図面 (/)

技術 プラスチックの熱分解方法及び熱分解装置

出願人 株式会社東芝財団法人家電製品協会
発明者 轟木朋浩上野主税手塚史展早田輝信
出願日 1996年9月17日 (24年8ヶ月経過) 出願番号 1996-245108
公開日 1998年4月7日 (23年2ヶ月経過) 公開番号 1998-088149
状態 特許登録済
技術分野 消化剤;有害な化学剤の無害化 固体廃棄物の処理 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理 プラスチック廃棄物の分離・回収・処理 炭化水素油の製造、分解及び精製 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード 酸素濃度制御装置 ガス温度制御装置 硫黄水 装置配管 二重ダンパー ガソリン相 連続処理装置 酸素濃度センサー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年4月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

プラスチック熱分解によって、燃料石油化学原料として利用価値の高い軽質油回収する。

解決手段

プラスチックの熱分解温度を300〜400℃の範囲に10分以上維持した後に、3〜20℃/分の割合で450〜500℃の範囲の温度まで昇温して450〜500℃の範囲に維持する。

概要

背景

従来、廃家電製品を処理する際、一般消費者から廃棄される場合には一般廃棄物として、また事業者等から廃棄される場合には産業廃棄物として処理されてきた。このように、同じ廃家電製品の処理であって、廃棄元によって対応が異なっていたが、具体的な処理方法はどちらの場合も埋立処理が主流であった。

廃家電製品はその大部分がプラスチックであり、例えば冷蔵庫にはプラスチックが約50%構成材料として使用されている。プラスチックはそのまま焼却すると焼却炉を傷めるため、廃家電製品を埋め立てることなく処理するには、プラスチックを分解あるいは再利用する方法を確立する必要がある。

プラスチックを連続油化する方法として、400℃に加熱した乾留炉内に投入する方法(特願平3−86288公報参照)が提案されている。しかし、この方法では、プラスチックを乾留して得られる生成油は、炭素数が20より大きい重油成分が中心であるが、炭素数が20以下の引火点の低い揮発性富む成分も含有されているため、重油として使用することは安全面から望ましくない。しかも、この方法による生成油は、保存中に一部ワックス化してしまうため、燃料油としてそのまま使用することは難しい。

また、廃家電製品には発泡ウレタン樹脂が用いられた製品が数多く含まれており、この発泡ウレタン樹脂の発泡剤として、CFC11やCFC12等のハロゲン化炭化水素フロン)が主として用いられてきた。このような特定フロンまたは代替フロンを発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂は、架橋の程度によって軟質発泡体硬質発泡体とに分類され、軟質発泡体は自動車部品包装容器として、また硬質発泡体は断熱材や吸音材として冷蔵庫等を含む多様な製品に幅広く使用されている。特に冷蔵庫には発泡用の特定フロンの他に、冷媒用としても特定フロンが用いられており、さらに冷蔵庫構成材料量の約半分がプラスチックから成っている。

このようなハロゲン化炭化水素を発泡剤として含む発泡樹脂構成材とする廃家電製品を埋め立て処理すると、次第にCFC11やCFC12等のフロンが放出されるため、危険である。このため、このような発泡ウレタン樹脂を構成材とする廃棄物を、あらかじめフロンを効率よく無害化した上で処理することが求められている。

発泡ウレタン樹脂中に含まれるハロゲン化炭化水素の回収方法として、発泡ウレタン樹脂を数十μmサイズまで微粉砕する方法が提案されている(特願平5−147038公報参照)。しかし、この方法では、ハロゲン化炭化水素が破砕機から外部に漏れ出すのを防ぐために破砕機を厳重に密閉する必要がある。そのため、装置が大型化し、破砕工程も多段階にする必要があった。

又、冷蔵庫には構成材としてポリ塩化ビニルが約2%使用されている。ポリ塩化ビニルを熱分解すると塩化水素が生成されるため、乾留炉および装置配管腐食の問題、生成油中に有機塩素化合物混入する問題がある。さらに廃棄物中に混入されているプリント配線基板ハンダに含まれる鉛を塩化鉛に変え飛散させる問題もあった。

概要

プラスチックの熱分解によって、燃料石油化学原料として利用価値の高い軽質油回収する。

プラスチックの熱分解温度を300〜400℃の範囲に10分以上維持した後に、3〜20℃/分の割合で450〜500℃の範囲の温度まで昇温して450〜500℃の範囲に維持する。

