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課題

徐放性コントロールが可能な花弁状多孔質基材を提供する。

解決手段

炭酸カルシウム核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物からなり、Ca/Pの原子比が16.7以下であり、且つ特定の粒子形状、特定の比表面積細孔径、特定の粒子径分散度を有する粒子からなる。

概要

背景

従来より、薬剤を各種基材担持させて基材表面より薬剤を放散させる方法は種々検討されている。基材を用いる利点としては、薬剤の放散を調節できること、液体の薬剤を固体状にできるのでハンドリング性が向上する等である。基材として広く用いられているものは、活性炭フエルトオガクズゼオライト合成シリカアルミナ珪酸カルシウムヒドロキシアパタイトでんぷん酢酸セルロース等であり、これらに担持される薬剤としては、殺虫剤防虫剤除草剤等の農薬類や、抗菌剤脱臭剤香料紫外線吸収剤等が一般的である。

概要

徐放性コントロールが可能な花弁状多孔質基材を提供する。

炭酸カルシウム核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物からなり、Ca/Pの原子比が16.7以下であり、且つ特定の粒子形状、特定の比表面積細孔径、特定の粒子径分散度を有する粒子からなる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

炭酸カルシウム核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物からなり、Ca/Pの原子比が16.7以下であり、且つ下記の式(a)〜(g)を満足することを特徴とする徐放体用花弁状多孔質基材。(a)0.2≦dx1≦20(μm)(b)0.01≦dx2≦1(μm)(c)50≦Sw1≦500(m2/g)(d)95≦ω1≦99(e)70≦ω2≦95(f)1≦α≦5 但し、α=d50/dx1(g)0≦β≦2 但し、β=(d90−d10)/d50但し、dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子平均粒子径(μm)。dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径(μm)。Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)ω1 :JISK5101−91 20.1顔料試験方法静置法による見掛け比容(ml/g)を測定し、下記の式(h)により計算した静置空隙率(%)ID=000004HE=015 WI=095 LX=0575 LY=0900ω2:試料0.5gを断面積2cm2 の円筒充填、30kg/cm2 の圧力で30秒間加圧、その厚みをノギスで測定し、下記の式(i)より計算した30kg/cm2 の加圧空隙率(%)ID=000005 HE=015 WI=095 LX=0575 LY=1150α :分散係数d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。β :シャープネス。d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)。d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)。

請求項2

平均粒子径dx1が下記の式(j)を満足する請求項1記載の徐放体用花弁状多孔質基材。(j)0.2≦dx1≦10(μm)

請求項3

平均粒子径dx1が下記の式(k)を満足する請求項2記載の徐放体用花弁状多孔質基材。(k)0.5≦dx1≦5(μm)

請求項4

BET比表面積Sw1が下記の式(l)を満足する請求項1〜3のいずれか1項に記載の徐放体用花弁状多孔質基材。(l)100≦Sw1≦400(m2/g)

請求項5

分散係数α及びシャープネスβが下記の式(m)及び(n)を同時に満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放体用花弁状多孔質基材。(m)1≦α≦2(n)0≦β≦1.0

請求項6

粒子重量に占めるCa/Pの原子比が5.56以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の徐放体用花弁状多孔質基材。

請求項7

粒子重量に占めるCa/Pの原子比が3.33以下である、請求項6記載の徐放体用花弁状多孔質基材。

請求項8

粒子重量に占めるCa/Pの原子比が1.85以下である、請求項7記載の徐放体用花弁状多孔質基材。

請求項9

花弁状多孔質リン酸カルシウム系化合物化学式Ca10(PO4 )6 (OH)2 のヒドロキシアパタイトである請求項1〜8のいずれか1項に記載の徐放体用花弁状多孔質基材。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の徐放体用花弁状多孔質基材に薬剤担持してなることを特徴とする徐放体組成物

請求項11

薬剤が農薬抗菌剤脱臭剤香料及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の徐放体組成物。

技術分野

0001

本発明は、炭酸カルシウム核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物である徐放体用花弁状多孔質基材及び、これに各種薬剤担持してなる徐放体組成物に関し、詳しくは、農薬抗菌剤脱臭剤香料紫外線吸収剤等の各種薬剤に応じて徐放性コントロールが可能で、プラスチック成型品合成樹脂フィルム合成樹脂繊維塗料等の各種用途に優れた徐放効果を発揮する徐放体用花弁状多孔質基材及び、これに薬剤を担持してなる徐放体組成物に関する。

