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技術 アルミニウム及びアルミニウム合金板の圧延方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 秦昌弘門山尚志池田昌則松井邦昭
出願日 1996年12月20日 (24年0ヶ月経過) 出願番号 1996-341935
公開日 1998年7月14日 (22年5ヶ月経過) 公開番号 1998-183158
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般 潤滑性組成物 潤滑剤
主要キーワード 定量タンク 耐圧荷重 保護コロイド効果 スキミング装置 油付着量 使用圧 アルミニウムコイル 乳化型エマルション
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年7月14日)のものです。
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図面 (3)

課題

圧延油中微生物の発生及び熱による圧延油劣化を防止し、板への油付着量不足による焼き付きも無く、板表面の残油も無い安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板圧延方法を提供する。

解決手段

(a)鉱物油、(b)脂肪酸若しくはそのモノエステル又は油脂:3乃至30重量%、(c)C4乃至C18であるアルキル若しくはアルケニル(亜)リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)

(R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数)の単量体と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物で平均分子量が1万乃至100万のものの有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する水分散型熱間圧延油組成物を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金組成物熱間圧延する際に、水分散型熱間圧延油組成物の温度を40乃至70℃の範囲に制御する。

概要

背景

アルミニウム又はアルミニウム合金板熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティング層ロール表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング層の性状は極めて重要といえる。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件板材質、板温度ブラシロール操業条件等)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティング層を制御する上で不可欠なものである。

熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるため、圧延油はエマルションの形で使用されている。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合金熱間圧延油としては、一般に、鉱物油基油として、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤極圧剤防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤乳化し、通常3乃至10%濃度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用されている。

アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能としては、潤滑性ロールコーティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなってきている。

しかしながら、従来の乳化剤を使用したアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述の要求の全てを充分に満足するものではない。

従来の圧延油にあっては、乳化剤の種類と添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、このような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得られず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問題点がある。

そこで、本願発明者等は、従来のアルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分を特定の単量体共重合物有機酸塩を使用して水中に乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時熱劣化による性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に特許出願した(特開平7−150189号公報)。

概要

圧延油中微生物の発生及び熱による圧延油の劣化を防止し、板への油付着量不足による焼き付きも無く、板表面の残油も無い安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法を提供する。

(a)鉱物油、(b)脂肪酸若しくはそのモノエステル又は油脂:3乃至30重量%、(c)C4乃至C18であるアルキル若しくはアルケニル(亜)リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)

(R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数)の単量体と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物で平均分子量が1万乃至100万のものの有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する水分散型熱間圧延油組成物を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金組成物を熱間圧延する際に、水分散型熱間圧延油組成物の温度を40乃至70℃の範囲に制御する。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、圧延油中の微生物の発生を防止し、また熱による圧延油の劣化を防止することができ、板への油付着量の不足による焼き付き及び板表面の残油が無く安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

(a)粘度80cSt(40℃)以下の鉱物油に、(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂及び炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物:3乃至30重量%、(c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至18であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)下記一般式ID=000003HE=015 WI=063 LX=0285 LY=0800(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される単量体の1種以上と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子量が10,000乃至1,000,000の範囲にある高分子化合物の一般式R4COOH(式中、R4は炭素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基カルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する水分散型熱間圧延油組成物を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金組成物熱間圧延する方法において、前記水分散型熱間圧延油の温度を40乃至70℃の範囲に制御することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金板圧延方法

技術分野

背景技術

0002

アルミニウム又はアルミニウム合金板の熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティング層ロール表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング層の性状は極めて重要といえる。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件板材質、板温度ブラシロール操業条件等)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティング層を制御する上で不可欠なものである。

0003

熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるため、圧延油はエマルションの形で使用されている。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油としては、一般に、鉱物油基油として、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤極圧剤防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用されている。

0004

アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能としては、潤滑性ロールコーティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなってきている。

0005

しかしながら、従来の乳化剤を使用したアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述の要求の全てを充分に満足するものではない。

0006

従来の圧延油にあっては、乳化剤の種類と添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、このような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得られず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問題点がある。

0007

そこで、本願発明者等は、従来のアルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分を特定の単量体共重合物有機酸塩を使用して水中に乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時熱劣化による性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に特許出願した(特開平7−150189号公報)。

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、この熱間圧延油組成物所期の目的は達成したものの、この熱間圧延油組成物を使用した圧延においては、長期使用した場合に、圧延油の温度変化により、圧延油中微生物が発生し、圧延油の乳化安定性を阻害することがあった。

