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課題

紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用カラー画像処理装置において、1画素単位で滲み防止を行なうことができるカラー画像処理装置を提供する。

解決手段

黒で印字する画素(K)のうちで、4画素以内にイエローで印字する画素(Y)があるものを、エッジ領域4の画素群に属するものとして認識し、第1の周期性カラーの印字に置き換え、この画素群につながっている画素群を隣接エッジ領域3の画素群に属するものとして認識し、第2の周期性でカラーの印字に置き換える。イエローで印字する画素(Y)からの距離が大きい領域の画素群に属する画素ほど、シアンマゼンタインクの混色によるカラーで印字する画素(CM)の割合を低くしている。

概要

背景

ノズルから液体インク滴吐出して画像の記録を行なうカラーインクジェット記録装置は、構造が簡単で印字の音が小さい記録装置であり、小型プリンタに適した技術である。しかし、水性インクを用いるため、インク吸収層を設けていない、コピー用紙やレポート用紙などの普通紙では、色と色の境界部でインクの混色滲みを起こすという欠点がある。そのため、インクに界面活性剤等を添加し紙への浸透性を高めることにより、色と色の境界部のインクの混色による滲みを抑えることができる。

しかし、紙への浸透性を高めることにより印字部の濃度が低下し、線・文字等のエッジシャープでなくなるという問題が出る。これは、インクの紙に対する浸透性が上がり、速やかに吸収されることにより、紙の表面に残る色剤の量が減り、紙の繊維に沿ってインクが広がりやすくなるためである。このため、特に、線・文字等をシャープに、しかも高密度再現する必要のある黒のインクだけは、紙への浸透性を高めないようにし、2次色の再現も必要なカラーのインクだけを紙への浸透性を高めたものとして、インクの混色滲みを防ぐ方法が試みられてきた。しかし、このようにした場合も、やはり、黒の印字部分とカラーの印字部分との隣接部分で混色滲みを防ぐことはできない。

この問題を解決するため、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるカラーインクジェット記録装置において、カラー文書を選択する選択手段を有し、カラー文書印字モードが選択されたときには、黒のインク滴で印字すべき部分を、一部だけ所定の割合で、シアンマゼンダイエローのインク滴の混色による印字に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置、あるいは、これに黒を加えて黒・シアン・マゼンダ・イエローのインク滴の混色による印字に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置が考案されてきた。

しかし、これらの装置では、一旦カラー文書印字モードが選択されたときには、黒の印字部分が、すべての領域において所定の割合でカラーのインクの混色による印字、あるいは、カラーと黒の混色による印字に置き換わってしまい、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、濃度が下がり画像が太るという問題がある。

この問題を軽減するために、例えば、特開平6−136310号公報に図7,図8を参照して記載されているように、黒印字部分がカラー印字部分と隣接しているか否かを何らかの手段で解析し、カラー印字部分と隣接している黒印字部分にのみ、上述したような滲み防止処理を行なう装置がある。この場合は、カラー印字部分と隣接していない黒印字部分の画質を向上させることができるが、カラー印字部分と隣接した黒印字部分については、依然として問題が残る。

なお、黒印字部分とカラー印字部分との間の距離などの隣接状態を検出し、これに応じて滲み防止処理を行なうものは、特開平5−276373号公報や特開平6−113155公報等で知られているが、滲み防止処理の方法が異なる。

他に、例えば、特開平6−206370号公報に図12ないし図17を参照して記載されているように、黒画像に隣接した着眼すべきカラー画像画素を何らかの手段で検出した時には、カラー画素を中心に縦、横の2×2画素分の距離の範囲にある黒画像を拡張画素に置き換える装置が知られている。拡張画素は、4ドットの内、3ドットをカラーのインク滴の混色(シアン,マゼンタ,イエローの混色およびイエロー,シアンの混色)に置き換えたものである。この場合、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、上述した問題が軽減する。

また、拡張画素の概念を導入せずに、これと類似の考えを用いれば、黒画素を中心に縦、横の所定画素分の距離の範囲内にカラー画素を有する領域のみ、黒のインク滴で印字すべき部分の一部をカラーのインク滴の混色、あるいはこれに黒のインク滴を加えた混色に置き換えて印字する装置が考えられる。この場合も、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、上述した問題が軽減する。

しかし、いずれの場合も、上述した変換処理を適用する黒印字領域と適用しない黒印字領域との間に濃度の薄い部分が発生し、疑似輪郭のように見えるという問題が発生する。この原因を図25を参照して説明する。

図25は、エッジ領域の黒画素の一部分をカラーのインクの混色に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置を用いたときにおいて、黒インク印字部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図である。カラーがイエローである場合を例示する。図25(A)は、境界付近における画素の印字色情報を表わす説明図であり、図25(B)は、普通紙へのインクの浸透度を表わす紙の断面図である。図中、1は普通紙、2は紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分、4はエッジ領域、151は紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分、152はインクが流れ出した部分である。

紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分151と紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分2とに隣接したエッジ領域4においては、本来黒で印字すべき画素(K)の一部分をカラーのインクであるシアンとマゼンタの混色で印字する画素(CM)に置き換え、黒のインクで印字する画素(K)と、シアンとマゼンタのインクの混色で印字す画素(CM)とを1対1の割合で市松模様状に交互に組み合わせて印字する。そのため、インクは比較的速く普通紙1に浸透し、イエローの部分へ滲み出すことがない。

一方、黒インクで印字される部分であって、エッジ領域4を除く部分は、紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分151であるため、印字濃度が高くなる。しかし、エッジ領域4ではインクが浸透しやすくなっているため、このエッジ領域4に接する部分では、エッジ領域4に向かってインクが流れ出すという現象が起きる。このため、インクが流れ出した部分152の画像濃度が下がり、疑似輪郭のように見えるという不具合が発生する。

上述した、特開平6−206370号公報の図18を参照して記載されているように、拡張画素を用いた場合には、カラーインク画素から遠ざかるに従い拡張画素内での黒インクの割合を増加させることが知られている。しかし、2次元上で2×2の拡張画素を単位として置き換えを行なうに際し、滲み処理をすべき黒で印字する画素を、正規の2×2サイズの拡張画素に区切れない場合が多い。

例えば、滲み処理をすべき黒で印字する画素(K)が、単独の1画素である場合など、黒で印字する画素の領域が拡張画素よりも小さい場合、1拡張画素として扱って滲み処理をすると黒の解像度を低下させる結果となる。また、滲み処理をする領域の幅をカラーで印字する画素との境界から2拡張画素分(4画素分)というように決めておいても、カラーで印字する画素(C,M,Y)と黒で印字する画素(K)との境界は1画素単位で変わるから、拡張画素単位で滲み処理をすると、黒の解像度を低下させるだけではなく、滲み処理する幅が変わってしまう。このように、上述した従来例では、黒の解像度の低下や、滲み処理のばらつきが発生してしまうという問題がある。

概要

紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用のカラー画像処理装置において、1画素単位で滲み防止を行なうことができるカラー画像処理装置を提供する。

黒で印字する画素(K)のうちで、4画素以内にイエローで印字する画素(Y)があるものを、エッジ領域4の画素群に属するものとして認識し、第1の周期性でカラーの印字に置き換え、この画素群につながっている画素群を隣接エッジ領域3の画素群に属するものとして認識し、第2の周期性でカラーの印字に置き換える。イエローで印字する画素(Y)からの距離が大きい領域の画素群に属する画素ほど、シアンとマゼンタのインクの混色によるカラーで印字する画素(CM)の割合を低くしている。

目的

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用のカラー画像処理装置において、1画素単位で滲み防止を行なうことができるカラー画像処理装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用カラー画像処理装置において、黒で印字する画素を入力し、該黒で印字する画素をカラーで印字する画素までの距離に基づいて複数の画素群区分する領域区分手段と、前記複数の画素群のうち、前記カラーで印字する画素までの距離が最も近い領域の画素群および前記領域に次いで前記カラーで印字する画素までの距離が近い領域の画素群である、少なくとも2つの画素群に属する画素に対して、所定の変換規則に基づいて印字情報を置き換え画素変換手段を有し、前記変換規則は、前記黒で印字する画素に対して所定の周期性印字色情報を黒からカラーに置き換えるものであり、画素変換がなされる前記画素群ごとに、前記カラーで印字する画素までの距離が遠いほど置き換える画素の割合が小さくなるように定められたものであることを特徴とするカラー画像処理装置。

