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技術 ラクトンの重合方法

出願人 株式会社ダイセル
発明者 渡辺一司小林憲兒渡部淳
出願日 1996年11月5日 (24年0ヶ月経過) 出願番号 1996-308724
公開日 1998年5月26日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1998-139868
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 ポリエステル、ポリカーボネート 生分解性ポリマー
主要キーワード 問題解決策 型取り材 ジブチルスズ化合物 ラクトン重合体 ラクトン単量体 硬化成形体 かつら 仕込組成
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この項目の情報は公開日時点(1998年5月26日)のものです。
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課題

色相臭気の点で問題がなく、酸価が低く、耐加水分解性を有するポリラクトン樹脂を製造するラクトン重合方法を提供する。

解決手段

ラクトンを開始剤触媒および有効成分の純度95%以上のカルボジイミドの存在下に重合させることを特徴とするラクトンの重合方法。カルボジイミドとしては、好ましくは一般式R−(−N=C=N−)n−R’(R、R’は炭素数1〜24の炭化水素基であり、R’はRと同一でも異なってもよく、RおよびR’で共に環を形成してもよい。nは1以上の任意の整数である。)で表されるものであり、特にN,N’−ビス(3,5−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドであることが好ましい。

概要

背景

概要

色相臭気の点で問題がなく、酸価が低く、耐加水分解性を有するポリラクトン樹脂を製造するラクトン重合方法を提供する。

ラクトンを開始剤触媒および有効成分の純度95%以上のカルボジイミドの存在下に重合させることを特徴とするラクトンの重合方法。カルボジイミドとしては、好ましくは一般式R−(−N=C=N−)n−R’(R、R’は炭素数1〜24の炭化水素基であり、R’はRと同一でも異なってもよく、RおよびR’で共に環を形成してもよい。nは1以上の任意の整数である。)で表されるものであり、特にN,N’−ビス(3,5−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドであることが好ましい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

ラクトン開始剤触媒および有効成分の純度95%以上のカルボジイミドの存在下に重合させることを特徴とするラクトンの重合方法

請求項2

該カルボジイミドが一般式R−(−N=C=N−)n−R’(R、R’は炭素数1〜24の炭化水素基であり、R’はRと同一でも異なってもよく、RおよびR’で共に環を形成してもよい。nは1以上の任意の整数である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のラクトンの重合方法。

請求項3

該カルボジイミドがN,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドであることを特徴とする請求項1記載のラクトンの重合方法。

請求項4

該ラクトン100重量部に対し該カルボジイミドを0.05〜5重量部を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラクトンの重合方法。

請求項5

該ラクトンがε−カプロラクトンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラクトンの重合方法。

請求項6

該触媒がスズ化合物および/またはチタン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラクトンの重合方法。

請求項7

該触媒がモノブチルスズ化合物および/またはジブチルスズ化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラクトンの重合方法。

請求項8

該触媒がモノブチルスズオキサイドおよび/またはモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラクトンの重合方法。

技術分野

0001

本発明は、ラクトン重合方法に関する。本発明方法によれば重合時間が短縮化され、臭気が無く、ゲル物がなく、色相の改善された、酸価の低い、耐加水分解性を有する高品質ラクトン重合体が得られる。ポリラクトン樹脂は、環境に放置される可能性が高く、生分解性を必要とする用途、粘着剤接着剤硬化成形体材料、ポリマー可塑剤ポリアミド樹脂改質剤相溶化剤塗料アルカリ水分散性バインダーインキおよび医療用途広範囲に利用できる。特に、ポリ−ε−カプロラクトン樹脂は高い結晶性を有するため室温では比較的高い硬度を有し、かつ、結晶融点が比較的低い(50〜60℃)という特性を有するため倍力操作用物体プラスチック粘土などに利用され、また、医療用ギブススプリント剤、放射線照射フェイスマスク、あるいは、かつら型取り材など人体各部の形取りを行い、人体にフィットさせるような用途に対しては最適の材料として上記以外の用途にも幅広く用いられている。

