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技術 無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法および探索装置

出願人 シャープ株式会社シャープ・マイクロエレクトロニクス・テクノロジー・インコーポレイテッド
発明者 ピータージョンセブシックジェフリースコットヴィジル
出願日 1997年7月14日 (22年11ヶ月経過) 出願番号 1997-188705
公開日 1998年3月31日 (22年3ヶ月経過) 公開番号 1998-084572
状態 特許登録済
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード セーフティマージン 数量変化 走査頻度 消費電力節減 利用部分 最小頻度 延長ステップ 基準数量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年3月31日)のものです。
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図面 (12)

課題

無線通信システム移動局にとって、サービスセルの素早い選択と、サービスセルを探索する際の消費電力節減との双方を満足させることのできるサービスセル探索方法および探索装置を提供すること。

解決手段

サービスセルの探索時に、ビーコン信号受信機12がビーコン信号を走査する時間間隔を、探索開始からの経過時間に応じて変更する。探索の初期には、サービスセルの速やかな捕捉を見込んで、走査頻度最大値を第1間隔発生器34からビーコン信号受信機12に供給する。探索の初期にサービスセルを捕捉できなかった場合、経過時間の増加に伴って減少する走査頻度を走査頻度発生器10に算出させる。なおも捕捉できなければ、走査頻度の最小値を第2間隔発生器44からビーコン信号受信機12に供給する。さらに、上記走査頻度の最大値または最小値を、サービスセルの捕捉見込みに応じて変えてもよい。

概要

背景

欧州のセルラー電話システムなどにおいて、地理的な範囲は、公衆移動体通信網PLMN:Public Land Mobile Networks )と呼ばれる隣接する複数のセクションに分割されている。これら各セクションの境界は、範囲の広さ、地勢人口密度、あるいは国境などによって決定されることが多い。

さらに、全てのPLMNのサービスエリアは、それぞれ複数のセルに分割されている。各セルは、該サービスエリアをカバーするための地理的な小領域と見なすことができる。これらの小領域(複数のセル)は、部分的に重なり合ってPLMNのサービスエリアを完全に覆い尽くすようにつながっている。これらのセルには、移動局との通信を行う基地局が、それぞれ配置されており、言い換えれば、PLMNを構成する各基地局の通信エリアがセルに相当する。

各セルには、移動局と通信するために個別の周波数割り当てられている。隣接する各セルに割り当てられる周波数は、隣接する複数のセル内における各移動局のユーザ間で電波干渉が起きるのを防止するために、互いに異なっている。

通常、上記各移動局は、自動車で移動している者や歩行者によって使用される携帯型電話機である。この移動局は、他の移動局や、ユーザが固定位置に配された常設電話通信網を構成する電話機(例えば、公衆電話網の電話機など)と連絡を取ることができる。すなわち、移動局のユーザは、セルとの通信を介して、他のユーザと連絡し合うことができる。

また、無線通信システムローミングサービス加入区域外で他の無線通信事業者通信網に接続するサービス)を提供している場合、移動局は自由にローミングを行うこともできる。これにより、移動局は、移動体通信システムエリア内であれば、様々な場所を通って移動しながら動作可能となっている。それゆえ、他のユーザと良好な通信状態を確保するためには(セル間を移動しても通信を可能とするために)、移動中の移動局は、隣接するセルと通信しながら、使用するセルを変更することになる。

例えば、移動局のユーザが、他の電話ユーザ、つまり電話相手と通信するための専用チャネルを有している場合、その通信を中継するセルの選択は、ネットワークレベルで決定され、移動局は、その決定にほとんど関与できない。しかしながら、移動局が専用チャネルを持っていない場合、移動局には、どの近隣のセルに位置するかを決定する際に、より多くの権限が与えられている。

すなわち、移動局は、近隣のセルが送信する無線信号パワーレベルを定期的に監視している。なお、以降では、当該無線信号をビーコン信号と称する。さらに、移動局は、監視しているパワーレベルと、セルから受信した情報とに基づいて、自らが位置しているセルを決定する。ここで、特定のセルを選択することによって、移動局は、当該セルが属しているPLMNをも同時に選択する。なお、通信網の探索頻度を選択する方法は、例えば、本発明の出願人が先に出願した特願平9−32447号(米国特許出願番号08/630,130)などに開示されている。

移動局が、サービスを受けているPLMNにおける位置を特定するために選択した特定のセルは、サービスセルと呼ばれている。サービスセルを選択する際、移動局は、無線通信システムの全てのビーコン信号放送を監視する。ここで、各セルは、ビーコン信号用に割り当てられた1つのチャネルを有しており、上述したように、隣接するセル間では、チャネルに使用する周波数が互いに異なっている。したがって、無線通信システム全体では、複数の周波数がビーコン信号のために割り当てられている。

例えば、P−GSM( Global System for Mobile Communications)システムでは、124の周波数がビーコン信号のために割り当てられており、E−GSMシステムは、ビーコン信号用に174の周波数を持っている。また、DCS( Digital Cellular Systems)−1800システムは、374のビーコン信号周波数を有しており、PCS( Personal Communications System )−1900システムには、試験的に、299のビーコン信号周波数が設けられている。

移動局は、各ビーコン信号の信号強度を監視し、さらに、各ビーコン信号から情報を抽出する。ここで、ビーコン信号に対応するセルがサービスセルとして受け入れられるためには、C1基準が0より大きい値を持つ必要がある。当該C1基準は、移動局が受信したビーコン信号の信号強度と、移動局の送信出力と、ビーコン信号チャネルにて放送される2つのパラメータp1、p2とを組み合わせたものである。

パラメータp1は、受信したビーコン信号の信号強度を測定する際の測定値を調整するものである。パラメータp2は、C1基準の算出式で使用される移動局の送信出力を調整するものである。

一般に、移動局は、C1基準が0より大きい限り、最も大きいC1基準を持つセルを選択するが、状況次第では、ある通信網の各セルは、C1基準に拘わらず、異なる通信網に加入する移動局によって、選択を妨害される。

ところで、上記GSMセルラー電話システムは、一式包括的な仕様書に基づいて運用されており、当該システムの移動局は、この仕様書が要求する仕様満足する必要がある。例えば、欧州電気通信標準( European TelecommunicationStandard)のGSM05.08の第6.8章は、サービスセルとの通信が断たれた移動局に対して、GSMのビーコン周波数帯域にわたって、ビーコン信号の信号強度を測定し、それによって、即座に通常のサービスを取り戻すことを要求している。

ここで、当該要求を最も手早く満足させるには、移動局が上記ビーコン周波数帯域を連続して探索すればよい。なお、サービスセル探索は、ここでは、各システムビーコン信号にわたる反復走査として定義され、1回の走査は、移動局が通信システムの全てのビーコン信号を監視しようと試みることと定義される。例えば、P−GSMシステムは、124のビーコン信号周波数を有しているので、移動局は、1回の走査で124の周波数を探索する。さらに、移動局は、サービスセルが選択されるまで、走査工程を繰り返す。

概要

無線通信システムの移動局にとって、サービスセルの素早い選択と、サービスセルを探索する際の消費電力節減との双方を満足させることのできるサービスセル探索方法および探索装置を提供すること。

サービスセルの探索時に、ビーコン信号受信機12がビーコン信号を走査する時間間隔を、探索開始からの経過時間に応じて変更する。探索の初期には、サービスセルの速やかな捕捉を見込んで、走査頻度最大値を第1間隔発生器34からビーコン信号受信機12に供給する。探索の初期にサービスセルを捕捉できなかった場合、経過時間の増加に伴って減少する走査頻度を走査頻度発生器10に算出させる。なおも捕捉できなければ、走査頻度の最小値を第2間隔発生器44からビーコン信号受信機12に供給する。さらに、上記走査頻度の最大値または最小値を、サービスセルの捕捉見込みに応じて変えてもよい。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、相反する2つの目的、すなわち、サービスセルの素早い選択と、サービスセルを探索する際の消費電力節減との双方を満足する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法および探索装置を提供することにある。

より具体的には、本発明は、それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであって、ユーザ情報送受信する複数の移動局を備え、各移動局が、特定組のビーコン信号を走査することによってサービスセルを選択するような無線通信システムにおいて、移動局がサービスセルを選択する際、移動局のバッテリを節約するサービスセル探索方法および探索装置を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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請求項1

それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法において、上記ビーコン信号の組の走査を繰り返す走査頻度を、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において減少するように変更する頻度変更ステップと、頻度変更ステップにて設定した走査頻度で上記ビーコン信号の組を繰り返し走査する走査ステップとを含むことを特徴とする無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項2

サービスセルを選択しようとしているときの経過時間を上記頻度変更ステップの前に測定し、該経過時間としての探索時間間隔を生成する経時ステップと、上記走査ステップの後で、サービスセルが選択されているか否かを判定し、サービスセルが選択されていない場合には、上記経時ステップに戻って経過時間を測定し直し新たな探索時間間隔が生成されるように配された判定ステップとを含み、上記新たな探索時間間隔に基づいて減じた走査頻度の算出値にてビーコン信号の組を走査することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項3

上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最大値としての第1走査頻度を設定し、上記走査ステップは、その前に行われる比較ステップであって、上記経時ステップにて生成された探索時間間隔と第1時間間隔との比較を行う比較ステップの結果に応じて実行され、探索時間間隔が第1時間間隔より長いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、上記第1走査頻度を走査頻度として設定することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項4

選択したサービスセルの近隣のセルから送信されるビーコン信号の数量および信号強度に関する付加情報を含むビーコンデータ信号を生成し、上記判定ステップに続けて行うステップとして、上記ビーコンデータ信号から付加情報を取り出して、上記近隣のセルに関する近隣情報録を作成する情報録作成ステップと、サービスセルを選択する際に、近隣情報録を読出す情報録参照ステップと、サービスセルの選択を可能とする信号強度のビーコン信号を送信している良好近隣セルの数量が基準数量を超えている場合、上記第1時間間隔を延長することによって、上記第1走査頻度を用いてサービスセルの探索を行う探索時間を延長する延長ステップとを含むことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項5

上記近隣情報録を選択的な時間間隔で更新し、更新履歴を作成し、上記延長ステップは、さらに、更新履歴を検索するステップと、上記良好近隣セルの数量が基準数量を超えていることを、更新履歴が一貫して示しているときに、上記第1時間間隔を延長する一方、近隣セルのビーコン信号が継続的に減衰していることを更新履歴が示しているときに、上記第1時間間隔を短縮することを特徴とする請求項4に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項6

上記探索時間間隔と比較する最長基準である第2時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最小値としての第2走査頻度を設定し、上記走査ステップは、その前に行われる比較ステップであって、上記経時ステップにて生成された探索時間間隔と第2時間間隔との比較を行う比較ステップの結果に応じて実行され、探索時間間隔が第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、上記第2走査頻度を走査頻度として設定することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項7

移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2時間間隔を短縮するように設定し直すことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項8

移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2走査頻度を減少させるように設定し直すことを特徴とする請求項6に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項9

それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報を送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法において、上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔および最長基準である第2時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最大値としての第1走査頻度および走査頻度の最小値としての第2走査頻度を設定し、サービスセルを選択しようとしているときの経過時間を測定し、該経過時間としての探索時間間隔を生成する経時ステップと、上記ビーコン信号の組の走査を繰り返す走査頻度を、上記探索時間間隔の増加に伴って減少するように走査頻度の算出値を求める頻度変更ステップと、探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、上記第1走査頻度を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、上記第2走査頻度を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第1時間間隔より長く、第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定する比較ステップと、上記比較ステップで設定した走査頻度で、ビーコン信号の組を走査する走査ステップとを備えていることを特徴とする無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法。

請求項10

それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報を送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置において、上記ビーコン信号の組の走査を、サービスセルの選択を完了するまで繰り返す際の走査頻度を、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において減少するように変更し、変更した走査頻度を出力する走査頻度発生手段と、上記各セルのビーコン信号を受信すると共に、走査頻度発生手段にて設定された走査頻度が入力され、該走査頻度を用いて上記ビーコン信号の組を走査するビーコン信号受信手段とを備えたことを特徴とする無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項11