請求項2

前記領域区分手段は、前記黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素集合の中に前記カラーで印字する画素があるか否かを判定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のカラー画像処理装置。

請求項3

前記参照画素の集合は、前記黒で印字する画素から所定の相対距離以内にある画素の少なくとも1つを含まないものであることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像処理装置。

請求項4

前記変換規則は、印字情報を黒から単色または2色混合によるカラーに置き換えるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置。

請求項5

前記変換規則は、前記黒で印字する画素の絶対位置に基づいて定められたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置。

請求項6

黒で印字する画素であって、該黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素の集合の中にカラーで印字する画素があるものを要処理画素とし、該要処理画素に直接にまたは前記黒で印字する画素を介して隣接する画素を前記要処理画素に追加する要処理画素抽出手段を有し、該要処理画素抽出手段により前記要処理画素とされた前記黒で印字する画素を、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置に出力することを特徴とするカラー画像処理装置。

技術分野

0001

本発明は、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるカラープリンタにおける画像処理装置、特に普通紙に色間の滲みの少ない良好な画像を得ることのできる画像処理装置に関するものである。

背景技術

0002

ノズルから液体インク滴吐出して画像の記録を行なうカラーインクジェット記録装置は、構造が簡単で印字の音が小さい記録装置であり、小型プリンタに適した技術である。しかし、水性インクを用いるため、インク吸収層を設けていない、コピー用紙やレポート用紙などの普通紙では、色と色の境界部でインクの混色滲みを起こすという欠点がある。そのため、インクに界面活性剤等を添加し紙への浸透性を高めることにより、色と色の境界部のインクの混色による滲みを抑えることができる。

0003

しかし、紙への浸透性を高めることにより印字部の濃度が低下し、線・文字等のエッジシャープでなくなるという問題が出る。これは、インクの紙に対する浸透性が上がり、速やかに吸収されることにより、紙の表面に残る色剤の量が減り、紙の繊維に沿ってインクが広がりやすくなるためである。このため、特に、線・文字等をシャープに、しかも高密度再現する必要のある黒のインクだけは、紙への浸透性を高めないようにし、2次色の再現も必要なカラーのインクだけを紙への浸透性を高めたものとして、インクの混色滲みを防ぐ方法が試みられてきた。しかし、このようにした場合も、やはり、黒の印字部分とカラーの印字部分との隣接部分で混色滲みを防ぐことはできない。

0004

この問題を解決するため、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるカラーインクジェット記録装置において、カラー文書を選択する選択手段を有し、カラー文書印字モードが選択されたときには、黒のインク滴で印字すべき部分を、一部だけ所定の割合で、シアンマゼンダイエローのインク滴の混色による印字に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置、あるいは、これに黒を加えて黒・シアン・マゼンダ・イエローのインク滴の混色による印字に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置が考案されてきた。

0005

しかし、これらの装置では、一旦カラー文書印字モードが選択されたときには、黒の印字部分が、すべての領域において所定の割合でカラーのインクの混色による印字、あるいは、カラーと黒の混色による印字に置き換わってしまい、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、濃度が下がり画像が太るという問題がある。

0006

この問題を軽減するために、例えば、特開平6−136310号公報に図7図8を参照して記載されているように、黒印字部分がカラー印字部分と隣接しているか否かを何らかの手段で解析し、カラー印字部分と隣接している黒印字部分にのみ、上述したような滲み防止処理を行なう装置がある。この場合は、カラー印字部分と隣接していない黒印字部分の画質を向上させることができるが、カラー印字部分と隣接した黒印字部分については、依然として問題が残る。

0007

なお、黒印字部分とカラー印字部分との間の距離などの隣接状態を検出し、これに応じて滲み防止処理を行なうものは、特開平5−276373号公報や特開平6−113155公報等で知られているが、滲み防止処理の方法が異なる。

0008

他に、例えば、特開平6−206370号公報に図12ないし図17を参照して記載されているように、黒画像に隣接した着眼すべきカラー画像画素を何らかの手段で検出した時には、カラー画素を中心に縦、横の2×2画素分の距離の範囲にある黒画像を拡張画素に置き換える装置が知られている。拡張画素は、4ドットの内、3ドットをカラーのインク滴の混色(シアン,マゼンタ,イエローの混色およびイエロー,シアンの混色)に置き換えたものである。この場合、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、上述した問題が軽減する。

0009

また、拡張画素の概念を導入せずに、これと類似の考えを用いれば、黒画素を中心に縦、横の所定画素分の距離の範囲内にカラー画素を有する領域のみ、黒のインク滴で印字すべき部分の一部をカラーのインク滴の混色、あるいはこれに黒のインク滴を加えた混色に置き換えて印字する装置が考えられる。この場合も、黒印字部分は、黒のインク滴だけの場合に比べ、上述した問題が軽減する。

0010

しかし、いずれの場合も、上述した変換処理を適用する黒印字領域と適用しない黒印字領域との間に濃度の薄い部分が発生し、疑似輪郭のように見えるという問題が発生する。この原因を図25を参照して説明する。

0011

図25は、エッジ領域の黒画素の一部分をカラーのインクの混色に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置を用いたときにおいて、黒インク印字部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図である。カラーがイエローである場合を例示する。図25(A)は、境界付近における画素の印字色情報を表わす説明図であり、図25(B)は、普通紙へのインクの浸透度を表わす紙の断面図である。図中、1は普通紙、2は紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分、4はエッジ領域、151は紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分、152はインクが流れ出した部分である。

0012

紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分151と紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分2とに隣接したエッジ領域4においては、本来黒で印字すべき画素(K)の一部分をカラーのインクであるシアンとマゼンタの混色で印字する画素(CM)に置き換え、黒のインクで印字する画素(K)と、シアンとマゼンタのインクの混色で印字す画素(CM)とを1対1の割合で市松模様状に交互に組み合わせて印字する。そのため、インクは比較的速く普通紙1に浸透し、イエローの部分へ滲み出すことがない。

0013

一方、黒インクで印字される部分であって、エッジ領域4を除く部分は、紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分151であるため、印字濃度が高くなる。しかし、エッジ領域4ではインクが浸透しやすくなっているため、このエッジ領域4に接する部分では、エッジ領域4に向かってインクが流れ出すという現象が起きる。このため、インクが流れ出した部分152の画像濃度が下がり、疑似輪郭のように見えるという不具合が発生する。

0014

上述した、特開平6−206370号公報の図18を参照して記載されているように、拡張画素を用いた場合には、カラーインク画素から遠ざかるに従い拡張画素内での黒インクの割合を増加させることが知られている。しかし、2次元上で2×2の拡張画素を単位として置き換えを行なうに際し、滲み処理をすべき黒で印字する画素を、正規の2×2サイズの拡張画素に区切れない場合が多い。

0015

例えば、滲み処理をすべき黒で印字する画素(K)が、単独の1画素である場合など、黒で印字する画素の領域が拡張画素よりも小さい場合、1拡張画素として扱って滲み処理をすると黒の解像度を低下させる結果となる。また、滲み処理をする領域の幅をカラーで印字する画素との境界から2拡張画素分(4画素分)というように決めておいても、カラーで印字する画素(C,M,Y)と黒で印字する画素(K)との境界は1画素単位で変わるから、拡張画素単位で滲み処理をすると、黒の解像度を低下させるだけではなく、滲み処理する幅が変わってしまう。このように、上述した従来例では、黒の解像度の低下や、滲み処理のばらつきが発生してしまうという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0016

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用のカラー画像処理装置において、1画素単位で滲み防止を行なうことができるカラー画像処理装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0017

