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技術 プロセスチーズ類およびその製造方法

出願人 株式会社明治
発明者 相沢茂川端史郎今澤武司松永典明池田信子
出願日 1996年12月6日 (23年0ヶ月経過) 出願番号 1996-326299
公開日 1998年6月23日 (21年5ヶ月経過) 公開番号 1998-165092
状態 特許登録済
技術分野 乳製品
主要キーワード チーズ臭 溶融直後 針入硬度 通常プロセス 製品水分 水溶性窒素 改質レシチン 添加水量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年6月23日)のものです。
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解決手段

全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズまたは全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法。前記原料を加熱溶融後、冷却することにより得られるプロセスチーズ類。

効果

タンパク質分解程度の少ない未熟成または熟成期間の短いナチュラルチーズを原料として多量に使用しても、溶融後の粘度上昇を抑制することができ、得られる製品過度硬化も防止できる。したがって、そのようなナチュラルチーズを用いて温和風味口当たり口溶け等の食感に優れたプロセスチーズ類を効率よく製造することができる。

概要

背景

プロセスチーズ主原料であるナチュラルチーズにおいては、熟成中に乳酸菌等によって産生される酵素タンパク質および脂肪を分解し種々の風味成分を作り出すと同時に組織軟化させる。一般に、熟成期間の短いナチュラルチーズをプロセスチーズの原料として使用した場合、得られる製品風味が淡白になると同時に、原料を溶融したときの粘度が高くなり、製品の組織が硬くなる。逆に熟成期間の長いナチュラルチーズをプロセスチーズの原料として使用した場合、得られる製品の風味は強くなると同時に、原料を溶融したときの粘度が低くなり、製品の組織は軟らかくなる。したがって、通常、所望の風味および組織を有する製品を得るという観点から、適正な熟成期間のナチュラルチーズを使用するか、それが入手しにくい場合は熟成期間の短いチーズと長いチーズを適当にブレンドして使用している。

一方、消費者のプロセスチーズに対する評価からみて現在の日本においては風味の強いチーズが必ずしも好まれていないという現状がある。しかしながら原料のナチュラルチーズとして熟成期間の短いチーズを多量に用いた場合、溶融チーズの粘度が高くなりすぎてポンプによる送液に支障をきたすこと、製品の食感が硬すぎることなどが問題となり、温和な風味と滑らかで口溶けのよい食感が両立しており、しかも工業的生産に適した物性を有するプロセスチーズは実現化されていない。

また、ナチュラルチーズを熟成させるには、温度コントロールされた熟成庫内に数ヶ月間保管しておく必要があるため、熟成ナチュラルチーズをプロセスチーズの原料とする場合、生産効率が悪く、経済性も劣る。したがって、原料チーズとして未熟成チーズを多量に用いることができれば、生産性が向上し、原料コストを低くできることが期待される。

概要

全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズまたは全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法。前記原料を加熱溶融後、冷却することにより得られるプロセスチーズ類。

タンパク質分解程度の少ない未熟成または熟成期間の短いナチュラルチーズを原料として多量に使用しても、溶融後の粘度上昇を抑制することができ、得られる製品の過度硬化も防止できる。したがって、そのようなナチュラルチーズを用いて温和な風味で口当たり、口溶け等の食感に優れたプロセスチーズ類を効率よく製造することができる。

目的

本発明の課題は、未熟成チーズまたは熟成期間の短いチーズを原料として多量に用いて得られるプロセスチーズ類であって、温和な風味で口当たり、口溶け等の食感に優れ、しかも工業生産に適した物性であるプロセスチーズ類およびその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズ溶融塩および乳化剤を含有する原料加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法。

請求項2

ナチュラルチーズが、全窒素含量に対するpH4.4 の水溶液に可溶性の窒素含量の割合が20重量%以下のものである、請求項1に記載のプロセスチーズ類の製造方法。

請求項3

全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法。

請求項4

ナチュラルチーズが、全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が14重量%以下のものである、請求項3に記載のプロセスチーズ類の製造方法。

請求項5

乳化剤がレシチングリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセスチーズ類の製造方法。

請求項6

全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性の窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融した後、冷却することにより得られる、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類。

請求項7

ナチュラルチーズが、全窒素含量に対するpH4.4 の水溶液に可溶性の窒素含量の割合が20重量%以下のものである、請求項6に記載のプロセスチーズ類。

請求項8

全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融した後、冷却することにより得られる、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類。

請求項9

ナチュラルチーズが、全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が14重量%以下のものである、請求項8に記載のプロセスチーズ類。

技術分野

0001

本発明は、未熟成チーズを有効利用したプロセスチーズ類およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