0002

一般的には、ポリラクトン樹脂は活性水素を有する開始剤および触媒の存在下にラクトンを120〜220℃に加熱撹拌開環重合することによって得られる。あるいは、ω−オキシカルボン酸を触媒の存在下に120〜220℃で脱水縮合してもポリラクトン樹脂を得ることができる。特に、数平均分子量が10,000〜200,000の高分子量分子量分布重量平均分子量/数平均分子量)が2以下のポリラクトン樹脂を得るためには、開始剤として少量のグリコールを用い、触媒の存在下に120〜220℃で開環重合する方法が適している。なぜなら、ω−オキシカルボン酸の脱水縮合方法では、上記のような高分子量で分子量分布の狭いポリラクトン樹脂は、実用的に得られない。また、開始剤として、モノマー中の水分を利用する場合は、末端カルボキシル基(−COOH)が生成し、後述するように耐加水分解性が劣る欠点があるばかりか、重合系にカルボン酸が存在する場合には、ラクトンモノマーの開環重合を阻害し、重合速度が著しく低減する。また、上記方法で製造されたポリラクトン樹脂は、臭気が強く、着色やゲル物の生成等品質的に大きな問題があった。

0003

一方、一般に線状ポリエステルに共通な問題として耐加水分解性に劣るということがある。また、数平均分子量10,000〜200,000の高分子量物を得ようとする場合には、特に、系中の水分を低減することが望ましいが、完全に除去することは不可能であり、水から開始したラクトン重合体の分子末端に−COOHが残存するポリマーが副生することは避けがたい。この−COOHが残存することによりポリエステルに共通の加水分解性がさらに助長され、経時的な重合度低下を引き起こすことになる。このため生分解性用途、医療用ギブス、スプリント材、型取り材などの用途において、板状または棒状の材料の状態で貯蔵中に重合度低下を引き起こし使用に堪え難いほど劣化する場合があった。

0004

これらの劣化対策として従来よりポリエステル樹脂加水分解防止に酸キャッチャーとしてのエポキシ化合物の添加、熱安定剤としてのリン化合物の添加など種々の方法が講じられている。しかしながら、これらのものはポリラクトン樹脂に対しては加水分解防止効果は充分でなく前記用途に対しては効果が少ない。このようにポリエステルの加水分解が起きると、たとえば、前記のような板状の材料を用いてかつらの型取りを行う場合、板状の材料を加温して軟化させ、頭部に押し当てようとしてもタレが起こり短い距離の移動もさせることが出来ず、また、たとえなんとか頭部に押し当てても垂れてしまうため全く作業が出来ないというトラブルになることもあった。また、医療用スプリント剤として使用するときは厚さ3ミリ程度のシートを60〜70℃の温水中に浸漬して結晶融解させてから空気中で人肌程度の温度まで冷却後人体患部に巻きつけて作業するわけであるが、重合度の低下したシートを用いた場合には、融解シートの溶融弾性不足しているためシートの垂れ下がり現象が現れ、患部に旨く巻きつける事が困難になるばかりでなく、硬化後のシートの強度も低下しているため、使用中にクラックを生ずる場合がある。また、重合度低下を起こしたシートの場合は厚みむらなどのため見かけも悪くなる。従来はこの様な加水分解による劣化が起きないうちに使用してしまうように在庫管理を厳密に行うことによりトラブルが起きるのを避けてきた。しかしながら、これでは本質的な問題解決策にはならず、特に、輸送日数を要する輸出などの場合には、在庫許容日数が無くなり厳密な在庫管理は不可能となる。

0005

ポリラクトン樹脂の加水分解防止に酸キャンチーとしてカルボジイミドを添加することも提案されている(特開昭50−160362号公報、特開昭59−129253号公報、特開昭61−241354号公報)。