請求項1に記載の発明においては、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録用のカラー画像処理装置において、黒で印字する画素を入力し、該黒で印字する画素をカラーで印字する画素までの距離に基づいて複数の画素群区分する領域区分手段と、前記複数の画素群のうち、前記カラーで印字する画素までの距離が最も近い領域の画素群および前記領域に次いで前記カラーで印字する画素までの距離が近い領域の画素群である、少なくとも2つの画素群に属する画素に対して、所定の変換規則に基づいて印字情報を置き換える画素変換手段を有し、前記変換規則は、前記黒で印字する画素に対して所定の周期性で印字色情報を黒からカラーに置き換えるものであり、画素変換がなされる前記画素群ごとに、前記カラーで印字する画素までの距離が遠いほど置き換える画素の割合が小さくなるように定められたものであることを特徴とするものである。

0018

請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載のカラー画像処理装置において、前記領域区分手段は、前記黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素集合の中に前記カラーで印字する画素があるか否かを判定する手段を有することを特徴とするものである。

0019

請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載のカラー画像処理装置において、前記参照画素の集合は、前記黒で印字する画素から所定の相対距離以内にある画素の少なくとも1つを含まないものであることを特徴とするものである。

0020

請求項4に記載の発明においては、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置において、前記変換規則は、印字情報を黒から単色または2色混合によるカラーに置き換えるものであることを特徴とするものである。

0021

請求項5に記載の発明においては、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置において、前記変換規則は、前記黒で印字する画素の絶対位置に基づいて定められたものであることを特徴とするものである。

0022

請求項6に記載の発明においては、カラー画像処理装置において、黒で印字する画素であって、該黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素の集合の中にカラーで印字する画素があるものを要処理画素とし、該要処理画素に直接にまたは前記黒で印字する画素を介して隣接する画素を前記要処理画素に追加する要処理画素抽出手段を有し、該要処理画素抽出手段により前記要処理画素とされた前記黒で印字する画素を、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置に出力することを特徴とするものである。

発明を実施するための最良の形態

0023

図1は、本発明のカラー画像処理装置の第1の実施の形態を用いたときの、黒インク印字部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図である。カラーインクがイエローの場合を例示する。図1(A)は、境界付近における画素の印字色情報を表わす説明図であり、図2(B)は、普通紙へのインクの浸透度を表わす紙の断面図である。図中、図25と同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。3は隣接エッジ領域である。

0024

この実施の形態は、図1(A)に例示されるように、紙への浸透の遅い黒インクと紙への浸透の速いカラーインクを用いるインクジェット記録のためのカラー画像処理装置であって、黒で印字する画素(K)のうちで、4画素以内にイエローで印字する画素(Y)があるものを、カラーで印字する画素に隣接するエッジ領域4の画素群に属する画素として認識し、予め定められた第1の周期性でカラーの印字に置き換え、この画素群につながっている画素群を隣接エッジ領域3の画素群に属する画素として認識し、この画素群を予め定められた第2の周期性でカラーの印字に置き換えるものである。

0025

エッジ領域4においては、図25におけるエッジ領域と同様に、第1の画素変換規則を用いて、黒で印字する画素(K)を水平方向および垂直方向の1画素置きに、シアンとマゼンタのインクの混色のカラーで印字する画素(CM)に置き換えている。これに対し、隣接エッジ領域3においては、黒で印字する画素(K)を第2の画素変換規則を用いて、水平方向及び垂直方向の2本に1本の列同士が交差する位置の画素について、シアンとマゼンタのインクの混色によるカラーで印字する画素(CM)に置き換えている。

0026

黒で印字する画素(K)と、シアンとマゼンタのインクの混色のカラーで印字する画素(CM)との比は、エッジ領域4においては1対1の割合であるのに対し、隣接エッジ領域3においては、3対1の割合となる。したがって、イエローで印字する画素(Y)からの距離が大きい領域の画素群に属する画素ほど、シアンとマゼンタのインクの混色によるカラーで印字する画素(CM)の割合を低くしている。

0027

図1(B)に示されるように、この実施の形態によれば、エッジ領域4は、普通紙1への浸透性の高いカラーインク部分2に隣接しており、色のコントラストが大きい。したがって、少しでもカラー部分に黒インクが流れ込むと大きな画質劣化になってしまう。そのために、紙への浸透の遅い黒インクで印字すべき画素(K)から普通紙1への浸透の速いカラーインクで印字する画素(CM)への置き換えを比較的大きな割合で行なっている。

0028

これに対して、隣接エッジ領域3では、紙への浸透の遅い黒インクで印字する画素(K)から紙への浸透の速いカラーインクで印字する画素(CM)への置き換えを比較的低い割合で行なってもかまわない。したがって、隣接エッジ領域3にも、少量ながら紙への浸透の速いカラーインクが混色で印字されるので、普通紙1への浸透性が向上し、エッジ領域4への流れ出しが少なくなる。その結果、インクが流れ出した部分の画像濃度が下がり疑似輪郭のように見えるといった不具合が抑えられる。その結果、黒印字部分の濃度低下・色目の変化を最小限に抑えることができる。

0029

再び、図1(A)に戻って、エッジ領域4および隣接エッジ領域3の認識および置き換えの規則の概要を説明する。黒で印字する画素(K)を、イエローで印字する画素(Y)までの距離がどの範囲内にあるかを、黒で印字する画素(K)ごとに判定し、置き換えの処理も黒で印字する画素(K)ごとに行なっている。したがって、1画素単位で滲み防止処理を行なっているため、上述した拡張画素を有する従来技術のように、黒の解像度を低下させたり、滲み処理する幅が変わるようなことがない。

0030

置き換えの規則は、変換処理の対象となる黒で印字する画素(K)が、イエローで印字する画素(Y)からの相対距離に応じて、置き換えをするか否かを決めることができる。しかし、カラーで印字する画素との境界が近接して2以上の方向に存在する場合などには、相対距離の評価が煩雑になる。したがって、変換処理の対象となる画素の絶対位置に基づく第1,第2の画素変換規則を用いて、変換処理をしている。すなわち、画像全体における座標位置に応じて、置き換えをするか黒で印字する画素のままにするかを定めている。

0031

画素の絶対位置に基づく第1,第2の画素変換規則を用いると、画像上の画素の位置に応じた均質な画素変換を行なうことになり、特に、棒グラフなどの幾何学的図形をカラーで表現した画像に対して好適である。したがって、このようなカラー図形を有する文書の印字モードを設けて、このモードの時に本発明の画像処理装置を作動させてもよい。

0032

また、黒で印字する画素(K)から置き換えられてカラーインクで印字する画素には、シアン,マゼンタ,イエローの各単色のインク滴または2色のインク滴の混合によるカラーインクを用いる。なお、上述した拡張画素を有する従来技術のように、3色のインク滴の混合でもよい。しかし、3色の混合による場合に比べて、黒色品質は若干低下するものの、インク滴の総量が1/3または2/3に減少するため、画素の太り、紙の裏への抜け、紙のしわの発生といった問題が少なくなる。

0033

図2は、本発明のカラー画像処理装置を実現するための概要構成図である。併せて、画像処理装置全体における位置づけも示している。図3は、2値化された画像の印字色情報を格納する単位となる画素を表わす説明図である。なお、図2図3は、後述する第2の実施の形態においても説明に使用する。図2中、11は色補正部、12は2値化部、13は滲み防止処理部、14は要処理画素抽出部、15は領域区分部、16は変換処理部、17は記録データ格納部、18は記録制御部、19はインクジェットヘッド駆動部、20はインクジェットヘッドである。

0034

入力画像は、色補正部11に入力され、ガンマ補正RGBデータからCMYKデータへの色変換、ユーザによる色調整などの処理が行なわれ、2値化部12に出力される。RGBデータからCMYKデータへの色変換処理は、RGBデータからCMYデータに色変換を行なった後に、黒(K)データの発生、下色の除去(UCR、アンダーカラーリムーバル)等を行なうものでもよいし、ルックアップテーブルと補間回路を用いてRGBデータを直接CMYKデータへの色変換を行なうものでもよい。