サービスセルの探索開始を示すトリガ信号クロック信号とが入力され、該トリガ信号が入力されたときに、走査開始からの経過時間を測定し、探索時間間隔として上記走査頻度発生手段に出力する経時手段を備え、上記ビーコン信号受信手段は、サービスセルが受信したビーコン信号に基づいて選択されているか否かを判定すると共に、サービスセルが選択されていないという判定結果に基づいて上記トリガ信号を生成し、上記経時手段に出力すると共に、上記走査頻度発生手段が出力する走査頻度の算出値が、上記探索時間間隔の増加に伴って減少することを特徴とする請求項10に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項12

上記探索時間間隔が入力される第1入力部と、上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔が入力される第2入力部とを備え、探索時間間隔が第1時間間隔より長いとき、上記走査頻度の算出値が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする一方、探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、走査頻度の最大値としての第1走査頻度が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする判定信号を出力する第1の比較手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項13

選択したサービスセルの近隣のセルから送信されるビーコン信号の数量および信号強度に関する付加情報を含むビーコンデータ信号がビーコン信号受信手段で生成され、その生成されたビーコンデータ信号が入力される第1間隔発生手段であって、該ビーコンデータ信号を格納して、上記付加情報に基づく近隣情報録を作成し、サービスセルを選択する際に、近隣情報録を読出し、サービスセルの選択を可能とする信号強度のビーコン信号を送信している良好近隣セルの数量が基準数量を超えている場合、上記第1時間間隔を延長して上記第1の比較手段に供給する第1間隔発生手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項14

上記第1間隔発生手段は、上記近隣情報録を選択的な時間間隔で更新し、かつ更新履歴を作成すると共に、上記良好近隣セルの数量が基準数量を超えていることを、更新履歴が一貫して示しているときに、第1時間間隔を延長する一方、近隣セルのビーコン信号が継続的に減衰していることを更新履歴が示しているときに、上記第1時間間隔を短縮することを特徴とする請求項13に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項15

上記探索時間間隔が入力される第1入力部と、上記探索時間間隔と比較する最長基準である第2時間間隔が入力される第2入力部とを備え、探索時間間隔が第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする一方、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、走査頻度の最小値としての第2走査頻度が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする判定信号を出力する第2の比較手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項16

移動局のバッテリ電力の測定結果が入力され、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2時間間隔を短縮するように設定し直して出力する第2間隔発生手段を備えたことを特徴とする請求項15に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

請求項17

移動局のバッテリ電力の測定結果が入力され、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2走査頻度を減少させるように設定し直す第2間隔発生手段を備えたことを特徴とする請求項15に記載の無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置。

技術分野

0001

本発明は、セルラー電話などの無線通信システムに供される移動局に関し、特に、移動局がサービスセルを探索する際の移動局における消費電力節減する方法およびシステムに関するものである。

背景技術

0002

欧州のセルラー電話システムなどにおいて、地理的な範囲は、公衆移動体通信網PLMN:Public Land Mobile Networks )と呼ばれる隣接する複数のセクションに分割されている。これら各セクションの境界は、範囲の広さ、地勢人口密度、あるいは国境などによって決定されることが多い。

0003

さらに、全てのPLMNのサービスエリアは、それぞれ複数のセルに分割されている。各セルは、該サービスエリアをカバーするための地理的な小領域と見なすことができる。これらの小領域(複数のセル)は、部分的に重なり合ってPLMNのサービスエリアを完全に覆い尽くすようにつながっている。これらのセルには、移動局との通信を行う基地局が、それぞれ配置されており、言い換えれば、PLMNを構成する各基地局の通信エリアがセルに相当する。

0004

各セルには、移動局と通信するために個別の周波数割り当てられている。隣接する各セルに割り当てられる周波数は、隣接する複数のセル内における各移動局のユーザ間で電波干渉が起きるのを防止するために、互いに異なっている。

0005

通常、上記各移動局は、自動車で移動している者や歩行者によって使用される携帯型電話機である。この移動局は、他の移動局や、ユーザが固定位置に配された常設電話通信網を構成する電話機(例えば、公衆電話網の電話機など)と連絡を取ることができる。すなわち、移動局のユーザは、セルとの通信を介して、他のユーザと連絡し合うことができる。

0006

また、無線通信システムがローミングサービス加入区域外で他の無線通信事業者通信網に接続するサービス)を提供している場合、移動局は自由にローミングを行うこともできる。これにより、移動局は、移動体通信システムエリア内であれば、様々な場所を通って移動しながら動作可能となっている。それゆえ、他のユーザと良好な通信状態を確保するためには(セル間を移動しても通信を可能とするために)、移動中の移動局は、隣接するセルと通信しながら、使用するセルを変更することになる。

0007

例えば、移動局のユーザが、他の電話ユーザ、つまり電話相手と通信するための専用チャネルを有している場合、その通信を中継するセルの選択は、ネットワークレベルで決定され、移動局は、その決定にほとんど関与できない。しかしながら、移動局が専用チャネルを持っていない場合、移動局には、どの近隣のセルに位置するかを決定する際に、より多くの権限が与えられている。

0008

すなわち、移動局は、近隣のセルが送信する無線信号パワーレベルを定期的に監視している。なお、以降では、当該無線信号をビーコン信号と称する。さらに、移動局は、監視しているパワーレベルと、セルから受信した情報とに基づいて、自らが位置しているセルを決定する。ここで、特定のセルを選択することによって、移動局は、当該セルが属しているPLMNをも同時に選択する。なお、通信網の探索頻度を選択する方法は、例えば、本発明の出願人が先に出願した特願平9−32447号(米国特許出願番号08/630,130)などに開示されている。

0009

移動局が、サービスを受けているPLMNにおける位置を特定するために選択した特定のセルは、サービスセルと呼ばれている。サービスセルを選択する際、移動局は、無線通信システムの全てのビーコン信号放送を監視する。ここで、各セルは、ビーコン信号用に割り当てられた1つのチャネルを有しており、上述したように、隣接するセル間では、チャネルに使用する周波数が互いに異なっている。したがって、無線通信システム全体では、複数の周波数がビーコン信号のために割り当てられている。

0010

例えば、P−GSM( Global System for Mobile Communications)システムでは、124の周波数がビーコン信号のために割り当てられており、E−GSMシステムは、ビーコン信号用に174の周波数を持っている。また、DCS( Digital Cellular Systems)−1800システムは、374のビーコン信号周波数を有しており、PCS( Personal Communications System )−1900システムには、試験的に、299のビーコン信号周波数が設けられている。

0011

移動局は、各ビーコン信号の信号強度を監視し、さらに、各ビーコン信号から情報を抽出する。ここで、ビーコン信号に対応するセルがサービスセルとして受け入れられるためには、C1基準が0より大きい値を持つ必要がある。当該C1基準は、移動局が受信したビーコン信号の信号強度と、移動局の送信出力と、ビーコン信号チャネルにて放送される2つのパラメータp1、p2とを組み合わせたものである。

0012

パラメータp1は、受信したビーコン信号の信号強度を測定する際の測定値を調整するものである。パラメータp2は、C1基準の算出式で使用される移動局の送信出力を調整するものである。

0013

一般に、移動局は、C1基準が0より大きい限り、最も大きいC1基準を持つセルを選択するが、状況次第では、ある通信網の各セルは、C1基準に拘わらず、異なる通信網に加入する移動局によって、選択を妨害される。

0014

ところで、上記GSMセルラー電話システムは、一式包括的な仕様書に基づいて運用されており、当該システムの移動局は、この仕様書が要求する仕様満足する必要がある。例えば、欧州電気通信標準( European TelecommunicationStandard)のGSM05.08の第6.8章は、サービスセルとの通信が断たれた移動局に対して、GSMのビーコン周波数帯域にわたって、ビーコン信号の信号強度を測定し、それによって、即座に通常のサービスを取り戻すことを要求している。

0015

ここで、当該要求を最も手早く満足させるには、移動局が上記ビーコン周波数帯域を連続して探索すればよい。なお、サービスセル探索は、ここでは、各システムビーコン信号にわたる反復走査として定義され、1回の走査は、移動局が通信システムの全てのビーコン信号を監視しようと試みることと定義される。例えば、P−GSMシステムは、124のビーコン信号周波数を有しているので、移動局は、1回の走査で124の周波数を探索する。さらに、移動局は、サービスセルが選択されるまで、走査工程を繰り返す。

発明が解決しようとする課題

0016

しかしながら、走査頻度の増大は、サービスセルを選択する際の所要時間を短縮させる一方で、消費電力が増大するという問題を招来する。

0017

すなわち、サービスセルを探索する際、ビーコン周波数の走査を絶えず繰り返した場合、移動局がサービスセルを即座に再捕捉できる機会は最も多くなる。ところが、各走査間時間間隔が最小に、すなわち、走査頻度が最大になるので、電力消費が最も大きくなる。

0018

ここで、多くの移動局は、バッテリで駆動されており、使用可能な電力量には限界がある。したがって、全てのビーコン周波数にわたる高頻度の走査は、バッテリを枯渇させる。実際のところ、市場流通している移動局の製品では、多くの場合、サービスセルを選択するためのビーコン周波数探索が、バッテリを枯渇させる主要因の1つとなっている。

0019

したがって、移動局が、バッテリの使用を抑えるようにして、サービスセルを選択するためのビーコン信号走査を行うようにすることが望ましい。また、移動局が、バッテリの電力を節約するわりには迅速にサービスセルを捕捉できるようにすることが望ましい。

0020

さらに、移動局が、現在情報を迅速に供与するようにして、各ビーコン信号にわたる一連の走査を行う機能と、バッテリの電力を節約するために、ビーコン信号の一連の走査の時間間隔を増大させ、走査頻度を落とす機能とを通信システムに併せ持たせるようにすることが望ましい。

0021

さらに、移動局が、サービスセルを再捕捉する見込みに応じて、ビーコン信号の走査頻度を調節できるようにすることが望ましい。こうすれば、移動局がサービスセルを選択できそうなときに、走査頻度を高くすることができ、逆に、サービスセルを捕捉できそうにないときには、バッテリの電力を節約するように、走査頻度を低くすることができる。

0022

さらに、移動局が、サービスセルの選択に際して、探索の初期にビーコン信号の走査頻度を高くし、サービスセルの選択がうまくいかなかった場合に、走査頻度を落とすようにすることが望ましい。

0023

本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、相反する2つの目的、すなわち、サービスセルの素早い選択と、サービスセルを探索する際の消費電力節減との双方を満足する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法および探索装置を提供することにある。

0024

より具体的には、本発明は、それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであって、ユーザ情報送受信する複数の移動局を備え、各移動局が、特定組のビーコン信号を走査することによってサービスセルを選択するような無線通信システムにおいて、移動局がサービスセルを選択する際、移動局のバッテリを節約するサービスセル探索方法および探索装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0025

上記課題を解決するために、本発明のサービスセル探索方法は、一連のビーコン信号の走査を繰り返す頻度を、ある期間、減少するように変更するステップと、そのようにして設定した走査頻度で一連のビーコン信号を探索するステップとを含み、それによって、サービスセルの探索が成功しないときには走査頻度を低く落とせるようになっている。

0026

本発明の好ましい態様においては、上記の方法は、さらに、サービスセルを選択しようとしているときの経過時間を測定し、探索時間間隔を生成し、探索時間間隔に対して走査頻度を変更し、探索時間間隔が増えると減るような走査頻度算出値を生成するステップを含んでいる。なお、探索時間間隔に対する走査頻度算出値の変化を規定する関数は、種々に設定することができる。

0027

また、移動局が、最小となる第1時間間隔と最大となる第2時間間隔、および最大となる第1走査頻度と最小となる第2走査頻度とを設定する点も、本発明の特徴の一つである。そのため、上記の方法は、走査頻度を以下のように選択するために、時間間隔を比較する他のステップを含んでいる。すなわち、探索時間間隔が上記第1時間間隔より短いとき、第1走査頻度を用い、探索時間間隔が上記第2時間間隔より長いとき、第2走査頻度を用い、探索時間間隔が上記第2時間間隔より短く、第1時間間隔より長いとき、上記走査頻度算出値を用いるようになっている。