0006

しかしながら、純度の低いカルボジイミドを使用した場合、かえって、着色や臭気の問題が発生し、樹脂にカルボジイミドを添加し耐加水分解性を改善しても用途によっては使用できない場合が多かった。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ラクトンの重合反応を精製された高純度のカルボジイミドの共存下に行うことにより、系中の無機酸や有機酸および微量存在する水から開環したラクトンモノマー末端に生成するカルボキシル基を迅速に無害化することにより、重合反応速度が大幅に速くなり、かつ、得られるポリラクトン樹脂の機械的特性などを損なうことなく、耐加水分解性が大幅に向上し、ゲル物もなく着色や臭気の問題も解消されることを見いだし、本発明を完成した。

0008

すなわち本発明は、ラクトンを開始剤、触媒および有効成分の純度95%以上のカルボジイミドの存在下に重合させことを特徴とするラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該カルボジイミドが一般式:R−(−N=C=N−)n−R’(R、R’は炭素数1〜24の炭化水素基であり、R’はRと同一でも異なってもよく、RおよびR’で共に環を形成してもよい。nは1以上の任意の整数である。)で表される化合物であることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該カルボジイミドがN,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドであることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該ラクトン100重量部に対し該カルボジイミドを0.05〜2重量部を用いることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該ラクトンがε−カプロラクトンであることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該触媒がスズ化合物および/またはチタン化合物であることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。また、本発明は該触媒がモノブチルスズ化合物および/またはジブチルスズ化合物であることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。さらに、本発明は触媒がモノブチルスズオキサイドおよび/またはモノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)であることを特徴とする前記ラクトンの重合方法を提供するものである。以下、詳細に本発明を説明する。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明に用いるラクトンとしては、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン等のメチル化カプロラクトン、β−プロピオラクトンγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンおよびこれら2種以上の混合物が挙げられるが、中でも工業的に最も有益なε−カプロカクトンが好ましく用いられる。本発明に用いるラクトンにはオキシカルボン酸などのポリラクトン形成性誘導体も含むものとする。具体的にはγ−オキシ酪酸、ω−オキシカプロン酸などが挙げられる。

0010

本発明に用いられる開始剤としては、水以外の活性水素を有する化合物であればいずれでもよいが、好適な開始剤としては、アルコールおよびグリコールが挙げられ、高分子量ポリラクトン樹脂を製造する場合には、グリコールが特に好ましい。例えば、エチレングリコールプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコールジエチレングリコールネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。開始剤の種類や量は製造するポリラクトン樹脂の用途により決められる。

0011

本発明の触媒としては、一般的な開環付加重合触媒が使用される。具体的には無機塩基、無機酸、有機アルカリ金属触媒、スズ化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物亜鉛化合物モリブデン化合物およびジルコニウム化合物等が例示できる。なかでも、取扱い易さ、低毒性、反応性、無着色性、耐安定性等のバランスからスズ化合物、チタン化合物が好ましく用いられる。好適には、スズ化合物としては、具体的にはオクチル酸第一スズ、モノブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)等のモノブチルスズ化合物、ジブチルスズオキシドジイソブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジ−n−ブチルスズジラウレート等のジブチルスズ化合物、またはチタン化合物としては、具体的にはテトラメチルチタネートテトラエチルチタネート、テトラn−プロピルチタネート、テトラ−イソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等が挙げられる。これらは各単独であるいは混合して使用することができる。なかでもモノブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)などのモノブチルスズ化合物が高純度のカルボジイミドとの混合により、ラクトンモノマーの開環重合反応が著しく促進されるため好ましく用いられる。