目的

本発明の目的は、上記課題を解決し、廃プラスチックの熱分解によって、燃料や石油化学原料として利用価値の高い軽質油を主成分とする生成物を回収することである。

又、本発明の他の目的は、フロン等のハロゲン化炭化水素を含んだ発泡樹脂やポリ塩化ビニル等のハロゲン含有プラスチックが混入した廃プラスチックの熱分解により安全かつ効率よく高品質の生成物を回収することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

プラスチックを加熱して熱分解する熱分解方法であって、熱分解温度を300〜400℃の範囲に10分以上維持した後に、3〜20℃/分の割合で450〜500℃の範囲の温度まで昇温して450〜500℃の範囲に維持することを特徴とするプラスチックの熱分解方法。

請求項2

プラスチックの熱分解中に、硫化水素、二臭化二硫黄及び二硫化炭素から選ばれる硫黄含有ガスが供給されることを特徴とする請求項1記載の熱分解方法。

請求項3

長手方向に沿って第1の領域、第2の領域及び第3の領域を有する回転炉と、該回転炉の第1の領域の温度を300〜400℃に、第3の領域の温度を450〜500℃に設定して第2の領域の温度を前記第1の領域の温度から前記第3の領域の温度へ温度勾配が生じるように該回転炉の温度を制御する制御装置と、該回転炉にプラスチックを供給する供給装置と、プラスチックが該第1の領域を通過する時間が10分以上で該第2の領域を通過する間にプラスチックの温度が3〜20℃/分の割合で変化するように供給を制御する供給制御手段とを有することを特徴とするプラスチックの熱分解装置

技術分野

0001

本発明は、一般廃棄物産業廃棄物に大量に含まれるプラスチック熱分解方法および熱分解装置係り、特にハロゲン化炭化水素を含有する発泡樹脂を含んだ廃プラスチック分解方法および分解装置に関する。

背景技術

0002

従来、廃家電製品を処理する際、一般消費者から廃棄される場合には一般廃棄物として、また事業者等から廃棄される場合には産業廃棄物として処理されてきた。このように、同じ廃家電製品の処理であって、廃棄元によって対応が異なっていたが、具体的な処理方法はどちらの場合も埋立処理が主流であった。

0003

廃家電製品はその大部分がプラスチックであり、例えば冷蔵庫にはプラスチックが約50%構成材料として使用されている。プラスチックはそのまま焼却すると焼却炉を傷めるため、廃家電製品を埋め立てることなく処理するには、プラスチックを分解あるいは再利用する方法を確立する必要がある。

0004

プラスチックを連続油化する方法として、400℃に加熱した乾留炉内に投入する方法(特願平3−86288公報参照)が提案されている。しかし、この方法では、プラスチックを乾留して得られる生成油は、炭素数が20より大きい重油成分が中心であるが、炭素数が20以下の引火点の低い揮発性富む成分も含有されているため、重油として使用することは安全面から望ましくない。しかも、この方法による生成油は、保存中に一部ワックス化してしまうため、燃料油としてそのまま使用することは難しい。

0005

また、廃家電製品には発泡ウレタン樹脂が用いられた製品が数多く含まれており、この発泡ウレタン樹脂の発泡剤として、CFC11やCFC12等のハロゲン化炭化水素(フロン)が主として用いられてきた。このような特定フロンまたは代替フロンを発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂は、架橋の程度によって軟質発泡体硬質発泡体とに分類され、軟質発泡体は自動車部品包装容器として、また硬質発泡体は断熱材や吸音材として冷蔵庫等を含む多様な製品に幅広く使用されている。特に冷蔵庫には発泡用の特定フロンの他に、冷媒用としても特定フロンが用いられており、さらに冷蔵庫構成材料量の約半分がプラスチックから成っている。

0006

このようなハロゲン化炭化水素を発泡剤として含む発泡樹脂を構成材とする廃家電製品を埋め立て処理すると、次第にCFC11やCFC12等のフロンが放出されるため、危険である。このため、このような発泡ウレタン樹脂を構成材とする廃棄物を、あらかじめフロンを効率よく無害化した上で処理することが求められている。

