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技術 テトラヒドロイソキノリン誘導体

出願人 田辺三菱製薬株式会社
発明者 杉田尚久大貫哲男山田昌樹田中澄子野中信明淺井康行
出願日 1997年10月21日 (23年10ヶ月経過) 出願番号 1997-288322
公開日 1998年7月7日 (23年1ヶ月経過) 公開番号 1998-182613
状態 未査定
技術分野 酵素・酵素の調製 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 その他のIN系複素環式化合物 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード シードル 糖ミツ プロリンアミノペプチダーゼ 連鎖状 ジアミノモノカルボン酸 同一意味 容積測定装置 ジアミノジカルボン酸
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重要な関連分野

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図面 (15)

課題

ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を示すテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩及び該化合物を有効成分としてなる医薬組成物を提供する。

解決手段

一般式[I]:

(式中、R1は、アミノ基が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団ヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又はアミノ基の保護基、R2は、保護されていてもよい水酸基、カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体を有効成分としてなる医薬組成物及びテトラヒドロイソキノリン誘導体。

概要

背景

ジペプチジルペプチダーゼIVは、ポリペプチド鎖遊離N末端からX−Pro(Xはいかなるアミノ酸であってもよい)のジペプチドを特異的に加水分解するセリンプロテアーゼの1種である。免疫系細胞においてはT細胞活性化にともなって発現誘導され、T細胞の活性化と増殖に重要な役割をはたしている(ヨーロピアン・ジャーナルオブ・イミュノロジー(European Journal of Immunology)、17巻、1821−1826頁、1987年;バイオロジカルケミストリー・ホッペ−セイラー(Biological Chememistry Hoppe−Seyler)、371巻、699−705頁、1990年)。すなわち、ジペプチジルペプチダーゼIVを抗体や阻害物質によってブロックするとT細胞の活性化が抑制される。また、コラーゲン代謝異常や免疫異常疾患において本酵素病態との関連性に興味もたれている。たとえば、リウマチ患者においては末梢血T細胞のジペプチジルペプチダーゼIV陽性率が上昇しており、腎炎患者尿中には高いジペプチジルペプチダーゼIV活性が検出される。

公知のジペプチジルペプチダーゼIV阻害化合物の例としては、トリペプチドであるジプロチンA(L−イソロイシル−L−プロリル−L−イソロイシン)、ジプロチンB(L−バリル−L−プロリル−L−ロイシン)並びにジプロチンC(L−バリル−L−プロリル−L−イソロイシン)(特開昭59−25366号)、Ala−Pro−ニトロベンゾイルヒドロキシルアミン(ジャーナル・オブ・エンザイムインヒビション(Jounal of Enzyme Inhibition)、2巻、129−142頁、1988年)、Ala−boroPro並びにPro−boroPro(但し、boroProはプロリンカルボキシル基がB(OH)2基と置換された化合物を示す)(プロシーディングズ・オブ・ザ・ナシナルアカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッドステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of theNational Academy of Sciences of theUnited States of America)、88巻、1556−1559頁、1991年)及びLys−(Z(NO2))−チアゾリジン(但し、Z(NO2)は4−ニトロベンジルオキシカルボニル基を示す)(バイオロジカル・ケミストリー・ホッペ−セイラー(Biological Chememistry Hoppe−Seyler)、372巻、305−311頁、1991年)が知られている。しかしながら、テトラヒドロイソキノリン骨格を有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害化合物は知られていない。

概要

ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を示すテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩及び該化合物を有効成分としてなる医薬組成物を提供する。

一般式[I]:

(式中、R1は、アミノ基が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団ヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又はアミノ基の保護基、R2は、保護されていてもよい水酸基、カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体を有効成分としてなる医薬組成物及びテトラヒドロイソキノリン誘導体。

目的

本発明は、優れたジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用活性を有する化合物及びそれら化合物を有効成分としてなる医薬組成物を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有し、かつテトラヒドロイソキノリン骨格を有する化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物

請求項2

ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有し、かつ式:

請求項

ID=000003HE=030 WI=017 LX=0515 LY=0700で示される部分構造を含む化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物。

請求項3

一般式[I]:

請求項

ID=000004HE=030 WI=037 LX=0415 LY=1200(式中、R1は(1)アミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R2は(1)保護されていてもよい水酸基、(2)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物。

請求項4

R1が(1)アリールオキシカルボニル基アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基、R2が(1)アリール基置換低級アルキル基で置換されていてもよい水酸基、(2)低級アルキルもしくはアリール基置換低級アルキルでカルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)低級アルキル又はアリール置換低級アルキルから選ばれる基1つもしくは2つで置換されていてもよいアミノ基、R3、R4、R5及びR6が同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基である請求項3記載の医薬組成物。

請求項5

R1が(1)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいトリプトフィル基、リジル基もしくはフェニルアラニル基又は(2)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基、R2が(1)ベンジル基で保護されていてもよい水酸基、(2)メチル基もしくはベンジル基でカルボキシ原子団が保護されていてもよい、アラニンバリンロイシンイソロイシンプロリンフェニルアラニントリプトファンメチオニングリシンセリン、O−ベンジル−セリン、トレオニンシステイングルタミンアスパラギンチロシンリジンアルギニンヒスチジンアスパラギン酸グルタミン酸及び式:

請求項

ID=000005HE=030 WI=023 LX=1385 LY=1100(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)から選ばれるα−アミノ酸のα−アミノ原子団の水素原子を一つ取り去った構造を有する基又は(3)tert−ブチル基又はベンジル基から選ばれる基1つもしくは2つで置換されてもよいアミノ基、R3が水素原子又は低級アルコキシ基、R4が水素原子又は水酸基、R5が水素原子又は低級アルコキシ基、R6が水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基である請求項4記載の医薬組成物。

請求項6

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸から選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項5記載の医薬組成物。

請求項7

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)グルタミン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン及びアスパラギンから選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項6記載の医薬組成物。

請求項8

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)グルタミン及びセリンから選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項7記載の医薬組成物。

請求項9

2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル−3−カルボン酸及びその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物。

請求項10

一般式[II]:

請求項

ID=000006HE=035 WI=063 LX=0285 LY=0750(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物。

請求項11

ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤である請求項3、4、5、6、7、8、9又は10記載の医薬組成物。

請求項12

自己免疫疾患の予防・治療剤である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の医薬組成物。

請求項13

関節炎の予防・治療剤である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の医薬組成物。

請求項14

慢性関節リウマチの予防・治療剤である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の医薬組成物。

請求項15

一般式[I]:

請求項

ID=000007HE=030 WI=037 LX=0415 LY=2000(式中、R1は(1)アミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R2は(1)保護されていてもよい水酸基、(2)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項16

R1が(1)アリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基、R2が(1)アリール基置換低級アルキル基で置換されていてもよい水酸基、(2)低級アルキルもしくはアリール基置換低級アルキルでカルャLシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)低級アルキル又はアリール置換低級アルキルから選ばれる基1つもしくは2つで置換されていてもよいアミノ基、R3、R4、R5及びR6が同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基である請求項15記載のテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項17

R1が(1)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいトリプトフィル基、リジル基もしくはフェニルアラニル基又は(2)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基、R2が(1)ベンジル基で保護されていてもよい水酸基、(2)メチル基もしくはベンジル基でカルボキシ原子団が保護されていてもよい、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、O−ベンジル−セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸及び式:

請求項

ID=000008HE=030 WI=023 LX=1385 LY=2050(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)から選ばれるα−アミノ酸のα−アミノ原子団の水素原子を一つ取り去った構造を有する基又は(3)tert−ブチル基又はベンジル基から選ばれる基1つもしくは2つで置換されてもよいアミノ基、R3が水素原子又は低級アルコキシ基、R4が水素原子又は水酸基、R5が水素原子又は低級アルコキシ基、R6が水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基である請求項16記載のテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項18

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸から選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項17記載のテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項19

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)グルタミン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン及びアスパラギンから選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項18記載のテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項20