0009

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、圧延油中の微生物の発生を防止し、また熱による圧延油の劣化を防止することができ、板への油付着量不足による焼き付き及び板表面の残油が無く安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法は、カチオン系の高分子化合物を混合した水分散型熱間圧延油組成物を使用するアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法において、前記水分散型熱間圧延油の温度を40乃至70℃の範囲に制御することを特徴とする。

0011

このカチオン系の高分子化合物を混合した水分散型熱間圧延油組成物は、特開平7−150189号公報に開示された発明に係るものであり、この潤滑油の使用に際して、圧延油の温度を40乃至70℃の範囲に制御することにより、圧延油中の微生物の発生及び熱による圧延油の劣化を防止し、板への油付着量の不足による焼き付きが無く、板表面の残油も無い安定した圧延が可能となる。

0012

この水分散型熱間圧延油組成物の組成は、(a)粘度80cSt(40℃)以下の鉱物油に、(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物:3乃至30重量%、(c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至18であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)下記一般式(1)

0013

ID=000004HE=015 WI=063 LX=0285 LY=1500
(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される単量体の1種以上と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子量が10,000乃至1,000,000の範囲にある高分子化合物の一般式(2)

0014

R4COOH
(式中、R4は炭素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基カルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する組成を有する。

発明を実施するための最良の形態

0015

本願発明者等が更に実験研究を行った結果、この熱間圧延油組成物を使用した圧延においては、長期使用した場合に、圧延油の温度変化により、圧延油中に微生物が発生し、圧延油の乳化安定性を阻害することが判明した。

0016

即ち、前述の組成を有する水分散型アルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物を長期使用して熱間圧延する上で、圧延油の温度が70℃を超えると、圧延油の平均油粒径が5μm未満となるため、板への油付着量が不足し、焼き付きが発生する。一方、圧延油の温度が40℃未満の場合は、圧延油の平均油粒径が15μmを超えるため、板への油付着量が過剰になり、板表面への残油が発生し、油残り模様が発生する。しかし、圧延油の温度を40乃至70℃にすると、圧延油の油粒子径を5乃至15μmの範囲で制御することができる。このため、本発明においては圧延油の温度を40乃至70℃とする。

0017

このように、本発明に係る圧延方法によれば、圧延油の温度を40乃至70℃に制御することにより、圧延油の平均油粒径を5乃至15μmの範囲で制御することが可能となり、板表面の残油も無く、板への油付着量の不足による焼き付けも無い安定した圧延が可能になる。

0018

次に、上記水分散型アルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物について詳細に説明する。

0019

先ず、本発明の熱間圧延油組成物の(a)成分である鉱物油としては、例えばスピンドル油マシン油タービン油シリンダー油ニュートラル油等が挙げられるが、耐熱性及び潤滑性の点から、パラフィン系鉱物油がより好ましい。鉱物油の粘度は80cSt(40℃)以下であることが必要であり、80cStを超えると板表面の品質が低下してしまう。この(a)成分は基油であり、その配合量は特に制限されないが、38乃至96.4重量%、特に60乃至85重量%が好ましい。

0020

(b)成分のうち、油脂としては鯨油牛脂豚脂ナタネ油ヒマシ油パーム油ヤシ油等の動植物油脂が挙げられる。炭素数10乃至22の脂肪酸としては、カプリン酸ラウリン酸ステアリン酸イソステアリン酸オレイン酸エルカ酸等が挙げられる。脂肪酸モノエステルとしては、炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22の脂肪族1価アルコールエチレングリコールトリメチロールプロパンペンタエリスリトールグリセリン等とのモノエステル、より具体的にはカプリン酸メチルステアリン酸ブチル、オレイン酸ラウレート、エルカ酸2−エチルヘキシル、ペンタエリスリトールモノオレートグリセリンモノオレート等が挙げられる。これらの(b)成分は油性向上剤として作用するものであり、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。またその添加量は3乃至30重量%、より好ましくは10乃至25重量%であり、3重量%未満では潤滑性が低下し、30重量%を超えると板表面の品質が低下する。また、油脂を配合する場合は、油脂の添加量は20重量%までとするのがより好ましい。

0021

(c)成分であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステルは、アルキル又はアルケニル基の炭素数が4〜18のものであり、その具体例としてジブチルホスフェート、モノオクチルホスフェートトリオレイルホスフェートトリブチルホスファイトジイソオクチルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げられる。モノ−、ジ−、又はトリエステルのうち、特にモノ−、ジエステルであるアルキル若しくはアルケニルアシッドホスフェート又はアルキル若しくはアルケニルアシッドホスファイトが好ましい。その添加量は0.5乃至10重量%、より好ましくは1乃至5重量%であり、0.5重量%未満では板表面の品質の向上はなく、10重量%を超える添加では、増量による板表面の品質の向上は期待できない。