0028

本発明はまた、上記の第1時間間隔または第2時間間隔の少なくとも一方を変化させ、上記走査頻度算出値を用いるタイミングおよび走査頻度算出値を用いる期間の長さをコントロールすることもできる。

0029

本発明はまた、移動局がサービスセルを探索しているときに、移動局のバッテリの電力を節約するシステムを含んでいる。これらシステムおよび方法は、移動局の2つの相反する目的のバランスを取ることができる点で価値が有るといえる。その相反する目的とは、バッテリの負担軽減と、サービスセルの迅速な捕捉とである。移動局を起動した時点、あるいは移動局がサービスセルとの通信を断たれた時点で、当該移動局は、サービスセルを捕捉する新たな探索を開始する。初めは、サービスセルを迅速に再捕捉することを目標として、ビーコン信号の探索を高頻度で行う。そして、第1時間間隔と呼んでいる期間の経過後に、走査頻度を落とし始める。最終的には、第2時間間隔と呼んでいる期間の経過後から、移動局は走査頻度を最小にしてサービスセルを探索する。こうして、移動局は、サービスセルを捕捉する見込みに応じて走査頻度を調節することにより、バッテリの電力を節約するようにしてサービスセルを探索することができる。

0030

以上の点を、特許請求の範囲における各請求項に記載した構成に対応付けて説明する。

0031

請求項1の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報を送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法において、
a)上記ビーコン信号の組の走査を繰り返す走査頻度を、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において減少するように変更する頻度変更ステップと、
b)頻度変更ステップにて設定した走査頻度で上記ビーコン信号の組を繰り返し走査する走査ステップと、を含むことを特徴としている。

0032

上記の構成において、サービスセルの探索開始からの経過時間が長くなる程、サービスセルを選択できなかった走査回数が増大する。したがって、この場合、移動局は、サービスセルを選択しにくい状態に置かれていることになる。このような場合に、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において、走査頻度を減少させることにより、走査頻度を減少させないままサービスセルの探索を繰り返す場合に比べて、移動局のバッテリ電力を節減することができる。

0033

また、走査頻度を減少させ、バッテリの電力消費の節減を図ると同時に、サービスセルの探索を継続させることができる。したがって、移動局が、サービスセルを選択しやすい状態に復帰した場合には、比較的速やかに、サービスセルを選択することができる。

0034

請求項2の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項1に記載の構成に加えて、
c)サービスセルを選択しようとしているときの経過時間を上記頻度変更ステップの前に測定し、該経過時間としての探索時間間隔を生成する経時ステップと、
d)上記走査ステップの後で、サービスセルが選択されているか否かを判定し、サービスセルが選択されていない場合には、上記経時ステップに戻って経過時間を測定し直し新たな探索時間間隔が生成されるように配された判定ステップとを含み、上記新たな探索時間間隔に基づいて減じた走査頻度の算出値にてビーコン信号の組を走査することを特徴としている。

0035

上記の構成によれば、ビーコン信号の組を走査してもサービスセルを選択できなかったという判定結果が出る毎に、次の走査のための走査頻度を減少させることができる。また、経時ステップにて探索時間間隔を生成することにより、走査頻度の算出値を時間の関数として設定することができると共に、該関数の定め方によって、走査頻度の減少の形態を、バッテリ電力の節減の図り方に応じて適宜選択することができる。

0036

すなわち、該関数を一次関数とした場合には、時間経過に対する走査頻度の減少率を一定にすることができる。また、該関数を指数関数とした場合には、さらに指数関数の選択の仕方によって、走査頻度の減少率を時間経過に伴って大きく、あるいは小さくする等、非線形に変化させることができる。走査頻度の減少率を時間経過に伴って大きくした場合には、減少の初期から中期にかけて、できるだけ走査頻度を保ち、減少の後期に走査頻度を急激に落とすことができる。また、走査頻度の減少率を時間経過に伴って小さくした場合には、減少の初期に走査頻度を急激に落とし、減少の中期から後期にかけて走査頻度を徐々に落とすことができる。このような減少率の選択は、バッテリ電力の節電の図り方に応じて適宜行えばよい。

0037

請求項3の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項2に記載の構成に加えて、上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最大値としての第1走査頻度を設定し、上記走査ステップは、その前に行われる比較ステップであって、上記経時ステップにて生成された探索時間間隔と第1時間間隔との比較を行う比較ステップの結果に応じて実行され、探索時間間隔が第1時間間隔より長いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、上記第1走査頻度を走査頻度として設定することを特徴としている。

0038

上記の構成によれば、探索時間間隔が、比較の最短基準である第1時間間隔に達するまで、すなわちサービスセル探索の初期には、最大の走査頻度でサービスセルを探索し、探索時間間隔が第1時間間隔を越えたときには、バッテリ電力の節電を図るために、走査頻度を減少させることになる。

0039

この結果、サービスセル探索の初期に、サービスセルを選択できる可能性の高い状態に移動局が置かれていた場合には、速やかにサービスセルを選択することができる。また、探索時間間隔が第1時間間隔に達するまでに、サービスセルを選択できなかった場合には、移動局がサービスセルを選択しにくい状態に置かれていることを意味するので、バッテリ電力の節電モード切り換わり、走査頻度をゆっくりにして、サービスセルの探索を継続させることが適切となる。

0040

このように、サービスセルを捕捉する見込みに応じて、バッテリ電力の節電を図ることができる。

0041

請求項4の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項3に記載の構成に加えて、選択したサービスセルの近隣のセルから送信されるビーコン信号の数量および信号強度に関する付加情報を含むビーコンデータ信号を生成し、上記判定ステップに続けて行うステップとして、上記ビーコンデータ信号から付加情報を取り出して、上記近隣のセルに関する近隣情報録を作成する情報録作成ステップと、サービスセルを選択する際に、近隣情報録を読出す情報録参照ステップと、サービスセルの選択を可能とする信号強度のビーコン信号を送信している良好近隣セルの数量が基準数量を超えている場合、上記第1時間間隔を延長することによって、上記第1走査頻度を用いてサービスセルの探索を行う探索時間を延長する延長ステップとを含むことを特徴としている。

0042

上記の構成によれば、サービスセルの選択可能性が高い良好近隣セルが多い場合に、第1時間間隔が延長されるので、探索時間間隔が第1時間間隔に達するまでに、最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける期間が長くなる。これにより、第1時間間隔を延長しない場合に比べて、サービスセルを速やかに捕捉できる確率を高めることができる。

0043

なお、良好近隣セルの数量が多いか否かは、受信したビーコンデータ信号に含まれる付加情報を取り出して作成した近隣情報録を参照することによって判定することができる。

0044

請求項5の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項4に記載の構成に加えて、上記近隣情報録を選択的な時間間隔で更新し、更新履歴を作成し、上記延長ステップは、さらに、更新履歴を検索するステップと、上記良好近隣セルの数量が基準数量を超えていることを、更新履歴が一貫して示しているときに、上記第1時間間隔を延長する一方、近隣セルのビーコン信号が継続的に減衰していることを更新履歴が示しているときに、上記第1時間間隔を短縮することを特徴としている。

0045

上記の構成によれば、請求項4の方法で作成した近隣情報録を更新して更新履歴を作成することにより、時間経過に対する良好近隣セルの数量変化を知ることができる。この結果、移動局が静止状態になく移動している場合に、良好近隣セルの数量が刻々と変化するのに合わせて、最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける期間を変化させることができる。すなわち、良好近隣セルの数量が、移動局の移動によっても、相変わらず基準量を越えて多い場合には、最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける一方、良好近隣セルの数量が、移動局の移動によって減少した場合には、移動局が無線通信システムから遠去かっていることになるため、最大の走査頻度でサービスセルを探索し続けることを止め、走査頻度をゆっくりにする。

0046

これより、移動局が移動している場合であっても、サービスセルを捕捉する見込みに応じて、サービスセルの速やかな捕捉を優先させる場合と、移動局のバッテリ電力の節約を優先させる場合とを切換えることができる。

0047

請求項6の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項2に記載の構成に加えて、上記探索時間間隔と比較する最長基準である第2時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最小値としての第2走査頻度を設定し、上記走査ステップは、その前に行われる比較ステップであって、上記経時ステップにて生成された探索時間間隔と第2時間間隔との比較を行う比較ステップの結果に応じて実行され、探索時間間隔が第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、上記第2走査頻度を走査頻度として設定することを特徴としている。

0048

上記の構成によれば、探索時間間隔が長くなるのに伴って、サービスセルを捕捉する見込みが薄くなっていくため、走査頻度を漸減させるが、探索時間間隔が、比較の最長基準である第2時間間隔を越えた場合、走査頻度を最小値である第2走査頻度に設定する。この結果、探索時間間隔が第2時間間隔を越えた後は、バッテリ電力の消費を最小限に抑えながら、最小頻度でサービスセルの探索を継続することができる。

0049

これにより、良好近隣セルの数量が多い地域に移動局が進入した場合には、サービスセルの探索を継続していたことによって、可及的速やかに、サービスセルを捕捉することができる。

0050

請求項7の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項6に記載の構成に加えて、移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2時間間隔を短縮するように設定し直すことを特徴としている。

0051

上記の構成によれば、移動局のバッテリ電力が減少して、バッテリ電力の節電を優先せざるを得なくなった場合に、第2時間間隔を短縮するので、第2時間間隔を短縮しなかった場合に比べて、最小の走査頻度である第2走査頻度に早く切換えることが可能となる。この結果、移動局の動作時間の確保を図りながら、最小頻度でサービスセルの探索を継続することができる。

0052

請求項8の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、請求項6に記載の構成に加えて、移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2走査頻度を減少させるように設定し直すことを特徴としている。

0053

上記の構成によれば、移動局のバッテリ電力が減少して、バッテリ電力の節電を優先せざるを得なくなった場合に、走査頻度の最小値を一層小さな値に変更するので、第2走査頻度を減少させなかった場合に比べて、探索時間間隔が第2時間間隔を越えた後の移動局の動作時間を長く保つことができる。

0054

請求項9の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法は、それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報を送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索方法において、上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔および最長基準である第2時間間隔を設定すると共に、走査頻度の最大値としての第1走査頻度および走査頻度の最小値としての第2走査頻度を設定し、
a)サービスセルを選択しようとしているときの経過時間を測定し、該経過時間としての探索時間間隔を生成する経時ステップと、
b)上記ビーコン信号の組の走査を繰り返す走査頻度を、上記探索時間間隔の増加に伴って減少するように走査頻度の算出値を求める頻度変更ステップと、
c)探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、上記第1走査頻度を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、上記第2走査頻度を走査頻度として設定し、探索時間間隔が第1時間間隔より長く、第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値を走査頻度として設定する比較ステップと、
d)上記比較ステップで設定した走査頻度で、ビーコン信号の組を走査する走査ステップと、を備えていることを特徴としている。

0055

上記の構成は、請求項1、請求項2、請求項3および請求項6を組み合わせたものなので、これら各請求項について説明した作用効果を組み合わせた作用効果を奏する。

0056

請求項10の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、それぞれのビーコン信号を持ちながら相互通信を行う複数のセルを含み、ある地域にサービスする無線通信システムであり、ユーザ情報を送受信する複数の移動局を持ち、各移動局が、特定のビーコン信号の組を走査することによってサービスセルを選択する無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置において、上記ビーコン信号の組の走査を、サービスセルの選択を完了するまで繰り返す際の走査頻度を、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において減少するように変更し、変更した走査頻度を出力する走査頻度発生手段と、上記各セルのビーコン信号を受信すると共に、走査頻度発生手段にて設定された走査頻度が入力され、該走査頻度を用いて上記ビーコン信号の組を走査するビーコン信号受信手段とを備えたことを特徴としている。

