図面 (/)

技術 嵌合作業を行なうための協調ロボットシステム

出願人 ファナック株式会社
発明者 榊原伸介古川善久
出願日 1996年10月17日 (24年1ヶ月経過) 出願番号 1996-295700
公開日 1998年5月15日 (22年6ヶ月経過) 公開番号 1998-124121
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ・ロボット 自動組立 数値制御 マニプレータ マニプレータの制御、安全及び主従型のもの 数値制御
主要キーワード 設定インピーダンス 各力成分 Y座標 支援力 把持形態 設定機 各力センサ 動作支援
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年5月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

嵌合作業における挿入動作に2台のロボット合力を利用して行なうロボットシステム

解決手段

ロボットコントローラ3で制御される被サポートロボット1、サポートロボット2の手先部11,21には、力センサ12,22を介してハンド13が装着されている。力センサ12,22からは、6軸力を表わす検出信号がロボットコントローラ3に出力され、ロボット1,2の力制御に利用される。挿入動作時には、ロボット2の力センサ12に挿入動作支援のための力作用手段として押し付けツール6が装着されている。嵌合ワーク4を被嵌合ワーク5の凹部51へ挿入する際に、押し付けツール6がハンド13の把持爪間から進入し、ロボット2の力制御による動作によって嵌合ワーク4の頂部41に押し付けられる。これにより、ロボット1の力制御による挿入動作が支援される。

概要

背景

嵌合作業は多くの組立工程等に含まれる基本的な作業の一つであり、ロボットを用いた嵌合作業の自動化も既に実施されている。ロボットを用いた嵌合作業においては、一方のワーク(嵌合ワーク)がロボットで把持され、他方のワーク(被嵌合ワーク)の所定部位(通常は凹部)に挿入される。嵌合ワークを把持するロボットには力制御ロボットが用いられることが多い。

力制御ロボットが嵌合作業に好んで用いられるのは、嵌合ワーク/被嵌合ワーク間の位置・姿勢の関係のばらつきを吸収し、挿入動作中の力あるいはモーメントを所定の条件で制御する機能があるからである。しかし、力制御ロボットを用いても嵌合作業が円滑に行なわれない場合がある。例えば、被嵌合ワーク側の凹部の形状・寸法が嵌合ワークの凸部の形状・寸法とタイトな関係にある場合、両ワーク接触面間摩擦力が大きな場合、あるいは被嵌合ワークの弾性に抗して挿入動作を遂行しなければならない場合などにおいては、挿入動作時に作用する抵抗力が大きくなり、ロボットによる嵌合ワークの押し付け力不足する事態が発生し易くなる。

嵌合作業に用いられている従来のロボットシステムにおいては、挿入動作に必要な力は専ら嵌合ワークを把持した単独のロボットに求められていたため、挿入動作で必要と予測される力を確実に上回る力が出力可能なロボットを用意しなければならず、嵌合作業にロボットシステムを導入する際の難点となっていた。

概要

嵌合作業における挿入動作に2台のロボットの合力を利用して行なうロボットシステム。

ロボットコントローラ3で制御される被サポートロボット1、サポートロボット2の手先部11,21には、力センサ12,22を介してハンド13が装着されている。力センサ12,22からは、6軸力を表わす検出信号がロボットコントローラ3に出力され、ロボット1,2の力制御に利用される。挿入動作時には、ロボット2の力センサ12に挿入動作支援のための力作用手段として押し付けツール6が装着されている。嵌合ワーク4を被嵌合ワーク5の凹部51へ挿入する際に、押し付けツール6がハンド13の把持爪間から進入し、ロボット2の力制御による動作によって嵌合ワーク4の頂部41に押し付けられる。これにより、ロボット1の力制御による挿入動作が支援される。

目的

そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、挿入動作に必要な力を専ら嵌合ワークを把持するロボットに求めなくても良いロボットシステムを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

合ワーク把持する被サポートロボットと、前記被サポートロボットの挿入動作支援するための挿入動作支援力作用手段を支持したサポートロボットと、前記サポートロボットと被サポートロボットを制御するロボットシステム制御手段を備えた、嵌合作業を行なうための協調ロボットシステムであって、前記ロボットシステム制御手段は、前記被サポートロボットによる前記嵌合ワークの被嵌合ワークへの挿入動作に際して、前記サポートロボットを前記被サポートロボットに接近させ、次いて、前記挿入動作支援力作用手段が前記被サポートロボットによる挿入動作を協調支援するように動作させる、前記嵌合作業を行なうための協調ロボットシステム。

