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技術 アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 池田昌則松井邦昭杉下幸男安藤裕幸藤本高幸秦昌弘
出願日 1996年11月28日 (24年1ヶ月経過) 出願番号 1996-318360
公開日 1998年6月16日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1998-158679
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般 圧延ロール・圧延スタンド・圧延機の駆動 潤滑性組成物 潤滑剤
主要キーワード 耐圧荷重 保護コロイド効果 油付着量 乳化型エマルジョン アルミニウムコイル 乳化型エマルション 排水処理性 建浴直後
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図面 (4)

課題

潤滑による噛み込み不良の発生を防止し、板表面の圧延油切り性を向上させ、安定に圧延する。

解決手段

(a)鉱物油と、重量%で、(b)脂肪酸若しくはそのモノエステル又は油脂:3〜30、(b)C4〜C18アルキル若しくはアルケニル(亜)リン酸エステル:0.5〜10と、(d)一般式

(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、mは0又は1の整数、nは1〜3の整数)の単量体と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物で平均分子量が1〜100万のものの有機酸塩:0.1〜10とを含有する水中油滴型熱間圧延組成物を使用して、そのエマルション中の油の濃度をρ%、材料温度をT℃としたとき、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300に油分濃度を制御する、アルミニウム又はアルミニウム合金組成物を熟間圧延する方法。

概要

背景

アルミニウム又はアルミニウム合金板熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティング層ロール表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング層の性状は極めて重要といえる。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件板材質、板温度ブラシロール操業条件等)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティング層を制御する上で不可欠なものである。

熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるため、圧延油はエマルジョンの形で使用されている。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合金熱間圧延油としては、一般に、鉱物油基油として、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤極圧剤防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤乳化し、通常3乃至10%濃度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用されている。

アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能としては、潤滑性ロールコーティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなってきている。

しかしながら、従来の乳化剤を使用したアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述の要求の全てを充分に満足するものではない。

従来の圧延油にあっては、乳化剤の種類と添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、このような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得られず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問題点がある。

このように相反する特性である潤滑性及び乳化安定性を両立させるために、例えば、特公昭62−14599号公報にみられる圧延油組成物が提案されている。この圧延油組成物においては、潤滑性及び乳化安定性は確かに両立し、それなりに従来技術にない利点を備えているが、得られる圧延板の表面品質は必ずしも充分ではない。

一方、同様の試みとして特開昭63−120795号公報が提案されている。しかし、これは本質的には特公昭62−14599号公報に記載の技術と同質でがあり、その選択範囲の中から、潤滑性を犠牲にした上で表面品質性を向上させたものである。このように、従来の潤滑油では、アルミニウム圧延における大量生産化と高品質指向に対応することが困難である。

そこで、本願発明者等は、従来のアルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分を特定の単量体共重合物有機酸塩を使用して水中に乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時熱劣化による性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に特許出願した(特開平7−150189号公報)。

概要

潤滑による噛み込み不良の発生を防止し、板表面の圧延油切り性を向上させ、安定に圧延する。

(a)鉱物油と、重量%で、(b)脂肪酸若しくはそのモノエステル又は油脂:3〜30、(b)C4〜C18アルキル若しくはアルケニル(亜)リン酸エステル:0.5〜10と、(d)一般式

(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、mは0又は1の整数、nは1〜3の整数)の単量体と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物で平均分子量が1〜100万のものの有機酸塩:0.1〜10とを含有する水中油滴型熱間圧延組成物を使用して、そのエマルション中の油の濃度をρ%、材料温度をT℃としたとき、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300に油分濃度を制御する、アルミニウム又はアルミニウム合金組成物を熟間圧延する方法。