0022

(d)成分の高分子化合物としては、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドとの共重合体、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリル酸塩との共重合体、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸塩との共重合体等が挙げられる。このうち、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸塩とのモル比は、50乃至90:0乃至20:10乃至50が特に好ましい。

0023

一般式(1)の単量体のアミン体としては、m=1のものとしてジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等が;m=0のものとして、アリルアミンジメチルアミノメチルエチレン、ジエチルアミノメチルエチレン、ジメチルアミノメチルプロペン、ジエチルアミノメチルプロぺン等が挙げられるが、このうちm=1のものが特に好ましい。また、特に好ましい単量体(1)の具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。

0024

(メタ)アクリル酸塩としては、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸モノエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸ジエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン塩等の(メタ)酸有機アミン塩が挙げられる。

0025

(d)成分の高分子化合物は、その平均分子量が10,000乃至1,000,000の範囲にあることが必要であり、平均分子量がこの範囲に満たないと乳化安定性が劣り、この範囲を超えると高分子化合物自体の安定性が劣ったり、高粘度となって取り扱いが困難となるため好ましくない。より好ましい平均分子量は30,000乃至300,000である。

0026

(d)成分の高分子化合物の有機酸塩における必須の有機酸を示す一般式(2)中、R4としては炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のヒドロキシアルキル基、アルキル部の炭素数が1乃至5のカルボキシアルキル基及びカルボキシル基が挙げられ、このうち炭素数1乃至5のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。R4COO-の具体例としては、酢酸イオンプロピオン酸イオン酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオン、グリコール酸イオン、乳酸イオンヒドロアクリル酸イオン、シュウ酸イオンマロン酸イオン、コハク酸イオングルタル酸イオン、アジピン酸イオン等が挙げられるが、特にグリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロアクリル酸イオンが好ましい。

0027

高分子化学物の製造にあたっては、一般式(1)の単量体を重合し、その後一般式(2)の有機酸で中和するのが好ましいが、一般式(1)の単量体を一般式(2)の有機酸で予め中和したものを使用して重合させてもよい。例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのグリコール酸中和物を他の共重合単量体と重合することによって(d)成分を得ることもできる。

0028

(d)成分の高分子化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、熱間圧延油組成物全量に対して0.1乃至10重量%、好ましくは0.5乃至5重量%になるように配合される。10重量%を超える場合は、耐圧荷重性能が小さくなって耐焼付き性の低下を招き、好ましくない。

0029

本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物には、上記成分の他に必要に応じて公知の添加剤、例えば防錆防食剤、酸化防止剤及び初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加することもできる。

0030

防錆・防食剤としては、例えばアルケニルコハク酸及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエステル、その他のアミン類等を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2重量%まで添加することができる。

0031

また、酸化防止剤としては、例えば2、4−ジtert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン等を用いることができる。これらは圧延油組成物全量に対して5重量%まで添加することができる。

0032

更に、乳化剤としては、例えばオレイン酸トリエタノールアミン塩石油スルホネートナトリウム塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2重量%まで添加することができる。

0033

本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物を使用するに際しては、該組成物を水で希釈する。この際の希釈割合は特に限定されないが、通常該組成物濃度が1乃至30重量%となるようにすることが好ましい。

0034

本発明の圧延油組成物は、(d)成分の高分子化合物等の持つ電気凝集効果立体障害効果保護コロイド効果高耐熱性能により、適度な粒径を持ち、熱間圧延のような過酷な使用条件下においてもその均一な乳化分散性及び粒径分布を長期間安定に保つことができるため、初期の良好な圧延潤滑性を長期間維持できる。また、(b)成分の油性向上剤のロールコーティング制御効果及び(d)成分の高分子化合物の持つ均一濡れ効果により、ロールコーティングが均一で薄いものになるため、均一で欠陥の少ない板表面が得られる。

0035

以下、本発明の実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に係る圧延油の供給装置を示す模式図である。圧延機3から排出された圧延油は配管9aを介して使用後圧延油戻りタンク4に返戻され、更に圧延油はタンク4から配管9bを介して圧延機送りタンク5に供給される。そして、タンク5内の圧延油は配管9cを介して圧延機3に供給される。配管9bにはポンプ10a及びフィルタ6が介装されている。また、配管9cにはポンプ10b、圧延油冷却装置7及び圧延油温度測定機8が設けられている。そして、使用後圧延油戻りタンク4にはベルトスキミング装置1が設けられており、このベルトスキミング装置1によりタンク4内の圧延油の上部に浮上してくるスカムが除去され、その廃液ドレンタンク2に排出される。