背景技術

0002

従来より、薬剤を各種基材に担持させて基材表面より薬剤を放散させる方法は種々検討されている。基材を用いる利点としては、薬剤の放散を調節できること、液体の薬剤を固体状にできるのでハンドリング性が向上する等である。基材として広く用いられているものは、活性炭フエルトオガクズゼオライト合成シリカアルミナ珪酸カルシウムヒドロキシアパタイトでんぷん酢酸セルロース等であり、これらに担持される薬剤としては、殺虫剤防虫剤除草剤等の農薬類や、抗菌剤、脱臭剤、香料、紫外線吸収剤等が一般的である。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし乍ら、上記した如き従来の基材では、担持させた有効成分の溶出を十分にコントロールすることが困難であった。短時間で溶出してしまうと持続性が低下するのはもとより、一時的に多量の薬剤が作用するために薬害の問題が発生してしまい、また逆に有効成分の溶出が良好に行われないと殆ど効果が認められない。有効成分の溶出をコントロールする方法としては薬剤の担持量を増減するこにより行っているが、使用する薬剤の性質等によっては増減させるだけでは十分なコントロールは不可能である。従って、速効性遅効性のコントロールを使用する用途や薬剤の種類によって自在に設定できる徐放体が望まれていた。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記問題を解決するべく鋭意研究の結果、特定の粒子形状、特定の比表面積細孔径、特定の粒子径分散度を有する粒子及び該粒子に薬剤を担持してなる徐放体組成物が所期の目的の機能を有していることを見いだし、本発明を完成した。以下、本発明を詳記する。

0005

本発明の第一は、炭酸カルシウムを核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物からなり、Ca/Pの原子比が16.7以下であり、且つ下記の式(a)〜(g)を満足することを特徴とする徐放体用花弁状多孔質基材である。
(a)0.2≦dx1≦20(μm)
(b)0.01≦dx2≦1(μm)
(c)50≦Sw1≦500(m2/g)
(d)95≦ω1≦99
(e)70≦ω2≦95
(f)1≦α≦5 但し、α=d50/dx1
(g)0≦β≦2 但し、β=(d90−d10)/d50
但し、
dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)。
dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径(μm)。
Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)
ω1 :JISK5101−91 20.1顔料試験方法静置法による見掛け比容(ml/g)を測定し、下記の式(h)により計算した静置空隙率(%)
ID=000006HE=015 WI=095 LX=0575 LY=1550
ω2:試料0.5gを断面積2cm2 の円筒充填、30kg/cm2 の圧力で30秒間加圧、その厚みをノギスで測定し、下記の式(i)より計算した30kg/cm2 の加圧空隙率(%)
ID=000007 HE=015 WI=092 LX=0590 LY=1800
α :分散係数
d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。
β :シャープネス
d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)。
d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)。

0006

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の重要な特徴は粒子形状にあり、単なるリン酸カルシウム系化合物ではなく、花弁状構造を有する多孔質リン酸カルシウム系化合物で構成されていることにある。本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は、花弁状構造であることから高比表面積であり、優れた担持性能があるのはもちろん、速効性、遅効性のコントロールを、使用する用途や薬剤の種類によって自在に設定することが可能である。本発明の第2は、該徐放体用花弁状多孔質基材に各種薬剤を担持してなる徐放体組成物であり、該徐放体用花弁状多孔質基材を使用することにより、各種用途に適した薬剤の放出が可能である。また、本発明の徐放体組成物は、分散性と粒子の均一性に優れているため、あらゆる用途に配合可能である。例えば、分散性と粒子の均一性を要求される用途として、合成樹脂フィルムや合成樹脂繊維が挙げられるが、本発明の徐放体組成物は、これらの用途にも十分に使用可能な粉体物性を有している。

0007

徐放性をコントロールする要因としては、徐放体粒子の粒子形状と粒度内容にあり、その中でも特に多孔質形状における平均細孔径と比表面積のバランスで左右される。従来の徐放体も殆どのものが多孔質形状を有し、高比表面積であるが、平均細孔径や比表面積を自在に調整することは難しく、徐放性能をコントロールすることは困難である。本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は、単に多孔質で、高比表面積であるのではなく、使用する有効成分や用途に合わせて調整された細孔と比表面積を持つものであり、従来にはない優れた徐放性能を有する。以下に本発明を詳述する。