0007

発泡ウレタン樹脂中に含まれるハロゲン化炭化水素の回収方法として、発泡ウレタン樹脂を数十μmサイズまで微粉砕する方法が提案されている(特願平5−147038公報参照)。しかし、この方法では、ハロゲン化炭化水素が破砕機から外部に漏れ出すのを防ぐために破砕機を厳重に密閉する必要がある。そのため、装置が大型化し、破砕工程も多段階にする必要があった。

0008

又、冷蔵庫には構成材としてポリ塩化ビニルが約2%使用されている。ポリ塩化ビニルを熱分解すると塩化水素が生成されるため、乾留炉および装置配管腐食の問題、生成油中に有機塩素化合物混入する問題がある。さらに廃棄物中に混入されているプリント配線基板ハンダに含まれる鉛を塩化鉛に変え飛散させる問題もあった。

発明が解決しようとする課題

0009

上述のように、廃家電製品等の廃プラスチックをリサイクルする上で、フロンの無害化や、プラスチックの分解によって得られる生成油の品質の向上、プラスチックの分解に用いる装置や配管などへの悪影響の軽減といった課題を解決する必要があった。

0010

本発明の目的は、上記課題を解決し、廃プラスチックの熱分解によって、燃料石油化学原料として利用価値の高い軽質油を主成分とする生成物回収することである。

0011

又、本発明の他の目的は、フロン等のハロゲン化炭化水素を含んだ発泡樹脂やポリ塩化ビニル等のハロゲン含有プラスチックが混入した廃プラスチックの熱分解により安全かつ効率よく高品質の生成物を回収することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記課題を解決するために、廃プラスチックの処理について鋭意検討した結果、プラスチックを熱分解する過程の温度を所定の方式に従って制御することによって生成される油の品質を向上させることができることを見出し、本発明を成すに至った。

0013

本発明に係るプラスチックの熱分解方法は、熱分解温度を300〜400℃の範囲に10分以上維持した後に、3〜20℃/分の割合で450〜500℃の範囲の温度まで昇温して450〜500℃の範囲に維持するものである。

0014

上記熱分解中に、硫化水素、二臭化二硫黄及び二硫化炭素から選ばれる硫黄含有ガスが供給される。

0015

本発明に係るプラスチックの分解装置は、長手方向に沿って第1の領域、第2の領域及び第3の領域を有する回転炉と、該回転炉の第1の領域の温度を300〜400℃に、第3の領域の温度を450〜500℃に設定して第2の領域の温度を前記第1の領域の温度から前記第3の領域の温度へ温度勾配が生じるように該回転炉の温度を制御する制御装置と、該回転炉にプラスチックを供給する供給装置と、プラスチックが該第1の領域を通過する時間が10分以上で該第2の領域を通過する間にプラスチックの温度が3〜20℃/分の割合で変化するように供給を制御する供給制御手段とを有する。

0016

上記構成に従って、300〜400℃の温度において、溶融状態のプラスチックにおいて炭素−炭素結合の切断が進行し、450〜500℃まで3〜20℃/分で昇温して熱分解を行うことにより、燃料や石油化学原料として有効利用できる炭素数が20以下の炭化水素を主成分とする軽質油が回収される。

発明を実施するための最良の形態

0017

プラスチックは、炭素原子が数千から数万の単位で鎖状に連結した高分子であるが、加熱処理を施すと炭素−炭素結合がランダム開裂して、炭素数1〜44の炭化水素ガスが生成し、プラスチックから放出される。プラスチックをいきなり500℃程度の熱分解炉に投入すると、溶融状態における滞留時間が短いため、十分に炭素−炭素結合を切断されることなくガス化してしまう。そのため、熱分解によって生成する炭化水素ガスは、炭素数が20より大きいのガスが主成分となるため、冷却して回収した生成油は炭素数が20より大きいの重油となる。さらに、上記の生成油には炭素数20以下の軽質油も一部含まれているため、引火点や安全面から重油として使用することは難しい。

0018

燃料や石油化学原料として利用価値の高い炭素数20以下の軽質油を主成分として回収するには、溶融状態においてプラスチックの炭素−炭素結合を十分に切断できるように、熱分解炉の加熱温度を適切に制御する必要がある。本発明においては、図1に範囲Tとして示すように、プラスチックの温度が300〜400℃の範囲、好ましくは350℃に、少なくとも10分以上、好ましくは約20分間維持された後、昇温速度3〜20℃/分、好ましくは10℃/分で450〜500℃の範囲の温度まで昇温されるように熱分解炉の加熱温度を制御する。このような温度制御を行うことによって、動粘度が20cSt 以下で炭素数が20以下の成分が98%以上を占める生成油が得られる。