0057

上記の構成において、サービスセルの探索開始からの経過時間が長くなる程、サービスセルを選択できなかった走査回数が増大する。したがって、この場合、移動局は、サービスセルを選択しにくい状態に置かれていることになる。このような場合に、走査を繰り返す時間の経過中のある設定された期間において、走査頻度発生手段が走査頻度を減少させるように変更して、ビーコン信号受信手段に供給することにより、走査頻度を減少させないままサービスセルの探索を繰り返す場合に比べて、移動局のバッテリの電力消費を節減することができる。

0058

また、走査頻度を減少させ、バッテリ電力の節電を図ると同時に、サービスセルの探索をビーコン信号受信手段に継続させることができる。したがって、移動局が、サービスセルを選択しやすい状態に復帰した場合には、比較的速やかに、サービスセルを選択することができる。

0059

請求項11の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項10に記載の構成に加えて、サービスセルの探索開始を示すトリガ信号クロック信号とが入力され、該トリガ信号が入力されたときに、走査開始からの経過時間を測定し、探索時間間隔として上記走査頻度発生手段に出力する経時手段(例えば、カウンタ)を備え、上記ビーコン信号受信手段は、サービスセルが受信したビーコン信号に基づいて選択されているか否かを判定すると共に、サービスセルが選択されていないという判定結果に基づいて上記トリガ信号を生成し、上記経時手段に出力すると共に、上記走査頻度発生手段が出力する走査頻度の算出値が、上記探索時間間隔の増加に伴って減少することを特徴としている。

0060

上記の構成によれば、ビーコン信号受信手段は、起動時、あるいはサービスセルを見失った時点で、サービスセルが選択されていないと判定し、トリガ信号を経時手段に出力する。これにより、経時手段は、サービスセルの探索開始からの経過時間である探索時間間隔を走査頻度発生手段に出力し、走査頻度発生手段は入力された探索時間間隔に基づいて、ある設定された期間において走査頻度を順次減少させる。

0061

あるいは、他の形態として、ビーコン信号受信手段は、起動時、あるいはサービスセルを見失った時点の他に、ビーコン信号の組の走査を終える毎に、サービスセルが選択されているか否かを判定してもよい。そして、ビーコン信号受信手段が、サービスセルを選択できなかったという判定を下す毎に、トリガ信号を経時手段に対して出力し、経時手段は、トリガ信号を入力する毎に、サービスセルの探索開始からの経過時間を積算して出力するように構成することもできる。

0062

いずれにしても、走査頻度発生手段は、予め定めておいた関数に従って、探索時間間隔に基づいて走査頻度を算出することができる。したがって、該関数の定め方によって、走査頻度の減少の形態を、バッテリ電力の節減の図り方に応じて適宜選択することができる。

0063

すなわち、該関数を一次関数とした場合には、時間経過に対する走査頻度の減少率を一定にすることができる。また、該関数を指数関数とした場合には、さらに指数関数の選択の仕方によって、走査頻度の減少率を時間経過に伴って大きく、あるいは小さくする等、非線形に変化させることができる。走査頻度の減少率を時間経過に伴って大きくした場合には、減少の初期から中期にかけて、できるだけ走査頻度を保ち、減少の後期に走査頻度を急激に落とすことができる。また、走査頻度の減少率を時間経過に伴って小さくした場合には、減少の初期に走査頻度を急激に落とし、減少の中期から後期にかけて走査頻度を徐々に落とすことができる。このような減少率の選択は、バッテリ電力の節電の図り方に応じて適宜行えばよい。

0064

請求項12の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項11に記載の構成に加えて、上記探索時間間隔が入力される第1入力部と、上記探索時間間隔と比較する最短基準である第1時間間隔が入力される第2入力部とを備え、探索時間間隔が第1時間間隔より長いとき、上記走査頻度の算出値を上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする一方、探索時間間隔が第1時間間隔より短いとき、走査頻度の最大値としての第1走査頻度が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする判定信号を出力する第1の比較手段を備えたことを特徴としている。

0065

上記の構成によれば、第1の比較手段が探索時間間隔と第1時間間隔とを比較した結果、探索時間間隔が、比較の最短基準である第1時間間隔に達するまで、すなわちサービスセル探索の初期には、最大の走査頻度である第1走査頻度がビーコン信号受信手段に供給され、探索時間間隔が第1時間間隔を越えたときには、走査頻度発生手段からビーコン信号受信手段へ、所定の関数に従って減少する走査頻度の算出値が供給されることになる。

0066

この結果、サービスセル探索の初期に、サービスセルを選択できる可能性の高い状態に移動局が置かれていた場合には、ビーコン信号受信手段は速やかにサービスセルを選択することができる。また、探索時間間隔が第1時間間隔に達するまでに、サービスセルを選択できなかった場合には、移動局がサービスセルを選択しにくい状態に置かれていることを意味するので、バッテリ電力の節電モードに切り換わり、ビーコン信号受信手段は漸減する走査頻度でもって、サービスセルの探索を継続することができる。

0067

このように、サービスセルを捕捉する見込みに応じて、バッテリ電力の節電を図ることができる。

0068

請求項13の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項12に記載の構成に加えて、選択したサービスセルの近隣のセルから送信されるビーコン信号の数量および信号強度に関する付加情報を含むビーコンデータ信号がビーコン信号受信手段で生成され、その生成されたビーコンデータ信号が入力される第1間隔発生手段であって、該ビーコンデータ信号を格納して、上記付加情報に基づく近隣情報録を作成し、サービスセルを選択する際に、近隣情報録を読出し、サービスセルの選択を可能とする信号強度のビーコン信号を送信している良好近隣セルの数量が基準数量を超えている場合、上記第1時間間隔を延長して上記第1の比較手段に供給する第1間隔発生手段を備えたことを特徴としている。

0069

上記の構成によれば、移動局が、サービスセルの選択可能性が高い良好近隣セルが多い地域に位置している場合に、第1間隔発生手段は、第1の比較手段に入力される第1時間間隔を延長するので、探索時間間隔が第1時間間隔に達するまでに、ビーコン信号受信手段が最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける期間が長くなる。これにより、第1時間間隔を延長しない場合に比べて、サービスセルを速やかに捕捉できる確率を高めることができる。

0070

なお、良好近隣セルの数量が多いか否かは、ビーコン信号受信手段が受信したビーコン信号に含まれる付加情報を、第1間隔発生手段が取り出して作成した近隣情報録を参照することによって判定することができる。

0071

請求項14の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項13に記載の構成に加えて、上記第1間隔発生手段は、上記近隣情報録を選択的な時間間隔で更新し、かつ更新履歴を作成すると共に、上記良好近隣セルの数量が基準数量を超えていることを、更新履歴が一貫して示しているときに、第1時間間隔を延長する一方、近隣セルのビーコン信号が継続的に減衰していることを更新履歴が示しているときに、上記第1時間間隔を短縮することを特徴としている。

0072

上記の構成によれば、第1間隔発生手段が作成した近隣情報録をさらに更新して更新履歴を作成することにより、時間経過に対する良好近隣セルの数量変化を知ることができる。この結果、移動局が静止状態になく移動している場合に、良好近隣セルの数量が刻々と変化するのに合わせて、ビーコン信号受信手段が最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける期間を変化させることができる。

0073

すなわち、良好近隣セルの数量が、移動局の移動によっても、相変わらず基準量を越えて多い場合には、走査頻度発生手段からビーコン信号受信手段には、最大の走査頻度が供給され、ビーコン信号受信手段は最大の走査頻度でサービスセルを探索し続ける。一方、良好近隣セルの数量が、移動局の移動によって減少した場合には、移動局が無線通信システムから遠去かっていることになるため、走査頻度発生手段からビーコン信号受信手段には、漸減する走査頻度の算出値が供給され、ビーコン信号受信手段における走査頻度は徐々に緩慢になる。

0074

これより、移動局が移動している場合であっても、サービスセルを捕捉する見込みに応じて、サービスセルの速やかな捕捉を優先させる場合と、移動局のバッテリ電力の節約を優先させる場合とを切換えることができる。

0075

請求項15の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項11に記載の構成に加えて、上記探索時間間隔が入力される第1入力部と、上記探索時間間隔と比較する最長基準である第2時間間隔が入力される第2入力部とを備え、探索時間間隔が第2時間間隔より短いとき、上記走査頻度の算出値が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする一方、探索時間間隔が第2時間間隔より長いとき、走査頻度の最小値としての第2走査頻度が上記ビーコン信号受信手段に入力されるようにする判定信号を出力する第2の比較手段を備えたことを特徴としている。

0076

上記の構成によれば、第2の比較手段が探索時間間隔と第2時間間隔とを比較した結果、探索時間間隔が、比較の最長基準である第2時間間隔に達するまで、すなわちサービスセル探索の中期には、走査頻度発生手段からビーコン信号受信手段へ、所定の関数に従って減少する走査頻度の算出値が供給され、探索時間間隔が第2時間間隔を越えたときには、最小の走査頻度である第2走査頻度がビーコン信号受信手段に供給されることになる。

0077

この結果、探索時間間隔が第2時間間隔を越えた後は、バッテリ電力の消費を最小限に抑えつつ、最小頻度でサービスセルの探索を継続することができる。これにより、サービスセルを捕捉する見込みが小さい状態では、バッテリ電力の節電を優先させると共に、良好近隣セルの数量が多い地域に移動局が進入した場合には、サービスセルの探索を最小頻度ながらも継続していたことによって、可及的速やかに、サービスセルを捕捉することができる。

0078

請求項16の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項15に記載の構成に加えて、移動局のバッテリ電力の測定結果が入力され、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2時間間隔を短縮するように設定し直して出力する第2間隔発生手段を備えたことを特徴としている。

0079

上記の構成によれば、移動局のバッテリ電力が減少して、バッテリ電力の節電を優先せざるを得なくなった場合に、第2間隔発生手段は、第2の比較手段に入力される第2時間間隔をバッテリ電力の測定結果に基づいて短縮するので、第2時間間隔を短縮しなかった場合に比べて、走査頻度発生手段は、ビーコン信号受信手段に供給する走査頻度を、漸減する算出値から最小の走査頻度である第2走査頻度に早く切換えることが可能となる。この結果、移動局の動作時間の確保を図りながら、ビーコン信号受信手段は最小頻度でサービスセルの探索を継続することができる。

0080

請求項17の発明に係る無線通信システムにおける移動局のサービスセル探索装置は、請求項15に記載の構成に加えて、移動局のバッテリ電力の測定結果が入力され、バッテリ電力の減少に伴って、上記第2走査頻度を減少させるように設定し直す第2間隔発生手段を備えたことを特徴としている。

0081

上記の構成によれば、移動局のバッテリ電力が減少して、バッテリ電力の節電を優先せざるを得なくなった場合に、第2間隔発生手段は、ビーコン信号受信手段に供給される第2走査頻度を一層小さな値に変更するので、第2走査頻度を減少させなかった場合に比べて、探索時間間隔が第2時間間隔を越えた後の移動局の動作時間を長く保つことができる。

発明を実施するための最良の形態

0082

本発明の一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下のとおりである。すなわち、本実施の形態に係る無線通信システムは、一般に、ある地域をサービスするものであって、例えば、公衆陸上移動体通信網(PLMN:Public Land Mobile Network)など、相互に通信し合う複数の通信網を有している。これらの各通信網は、通常、通信システム内の特定の地域に関連付けられている。

0083

さらに、上記無線通信システムの通信網は、通常、相互に通信し合う複数のセルを備えている。各セルには、移動局との通信を行う基地局が、それぞれ配置されており、言い換えれば、各基地局の通信エリアがセルに相当する。

0084

一方、上記無線通信システムは、ユーザ情報を送受信するために、複数の移動局を備えている。各移動局がセル内に位置している場合、移動局とセルとは互いに通信可能であり、移動局は、このセル(以下では、サービスセルと称する)を介して、公衆電話網に接続された電話機や他の移動局と通信する。

