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技術 車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物並びに成形物の製造方法

出願人 日油株式会社
発明者 芹澤一哉越智弘二
出願日 1996年10月18日 (22年2ヶ月経過) 出願番号 1996-276128
公開日 1998年5月12日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 1998-120484
状態 未査定
技術分野 火薬、マッチ等
主要キーワード 六角柱体 コーティング効果 自動車用シートベルト 結抑制剤 燃焼調整 吸湿防止 溶融槽内 ガス抜き用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年5月12日)のものです。
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図面 (2)

課題

単位重量当たり生成ガス量を多くすることにより、ガス発生器内のガス発生剤量を低減することができ、しかも燃焼残渣の発生を抑制してフィルターを簡略化でき、ガス発生器の小型化を図ることができる車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供する。

解決手段

車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、ニトロセルロースニト可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する。硝酸アンモニウムの吸湿を抑制するために、硝酸アンモニウムをコーティング剤被覆する。さらに、必要により安定剤、不揮発性溶剤又は帯電防止剤を含有させる。ガス発生剤組成物の成形物は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物有機溶剤を加えて塊状体とし、その塊状体を押出装置により所定形状に押出し成形することにより製造される。

概要

背景

車両に装着されるエアバックを膨らませるためのガス発生剤としては、アジ化ナトリウムと各種酸化剤とを主成分とするものが知られており、これを燃焼させることにより窒素ガスを発生させ、エアバックを膨張させる。

アジ化ナトリウムを主成分とするガス発生剤は、燃焼によるガス成分としては清浄な窒素ガスだけを発生し、適度な燃焼速度及び比較的低い燃焼温度を有するためガス発生剤としては好ましいものである。

しかし、アジ化ナトリウムは強い毒性があり、かつ酸や重金属と接触した場合には容易に反応しやすいため、製造時や廃棄時に特段注意払う必要がある。また、アジ化ナトリウムを主成分とするガス発生剤は、燃焼後には腐食性ナトリウムナトリウム化合物を多量に生成するため、廃棄時にこれらの処理まで実施する必要がある。

このような問題を解決するため、従来よりアジ化ナトリウムを用いないガス発生剤が多方面で研究されている。例えば、特公昭58−20919号公報には、(イ)アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩素酸塩又は過塩素酸塩である酸化剤78〜92重量%、(ロ)酢酸セルロース7.9 〜17.2重量%、(ハ)炭素を含有する燃焼調整剤0.1〜0.8重量%からなるガス発生剤が開示されている。

また、特公平2−225159号公報には、水素を含むテトラゾール化合物と、酸素を含む酸化剤とよりなるガス発生剤組成物が提案されている。酸化剤としては、硝酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウムの塩又は過塩素酸塩が開示されている。さらに、特公昭−57−57150号公報には、アゾジカルボンアミドオキソハロゲン酸塩とからなるガス発生剤が開示されている。

加えて、近年エチルアルコール等の液体を使用した流体燃料を含むガス発生剤が開発されている。すなわち、特公平7−329692号公報には、流体燃料及び酸化剤が燃焼する第一チャンバー加圧貯蔵ガスを含む第2チャンバー及び前記流体燃料及び前記酸化剤の燃焼を開始させる開始手段を備えたガス発生器が開示されている。

概要

単位重量当たり生成ガス量を多くすることにより、ガス発生器内のガス発生剤量を低減することができ、しかも燃焼残渣の発生を抑制してフィルターを簡略化でき、ガス発生器の小型化を図ることができる車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供する。

車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、ニトロセルロースニト可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する。硝酸アンモニウムの吸湿を抑制するために、硝酸アンモニウムをコーティング剤被覆する。さらに、必要により安定剤、不揮発性溶剤又は帯電防止剤を含有させる。ガス発生剤組成物の成形物は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物有機溶剤を加えて塊状体とし、その塊状体を押出装置により所定形状に押出し成形することにより製造される。

目的

この発明は、このような従来技術の問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、単位重量当たりの生成ガス量を多くすることにより、ガス発生器内のガス発生剤量を低減することができ、しかも燃焼残渣の発生を抑制してフィルターを簡略化でき、ガス発生器の小型化を図ることができる車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供することにある。

その他の目的とするところは、アジ化ナトリウムを含有せず、かつ燃焼後に実質的に一酸化炭素を生成しない車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供することにある。

さらに、その他の目的とするところは、容易にしかも効率良く、所定形状のガス発生剤成形物成形できるガス発生剤組成物の成形物の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

請求項2

前記硝酸アンモニウムをコーティング剤被覆形成した請求項1に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

請求項3

さらに安定剤及び不揮発性溶剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

請求項4

さらに帯電防止剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

請求項5

ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物を所定形状に形成してなる車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物