0019

プラスチックは450℃以上の温度で分解ガス化が進行するため、この温度に達する前にプラスチックの炭素−炭素結合を十分に切断する必要がある。炭素−炭素結合の切断は300℃以上で進行し、特に300〜400℃の範囲では、溶融状態のプラスチック内部で炭素−炭素結合の切断が進行する。従って、300〜400℃の範囲で温度を維持することによって、分解ガス化温度に加熱した時に低分子量の炭化水素化合物が生成し易くなる。加熱の初期温度が400℃を越えると、得られる熱分解生成物は炭素数20以上の重質成分が主となり、動粘度が500cSt 以上のワックス状のものとなる。この点に関して、加熱の初期温度が300℃以下であってもよいことは明かであり、室温から300℃の範囲まで昇温する工程に続いてプラスチックの温度が300〜400℃の範囲に所定時間あればよい。但し、300℃まで昇温する時間を長く取ることは、熱分解処理連続処理装置を用いて行う場合に装置の長さを長くする必要を生じるので、使用する熱分解装置に応じて調整すべきである。

0020

又、溶融状態の温度から分解ガス化の温度への昇温は、得られる生成物の分子量分布に影響を与え、急激な温度上昇は生成油の成分分布の幅を広くする。従って前述したような昇温速度で分解ガス化温度まで加熱温度を上げた後に、分解ガス化温度で完全に熱分解する。分解ガス化が起こる温度はプラスチックの種類によって異なるが、450℃程度の温度で大概のプラスチックは熱分解するので、450〜500℃の範囲で少なくとも20分程度保持すれば、熱分解は達成される。

0021

プラスチックに加熱処理を施す際の熱分解炉内雰囲気酸素濃度は、0〜5%に抑えるのが望ましい。酸素濃度を0〜5%に制御することにより、昇温時間が短縮し、かつ、排ガス中の酸化物の量を低減することができる。また、残渣中の金属の酸化を防ぐことができるため、金属の回収リサイクルが容易となり、資源保護の面から好ましい。

0022

更に、熱分解生成物の主成分を炭素数15前後の軟質油とするためには、熱分解を促進して軽質化する触媒として、硫黄含有ガスを熱分解時に供給するのが好ましい。硫黄含有ガスとしては、硫化水素(H2 S)、二臭化二硫黄(Br2 S2 )、二硫化炭素(CS2 )等が挙げられる。又、プラスチック中に含まれるポリ塩化ビニル(PVC)等のハロゲン含有プラスチックの分解によって生じるハロゲン化水素は、消石灰等のカルシウム類噴霧することによって熱分解生成物のガスから中和除去することができる。

0023

プラスチックに含まれる発泡ウレタン樹脂中のフロンガス等のハロゲン化炭化水素は、プラスチックを加熱溶融する間にプラスチックから放出される。これらは、分解触媒及びハロゲン吸着剤を用いて処理する。分解触媒としては、Cr2O3 /Al2 O3 、Cr2 O3 /ZrO3 、WZrO2 −TiO2 等が用いられ、ハロゲン吸着剤としては、CaCO3 、Ca(OH)2 、CaO、活性炭等が挙げられる。

0024

上記のプラスチックの熱分解を実施する熱分解装置を図2に示す。この熱分解装置1は、前述のプラスチックの温度制御の精度を高めるために回転炉(ロータリーキルン)を用いている。

0025

詳細には、熱分解装置1は、回転炉3、投入ホッパー5、投入用二重ダンパ7、投入用プッシャ9、排出用二重ダンパ11、酸素濃度制御装置13、硫黄含有ガス供給装置15、カルシウム噴霧装置17を有している。

0026

温度制御装置19は、回転炉3の加熱温度を前段部21と中間部23と後段部25の3つに区分して温度制御する。前段部21は300〜400℃に、後段部25は450〜500℃に、中間部23は前段部21から後段部25へ向かって連続的に温度が上昇するように温度勾配が設けられる。