0085

移動局が移動すると、通信可能なセルが変化するので、移動局は、通信に先立ってサービスセルを選択する必要がある。ここで、移動局が各セルとの通信状態を認識し、通信状態が良好なセルをサービスセルとして選択するために、各セルは、予め割り当てられた周波数のビーコン信号を放送している。隣接する各セルに割り当てられる周波数は、干渉を防止するために、互いに異なっている。したがって、無線通信システム全体では、複数の周波数がビーコン信号の周波数として割り当てられている。このように、無線通信システムで予め定められたビーコン信号の組を以下では、単にビーコン信号組と称する。

0086

移動局は、サービスセルを選択する際、ビーコン信号組に属する各ビーコン信号を順次走査し、その受信結果に基づいて、各ビーコン信号に対応するセルとの通信状態を把握し、これに基づいて、サービスセルを選択する。なお、移動局は、通信状態が良好なセルを検出できなかった場合、再びビーコン信号組の走査を繰り返す。ビーコン信号組の走査を繰り返す頻度のことを以下では、走査頻度と称する。

0087

図1は、サービスセルの選択時に、移動局のバッテリ電力を節約するための本実施形態に係るシステム構成を示すブロック図である。当該システムは、ビーコン信号組の走査を繰り返す際、ある期間中は、走査頻度が減少するように、走査頻度を変更する走査頻度発生器10(走査頻度発生手段)を備えている。当該走査頻度発生器10は、変更した走査頻度を供給するための出力部を有している。

0088

また、上記システムはさらに、上記走査頻度発生器10にて決定された走査頻度で、上記ビーコン信号組を探索するビーコン信号受信機12(ビーコン信号受信手段)を備えている。ビーコン信号受信機12には、上記走査頻度発生器10の出力部に機能的に接続され、ビーコン組走査頻度を信号線14を介して受け取る第1入力部と、信号線16を介して、セルからビーコン信号を受信する第2入力部とが設けられている。

0089

上記システムは、探索結果が失敗のときに、走査頻度を減じるように動作する。なお、ここでは、走査頻度、ビーコン走査頻度、およびビーコン組走査頻度などの用語は、ビーコン信号組の走査を繰り返す頻度という意味で使用する。すなわち、走査頻度は、ビーコン信号周波数の一組全体を1回走査する間における、個々の周波数走査同志の時間間隔ではなく、ビーコン信号の一組全体の走査を繰り返す際の一組の走査同志の間の時間間隔自体を指している。

0090

上記走査頻度発生器10は、多くの回路によって実施できる。例えば、デジタル回路として実現する場合、メモリに、予めプログラムされた参照表を格納しておき、その参照表からの出力として、減少する走査頻度を供給できる。参照表の値(参照データ)は、信号線14を介し、ビーコン組走査頻度としてビーコン信号受信機12へ機能的に接続される。このようにして、出力される参照データは、徐々に遅くなる頻度にて走査するように、ビーコン信号受信機12に対して指示を与える。

0091

一方、走査頻度発生器10をアナログ回路によって実現する場合、例えば、抵抗キャパシタとによって決定される時定数で、入力信号応答して出力電圧を減少させる当業者には周知の1ショットタイマ回路を用いることができる。この場合、減少する出力電圧が、信号線14を介し、ビーコン信号組走査頻度として、ビーコン信号受信機12に機能的に接続される。そして、ビーコン信号受信機12は、減少する電圧に応じて、走査頻度を減少させる。

0092

ビーコン信号受信機12は、信号線16を介して入力されるビーコン信号を監視する。一般に、ビーコン信号受信機12は、無線周波数部(RF部)、中間周波数部(IF部)、復調部、および移動局の論理部などの要素を備えている。上述したように、ビーコン信号受信機12は、信号線14を介して与えられるビーコン組走査頻度に応じて、走査頻度を調整できる。さらに、ビーコン信号受信機12は、信号線16に入力されるビーコン信号の信号強度を測定し、C1基準を算出すると共に、ビーコン信号によって伝送される他の情報と、当該C1基準とに基づいてサービスセルを選択できる。また、ビーコン信号受信機12は、サービスセルの探索を始めるために、いつサービスセルを見失ったかを決定する。

0093

サービスセルのC1基準が徐々に0に近づき、かつ、より良いC1基準のセルが近隣に現れない場合、移動局は他のセルを選択することができず、現サービスセルとの通信状態が徐々に悪化するので、サービスセルは徐々に見失われる。このように、サービスセルを徐々に見失う状況は、通信システムがカバーする領域から、移動局が外れるときに発生し得る。

0094

一方、移動局がトンネルに入るとき、あるいはビルとビルとの間を移動する場合、移動局が認識する各セルのC1基準は、突然、0未満の値に落ち込むことがある。

0095

ここで、C1基準は、以下に示す公式(1)〜(3)によって算出される。

0096

C1=A−B …(1)
A=平均受信電力値−p1 …(2)
B=p2−最大移動局無線送信出力…(3)
ここで、上式(2)において、p1は、各ビーコン信号によって送信されてくるパラメータであり、時には、“RXLEV_ACCESS_MIN”と表示される。このパラメータp1は、セル受信機において、ビーコン信号に関する受信感度を示している。したがって、上式(1)のAの値は、正のとき、セル受信機の受信感度のマージンを示している。例えば、あるシステムでは、パラメータp1は、−110dBmと−48dBmとの間の値を取る。

0097

同様に、上式(3)のパラメータp2も、ビーコン信号によって送信されてくるもので、時には、“MS TXPWR MAX_CCH”と表示されるパラメータである。このパラメータp2は、セルの送信機の送信出力を示している。したがって、上式(1)のBの値は、セルの送信機と移動局の送信機との間における最大出力相違を示している。例えば、あるシステムでは、パラメータp2は、13dBmから43dBmの間で変化する。

0098

上式(1)において、C1基準の値が“0”の場合、セルと移動局との間の信号送受は、互いに均等に釣り合っている。また、C1基準の値が“0”よりも大きい場合は、セルとの信号送受にセーフティマージンが存在すること、すなわち、Aで示すセル受信機の受信感度か、あるいは、Bで示すセル受信機へのRF送信出力かに、セーフティマージンが存在することを示している。

0099

発明の好適な実施形態において、ビーコン信号受信機12は、ビーコン信号の探索に加えて、サービスセルがそのセルのビーコン信号に応答して選択されているか否かを決定する。また、ビーコン信号受信機12は、信号線18を介して、サービスセル探索の開始を示すタイマ開始信号を供給する出力部を有している。

0100

走査頻度発生器10は、サービスセル探索において経過した時間が増加するのに伴って、値が減少するような走査頻度を算出する。具体的には、走査頻度発生器10は、信号線20を介して、サービスセル探索の開始時点からの経過時間である探索時間間隔を受け取る入力部を備えている。また、走査頻度発生器10の出力部は、走査頻度算出値を信号線22に供給する。

0101

さらに、このシステムは、トリガ信号に応答して、上記経過時間を測定するカウンタ24(経時手段)を備えている。具体的には、カウンタ24は、時間間隔を測定するために、信号線26を介してクロック信号を受け取る第1入力部と、信号線18を介して、計測開始トリガとなる上記タイマ開始信号を受け取る第2入力部と、上記探索時間間隔となる経過時間を信号線20に供給する出力部とを備えている。これにより、上記走査頻度算出値は、サービスセルの探索開始以降の経過時間に依存する。

0102

具体的には、信号線18を介するタイマ開始信号によって、サービスセルの探索が開始された後、カウンタ24は、信号線26から与えられるクロック信号のパルス数を数える。クロック信号レートが予め定められているので、探索時間間隔として信号線20に出力されるクロック信号のパルス数は、測定時間に変換できる。なお、ある入力信号から経過時間を測定する方法は、当業者に周知のとおり、上述の方法以外にも種々存在するが、どのような方法を用いて経過時間を測定しても、本実施形態と同様の効果が得られる。

0103

移動局が起動した時、あるいはビーコン信号受信機12がサービスセルを見失った時、ビーコン信号受信機12は、サービスセルが選択されていない、あるいはサービスセルを見失った、という判定結果に基づいて、信号線18にタイマ開始信号を送出する。ビーコン信号受信機12がビーコン信号を受け取り、その結果、当該ビーコン信号に関するセルをサービスセルとして選択するためには、ビーコン信号は、妨害されていてはならず、かつ、当該ビーコン信号のC1基準は、“0”より大きくなければならない。セルと移動局とが、2つの異なる加入通信網に属している場合、移動局は、サービスセルの選択を妨害されることがある。ただし、呼出しが緊急性を有している場合には、大抵、妨害できないようになっている。

0104

発明の好適な実施形態では、信号線20に出力される探索時間間隔は、サービスセル探索が開始された時を起点とする時間間隔であるが、これに限るものではない。上記探索時間間隔は、他の適切な基準時間によってトリガされる場合であっても、経過時間を測定できる。

0105

また、発明の好適な実施形態では、信号線28に、探索時間間隔との比較基準として最小の時間間隔を与える第1時間間隔が供給されており、信号線30に、走査頻度の最大値である第1走査頻度が供給されている。さらに、本システムには、上記信号線28の第1時間間隔を上記信号線20の探索時間間隔と比較する第1比較器32(第1の比較手段)が設けられている。具体的には、第1比較器32は、信号線20を介して上記探索時間間隔を受け取る第1入力部(a1)と、信号線28を介して上記第1時間間隔を受け取る第2入力部(b1)と、上記探索時間間隔および第1時間間隔の大小関係を供給する出力部とを備えている。

0106

また、本システムは、走査頻度発生器10とビーコン信号受信機12との間に、第1比較器32の出力に基づいて、走査頻度発生器10にて算出された走査頻度算出値と上記第1走査頻度との一方を選択して、ビーコン信号受信機12へ与えるマルチプレクサ(MUX)48を備えている。当該MUX48には、上記信号線30に接続される入力部(in3)、上記走査頻度発生器10に信号線22を介して接続される入力部(in1)、および、上記第1比較器32の出力部に接続される入力部(select1)と、以下に示すように、走査頻度を選択して、信号線14を介し、ビーコン組走査頻度としてビーコン信号受信機12へ与える出力部(out )とが設けられている。

0107

すなわち、MUX48は、第1比較器32によって、信号線20の探索時間間隔が信号線28の第1時間間隔よりも大きいと判定された場合、信号線22から入力される信号、すなわち、走査頻度算出値を信号線14に出力し、上記探索時間間隔が第1時間間隔より小さいと判定された場合、信号線30から入力される信号、すなわち、第1走査頻度を上記ビーコン組走査頻度として信号線14に出力する。

0108

なお、探索時間間隔と第1時間間隔との比較を行わず、サービスセルの探索開始直後から、時間経過とともに走査頻度を減少させる実施形態を採用する場合には、MUX48を必要としないことはいうまでもない。

0109

上記の結果、本実施形態に係るシステムは、サービスセルを探索する際、最初のうちは、最大の走査頻度にてビーコン信号の組を走査する。最大の走査頻度、すなわち、信号線30の第1走査頻度は、サービスセルの迅速な捕捉を試みるために使用される。信号線28の第1時間間隔によって示される期間が経過してしまうと、システムは、サービスセルの探索が失敗しそうであると仮定する。この場合、すなわち、信号線28の探索時間間隔が当該第1時間間隔を超過した後は、バッテリ電力を節約するため、信号線22の走査頻度算出値が使用される。この走査頻度算出値は、前述のように、サービスセル探索の開始時点からの経過時間である上記探索時間間隔の増加に伴って減少する。

0110

なお、本実施形態では、第1比較器32が、第1時間間隔と探索時間間隔とを比較し、MUX48が、比較結果に基づいて、走査頻度算出値と第1走査頻度との一方を走査頻度として選択しているが、これに限るものではない。例えば、第1比較器32に走査頻度発生器10の機能も組み込み、第1比較器32が比較と選択とを行って、ビーコン信号受信機12へ走査頻度を直接指示する構成を採用することもできる。