請求項6

ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物に有機溶剤を加えて塊状体とし、その塊状体を押出装置により所定形状に押出し成形する車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、例えばエアバック膨張させるためのガス発生装置装填される車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物並びに成形物の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

車両に装着されるエアバックを膨らませるためのガス発生剤としては、アジ化ナトリウムと各種酸化剤とを主成分とするものが知られており、これを燃焼させることにより窒素ガスを発生させ、エアバックを膨張させる。

0003

アジ化ナトリウムを主成分とするガス発生剤は、燃焼によるガス成分としては清浄な窒素ガスだけを発生し、適度な燃焼速度及び比較的低い燃焼温度を有するためガス発生剤としては好ましいものである。

0004

しかし、アジ化ナトリウムは強い毒性があり、かつ酸や重金属と接触した場合には容易に反応しやすいため、製造時や廃棄時に特段注意払う必要がある。また、アジ化ナトリウムを主成分とするガス発生剤は、燃焼後には腐食性ナトリウムナトリウム化合物を多量に生成するため、廃棄時にこれらの処理まで実施する必要がある。

0005

このような問題を解決するため、従来よりアジ化ナトリウムを用いないガス発生剤が多方面で研究されている。例えば、特公昭58−20919号公報には、(イ)アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩素酸塩又は過塩素酸塩である酸化剤78〜92重量%、(ロ)酢酸セルロース7.9 〜17.2重量%、(ハ)炭素を含有する燃焼調整剤0.1〜0.8重量%からなるガス発生剤が開示されている。

0006

また、特公平2−225159号公報には、水素を含むテトラゾール化合物と、酸素を含む酸化剤とよりなるガス発生剤組成物が提案されている。酸化剤としては、硝酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウムの塩又は過塩素酸塩が開示されている。さらに、特公昭−57−57150号公報には、アゾジカルボンアミドオキソハロゲン酸塩とからなるガス発生剤が開示されている。

0007

加えて、近年エチルアルコール等の液体を使用した流体燃料を含むガス発生剤が開発されている。すなわち、特公平7−329692号公報には、流体燃料及び酸化剤が燃焼する第一チャンバー加圧貯蔵ガスを含む第2チャンバー及び前記流体燃料及び前記酸化剤の燃焼を開始させる開始手段を備えたガス発生器が開示されている。

発明が解決しようとする課題

0008

ところが、前記特公昭58−20919号公報、特公平2−225159号公報及び特公昭−57−57150号公報に開示されているガス発生剤は、燃焼した際に塩化カリウム金属酸化物などの燃焼残渣が発生する。この燃焼残渣はエアバックを損傷するため、予め捕集しておく必要がある。このため、ガス発生器内部にフィルターが必要となり、ガス発生器を小型化する上で障害になるという問題があった。

0009

しかも、上記各公報に記載のガス発生剤は、標準状態における生成ガス量が約0.39〜0.54リットル/gと少ないため、多くのガス発生剤をガス発生器に備えることが必要となる。そのため、ガス発生器を小型化する上で障害になるという問題もあった。

0010

また、特公平7−329692号公報記載のガス発生剤は、ボンベ内に酸素を含む加圧した気体を使用するため取扱い上の問題があり、しかも構造が複雑であるためガス発生器を小型化する上で障害になるという問題があった。

0011

この発明は、このような従来技術の問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、単位重量当たりの生成ガス量を多くすることにより、ガス発生器内のガス発生剤量を低減することができ、しかも燃焼残渣の発生を抑制してフィルターを簡略化でき、ガス発生器の小型化を図ることができる車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供することにある。

0012

その他の目的とするところは、アジ化ナトリウムを含有せず、かつ燃焼後に実質的に一酸化炭素を生成しない車両の乗員保護用ガス発生剤組成物及びその成形物を提供することにある。

0013

さらに、その他の目的とするところは、容易にしかも効率良く、所定形状のガス発生剤成形物成形できるガス発生剤組成物の成形物の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するために、第1の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、ニトロセルロースニト可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有するものである。

0015

第2の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、第1の発明において、前記硝酸アンモニウムをコーティング剤被覆形成したものである。第3の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、第1又は第2の発明において、さらに安定剤及び不揮発性溶剤を含有するものである。

0016

第4の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、第1〜第3の発明のいずれかの発明において、さらに帯電防止剤を含有するものである。第5の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物を所定形状に形成してなるものである。

0017

第6の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物の製造方法は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物に有機溶剤を加えて塊状体とし、その塊状体を押出装置により所定形状に押出し成形するものである。

発明を実施するための最良の形態

0018

次に、この発明の実施形態について順次詳細に説明する。車両の乗員保護用ガス発生剤組成物は、還元剤としてのニトロセルロースとニトロ可塑剤及び酸化剤としての硝酸アンモニウムを含有する。