請求項2

嵌合ワークを力サンサを介して取り付けられたハンドで把持する被サポートロボットと、前記被サポートロボットの挿入動作を支援するための挿入動作支援力作用手段を力サンサを介して支持したサポートロボットと、前記サポートロボットと被サポートロボットを制御するロボットシステム制御手段を備えた、嵌合作業を行なうための協調ロボットシステムであって、前記ロボットシステム制御手段は、前記被サポートロボットの力制御による前記嵌合ワークの被嵌合ワークへの挿入動作に際して、前記サポートロボットを前記被サポートロボットに接近させ、次いて、前記挿入動作支援力作用手段が前記被サポートロボットによる挿入動作を協調支援するように力制御によって動作させる、前記嵌合作業を行なうための協調ロボットシステム。

請求項3

前記挿入動作支援力作用手段が、挿入動作支援時に前記嵌合ワークに押し付け力を作用させる突起部を有する押し付けツールである、請求項1または請求項2に記載された嵌合作業を行なうための協調ロボットシステム。

技術分野

0001

本発明は部品組立工程等で必要とされる嵌合作業を自動化するための技術に関し、更に詳しく言えば、嵌合作業の自動化に用いられる協調ロボットシステムに関する。

背景技術

0002

嵌合作業は多くの組立工程等に含まれる基本的な作業の一つであり、ロボットを用いた嵌合作業の自動化も既に実施されている。ロボットを用いた嵌合作業においては、一方のワーク(嵌合ワーク)がロボットで把持され、他方のワーク(被嵌合ワーク)の所定部位(通常は凹部)に挿入される。嵌合ワークを把持するロボットには力制御ロボットが用いられることが多い。

0003

力制御ロボットが嵌合作業に好んで用いられるのは、嵌合ワーク/被嵌合ワーク間の位置・姿勢の関係のばらつきを吸収し、挿入動作中の力あるいはモーメントを所定の条件で制御する機能があるからである。しかし、力制御ロボットを用いても嵌合作業が円滑に行なわれない場合がある。例えば、被嵌合ワーク側の凹部の形状・寸法が嵌合ワークの凸部の形状・寸法とタイトな関係にある場合、両ワーク接触面間摩擦力が大きな場合、あるいは被嵌合ワークの弾性に抗して挿入動作を遂行しなければならない場合などにおいては、挿入動作時に作用する抵抗力が大きくなり、ロボットによる嵌合ワークの押し付け力不足する事態が発生し易くなる。

0004

嵌合作業に用いられている従来のロボットシステムにおいては、挿入動作に必要な力は専ら嵌合ワークを把持した単独のロボットに求められていたため、挿入動作で必要と予測される力を確実に上回る力が出力可能なロボットを用意しなければならず、嵌合作業にロボットシステムを導入する際の難点となっていた。

発明が解決しようとする課題

0005

そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、挿入動作に必要な力を専ら嵌合ワークを把持するロボットに求めなくても良いロボットシステムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明によれば、上記技術課題は、嵌合ワークを把持するロボットを被サポートロボットとし、これを支援するサポートロボットを含む協調ロボットシステムによって解決される。サポートロボットは、被サポートロボットの挿入動作を支援するための挿入動作支援力作用手段を支持する、両ロボットを制御するロボットシステム制御手段は、被サポートロボットによる嵌合ワークの被嵌合ワークへの挿入動作に際して、サポートロボットを被サポートロボットに接近させ、次いて、挿入動作支援力作用手段が被サポートロボットによる挿入動作を協調支援するように動作させる。

0007

典型的には、嵌合ワークは力サンサを介して取り付けられたハンドで把持されるとともに、挿入動作支援力作用手段は力サンサをサポートロボットに支持される。ロボットシステム制御手段は、これら力センサの出力を利用して、被サポートロボットの挿入動作とその支援動作力制御により実行する。挿入動作支援力作用手段には、挿入動作支援時に嵌合ワークに押し付け力を作用させる突起部を有する押し付けツールを用いることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0008