R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)グルタミン及びセリンから選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である請求項19記載のテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項21

2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル−3−カルボン酸及びその薬理的に許容しうる塩。

請求項22

一般式[II]:

請求項

ID=000009HE=035 WI=063 LX=0285 LY=1850(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩。

請求項23

一般式[II]:

請求項

ID=000010HE=035 WI=063 LX=0285 LY=2450(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体の生産能を有し、アスペルギルス属に属するカビを資化可能な炭素源および窒素源を含有する栄養培地で培養し、その培養物から化合物[II]を単離することを特徴とするテトラヒドロイソキノリン誘導体の製法

請求項24

一般式[III]:

請求項

ID=000011HE=030 WI=043 LX=1285 LY=0700(式中、R11は(1)少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示される化合物又はそのカルボキシ基における反応性誘導体と一般式[IV]:

請求項

ID=000012HE=005 WI=031 LX=1345 LY=1400(式中、R21は(1)少なくともカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基を表す)で示される化合物とを縮合させることにより一般式[V]:

請求項

ID=000013HE=030 WI=037 LX=1315 LY=1800(式中、R11、R21、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により保護基を除去することを特徴とする一般式[I−a]:

請求項

ID=000014HE=030 WI=043 LX=1285 LY=2300(式中、R1は(1)アミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R22は(1)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物の製法。

請求項25

一般式[VI]:

請求項

ID=000015HE=030 WI=041 LX=0395 LY=0650(式中、R23は(1)保護されている水酸基、(2)少なくともカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示される化合物と一般式[VII]:

請求項

ID=000016HE=005 WI=035 LX=0425 LY=1400(式中、R12は少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基を表す)で示されるアミノ酸又はそのカルボキシ基における反応性誘導体とを縮合させることにより一般式[VIII]:

請求項

ID=000017HE=030 WI=047 LX=0365 LY=1750(式中、R12、R23、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により保護基を除去することを特徴とする一般式[I−b]:

請求項

ID=000018HE=030 WI=043 LX=0385 LY=2250(式中、R13はアミノ原子団が置換されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基、R2は(1)保護されていてもよい水酸基、(2)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物の製法。

技術分野

0001

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有し、かつテトラヒドロイソキノリン骨格を有する化合物を有効成分としてなる医薬組成物並びに新規テトラヒドロイソキノリン誘導体及びその製法に関する。

背景技術

0002

ジペプチジルペプチダーゼIVは、ポリペプチド鎖遊離N末端からX−Pro(Xはいかなるアミノ酸であってもよい)のジペプチドを特異的に加水分解するセリンプロテアーゼの1種である。免疫系細胞においてはT細胞活性化にともなって発現誘導され、T細胞の活性化と増殖に重要な役割をはたしている(ヨーロピアン・ジャーナルオブ・イミュノロジー(European Journal of Immunology)、17巻、1821−1826頁、1987年;バイオロジカルケミストリー・ホッペ−セイラー(Biological Chememistry Hoppe−Seyler)、371巻、699−705頁、1990年)。すなわち、ジペプチジルペプチダーゼIVを抗体や阻害物質によってブロックするとT細胞の活性化が抑制される。また、コラーゲン代謝異常や免疫異常疾患において本酵素病態との関連性に興味もたれている。たとえば、リウマチ患者においては末梢血T細胞のジペプチジルペプチダーゼIV陽性率が上昇しており、腎炎患者尿中には高いジペプチジルペプチダーゼIV活性が検出される。

0003

公知のジペプチジルペプチダーゼIV阻害化合物の例としては、トリペプチドであるジプロチンA(L−イソロイシル−L−プロリル−L−イソロイシン)、ジプロチンB(L−バリル−L−プロリル−L−ロイシン)並びにジプロチンC(L−バリル−L−プロリル−L−イソロイシン)(特開昭59−25366号)、Ala−Pro−ニトロベンゾイルヒドロキシルアミン(ジャーナル・オブ・エンザイムインヒビション(Jounal of Enzyme Inhibition)、2巻、129−142頁、1988年)、Ala−boroPro並びにPro−boroPro(但し、boroProはプロリンカルボキシル基がB(OH)2基と置換された化合物を示す)(プロシーディングズ・オブ・ザ・ナシナルアカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッドステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of theNational Academy of Sciences of theUnited States of America)、88巻、1556−1559頁、1991年)及びLys−(Z(NO2))−チアゾリジン(但し、Z(NO2)は4−ニトロベンジルオキシカルボニル基を示す)(バイオロジカル・ケミストリー・ホッペ−セイラー(Biological Chememistry Hoppe−Seyler)、372巻、305−311頁、1991年)が知られている。しかしながら、テトラヒドロイソキノリン骨格を有するジペプチジルペプチダーゼIV阻害化合物は知られていない。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、優れたジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用活性を有する化合物及びそれら化合物を有効成分としてなる医薬組成物を提供するものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、主に土壌から分離した微生物培養物を検討していたところ、アスペルギルス属カビ培養液中にジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性を示す化合物が生産されることを見出した。これらの化合物を当該培養液から単離・精製し、その物理化学的性質を検討して化学構造を決定したところ、これらが新規化合物であることが判明した。

0006

また一方、本発明の発明者らは、ジペプチジルペプチダーゼIVを阻害すればT細胞の活性化を特異的に抑制でき、慢性関節リウマチアレルギーなどT細胞の活性化が関与する免疫異常症免疫不全症を予防・治療できるのではないかと考え、鋭意研究を重ねた結果、前述の微生物由来の化合物を含めテトラヒドロイソキノリン骨格を有する一連の化合物がジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有しており、自己免疫疾患関節炎、慢性関節リウマチ等)の予防・治療に有効であるとの新たな知見に基づき本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有し、かつテトラヒドロイソキノリン骨格を有する化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物である。

0008

また、本発明は一般式[I]:

0009

0010

(式中、R1は(1)アミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R2は(1)保護されていてもよい水酸基、(2)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示される新規テトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩であり、さらには、これら化合物の製法である。

0011

さらに、本発明は、下記の一般式[II]:

0012

0013

(式中、R7及びR8は一方が水酸基、他方が水素原子又は水酸基を表す)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩である。上記一般式[II]においてR7及びR8が水酸基である化合物を以下、TMC−2Aといい、R7が水酸基、R8が水素原子である化合物を以下、TMC−2Bといい、R7が水素原子、R8が水酸基である化合物を以下、TMC−2Cという。

0014

本発明はまた、これらTMC−2A、TMC−2B及びTMC−2Cの微生物による製造法である。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の医薬組成物としては、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有し、かつテトラヒドロイソキノリン骨格を有する化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物があげられる。具体的には、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性を有し、かつ式:

0016

0017

で示される部分構造を含む化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物があげられる。また、さらには、一般式[I]で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物があげられる。

0018

本発明の医薬組成物は、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、さらには自己免疫疾患の予防・治療剤、とりわけ関節炎の予防・治療剤、慢性関節リウマチの予防・治療剤として有用である。

0019

本発明のテトラヒドロイソキノリン誘導体としては、一般式[I]で示される化合物があげられる。

0020

また、本発明のテトラヒドロイソキノリン誘導体[I]又はその薬理的に許容しうる塩は、優れたジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用するので、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤として有用である。さらに、テトラヒドロイソキノリン誘導体[I]又はその薬理的に許容しうる塩は、優れた自己免疫疾患の予防・治療作用を有し、自己免疫疾患の予防・治療剤、とりわけ、関節炎の予防・治療剤、慢性関節リウマチの予防・治療剤として有用である。

0021

一般式[I]で示される化合物において、好ましい化合物としては、R1が(1)アリールオキシカルボニル基アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基もしくは低級アルコキシカルボニル基、R2が(1)アリール基置換低級アルキル基で置換されていてもよい水酸基、(2)低級アルキルもしくはアリール基置換低級アルキルでカルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)低級アルキル又はアリール置換低級アルキルから選ばれる基1つもしくは2つで置換されていてもよいアミノ基、R3、R4、R5及びR6が同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基があげられる。