0008

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材を構成する花弁状多孔質リン酸カルシウム系化合物としては特に制限はないが、非晶質リン酸カルシウム略号ACP、化学式Ca3 (PO4 )2 ・nH2 O〕、フッ素アパタイト〔略号FAP、化学式Ca10(PO4 )6 F2 〕、塩素アパタイト〔略号CAP、化学式Ca10(PO4 )6 Cl2 〕、ヒドロキシアパタイト〔略号HAP、化学式Ca10(PO4 )6 (OH)2 〕、リン酸八カルシウム〔略号OCP、化学式Ca8 H2 (PO4)6 ・5H2 O〕、リン酸三カルシウム〔略号TCP、化学式Ca3 (PO4 )2 〕、リン酸水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4 )、リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式CaHPO4 ・2H2 O)等が例示でき、一種又は二種以上でもよく、中でも組成の安定性が高いという観点からヒドロキシアパタイト、リン酸八カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウムが好ましく、ヒドロキシアパタイトが特に好ましい。また、安定性が最も高いヒドロキシアパタイトの含有率に関して言えば、全リン酸カルシウム系化合物に対して10重量%以上が好ましく、50重量%がより好ましく、90重量%が最も好ましい。

0009

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の粒子に占めるCa/Pの原子比は、16.7以下であり、効率よく薬剤を担持、及び放出を行うという観点から、5.56以下が好ましく、3.33以下がさらに好ましく、1.85以下が最も好ましい。Ca/Pの原子比が16.7を越えると十分に薬剤が担持されない。また該原子比の下限は、粒子の安定性を維持するという観点から1.60程度が好ましい。また、核材として用いた炭酸カルシウムがすべてリン酸カルシウム系化合物に変化して核材としての炭酸カルシウムが粒子中に存在せず、粒子重量の100%(Ca/Pの原子比は1〜1.67)が花弁状多孔質リン酸カルシウム系化合物に変化しても何ら問題はない。

0010

本発明における徐放体花弁状多孔質基材の平均粒子径dx1は、0.2≦dx1≦20(μm)であり、好ましくは0.2≦dx1≦10(μm)、さらに好ましくは0.5≦dx1≦5(μm)である。。平均粒子径が0.2μm未満の場合、粒子の凝集が著しく徐放性能が低下する。また20μmを越えた場合、例えば、農薬を担持して田畑等に広範囲散布する際に飛散性が低下し、また、粒子の空隙部分が薬剤で全て満たされた場合、平均粒子径を直径とする球体面積となり、有効面積(薬剤が放散される面積)が小さくなり、徐放性能が低下する。

0011

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の平均細孔径dx2は、0.01≦dx2≦1(μm)である。平均細孔径が0.01μm未満の場合、細孔径が小さいため担持された薬剤の放散が良好に行われず、徐放効果が発揮されなくなる。また1μmを越えた場合、細孔径が大きいため担持された薬剤が短時間に放散され、徐放効果の持続性が低下する。

0012

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の比表面積Sw1は、50≦Sw1≦500(m2/g)であり、好ましくは100≦Sw1≦400(m2/g)である。Sw1が50m2/g未満の場合、良好な薬剤の担持、徐放性能が得られず、また500m2/gを越えた場合、担持性能は高いものの、担持物の良好な発散が行われず、良好な徐放性能が得られなくなる。

0013

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の静置空隙率ω1及び加圧空隙率ω2は、それぞれ95≦ω1≦99、70≦ω2≦95である。ω1が95未満、ω2が70未満の場合、空隙率が小さいため、担持量が不十分になる。またω1が99、ω2が95を越えた場合、担持量は十分あるものの、徐放性を有する粒子の有効面積が小さくなる。

0014

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の粒子の分散性α及び粒子の均一性βは、それぞれ1≦α≦5、0≦β≦2であり、好ましくは1≦α≦2、0≦β≦1である。αが5を越えた場合、粗大な凝集体の割合が多くなり、徐放性能を有する粒子の有効面積が小さくなる。αが1未満の場合、微細粒子の割合が大きくなり、粒子の凝集性が強まり、徐放性能を有する粒子の有効面積が小さくなる。また、βが2を越えた場合、粒子径が不均一であると同時に、徐放効果にもばらつきを生じる。