図1は、本発明に従った協調ロボットシステムの全体配置を例示した見取り図である。同図に示したように、システムは2台のロボット1,2とこれらロボット1,2を制御するロボットコントローラ3を備えている。ロボット1,2の手先部11,21には、各々力センサ12,22が取り付けられている。各力センサ12,22には、例えば歪ゲージで構成され発振器により交流駆動される複数のブリッジ回路信号処理部を内蔵した公知のものが使用出来る。各力センサ12,22からは、各力センサに作用する6軸力の各成分を表わす検出信号がロボットコントローラ3に出力され、ロボット1,2の力制御に利用される。

0009

ロボット1の力センサ11にはハンド13が装着される一方、ロボット2の力センサ12には、挿入動作支援のための力作用手段として押し付けツール6が装着されている。本事例における嵌合作業は、円筒状の嵌合ワーク4を被嵌合ワーク5の凹部51へ挿入するものであり、挿入動作時には、押し付けツール6がハンド13の把持爪間から進入し、ロボット2の力制御による動作によって嵌合ワーク4の頂部41に押し付けられる。符号61は押し付け時に嵌合ワーク4の頂部に接触する突起を表わしている。

0010

被嵌合ワーク5は作業テーブル7上に位置決めされており、また、作業テーブル7のワーク載置面をXY平面とする作業座標系Σw が両ロボット1,2に設定されている。本システムを用いた嵌合作業は、ロボット1による嵌合ワーク4の挿入動作をロボット2が協調支援(サポート)する方式で実行される。即ち、本事例では、押し付けツール6を支持したロボット2がサポートロボットとなり、嵌合ワーク4を支持したロボット1が被サポートロボットとなる。なお、挿入に際しての動作支援の詳細については後述する。

0011

ロボットコントローラ3全体は、図2に示したように、協調動作時にマスターロボットとなるロボット1のための制御部31と、同じく協調動作時にスレーブロボットとなるロボット2のための制御部32から構成され、両者は通信回線CLまたはバスラインBLにより結合されている。制御部31はロボット1の他に力センサ12、ハンド13及び教示操作盤104に接続され、制御部32はロボット2の他に力センサ22に接続されている。

0012

制御部31,32のハードウェアはほぼ共通の構成とすることが出来る。そこで、ここでは制御部31の要部構成を図3に示した。同図に示したように、制御部31は、中央演算処理装置メインCPU、以下単にCPUと言う。)101を有し、該CPU101には、RAM及びROMからなるメモリ102、動作の教示・座標設定等を行う為の教示操作盤104に接続された教示操作盤用インターフェイス103、通信インターフェイスを兼ねた汎用入出力インターフェイス105及びサーボ制御部#1〜#7がバス106を介して接続されている。

0013

サーボ制御部#1〜#6は各サーボアンプを介してロボット1の各軸モータM1〜M6に接続されている。サーボ制御部#7及びモータM7は付加軸用のもので、ハンド13としてサーボハンドを使用する場合、モータM7はハンド13を駆動するサーボモータである。サーボハンドを使用しない場合には、ハンド13の駆動部(図示省略)は汎用信号インターフェイスに接続される。

0014

力センサ12の出力は、汎用信号インターフェイスを介して制御部31に取り込まれ、CPU101は、これを順次メモリ102内の所定領域に格納する。格納された力センサ12の出力データは、ロボット1の力制御(例えばインピーダンス制御)の為に利用される。力センサ22の出力についても同様に制御部32のメモリに格納され、ロボット2の力制御の為に利用される。

0015

メモリ102のROM、RAM及び不揮発性メモリは、上記力センサ12の出力データの格納の他に、制御部31自身の動作を制御するプログラム、嵌合作業のための動作プログラムデータ、制御部32との間の信号授受コントロール等を実行するプログラム並びに各処理の関連設定値の格納等に用いられる。この設定値には、力センサ12に設定されたセンサ座標系設定データ、前述の作業座標系Σw のデータ、ロボット1の力制御の条件等を定めた設定データなどが含まれる。なお、これらに対応する事項は、ロボット2側の制御部32についても同様なので、繰り返しの説明は省略する。