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、過潤滑による噛み込み不良の発生を防止でき、板表面の圧延油切り性を向上させることができ、安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(a)粘度80cSt(40℃)以下の鉱物油に、(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物:3乃至30重量%、(c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至18であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)下記一般式ID=000004HE=015 WI=065 LX=0275 LY=0800(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される単量体の1種以上と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子量が10,000乃至1,000,000の範囲にある高分子化合物の一般式R4COOH(式中、R4は炭素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基カルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する水中油滴型熱間圧延油組成物を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金組成物熱間圧延する方法において、前記水中油滴型熱間圧延油エマルション中の油の濃度をρ(%)、材料温度をT(℃)としたとき、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300の範囲に油分濃度を制御することを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金板圧延方法

技術分野

背景技術

0002

アルミニウム又はアルミニウム合金板の熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティング層ロール表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング層の性状は極めて重要といえる。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件板材質、板温度ブラシロール操業条件等)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティング層を制御する上で不可欠なものである。

0003

熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるため、圧延油はエマルジョンの形で使用されている。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油としては、一般に、鉱物油基油として、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤極圧剤防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用されている。

0004

アルミニウム又はアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能としては、潤滑性ロールコーティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなってきている。

0005

しかしながら、従来の乳化剤を使用したアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述の要求の全てを充分に満足するものではない。

0006

従来の圧延油にあっては、乳化剤の種類と添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、このような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得られず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問題点がある。

0007

このように相反する特性である潤滑性及び乳化安定性を両立させるために、例えば、特公昭62−14599号公報にみられる圧延油組成物が提案されている。この圧延油組成物においては、潤滑性及び乳化安定性は確かに両立し、それなりに従来技術にない利点を備えているが、得られる圧延板の表面品質は必ずしも充分ではない。

0008

一方、同様の試みとして特開昭63−120795号公報が提案されている。しかし、これは本質的には特公昭62−14599号公報に記載の技術と同質でがあり、その選択範囲の中から、潤滑性を犠牲にした上で表面品質性を向上させたものである。このように、従来の潤滑油では、アルミニウム圧延における大量生産化と高品質指向に対応することが困難である。

0009

そこで、本願発明者等は、従来のアルミニウム及びアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分を特定の単量体共重合物有機酸塩を使用して水中に乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時熱劣化による性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に特許出願した(特開平7−150189号公報)。

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、この熱間圧延油組成物所期の目的は達成したものの、この熱間圧延油組成物を使用した圧延においては、過潤滑による噛み込み不良の発生が生じ、更に板表面の圧延油切り性が悪化することがあった。

0011

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、過潤滑による噛み込み不良の発生を防止でき、板表面の圧延油切り性を向上させることができ、安定した圧延を可能とするアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法は、カチオン系の高分子化合物により水中油滴型エマルジョンとした熱間圧延油を使用するアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法において、熱間圧延油エマルジョン中の濃度をρ(%)、材料温度をT(℃)としたとき、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300の範囲に油分濃度を制御することを特徴とする。

0013

このカチオン系の高分子化合物を混合した水分散型熱間圧延油組成物は、特開平7−150189号公報に開示された発明に係るものであり、この潤滑油の使用に際して、平均油粒径を5乃至15μmに制御することにより、潤滑不足による焼き付きも無く、過潤滑及び長期使用による板表面の圧延油切り性の悪化も無い安定した圧延が可能となる。

0014

この水分散型熱間圧延油組成物の組成は、(a)粘度80cSt(40℃)以下の鉱物油に、(b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は2種以上の化合物:3乃至30重量%、(c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至18であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.5乃至10重量%、(d)下記一般式(1)

0015

ID=000005HE=015 WI=065 LX=0275 LY=2300
(式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される単量体の1種以上と(メタアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子量が10,000乃至1,000,000の範囲にある高分子化合物の一般式(2)

0016

R4COOH
(式中、R4は炭素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基カルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃至10重量%を含有する組成を有する。