0035

図3に示すように、2値化部12で2値化を終えた画像データは、水平方向にNI個の画素、垂直方向にNJ個の画素からなる画像であり、各画素Pijについて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックについてのON,OFF情報Kij,Cij,Mij,Yijが含まれている。各画素ごとに、それぞれの色について、ONを1、OFFを0と表現する場合もあるし、色ごとに横に並んでいる8個あるいは16個の画素分のON、OFF情報を2進数の各ビットに対応させて表現する場合もある。

0036

このように2値化されたシアン、マゼンダ、イエロー、ブラック4色の2値画像は、滲み防止処理部13に入力されて滲みを防止した画像に変換される。滲み防止処理部13では、2値画像が要処理画素抽出部14に入力されて、まず、滲み防止処理をする必要のある画素、すなわち、カラーで印字される画素から所定距離の範囲内にある黒で印字する画素(K)を抽出する。

0037

第1の実施の形態においては、黒で印字する画素を着目画素として、所定の相対距離内にある参照画素の中にカラーで印字する画素(C,M,Y)があるものを要処理画素とし、この着目画素の中で、要処理画素に直接にまたは黒で印字する画素(K)を介して隣接する画素を要処理画素に追加して、滲み処理する必要のある画素を抽出する。

0038

処理対象とされた画素については、領域区分部15において、カラーで印字される画素(C,M,Y)までの距離に基づいて、図1に示したエッジ領域4および隣接エッジ領域3の画素群に区分される。このようにして、画素にどのような滲み防止の処理をかけるかを決めるための認識を1画素ごと行なう。

0039

変換処理部16においては、区分された画素群に属する画素を、画素群ごとに定められた所定の変換規則に基づいて変換処理する。この変換規則は、黒で印字する画素を所定の周期性で印字色情報をカラーに置き換えるものであり、画素変換がなされる画素群ごとに、カラーで印字する画素までの距離が遠いほど置き換える画素の割合が小さくなるように定められている。

0040

記録データ格納部17は、滲み防止処理13から出力された画像データをそれぞれ記憶する。記録制御部18は、記録データ格納部17からの画像データの読み出しやインクジェットヘッド駆動部19などの制御を行なう。インクジェットヘッド駆動部19は、記録データ格納部17から読み出された画像データに従い、インクジェットヘッド20に対して駆動信号送出する。インクジェットヘッド20は、インクジェットヘッド駆動部19により駆動されたドットに対応して各色のインクを噴出し、実際に被記録媒体に記録を行なう。

0041

上述した各部の機能は、ディジタル回路などによるハードウエアで実現してもよいし、また、CPUを用いてソフトウエアで実現してもよい。必要に応じて両者を併用してもよい。なお、滲み防止処理13において、滲み防止以外の他の画像処理を同時に行なってもよい。また、要処理画素抽出部14は、後述する第2の実施の形態のように、黒で印字する画素(K)の全てを処理対象にするものでもよい。

0042

図1ないし図3を参照した説明では、第1の実施の形態の概要について説明した。以下、図4ないし図18に示すフローチャート等を参照して、滲み防止処理についてより詳細に説明する。

0043

図4ないし図6は、本発明の第1の実施の形態において、2値画像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明するための第1〜第3番目のフローチャートである。図4に示すフローチャートは、図2に示した要処理画素抽出部14における初期化処理に対応する。滲み防止処理を施すかどうかを滲み防止コードBijとして1画素ごとに記憶するためにメモリ領域を確保し初期化する。

0044

S31においては、j=0として垂直方向の第0番目を指示し、S32においては、i=0として水平方向の第0番目を指示し、S33においては、i,jによって指示された画素に対して滲み防止コードBijを0にセットする。S34においては、iの値を1だけ進め、S35においては、iの値が図3に示した水平方向の画素数NI未満であればS33に処理を戻し、iの値がNI以上であればS36に処理を進める。S36においては、jの値を1だけ進め、S37においては、jの値が図3に示した垂直方向の画素数NJ未満であればS32に処理を戻し、jの値がNJ以上であれば、このフローの処理を終了して図5のフローに処理を進める。以上の処理ステップにより、図3に示した全ての画素について滲み防止コードBijを0にセットすることになる。

0045

図5は、図2に示した要処理画素抽出部14の機能に対応し、滲み防止処理を施す画素を見つけ出す処理を行なう。この処理は、1ページの画像について2回以上繰り返される。この繰り返しは、もう新たに滲み防止処理を施す画素を見つけ出すことがなくなるまで続く。S41における処理フラグFは、その繰り返しを続けるかどうか判断するためのフラグである。

0046

S41においては、まず滲み防止処理を施す画素を1ページ分捜し始めるときに処理フラグFをOffにする。S42においては、j=0として垂直方向の第0番目を指示し、S43においては、i=0として水平方向の第0番目を指示して着目画素の位置を初期化する。S44においては、着目する画素Pijについて、滲み防止コードBijが0であって、かつ、Pij中のKijがOnでCij,Mij,YijがOffであるときには、S45に処理を進め、滲み防止コードBijが0でないかまたはPij中のKijがOffまたはCij,Mij,YijのいずれかがOnであるときには、S46をスキップさせてS47に処理を進める。

0047

その結果、黒で印字する画素(K)であって滲み防止コードBijがまだ0である画素については、後述するS45,S46において、新たに滲み防止処理を施す画素を見つけ出す処理を行なうことになる。

0048

S45においては、後述する第1の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素のC,M,YのいずれかがOnあるいは後述する第2の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素の滲み防止コードBが1であるときには、S46に処理を進める。第1の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素のいずれもOffであり、かつ、第2の周囲画素検索ウインドウ内の参照画素の滲み防止コードBが0のときには、S46をスキップさせてS47に処理を進める。

0049

図7は、滲み防止処理を施す画素を見つけるための周囲画素検索ウインドウの説明図であり、図7(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ、図7(B)は第2の周囲画素検索ウインドウの説明図である。図中、81は第1の周囲画素検索ウインドウ、82は着目画素、83は参照画素、84は第2の周囲画素検索ウインドウである。

0050

第1の周囲画素検索ウインドウ81は、中心に着目画素82があり、一例として、着目画素82から水平,垂直方向に2画素の距離にある周囲の画素を参照画素83とするもので、参照画素83のC,M,YのいずれかがOnになっているかどうかを検索するためのものである。したがって、第1の周囲画素検索ウインドウは、カラーで印字する画素(C,M,Y)から黒で印字する画素(K)までの距離を判定し、カラーで印字する画素(C,M,Y)との境界を認識するためのものである。

0051

なお、黒で印字する画素(K)の領域とカラーで印字する画素(C,M,Y)の領域とが直接的に隣接している場合にのみ滲み処理をするのであれば、上述した距離を1としても差し支えない。しかし、インク滴が紙に着地する位置の精度が高くない場合には、黒で印字する画素(K)が無色の狭い領域を挟んでカラーで印字する画素(C,M,Y)に隣接している場合には、カラーのインク滴と黒のインク滴とが交じり合って滲みを生じるおそれがある。そのため、このような場合にも滲み処理をするために、インクジェット記録装置のインク滴の位置精度に合わせて、距離を2以上にしている。

0052

第2の周囲画素検索ウインドウ84は、中心に着目画素82があり、一例として、着目画素82から水平,垂直の4方向に直接に隣接する画素を参照画素83とするもので、参照画素83の滲み防止コードBが1になっているかどうか検索するためのものである。したがって、滲み防止コードBに1が付与され、滲み処理をする対象となった画素に隣接する、黒で印字する画素(K)についても滲み処理の対象とする。

0053

図5に示したフローチャートに戻って説明をする。S45において、第1の周囲画素検索ウインドウ81の中の参照画素についてC,M,YのいずれかがOnになっている場合、あるいは、第2の周囲画素検索ウインドウ84の中の参照画素について滲み防止コードBが1になっている場合には、この着目画素82は、新たに滲み防止処理を施す画素として認識され、S46において、Bijを1にセットするとともに、処理フラグFをONにして、S47に処理を進める。処理フラグFのOnは、この回の1ページ分の処理において新たに滲み防止処理を施す画素が少なくとも1個見つけ出されたことを示す。