0015

本発明の徐放体組成物は本発明の徐放体用花弁状多孔質基材に薬剤を担持してなり、担持させる薬剤には特に限定はないが、高い徐放性能を必要とする農薬、抗菌剤、脱臭剤、香料、紫外線吸収剤等を使用すると優れた徐放性能を発揮するので好ましい。これらは単独で又は2種以上組み合わせて担持される。例えば、農薬、抗菌剤、脱臭剤、香料、紫外線吸収剤について次のものが例示される。
(農薬)イソキサチオンダイアジノン、ピラクロホス、ジスルホトン、プロチオホス等の有機リン系殺虫剤カルボスルファンフラチオカルブカルボフラン等のカルボフラン系殺虫剤、アレスリン、フルシトリネート、テフルトリンアルドリン等のピレスロイド系殺虫剤、DCIP、ヘプタクロール等の塩素系殺虫剤、プレチラクロールメトラクロールベンチカーブ等の除草剤成分
(抗菌剤)塩化ベンザルコニウム塩化セチルピリジニウム等の第4アンモニウム系エタノールイソプロパノール等のアルコール系、ホルマリングリオキザール等のアルデヒド系クレゾールキシレノール等のフェノール系、ソルビン酸安息香酸等のカルボン酸系、クロルヘキシジン、n−ドデシルグアニジンアセテート等のグアニジン系、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のチアゾール系、(1、4)−2−アミノ−2−デオキシ−β−D−グルカン、N−カルボキシメチルキトサングリコールキトサンリン酸化キトサン、キトサン−2、5−アンヒドロマンノース等のキトサン系
(脱臭剤)タンニン酸テレピン油、ショウ脳油、天然フルボ酸
(香料)じゃ香、アビエス油、ベルガモット油、ボロアーズ油、ローズウッド油、ローズマリー油等の天然香料アセト酢酸エチルアネトールアミルシナミックアルデヒドイソ吉草酸エチルイソアミルアセテート等の合成香料ローズ油ジャスミン系、リラ系等の調合香料
(紫外線吸収剤)2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンフェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール

0016

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材の調製方法については、特に制限はないが、例えば、炭酸カルシウムを分散した水系中で、水可溶性リン酸又は水可溶性リン酸塩とを徐々に反応させて、核材表面で花弁状多孔質リン酸カルシウム系化合物を生成させることにより調製される。具体的には、特定の核材となる炭酸カルシウムの水懸濁液分散体燐酸希釈水溶液及び/又は特定の燐酸2水素カルシウムの水懸濁液分散体及び/又は特定の燐酸水素カルシウム水塩の水懸濁液分散体を特定の割合で特定の混合条件において混合、特定の熟成条件熟成後、乾燥する方法が例示される。

0017

以下に、本発明の徐放体用花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物の内、特に好ましく用いることのできる花弁状多孔質ヒドロキシアパタイトを主成分とした場合の調製方法について、より具体的に例示する。

0018

粒度分布測定器(株式会社島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が0.1〜5μmである炭酸カルシウムの水懸濁液分散体と燐酸の希釈水溶液及び/又は粒度分布測定器(株式会社島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が2〜10μmであるリン酸二水素カルシウムの水懸濁液分散体及び/又は粒度分布測定器(株式会社島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が2〜10μmであるリン酸水素カルシウム二水塩の水懸濁液分散体をCa/Pの原子比が16.0〜1.6.7なる割合で水中で下記の混合条件で混合後、更に下記の熟成条件で熟成を行い、脱水水洗を行い、300度以下の乾燥雰囲気下で乾燥し、解砕仕上げを行う。

0019

混合条件
炭酸カルシウムの水懸濁液分散体固形分濃度1〜15%
燐酸の希釈水溶液濃度 1〜50%
混合時間 0.1〜150時間
混合系水懸濁液温度 0〜80℃
混合系の水懸濁液pH 5〜9
混合攪拌羽根周速0.5〜50m/秒
熟成条件
熟成系のCa濃度 0.4〜5%
熟成時間0.1〜100時間
熟成系水懸濁液温度 20〜80℃
熟成系水懸濁液pH 6〜9
攪拌羽根の周速 0.5〜50m/秒