0111

発明の好適な実施形態では、本システムはさらに、信号線36を介するビーコンデータ信号に基づいて、近隣のセルのビーコン信号の数量および信号強度に関する情報を記憶し、近隣情報録を生成する第1間隔発生器34(第1間隔発生手段)を備えている。当該第1間隔発生器34は、サービスセルを選択する時、格納している近隣情報録を読出し、高い信号強度のビーコン信号を持っている近隣のセルの数量が多ければ、それに応じて、信号線28を介して出力される第1時間間隔を長くする。具体的には、第1間隔発生器34は、信号線36からビーコンデータ信号を受け取る入力部と、記録された近隣のビーコン信号の数量と強度とが大きい場合、信号線30に供給される走査頻度の最大値が、より長い期間維持されるように、信号線28に延長した第1時間間隔を供給する出力部とを備えている。

0112

さらに、上記システムは、第1間隔発生器34の近隣情報録が、選択的な時間間隔で更新され、当該近隣情報録の更新履歴が生成されることを特徴としている。当該更新履歴は、第1間隔発生器34が第1時間間間隔を生成する際に参照される。すなわち、第1間隔発生器34は、更新履歴が、多くの近隣のセルが高い信号強度を持っていることを首尾一貫して示している場合、信号線28を介して出力する第1時間間隔を増加させるのに対し、移動局が近隣のビーコン信号の強度減衰を継続的に示している場合、信号線30に供給される走査頻度の最大値を、より短期間しか維持しない。

0113

この方法によれば、信号線30によって指示される第1走査頻度が移動局の走査頻度を決定している間の時間の長さは変化する。具体的には、第1間隔発生器34は、信号線28に伝えられる第1時間間隔を変更し、それによって、移動局の走査頻度が上記第1走査頻度によって制御される期間の長さを変更する。また、第1間隔発生器34は、近隣のビーコン信号の更新履歴を記録し、サービスセルを素早く再捕捉できる見込みが十分にあることを更新履歴が示している場合、上記第1時間間隔を増加させる。

0114

例えば、仮に、サービスセルを見失った直前において、多くの近隣のセルが大きな信号強度を有していることを、近隣情報録が一定のパターンで示している場合、移動局がビルに隠れたか、あるいはトンネルに入ったかであることが推測されよう。このような状況では、サービスセルは比較的容易に再捕捉されるはずなので、第1間隔発生器34は、信号線28に出力する第1時間間隔を延長する。

0115

一方、近隣情報録が、近隣のセルについて、ビーコン信号の信号強度が徐々に減少する履歴を示している場合、移動局が通信システムから遠去かり、サービスセルを再び捕捉することが難しいと推測しても差し支えない。この状況下では、第1間隔発生器34は、信号線28に出力する第1時間間隔を短縮してもよい。

0116

ところで、上記の説明では、第1間隔発生器34が第1時間間隔を変更する場合について説明したが、第1間隔発生器34が、信号線36を介して供給されるビーコンデータ信号に応じて、第1走査頻度を変更してもよい。この場合、第1間隔発生器34は、移動局がサービスセルを捕捉できそうな場合に、第1走査頻度を大きくするために用いられる。ここで、捕捉の可能性は、上記ビーコンデータ信号に基づいて決定される。

0117

本発明のさらに好適な実施形態では、信号線38を介して第2時間間隔が与えられており、当該第2時間間隔は、探索時間間隔との比較基準として最長の時間間隔を与えるものである。これに対応して、本実施形態のシステムには、信号線40を介して、最小の走査頻度を示す第2走査頻度が与えられる。加えて、当該システムは、第2時間間隔と探索時間間隔とを比較する第2比較器42(第2の比較手段)を備えている。この場合、上記MUX48が、両時間間隔の比較結果に基づいて、第2走査頻度と走査頻度算出値との一方を選択するようになっている。

0118

具体的には、第2比較器42は、信号線20を介して与えられる探索時間間隔を受け取る第1入力部(a2)と、上記信号線38を介して与えられる第2時間間隔を受け取る第2入力部(b2)と、両時間間隔の大小関係をMUX48へ出力する出力部とを備えている。また、MUX48は、信号線40を介して第2走査頻度を受け取る入力部(in0)と、上記第2比較器42に接続され、上記両時間間隔の大小関係を受け取る入力部(select0)とを備えている。MUX48の出力部(out )は、信号線20の探索時間間隔が信号線38の第2時間間隔よりも短い場合、信号線22から与えられる走査頻度算出値を出力し、上記探索時間間隔が第2時間間隔よりも長い場合、信号線40によって与えられる第2走査頻度を供給する。それによって、移動局の走査頻度は、バッテリ電力を節約するために、最終的に、信号線40によって与えられる最小の走査頻度に設定される。

0119

本発明の一実施形態に係るシステムは、さらに、バッテリ電力の減少に伴って、信号線38により伝えられる第2時間間隔を短縮する第2間隔発生器44(第2間隔発生手段)を備えている。すなわち、第2間隔発生器44は、信号線46を介してバッテリ電力の測定値を受け取る入力部と、第2時間間隔を信号線38へ供給する出力部とを備えている。それによって、移動局は、バッテリ電力が低くなると直ぐに、サービスセルを選択する際の走査頻度を最小の走査頻度に切り換えることができる。すなわち、第2間隔発生器44は、バッテリの電圧に応じて、上記第2時間間隔を調整できる。こうして、走査頻度の切換え時点が、移動局のバッテリ残量に応じて調整可能となる。

0120

ところで、上記の説明では、バッテリ電力に応じて第2時間間隔を調整する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、本発明の他の実施形態として、上記第2間隔発生器44は、バッテリ電力の減少に伴って、信号線40へ供給する第2走査頻度を減少させるように動作してもよい。この場合にも、当該第2間隔発生器44は、信号線46からバッテリ電力の測定値を受け取る入力部と、第2走査頻度を信号線40へ供給する出力部とを備えており、それによって、移動局のバッテリ電力が低い場合、上記第2走査頻度を落としゆっくりにする。すなわち、第2間隔発生器44は、上記バッテリ電力の測定値に応じて、上記第2走査頻度を変化させる。

0121

上記MUX48は、第1比較器32および第1間隔発生器34との組み合わせで用いる場合には、第1時間間隔と探索時間間隔との比較結果に応じて、信号線22から与えられる走査頻度算出値と信号線30の第1走査頻度との一方を、ビーコン信号受信機12へ供給するビーコン組走査頻度として選択するスイッチとして動作する。

0122

また、MUX48は、第2比較器42および第2間隔発生器44との組み合わせで用いる場合には、第2時間間隔と探索時間間隔との比較結果に応じて、上記走査頻度算出値と信号線40の第2走査頻度との一方を、ビーコン信号受信機12へ供給するビーコン組走査頻度として選択するスイッチとして動作する。

0123

さらに、MUX48は、第1および第2比較器32、42並びに第1および第2間隔発生器34、44との組み合わせで用いる場合には、上記走査頻度算出値と、信号線30の第1走査頻度と、信号線40の第2走査頻度との中から、信号線14を介してビーコン信号受信機12へ供給するビーコン組走査頻度を選択するスイッチとして動作する。

0124

当該MUX48は、従来より良く知られているように、第1比較器32および/または第2比較器42によって制御される。また、MUX48は、幾つかのアナログスイッチを組み合わせても実現できる。上述のように、時間測定の比較結果に応じて、上記各走査頻度のうちの1つを選択可能であれば、どのような構成であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。

0125

本発明の好適な実施形態では、移動局は、最初のうち、すなわち、信号線20の探索時間間隔が、信号線28の第1時間間隔を超えるまでの間は、信号線30を介して指示される第1走査頻度にてサービスセルを探索する。その後は、漸減する信号線22の走査頻度算出値にて、すなわち上記探索時間間隔と関連付けられた頻度にて、サービスセルは探索される。そして、最終的に、信号線38の第2時間間隔が示す期間が経過した後は、信号線40の第2走査頻度、すなわち、最小の走査頻度にて、サービスセル探索が行われる。探索のこの時点では、移動局がサービスセルを発見することが難しいと推測されるので、バッテリ電力消費を抑えるために、走査頻度は最小の値に設定される。

0126

ここで、MUX48を、第1および第2比較器32、42並びに第1および第2間隔発生器34、44との組み合わせで用いる場合を例にして、本システムの動作をさらに詳細に説明する。図2は、時間の経過に対して、動的に変化する走査頻度を示している。時刻T0 は、移動局が直前のサービスセルからの放送を見失った時点、あるいは電源投入時を示している。そして、移動局は、当該時刻T0 から、新しいサービスセルの探索を開始する。時刻T0 から時刻T1 までの期間は第1時間間隔であり、図1において信号線28に与えられる第1時間間隔に相当する。第1時間間隔の間、移動局は、図1に示す信号線30を介して指示される第1走査頻度、すなわち、最大の走査頻度にてサービスセルを探索する。

0127

図2に示す例では、移動局の最大走査頻度は、図中、クロスハッチングを付した走査期間54で示すように、可能な限り速く設定されている。この場合、ビーコン信号組を走査する際、各走査と走査との間には、休止期間、すなわち、走査していない期間は設けられていない。なお、図2はあくまで一例であって、上記各走査同志の間に幾らかの休止期間を設けるように、第1走査頻度を、図2の例より遅く設定することもできる。

0128

次に、時刻T1 から時刻T2 までの期間、すなわち、第1時間間隔の終了時点から第2時間間隔の終了時点までの期間については、移動局は、図1に示す信号線22を介して与えられる走査頻度算出値を、移動局の走査頻度として使用する。図2中、クロスハッチングを付した1つの走査期間58は、通信システムの全てのビーコン信号周波数、例えばGSMバンド全体にわたる走査を移動局が1回行う期間を示しており、同図に示すように、時刻T1 から時刻T2 までの期間中、移動局の走査頻度は、徐々に遅くなる。言い換えると、時刻T1 から時刻T2までの期間中、各走査期間58間の休止期間は次第に長くなる。すなわち、発明の好適な実施形態では、走査頻度は時刻T0 からの経過時間に応じて減少する。

0129

続いて、時刻T2 の後、移動局は、図1に示す信号線40を介して与えられる第2走査頻度、すなわち、最小の走査頻度に切り換える。そして、サービスセルが見つかりそうにないとの推定に基づいて、各走査間の休止期間は、最大に設定され、バッテリ電力の消費は節減される。

0130

ここで、走査頻度算出値と探索時間間隔との関係について、さらに詳細に説明する。図3は、走査頻度算出値が探索時間間隔の線形関数として算出された場合を示している。すなわち、第1時間間隔から第2時間間隔までの期間、つまり時刻T1 から時刻T2 までの間、走査頻度算出値は時間軸に比例して減少する。このことを、図1を再び参照して説明すると、走査頻度発生器10によって算出される走査頻度算出値は、信号線20の探索時間間隔に対する線形関数である。これによって、信号線22の走査頻度算出値は、一定の比率で減少し、図3に示すように、移動局の走査頻度は、時刻T1 から時刻T2 までの間、探索時間間隔の増加に伴って、つまり探索時間の経過に伴って、一定の比率で減少する。

0131

一方、走査頻度算出値は、探索時間間隔に対して非線形の関数でもよい。例えば、図4は、走査頻度算出値が探索時間間隔に対する指数関数として算出された場合を示している。図3と同様に、第1時間間隔から第2時間間隔までの期間、つまり時刻T1 から時刻T2 までの期間、走査頻度算出値は、時間軸に対して非線形に変化する。この場合、図1に示す走査頻度発生器10が、信号線20を介して入力される探索時間間隔に対する指数関数として、走査頻度算出値を計算しているので、走査頻度算出値は、非線形に減少し、移動局の走査頻度は、時刻T1 から時刻T2 までの間、探索時間間隔の増加に伴って、つまり探索時間の経過に伴って、非線形に減少する。