0054

S47においては、iの値を1だけ進め、S48においては、iの値がNI未満であるときにはS44に処理を戻し、iの値がNI以上であるときにはS49に処理を進める。S49においては、jの値を1だけ進め、S50においては、jの値がNJ未満であるときにはS43に処理を戻し、jの値がNJ以上であるときにはS51に処理を進める。S51においては、処理フラグFがOnであるときには、S42に処理を戻し、処理フラグFがOffであるときには、このフローの処理を終了して図6に示すフローに進む。その結果、1ページ分の処理が終了しても、新たに滲み防止処理を施す画素が見つけ出されなくなる、つまり処理フラグFがOFFのままであるようになるまで、S41〜S51の処理を繰り返すことになる。

0055

上述した繰り返し処理により、黒で印字する画素(K)中で、滲み防止処理を施すべき画素として認識した要処理画素に直接にまたは他の黒で印字する画素(K)を介して隣接する画素についても、滲み防止処理を施す要処理画素として追加認識し、その結果、カラーで印字する画素(C,M,Y)に所定の距離内で連接する黒で印字する画素についても滲み防止処理を施すことになる。すなわち、カラーで印字する画素(C,M,Y)から所定の距離以内にある黒で印字する画素(K)に連接する黒で印字する画素(K)、すなわち、直接的に、または、黒で印字する他の画素(K)を介して隣接する黒で印字する画素(K)については、滲み防止コードBが1になるが、白地の中に所定距離だけ離れて孤立している黒で印字する画素(K)の領域は、滲み防止コードが0のままである。

0056

図6に示すフローチャートは、図2に示した領域区分部15および変換処理部16の機能に対応するものである。S61においては、jの値を0とし、S62においては、iの値を0として、着目画素の位置の初期化を行ない、以後、全ての画素について処理が行なわれる。まず、S63においては、着目画素のBijの値が1であるときには、さらにS64に処理を進め、滲み防止処理を開始し、0であるときにはS65に処理を進める。

0057

S64においては、後述する第3の周囲画素検索ウィンドウ内の参照画素のC,M,YのいずれかがOnであるときには、図1に示したエッジ領域4であるとしてS66に処理を進め、C,M,YのいずれもOffであるときには、図1に示した隣接エッジ領域3であるとしてS67に処理を進める。

0058

図8は、エッジ領域を検索するための第3の周囲画素検索ウインドウの説明図である。図中、図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。91は第3の周囲画素検索ウインドウである。第3の周囲画素検索ウインドウ91は、中心に着目画素82があり、一例として、着目画素82から水平,垂直方向に4画素の距離にある周囲の画素を参照画素83とするもので、参照画素83のC,M,YのいずれかがOnになっているかどうかを検索するためのものである。

0059

第3の周囲画素検索ウインドウ91は、黒で印字する画素(K)から、カラーで印字する画素(C,M,Y)までの距離を判定してエッジ領域とする画素を認識するためのものである。この距離は、インクの普通紙への滲みの程度によって決められるが、この例では、距離を4画素として、図7(A)に示した第1の周囲画素検索ウインドウ81の距離の2画素よりも長くしている。

0060

S65においては、着目画素PijのKij,Cij,Mij,YijのOn,Off状態はそのままにして、着目画素について4色ともON、OFFの置き換えをしないでS68に処理を進める。

0061

S66においては、図1に示したエッジ領域4に区分される着目画素のPijのKij,Cij,Mij,YijのOn,Off状態について、後述する第1の画素変換規則(M1Kij,M1Cij,M1Mij,M1Yij)で着目画素PijのKij,Cij,Mij,YijのOn、Off状態を置き換え、S68に処理を進める。

0062

S67においては、図1に示した隣接エッジ領域3に区分される黒で印字する画素(K)について、第2の画素変換規則(M2Kij,M2Cij,M2Mij,M2Yij)で着目画素PijのKij,Cij,Mij,YijのOn、Off状態を置き換え、S68に処理を進める。

0063

図9は、第1,第2の画素変換規則を表わす説明図であり、図9(A)はエッジ領域に適用される第1の画素変換規則の説明図であり、図9(B)は隣接エッジ領域に適用される第2の画素変換規則の説明図である。各画素は、画像の絶対座標(i,j)に基づいて決められ、周期性を有するので、原点(0,0)近傍の8×8画素についてだけ例示している。

0064

図9(A)に示す第1の画素変換規則は、カラー画像に隣接する黒画像の領域の中で最もカラー画像と近い領域に適用される変換規則である。水平方向の画素の位置を表わすiの値と垂直方向の画素の位置を表わすjの値について、iの値が偶数であってjの値が奇数である場合、または、iの値が奇数であってjの値が偶数である場合に、本来は黒で印字する画素(K)の印字色情報をシアンとマゼンタのインクの混色によるカラー(CM)に置き換え、残りの画素については置き換えをしないというものである。

0065

図9(B)に示す第2の画素変換規則は、iの値が偶数であって、かつ、jの値が奇数である場合に、本来は黒で印字する画素(K)の印字色情報をシアンとマゼンタのインクの混色によるカラー(CM)に置き換えて、残りの画素については置き換えをしないというものである。

0066

図10図11は、図9(A)に示した第1の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図10(A)は黒のマトリクスM1Kij、図10(B)はシアンのマトリクスM1Cij、図11(A)はマゼンタのマトリクスM1Mij、図11(B)はイエローのマトリクスM1Yijを表わす説明図である。

0067

同様に、図12図13は、図9(B)に示した第2の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図12(A)は黒のマトリクスM2Kij、図12(B)はシアンのマトリクスM2Cij、図13(A)はマゼンタのマトリクスM2Mij、図13(B)はイエローのマトリクスM2Yijを表わす説明図である。

0068

再び図6に戻って処理フローを説明する。S68においては、iの値を1だけ進め、S69においては、iの値がNI未満の場合にはS63に処理を進め、iの値がNI以上の場合にはS70に処理を進める。S70においては、jの値を1だけ進め、S71においては、jの値がNJ未満の場合にはS62に処理を進め、jの値がNJ以上の場合には、滲み防止処理を終了する。

0069

上述した滲み防止処理について、第1〜第3の周囲画素検索ウインドウ81,84,91の大きさや形状、第1の画素変換規則,第2の画素変換規則は、上述した特定の例に限られるものではない。例えば、周囲画素検索ウインドウの大きさを変更することができる。インク、紙の性質、インク滴のドロップ量、印字速度、画像解像度等によって良好となる画質は異なる。次に、第1の画素変換規則,第2の画素変換規則を変えた例を示す。

0070

図14は、図9に示した第1,第2の変換規則とは異なる他の第1,第2の変換規則の例を表わす説明図であり、図14(A)は第1の変換規則の説明図であり、図14(B)は第2の変換規則の説明図である。この変換規則は、図9(A),図9(B)に示した変換規則と比較して、黒で印字する画素(K)の印字情報をシアンとマゼンタという2色の混色によるカラー(CM)に置き換える代わりに、単色のカラー(C,M)に置き換えるものである。単色のカラーインクとしては、シアン,マゼンタを均等に配置している。

0071

図14(A)に示した第1の変換規則においては、水平方向に、+1置きにM,C,C,Mが繰り返し、垂直方向に+2だけ下がるごとに、+3,+1,+3,−3,+3,+1,+3,−3,…ずつ水平方向にずれて周期性を持って繰り返している。垂直方向に見た場合には、+1置きにC,M,M,Cが繰り返し、水平方向に+2だけ右に進むごとに、+3,+1,+3,−3,+3,+1,−3,…ずつ垂直方向にずれて繰り返している。CとMの割合は1:1である。