発明を実施するための最良の形態

0017

本願発明者等が更に実験研究を行った結果、この熱間圧延油エマルジョンを使用した圧延においては、鉱物油を基油として脂肪酸、油脂、脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化した乳化型エマルジョンと同様の濃度(3乃至10%)では、過潤滑による噛み込み不良の発生及び板表面の油切り性が悪化することが判明した。

0018

即ち、前述の組成を有するカチオン系の高分子化合物により水中に油分を持たせるエマルジョンとした熱間圧延油を使用して熱間圧延すると、1.5%未満の油分濃度では潤滑不足となって焼き付きが発生し、4.5%を超える油分濃度では噛み込み不良の発生及び油付着量が過剰になり、油残り模様が発生する。このため、本発明においては、油分濃度を1.5乃至4.5%とする。

0019

本発明の圧延方法によれば、熱間圧延油エマルジョン中の油の濃度をρ(%)、材料温度をT(℃)としたとき(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300の式に基づく範囲に、例えば、圧延油タンクにおける新油交換量を調節して濃度を制御することにより、適度な潤滑を得るものである。これにより、鉱物油を基油として、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化した圧延油を使用して、通常油粒径1〜3μmのエマルジョンと同様な濃度(3〜10%)において、過潤滑による噛み込み不良の発生及び板表面の油切り性の悪化が無い安定した圧延が可能になる。

0020

次に、上記水分散型アルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物について詳細に説明する。

0021

先ず、本発明の熱間圧延油組成物の(a)成分である鉱物油としては、例えばスピンドル油マシン油タービン油シリンダー油ニュートラル油等が挙げられるが、耐熱性及び潤滑性の点から、パラフィン系鉱物油がより好ましい。鉱物油の粘度は80cSt(40℃)以下であることが必要であり、80cStを超えると板表面の品質が低下してしまう。この(a)成分は基油であり、その配合量は特に制限されないが、50〜96.4重量%、特に60〜85重量%が好ましい。

0022

(b)成分のうち、油脂としては鯨油牛脂豚脂ナタネ油ヒマシ油パーム油ヤシ油等の動植物油脂が挙げられる。炭素数10〜22の脂肪酸としては、カプリン酸ラウリン酸ステアリン酸イソステアリン酸オレイン酸エルカ酸等が挙げられる。脂肪酸モノエステルとしては、炭素数10〜22の脂肪酸と炭素数1〜22の脂肪族1価アルコールエチレングリコールトリメチロールプロパンペンタエリスリトールグリセリン等とのモノエステル、より具体的にはカプリン酸メチルステアリン酸ブチル、オレイン酸ラウレート、エルカ酸2−エチルヘキシル、ペンタエリスリトールモノオレートグリセリンモノオレート等が挙げられる。これらの(b)成分は油性向上剤として作用するものであり、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。またその添加量は3〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%であり、3重量%未満では潤滑性が低下し、30重量%を超えると板表面の品質が低下する。また、油脂を配合する場合は、油脂の添加量は20重量%までとするのがより好ましい。

0023

(c)成分であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステルは、アルキル又はアルケニル基の炭素数が4〜18のものであり、その具体例としてジブチルホスフェート、モノオクチルホスフェートトリオレイルホスフェートトチブチルホスファイトジイソオクチルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げられる、モノ−、ジ−、又はトリエステルのうち、特にモノ−、ジエステルであるアルキル若しくはアルケニルアシッドホスフェート又はアルキル若しくはアルケニルアシッドホスファイトが好ましい。この添加量は0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%であり、0.5重量%未満では板表面の品質の向上はなく、10重量%を超える添加では、増量による板表面の品質の向上は期待できない。

0024

(d)成分の高分子化合物としては、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドとの共重合体、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリル酸塩との共重合体、一般式(1)の単量体(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸塩との共重合体等が挙げられる。このうち、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸塩とのモル比は、50〜90:0〜20:10〜50が特に好ましい。