0022

このうち、より好ましい化合物としては、R1が(1)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されていてもよいトリプトフィル基、リジル基もしくはフェニルアラニル基又は(2)ベンジルオキシカルボニル基もしくはtert−ブトキシカルボニル基、R2が(1)ベンジル基で保護されていてもよい水酸基、(2)メチル基もしくはベンジル基でカルボキシ原子団が保護されていてもよい、アラニンバリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニントリプトファンメチオニングリシンセリン、O−ベンジル−セリン、トレオニンシステイングルタミンアスパラギンチロシンリジンアルギニンヒスチジンアスパラギン酸グルタミン酸及び式:

0023

0024

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)から選ばれるα−アミノ酸のα−アミノ原子団の水素原子を一つ取り去った構造を有する基又は(3)tert−ブチル基又はベンジル基から選ばれる基1つもしくは2つで置換されてもよいアミノ基、R3が水素原子又は低級アルコキシ基、R4が水素原子又は水酸基、R5が水素原子又は低級アルコキシ基、R6が水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基である化合物があげられる。

0025

さらに、薬効上好ましい化合物としては、R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸から選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である化合物があげられる。

0026

また、これらのうち、薬効上、より好ましい化合物としては、R1がトリプトフィル基、R2が(1)水酸基、(2)グルタミン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン及びアスパラギンから選ばれるα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)アミノ基、R3、R4、R5及びR6が水素原子である化合物があげられる。

0027

さらに、とりわけ薬効上好ましい化合物としては、2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル−3−カルボン酸があげられる。

0028

また、薬効上好ましい別の化合物としては、TMC−2A、TMC−2BもしくはTMC−2C、即ち、一般式[II]:

0029

0030

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示される化合物があげられる。

0031

明細書中、アミノ酸としては、L体、D体及びそれらの混合物のいずれも含み、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸等のタンパク質構成α−アミノ酸、ノルロイシン、α−アミノ酪酸γ−アミノ酪酸β−アミノイソ酪酸β−アラニンホモセリン、α−メチル−セリン、O−ベンジル−セリン、O−カルバミル−セリン及びδ−ヒドロキシ−γ−オキソ−ノルバリン等の脂肪族モノアミノカルボン酸、α−アミノアジピン酸テアニン、γ−メチレングルタミン酸及びγ−メチルグルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸オルニチン、β−リジン、α,β−ジアミノプロピオン酸及びα,γ−ジアミノ酪酸等のジアミノモノカルボン酸ジアミノピメリン酸等のジアミノジカルボン酸システイン酸等の含スルホン酸アミノ酸、チロニンキヌレニン及び3,4−ジオキシフェニル−アラニン等の芳香族アミノ酸アジリジン−2,3−ジカルボン酸、2−アミノ−3−(イソオキサゾリン−5−オン−4−イルプロピオン酸及びアンチカプシン等の複素環アミノ酸、4−オキサリジン、4−オキソリジン及び3,6−ジアミノ−5−ヒドロキシヘキサン酸等の塩基性アミノ酸、シスタチオンランチオニン及びS−メチル−システイン等の含硫アミノ酸ピペコリン酸アゼチジン−2−カルボン酸及び2−アミノシクロペンタン−1−カルボン酸等の環状アミノ酸、及びシトルリンアラノシン及びアザセリン等の特殊官能基置換アミノ酸等さらには、式:

0032

0033

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示されるものがあげられる。

0034

このうち好ましいものとしては、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、O−ベンジル−セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸等のα−アミノ酸及び式:

0035

0036

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示されるものがあげられる。

0037

本明細書中、R1における「アミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基」としては、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のα−アミノ酸からα−カルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基、即ち、アラニル基、バリル基、ロイシル基、イソロイシル基、プロリル基、フェニルアラニル基、トリプトフィル基、メチオニル基、グリシル基セリル基、トレオニル基、システイニル基、グルタミル基、アスパラギニル基、チロシル基、リジル基、アルギニル基、ヒスチジル基、アスパルチル基及びグルタミニル基があげられる。このうち、好ましい例としてはトリプトフィル基、リジル基及びフェニルアラニル基があげられ、特に好ましい例としてはトリプトフィル基があげられる。

0038

また、R2における「カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基」としては、例えば、、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソロイシンメチルエステル、O−ベンジル−セリンベンジルエステルさらには、式:

0039

0040

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示されるアミノ酸の如きα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基があげられる。このうち、好ましい例としてはグルタミン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン及びアスパラギンのα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、より好ましい例としては、グルタミン及びセリンのα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基があげられる。また、別の好ましい例としては、式:

0041

0042

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示される基があげられる。

0043

R2における「1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基」としては、例えば、低級アルキル又はアリール置換低級アルキルから選ばれる基1つもしくは2つで置換されていてもよいアミノ基があげられ、このうち好ましくは、tert−ブチル基又はベンジル基から選ばれる基1つもしくは2つで置換されてもよいアミノ基があげられる。これらのより具体的な例としては、tert−ブチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アミノ基等があげられ、より好ましい例としては、アミノ基があげられる。

0044

本発明の目的化合物[I]は、テトラヒドロイソキノリン骨格部分の3位の立体配置がR配置のもの、S配置のもの及びそれらの混合物のいずれも含み、これらのうち、Sの立体配置を持った化合物が好ましい。また、化合物[I]がさらに不斉炭素原子を持つ場合においては、それら不斉炭素原子に基づくいずれの立体異性体、また、それらの混合物も本発明に含まれる。

0045

本発明の有効成分である化合物[I]は、ペプチド合成の常法、例えば、「ペプチド合成」(合成化学シリーズ、丸善株式会社発行、1975年)及び「ペプチド合成の基礎実験」(丸善株式会社発行、1985年)に記載の方法又はこれらに準じる方法により、液相法でも固相法でも製することができる。

0046

化合物[I]のうち、一般式[I−a]:

0047

0048

(式中、R22は(1)カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R1、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物は、一般式[III]:

0049

0050

(式中、R11は(1)少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基又は(2)アミノ基の保護基、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物又はそのカルボキシ基における反応性誘導体と一般式[IV]:

0051

0052

(式中、R21は(1)少なくともカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基を表す)で示される化合物とを縮合させることにより一般式[V]:

0053

0054

(式中、R11、R21、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により保護基を除去することにより製することができる。

0055

また、化合物[I]のうち、一般式[I−b]:

0056

0057

(式中、R13はアミノ原子団が置換されていてもよいアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基、R2、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物は、一般式[VI]:

0058

0059

(式中、R23は(1)保護されている水酸基、(2)少なくともカルャLシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(3)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物と一般式[VII]:

0060

0061

(式中、R12は少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基を表す)で示されるアミノ酸又はそのカルボキシ基における反応性誘導体とを縮合させることにより一般式[VIII]:

0062

0063

(式中、R12、R23、R3、R4、R5及びR6は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により保護基を除去することにより製することができる。

0064

より具体的な製法の例を次の(A)〜(C)に示す。

0065

(A)一般式[IX]:

0066

0067

(式中、R14はアミノ基の保護基、R31、R41、R51及びR61は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示される化合物又はそのカルボキシ基における反応性誘導体と一般式[X]:

0068

0069

(式中、R24は(1)少なくともカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基を表す)で示される化合物を適当な縮合剤を用い、適当な溶媒中、−30℃〜室温で縮合させることにより一般式[XI]:

0070

0071

(式中、R14、R24、R31、R41、R51及びR61は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により保護基を常法に従って除去することにより対応する目的化合物[I]を製することができる。

0072

また、所望により、該化合物[XI]のN末端の保護基R14を除去した一般式[XII]:

0073

0074

(式中、R24、R31、R41、R51及びR61は上記と同一意味を有する)で示される化合物と一般式[XIII]:

0075

0076

(式中、R15は少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基を表す)で示されるアミノ酸とを適当な縮合剤を用い、適当な溶媒中、氷冷下〜室温で縮合させることにより一般式[XIV]:

0077

0078

(式中、R15、R24、R31、R41、R51及びR61は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、さらに所望により、保護基を常法に従って除去することにより対応する目的化合物[I]を製することができる。

0079

上記化合物[IX]、[X]、[XI]、[XII]、[XIII]及び[XIV]において、R14の好ましい例としては、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基があげられ、R15の好ましい例としては、低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されているα−アミノ酸からα−カルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基があげられ、R24の好ましい例としては、低級アルキルでカルボキシ原子団が保護されているα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は低級アルキル又はアリール置換低級アルキルから選ばれる基1つもしくは2つで置換されていてもよいアミノ基があげられ、R31、R41、R51及びR61の例としては、同一又は異なって水素原子又は低級アルコキシ基があげられる。

0080

(B)一般式[XV]:

0081

0082

(式中、R25は保護基を有している水酸基を表し、R32、R42、R52及びR62は同一又は異なって水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基を表す)で示される化合物と一般式[XVI]:

0083

0084

(式中、R16は少なくともアミノ原子団が保護されているアミノ酸からカルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基を表す)で示されるアミノ酸又はそのカルボキシ基における反応性誘導体とを適当な縮合剤を用い、適当な溶媒中、氷冷下〜室温で縮合させることにより一般式[XVII]:

0085

0086

(式中、R16、R25、R32、R42、R52及びR62は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により、保護基を常法に従って除去することにより対応する目的化合物[I]を製することができる。

0087

上記化合物[XV]、[XVI]及び[XVII]において、R16の好ましい例としては、低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が置換されているα−アミノ酸からα−カルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基があげられ、R25の好ましい例としては、アリール基置換低級アルコキシ基があげられ、R32、R42、R52及びR62の好ましい例としては、水素原子があげられる。

0088

(C)上記(B)で得られた化合物のうち、一般式[XVIII]:

0089

0090

(式中、R16、R32、R42、R52及びR62は上記と同一意味を有する)で示される化合物又はそのカルボキシ基における反応性誘導体と一般式[XIX]:

0091

0092

(式中、R26は(1)少なくともカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸からアミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又は(2)1級もしくは2級アミン又はアンモニアから窒素原子上の水素原子を1つ取り去った構造を有する基を表す)で示される化合物とを適当な縮合剤を用い、適当な溶媒中、−30℃〜室温で縮合させることにより一般式[XX]:

0093

0094

(式中、R26、R16、R32、R42、R52及びR62は上記と同一意味を有する)で示される化合物を製し、所望により、保護基を常法に従って除去することにより対応する目的化合物を製することができる。

0095

上記化合物[XVIII]、[XIX]及び[XX]において、R16の好ましい例としては、低級アルコキシカルボニル基でアミノ原子団が保護されているα−アミノ酸からα−カルボキシ原子団のヒドロキシ原子団を取り去った構造を有する基があげられ、R26の好ましい例としては、アリール基置換低級アルキル基でカルボキシ原子団が保護されているα−アミノ酸からα−アミノ原子団の水素原子を1つ取り去った構造を有する基又はアミノ基があげられ、R32、R42、R52及びR62の例としては、水素原子があげられる。

0096

カルボキシ原子団(カルボキシル基)及びアミノ原子団(アミノ基)の保護基としては縮合反応に関与せず、常法により容易に除去できるものであればよく、ペプチド合成におけるアミノ酸の保護基として通常用いられるものを用いることができる。カルボキシ原子団の保護基としては、例えば、低級アルキル基及びアリール基置換低級アルキル基等があげられ、具体的にはメチル基、エチル基及びベンジル基等があげられる。このうち好ましものとしては、アリール基置換低級アルキル基があげられ、例えば、ベンジル基等があげられる。アミノ原子団の保護基としては、例えば、置換及び非置換低級アルコキシカルボニル基等があげられ、具体的にはベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基及び2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基等があげられる。このうち好ましものとしては、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基及び非置換低級アルコキシカルボニル基があげられ、例えば、ベンジルオキシカルボニル基及びtert−ブトキシカルボニル基があげられる。

0097

また、これらカルボキシ原子団及びアミノ原子団の保護基は、容易に公知の方法、例えばペプチド化学の常法により除去することができる。

0098

アミノ酸のカルボキシル基における反応性誘導体としては、その活性エステルがあげられ、例えば、スクシンイミドエステルベンゾトリアゾールエステル等があげられる。

0099

適当な縮合剤としては、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが用いられる。また、エステル活性化剤と縮合剤の組み合わせでも縮合反応を行うことができ、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボキシジイミド塩酸塩、N−ヒドロキシスクシニイミドと1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いることができる。このうち好ましいものとしては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(一水和物)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボキシジイミド塩酸塩の組合わせがあげられる。

0100

適当な溶媒としては、縮合反応に関与しない不活性溶媒であればよく、例えば、ジメチルホルムアミドジメチルスルフォキシドジクロロメタンジクロロエタンクロロホルムテトラヒドロフラン酢酸エチル及びN−メチルピロリドン等があげられ、好ましいものとしては、ジメチルホルムアミドがあげられる。

0101

なお、縮合反応に付す化合物がカルボキシ原子団及びアミノ原子団以外の反応性の官能基を有する場合は、常法に従い、当該官能基をあらかじめ保護してから縮合反応に付し、その後、適宜、脱保護するのが好ましい。

0102

本発明の目的化合物[I]は、市販の自動合成装置を用いることにより、樹脂に所望の原料アミノ酸を結合させた担体と、対応する原料アミノ酸誘導体を縮合、脱保護を行い、更に該樹脂を除去した後、ペプチドの分離手段、例えば、抽出、分配再沈殿結晶化、再結晶、各種クロマトグラフィー高速クロマトグラフィー等によって精製して得ることもできる。

0103

樹脂としては、最終的に目的物アミドの形で切り出せるものであれば、いずれのものでも用いることができ、たとえば、N−α−9−フルオレニルメトキシカルボニルスーパーアシッドビルポリエチレングリコールハンドルポリスチレン商品名:Fmoc−NH−SAL−PEG Resin;渡辺化学製)、(4−2’,4’−ジメトキシフェニル−N−α−9−フルオレニルメトキシカルボニル−アミノメチル)−フェノキシレジン(商品名:Fmoc−NH−SAL Resin;渡辺化学製)及び(4−2’,4’−ジメトキシフェニル−N−α−9−フルオレニルメトキシカルボニル−アミノメチル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシン−p−メチル−ベンズヒドロキシアミンレジン(商品名:Fmoc−NH−SAL−MBHAResin;渡辺化学製)などがあげられる。

0104

さらに、本発明の有効成分である化合物のうち、一般式[II]:

0105

0106

(式中、R7及びR8は上記と同一意味を有する)で示されるテトラヒドロイソキノリン誘導体、即ち、TMC−2A、TMC−2BもしくはTMC−2Cはアスペルギルス属に属するカビを培養し、その培養物から単離することにより得ることもできる。

0107

以下に、アスペルギルス属に属するカビによるTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの製造法についてさらに詳細に説明する。

0108

TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの生産菌の一例として、高知県高知市の土壌から分離したA374株が挙げられる。本菌株菌学的性質は下記のとおりである。

0109

A374株の各種培地における25℃、7日間培養後の生育状態を第1表に示す。なお、色調についてはJISの標準色表(Z8721)に従って判定した。

0110

0111

A374株の生育温度範囲は15〜45℃であり、至適温度範囲は20〜40℃である。また、生育pH範囲はpH2〜13であり、至適pHの範囲はpH3〜11である。

0112

菌糸は、その表面は平滑であり、隔壁を有する。菌糸の一部から足細胞(foot Cell;6.7〜8.7μm×37〜57μm)を持った分生子柄(6.7〜8.0μm×23〜1100μm)が形成され、その先端に亜球形、一部棍棒状の頂嚢(17〜24μm×19〜27μm)が認められる。頂嚢の上部の半円部分からピンの形をした一段梗子(primary sterigmata;2.3〜3.3μm×13μm)があり、そこから球形の分生子(4.0〜6.7μm)が連鎖状ないし連鎖状で束状に形成される。分生子頭は、主に円柱状(50〜100μm×160〜200μm)であるが、グローブ状や球状(33〜60μm×20〜47μm)の形状を示す分生子頭も認められる。