0132

なお、図3および図4では、いずれも、時刻T2 以降の走査頻度は、第2間隔発生器44が出力する第2走査頻度、すなわち最小の走査頻度に保たれる。

0133

続いて、移動局がサービスセルを選択する際のバッテリ電力を節約する方法について、説明する。図1を参照して説明したように、移動局は、ある地域をサービスする無線通信システム内で動作するものであり、当該無線通信システムは、互いに通信し合う複数のセルを備えている。各セルは、回線確立にあたって使用されるビーコン信号を有している。また、上記通信システムは、使用者の情報を送受するために、複数の移動局を備えており、各移動局は、予め定められたビーコン信号組を走査することによって、上記セルのうちから、通信に使用するサービスセルを選択する。

0134

ここで、図5に示すように、発明の一実施形態に係るサービスセル探索方法では、ステップ60(以下では、S60のように略称する)にて、移動局がサービスセル探索を開始すると、S62(頻度変更ステップ)にて、ビーコン信号組の走査を繰り返す際の走査頻度は、ある期間中、減少するように変更される。次に、S64(走査ステップ)へ進み、S62で定められた走査頻度でビーコン信号組を走査する。なお、上記S62にて変更される走査頻度は、変更前に設定された走査頻度よりも低ければよいので、種々の設定方法が適用可能である。

0135

S64に続くS68(判定ステップ)では、ビーコン信号組がひとわたり走査されると、すなわち、所定の組のビーコン信号の受信が試みられると、各ビーコン信号の受信結果に基づいて、ビーコン信号を放送する各セルのうちから、サービスセルとして使用可能なセルを選択できるか否かが判定される。もし、S68にて、サービスセルが見つからなかった場合、S62に戻って走査頻度を変更し、S64では変更した走査頻度でビーコン信号組を走査する。このように、図5に示す探索方法では、サービスセルの探索がうまく行かないときに、走査頻度を落とすようにしている。

0136

ここで、走査頻度算出値を生成するための探索時間間隔に対して、探索時間間隔の増大と伴に走査頻度算出値が減少するように、S62で走査頻度を変更する方法が、本発明の特徴点の一つである。この場合には、図6に示すように、S60とS62との間に、サービスセルの選択を行っている経過時間を測定し、上記探索時間間隔を生成するS66(経時ステップ)を設ける。そして、S68にてサービスセルとなるセルが見つからなかった場合に、図5のようにS62に処理が戻るのではなく、S66に戻って、測定された探索時間間隔に応じて新たに設定された走査頻度にてビーコン信号組の走査が行われる。

0137

図5および図6に示すいずれの処理にせよ、S68にてサービスセルを選択できた場合、移動局の処理は、S70に移行して、移動局は、当該サービスセルとの関係を維持、あるいは捕捉(camp)しておく。

0138

なお、サービスセルを捕捉しておく処理は複雑であり、本発明の範囲外であるため、当該処理については簡単に触れておく。一度、移動局がサービスセルを選択すると、移動局は、さらに多くの情報をビーコン信号組から抽出する。この情報に基づき、移動局は、最も近い各セルの環境についてより詳細に習得する。その後、移動局は、通信システムによって規定されたビーコン信号組のうち、上記環境に基づいて決定された特定のビーコン信号のみを監視する。

0139

具体的には、移動局は、サービスセルのビーコン信号と、当該サービスセルに最近接しているセルのビーコン信号とのみを走査する。ところで、特に、移動局が移動している場合など、移動局が新たなサービスセルをC1基準に基づき選択する場合、移動局は、直前のサービスセルの近傍に配されているセルを、新たなサービスセルとして再選択することが通常行われている。近隣のセルに限定した走査によって、サービスセルを再選択する処理は、移動局がサービスセルを見失った場合に要求される選択処理とは異なっており、本発明の主題ではない。本発明では、移動局がサービスセルとの通信を維持できなくなったときに(S71)、移動局の処理は、図5または図6に示すS60に移行し、サービスセルの探索が再開されることになる。

0140

次に、図7に示すフローチャートに基づいて、上記図6に示すサービスセル探索方法をより詳細に説明する。図7に示すように、最小の時間間隔である第1時間間隔と、最大の走査頻度を示す第1走査頻度とが設定されるという点は、本発明の特徴点の一つである。具体的には、上記S64におけるビーコン信号組の走査は、S64より前に追加されたS72に応じて行われるようになっている。このS72では、上記S66にて測定された探索時間間隔と第1時間間隔との間で、走査頻度を以下のように選択するべく比較する。すなわち、探索時間間隔が第1時間間隔よりも長い場合(S72にて NO の場合)、S74に進み、走査頻度として、上記S62にて算出された走査頻度算出値を用いる。一方、探索時間間隔の方が第1時間間隔よりも短い場合(S72にて YESの場合)、S76に進み、走査頻度として、第1走査頻度を用いる。これにより、ビーコン信号組の走査は、最初のうち、最大の走査頻度にて繰り返される。

0141

なお、上記第1時間間隔は、例えば、予め定められた値に固定されていてもよいが、以下に示すように可変にすることによって、サービスセルを選択する際における所要時間を増大させることなく、消費電力をさらに効果的に節減することができる。

0142

すなわち、発明の一実施形態に係る無線通信システムは、ビーコン信号に関する情報を含むビーコンデータ信号を用いる。そして、上記S68にて、サービスセルを選択した後に、さらに、以下に示す各工程が実行される。すなわち、図8に示すように、選択されたセルの近隣のセルが放送する各ビーコン信号について、その数量と信号強度とに関する情報をビーコンデータ信号から抽出して格納し、近隣情報録を作成する(S90)。そして、上記S60にて、サービスセルを選択しようとする際、上記S90にて作成した近隣情報録を読み出す(S92)。読み出した近隣情報録が、高い信号強度のビーコン信号を放送する近隣セルが多数存在していることを示している場合、上記S72にて使用される第1時間間隔を延ばす(S94)。これにより、記録された近隣のビーコン信号の数が多く、かつ信号強度が高い場合、移動局がビーコン信号組を走査する頻度は、より長い期間中、最大に保たれる。

0143

ところで、上記近隣情報録および第1時間間隔の増加量は、種々の形態が考えられる。例えば、上記近隣情報録は、上述のビーコンデータ信号から抽出されるビーコン信号の数量および強度に関する情報そのものであってもよい。この場合は、これらの情報から、高い信号強度を持つビーコン信号に関する情報を抽出することによって、第1時間間隔を増加するか否かを判定できる。また、上記近隣情報録は、ビーコン信号の数量および強度に関する情報から算出した値でもよい。例えば、算出方法は、所定の値よりも大きい信号強度を持つビーコン信号の数を数えてもよいし、各ビーコン信号の信号強度の大きさに応じた重みを付けて加算してもよい。いずれにしても、S94において、第1時間間隔を増加させるか否かを判定できるものであれば、本実施形態と同様の効果が得られる。

0144

また、第1時間間隔は、高い信号強度のビーコン信号を放送する近隣のセルの数が所定値を越えた場合、所定の量だけ増加させてもよいし、近隣のセルの数に応じて、第1時間間隔の増加量を変更してもよい。いずれにしても、S94において、高い信号強度のビーコン信号を持つ近隣セルの数に応じて、第1時間間隔を増加するものであれば、本実施形態と同様の効果が得られる。

0145

ところで、図8は、S92における近隣情報録の生成が、サービスセルを選択してから、再び、サービスセルを探索するまでの間に、少なくとも1度実行される場合を示している。これに対して、図9に示すサービスセル探索方法は、上記近隣情報録が、適宜選択し得る時間間隔で更新されると共に、近隣情報録の更新履歴が作成されることを特徴としている。

0146

すなわち、図7に示すS68にて、サービスセルが選択された後、図8に示すS90と同様に、近隣情報録が作成される(S100)。さらに、S100と、それに続くS102とは、ある時間間隔毎に繰り返し実行される。当該S102では、新たに作成された近隣情報録に基づいて、近隣情報録の更新履歴を作成する。

0147

なお、S100ないしS102を繰り返す際の時間間隔は、一定でもよいし、例えば、繰り返し回数などの状況に応じて、複数の値から選択してもよい。また、S102にて生成される更新履歴は、近隣情報録を順番に格納しても作成できるし、直前の近隣情報録との差を順次格納しても作成できる。当該更新履歴は、後述するS106にて第1時間間隔を変更する際、高い信号強度を持つ近隣セルの多さが、時間の経過に伴って、どのように推移していったかを判定できる形態であればよい。

0148

続いて、サービスセルを探索しようとする場合、移動局は上記更新履歴を吟味し(S104)、高い信号強度のビーコン信号を有する近隣セルの数が、首尾一貫して多いか否かを判定する(S105)。ここで、高い信号強度のビーコン信号を有する近隣セルの数が、首尾一貫して多い場合、上記第1時間間隔を長くする(S106)。

0149

このように、上記条件を満たす近隣のセルの数の推移に基づいて、第1時間間隔を調整することによって、例えば、通信可能なエリアから移動局が離れていく場合など、近隣のビーコン信号が継続的に減少する場合、移動局が最大の走査頻度にてビーコン信号を走査する期間(図2ないし図4に示す時刻T0 から時刻T1 までの期間)を短くすることもできる。

0150

ところで、図7ないし図9に示すサービスセルの探索方法では、走査頻度が減少する期間の開始時点を示す第1時間間隔が設定されている場合について説明している。これに対して、図10に示すサービスセルの探索方法は、走査頻度が減少する期間の終了時点を示す第2時間間隔と、走査頻度の最小値を示す第2走査頻度とを生成することを特徴としている。

0151

すなわち、当該探索方法では、図7に示すS72、S76に代えて、S78、S80を設けており、サービスセルの探索を繰り返す走査頻度を時間経過に伴って最小値に設定できるようになっている。また、これによって、S64におけるビーコン信号組の走査は、S64の前に行われる処理に応じて、実行される。

0152

具体的には、S78では、S66にて測定された探索時間間隔と、上記第2時間間隔とを比較する。探索時間間隔が第2時間間隔より小さい場合(S78にてYESの場合)、移動局は、走査頻度として上記S62にて算出された走査頻度算出値を使用する(S74)。一方、探索時間間隔の方が第2時間間隔より大きい場合(S78にて NO の場合)、移動局は、走査頻度として上記第2走査頻度を使用する(S80)。

0153

これにより、図2ないし図4に示す時刻T2 以降の期間のように、移動局は、バッテリ電力を節約するために、最終的に最小の走査頻度にて、ビーコン信号組の走査を繰り返す。この結果、走査頻度を徐々に減少させる場合であっても、走査頻度の最小値を保証することができる。したがって、例えば、移動局が無線通信システムのサービスエリア外に長時間配されていた場合であっても、最小の走査頻度にてサービスセルの探索を継続しているため、バッテリの浪費を最小限に抑制しつつ、サービスエリア内に復帰次第、サービスセルを選択することが容易になる。

0154

なお、上記第2時間間隔は、例えば、予め定められた値に固定されていてもよいが、以下に示すように、第2時間間隔を変更することによって、より効果的に消費電力を節減できる。

0155

例えば、本発明の一実施形態に係るサービスセル探索方法では、移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記S78にて使用される第2時間間隔を減少させる。これによって、バッテリ電力の残量が少なくなり次第、移動局は、走査頻度を第2走査頻度、つまり最小の走査頻度に切り換える。

0156

あるいは、移動局のバッテリ電力を測定し、バッテリ電力の減少に伴って、上記S80にて設定される第2走査頻度を算出して漸減させる方法でもよい。この方法によれば、移動局は、バッテリ電力の残量が少なくなった場合、最小の走査頻度をさらに小さくすることができる。

0157

この結果、例えば、バッテリ電力の残量が少なくなった場合など、消費電力の節減を最優先すべき場合に、移動局の電力消費を確実に抑制できる。なお、第2時間間隔あるいは第2走査頻度を、バッテリ電力の残量の減少に伴って徐々に変化させてもよいし、バッテリ電力の残量が所定の値を下回った場合に段階的に変化させてもよい。