プロセスチーズ主原料であるナチュラルチーズにおいては、熟成中に乳酸菌等によって産生される酵素タンパク質および脂肪を分解し種々の風味成分を作り出すと同時に組織軟化させる。一般に、熟成期間の短いナチュラルチーズをプロセスチーズの原料として使用した場合、得られる製品風味が淡白になると同時に、原料を溶融したときの粘度が高くなり、製品の組織が硬くなる。逆に熟成期間の長いナチュラルチーズをプロセスチーズの原料として使用した場合、得られる製品の風味は強くなると同時に、原料を溶融したときの粘度が低くなり、製品の組織は軟らかくなる。したがって、通常、所望の風味および組織を有する製品を得るという観点から、適正な熟成期間のナチュラルチーズを使用するか、それが入手しにくい場合は熟成期間の短いチーズと長いチーズを適当にブレンドして使用している。

0003

一方、消費者のプロセスチーズに対する評価からみて現在の日本においては風味の強いチーズが必ずしも好まれていないという現状がある。しかしながら原料のナチュラルチーズとして熟成期間の短いチーズを多量に用いた場合、溶融チーズの粘度が高くなりすぎてポンプによる送液に支障をきたすこと、製品の食感が硬すぎることなどが問題となり、温和な風味と滑らかで口溶けのよい食感が両立しており、しかも工業的生産に適した物性を有するプロセスチーズは実現化されていない。

0004

また、ナチュラルチーズを熟成させるには、温度コントロールされた熟成庫内に数ヶ月間保管しておく必要があるため、熟成ナチュラルチーズをプロセスチーズの原料とする場合、生産効率が悪く、経済性も劣る。したがって、原料チーズとして未熟成チーズを多量に用いることができれば、生産性が向上し、原料コストを低くできることが期待される。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、未熟成チーズまたは熟成期間の短いチーズを原料として多量に用いて得られるプロセスチーズ類であって、温和な風味で口当たり、口溶け等の食感に優れ、しかも工業生産に適した物性であるプロセスチーズ類およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、プロセスチーズ類の製造において、通常使用する溶融塩に加えて界面活性作用を有する乳化剤を添加することにより、熟成期間が短くタンパク質分解程度の低い原料ナチュラルチーズを多量に使用しても、溶融チーズの粘度が低く製造適性が良好であると同時に過度に硬くなく口溶けの良い食感のプロセスチーズを製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

本発明は、全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法である。

0008

また、本発明は、全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融することを特徴とする、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類の製造方法である。

0009

さらに、本発明は、全窒素含量に対する、pH4.4 の水溶液に可溶性の窒素含量の割合が25重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融した後、冷却することにより得られる、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類である。

0010

さらに、本発明は、全窒素含量に対する、トリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合が16重量%以下であるナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤を含有する原料を加熱溶融した後、冷却することにより得られる、タンパク質含量が18重量%以上であるプロセスチーズ類である。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明を詳細に説明する。プロセスチーズの主原料となるナチュラルチーズの熟成の程度、即ちタンパク質の分解程度は、pH4.4 の水溶液に可溶性の窒素、トリクロル酢酸(TCA)可溶性窒素、および/またはリンタングステン酸PTA)可溶性窒素の量等で定量することができる。ナチュラルチーズ中の主要タンパク質であるカゼイン分子量 19000〜25000 )はグリーンカード(熟成前のカード)においてはpH4.4 の水溶液には不溶性カルシウムパラカゼイネートであるが、熟成が進行するにつれて水溶性物質に変換される。ここで、pH4.4 の水溶液に可溶性となるのは、通常、中程度以下の分子量のペプチドである。さらにこのpH4.4 の水溶液に可溶性の画分はトリクロル酢酸の12%水溶液に可溶性の画分(小分子量のペプチド)とリンタングステン酸の5%水溶液に可溶性の画分(分子量 600程度のアミノ態窒素化合物)に分画される。ゴーダチーズおよびチェダーチーズについて、種々の熟成月数における全窒素含量に対するpH4.4 の水溶液、TCAの12%水溶液またはPTAの5%水溶液に可溶性の窒素含量の割合を表1に示す。

0012

0013

熟成庫の温度(通常、5〜15℃)にもよるが、一般的なプロセスチーズ類においては、原料チーズとして、通常、ゴーダチーズは4ヶ月以上、チェダーチーズは6ヶ月以上熟成されたものが使用されている。即ち、ゴーダーチーズについては、全窒素含量に対するpH4.4 の水溶液に可溶性の窒素含量の割合(以下、水溶性窒素/全窒素の割合という)が29重量%以上または全窒素含量に対するTCAの12%水溶液に可溶性の窒素含量の割合(以下、TCA可溶性窒素/全窒素の割合という)が20重量%以上のもの、チェダーチーズについては水溶性窒素/全窒素の割合が30重量%以上またはTCA可溶性窒素/全窒素の割合が27重量%以上のものが使用されている。