0012

カルボジイミド共存下では反応速度が著しく速くなるので触媒量は通常より少なくてもよく、触媒量は用いる原料100重量部に対して0.0001〜0.1重量部、好ましくは0.0002〜0.05重量部、更に好ましくは0.0005〜0.02重量部である。上記触媒量が0.0001重量部を下回る場合には、ラクトン単量体の重合速度が遅く、逆に0.1重量部を上回る場合には、得られたラクトン重合体に着色が生じたり、熱安定性が低下することがあるため好ましくない。本発明においては、上述したように触媒量が少なくて済むので得られるポリラクトン樹脂中の残存触媒量も通常より少なく、貯蔵中の分解もそれだけ少なくなり、長期保存安定性も改善されることが期待される。

0013

本発明に用いるカルボジイミドは公知の方法により適当な触媒の存在下に有機イソシアネートを加熱し脱炭酸反応で製造でき、好適な有機シアネートとしてはシクロヘキシルイソシアネート、2,6−ジイソプロピルシクロヘキシルイソシアネート、フエニルイソシアネートトリルイソシアネート、3,5−ジイソプロピルフエニルイソシアネート,フニレジイソシアネートトリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フエニルイソシアネート)、ジプロルフエニレンジイソシアネート、1,3−ジイソプロピルフエニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4,5−トリイソプロピルフエニレン−1,3−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などが挙げられる。カルボジイミドとしては一般式R−(−N=C=N−)n−R’(R、R’は炭素数1〜24の炭化水素基であり、R’はRと同一でも異なってもよい。またRおよびR’で共に環を形成してもよい。nは1以上の任意の整数である。)で表される化合物が好ましく、具体的な例としてはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルシクロヘキシル)カルボジイミド、N,N’−ビス(3,5−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドなどが挙げられる。中でもN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドがε−カプロラクトンの重合には好適である。

0014

用いるカルボジイミドの有効成分の純度は95%以上であることが好ましい。有効成分の純度が95%以下では得られるポリラクトン樹脂に着色したり、臭気の問題が発生し、好ましくない。用いるカルボジイミドの量はポリラクトン樹脂に添加する場合より少なくても良く、ラクトン100重量部に対して0.05〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。用いるカルボジイミドの量が少なすぎると−COOH基封鎖が十分でないため加水分解防止効果が乏しく、逆に多すぎても効果は変わりなく、逆に着色の問題も再発するため好ましくない。

0015

重合温度としては、50〜250℃であるが、好ましくは100〜220℃、更に好ましくは150〜200℃の範囲である。50℃を下回る場合には、ラクトン単量体の重合速度が遅く、逆に250℃を上回る場合には、ラクトン重合体の熱分解反応が発生し、着色したり、分解物が生成するため好ましくない。本発明においては、前述したように触媒とカルボジイミドの共存下に重合反応を行うため、反応が促進されるので反応温度も低くして実施できる。したがって、分解物の生成が抑えられるので、得られるポリラクトン樹脂の長期保存安定性も改善されると期待される。

0016

本発明の重合方法により得られるポリラクトン樹脂の数平均分子量は、通常300〜200,000の範囲である。なお、上記数平均分子量は、公知の数平均分子量の測定方法を用いることにより測定でき、特に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いる方法が最も簡便で好ましく用いられる。

0017

以下、本発明のラクトンの重合方法を更に詳細に説明する。先述した本発明のラクトンの重合方法における反応装置としては、公知の反応装置を問題なく使用できる。具体的には攪拌羽根式バッチ型反応装置、半連続および連続式反応装置ニーダー混練機押出機等のスクリュー型混練機、スタティミキサー型反応装置およびこれらを連続的に連結した反応装置などが挙げられる。

0018

また本発明の重合方法において、原料に含有される水分量は0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下とすることが望ましい。原料に含有される水分量が0.5重量%を上回ると、水分からのラクトン単量体の付加重合が起こり、カルボジイミドが消費され、ついには耐加水分解性の改良効果が無くなるため、好ましくない。更に本発明の重合方法において、任意の希釈溶媒や安定剤等の添加剤を混合することも支障なく実施できる。