0113

以上の特徴から、A374株はアスペルギルス(Aspergillus)属に属することが判明した。このAspergillus sp.A374株は、平成7年5月18日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号FERM P−14934として寄託され、その後、平成9年9月19日に同研究所へ受託番号FERM BP−6113として移管寄託された。

0114

本発明の方法によってTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cを製造するには、アスペルギルス属に属するTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2C生産菌を栄養源含有培地接種して好気的に生育させる。これによって、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cを含む培養物が得られる。

0115

栄養源としては、微生物の栄養源として使用しうる炭素源および窒素源を使用することができる。たとえば、ペプトン肉エキスコーンスティープリカー綿実粉、落花生粉、大豆粉酵母エキス、NZ−アミン、カゼイン水解物硝酸アンモニウム硫酸アンモニウムなどの窒素源、および澱粉グリセリンシュークロースグルコースガラクトースマンノース糖ミツなどの炭水化物あるいは脂肪などの炭素源が使用できる。また、食塩炭酸カルシウムリン酸塩硫酸マグネシウムなどの無機塩を添加できる。これらのものは、生産菌が利用し、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの生産に役立つものであればよい。

0116

上記TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの生産菌の培養には液体培養が好ましい。培養温度は、生産菌が生育し所望の物質が生産される範囲が使用でき、通常20〜35℃である。培養は、使用する生産菌の性質に応じて前記条件から適宜選択して行うことができる。所望のTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cは、培養液中に生産される。それら生産物の単離・精製は、それ自体公知の方法、たとえばイオン交換クロマトグラフィー分配クロマトグラフィー逆相クロマトグラフィーなどを適宜組み合わせて行うことができる。

0117

本発明のジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの理化学的性状を下記の第2表に示す。

0118

0119

またTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2CのUVおよびIRスペクトルをそれぞれ添付の図1図3および図4〜6に示す。UVスペクトルは、各試料50μg/mlのメタノール溶液について分析した。IRスペクトルは、各試料を1%(w/w)含む臭化カリウム錠剤について分析した。

0120

さらに、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの400MHzプロトン核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ添付の図7〜9に示す。なお、TMC−2AとTMC−2Bは、重水中にてTSP(トリメチルシリルプロピルスルホン酸ナトリウム)を内部基準として測定した。また、TMC−2Cは、重メタノール中にてTMSテトラメチルシラン)を内部基準として測定した。また、それらの化学シフトδ(ppm)を以下に記載する。

0121

TMC−2A:7.55(1H,d),7.46(1H,d),7.34(1H,s),7.13(1H,t),7.07(1H,t),6.02(1H,s),4.82(1H,d),4.50(1H,dd),4.11(1H,dd),3.77(1H,d),3.73(4H,m),3.49〜3.28(5H,m),3.19(1H,dd),2.35(1H,dd),1.68(1H,ddd),1.44(1H,ddd),1.14(1H,dd),0.71(1H,m)
TMC−2B:7.58(1H,dd),7.52(1H,d),7.38(1H,s),7.22(1H,dd),7.16(1H,dd),6.09(1H,s),4.80(1H,d),4.50(1H,dd),4.04(1H,dd),3.83(1H,d),3.77(1H,m),3.73(3H,s),3.50(1H,dd),3.43(1H,dd),3.08(2H,d),2.39(1H,dd),1.64(1H,ddd),1.20(2H,m),0.63(4H,m)
TMC−2C:7.53(1H,d),7.40(1H,d),7.24(1H,s),7.12(1H,dd),7.07(1H,dd),6.09(1H,s),5.06(1H,d),4.23(1H,dd),4.22(1H,dd),3.73(3H,s),3.70(1H,d),3.60(1H,dd),3.36(2H,d),3.12(2H,d),2.37(1H,dd),1.45(2H,dd),1.29(1H,m),0.58(1H,m),0.50(3H,d)
TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの100MHzカーボン核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ添付の図10図12に示す。なお、TMC−2AとTMC−2Bは重水中にてジオキサン内部標準として測定した。また、TMC−2Cは重メタノール中にてTMSを内部標準として測定した。また、それらの化学シフトδ(ppm)を以下に記載する。

0122

TMC−2A:181.4,174.1,173.7,151.1,148.6,139.6,137.1,132.0,129.2,128.0,125.2,122.6,120.7,114.9,113.6,109.9,109.1,65.6,63.5,62.7,59.3,55.5,54.8,41.6,41.4,33.1,32.2,30.5
TMC−2B:182.0,174.4,174.2,151.5,149.1,139.5,137.7,132.4,129.6,128.5,125.7,123.1,121.2,115.4,114.0,110.4,109.1,67.6,64.0,59.7,56.3,55.2,42.1,37.7,34.4,33.4,30.9,20.1
TMC−2C:179.6,171.9,171.4,150.8,148.0,138.1,135.8,130.0,128.1,125.6,123.2,120.6,119.3,112.7,111.4,108.2,107.7,68.6,60.9,58.2,53.6,53.5,39.9,36.9,33.1,31.7,29.5,15.5
なお、窒素原子および酸素原子に結合しているプロトンは、TMC−2Aのアセチル化体を調製し、その重クロロホルム中におけるプロトンおよびカーボン核磁気共鳴スペクトルを測定することによって確認した。

0123

以上の結果をもとにして、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cは前記の一般式[II]の構造を有することが決定された。この化学構造の化合物はこれまでに報告されておらず、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cは新規物質である。

0124

なお、ある化合物がジペプチジルペプチダーゼIV阻害作用を有するかどうかは、例えば、当該化合物が、ジペプチジルペプチダーゼIVにより、L−Gly−L−Pro−p−ニトロアニリドがL−Gly−L−Proとp−ニトロアニリンに加水分解される反応を阻害するかどうかで判断することができる。

0125

本発明の化合物は、遊離の形でも、また薬理的に許容される塩の形でも医薬用途に使用することができる。かかる薬理的に許容される塩としては、慣用無毒性塩であればいずれものでもよく、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩硫酸塩又はリン酸塩等の如き無機酸塩ギ酸塩酢酸塩トリフルオロ酢酸塩シュウ酸塩マレイン酸塩フマル酸塩酒石酸塩メタスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩又はトルエンスルホン酸塩等の如き有機酸塩ナトリウム塩カリウム塩等の如きアルカリ金属塩カルシウム塩等の如きアルカリ土類金属塩、及びアルギニン塩アスパラギン酸塩グルタミン酸塩等の如きアミノ酸との塩等があげられる。

0126

また、本発明の化合物及びその薬理的に許容しうる塩には、その分子内塩付加塩溶媒和物、或いは水和物等をいずれも含むものと解釈されるべきである。

0127

本発明の化合物及びその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物を薬剤として用いる場合は、エアゾール剤、錠剤、丸剤散剤顆粒剤トローチ剤液剤懸濁剤乳剤カプセル剤マイクロカプセル剤、座剤、注射剤硬膏剤軟膏剤シロップ剤パップ剤リニメント剤ローション剤等の慣用の医薬製剤の形で、経口または非経口静脈内、筋肉内、皮内、皮下、腹腔内又は直腸内等)投与することができる。

0128

また、これら薬剤の添加剤としては、それぞれの薬剤の治療効果障害せず、その薬剤の投与量において無害のものであればよく、慣用のものであればいずれも用いることができ、例えば、安定剤、緩衝剤矯味剤懸濁化剤乳化剤芳香剤保存剤溶解補助剤賦形剤着色剤結合剤崩壊剤甘味剤粘稠剤、湿潤剤溶剤等を用いることができる。