0025

一般式(1)の単量体のアミン体としては、m=1のものとしてジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等がm=0のものとして、アリルアミンジメチルアミノメチルエチレン、ジエチルアミノメチルエチレン、ジメチルアミノメチルプロペン、ジエチルアミノメチルプロぺン等が挙げられるが、このうちm=1のものが特に好ましい。また、特に好ましい単量体(1)の具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。

0026

(メタ)アクリル酸塩としては、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸モノエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸ジエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸トリエタノールアミン塩等の(メタ)酸有機アミン塩が挙げられる。

0027

(d)成分の高分子化合物は、その平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲にあることが必要であり、平均分子量がこの範囲に満たないと乳化安定性が劣り、この範囲を超えると高分子化合物自体の安定性が劣ったり、高粘度となって取り扱いが困難となるため好ましくない。より好ましい平均分子量は30,000〜300,000である。

0028

(d)成分の高分子化合物の有機酸塩における必須の有機酸を示す一般式(2)中、R4としては炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、アルキル部の炭素数が1〜5のカルボキシアルキル基及びカルボキシル基が挙げられ、このうち炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。R4COO-の具体例としては、酢酸イオンプロピオン酸イオン酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオン、グリコール酸イオン、乳酸イオンヒドロアクリル酸イオン、シュウ酸イオンマロン酸イオン、コハク酸イオングルタル酸イオン、アジピン酸イオン等が挙げられるが、特にグリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロアクリル酸イオンが好ましい。

0029

高分子化学物の製造にあたっては、一般式(1)の単量体を重合し、その後一般式(2)の有機酸で中和するのが好ましいが、一般式(1)の単量体を一般式(2)の有機酸で予め中和したものを使用して重合させてもよい。例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのグリコール酸中和物を他の共重合単量体と重合することによって(d)成分を得ることもできる。

0030

(d)成分の高分子化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、熱間圧延油組成物全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように配合される。10重量%を超える場合は、耐圧荷重性能が小さくなって耐焼付き性の低下を招き、好ましくない。

0031

本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物には、上記成分の他に必要に応じて公知の添加剤、例えば防錆防食剤、酸化防止剤及び初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加することもできる。

0032

防錆・防食剤としては、例えばアルケニルコハク酸及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエステル、その他のアミン類等を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2重量%まで添加することができる。

0033

また、酸化防止剤としては、例えば2、4−ジtert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系化合物フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン等を用いることができる。これらは圧延油組成物全量に対して5重量%まで添加することができる。

0034

更に、乳化剤としては、例えばオレイン酸トリエタノールアミン塩石油スルホネートナトリウム塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2重量%まで添加することができる。

0035

本発明のアルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物を使用するに際しては、該組成物を水で希釈する。この際の希釈割合は特に限定されないが、通常該組成物濃度が1〜30重量%となるようにすることが好ましい。

0036

本発明の圧延油組成物は、(d)成分の高分子化合物等の持つ電気凝集効果立体障害効果保護コロイド効果高耐熱性能により、適度な粒径を持ち、熱間圧延のような過酷な使用条件下においてもその均一な乳化分散性及び粒径分布を長期間安定に保つことができるため、初期の良好な圧延潤滑性を長期間維持できる。また、(b)成分の油性向上剤のロールコーティング制御効果及び(d)成分の高分子化合物の持つ均一濡れ効果により、ロールコーティングが均一で薄いものになるため、均一で欠陥の少ない板表面が得られる。

0037

以下、本発明の実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。下記式にて示すカチオン系高分子化合物により水中に油分を持たせるエマルジョンとした熱間圧延油を使用して、入側板厚;29mm、板幅;1300mmのアルミニウムコイル(JIS5000系材)を4段圧延機ワークロール径;725mm、ワークロールバレル長;2900mm、バックアップロール径;1530mm、バックアップバレル長;2900mm)を四機連ねた4スタンドタンデムで圧延した。