0019

ニトロセルロースは、セルロース硝酸エステルで、窒素含有量が10〜14重量%の範囲内であることが好ましく、12〜14重量%の範囲であることがさらに好ましい。この窒素含有量が少なすぎるとガス発生剤組成物の燃焼性が低下し、また吸湿性が増加する傾向にある。逆に、窒素含有量が多すぎるとガス発生剤組成物の耐熱性が低下し、また有機溶剤に溶けにくくなる。

0020

このニトロセルロースの配合量は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムの総量に対して、5〜40重量%の範囲内であることが好ましく、成形物の物性、吸湿性及びガス発生剤燃焼後の生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば10〜30重量%の範囲内であることがさらに好ましい。このニトロセルロースの配合量は、15〜20重量%の範囲が特に好ましい。この配合量が5重量%未満では、ガス発生剤組成物の成形が困難となる傾向にある。逆に、40重量%を越えると成形物の吸湿性が高くなることにより取り扱いが困難となり、さらにガス発生剤の燃焼後の生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。

0021

また、ニトロ可塑剤はニトロ基を有する可塑剤であり、その例としては、ニトログリセリンジエチレングリコールナイトレートトリエチレングリコールジナイトレート、トリメチロールエタントリナイトレート及びビス−2,2−ジニトロプロピルアタールホルマール等が挙げられる。これらのうち、ニトロ可塑剤としての酸素バランスを考慮すれば、ニトログリセリンが最も好ましい。

0022

ニトロ可塑剤の配合量は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムの総量に対して、3〜30重量%の範囲内が好ましく、ガス発生剤の成形物の物性、吸湿性及びガス発生剤燃焼後の生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば5〜20重量%の範囲がさらに好ましい。このニトロ可塑剤の配合量は10〜15重量%が特に好ましい。この配合量が3重量%未満では、成形物の吸湿性が高くなることにより取り扱いが困難となり、しかも生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。逆に、30重量%を越えるとガス発生剤成形物の物性が悪くなる傾向にある。上記のニトロセルロース及びニトロ可塑剤は、ガス発生剤を形成する各成分を結合するバインダーとしての機能を発揮する。

0023

さらに、硝酸アンモニウムは硝酸のアンモニウム塩で、ナトリウム塩カリウム塩ではガス発生剤燃焼後に金属酸化物よりなる燃焼残渣が生成し、不適当である。ちなみに、過塩素酸アンモニウムなどは、ガス発生剤燃焼後に有害な塩酸が生じるため不適当である。

0024

硝酸アンモニウムの平均粒子径は1000μm以下であることが好ましく、ガス発生剤成形物の物性を考慮すれば10〜200μmであることがさらに好ましい。この平均粒子径は、50〜100μmの範囲が特に好ましい。この硝酸アンモニウムの平均粒子径が1000μmを越えると、バインダーとして機能するニトロセルロース及びニトロ可塑剤との混和性が悪いため、成形物の強度などの機械的物性が低下する傾向にある。

0025

また、硝酸アンモニウムは結晶構造が温度により変化するという欠点を有している。そのような欠点を抑制するため、相転移抑制硝酸アンモニウム(PhaseStabilized Ammoniumnitrate )を使用することが望ましい。この相転移抑制硝酸アンモニウムは、次のようにして得られる。まず、所定の温度に加熱した溶融槽内にて溶融した硝酸アンモニウムに、例えば酸化亜鉛酸化ニッケル又は硝酸カリウム等を加えて混合する。次いで、この混合物を溶融槽内で攪拌しながら冷却させることにより得られる。あるいは、溶融槽内で混合した後、圧縮機からの圧縮空気溶融物噴霧させることにより得られる。

0026

さらに、硝酸アンモニウムの欠点である吸湿による固結を抑制するために、カオリン等の固結防止剤を加えた硝酸アンモニウムを使用することが製造上好ましい。

0027

硝酸アンモニウムの配合量は、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムの総量に対して、60〜80重量%の範囲が好ましく、ガス発生剤の成形物の物性、生成ガス量及び生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば65〜75重量%の範囲がさらに好ましい。この硝酸アンモニウムの配合量は、65〜70重量%の範囲が特に好ましい。

0028

この配合量が60重量%未満ではガス発生剤が燃焼したときの生成ガス量が少なく、しかも生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。また、80重量%を越えると成形物の強度などの機械的物性が悪くなる傾向にある。

0029

ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムの総量に対するニトロセルロースとニトロ可塑剤の合計配合量は15〜40重量%の範囲が好ましく、成形物の強度などの物性、生成ガス量及び生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば25〜40重量%の範囲がさらに好ましい。ニトロセルロースとニトロ可塑剤の合計配合量は、35〜40重量%の範囲が特に好ましい。ニトロセルロースとニトロ可塑剤を混合すると膠化し、酸化剤である硝酸アンモニウム等の粉体と混合した際には粉体同士の隙間に入り込み、結合剤としての作用も有する。