0019

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0020

(実施例1)撹拌機温度計窒素導入管およびコンデンサーを備えた20リットル重合機に、ε−カプロラクトン(水分0.01%)10kg、開始剤としてジエチレングリコール10g、触媒としてモノブチルスズオキシド0.1gおよびビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(ラシッヒ社製、スタビライザー7000、純度100%)20gを仕込み窒素ガスを吹き込みながら温度160℃で撹拌した。6時間後、系中に残存するε−カプロラクトンモノマー量が、0.2モル%になったことを確認し、サンプリングし、上記サンプリング樹脂のGPC測定による標準ポリスチレン換算数平均分子量、分子量分布値(Mw/Mn)、酸価、MIメルトフローインデックス)、色相(固形分30%キシレン溶液JISK1557のAPHA値)を表−1にまとめて記載した。重合機に窒素圧を約2気圧かけ、ポリラクトン系樹脂ストランドに引き、水槽で冷却させペレッティングした。ペレットは40℃オーブン中で5時間乾燥した。上記ペレットを用い、厚み100μmのフィルム成形した。東洋精機(株)製、ラボプラストミル30C150で溶融した樹脂(200℃)をT−ダイ成形機に送り、幅15cm、厚み100μmのフィルムとし、引張速度10m/分で巻き取った。 得られたフィルムの臭気を4段階で評価し、フィルム中のフィッシュアイ個数およびフィルムのGPC測定、酸価(固形分5重量%となるようにアセトンに溶解し0.1N−NaOH標準液による滴定で測定)、MI(JIS K7210)および色相を測定し、成形前のデータと比較することにより耐加水分解性の評価を行った。

0021

(実施例2)実施例1と同じ重合機および同じ仕込組成において、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドの添加時期を変更する仕込操作を実施した。重合機に、ε−カプロラクトン(水分0.01%)10kg、開始剤としてジエチレングリコール10g、触媒としてモノブチルスズオキシド0.1gを仕込み、160℃に撹拌しながら昇温した。昇温から5分後にビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(ラシッヒ社製、スタビライザー7000、純度100%)20gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら温度160℃で撹拌した。160℃昇温直後から4時間後、残存、残存するε−カプロラクトンモノマー量が0.2モル%になったことを確認した。その後は実施例1と同様に行った。結果を表−1に示す。

0022

(比較例1)実施例1と同じ重合機を用い、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドを添加しないこと以外は全て同じ仕込組成、反応条件下で重合を行った。この系では、重合速度が遅く、160℃昇温直後から20時間後にようやく残存モノマー量が0.7%に達した。結果を表−1に示す。

0023

(比較例2)実施例1と同じ重合機を用い、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(バイエル社製、スタバックゾール、純度91%)を添加した系で、実施例1と同じ仕込組成、反応条件下で重合を行った。重合は、160℃昇温直後から7間後、残存モノマー量が0.4%に達した。結果を表−1に示す。

0024

(比較例3)比較例1で得られたペレット100重量部に対し、ビス(2,6−ジイソプロピルフエニル)カルボジイミド(スタビライザー7000、純度100%)0.2重量部を配合し、実施例1と同様の条件下でフィルム成形を行った。結果を表−1に示す。

0025

なお、実施例および比較例で得たポリラクトン樹脂の総合評価使用可・・〇、やや劣るが使用可・・△、使用不可・・×とした。

0026

発明の効果

0027

以上詳しく説明したように、本発明によれば反応速度が速くなるため、触媒を減量でき、耐加水分解防止剤のカルボジイミドの使用量も少なくて済むため原料原単位の点で有利であり、得られるポリラクトン樹脂は色相、臭気の点で問題がなく、酸価が低く、耐加水分解性に優れ、長期保存安定性も期待でき、生分解性用途、医療用途粘着剤をはじめ、接着剤、硬化成形体材料、ポリマー可塑剤、ポリアミド樹脂改質剤、相溶化剤、塗料、アルカリ水分散性、バインダー、インキ等広範囲に利用できる。

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