0020

本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は、粒子の分散性,安定性等をさらに高めるために、シランカップリング剤チタネートカップリング剤等のカップリング剤有機酸、例えば脂肪酸樹脂酸アクリル酸等のα、βモノエチレン性不飽和カルボン酸及びそのエステル類シュウ酸クエン酸等の有機酸,酒石酸、フッ酸等の無機酸、それらの重合物及び共重合物,それらの塩,又はそれらのエステル類等の表面処理剤界面活性剤ヘキサメタリン酸ソーダピロリン酸、ピロリン酸ソーダトリポリリン酸、トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸ハイポリリン酸等の縮合リン酸及びその塩等を、常法に従い添加又は表面処理してもさしつかえない。

0021

各種薬剤を本発明の徐放体用花弁状多孔質基材に担持させる方法としては特に制限はなく、従来の方法でよい。例えば下記の方法が挙げられる。(a)生成した徐放体用花弁状多孔質基材の水懸濁液に薬剤を添加して粉末化する。(b)徐放体用花弁状多孔質基材の粉末に、薬剤を溶媒に溶解したものを噴霧添加する。(c)薬剤を溶媒に溶解したものに徐放体用花弁状多孔質基材を浸漬する。

0022

本発明の徐放体組成物に配合される他の成分としては、特に制限はないが、必要に応じて炭酸カルシウム、合成シリカ、珪酸カルシウム等の無機粒子を目的に応じて一種又は二種以上配合してもさしつかえなく、また、花弁状構造を有しない非晶質リン酸カルシウム〔略号ACP、化学式Ca3 (PO4 )2 ・nH2 O〕、フッ素アパタイト〔略号FAP、化学式Ca10(PO4 )6 F2 〕、塩素アパタイト〔略号CAP、化学式Ca10(PO4 )6 Cl2 〕、ヒドロキシアパタイト〔略号HAP、化学式Ca10(PO4 )6 (OH)2 〕、リン酸八カルシウム〔略号OCP、化学式Ca8 H2 (PO4 )6 ・5H2 O〕、リン酸三カルシウム〔略号TCP、化学式Ca3 (PO4 )2 〕、リン酸水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4 )、リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式CaHPO4 ・2H2 O)等の本発明の徐放体用花弁状多孔質基材と異なる、花弁状構造を有しないリン酸カルシウム系化合物を目的に応じて一種又は二種以上配合してもさしつかえない。

0023

以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに制限されるものではない。

0024

使用する炭酸カルシウムの水懸濁液分散体a、及びbの調製方法。
炭酸カルシウムの水懸濁液分散体aの調製:比重1.055で温度が8℃の石灰乳水酸化カルシウムの水懸濁液)7000リッターに、炭酸ガス濃度27重量%の炉ガスを24m3の流速導通しpH9まで炭酸化反応を行い、その後40〜50℃で5時間撹拌熟成を行う事により粒子間のアルカリを溶出させpH10.8として分散させ、電子顕微鏡写真より測定した平均粒子径0.05μmで粒度分布測定器(株式会社島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が0.48μmである炭酸カルシウムの水懸濁液分散体を調製した。
炭酸カルシウムの水懸濁液分散体bの調製:丸尾カルシウム株式会社製重質炭酸カルシウムスーパーSSS」(1.2m2/g)に水を添加混合後、TKホモミキサー(5000rpm,15分間)にて撹拌分散させて固形分濃度25%の電子顕微鏡写真より測定した平均粒子径3μmで粒度分布測定器(株式会社島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が3.4μmである炭酸カルシウムの水懸濁液分散体bを調製した。