0030

そのため、ニトロセルロースとニトロ可塑剤の合計配合量が15重量%未満では、硝酸アンモニウムの粉体成分を十分に被覆することができず、成形物の強度などの機械的物性が悪くなる傾向にある。また、40重量%を越えると生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にあり、実質的に一酸化炭素が生成しない条件にすることはできない。ここで、実質的に一酸化炭素が生成しない条件とは、生成ガス中に占める一酸化炭素の濃度が5000ppm以下であることを意味する。

0031

次に、ガス発生剤組成物中の硝酸アンモニウムは、その吸湿を防止するためにコーティング剤で被覆されていることが望ましい。そのようなコーティング剤としては、硝酸アンモニウムの吸湿防止が可能なものであれば全て使用できる。例えば、ポリエチレングリコール等のポリグリコールポリマーポリビニル系ポリマー及びパラフィンワックス等が挙げられるが、硝酸アンモニウムの吸湿を防止できる効率を考慮すればポリエチレングリコールが最も好ましい。

0032

また、ポリエチレングリコール自身の吸湿性を考慮すれば、重量平均分子量6000〜20000のポリエチレングリコールを使用することが好ましい。コーティング剤の使用により硝酸アンモニウムの吸湿を防止でき、そのため酸化剤である硝酸アンモニウムの取り扱いが容易となる。さらに、コーティングされた硝酸アンモニウムは、バインダーとの相溶性も改善されるため、成形物の強度などの機械的物性も向上する。

0033

コーティング剤の使用量は、ガス発生剤組成物中において通常0.5〜7重量%の範囲が好ましく、硝酸アンモニウムへのコーティング効果を考慮すれば1〜5重量%の範囲がさらに好ましい。このコーティング剤の使用量は、1〜3重量%の範囲が特に好ましい。

0034

この使用量が0.5重量%未満では硝酸アンモニウムの吸湿性が著しく大きくなる。また、7重量%を越えるとコーティング剤としての効果は多大となるが、他の成分の配合比率が低下するためガス発生剤の燃焼性が悪くなり、さらに生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。

0035

次に、ガス発生剤組成物中にはニトロセルロース又はニトロ可塑剤の自然分解を抑制するために安定剤を配合するのが好ましい。そのような安定剤としては、一般に用いられているニトロセルロース及びニトロ可塑剤の自然分解を抑制する安定剤を全て使用することができる。例えば、エチルセントラリットジフェニルアミン等が挙げられる。ニトロセルロース及びニトロ可塑剤に対する安定剤としての効率を考慮すると、エチルセントラリットが最も好ましい。

0036

このような安定剤を添加することによりガス発生剤成形物の安定性増し、ニトロセルロース及びニトロ可塑剤の自然分解を抑制でき、ガス発生剤の長期にわたる使用が可能となる。

0037

安定剤の添加量は、ガス発生剤組成物中において通常1〜6重量%の範囲が好ましいが、生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば1〜5重量%の範囲がさらに好ましい。安定剤の添加量は、2〜4重量%の範囲が特に好ましい。

0038

この安定剤の添加量が1重量%未満ではニトロセルロースやニトロ可塑剤の自然分解を抑制する安定剤としての効果が小さくなる傾向にある。また、6重量%を越えると安定剤としての効果は多大となるが、他の成分の配合比率が低下するためガス発生剤の燃焼性が悪くなり、さらに生成ガス中の一酸化炭素が生成する傾向にある。

0039

次に、ガス発生剤組成物には可塑性を付与し、成形性を向上させるため不揮発性溶剤を配合することが望ましい。そのような不揮発性溶剤としては、ニトロセルロースと相溶性の良いものであれば全て使用できる。例えば、ジブチルフタレートジメチルフタレートジエチルフタレート等のフタル酸ジエステルリン酸エステルトリアセチンアセチルトリエチルサイトレート等の脂肪酸エステルが挙げられる。

0040

この可塑剤を添加することにより、ガス発生剤組成物の可塑性が増大し、成形性が向上することから成形物の製造が容易となる。不揮発性溶剤の添加量は、ガス発生剤組成物中において通常0.5〜6重量%の範囲が好ましく、生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば0.5〜5重量%の範囲がさらに好ましい。さらにこの不揮発性溶剤の添加量は、0.5〜3重量%の範囲が特に好ましい。

0041

不揮発性溶剤の添加量が0.5重量%未満では、ガス発生剤組成物の成形性を向上させる効果が少なくなる傾向にある。また、6重量%を越えると不揮発性溶剤としての効果は多大となるが、他の成分の配合比率が低下するため燃焼性が悪くなり、しかも成形物の強度が低下し、その上生ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。