0027

硫黄含有ガス供給装置15が付設されいる回転炉3の中間部23には、硫黄含有ガス濃度センサー27が並設され、常時硫黄含有ガス濃度を測定する。この測定値によって硫黄含有ガス供給装置15の供給量を制御して中間部23内の硫黄含有ガス濃度が所定量になるように構成されている。

0028

回転炉3内でのプラスチックの滞留時間は、図示を省略した回転炉制御装置により回転数および回転炉傾斜角度可変することにより調整する。

0029

プラスチック廃棄物は予め破砕機で300mm角程度に破砕し、投入ホッパー5より投入する。回転炉3内へのプラスチック廃棄物の投入は、まず投入用二重ダンパ7の上段部ホッパを開いて、廃棄物をパージ室29に落とし込む。二重ダンパー7の上段ホッパが閉じた後に下段ホッパを開き、落とし込まれた廃棄物は投入用プッシャ9により回転炉3の内部に投入される。この二重ダンパー7は、炉内への空気の侵入を防ぐことができ、2段階の油圧シリンダマテリアルシールを施す方式に比べてトラブルが少なく、以下に記載する酸素濃度の制御も的確に行われる。

0030

回転炉3内の酸素濃度は、酸素濃度制御装置13によりパージ室29に供給する窒素ガス流量の調整により制御する。回転炉3内の酸素濃度は、前段部21に付設された酸素濃度センサー31により常時測定している。酸素濃度が規定値を下回った場合、酸素濃度制御装置13により、パージ室29へ送り込む窒素ガスの流量が絞られる。逆に回転炉3内の酸素濃度が規定値を上回る場合は、酸素濃度制御装置13により供給される窒素ガス流量は多くなる。これらの制御は、図示を省略したシステム制御装置を用いて、酸素濃度センサー31のデータを基に酸素濃度制御装置13に制御信号を送って自動制御を行う。

0031

プラスチック廃棄物にポリ塩化ビニルが含まれている場合、加熱処理により塩化水素が発生する。塩化水素は、回転炉3の内壁だけでなく、ガス配管や附属する装置を腐食させる。又、塩化水素はプラスチックの熱分解ガスと反応して有機塩素化合物を生じるため、生成油中に有機塩素化合物が混入され、燃料や石油化学原料としての利用に支障をきたす。さらに、プラスチック廃棄物にプリント配線基板が含まれている場合、プリント配線基板で使用されているハンダ中の鉛が塩化鉛となって飛散するため、環境保全の面から好ましくない。この熱分解装置では、塩化水素濃度センサー33が回転炉3の後段部25に設けられ、回転炉3内の塩化水素濃度を常時測定し、この測定値に応じてカルシウム噴霧装置17から消石灰を噴霧する。回転炉3内で塩化水素を中和することで、装置の腐食を防止できるだけでなく、生成油中への有機塩素化合物の混入が低減され、さらに鉛の飛散を抑えることが出来る。

0032

プラスチック廃棄物に混入するフロン含有発泡樹脂は、回転炉3の前段部21内で溶融させることにより、大半のフロンはガスとして放出される。フロン放出後溶融樹脂は引き続き加熱分解されて、炭化水素ガスとして排出される。

0033

回転炉3の上部は、ガス排出管35に接続されている。ガス排出管35は、ガス凝縮部37に接続されている。回転炉3で放出されたフロンガス、および、プラスチックや発泡樹脂の加熱処理で生成した炭化水素ガスは、ガス排出管35を通ってガス凝縮部37に送られる。

0034

ガス凝縮部37は、3段階の温度でガスを冷却するため、冷却室A、冷却室B冷却室Cに分かれており、図示を省略したガス温度制御装置により冷却温度が制御される。例えば、冷却室Aのガス冷却温度を50℃程度、冷却室Bのガス冷却温度を40℃程度、冷却室Cのガス冷却温度を30℃程度になるように制御する。冷却室A,B,Cで凝縮した炭化水素は、それぞれ回収タンク39A,39B,39Cで回収を行う。このように冷却温度を制御することにより、沸点の異なる軽質油を分別回収することが出来る。