0129

医薬製剤中の有効成分の量は、所望の治療効果を生じるに足りる量であればよく、例えば経口又は非経口投与で0.01mg/kg〜100mg/kgであり、好ましくは、1mg/kg〜30mg/kgである。

0130

本明細書中、「アミノ原子団が保護されていてもよいアミノ酸」におけるアミノ原子団の保護基(アミノ基の保護基)としては、例えば、アシル基アカノイル基、アロイル基、アラルキルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基又は低級アルコキシカルボニル基等があげられ、とりわけアリールオキシカルボニル基、アリール基置換低級アルコキシカルボニル基又は低級アルコキシカルボニル基があげられる。「カルボキシ原子団が保護されていてもよいアミノ酸」におけるカルボキシ原子団が保護されているアミノ酸とは、アミノ酸のカルボキシ原子団がエステル化された化合物(アミノ酸エステル)またはアミノ酸のカルボキシ原子団がアミド化された化合物(アミノ酸アミド)があげられ、例えば、低級アルキルでカルボキシ原子団が保護されたアミノ酸、アリール基置換低級アルキルでカルボキシ原子団が保護されたアミノ酸及びジ低級アルキルアミンでカルボキシ原子団が保護されたアミノ酸等があげられる。

0131

また、「アミノ酸」がアミノ原子団及びカルボキシ原子団以外にも反応性残基を有するものである場合(例えば、セリンにおける水酸基等)は該反応性残基の種類に応じ、ペプチド合成の分野で通常使用される保護基(例えば、水酸基であればベンジル基等)で保護されていてもよい。

0132

「アリールオキシカルボニル基」としては、フェノキシカルボニル基ナフチルオキシカルボニル基があげられ、「アリール基置換低級アルコキシカルボニル基」としては、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基及びナフチルメチルオキシ基があげられ、好ましくは、ベンジルオキシカルボニル基があげられる。また、「低級アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、sec−ペンチルカルボニル基、tert−ペンチルカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、イソヘキシルカルボニル基、sec−ヘキシルカルボニル基及びtert−ヘキシルカルボニル基などがあげられ、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基があげられる。「アリール置換低級アルキル」としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基があげられ、好ましくは、ベンジルがあげられる。

0133

本明細書中、アリールとは、フェニル、ナフチル等を表す。また、低級アルキル及び低級アルコキシとは、分岐鎖又は直鎖状炭素数1〜6のものを表し、好ましくは分岐鎖又は直鎖状の炭素数1〜4のものを表す。

0134

本発明を以下の実験例及び実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0135

実験例 1
反応は、ナガツら(アナリティカル・バイオケミストリー(Anallytical Biochemistry)、74巻、466−476頁、1976年)の方法に準じて、96穴平底プレートを用い37℃で行った。シードルら(プレパラティブ・バイオケミストリー(Preparative Biochemistry)、21(2−3)巻、141−150頁、1991年)の方法により調製したLewisラット腎臓由来のジペプチジルペプチダーゼIV酵素(25mU/ml)溶液5μl、水30μl、2mM検体化合物のジメチルスルフォキシド溶液5μlを混合し、10分間プレインキュベーションを行い、次いで、710mM Gly−NaOH(pH8.7)緩衝溶液10μl、3mM L−Gly−L−Pro−p−ニトロアニリド(Gly−Pro−pNA;シグマ社製)水溶液50μlを加え、生成してくるp−ニトロアニリン量をプレートリーダー(THERMOmax;モレキュラーデバイス製)を用いて波長405nmで吸光度の増加(ΔOD)を測定することにより、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性阻害率(%)を下式1により求める。但し、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性1Uは、1分間あたり、1μmolのp−ニトロアニリンを生成する酵素量とする。結果は第3表に示す通りである。

0136

0137

0138

実験例 2
実験例1と同様に、3mM Gly−Pro−pNA50μlと検体10μlを添加して37℃に15分間保温した後、710mMグリシン緩衝液(pH8.7)10μl、蒸留水25μlおよびLewisラット腎臓由来のジペプチジルペプチダーゼIV酵素(50mU/ml)溶液5μlを添加・混合して37℃で反応させ、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害率(%)を上式1より求めた。この結果、4.6μg/mlのTMC−2A、9.5μg/mlのTMC−2Bまたは11μg/mlのTMC−2Cは、ジペプチジルペプチダーゼIV活性を50%阻害した。

0139

TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cは、ラット腎臓から精製したジペプチジルペプチダーゼIVの他に、ラット脾臓ヒト末梢血単核球およびヒト結腸ガン細胞株Caco2から調製したジペプチジルペプチダーゼIVも阻害することが確認された。

0140

さらに、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cの他のペプチダーゼに対する作用を検討した。すなわち、100μg/mlの濃度においてTMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2CのプロリルエンドペプチダーゼズブチリシントリプシンカテプシンCロイシンアミノペプチダーゼおよびプロリンアミノペプチダーゼに対する作用を検討した。その結果、TMC−2AとTMC−2Bは試験したすべてのペプチダーゼに作用を示さなかった。一方、TMC−2Cはプロリルエンドペプチダーゼとプロリンアミノペプチダーゼに対して弱い阻害を示したが、ほかのペプチダーゼは阻害しなかった。したがって、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cは、ジペプチジルペプチダーゼIVに特異性の高い阻害化合物であることが判明した。

0141

実験例 3
F344/Jclラット(5週令、雌)の尾根部にアルキルジアミン35mg/kgを投与することによって、関節炎を惹起した。TMC−2Aは、生理食塩水に溶解し、アルキルジアミン投与日から試験終了まで3週間、毎日1回背部皮下に投与した。投与量は、30、10、3および1mg/kgであった。

0142

各試験群において試験終了時足蹠がどの程度腫脹したか(各個体におけるアルキルジアミン投与前の足蹠の体積を基準としてその何パーセント体積が腫脹したか)を図13に示す。なお、足蹠の体積は、足容積測定装置Plethysmometer(ユニコム社製)を用いて測定した。この図13から明らかなように、TMC−2Aは、アルキルジアミン誘発関節炎の発症進展を投与量依存的に抑制した。特に、30mg/kgと10mg/kgの投与群においては、対照群生理食塩水投与群)と比較して、有意に抑制した。

0143

実験例 4
Lewis系ラット(6週令、雌)の尾根部に流動パラフィンに懸濁した結核菌熱死菌(M.tuberculosis H37Ra株(Difco製)0.6mg/kgを投与することによって、関節炎を惹起した。検体化合物は、生理食塩水に溶解し、結核菌加熱死菌投与日から試験終了まで18日間、毎日1回、背部皮下に投与した。投与量は、TMC−2Aにおいては10mg/kg、実施例17の化合物においては30及び10mg/kgであった。

0144

各試験群において試験終了時に足蹠がどの程度腫脹したか(各個体における結核菌加熱死菌投与前の足蹠の体積を基準としてその何パーセント体積が腫脹したか)を図14に示す。なお、足蹠の体積は、足容積測定装置Plethysmometer(ユニコム社製)を用いて測定した。この図14から明らかなように、TMC−2Aおよび実施例13の化合物は、アジュバンド誘発関節炎の発症・進展を投与量依存的に抑制した。特に、TMC−2Aの10mg/kg、実施例13の化合物の30mg/kgの投与群においては、対照群(生理食塩水投与群)と比較して、有意に抑制した。

0145

実施例 1
(3S)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸・ベンジルエステル7.3g、N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトファン4.56g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(一水和物)2.76g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩3.45gを、氷冷下ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、氷冷下2時間、さらに室温で16時間撹拌した後、反応溶液減圧濃縮した。残さを酢酸エチルで抽出、洗浄、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)にて精製し、アモルファス状の(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸・ベンジルエステル8.07gを得た。
IR(KBr,cm-1):3320,2975,1730,1700,1645,1450,1430,1170,745
MS(SIMS):554(M+1)
実施例 2〜6
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸・ベンジルエステルとN−tert−ブトキシカルボニル−α−アミノ酸誘導体とを実施例1と同様に処理して下記第4表記載の化合物を得た。