0042

次に、ガス発生剤組成物には成形物の帯電を抑制し、その取り扱いを容易にするために、帯電防止剤を加えることが望ましい。この帯電防止剤としては、従来から知られている粒子表面の導電性を良くし、帯電性を抑制できるものであれば全て使用できる。このような帯電防止剤としては、例えばグラファイトカーボンブラック等が挙げられる。

0043

この帯電防止剤を添加することにより、ガス発生剤成形物の帯電を効果的に抑制でき、成形物の製造時や使用時における取り扱いを容易にすることができる。帯電防止剤の添加量は、ガス発生剤組成物中において通常0.05〜3重量%の範囲が好ましく、生成ガス中の一酸化炭素の生成を考慮すれば0.05〜2重量%の範囲がさらに好ましい。帯電防止剤の添加量は、0.05〜1重量%の範囲が特に好ましい。

0044

帯電防止剤の添加量が0.05重量%未満では成形物の帯電を抑制する効果が低くなる傾向にある。また、3重量%を越えると帯電防止剤としての効果は多大となるが、他の成分の配合比率が低下するため燃焼性が悪くなり、しかも生成ガス中に一酸化炭素が生成する傾向にある。

0045

次に、有機溶剤を用いた押出し成形法による乗員保護用ガス発生剤の成形物の製造方法について説明する。まず最初に、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤、硝酸アンモニウム及び必要によりコーティング剤、不揮発性溶剤、安定剤又は帯電防止剤を所定量計量する。

0046

この場合、硝酸アンモニウムの表面をコーティング剤によりコーティング処理する場合には、有機溶剤とコーティング剤をポリ容器内に入れ、コーティング剤を有機溶剤に溶解する。この場合、コーティング剤は有機溶剤に溶解すればよいので、室温で溶解してもよいが、例えば有機溶剤の温度が30〜85℃となるまで加熱して溶解を速めることもできる。その後、そのポリ容器内へ硝酸アンモニウムを入れて撹拌しながら、混合物の温度を加熱した場合には室温となるまで下げて硝酸アンモニウム表面のコーティング処理を行う。

0047

押出し成形法で用いられる有機溶剤としては、ニトロセルロースを完全に溶解するもの全てが使用可能である。この有機溶剤としては、例えばアセトン、エチルアルコール、酢酸エチル等が挙げられる。これらの混合溶液も使用可能である。例えば、アセトンとエチルアルコールの混合溶液における混合割合は、重量比でアセトン/エチルアルコール=90/10〜20/70の範囲が好ましい。ガス発生剤組成物の成形性を考慮すれば、重量比でアセトン/エチルアルコール=80/20〜40/60の範囲がさらに好ましい。

0048

なぜならば、アセトンのみでは蒸発速度が速いためガス発生剤成形物の製造が困難となり、逆にエチルアルコールのみでは窒素含有量の高いニトロセルロースを完全に溶解することが困難となるからである。

0049

その後、全ての原材料混和機内に入れ、それに前記有機溶剤を適量混和機内に加えて均一な混合物を調製する。そして、均一に混合された混合物を押出し装置に装填し、所定の圧力をかけ、ダイスを通しながら押し出すことにより、ガス発生剤組成物は所定の形状、大きさに成形される。

0050

すなわち、ガス発生剤成形物の形状は、図1(a)に示すような円柱体1、図1(b)に示すような軸線方向に延びる貫通孔2を有する円柱体1、図1(c)に示すような7個の貫通孔2を有する円柱体1、図1(d)に示すような19個の貫通孔2を有する円柱体1が挙げられる。さらに、図1(e)に示すような7個の貫通孔2を有する異形柱体4、図1(f)に示すような19個の貫通孔2を有する異形柱体4、図1(g)に示すような7個の貫通孔2を有する六角柱体5、図1(h)に示すような19個の貫通孔2を有する六角柱体5等が挙げられる。

0051

また、このガス発生剤成形物の形状と大きさは、用途により大きく異なるが、一般的には外径が0.5〜50mm、長さが0.5〜50mm程度である。例えば、自動車衝突したとき、極短時間での作動を要求されるプリテンショナー装置用ガス発生剤等には、外径0.5〜5mm、内孔径0.1〜4mm、長さ0.5〜5mm程度の図1(b)に示すような貫通孔2を有する円柱体1が使用される。なお、プリテンショナー装置とは、自動車用シートベルトに装着され、衝突時にガス発生剤が点火されて燃焼し、その際発生する圧力によりシートベルトを巻き上げて、体が前方に押出されるのを防止する装置である。