0016

次に、以上の事項を前提として本実施形態における嵌合作業のシーケンス概要図4図8参照図に加えて説明する。なお、ロボット1のプレアプローチ位置姿勢データ、ロボット1,2のアプローチ位置・姿勢データ、嵌合長データなど要事前教示データは、周知の方式(ティーチングプレイバック方式、マニュアル入力方式など)を用いてすべてロボットコントローラ3に教示済みであるものとする。

0017

また、図4図7においては、嵌合ワーク4、被嵌合ワーク5を各々段付円筒と穴あき円筒の断面で模式描示し、ハンド13、力センサ12,22などの描示は省略した。ロボット1,2のツール先端点TCP1,2は各々嵌合ワーク4の先端面の中心点及び押し付けツール61の突起先端に、図4他に示したような向きを以て設定されているものとする。図8には、下記1.〜9.のシーケンスをまとめてフローチャートで示した。括弧で示したステップ番号は、図8のフローチャート中のものを引用した。

0018

1.サポートロボット2のプレアプローチ点待機(ステップS1):押し付けツール6を支持したロボット2を、行列WQP で表わされる教示済みのプレアプローチ点へ移動・位置決めして待機させておく。行列 WQP は、ロボット2のプレアプローチ点におけるツール先端点TCP2の位置・姿勢を作業座標系Σw 上で表わしている。なお、サイクルタイム縮化の観点から、このプレアプローチ点はロボット2のホームポジション(ワーク一対の嵌合作業終了毎の復帰位置)とすることが好ましい。但し、ロボット2のプレアプローチ点は、図示を省略したハンド13の爪の位置なども考慮して、押し付けツール6の先端をアプローチ完了状態にある嵌合ワーク4の頂面41へ向けて接近させる際に干渉が生じないように選ばれる必要がある。

0019

2.被サポートロボット1のアプローチ移動(ステップM1):嵌合ワーク4を把持したロボット1(TCP1)を、先行する教示点位置から、挿入動作開始のためのアプローチ点へ移動させ、位置決めする。ロボット1のアプローチ点は、作業座標系Σw 上でアプローチ位置・姿勢を表わす行列WAA のデータで教示されている。

0020

図4には、ロボット2のプレアプローチとロボット1のアプローチが完了した状態が描かれている。同図から理解されるように、ロボット1のアプローチ点は、嵌合ワーク4の挿入開始時の位置・姿勢を教示したものである。

0021

3.被サポートロボット1のアプローチ動作完了信号送受信(ステップM2/ステップS2):制御部31から制御部32へ、ロボット1のアプローチ完了を伝える。
4.サポートロボット2のアプローチ移動(ステップS3):押し付けツール6を支持したロボット2(TCP2)を、教示済みのロボット2のアプローチ点へ移動・位置決めして待機する。ロボット2のアプローチ点は、作業座標系Σw上でアプローチ位置・姿勢を表わす行列WQAのデータで教示されている。

0022

図5には、ロボット1,2のアプローチ移動が完了した状態が描かれている。これから判るように、ロボット2のアプローチ点は、押し付けツール6の突起先端点に設定されたTCP2が、嵌合ワーク4の頂面41の中心点に一致し、且つ、押し付けツール6の下面62が嵌合ワーク4の頂面41に平行となるように教示されている。

0023

5.サポートロボット2のアプローチ動作完了/協調動作開始同期信号の送受信(ステップS4/ステップM3):制御部32から制御部31へ、ロボット2のアプローチ完了を伝える。この信号は、協調動作開始の同期信号を兼ねる。

0024

6.協調挿入動作/挿入支援動作(ステップM4/ステップS5):アプローチ動作完了/協調動作開始同期信号送受信後、直ちに被サポートロボット1による挿入動作とサポートロボット2による挿入支援動作を開始させる。両ロボット1,2について、アプローチ状態からの移動方向は、凹部51の底部へ向う軸方向として予め教示されている挿入方向ベクトルnの方向とする。力制御状態に入ったロボット1,2の協調動作については、後述・補足する。