0014

これに対して、本発明においては、温和な風味のプロセスチーズ類を効率的に製造するために、原料チーズとして、熟成期間の短いナチュラルチーズ、即ち、水溶性窒素/全窒素の割合が25重量%以下、好ましくは20重量%以下であるナチュラルチーズ、またはTCA可溶性窒素/全窒素の割合が16重量%以下、好ましくは14重量%以下であるナチュラルチーズが使用される。水溶性窒素/全窒素の割合またはTCA可溶性窒素/全窒素の割合がそれよりも高いナチュラルチーズは通常のプロセスチーズ類の原料の範囲内であり、温和な風味を得ることができない一方、溶融チーズの粘度もそれほど高くなく、製品の組織もそれほど硬くないので、本発明のように乳化剤を添加する必要性はない。

0015

ナチュラルチーズとしては、ゴーダチーズ、チェダーチーズ等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上の組み合わせで使用することができる。本発明で使用する溶融塩としては、モノリン酸塩、ジリン酸塩ポリリン酸塩クエン酸塩酒石酸塩等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上の組合せで使用することができる。

0016

溶融塩の添加量プロセスチーズ製造の常法に従い、原料中のタンパク質含量の5〜30重量%とするのが好ましく、6〜20重量%とするのが更に好ましい。タンパク質に対する溶融塩の含量が少なすぎると、得られる製品は乳化が不十分で均一な組織にはならず、食感が滑らかでない。タンパク質含量に対する溶融塩含量が多すぎると得られる製品は塩味が強かったり、製品保存中に溶融塩の結晶析出したりする欠点が生じる。

0017

本発明においては、上記のような原料チーズに、溶融塩に加えて界面活性作用を有する乳化剤を添加することにより、加熱溶融時の粘度上昇が抑制でき、さらにそれほど組織の硬くない製品を得ることができる。

0018

本発明で使用する乳化剤としては、食品用乳化剤であれば何れでも使用でき、例えば、レシチングリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上の組み合せで用いられる。レシチンとしては大豆レシチン等の通常の市販のレシチン、分別レシチンホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルコリン(PC)の量比を通常のレシチンとは変えたレシチン(例えば、PC高含量レシチン))、種々の改質レシチン卵黄レシチン等が挙げられる。改質レシチンは通常の大豆レシチン等を化学的処理または酵素的処理により改質してO/W型乳化性を強めたものであって、好ましくは、水素添加レシチン部分加水分解レシチンの1種または2種以上が使用される。グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノグリセリドジグリセリド等のモノグリセリン脂肪酸エステルジグリセリンモノステアレートジグリセリンモノオレートトリグリセリンモノオレートヘキサグリセリンパルミテート、ヘキサグリセリンモノミリステートデカグリセリンモノステアレートデカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノミリステートデカグリセリンモノオレート、デカグリセリンジステアレート、デカグリセリンペンタステアレート、デカグリセリンデカステアレート、ポリグリセリンポリリシノレート等のグリセリン単位が2個以上のポリグリセリン脂肪酸エステル乳酸モノグリセリド酢酸モノグリセリドクエン酸モノグリセリドコハク酸モノグリセリドジアセチル酒石酸モノグリセリド等の有機酸モノグリセリド等が挙げられる。

0019

これらの乳化剤の中で、より溶融物の粘度上昇を抑制できるという点で、HLBが5以上の乳化剤が好ましく、更にHLB7以上のO/W型乳化剤が好ましい。

0020

また、乳化剤添加量に特に制限はないが、原料に対して0.05〜3.00重量%が好ましく、0.10〜2.00重量%が更に好ましい。乳化剤が多すぎると、製造中に脂肪が分離したり製品が軟弱になりすぎたりする等の不都合があり、乳化剤が少なすぎると粘度低下や製品の軟化に十分な効果が得られない。

0021

本発明は、得られる製品のタンパク質含量が18重量%以上である場合に効果が発揮される。溶融チーズの粘度や製品の硬さはタンパク質のネットワーク由来するものであるから、製品中のタンパク質含量が低い場合、熟成期間の短いチーズを使用したとしても粘度が高すぎたり製品が硬すぎたりする問題は少ないからである。

0022

ナチュラルチーズ、溶融塩および乳化剤以外に、原料には水が添加され、水の添加量は適宜調節することができる。また、各種添加剤ゲル化剤の併用、風味付けのための香辛料等各種食品の添加によっても何ら本発明の効果は影響を受けるものではない。本発明において、原料の加熱溶融は、原料を攪拌しながら通常、75〜130 ℃、好ましくは80〜120 ℃まで加熱することにより行う。