0146

0147

実施例 7
実施例1で得られた化合物7.0gをメタノール50mlに溶解し、触媒量のパラジウム炭素を加えた後、溶液を風船圧力のもと室温で3時間水素添加した。触媒をろ別し、ろ液を濃縮した。残さを酢酸エチル−n−ヘキサン系の溶媒から結晶化して、無色結晶の(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸5.25gを得た。
m.p.:143℃(分解)
IR(KBr,cm-1):3340,2980,1720,1700,1630,1440,1170,740
MS(SIMS):464(M+1)
実施例 8〜11
実施例2〜5で得た化合物を実施例7と同様に処理して下記第5表記載の化合物を得た。

0148

0149

実施例 12
実施例6で得られた化合物2.97gをメタノール20mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液5mlを加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し残留物エーテル洗浄した後、硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を洗浄、乾燥、濃縮し、アモルファス状の(3S)−2−{N(α)−tert−ブチルオキシカルボニル−N(ω)−ベンジルオキシカルボニル−L−リジル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸2.62gを得た。
IR(KBr,cm-1):3340,2975,1705,1625,1520,1440,1240,1165
MS(SIMS):540(M+1)
実施例 13
実施例7で得られた化合物4.0gを4M塩酸−ジオキサン溶液50mlに溶解し、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残さを水に溶解した後、凍結乾燥して淡赤色粉末状の(3S)−2−(L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸・塩酸塩3.3gを得た。
m.p.:158℃(分解)
IR(KBr,cm-1):3400,2910,1720,1645,1490,1460,1205,1120,745
MS(SIMS):364(M+1)
実施例 14〜18
実施例8〜12で得た化合物を実施例13と同様に処理して下記第6表記載の化合物を得た。

0150

0151

0152

実施例 19
実施例7で得られた化合物463mg、O−ベンジル−L−セリン・ベンジルエステル410mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(一水和物)184mg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩230mgを氷冷下ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、氷冷下2時間さらに室温で16時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。残さを酢酸エチルで抽出、洗浄、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)にて精製し、アモルファス状のN−{(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−O−ベンジル−L−セリン・ベンジルエステル670mgを得た。
IR(KBr,cm-1):3305,2975,1735,1660,1640,1480,1450,1170,745
MS(SIMS):731(M+1)
実施例 20
実施例7で得られた化合物とL−ロイシン・ベンジルエステルとを実施例19と同様に処理してN−{(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン・ベンジルエステルを得た。
m.p.:99−100℃(分解)
MS(SIMS):667(M+1)
実施例 21
実施例19で得られた化合物を実施例7と同様に処理し、生成物シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて分離して(1)アモルファス状のN−{(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−セリン及び(2)アモルファス状のN−{(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−O−ベンジル−L−セリンを得た。
(1)
IR(KBr,cm-1):3315,2960,1680,1640,1500,1450,1165,745
MS(SIMS):641(M+1)
(2)
IR(KBr,cm-1):3335,2960,1680,1635,1510,1450,1430,1165,745
MS(SIMS):551(M+1)
実施例 22
実施例20で得られた化合物1.16gを4M塩酸−ジオキサン溶液20mlに溶解し、窒素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し、残さをエタノールから結晶化して無色粉末状のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン・ベンジルエステル990mgを得た。
m.p.:132−134℃
MS(SIMS):567(M+1)
実施例 23
N−{(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−セリンを実施例13と同様に処理してアモルファス状のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−セリン・塩酸塩を得た。
IR(KBr,cm-1):3400,2940,1725,1650,1450,745
MS(SIMS):451(M+1)
実施例 24
実施例22で得られた化合物750mgをメタノール50mlに溶解し、触媒量のパラジウム−炭素を加えた後、溶液を風船圧力のもと室温で3時間水素添加した。触媒をろ別してろ液を減圧濃縮し残留物を得た。残留物をエタノールから結晶化して無色結晶のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン塩酸塩650mgを得た。
m.p.:155℃(分解)
MS(SIMS):477(M+1)
実施例 25
(3S)−2−ベンジルオキシカルボニル−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸4.5g、L−ロイシン・メチルエステル塩酸塩1.82g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(一水和物)1.95g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.44g、トリエチルアミン1.7mlを氷冷下ジメチルホルムアミド35mlに溶解し、氷冷下2時間さらに室温で16時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。残さを酢酸エチルで抽出、洗浄、乾燥、濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=9:1)にて精製し、無色油状のN−{(3S)−2−ベンジルオキシカルボニル−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン・メチルエステル5.0gを得た。
IR(KBr,cm-1):3400,2955,1740,1670,1485,1260,1120,1085
MS(SIMS):499(M+1)
実施例 26
実施例25で得られた化合物700mgをメタノール10mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液2.8mlを加えた後、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し残留物をエーテル洗浄した後、硫酸水素カリウム水溶液を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を洗浄、乾燥、濃縮し、アモルファス状のN−{(3S)−2−ベンジルオキシカルボニル−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン470mgを得た。
IR(KBr,cm-1):3400,2960,1685,1485,1260,1085
MS(SIMS):485(M+1)
実施例 27
実施例25で得られた化合物4.0gをメタノール40mlに溶解し、触媒量のパラジウム−炭素を加えた後、溶液を風船圧力のもと室温で3時間水素添加した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮して残留物を得た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)にて精製し、得られた無色油状をイソプロピルエーテルから結晶化して無色結晶のN−((3S)−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル)−L−ロイシン・メチルエステル2.02gを得た。
融点:101−115℃
IR(KBr,cm-1):3360,2955,1735,1665,1480,1255,1075
MS(SIMS):365(M+1)
実施例 28
実施例27で得られた化合物1.5g、N−ベンジルオキシカルボニル−L−トリプトファン1.39g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(一水和物)662mg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩828mgを氷冷下ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、氷冷下2時間さらに室温下で16時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。残さを酢酸エチルで抽出、洗浄、乾燥、濃縮した。結晶性残さを酢酸エチルから結晶化して無色結晶のN−{(3S)−2−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−トリプトフィル)−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン・メチルエステル2.20gを得た。
m.p.:130−149℃
IR(KBr,cm-1):3315,2955,1740,1660,1530,1485,1260,1085,745
MS(SIMS):685(M+1)
実施例 29
実施例28で得られた化合物350mgをメタノール15mlに溶解し、触媒量のパラジウム−炭素を加えた後、溶液を風船圧力のもと室温で3時間水素添加した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮して結晶性残さを得た。結晶性残さをイソプロピルエーテルにて洗浄し、アモルファス状のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン・メチルエステル170mgを得た。
IR(KBr,cm-1):3295,2955,1740,1645,1485,1260,1090,745
MS(SIMS):551(M+1)
実施例 30
実施例28で得られた化合物1.3gをメタノール30mlに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液3.8mlを加えた後、室温で6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し残留物をエーテル洗浄した後、硫酸水素カリウム水溶液を加えて中性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を洗浄、乾燥、濃縮し、結晶性残さを得た。結晶性残さをイソプロピルエーテルにて洗浄し、無色粉末状のN−{(3S)−2(N−ベンジルオキシカルボニル−L−トリプトフィル}−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル)−L−ロイシン1.11gを得た。
m.p.:152−166℃
IR(KBr,cm-1):3310,2960,1700,1675,1520,1485,1260,1085,745
MS(SIMS):671(M+1)
実施例 31
実施例30で得られた化合物600mgをメタノール15mlに溶解し、触媒量のパラジウム−炭素を加えた後、溶液を風船圧力のもと室温で3時間水素添加した。触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮して結晶性残さを得た。結晶性残さをイソプロピルエーテルにて洗浄し、アモルファス状のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−5,8−ジメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル}−L−ロイシン345mgを得た。
IR(KBr,cm-1):3400,2955,1655,1480,1260,1085,745
MS(SIMS):537(M+1)
実施例 32〜51
多種品目同時固相法自動ペプチド合成装置PSSM−8(島津製作所製)を使用し、以下の手順に従ってペプチド合成を行った。ベンゾキシベンジルアルコールタイプの樹脂に対応原料アミノ酸を結合させた担体(Fmoc−AminoAcid−Resin)100mgを用い、縮合系としてベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ピロリジノホスホニュウムヘキサフルオロホスフェイト、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−メチルモルホリンの系を、脱保護系として20%ピペリジン/N,N−ジメチルホルムアミドを、縮合アミノ酸としてN−α−9−フルオレンニルカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸とN−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトファンを使用して、合成機装備された標準プロトコールを用いて合成を行った。合成後、1mlのトリフルオロ酢酸:水:チオアニソールエタンジチオール(75:10:10:5)で3時間処理し、脱保護およびレジンからクリベイジを行った。反応液をろ過してレジンを除き、ろ液に無水ジエチルエーテルを加えて沈澱させるか、或いは濃縮して目的粗ペプチドを得た。得られた粗ペプチドを、水に溶解し、短い逆相カラムを通して精製した後、凍結乾燥して無色粉末状の第7表記載のN−{(3S)−2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル)−L−アミノ酸を得た。