0038

圧延速度;300mpm、圧下率;30乃至60%、材料温度;200〜500℃、油の粒径;5乃至15μmの条件で、油分濃度を確認しながら、カチオン系高分子化合物の投入新油量を調節することによって、油分濃度を変更した。この圧延実験により、圧延潤滑性及び板表面品質性を測定した。供試熱間圧延油組成物は以下のとおりである。

0039

(a)成分;パラフィン系鉱物油(70cSt/40℃) 61.5重量%
(b)成分;オレイン酸15.0重量%
豚脂15.0重量%
(c)成分;ジラウリルホスファイト3.0重量%
(d)成分;高分子分散剤(A)
[ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/アクリルアミド/アク
リル酸ナトリウム=80/5/15の共重合物の酢酸中和物
(Mw=40万)] 2.0重量%
その他 ;トリクレジルホスフェート2.0重量%
酸化防止剤1.0重量%
ノニオン系界面活性剤(I)
[ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
HLB=12.4] 0.5重量%
計100.0重量%。

0040

図1横軸に材料温度T(℃)をとり、縦軸に油分濃度ρ(%)をとって、材料温度に対する油分濃度最適制御範囲を示すグラフ図である。油分濃度と材料温度との関係がこの図1ハッチングにて示した領域に入っている場合に、適度な潤滑が得られ、過潤滑による噛み込み不良の発生が防止され、板表面の油切り性が優れていて、安定した圧延が可能になった。このハッチングにて示す領域の範囲が、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300である。

0041

また、図2は横軸に油分濃度をとり、縦軸に4機合計圧延荷重(Ton)をとって両者の関係を示すグラフ図である。この図2に示すように、油分濃度が1.5乃至7%の場合に潤滑が適度であった。これに対し、油分濃度が1%未満の場合は、圧延荷重が高く、潤滑不足で焼き付きが発生した。また、油分濃度が8%の場合は、従来の圧延油の油分濃度と同一であるが、この場合は圧延荷重は低いものの、過潤滑で板表面に油が残ってしまうという問題点がある。

0042

一方、図3は横軸に油分濃度をとり、縦軸に板表面性状をとって、油分濃度と、焼き付き並びに圧延油残り及び噛み込み不良との関係を示すグラフ図である。この図3に示すように、油分濃度が1.5%未満の場合は、焼き付きが多く発生し、油分濃度が4.5%を超える場合は、圧延油残り及び噛み込み不良が多く発生する。このため、油分濃度は1.5乃至4.5%が好ましい。

0043

この図1乃至3から明らかなように、本発明による圧延法によって、板表面品質及び圧延潤滑性が著しく向上し、安定した圧延ができた。

発明の効果

0044

本発明の圧延方法は、熱間圧延油エマルジョン中の油の濃度をρ(%)、材料温度をT(℃)としたとき、(1100−T)/600≦ρ≦(2100−2T)/300の範囲に圧延油エマルジョンの温度及び濃度を制御するので、過潤滑による噛み込み不良の発生を防止でき、板表面の圧延油切り性を向上させることができ、本発明により安定した圧延が可能となる。

0045

このように、本願発明は従来の圧延油を用いた圧延方法に比べ、熱間圧延時の噛み込み性の変化がなく、建浴初期の潤滑性が極めて優れ、建浴直後から高強度材の圧延が可能になる。また、乳化性の長期安定性とロールコーティング制御に発生もなく、優れた板表面品質性を長期安定に得ることができる。更に、カチオン系高分子化合物の抗菌機能により、バクテリアの発生を防止できるため、粒子径の過大化がなく、油粒径制御安定性が優れている。

図面の簡単な説明

0046

図1熱間圧延油エマルジョンの材料温度に対する油分濃度の最適制御範囲を示すグラフ図である。
図2熱間圧延油エマルジョンの油分濃度と熱間圧延における合計圧延荷重との関係を示すグラフ図である。
図3熱間圧延油組成物の油分濃度と熱間圧延後の板表面性状との関係を示すグラフ図である。

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