0025

図6には、挿入動作進行中の状態が描かれている。行列WAH, WQH は各々挿入動作進行中のツール先端点TCP1,TCP2の位置・姿勢を表わしている。

0026

7.挿入動作完了判定(ステップM5):ロボット1が予め教示された挿入長Lだけ進行するか、挿入動作開始後設定時間Tの経過のいずれかを以て挿入動作完了と判定する。なお、挿入長Lは、嵌合ワーク4の先端を凹部51の底に確実に到達させたい場合には、最大可能挿入長よりもやや大きめに設定する。そうでない場合には、最大可能挿入長よりもやや小さく設定する。そして、設定時間Tの経過による判定は、省くかあるいはエラー信号出力(ワーク挿入失敗)の判定に採用しても良い。

0027

8.協調挿入動作完了信号送受信(ステップM6/ステップS6):挿入動作完了と判定されたならば、直ちに制御部31から制御部32へ協調挿入動作完了信号を送信する。

0028

9.協調挿入動作/挿入支援動作終了(ステップM7/ステップS7):協調挿入動作完了信号送受信後、直ちに被サポートロボット1とサポートロボット2の力制御を解除し、動作を停止させて両制御部31,32の処理を終了する。図7には、協調挿入動作完了時の状態が描かれている。 WAE, WQE は各々挿入動作完了時のツール先端点TCP1,TCP2の位置・姿勢を作業座標系Σw 上で表わした行列である。

0029

以上が本実施形態における嵌合作業のシーケンスの概要である。本発明のシステムは、サポートロボットで被サポートロボットの挿入動作を支援する点に基本的特徴があり、両ロボットの挿入動作と挿入支援動作を力制御で実行することは必ずしも必須の要件ではないが、挿入動作と挿入支援動作を円滑に実行するためには、上記シーケンスのように力制御方式を採用することが好ましい。

0030

力制御としては、種々のものが知られているが、いずれもロボットの手先部に作用する力を所望の状態(典型的には、予め定められた一定値)に保つように制御する制御方式である。従って、本実施形態の例で言えば、ロボット1、ロボット2について次のような6軸力の条件でステップM4、ステップS5の移動中に力制御を行なえば良い。なお、本事例では挿入方向nは座標系Σw のZ軸方向に一致していることに注意

0031

[X軸方向及びY軸方向の力の条件]
1.ロボット1:力制御有効。FX =FY =0の条件で力制御を行なう。
2.ロボット2:力制御無効(力センサ出力用いず)とし、アプローチ位置のX,Y座標値を維持するためにX軸方向及びY軸方向の移動を命ずるような移動指令は出力しない。

0032

[Z軸方向の力の条件]
1.ロボット1、2:ロボット1,2の各力成分FZ について適当な力の条件F1 ,F2 を設定して力制御を行なう。F1 ,F2 は、両者の和F1 +F2 が挿入動作を確実に遂行するのに必要とされる最低挿入力を適度に上回るように設定する。F1 +F2 が過小であれば挿入不全を起す可能性があり、F1 +F2 が過大であればワーク、ハンド等の損傷の恐れがある。また、F1 ,F2 の値がロボット1,2各々の能力(最大力出力)から見て無理のないように配慮することは言うまでもない。

0033

[X軸回り、Y軸周り及びZ軸周りのモーメントの条件]
1.ロボット1:XY各軸回りのモーメントをいずれも0、即ちμX =μY ==0の条件で力制御を行なう。Z軸周りについては力制御は行なわず、Z軸周りの移動を命ずるような移動指令も出力しない。
2.ロボット2:X軸回り、Y軸周り及びZ軸周りについて、力制御無効(力センサ出力用いず)とし、アプローチ姿勢を維持するために、X軸回り、Y軸周り及びZ軸周りの移動を命ずるような移動指令は出力しない。

0034

最後に、力制御の一例としてインピーダンス制御法について説明するが、この制御方法自体は公知であるから、概要と本実施形態への適用法を簡単に述べることにする。インピーダンス制御法(機械インピーダンス制御とも言う。)は、ロボットをある望ましい慣性を持ち、ダンパバネにより目標軌道釣り下げられた仮想的な一つの剛体であるかのように動作させる制御法である。ロボットをそのような系にモデル化するために、系は慣性、ダンパ及びバネを表現するパラメータ記述される。系を記述するように設定されたパラメータの組は、設定機インピーダンスと呼ばれる。系の運動方程式は、これらパラメータを用いて表現することが出来る。