0023

本発明において原料を加熱溶融し、乳化する装置としては、ケトルチーズ乳横型クッカー高速剪断乳化釜連続式熱交換機ショックステリライザーコンビネーター等)などいずれも使用可能である。また、溶融装置ホモゲナイザーインラインミキサーコロイドミルなどの乳化機を組み合わせることも可能である。

0024

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。

0025

試験例〕原料チーズとして熟成期間の短いナチュラルチーズを使用し、乳化剤を添加した場合と添加しなかった場合について溶融物の粘度および製品の硬さの比較試験を行った。表2に示す原料成分と、得られる製品水分含量が45重量%になるような量の水を配合し、以下に述べる工程でプロセスチーズを試作した。

0026

(プロセスチーズの試作工程)
1.ケトル型クッカーに所定原料を投入する。尚、その際、スチームを吹き込んで加熱するため、相当する水量を添加水量から予め差し引いておく。
2. 120rpmで攪拌しながら、約8分で85℃まで加熱する。
3. 200gカルトン充填する。
4.冷蔵庫にて試作品を一晩冷却する。

0027

試作品のタンパク質含量は、試験No.1〜6については21.5重量%、試験No.7〜8については21.0重量%であった。また、溶融直後、溶融チーズの粘度をリオン社製のビスコテスターVT−04(No.1ローター)を使用して測定した。その結果を表2に示す。通常、正常な粘度と判断されるのは 250poise 以下である。

0028

冷却後の製品の硬さは、10℃でレオメーター(フドー工業製)を使用して直径3mmの棒状プランジャー針入硬度として測定した。数値が大きいほど硬い。通常プロセスチーズ類の硬さとしては 120〜350 gである。その結果を表2に示す。

0029

0030

以上の試験結果より、熟成期間が短く、タンパク質分解程度の低い原料チーズを使用してプロセスチーズ類を調製する場合、本発明に従って乳化剤を使用すると溶融後の粘度上昇を抑制することが可能であると同時に、得られる製品の硬度も大きくなりすぎないよう調整できることがわかる。

0031

〔実施例1〕熟成期間2ヶ月のゴーダチーズ(水溶性窒素/全窒素の割合:18重量%、TCA可溶性窒素/全窒素の割合:12重量%)25kg、熟成期間3ヶ月のチェダーチーズ(水溶性窒素/全窒素の割合:22重量%、TCA可溶性窒素/全窒素の割合:19重量%)25kg、溶融塩としてクエン酸ナトリウム0.5kgおよびヘキサメタリン酸ナトリウム0.5kg、乳化剤としてデカグリセリンモノミリステート(HLB14.5) 0.2kg、並びに溶融後の製品水分が46重量%になるような量の水をケトル型乳化釜に入れ、 100rpmで80℃まで加熱溶融した。尚、原料チーズの平均水溶性窒素/全窒素の割合は20重量%、平均TCA可溶性窒素/全窒素の割合は15重量%、製品のタンパク質含量は20.4重量%であった。溶融後粘度は 120poise で、正常な粘度の範囲であった。冷却後の製品は硬さは 240gで食感は良好であり、チーズ臭さの少ないマイルドでくせの無い良好な風味を有していた。

0032

〔実施例2〕熟成期間1ヶ月のゴーダチーズ(水溶性窒素/全窒素の割合:12重量%、TCA可溶性窒素/全窒素の割合:6重量%)42kg、熟成期間6ヶ月のチェダーチーズ(水溶性窒素/全窒素の割合:31重量%、TCA可溶性窒素/全窒素の割合:27重量%)8kg、溶融塩としてリン酸水素ナトリウム0.4kgおよびピロリン酸ナトリウム0.6kg、乳化剤として水素添加レシチン(HLB12) 0.1kgおよびクエン酸モノステアリン酸グリセリンエステル(HLB8) 0.2kg、チーズフレーバー0.03kg、グルタミン酸ナトリウム0.06kg、並びに溶融後の製品水分が46重量%になるような量の水をケトル型乳化釜に入れ、 100rpmで80℃まで加熱溶融した。尚、原料チーズの平均水溶性窒素/全窒素の割合は15重量%、平均TCA可溶性窒素/全窒素の割合は9重量%、製品のタンパク質含量は20.7重量%であった。溶融後粘度は 170poise で、正常な粘度の範囲であった。冷却後の製品は硬さは 260gで食感は良好であり、チーズ臭さの少ないマイルドでくせの無い良好な風味を有していた。

発明の効果

0033

本発明によれば、タンパク質分解程度の少ない未熟成または熟成期間の短いナチュラルチーズを原料として多量に使用しても、溶融後の粘度上昇を抑制することができ、得られる製品の過度の硬化も防止できる。したがって、そのようなナチュラルチーズを用いて温和な風味で口当たり、口溶け等の食感に優れたプロセスチーズ類を効率よく製造することができる。

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