0072

図14(B)に示した第2の変換規則においては、水平方向に、+1置きにC,M,M,Cが繰り返し、垂直方向に+2だけ下がるごとに、+4ずつ水平方向にずれて繰り返している。垂直方向に見た場合には、+1置きにC,M,C,Mが繰り返し、水平方向に+2だけ右に進むごとに、−2,0,+2,0,…ずつ垂直方向にずれて周期的に繰り返している。CとMの割合は1:1である。

0073

なお、図4図5に示したフローチャートの処理を実行する代わりに、着目画素が単に黒で印字する画素(K)であるか否かを判定するだけでもよい。この場合でも、図6に示したステップS64における図8に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91を用いた検索で、滲み防止処理対象とする画素の領域を認識することができる。しかし、図4図5に示したフローチャートの処理を実行した方が、インク,紙の性質,インク滴のドロップ量,印字速度,画像解像度等に応じて、着目画素を滲み防止処理を行なう対象とするための基準と、エッジ領域内であると認識するための基準とを、個別に設定できるという自由度がある。すなわち、黒で印字する画素(K)である着目画素からカラーで印字する画素(C,M,Y)までの距離を個別に設定することができる。

0074

上述した、第1の実施の形態のカラー画像処理装置を用いたときの、具体的な処理の実例を図15ないし図18を参照して説明する。第1,第2の画素変換規則としては、図9に示したものを用いる。

0075

図15は、図2に示した2値化部で2値化を終えた画像データの一具体例である。この画像データに第1の実施の形態のカラー画像処理装置を適用してみる。この例では、水平,垂直方向に20個の画素からなる画像であり、図中、各画素Pijについて、黒、シアン、マゼンダ、イエローについてのON,OFF情報Kij,Cij,Mij,Yijを示す変わりに、K,C,M,Yで黒、シアン、マゼンダ、イエローの単一のインクで印字すべき画素を表わしている。太い実線で囲まれた領域が黒で印字する画素(K)の領域となっている。

0076

図16は、図15に示した画像データに対する滲み防止コードのセット状況の説明図である。図2に示した要処理画素抽出部14の処理出力である。同時に、図5に示したフローチャートの処理結果の状態でもある。図7に示した第1,第2の周囲画素検索ウインドウ81,84を用いて、Bijをセットした状態である。図中、0,1は滲み防止コードBijが0,1であることを表わす。この具体例では、図15に示したように、全ての黒で印字する画素(K)が、イエローで印字する画素(Y)に連接しているため、図16に示すように、太い実線で囲まれた全ての黒で印字する画素(K)の滲み防止コードが1になっている。

0077

図17は、エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明図である。図2に示した領域区分部15の処理出力である。同時に、図6に示したS63,S64のステップの処理を行なった結果を表わすものでもある。図16に示した滲み防止コードBijが1の画素群に対して、図8に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91を用いて、図中、の画素群が、図1に示したエッジ領域4であり、1の画素群が図1に示した隣接エッジ領域3であると認識される。エッジ領域は、イェローで印字する画素(Y)と黒で印字する画素(K)との境界線から正確に4画素の幅を有している。

0078

図18は、エッジ領域および隣接エッジ領域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施した後の画像データの説明図である。図2に示した変換処理部16の出力である。同時に、図6に示したS65、S66、S67のステップの処理結果を表わす状態でもある。図17に示したの画素群について、図10図11の第1の画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行ない、図17に示した1の画素群について、図12図13の第2の画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行なう。その結果、滲み防止処理が施された画像が生成される。

0079

第1の画素変換規則が適用された画素では、インクの紙への浸透速度が上がり、隣接するカラー画像への滲み出しがなくなる。さらに、第2の画素変換規則が適用された画素でも、インクの紙への浸透速度は少し上がり、隣接する第1の画素変換規則が適用された画素へのインクの流れ出しが少なくなる。また、第1の画素変換規則がカラー画像に隣接する狭い範囲に適用されるに比べて、大部分の隣接エッジ領域に第2の画素変換規則が適用されるため、カラーに隣接する黒画像の全てを第1の画素変換規則で置換する場合に比べ、黒画像の中に印字するカラーインクの割合が少なくてすみ、画像の濃度は高くなり、色目のずれは小さくなる。

0080

次に、本発明のカラー画像処理装置の第2の実施の形態を説明する。図2に示した機能ブロックの概要構成図において、滲み防止処理部13の要処理画素抽出部14では、単に、黒で印字する画素(K)を処理対象として、簡略化する。

0081

領域区分部15では、処理対象を着目画素として、第1の所定の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)があるかどうかを判定し、着目画素から第1の所定の距離以内にカラーで印字する画素があると判断された場合には、エッジ領域の画素群であると認識し、第1の所定の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)がないと判断された場合には、さらに、第1の所定距離より大きい第2の所定の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)があるかどうかを判定し、着目画素から第2の所定の距離以内にカラーで印字する画素があると判断された場合には、隣接エッジ領域3の画素群であると認識する。すなわち、隣接エッジ領域とは、黒画素の中で第1の所定距離以内にカラーで印字する画素が存在しないが、第2の所定距離以内にカラー画像が存在する領域である。

0082

変換処理部16では、エッジ領域にある画素については、予め定められた周期性を有する第1の画素変換規則で印字色情報をカラーに置き換え、隣接エッジ領域にある画素については、予め定められた周期性を有する第2の画素変換規則で印字色情報をカラーに置き換える。エッジ領域,隣接エッジ領域のいずれとも認識されなかった画素については、黒で印字する画素(K)の変換処理をしない。

0083

図19は、本発明のカラー画像処理装置の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。S103は、図2に示した要処理画素抽出部14の処理に対応し、S104〜S105は、領域区分部15の処理に対応し、S106〜S108が変換処理部16に対応し、全ての画素について処理が行なわれる。

0084

S101においては、j=0として2値画像の垂直方向の第0番目を指示し、S102においては、i=0として水平方向の第0番目を指示し、S103においては、i,jによって指示された着目画素Pijを調べ、KijのみOnのときにはS104に処理を進め、KijがOffまたはCij,Mij,YijのいずれかがOnのときにはS106に処理をスキップさせる。

0085

S104においては、後述する第1の周囲画素検索ウインドウ内の画素のC,M,YのOn,Offを調べ、いずれかがOnであるときには、S107に処理を進め、第1の周囲画素検索ウインドウ内の画素のC,M,YのいずれもOffであるときには、S105に処理を進める。S105においては、第2の周囲画素検索ウインドウ内の画素のC,M,YのOn,Offを調べ、いずれかがOnであるときには、S108に処理を進め、第2の周囲画素検索ウインドウ内の画素のC,M,YのいずれもOffであるときには、S106に処理を進める。

0086

図20は、周囲画素検索ウインドウの説明図であり、図20(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ121、図20(B)は第2の周囲画素検索ウインドウ122の説明図である。第1,第2の周囲画素検索ウインドウ121,122は、図7に示した第1の周囲画素検索ウインドウ81、図8に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91とウインドウサイズを一致させたものを例示しているが、処理結果は後述するように異なるものとなる。

0087

S106においては、Kij,Cij,Mij,YijのOn,Off状態をそのままにしてS109に処理を進める。S107においては、図9(A)に示した第1の変換規則(M1Kij,M1Cij、M1Mij,M1Yij)、実際的には、図10図11に示したものを用いてC,M,K,YデータのOn,Offの変更を行なう。S108においては、図9(B)に示した第2の変換規則(M2Kij,M2Cij、M2Mij,M2Yij)、実際的には、図12図13に示したものを用いてC,M,K,YデータのOn,Offの変更を行なう。

0088

S109においては、iの値を1だけ進め、S110においては、iの値がNI未満であるときにはS103に処理を戻し、iの値がNI以上であるときにはS111に処理を進める。S111においては、jの値を1だけ進め、S112においては、jの値がNJ未満であるときにはS102に処理を戻し、jの値がNJ以上であるときには滲み防止処理を終了する。