0035

一般に、インピーダンス制御法を適用する際には、慣性、ダンパ及びバネを表現するパラメータを適当に設定し、目標位置(姿勢を含む)、速度、加速度並びに目標力を与える。目標力は、上記力の条件で説明したものを指定すれば良い。また、目標軌道については、アプローチ点の位置、姿勢 WTA , WQAと挿入長Lから算出出来る。本実施形態では、位置に関する目標は挿入方向の速度で与えられる。

0036

今、目標力をDFd とし、これを更に DFd =[ Dfd T , Dτd T ]T で表わすことにする。ここで、 Dfd は目標とする力、 Dτd は目標とするトルクである。ロボット1について上記力制御の条件を当てはめれば、力 Dfd とトルクDτd は次式(1),(2)で表わされる。
Dfd =[0, 0,Dfz ]T =[0, 0,F1 ]T ・・・(1)
、 Dτd =[0,0,0]T ・・・(2)
同様に、ロボット2について上記力制御の条件を当てはめれば、力 Dfd とトルク Dτd は次式(3),(4)で表わされる。
Dfd =[0, 0,Dfz ]T =[0, 0,F2 ]T ・・・(3)
Dτd =[0,0,0]T ・・・(4)
なお、(1)〜(4)式において、力制御無効とする目標成分については0とした。

0037

TCP1またはTCP2が挿入方向nに沿って移動し、嵌合が完了して図7に示した状態になると、嵌合ワーク4の先端面が凹部51の底に突き当たり、ロボット1,2は上記各目標力DFd に設定された平衡状態に到達し、移動は停止する。

0038

今、TCP1またはTCP2を位置、姿勢の6次元ベクトルで表したものを DrC とすると、設定インピーダンスで記述される運動方程式は次式(5)となる。

0039

ID=000003HE=010 WI=088 LX=0610 LY=2050
上記(5)式において、変数rの上に付したドット数はその数だけの微分を表す。DFc は6軸力センサ12または22で検出される力であり、右辺は目標力DFd との偏差に力のゲイκF をかけたものである(以下、便宜上κF =1とする)。また、上記(5)式において、
Mは6行6列の目標慣性行列
Dは6行6列の目標粘性行列
Kは6行6列の目標剛性行列
である。この実施形態のように、力制御方向、位置制御方向を決めた場合には、
M=diag(m1 ,m2 ,・・・m6 )
D=diag(d1 ,d2 ,・・・d6 )
K=diag(k1 ,k2 ,・・・k6 ) ・・・(6)
とし、
K=0 ・・・(7)
とする。そして、残りのパラメータと(9)式の具体的な数値制御対象に依存するので、チューニングなどにより決定し、インピーダンスデータ中に設定する。

0040

上述のインピーダンス設定と目標力の設定により、ツール先端点に加わる力に応じ、ロボット1あるいはロボット2が位置・姿勢を挿入軸整合させるよう力制御により動作し、円滑な嵌合作業が可能となる。上記(5)式より、次の(8)式によってロボット1あるはロボット2の手先の目標加速度が求まる。

0041

ID=000004HE=010 WI=088 LX=0610 LY=0450
ロボットの関節変数をθとし、この関節変数の1回微分と上記ベクトルDrCの1回微分の関係を表すヤコビ行列をJとすると、次の(9)式が成り立つ。

0042

ID=000005HE=010 WI=088 LX=0610 LY=0700
上記(9)式における目標加速度(θd の2ドット)を直接的に実現する方法の1つとして、ロボットの運動方程式を次の(10)式として、(11)式で求められる値uをアクチュエータへの指令値(モータへのトルク指令)uとする方法がある。

0043

0044

ID=000007HE=010 WI=088 LX=0610 LY=1150
なお、上記(10),(11)式において、
τ:ロボットの各関節のトルク
I(θ):ロボット慣性行列
h(θ,θの1ドット):コリオリ力遠心力等の非線形
である。