0052

成形性及びガス発生速度を考慮すれば、ガス発生剤成形物の寸法で好ましいのは外径0.5〜2mm、内孔径0.2〜1mm、長さ0.5mm〜2mmである。成形物の表面から内孔までの厚みが0.15mm以下又は長さが0.5mm未満では成形が困難となる傾向にある。

0053

また、厚さが0. 5mmを越える場合又は長さが2mmを越える場合、ガス発生速度が遅く、ガス発生剤としての性能を十分に発揮できない傾向にある。例えば、プリテンショナー装置用ガス発生剤ほど速いガス発生速度が要求されないエアバック用ガス発生剤には、外径20〜50mm、内孔径3〜15mm、長さ20〜50mm程度の図1(d)から図1(h)に示すものが使用される。要求されるガス発生速度を考慮すれば、好ましいのは外径20〜30mm、内孔径5〜10mm、長さ30〜50mmである。外径20〜50mm、内孔径3〜15mm、長さ20〜50mmの範囲を外れるとエアバック膨張のための性能を十分に発揮できない傾向にある。

0054

また、アセトン、エチルアルコール、酢酸エチル等の有機溶剤がガス発生剤中に多く含有されていると燃焼性能の低下がみられるため、有機溶剤をできる限り取り除くことが好ましい。乾燥終了時の有機溶剤分は通常0.5重量%、水分は1.0重量%以下が好ましく、成形後の取り扱いを考慮すれば、有機溶剤分は0.3重量%以下、水分は0.5重量%以下がさらに好ましい。この乾燥終了時の有機溶剤分は0.1重量%以下、水分は0.2重量%以下が特に好ましい。この有機溶剤分が0.5重量%又は水分が1.0重量%を越える場合、ガス発生剤のガス発生速度や機械的物性が低下する傾向がある。

0055

以上のような実施形態により発揮される効果について以下に記載する。
(1) 実施形態のガス発生剤組成物においては、酸化剤としての硝酸アンモニウムと還元剤としてのニトロセルロース及びニトロ可塑剤が効率良く反応し、燃焼残渣が生成しないことから、ガス発生剤の単位重量当たりの生成ガス量を多くすることができる。例えば、水、二酸化炭素、酸素、窒素からなる無害生成ガスを標準状態において、約0.8〜1.0リットル/gと多量に発生させることができる。
(2) ガス発生剤の生成ガス量を多くすることができるため、ガス発生器内に装填するガス発生剤の量を低減させることができる。
(3) 酸化剤として硝酸アンモニウムを使用するので、金属酸化物のような燃焼残渣の発生を抑制でき、それにより燃焼残渣を捕集するフィルターを簡略化することができる。
(4) 上記のように、ガス発生剤の量を少なくでき、しかも燃焼残渣を濾過するフィルターを簡略化できることから、ガス発生器の小型化を図ることができる。
(5) ガス発生剤組成物にはアジ化ナトリウムが含有されていないため、腐食性のナトリウムやナトリウム化合物を生成するおそれはなく、取扱いが容易であり、しかも酸化反応に必要な酸素を硝酸アンモニウムにより確保できることから、実質的に一酸化炭素の生成を抑制することができる。
(6) ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムを含有する混合物に有機溶剤を加えて塊状体とし、その塊状体を押出装置により所定形状に押出し成形することにより、ガス発生剤の成形物を容易にしかも効率良く製造することができる。
(7) 以上のような効果が得られるため、ガス発生剤組成物及びその成形物は車両に装着される乗員保護用のガス発生剤として最適である。

0056

以下に、実施例及び比較例を挙げて、この発明のガス発生剤組成物、その成形物及び成形物の製造方法について具体的に説明する。
(実施例1)窒素含有量13.15%のニトロセルロース18.6重量%、ニトログリセリン15.4重量%及び平均粒径が125μmの硝酸アンモニウム66.0重量%の割合になるように調整した混合物に対し、酢酸エチルを50重量%加え、いわゆるウェルナー混和機で均一に混合した。なお、ウェルナー混和機は、横方向に延びる回転軸に支持された攪拌羽根により攪拌、混合する装置である。

0057

次いで、これを押出装置に装填した。押出装置には予め3mmのダイスが取り付けられており、ガス発生剤の成形物は圧力をかけることにより、このダイスを通りながら押し出されて円柱状に成形される。この成形物を1.5mmの長さに切断して乾燥することにより粒状のガス発生剤成形物を得た。

0058

このガス発生剤成形物を用いて、図2に示す密閉ボンブ試験装置により燃焼時の生成ガス中の一酸化炭素濃度及び燃焼残渣を求めた。そして、化学平衡計算により、1gのガス発生剤組成物が燃焼した際に生成する二酸化炭素、水、酸素及び窒素の標準状態における合計容量を生成ガス量として表1に示した。
(一酸化炭素及び燃焼残渣の測定方法)まず、密閉ボンブ試験装置について説明する。図2に示すように、ボンブ本体6内には一定容積を有する燃焼室7が設けられ、その燃焼室7にはガス発生剤成形物8が装填される。ボンブ本体6の一端側には燃焼室7内にガス発生剤成形物8を装填したり、密閉したりするための栓体9が装着され、ボルト10により着脱可能になっている。同じくボンブ本体6の一端側には接続配線11を介して点火装置12が接続されている。