0089

上述した処理により、図20(A)に示した第1の周囲画素検索ウインドウ121に基づき、2画素の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)がある黒で印字する画素(K)については、S104のステップでエッジ領域として認識され、S107のステップで第1の画素変換規則を用いて印字色情報が置き換えられる。図20(B)に示した第2の周囲画素検索ウインドウ122に基づき、エッジ領域を除き、4画素の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)がある黒で印字する画素(K)については、S105のステップで隣接エッジ領域として認識され、S108のステップで第2の画素変換規則を用いて置き換えられる。

0090

また、図20(B)に示した第2の周囲画素検索ウインドウ122に基づき、4画素の距離以内にカラーで印字する画素(C,M,Y)がない黒で印字する画素(K)については、S105のステップ,S106のステップで置き換えの処理が行なわれない。したがって、4画素の距離を超えてカラーで印字する画素(C,M,Y)がない白地の中に孤立した黒で印字する画素(K)の領域および、他の黒で印字する画素(K)に連接していてもカラーで印字する画素(C,M,Y)から4画素の距離を超えた黒で印字する画素(K)については、置き換えの処理が行なわれない。

0091

上述した、第2の実施の形態のカラー画像処理装置を用いたときの、具体的な処理の実例を図21図22を参照して説明する。

0092

図21は、エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明図である。図15に示した画像データに対して、図2に示した領域区分部15の処理出力である。同時に、図19に示したS103、S104,S105のステップの処理を行なった結果を表わすものでもある。

0093

図20に示した第1の周囲画素検索ウインドウ121内の画素のC,M,YのOn,Offを調べ、いずれかがOnになる画素を、エッジ領域の画素であるとして1で表わし、引き続き第2の周囲画素検索ウインドウ122内の画素のC,M,YのOn,Offを調べ、いずれかがOnになる画素を、隣接エッジ領域の画素であるとして2で表わしている。エッジ領域は、イェローで印字する画素(Y)と黒で印字する画素(K)との境界線から正確に2画素の幅を有し、隣接エッジ領域は、イェローで印字する画素(Y)と黒で印字する画素(K)との境界線から正確に4画素の幅を有し、エッジ領域との境界線から正確に2画素の幅を有している。

0094

図22は、エッジ領域および隣接エッジ領域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施した後の画像データの説明図である。図2に示した変換処理部16の出力である。同時に、図19に示したS106、S107、S108のステップの処理結果を表わすものでもある。図21に示した1の画素群について、図10図11の第1の画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行ない、図21に示した2の画素群について、図12図13の第2の画素変換規則を用いてON、OFFの変更を行なう。その結果、滲み防止処理が施された画像が生成される。

0095

この処理によって、第1の画素変換規則が適用された画素では、インクの紙への浸透速度が上がり、隣接するカラー画像への滲み出しがなくなる。さらに、第2の画素変換規則が適用された画素でも、インクの紙への浸透速度は少し上がり、隣接する第1の画素変換規則が適用された画素へのインクの流れ出しがなくなる。また、第1,第2の画素変換規則が適用されたエッジ領域,隣接エッジ領域の画素がカラー画像に隣接する狭い範囲に適用されるに比べて、大部分は黒で印字される画素(K)の領域となるため、さらに、黒画像の中に印字するカラーインクの割合が少なくてすみ、画像の濃度は高くなり、色目のずれは小さくなる。

0096

上述した説明では、図2に示した領域区分部15において、黒で印字する画素(K)を、カラーで印字する画素までの距離が最も近いエッジ領域、エッジ領域に次いで距離が近い隣接エッジ領域、および、距離が遠い領域の3つの領域に属する画素群に区分し、エッジ領域,隣接エッジ領域の画素群に対して、第1,第2の画素変換規則を用いて印字色情報をカラーに置き換える変換処理を施した。

0097

しかし、複数の周囲画素検索ウインドウを、着目画素からの距離の範囲を異ならせて3種類以上設けることによって、黒で印字する画素(K)を4つ以上の画素群に区分し、各画素群に応じて異なる画素変換規則を用いてもよい。その際、この画素変換規則は、画素群がカラーで印字する画素(C,M,Y)から遠くなるにつれて、徐々に印字色情報をカラーに置き換える画素の割合が減少するように設定する。その際、カラー画像から最も距離が遠い領域については、置き換えをしてもよいが、図22に示したように置き換えを全く行なわないようにしてもよい。

0098

すなわち、着目画素に対する1画素以上の相異なる距離にある画素の領域を複数定義し、さらにそれぞれの領域の画素群に対して、ある周期性の画素変換規則を対応させておき、全ての黒で印字する画素(K)を着目画素として、これに対して予め定められた第1の相対位置の範囲にある画素群の中にカラーで印字する画素(C,M,Y)があると判断された場合には、着目画素を予め定められた周期性を有する第1番目の画素変換規則でカラーの印字に置き換え、同様に、第2番目以降の第n番目の相対位置の範囲にある画素群の中にカラーで印字する画素があると判断された場合には、着目画素を、予め定められた周期性を有する第n番目の画素変換規則で印字色情報をカラーに置き換えることを繰り返す。

0099

上述した第2の実施の形態においても、周囲画素検索ウインドウの大きさや形状は、図20に示したものに限られない。画素変換規則についても、図9ないし図13に示したものに限られず、図14に示したものを用いてもよい。インク,紙の性質,インク滴のドロップ量,印字速度,画像解像度等によって良好となる画質は異なる。

0100

また、図2に示した機能ブロックの概要構成図において、滲み防止処理部13の要処理画素抽出部14の簡略化を行なわず、第1の実施の形態と同様な方法で滲み防止処理を施す画素を抽出し、それ以外の黒で印字する画素(K)については、変換処理をしないようにしてもよい。なお、第1の実施の形態において説明した要処理画素抽出部14は、隣接エッジ領域を設けないで、エッジ領域の画素の印字色情報を置き換える従来の画像処理装置に用いても、設計の自由度が上がるという同様な効果を奏する。

0101

上述した説明では、周囲画素検索ウインドウとして、第1の実施の形態の、図7(B)に示した第2の周囲画素検索ウインドウ82を除き、着目画素から所定の距離の範囲内にある全ての画素の集合とした。しかし、必ずしも全ての画素を参照画素とする必要はない。

0102

図23は、周囲画素検索ウインドウの第1の変形例の説明図である。例えば、第2の実施の形態において、図20に示した第2の周囲画素検索ウインドウ122は、図19に示したフローチャートのS104で第1の周囲画素検索ウインドウ121が用いられた後にS105で用いるものである。したがって、周囲画素検索ウインドウ122に代えて、着目画素から2画素の距離にある画素を参照画素としない周囲画素検索ウインドウ131を用いても、第2の周囲画素検索ウインドウ122と同じ結果が得られるとともに、周囲画素検索の処理速度を向上させることができる。

0103

図24は、周囲画素検索ウインドウの第2の変形例の説明図である。図24(A)は着目画素からの距離が2画素の周囲画素検索ウインドウ141、図24(B)は着目画素からの距離が4画素の周囲画素検索ウインドウ142の説明図である。図24(A)に示す周囲画素検索ウインドウ141は、黒で印字する着目画素82からの距離が2画素となる参照画素83を、水平,垂直,斜め方向に計8個有する周囲画素検索ウインドウである。図24(B)に示す周囲画素検索ウインドウ142は、黒で印字する着目画素82から水平,垂直,斜め方向に距離が4画素となる参照画素83からなる、計8個の参照画素の集合を有する周囲画素検索ウインドウである。いずれも、検索ウインドウ内にある残りの画素は、検索の対象となる参照画素83としない。

0104

周囲画素検索ウインドウ141は、同じウインドウサイズである、第1の実施の形態の、図7(A)に示した第1の周囲画素検索ウインドウ81、第2の実施の形態の、図20(A)に示した第1の周囲画素検索ウインドウ121の代わりに用いることができる。また、周囲画素検索ウインドウ142は、第1の実施の形態の、図8に示した第3の周囲画素検索ウインドウ91、第2の実施の形態の、図20(B)に示した第2の周囲画素検索ウインドウ122の代わりに用いることができる。黒で印字する画素(K)から所定範囲にカラーで印字する画素(C,M,Y)があるかどうかの認識に、ある程度のミスが発生することは避けられないが、参照画素83の数を減らせることができるため、周囲画素検索の処理速度を向上させることができる。