0035

フロン含有発泡樹脂から放出されたフロンガスは、沸点が25℃以下のためガス凝縮部17を通り抜けて、フロンガスの無害化処理部に送られる。

0036

フロンガスの無害化処理部は、フロン分解触媒およびハロゲン吸着剤を充填した分解触媒槽41、水蒸気導入装置43、および図示を省略した触媒供給部および触媒排出部を有している。分解触媒槽41は、ガス凝縮部37で回収した油を燃料として加熱する加熱装置によって外部加熱され、例えば500℃の温度に昇温、保持される。分解触媒および加熱作用によりフロンガスは効率よく分解される。水蒸気は四塩化炭素等の有害な副生成物の発生を抑制し、なおかつフロンガスの分解率を向上させる作用を有する。フロンガスの分解により塩化水素ガスフッ化水素ガス等のハロゲン化水素が生じるが、触媒と混入したハロゲン吸着剤にトラップさせることにより、触媒被毒を防ぐことができ、触媒寿命を長期化できる。

0037

フロンガスの無害化処理部から排出された排ガス中にハロゲン吸着剤でトラップ出来なかった一部の塩化水素ガスやフッ化水素等が含まれている場合に備えて、排ガス処理部としてアルカリ水シャワー45が接続されており、これによって排ガス中のハロゲン化水素量は環境基準以下に抑えられる。

0038

以下、実験結果に基づき、本発明を更に詳細に説明する。

0039

(実施例1)長さが6mのロータリーキルンを回転炉3として備えた図2の熱分解装置1を用いて以下の操作を行った。

0040

まず、プラスチック廃棄物(組成ポリウレタン15%、ポリスチレン5%、ABS20%、ポリプロピレン40%、ポリ塩化ビニル20%)を破砕機で300mm角程度に破砕した。

0041

次に、熱分解装置1の回転炉3内のプラスチックの滞留時間が60分となるように、回転炉3を、傾斜角1.43度、回転数0.7Nrpmとなるように設定し、回転炉3の前段部(長さ200cm)の加熱温度を350℃、中間部(長さ150cm)の加熱温度を400℃、後段部(長さ250cm)の加熱温度を500℃に設定した。冷却室Aのガス冷却温度は50℃、冷却室Bのガス冷却温度は40℃、冷却室Cのガス冷却温度は30℃に設定した。

0042

破砕したプラスチック廃棄物を投入ホッパー5より投入して熱分解処理を行った。この間、回転炉3内の酸素濃度を0.5%に保持するように制御し、硫黄含有ガスとして硫黄水素を用いて回転炉3内の硫化水素濃度が0.1%となるように供給量を制御した。又、塩化水素濃度が50ppm 以下になるようにカルシウム噴霧装置17から消石灰を噴霧した。

0043

上記の操作によって回収タンク39A,39B,39Cで回収された生成物を分析したところ、各々、回収タンク39Aでは炭素数15をピークとしたA重油と経由との混合物、回収タンク39Bでは経由とガソリンの混合物、回収タンク39Cではガソリン相当の生成油であった。

0044

(比較例1)回転炉の前段部21の温度を400℃に、中間部23の温度を450℃に設定した点を除いては実施例と同様の操作を繰り返し、回収タンク39A,39B,39Cで回収された生成物を分析したところ、各々、回収タンク39Aでは炭素数20をピークとしたA重油相当であった。回収タンク39B、39Cは上記と同様であったが、実施例1と比較して油量は減少し、メタンエタンプロピレン等のガス量が増加した。

発明の効果

0045

以上説明したように本発明によれば、プラスチック廃棄物の熱分解温度を適正に設定することにより、燃料や石油化学原料として有効利用可能な品質の生成油を効率よく回収することができ、フロンを発泡剤等として含む発泡樹脂やハロゲンを含むプラスチックを処理する際にも、フロンの無害化及びハロゲン化水素の除去を安全且つ効率よく行える。更に、残渣からの金属の回収や、有害な鉛化合物飛散防止ができる。従って、産業上の価値のみならず、地球環境保全の面かにおける利点も有する。

図面の簡単な説明

0046

図1本発明に係るプラスチックの熱分解処理における温度制御を説明するための説明図。
図2本発明に係るプラスチックの熱分解処理を行う熱分解装置の一例を示す概略構成図。

--

0047

1熱分解装置
3回転炉
7投入用二重ダンパ
13酸素濃度制御装置
15硫黄含有ガス供給装置
17カルシウム噴霧装置
19温度制御装置
37ガス凝縮部
41分解触媒槽
43水蒸気導入装置
45アルカリ水シャワー塔

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