0059

燃焼室7内における栓体9の内端面には一対の電極17が取付けられ、一方の電極17には前記一方の接続配線11が接続され、他方の電極17はボンブ本体6に電気的に接続されている。両電極17には接続線を介して点火玉18が取付けられている。そして、点火装置12を作動させることにより、接続配線11、電極17などを経て点火玉18が点火し、燃焼室7のガス発生剤成形物8を着火させて燃焼させるようになっている。

0060

ボンブ本体6の上部にはガス抜き用バルブ13が取着され、サンプリング管14を介して燃焼室7と連通されている。このサンプリング管14とガス抜き用のバルブ13から燃焼室7内のガスをサンプリングし、その燃焼特性を評価できるようになっている。なお、ボンブ本体6の他端側には圧力変換器15が取付けられ、連通管16を介して燃焼室7と連通されている。

0061

そして、栓体9を抜いた状態で燃焼室7内にガス発生剤成形物8を装填比重0.1g/ccで装填する。次いで、栓体9を閉めた後、点火装置12にて燃焼室7内のガス発生剤成形物8を着火する。ガス発生剤成形物3の燃焼後、ガス抜き用のバルブ13から生成ガスを採取する。採取された生成ガスについてガスクロマトグラフィーを用いて一酸化炭素濃度を求めた。また、ガス発生剤成形物8の燃焼後に栓体9を抜いて燃焼室7中に残った燃焼残渣を捕集し、燃焼残渣量を求めた。
(実施例2〜6)表1に示した組成で、実施例1と同様の方法によりガス発生剤組成物を各々製造し、同じ方法で各々の特性を評価した。その結果を表1に示した。
(実施例7〜13)表1及び表2に示すガス発生剤組成物中において1重量%のポリエチレングリコール(但し、実施例8では7. 1重量%のポリエチレングリコール)と、さらに硝酸アンモニウムに対して50重量%の酢酸エチルとをポリ容器内に入れ、酢酸エチルの温度が50〜60℃となるまで加熱し、ポリエチレングリコールを溶解させた。

0062

その後、そのポリ容器内へ平均粒径125μmの硝酸アンモニウムを入れて撹拌しながら、混合物の温度を常温となるまで下げて硝酸アンモニウムのコーティング処理を行った。

0063

また、表1又は表2に示した組成において、通常の硝酸アンモニウムの代わりにコーティング処理した硝酸アンモニウムを使用する以外は実施例1と同様の製造方法とし、また同じ方法で各々の特性を評価した。その結果を表1及び表2に示した。
(比較例1)表2に示した組成で、実施例1と同様の方法によりガス発生剤組成物を製造し、同じ方法で各々の特性を評価した。その結果を表2に示した。
(比較例2、3)表2に示した組成及び水とアセトンの混合液をいわゆる品川式混和機にて均一に混合した。なお、品川式混和機は上下方向に延びる回転軸に支持された攪拌羽根により攪拌、混合する装置である。得られた湿った塊状体を32メッシュ網を用いて裏ごしして乾燥することにより、ガス発生剤成形物として平均粒子径約0.5mmの造粒物を得た。その造粒物を専用の金型手動式油圧プレス機を備えた押出装置を使用し、直径6.5mm×高さ6mmの円柱状成形物を調製し、その成形物について実施例1と同様の方法で評価した。その評価結果を表2に示した。

0064

0065

ID=000003HE=140 WI=102 LX=0540 LY=0300
表1及び表2に示した結果からわかるように、実施例1〜13に示すガス発生剤組成物のガス発生量は0.8〜1.0リットル/gであり、比較例1〜3に示すガス発生剤組成物のガス発生量である0.4〜0.6リットル/gに比べて非常に多量のガスを発生した。

0066

さらに、比較例1〜3に示すガス発生剤成形物は、燃焼後に燃焼残渣が32〜43%発生するのに対し、実施例1〜13に示すガス発生剤成形物は燃焼後に燃焼残渣を全く生じなかった。

0067

また、硝酸アンモニウムの配合量が65〜70重量%である実施例においては成形が容易であり、また生成ガス中の一酸化炭素濃度は2000ppm以上になることはなかった。一方、硝酸アンモニウムの配合量が80重量%を越えた場合(実施例2及び5)は生成ガス量、生成ガス中の一酸化炭素濃度及び燃焼残渣については問題ないが、成形物の強度などの機械的物性がやや低下した。