0045

また、各アクチュエータ(モータ)毎に位置、速度のサーボ系が構成されている場合には、

0046

0047

ID=000009HE=010 WI=088 LX=0610 LY=1650
として、順次Δt時間後の位置θd 、速度の目標値(θd の1ドット)を与えるようにすればよい。次に、インピーダンス制御演算の処理の概要を図9のフローチャートに示す。この処理では、挿入軸に沿った教示経路に基づいて、ロボット1あるいはロボット2の各軸値及び速度より6次元ベクトルDrc 及びその微分値が求められる。また、設定された力の目標力DFd 及び、6軸力センサ12あるいは22で検出される力 DFc によって(8)式の演算を行い目標加速度( Drc の2ドット)が求められる。更に、求められた目標加速度と各軸の速度より(9)式の演算を行って、各軸毎の目標加速度(θd の2ドット)を求める(ステップT1)。

0048

そして、各軸毎にステップT1で求めた目標加速度と検出速度より上記(12)式並びに(13)式の演算を行って目標速度、目標位置を求め各軸サーボ系に出力する(ステップT2,T3)。

0049

上記インピーダンス制御演算の1サイクル分が終了すると、現時点ロボット手先位置ri を求め、該位置と一つ手前の位置ri-1 からロボットの進行方向ベクトルΔiを求め、次のインピーダンス制御演算の処理に備える。

0050

以上、本実施形態では力制御としてインピーダンス制御法を適用したが、他の力制御法も採用可能である。また、本実施形態では挿入動作支援のための力作用手段として、ロッド状の押し付けツール6を用いて嵌合ワーク4の頂部に力を作用させるようにしたが、押し付けツールの形状、力の作用点などは嵌合ワーク4の把持形態等に応じて適宜変更することが出来る。

発明の効果

0051

本発明によれば、挿入動作に際して2台のロボットの合力を利用出来るので、比較的弱い力のロボットを嵌合作業に用いることが出来るようになった。そのため、挿入動作のために特別に強力なロボットを用意しなけらばならないなどという制約が解消される。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明に従った協調ロボットシステムの全体配置を例示した見取り図である。
図2ロボットコントローラ3の全体構成を説明するブロック図である。
図3制御部31の概略構成を示した要部ブロック図である。
図4実施形態において、ロボット2のプレアプローチとロボット1のアプローチが完了した状態を説明する図である。
図5実施形態において、ロボット2のアプローチとロボット1のアプローチが完了した状態を説明する図である。
図6実施形態において、協調挿入動作の進行中の状態を説明する図である。
図7実施形態において、協調挿入動作の完了状態を説明する図である。
図8本実施形態における嵌合作業のシーケンスの概要を説明するためのフローチャートである。
図9インピーダンス制御演算の処理の概要を説明するためのフローチャートである。

--

0053

1 被サポートロボット(マスターロボット)
2 サポートロボット(スレーブロボット)
3ロボットコントローラ
4 嵌合ワーク
5 被嵌合ワーク
6押し付けツール
7作業テーブル7
11,21ロボットの手先部
12,22力センサ
13ハンド
31,32 制御部
41 嵌合ワーク4の頂面
51 凹部
61突起
101中央演算処理装置(CPU)
102メモリ
103教示操作盤用インターフェイス
104 教示操作盤
105入出力インターフェイス
106 バス

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社東芝の「 荷役装置及び荷役システム」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】搬送対象の荷物を高精度に検出する。【解決手段】実施形態の荷役装置は、検出部と、認識部と、制御部と、を備える。検出部は、1以上の荷物を含む荷物群の上方から荷物に対して超音波又は電波を出力し、荷物... 詳細

  • 株式会社東芝の「 荷役装置及びコントローラ」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】物品に貼付されたラベルを提示することができる荷役装置及びコントローラを提供する。【解決手段】実施形態によれば、荷役装置は、把持機構と、カメラと、第1のプロセッサと、記憶部と、を備える。把持機構... 詳細

  • ブラザー工業株式会社の「 数値制御装置、数値制御プログラム、及び、数値制御プログラムを記憶した記憶装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】主軸ヘッドと工具との衝突の危険性を回避しながら工具交換時間を短縮できる数値制御装置、数値制御プログラム、及び数値制御プログラムを記憶した記憶装置を提供することである。【解決手段】工具交換処理に... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