0025

実施例1〜6、比較例1〜3
表1、2に記載した原料及び混合条件に従い、邪魔板付きステンレスタンクに直径0.6mのタービン羽根1枚の撹拌機付きの0.4m3ステンレスタンクに希釈濃度調製及び温調した炭酸カルシウムの水懸濁液分散体を投入し、撹拌下において燐酸の希釈水溶液を滴下混合し、記載した熟成条件に従い撹拌を行いながら熟成した。熟成終了後、固形分濃度8%に調整し、スプレ−乾燥を行うことにより炭酸カルシウムを核材とする花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物である徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6及びE1〜E3を調製した。なお、原料及び水の合計重量は400kgとした。スプレ−乾燥条件は噴霧時の粒径約0.1mm、入り口における熱風温度250℃、乾燥時間約10秒、乾燥直後乾燥品の200℃,2時間での加熱減量が5〜8%であった。実施例1〜6で調製した徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、及び比較例1〜3で調製したE1〜E3の粉体物性を表3、4に示す。表3より、本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は比表面積、細孔径、粒子径が自由に調整でき、優れた分散性と粒子径の均一性を有することが確認できる。D1の粒子構造を示す電子顕微鏡写真を図1(1000倍)、図2(10000倍)に示す。図1図2より、本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は花弁状構造を有することが確認できる。また、D1、D3、D5について粉末X線回折図図5、6、7に示す。図5、6の粉末X線回折の結果よりD1、D2についてはリン酸カルシウム系化合物と炭酸カルシウム(カルサイト)以外は認めなかった。リン酸カルシウム系化合物の主成分はヒドロキシアパタイト(HAP)であり、微量のリン酸八カルシウム(OCP)を含んでいることが確認できる。D3については、図7より炭酸カルシウムは認められず、リン酸カルシウム系化合物以外は認められなかった。リン酸カルシウム系化合物の主成分はヒドロキシアパタイト(HAP)であり、微量のリン酸八カルシウム(OCP)を含んでいることが確認できる。尚、本発明の徐放体用花弁状多孔質基材と比較のために、後記する市販のヒドロキシアパタイトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真を図3(1000倍)、図4(10000倍)に、粉末X線回折図を図8に示す。図3図4より、市販のヒドロキシアパタイトは微細な粒子と該粒子の凝集物であり、花弁状多孔質構造を有するものではないことが確認できる。また図8より、市販のヒドロキシアパタイトは、主成分であるヒドロキシアパタイト(HAP)以外に微量のリン酸水素カルシウム二水和物(DCPD)を含んでいることが確認できる。

0026

0027

0028

ID=000009HE=075 WI=114 LX=0480 LY=1550

*1・・・実施例1〜6に対応する粒子

0029

ID=000010HE=070 WI=111 LX=0495 LY=0300
*比較例1〜3に対応する粒子

0030

実施例7〜12 比較例4〜9
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3及び市販のヒドロキシアパタイト(商品名:リン酸三カルシウム、米山化学工業株式会社製)、合成シリカ(商品名:アエロジル#130、日本アエロジル株式会社製)及び、珪酸カルシウム(商品名:フローライトR、徳山曹達株式会社製)のそれぞれ5gを、ナフタリンの10%四塩化炭素溶液に浸漬した後、四塩化炭素を揮発させ、ナフタリン2gを担持させた徐放体組成物を得た。これらの徐放体組成物の徐放性を確認するために、温度30℃の恒温槽に入れ、一定期間経過後重量変化より、ナフタリンの残存率を測定した。市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムの粉体物性を表5に示す。また、ナフタリン残存率の測定結果を表6に示す。表6より、本発明の徐放体組成物は、本発明の徐放体用花弁状多孔質基材を用いることにより、徐放性のコントロールが可能であり、優れた持続性を有することが確認できる。

0031

0032

0033

本発明の徐放体組成物について、各種薬剤として農薬、抗菌剤、脱臭剤、香料、紫外線吸収剤を用いた場合を以下に例示する。

0034

実施例13〜18 比較例10〜15
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3、及び市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムのそれぞれを担体として、土壌殺虫成分であるピラクロホスをミキサー混合し、各担体に対してピラクロホスが5重量%の徐放体組成物を得た。以下の試験方法でこれら徐放体の効果を確認した。結果を表7に示す。表7より、本発明の徐放対組成物は持続性の高い殺虫効果を有することが確認できる。(試験方法)
対象植物トマト
対象害虫サツマイモネコブセンチュウ
試験スケール:400cm2
添加量:3mg/cm2
測定方法試料添加後30日後の根りゅう状態を確認

0035

ID=000013HE=080 WI=089 LX=0605 LY=1700
評価基準
A:根りゅうが多数確認できる
B:根りゅうが数カ所確認できる
C:根りゅうが殆ど確認出来ない