0105

上述した説明では、ウインドウ中で参照画素83とするものを8方向に1つずつとしたが、これ以下でもよく、また、逆に、これらに加えて、ウインドウ内のの周辺部に位置する画素や、距離がウインドウサイズよりも小さい、画素を加えてもよい。着目画素から所定の相対距離以内にある画素の少なくとも1つを含まないものであればよい。なお、着目画素82から各参照画素83までの距離の最大値が、この周囲画素検索ウインドウのウインドウサイズとなる。

0106

したがって、上述した周囲画素検索ウインドウ141,142の少なくとも1つを使用する場合は、周囲画素検出ウィンドウを、着目画素から所定の相対位置内にある1個以上の参照画素の集合として定義し、この周囲画素検出ウィンドウを1個または、ウインドウサイズの異なる複数個を用いて、参照画素の集合の中にカラーで印字する画素があるか否かの判定をして複数の領域の画素群に区分して、それぞれの画素群に対して、ある周期性の置き換え規則を対応させて、黒で印字する画素(K)の印字情報をカラーに置き換えることになる。

発明の効果

0107

以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、黒で印字する画素を入力し、この黒で印字する画素をカラーで印字する画素までの距離に基づいて複数の画素群に区分する領域区分手段と、複数の画素群のうち、カラーで印字する画素までの距離が最も近い領域の画素群およびこの領域に次いでカラーで印字する画素までの距離が近い領域の画素群である、少なくとも2つの画素群に属する画素に対して、所定の変換規則に基づいて印字情報を置き換える画素変換手段を有し、変換規則は、黒で印字する画素に対して所定の周期性で印字色情報を黒からカラーに置き換えるものであり、画素変換がなされる画素群ごとに、カラーで印字する画素までの距離が遠いほど置き換える画素の割合が小さくなるように定められたものである。

0108

したがって、1画素単位で滲み防止を行なうことができ、黒で印字する画素の領域の大きさや、カラーで印字する画素と黒で印字する画素との境界の位置にかかわらず、黒の解像度の低下や、滲み処理のばらつきが発生しないという効果がある。その結果、普通紙でも濃度の高くエッジのシャープなモノクロ印字と、黒印字部と色印字部との境界領域で滲みのないカラー印字を得ることができる。

0109

請求項2に記載の発明によれば、領域区分手段は、黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素の集合の中にカラーで印字する画素があるか否かを判定する手段を有することから、黒で印字する画素を、カラーで印字する画素までの距離に基づいて、容易に複数の画素群に区分することができるという効果がある。

0110

請求項3に記載の発明によれば、参照画素の集合が、黒で印字する画素から所定の相対距離以内にある画素の少なくとも1つを含まないものであることから、周囲画素検索の処理速度を向上させることができるという効果がある。

0111

請求項4に記載の発明によれば、変換規則が、印字情報を黒から単色または2色混合によるカラーに置き換えるものであることから、3色のインク滴の混合による場合に比べて、インク滴の総量が減少するため、画素の太り、紙の裏への抜け、紙のしわの発生といった問題が少なくなるという効果がある。

0112

請求項5に記載の発明によれば、変換規則が、黒で印字する画素の絶対位置に基づいて定められたものであることから、変換処理が容易になるという効果がある。

0113

請求項6に記載の発明によれば、黒で印字する画素であって、この黒で印字する画素から所定の相対距離にある画素を少なくとも1つ含む参照画素の集合の中にカラーで印字する画素があるものを要処理画素とし、この要処理画素に直接にまたは黒で印字する画素を介して隣接する画素を要処理画素に追加する要処理画素抽出手段を有し、この要処理画素抽出手段により要処理画素とされた黒で印字する画素を、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカラー画像処理装置に出力することから、ことから、インク,紙の性質,インク滴のドロップ量,印字速度,画像解像度等に応じて、黒で印字する画素を滲み防止の処理対象とするための基準と、複数の画素群に区分するための基準とを、個別に設定できる自由度を有するという効果がある。

図面の簡単な説明

0114

図1本発明のカラー画像処理装置の第1の実施の形態を用いたときの、黒インク印字部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図である。
図2本発明のカラー画像処理装置を実現するための概要構成図である。
図32値化された画像の色情報を格納する単位となる画素を表わす説明図である。
図4本発明の第1の実施の形態において、2値画像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明するための第1番目のフローチャートである。
図5本発明の第1の実施の形態において、2値画像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明するための第2番目のフローチャートである。
図6本発明の第1の実施の形態において、2値画像を滲み防止のかかった画像に変換する処理を説明するための第3番目のフローチャートである。
図7周囲画素検索ウインドウの説明図であり、図7(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ、図7(B)は第2の周囲画素検索ウインドウの説明図である。
図8エッジ領域を検索するための第3の周囲画素検索ウインドウの説明図である。
図9第1の画素変換規則,第2の画素変換規則を表わす説明図であり、図9(A)はエッジ領域に適用される第1の画素変換規則の説明図であり、図9(B)は隣接エッジ領域に適用される第2の画素変換規則の説明図である。
図10図9(A)に示した第1の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図10(A)は黒のマトリクスM1Kij、図10(B)はシアンのマトリクスM1Cij、図11(A)はマゼンタのマトリクスM1Mijを表わす説明図である。
図11図9(A)に示した第1の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図11(A)はマゼンタのマトリクスM1Mij、図11(B)はイエローのマトリクスM1Yijを表わす説明図である。
図12図9(B)に示した第2の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図12(A)は黒のマトリクスM2Kij、図12(B)はシアンのマトリクスM2Cijを表わす説明図である。
図13図9(B)に示した第2の画素変換規則を実際の処理に用いるときの、各色ごとのON,OFF状態を表わす説明図であり、図13(A)はマゼンタのマトリクスM2Mij、図13(B)はイエローのマトリクスM2Yijを表わす説明図である。
図14図9に示した第1,第2の変換規則とは異なる他の第1,第2の変換規則の例を表わす説明図であり、図14(A)は第1の変換規則の説明図であり、図14(B)は第2の変換規則の説明図である。
図15図2に示した2値化部で2値化を終えた画像データの一具体例である。
図16図15に示した画像データに対する滲み防止コードのセット状況の説明図である。
図17エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明図である。
図18エッジ領域および隣接エッジ領域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施した後の画像データの説明図である。
図19本発明のカラー画像処理装置の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
図20滲み防止処理を施す画素を見つけるための周囲画素検索ウインドウの説明図であり、図20(A)は第1の周囲画素検索ウインドウ、図20(B)は第2の周囲画素検索ウインドウの説明図である。
図21エッジ領域と隣接エッジ領域を表わす説明図である。
図22エッジ領域および隣接エッジ領域に対して第1,第2の画素変換規則を適用して滲み防止処理を施した後の画像データの説明図である。
図23周囲画素検索ウインドウの第1の変形例の説明図である。
図24周囲画素検索ウインドウの第2の変形例の説明図である。
図25エッジ領域の黒画素の一部分をカラーのインクの混色に置き換えて滲みを防止するカラー画像処理装置を用いたときにおいて、黒インク印字部分とカラーインク印字部分の境界付近の画像の説明図である。

--

0115

1…普通紙、2…紙への浸透性の高いカラーインクで印字される部分、3…隣接エッジ領域、4…エッジ領域、151…紙への浸透性の低い黒インクで印字される部分、152…インクが流れ出した部分、13…滲み防止処理部、14…要処理画素抽出部、15…領域区分部、16…変換処理部、81…第1の周囲画素検索ウインドウ、82…着目画素、83…参照画素、84…第2の周囲画素検索ウインドウ、91…第3の周囲画素検索ウインドウ、121…第1の周囲画素検索ウインドウ、122…第2の周囲画素検索ウインドウ、131,141,142…周囲画素検索ウインドウ。

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