0153

0154

0155

実施例 52
実施例1で得た化合物を塩酸−ジオキサン溶液のかわりにトリフルオロ酢酸を用いて実施例13と同様に処理して、アモルファス状の(3S)−2−L−トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸・ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩を得た。
IR(KBr,cm-1):3420,3035,1730,1675,1460,1205,745
MS(SIMS):454(M+1)
実施例 53
実施例7で得られた化合物2.3g、N−メチルモルホリン607mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、−15℃でイソブトキシカルボニルクロライド819mgを滴下した後、同温で10分間攪拌した。飽和アンモニア・テトラヒドロフラン溶液20mlを滴下して、−15℃で1時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。残さをクロロホルムで抽出し、抽出液を洗浄、乾燥、濃縮し、残さをシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製し、アモルファス状の(3S)−2−(N−tert−ブチルオキシカルボニル−L−トリプトファイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド1.62gを得た。
IR(KBr,cm-1):3340,2980,1700,1675,1630,1440,1170,740
MS(SIMS):463(M+1)
実施例54
実施例53で得られた化合物1.6gを実施例13と同様に処理して、淡赤色粉状の(3S)−2−(L−トリプトファイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド・塩酸塩1.3gを得た。
IR(KBr,cm-1):3425,2900,1675,1630,1480,1460,1360,1120,745
MS(SIMS):363(M+1)
実施例 55
実施例53で得られた化合物を塩酸−ジオキサン溶液のかわりにトリフルオロ酢酸を用いて実施例13と同様に処理して、淡赤色粉状の(3S)−2−(L−トリプトファイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミド・トリフルオロ酢酸塩を得た。
MS(SIMS):363(M+1)
実施例 56
(1)0.5%グルコース(ナカライ株式会社製)、2%ソーヤフラワーA(日清製油株式会社製)、2%グリセロール(ナカライ株式会社製)、0.2%酵母エキス(アサヒビール株式会社製)、0.25%塩化ナトリウム(ナカライ株式会社製)、0.4%炭酸カルシウム(日東粉化株式会社製)からなる液体培地(pH7.0)100mlに、寒天斜面に培養したAspergillus sp.A374株(FERM BP−6113)を一白金耳接種し、27℃で3日間振盪培養した。

0156

得られた培養液を種培養液として使用した。上述の組成の液体培地100mlを含む三角フラスコ100本に種培養液1mlずつ接種し、27℃で5日間振盪培養した。

0157

(2)上記(1)の方法によって得られた培養液85Lからろ過によって菌体を除去し、培養液を3LのダイヤイオンHP−20(三菱化学株式会社製)カラムを通過させ、TMC−2A、TMC−2BおよびTMC−2Cをカラムに吸着させた。上記カラムに蒸留水、20%、50%および100%メタノールそれぞれ5L、30L、75L、30Lを流下させた。ジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性を示す50%メタノール画分を減圧濃縮して粗物質を得た。この粗物質をシリカゲル(ワコーゲルC−300、和光純薬株式会社製、60×900mm)を用いてクロマトグラフィーを行った。溶出は、まずジクロロメタン:メタノール:エタノール(10:4:4)混液5L、ついでジクロロメタン:メタノール:エタノール:水混液を以下のように順次水比率をあげて行った。すなわち、ジクロロメタン:メタノール:エタノール:水の混液をそれぞれ10:4:4:0.1溶液5L、10:4:4:0.2溶液5L、10:4:4:0.5溶液10L、10:4:4:1溶液10L、最後に10:4:4:2溶液10Lによって溶出した。ジペプチジルペプチダーゼIV阻害活性を示す画分を集め、減圧濃縮して粗物質を得た。

0158

この粗物質を逆相シリカゲルカラム(ODS A60、ワイエムシー株式会社製、60×900mm)を用いて、クロマトグラフィーを行った。溶出は、20%アセトニトリル−80%水を用いて行った。各溶出画分高速液体クロマトグラフィーで分析し、TMC−2Aのみを含む画分を集め、減圧濃縮後凍結乾燥した。分析用高速液体クロマトグラフィは、YMC−Pack AM−301−3(ワイエムシー株式会社製)4.6×100mmカラムを用い、アセトニトリル10%から35%まで15分間のリニアグラジエント(流量 1.2ml/min)によって行った。なお、検出は210nmおよび254nmの吸光度によった。以上の操作によって、純粋なTMC−2A約1.6gを得ることができた。

0159

TMC−2BとTMC−2Cの精製は、以下のように行った。上記の逆相クロマトグラフィにおいてTMC−2BとTMC−2Cを含む画分を集め、減圧濃縮した。濃縮物シリカゲルクロマトグラフィ(ワコーゲルC−300、和光純薬株式会社、22×500mm)を用いてTMC−2BとTMC−2Cを分画した。溶出は、ジクロロメタン:メタノール:エタノール(10:4:4)混液500mlを流下させた後、ジクロロメタン:メタノール:エタノール:水の混液をそれぞれ10:4:4:0.1溶液200ml、10:4:4:0.2溶液200ml、10:4:4:0.5溶液200ml、10:4:4:1溶液500mlおよび10:4:4:2溶液500mlを順次流下させた。各溶出画分をシリカゲルTLC(シリカゲル;メルク社 No.5715、展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール:エタノール:水=10:4:4:2)によって分析した。TMC−2BまたはTMC−2Cのみを含む画分をそれぞれ濃縮乾固した。以上の操作によって、純粋なTMC−2BおよびTMC−2Cをそれぞれ5.4mgおよび21mg得ることができた。

発明の効果

0160

本発明のテトラヒドロイソキノリン誘導体は、低濃度において選択的にジペプチジルペプチダーゼIVを阻害し、関節炎、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患(免疫異常症や免疫不全症)の予防・治療剤として有用である。

図面の簡単な説明

0161

図1TMC−2AのUVスペクトルである。
図2TMC−2BのUVスペクトルである。
図3TMC−2CのUVスペクトルである。
図4TMC−2AのIRスペクトルである。
図5TMC−2BのIRスペクトルである。
図6TMC−2CのIRスペクトルである。
図7TMC−2Aの1H−NMRスペクトルである。
図8TMC−2Bの1H−NMRスペクトルである。
図9TMC−2Cの1H−NMRスペクトルである。
図10TMC−2Aの13C−NMRスペクトルである。
図11TMC−2Bの13C−NMRスペクトルである。
図12TMC−2Cの13C−NMRスペクトルである。
図13TMC−2Aのラットアルキルジアミン誘発関節炎に対する抑制効果を示す線図である。
Cont(−):アルキルジアミンを投与しなかった対照群Cont(+):アルキルジアミンを投与した対照群
図14TMC−2A及び実施例13の化合物のラットアジュバンド誘発関節炎に対する抑制効果を示す線図である。
Cont(−):結核菌加熱死菌を投与しなかった対照群Cont(+):結核菌加熱死菌を投与した対照群

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