0036

実施例19〜30 比較例16〜27
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3、及び市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムのそれぞれ10gを担体として、2−メルカプトベンゾチアゾール及びキトサン−2、5−アンヒドロマンノースを噴霧添加し、各担体に対して2−メルカプトベンゾチアゾール及びキトサン−2、5−アンヒドロマンノースが5重量%の徐放体組成物を得た。これら徐放体の抗菌効果を下記の方法で確認した。結果を表8に示す。表8より、本発明の徐放体組成物は優れた抗菌効果を有することが確認できる。
(試験方法)日本製薬(株)製のSCDL寒天培地(細菌用)を溶解し、45℃に保温しながら一般雑菌を含む汚水溶解培地100ml当たり3ml添加した培地10mlに上記実施例及び比較例資料を所定量添加しよく攪拌する。これをシャーレに入れ、培地が固まった後、蓋をして裏返しにした状態で培養する。培養条件は30℃、5日間とする。

0037

0038

実施例31〜36 比較例28〜33
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3、及び市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムのそれぞれ10gを担体として、脱臭剤(タンニン酸)の40%水溶液を5g噴霧添加し、タンニン酸2gを担持させた徐放体組成物を得た。これら徐放体の脱臭性能を確認するために、10%のアンモニア水150mlを入れた洗気瓶(容量3000ml)の一方から窒素ガスを500ml/分で流しながら、もう一方の流出口に該脱臭剤を詰めたカラムを取り付け、そのカラムを通過するアンモニアをpH4の塩酸水溶液中に導き、該徐放体組成物の脱臭能力が低下してアンモニアを脱臭しなくなるまでの時間をpHが10以上となるまで時間として求め、脱臭能力を調べた。結果を表9に示す。表9より、本発明の徐放体組成物は持続性のある優れた脱臭性能を有することが確認できる。

0039

0040

実施例37〜42 比較例34〜39
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3、及び市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムのそれぞれ6gを担体として、香料(アセト酢酸エチル)に2時間含浸させ、香料を担持させた徐放体組成物を得た。これら徐放体の芳香性能を確認するために、常温の室内に放置し、持続性を測定した。結果を表10に示す。表10より、本発明の徐放体組成物は持続性のある優れた芳香性能を有することが確認できる。

0041

ID=000015HE=080 WI=114 LX=0480 LY=1500
(評価基準)
A:芳香性の低下が殆どない
B:芳香性が若干低下している
C:芳香性が半減している
D:芳香性が殆どない

0042

実施例43〜48 比較例40〜45
実施例1〜6で作成した本発明の徐放体用花弁状多孔質基材D1〜D6、比較例1〜3で作成したE1〜E3、及び市販のヒドロキシアパタイト、合成シリカ及び、珪酸カルシウムのそれぞれ25gを担体として、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートを5g添加し、紫外線吸収剤を担持させた徐放体組成物を得た。これら徐放体の紫外線吸収性能を確認するために、該徐放体30gとポリプロピレン樹脂ペレット500gをブレンドしたものを混練押し出し機混練し、該徐放体を配合したポリプロピレン樹脂ペレットを得た。このペレット射出成形法にて、ポリプロピレン成型品を得た。この成型品を用いてASTM−D−1499の試験法により、カーボンアークウェザーメーターにて600時間促進耐候性試験を行い、該成型品の表面状態を調べた。結果を表11に示す。表11より、本発明の徐放対組成物は持続性の高い紫外線吸収効果を有することが確認できる。

0043

ID=000016HE=080 WI=114 LX=0480 LY=0550
(表面状態の評価基準)
A:変化なし
B:若干亀裂あり
C:多数亀裂あり

発明の効果

0044

叙上の通り、特定の粒子形状、特定の細孔径と比表面積、特定の粒子径と分散度を有する本発明の徐放体用花弁状多孔質基材は用途に応じて徐放性のコントロールが可能で、該基材に薬剤を担持してなる本発明の徐放体組成物は各種用途に優れた徐放効果を発揮する。

図面の簡単な説明

0045

図1実施例1で得られた粒子D1の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(1000倍)である。
図2実施例1で得られた粒子D1の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10000倍)である。
図3市販のヒドロキシアパタイトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(1000倍)である。
図4市販のヒドロキシアパタイトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10000倍)である。
図5実施例1で得られた粒子D1の粉末X線回折図である。
図6実施例3で得られた粒子D3の粉末X線回折図である。
図7実施例5で得られた粒子D5の粉末X線回折図である。
図8市販のヒドロキシアパタイトの粉末X線回折図である。

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