の実施形態を示す主走査方向の説明図である。
図2図1の光学系の副走査方向の説明図である。
図3回折レンズ面の微視的な断面形状を示す説明図である。
図4実施形態の光学系の収差図であり、(A)が直線性誤差、(B)が像面湾曲、(C)が走査線の湾曲を示す。
図5実施形態の光学系と回折レンズ構造を持たない比較例の光学系との波長の違いによるスポット位置のずれを示すグラフである。

--

0035

1半導体レーザー
4ポリゴンミラー
20fθレンズ
21 第1レンズ
21a回折レンズ面
22 第2レンズ
23 第3レンズ
5 走査対象面

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