0068

さらに、硝酸アンモニウムの配合量が60重量%未満になった場合(実施例3及び6)、成形物の物性、生成ガス量及び燃焼残渣については問題ないが、生成ガス中の一酸化炭素濃度が5000ppm近くに上昇することがわかった。

0069

従って、硝酸アンモニウムの配合量が65〜70重量%で、ニトロセルロースとニトロ可塑剤の合計量が15〜40重量%の範囲であれば製造が容易であり、しかも生成ガス中の一酸化炭素濃度は2000ppm以上になることはなく、好ましいことがわかった。

0070

また、硝酸アンモニウム表面をコーティングした場合(実施例7)、硝酸アンモニウムの吸湿を防止できて取り扱いが容易となり、また成形物の物性も向上した。

0071

ただし、ポリエチレングリコールの配合量が7重量%を越えた場合(実施例8)、エチルセントラリットの配合量が6重量%を越えた場合(実施例10)、ジエチルフタレートの配合量が6重量%を越えた場合(実施例11)及びグラファイトの配合量が3重量%を越えた場合(実施例13)、いずれも成形物の物性、生成ガス量及び燃焼残渣については問題ないが、生成ガス中の一酸化炭素濃度が5000ppm程度となった。

0072

なお、この発明は次のように形態を変更して具体化することも可能である。
(a)ガス発生剤組成物として、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムよりなる混合物に、安定剤と不揮発性溶剤を配合した組成物とすること。
(b) ガス発生剤組成物として、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及び硝酸アンモニウムよりなる混合物に、帯電防止剤を配合した組成物としたり、ニトロセルロース、ニトロ可塑剤及びコーティング剤でコーティングした硝酸アンモニウムよりなる混合物に、帯電防止剤を配合した組成物としたりすること。

0073

さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記硝酸アンモニウムの配合量は、65〜70重量%である請求項1に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

0074

このように構成した場合、ガス発生剤の燃焼による生成ガス量を確保しつつ、一酸化炭素の生成を抑制でき、しかもガス発生剤成形物の機械的物性を保持することができる。
(2) 前記ニトロセルロースとニトロ可塑剤の合計配合量は、15〜40重量%である請求項1に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

0075

このように構成した場合、ガス発生剤成形物の形状保持などの物性を維持でき、生成ガス量を確保しつつ、一酸化炭素の生成を抑制することができる。
(3) 前記硝酸アンモニウムは、結晶構造の変化を抑制するための添加剤を配合した請求項1に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

0076

このように構成した場合、ガス発生剤成形物の製造時に、硝酸アンモニウムの結晶構造の変化に伴ない気泡が発生したり、成形物が脆くなったりするのを抑制することができる。
(4) 前記添加剤は、酸化亜鉛、酸化ニッケル又は硝酸カリウムである上記(1)に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

0077

このように構成した場合、上記(1)の効果を確実に奏することができる。
(5) 前記硝酸アンモニウムは、吸湿による固結を抑制するための固結抑制剤を配合した請求項1に記載の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物。

0078

このように構成した場合、硝酸アンモニウムの吸湿による固結を抑制でき、ガス発生剤成形物の製造を容易にすることができる。

発明の効果

0079

以上詳述したように、この発明によれば次のような優れた効果を奏する。第1の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物によれば、単位重量当たりの生成ガス量を多くすることにより、ガス発生器内のガス発生剤量を低減することができ、しかも燃焼残渣の発生を抑制してフィルターを簡略化でき、ガス発生器の小型化を図ることができる。

0080

さらに、アジ化ナトリウムを含有せず、かつ実質的に一酸化炭素の生成を抑制することができる。第2の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物によれば、第1の発明の効果に加え、硝酸アンモニウムの吸湿を効果的に抑制することができる。

0081

第3の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物によれば、第1又は第2の発明の効果に加え、ニトロセルロース及びニトロ可塑剤の自然分解を抑制でき、ガス発生剤を長期にわたって使用することができ、可塑性を向上させてガス発生剤成形物の製造を容易にすることができる。

0082

第4の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物によれば、第1〜第3の発明のいずれかの効果に加え、ガス発生剤成形物の帯電を抑制でき、その取扱いを容易にすることができる。

0083

第5の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物によれば、ガス発生剤組成物より所望の形状に賦形でき、第1の発明の効果を発揮することができる。

0084

第6の発明の車両の乗員保護用ガス発生剤組成物の成形物の製造方法によれば、ガス発生剤組成物の成形物を容易にしかも効率良く製造することができる。

図面の簡単な説明

0085

図1(a)〜(h)は、ガス発生剤成形物の形状例を示す斜視図。
図2ガス発生剤の物性測定用の密閉ボンブ試験装置を示す断面図。

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0086

8…ガス発生剤成形物。

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