0158

ところで、図7および図10では、第1時間間隔および第1走査頻度のみを設定する場合か、あるいは、第2時間間隔および第2走査頻度のみを設定する場合を示しているが、図11に示すサービスセル探索方法のように、第1時間間隔、第1走査頻度、第2時間間隔、および第2走査頻度の設定を組み合わせてもよい。なお、S72とS78とは、いずれを先に実行してもよいが、図11では、S72にて NO の場合にS78が続いて実行される場合を例示している。この方法によると、図2ないし図4に示すように、サービスセルを探索する際、移動局は、最初のうち、最大の走査頻度にて、ビーコン信号組を走査する。その後、走査頻度は、探索時間間隔の増加に伴って減少する。そして、最終的には、移動局は、最小の走査頻度にて走査が行われる。この結果、サービスセルを探索する際の所要時間をあまり増加させることなく、移動局の電力消費を効果的に削減できる。なお、上述したように、第1時間間隔、第1走査頻度、第2時間間隔、および第2走査頻度は、近隣情報録や、その更新履歴、あるいはバッテリ電力などに応じて調整できる。

0159

上述の図7ないし図11に示すS62において、走査頻度算出値を算出する方法は、種々の方法が考えられる。例えば、走査頻度算出値は、探索時間間隔に関する指数関数として算出してもよい。この場合、図4に示す時刻T1 から時刻T2 までの期間のように、走査頻度算出値は、探索時間間隔の増加に対して、非線形な比率で減少する。あるいはまた、走査頻度算出値は、探索時間間隔に関する線形関数として算出してもよい。この場合は、例えば、図2に示す時刻T1 から時刻T2 までの期間のように、走査頻度算出値は、探索時間間隔の増加に対して、一定の比率で減少する。探索時間間隔の増加に伴って、走査頻度算出値が減少するものであれば、種々の算出方法を適用できる。

0160

次の表1は、移動局がサービスセルを探索中に、そのバッテリ電力を節約する方法を実行するためのC言語記述されたソフトウェアプログラムである。なお、図1に示すシステムは、移動局が、マイクロプロセッサとマイクロプロセッサの動作を支援するハードウェアとを備えている場合に、表1のソフトウェアによって実現可能である。

0161

このソフトウェアプログラムは、探索時間間隔を示す引数elapsedTimeSinceLossOfCommと、第1時間間隔を示す値 FIRST_TIME_INTERVAL、および第2時間間隔を示す値SECOND_TIME_INTERVALとを比較して、ビーコン信号組を算出する際の走査頻度を設定するものであって、表1に示すように、ブロックB1〜B3に大別できる。なお、電子回路にて使用しやすいように、上記ソフトウェアプログラムは、走査頻度そのものではなく、走査頻度の逆数、すなわち、次回の走査までの時間間隔を示す値elapsedTimeSinceLossOfCommを返している。

0162

具体的には、上記ブロックB1では、探索時間間隔、すなわち、サービスセルとの通信が途絶してからの経過時間を示す引数elapsedTimeSinceLossOfCommと、上記 FIRST_TIME_INTERVALとが比較され、引数elapsedTimeSinceLossOfCommが上記 FIRST_TIME_INTERVALよりも小さいか否かが判定される。もし、引数elapsedTimeSinceLossOfCommの方が小さい場合は、探索時間間隔が第1時間間隔よりも小さい、つまり経過時間の初期であることを意味している。この場合、第1走査頻度を示す値 FIRST_SCAN_RATEの逆数が返り値 timeUntilNextSearchに代入される。これにより、走査頻度は、最大の値、すなわち、第1走査頻度に設定される。

0163

一方、引数elapsedTimeSinceLossOfCommの方が大きい場合は、ブロックB2の処理が行われる。当該ブロックB2では、引数elapsedTimeSinceLossOfCommが、第1時間間隔を示す値 FIRST_SCAN_RATEと、第2時間間隔を示す値SECOND_TIME_INTERVALとの間にあるか否かが判定される。もし、引数elapsedTimeSinceLossOfCommが FIRST_SCAN_RATEよりも大きく、かつ、SECOND_TIME_INTERVALよりも小さい場合、後述する関数fによって算出された値が、返り値 timeUntilNextSearchに代入される。これにより、探索時間間隔が第1および第2時間間隔の間にある場合、つまり経過時間の中期では、走査頻度として、走査頻度算出値が使用される。

0164

また、上記両ブロックB1・B2にて、否と判定された場合、ブロックB3の処理が行われる。当該ブロックB3では、探索時間間隔を示す引数elapsedTimeSinceLossOfCommが、SECOND_TIME_INTERVALより大きいか否かが判定される。もし、引数elapsedTimeSinceLossOfCommの方が大きい場合、第2走査頻度を示す値SECOND_SCAN_RATEの逆数が返り値 timeUntilNextSearchに代入される。これにより、ビーコン信号組を探索する際の走査頻度は、最小の値、すなわち、第2走査頻度に設定される。なお、上記第1から第3のブロックB1〜B3は、図11に示すS72からS80までの間の処理に相当している。また、各ブロックB1〜B3を実行することによって、図1に示す第1比較器32、第2比較器42およびMUX48と等価な機能が実現される。

0165

0166

続いて、次の表2に示すC言語で記述されたソフトウェアプログラムを参照し、走査頻度算出値を計算する上記関数fについて、さらに詳細に説明する。表2に示す関数fは、探索時間間隔に関する線形関数として、走査頻度算出値を計算する関数であり、探索時間間隔を示す引数elapsedTimeが与えられている。なお、当該関数fは、電子回路にて最も利用しやすいように、走査頻度算出値そのものではなく、走査頻度算出値の逆数を取って、次の走査までの時間間隔を示す値timeUntilNextSearchを返している。

0167

例えば、上記返り値 timeUntilNextSearchは、以下の式(1)で表される。

0168

TNS = [ (ET - FTI) * ( 1/SSR - 1/FSR ) ] / (STI - FTI)+ 1/FSR …(1)
式(1)において、各記号の意味は次のとおりである。

0169

TNS =timeUntilNextSearch (次の走査までの時間間隔)
ET =elapsedTime (探索時間間隔)
FTI =FirstTimeInterval (第1時間間隔)
STI =SecondTimeInterval(第2時間間隔)
FSR =FirstScanRate (第1走査頻度)
SSR =SecondScanRate(第2走査頻度)
なお、プログラム中では、上記各値 FTI、STI 、FSR および SSRをそれぞれ FIRST_TIME_INTERVAL、SECOND_TIME_INTERVAL、 FIRST_SCAN_RATEおよびSECOND_SCAN_RATEのように記述している。

0170

上式(1)において、探索時間間隔が第1時間間隔に等しい場合、(ET - FTI)は0となるので、返り値 timeUntilNextSearchは、第1走査頻度の逆数に等しくなり、各ビーコン信号組を走査する時間間隔は、最小の値になる。一方、探索時間間隔が第2時間間隔に等しい場合、ET =STI と置くと、式(1)が整理され、返り値 timeUntilNextSearchは、第2走査頻度の逆数に等しくなる。このため、走査時の時間間隔は最大の値となる。また、探索時間間隔が第1および第2時間間隔の間の場合、返り値 timeUntilNextSearchは、時間の経過に比例して線形に変化する。

0171

0172

続いて、上記関数fの他の例として、経過時間に対する指数関数として走査頻度算出値を計算する場合について、以下の表3に示すC言語で記述されたソフトウェアプログラムに基づき説明する。以下の関数fには、上記表2と同様に、探索時間間隔を示す引数elapsedTimeが与えられる。また、図1に示す走査頻度発生器10のように、クロックやカウンタあるいはタイマなど、計時を行う一般的なデジタル回路やアナログ回路とインタフェースをとるために、関数fは、走査頻度を、各走査の時間間隔に変換した値 timeUntilNextSearchを返している。

0173

ここで、単なる指数関数は、0に漸近して減衰するので、返り値 timeUntilNextSearchを算出する際には、以下の式(2)に示すように、指数関数曲線の一部のみが使用される。なお、下記の EXPONENTIAL_TRUNC_VALUE は、指数関数曲線のどの程度の部分を利用するかを特定する値である。指数関数曲線の利用部分は、第1時間間隔から第2時間間隔にわたる領域で、式(1)で示す比例値につながるように、下式(2)にあてはめられる。

0174

TNS = e [-ETV * (ET-FTI)/(STI-FTI)] × (1/SSR - 1/FSR)+1/FSR …(2)
式(2)において、各記号の意味は次のとおりである。

0175

TNS =timeUntilNextSearch (次の走査までの時間間隔)
ETV =EXPONENTIAL _TRUNC_VALUE
ET =elapsedTime (探索時間間隔)
FTI =FirstTimeInterval (第1時間間隔)
STI =SecondTimeInterval(第2時間間隔)
FSR =FirstScanRate (第1走査頻度)
SSR =SecondScanRate(第2走査頻度)
ここで、探索時間間隔を示す引数elapsedTimeが、第1時間間隔を示す値 FIRST_TIME_INTERVALに等しい場合、返り値 timeUntilNextSearchは、第1走査頻度を示す値 FIRST_SCAN_RATEの逆数に等しくなる。この結果、第1時間間隔の時点において、ビーコン信号組の走査は、最大の頻度、すなわち、最小の時間間隔で繰り返される。一方、引数 elapsedTimeがSECOND_TIME_INTERVALと等しい場合、返り値 timeUntilNextSearchは、第2走査頻度を示す値SECOND_SCAN_RATEの逆数となる。これにより、最小の頻度、すなわち、最大の時間間隔で走査が繰り返される。また、第1および第2時間間隔の間では、返り値 timeUntilNextSearchは、時間に対して指数的に変化する。

0176

0177

以上のように、本願発明を用いれば、移動局は、消費電力の節減と、サービスセルの迅速な捕捉との双方を満足することができる。最初のうちは、サービスセルの迅速な再捕捉を見込んで、ビーコン信号組の探索は、高い走査頻度で行われる。また、第1時間間隔と呼ばれる期間の後、走査頻度は、徐々に減少する。そして、最終的に、第2時間間隔と呼ばれる期間の後、移動局は、バッテリ電力を余り消費しない最小の走査頻度にてサービスセルを探索する。この結果、移動局は、迅速な捕捉と消費電力節減との双方を満たすように、サービスセルを探索できるようになる。

0178

さらに、本実施形態に係る方法およびシステムは、第1走査頻度、第2走査頻度、第1時間間隔および第2時間間隔を調整するようになっている。加えて、探索時間間隔と走査頻度算出値との関係は、種々の関数を使用できる。

0179

なお、本願発明に係るシステムおよび方法の各実施形態は、例えば、GSMやDCS−1800、およびPCS−1900などを含む種々のセルラー電話や無線通信システムに適用することができる。また、発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではない。本発明の精神と、特許請求の範囲に記載の範囲内で、いろいろと変更して実施できる。

図面の簡単な説明

0180

図1本発明の一実施形態を示すものであり、サービスセルの選択時における移動局のバッテリ電力を節約する探索装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2上記探索装置において、時間に対する走査頻度の時間的変化を示す説明図である。
図3上記探索装置において、走査頻度と時間との関係を示すグラフであり、探索時間間隔に対する一次関数として算出された走査頻度の変化を示すグラフである。
図4上記走査頻度の変化の一変形例を示すグラフであり、探索時間間隔に対する指数関数として算出された走査頻度の変化を示すグラフである。
図5上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約する処理の一例を示すフローチャートである。
図6上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約する処理の他の例を示すフローチャートである。
図7上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約する処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
図8上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約するために、最大の走査頻度に設定する期間の長さを変更する処理の一例を示すフローチャートである。
図9上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約するために、最大の走査頻度に設定する期間の長さを変更する処理の他の例を示すフローチャートである。
図10上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約する処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
図11上記探索装置において、サービスセル選択時における移動局のバッテリ電力を節約する処理のベストモードを示すフローチャートである。

--

0181

10走査頻度発生器(走査頻度発生手段)
12ビーコン信号受信機(ビーコン信号受信手段)
24カウンタ(経時手段)
32 第1比較器(第1の比較手段)
34 第1間隔発生器(第1間隔発生手段)
42 第2比較器(第2の比較手段)
44 第2間隔発生器(第2間隔発生手段)

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