0036

このように構成された圧延油供給装置においては、圧延機3にて使用済みの圧延油はタンク4に返戻され、タンク4内にて使用済み圧延油中のスカムがベルトスキミング装置1により除去される。タンク4内の圧延油はフィルタ6により更に清浄化された後、所定量タンク5に供給される。タンク5内の圧延油は所定の供給量で圧延機3に供給される。このとき、圧延油の温度が温度測定器8により測定され、40乃至70℃の所定範囲になるように、冷却装置7により供給圧延油が冷却される。このようにして、圧延機3に供給される圧延油が40乃至70℃の温度に制御される。本実施例においては、この圧延油供給装置を使用して熱間圧延を行った。

0037

即ち、下記式にて示すカチオン系高分子化合物を混合した熱間圧延油組成物を使用して、入側板厚;500mm、板幅;2000mmのアルミニウムコイル(JIS3000系材)を1スタンドリバース式圧延機ワークロール径;1015mm、ワークロールバレル長;3900mm、バックアップロール径;1590mm、バックアップロールバレル長;3900mm)で圧延した。

0038

圧延速度;100mpm、圧下率;30乃至60%、材料温度;400℃の条件で、熱間圧延油の温度を図1の圧延油温度測定機8により測定しながら、圧延油冷却装置7により熱間圧延油の温度を制御した。この圧延実験により、圧延潤滑性及び板表面品質性を測定した。なお、熱間圧延組成物の油分濃度は2体積%とした。供試熱間圧延油組成物は以下のとおりである。
(a)成分;パラフィン系鉱物油(30cSt/40℃) 69.5重量%
(b)成分;オレイン酸20.0重量%
オレイン酸ラウリル5.0重量%
(c)成分;ジブチルホスフェート2. 5重量%
(d)成分;高分子分散剤
ジエチルアミノプロピルアミド/アクリルアミド/アクリル酸カ
リウム=70/10/20の共重合物のコハク酸中和物
(Mw=30万)] 1.0重量%
その他 ;酸化防止剤1.0重量%
防錆・防食剤1.0重量%
計100.0重量%。

0039

図2横軸使用圧油温度(℃)をとり、縦軸に圧延油の平均粒径(μm)をとって両者の関係を示すグラフ図である。図2において○は板表面が良好であった場合、×は板表面に残油が発生した場合又は焼き付きが発生した場合を示す。この図2に示すように、使用圧延油温度が40乃至70℃の場合に、使用圧延油の平均粒径を5乃至15μmに制御することが可能であり、板表面残油又は焼付けの発生の無い良好な板面を得ることができる。これに対し、使用圧延油温度を40℃未満とすると圧延油残りが増大し、使用圧延油温度が70℃を超えると焼付けが増大し、どちらの場合にも板面不良が発生する。

0040

この図2から明らかなように、本発明による圧延方法によって、板表面品質及び圧延潤滑性が充分に満たされ、安定した圧延ができた。

0041

このように、本発明においては、圧延油の温度を40乃至70℃に制御することによって、アルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油組成物の基本特性である板表面の安定化、圧延荷重の安定化、スリップ性防止効果、油原単位の低減等を容易に有効化することができる。また、従来の圧延油を用いた圧延方法に比べ、乳化性の長期安定性及びロールコーティング制御に優れるため、長期間使用した場合にも、従来の圧延油のよう咬み込み不良又はスリップ疵の発生も無く、優れた板表面性を長期安定に得ることができる。

発明の効果

0042

本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法によれば、、圧延油の温度を40乃至70℃の範囲に制御したので、圧延油中の微生物の発生及び熱による圧延油の劣化を防止することができ、板への油付着量の不足による焼き付きが生じず、板表面の残油も生じない。これにより、アルミニウム又はアルミニウム合金板の安定した圧延が可能となる。

図面の簡単な説明

0043

図1本発明の実施例にて使用する圧延油の供給装置を示す模式図である。
図2使用圧延油温度と、使用圧延油組成物中の油の平均粒径との関係を示すグラフ図である。

--

0044

1;ベルトスキミング装置
2;ドレンタンク
3;圧延機
4;使用後圧延油戻りタンク
5;圧延機送りタンク
6;使用後圧延油フィルタ
7;圧延油冷却装置
8;圧延油温度測定機
9a、9b、9c;配管
10a、10b;ポンプ

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