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技術 膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置

出願人 株式会社ノリタケカンパニーリミテドノリタケ電子工業株式会社
発明者 大島博森洋行市原広信佐藤羊治阪本進
出願日 1996年8月26日 (23年8ヶ月経過) 出願番号 1996-223694
公開日 1998年3月10日 (22年1ヶ月経過) 公開番号 1998-067539
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの表面処理 トンネル炉(炉3)
主要キーワード 速度変更装置 マイタギア 駆動区分 往復移動ストローク 温度制御量 往復移動装置 膜形成素材 側部外側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1998年3月10日)のものです。
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図面 (14)

課題

基板内の均一な加熱により膜形成素材を含む基板歩留まりを高くできる焼成方法を提供する。

解決手段

膜形成素材を含む複数の基板は、熱処理冷却過程において、均熱工程において段階的に低くなる室毎の設定温度でそれぞれ所定時間均熱された後、搬出工程において加熱室から送り出されるが、気体供給工程においてその加熱室内に設定温度よりも低温冷却用空気が供給され、その後、搬入工程において続く基板が送り込まれる。このように、複数の加熱室内で均熱を繰り返しながら冷却過程が行われるが、基板が送り出された加熱室は、冷却用空気が供給されることによりヒータ出力が基板の均熱中よりも高められた状態で安定させられた後に次の基板が送り込まれることから、一定の温度制御状態下で基板の熱処理が開始されるため、温度制御が不安定になることが抑制されて、基板内の温度のばらつきが小さくされる。

概要

背景

ソーダライムガラスに代表されるガラス製基板アルミナに代表されるセラミックス基板の上に、金属或いは無機材料ガラスボンド成分溶融や、材料自体軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板が知られている。例えば、螢光表示管陽極基板プラズマディスプレイパネル用基板プラズマアドレス液晶表示装置プラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板厚膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッドイメージセンサ等の電子デバイス用基板がそれである。このような電子デバイス用基板には、一般に、基板自体のアニールのためやガラス素材結合剤として応用した機能材料膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度の熱処理が施され、セラミック基板においてはガラス素材を結合剤として応用した機能材料の膜形成、或いは金属材料自体の界面の溶融を応用した機能材料の膜形成のために例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施される。

概要

基板内の均一な加熱により膜形成素材を含む基板の歩留まりを高くできる焼成方法を提供する。

膜形成素材を含む複数の基板は、熱処理の冷却過程において、均熱工程において段階的に低くなる室毎の設定温度でそれぞれ所定時間均熱された後、搬出工程において加熱室から送り出されるが、気体供給工程においてその加熱室内に設定温度よりも低温冷却用空気が供給され、その後、搬入工程において続く基板が送り込まれる。このように、複数の加熱室内で均熱を繰り返しながら冷却過程が行われるが、基板が送り出された加熱室は、冷却用空気が供給されることによりヒータ出力が基板の均熱中よりも高められた状態で安定させられた後に次の基板が送り込まれることから、一定の温度制御状態下で基板の熱処理が開始されるため、温度制御が不安定になることが抑制されて、基板内の温度のばらつきが小さくされる。

目的

本発明は以上の事情背景として為されたものであり、その目的とするところは、基板内の均一な加熱により膜形成素材を含む基板の歩留まりを高くできる膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

膜形成素材を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程で該複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための焼成方法であって、該熱処理の冷却過程において、前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度と一致するように予め温度制御された複数の加熱室内の各々で前記複数の基板の各々を所定時間収容することにより、該複数の基板の各々を該室毎の設定温度で均熱させる均熱工程と、該複数の加熱室内の各々で熱処理された前記複数の基板の各々を該複数の加熱室の各々から該加熱室よりも低い設定温度の加熱室へ順次送り出す搬出工程と、前記複数の基板のうちの所定の基板が送り出された前記複数の加熱室のうちの所定の加熱室内に、該加熱室の設定温度よりも低い温度の気体を供給する気体供給工程と、該気体供給工程の後に、前記所定の加熱室内に前記複数の基板のうちの前記所定の基板に続く他の基板を送り込む搬入工程とを、含むことを特徴とする膜形成素材を含む基板の焼成方法。

請求項2

膜形成素材を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程で該複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための焼成装置であって、トンネル状の加熱領域内の長手方向の一部においてシャッタ装置により熱的に分割された状態で設けられ、加熱ヒータにより独立に温度を制御される複数の加熱室と、前記加熱ヒータを制御して前記複数の加熱室の各々の温度を、前記一方向に沿って段階的に低くなるように設定された室毎の設定温度と一致するように均一に制御する温度制御装置と、前記複数の基板を前記トンネル状の加熱領域内において一方向へ順次搬送する過程で、該複数の基板の各々を前記複数の加熱室内の各々に送り込んで該複数の加熱室内の各々で所定時間の熱処理を施し、該複数の加熱室内の各々での熱処理を終えた基板を該複数の加熱室内の各々から送り出す搬送装置と、前記複数の加熱室内の各々に設けられ、該加熱室の設定温度よりも低い温度の気体を供給するための給気装置と、前記複数の加熱室の各々において、前記搬送装置によって前記複数の基板の各々が送り出されて室内に該基板が位置しない状態で前記給気装置から前記気体を供給させる給気制御装置とを、含むことを特徴とする膜形成素材を含む基板の焼成装置。

請求項3

前記搬送装置は、前記トンネル状の加熱領域内において長手方向と軸心方向が垂直を成すように相互に平行に設けられて前記基板を支持し、該基板を前記一方向へ搬送するために該軸心回りにそれぞれ回転駆動される複数本ローラを、更に含むものである請求項2の膜形成素材を含む基板の焼成装置。

請求項4

前記給気装置は、前記複数の加熱室の各々において該加熱室の設定温度よりも低い気体を供給するために、前記基板の搬送方向上流側端部に設けられた給気管を含むものである請求項2の膜形成素材を含む基板の焼成装置。

技術分野

0001

本発明は、膜形成素材を含む基板熱処理を均一に施すための焼成方法および装置に関する。

背景技術

0002

ソーダライムガラスに代表されるガラス製基板アルミナに代表されるセラミックス基板の上に、金属或いは無機材料ガラスボンド成分溶融や、材料自体軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含む基板が知られている。例えば、螢光表示管陽極基板プラズマディスプレイパネル用基板プラズマアドレス液晶表示装置プラズマスイッチング基板、フィールドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用基板厚膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッドイメージセンサ等の電子デバイス用基板がそれである。このような電子デバイス用基板には、一般に、基板自体のアニールのためやガラス素材結合剤として応用した機能材料膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度の熱処理が施され、セラミック基板においてはガラス素材を結合剤として応用した機能材料の膜形成、或いは金属材料自体の界面の溶融を応用した機能材料の膜形成のために例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施される。

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、近年では、上記膜形成素材を含む基板は、その表面にパターニング形成される導体抵抗誘電体などの多層化および細密化が図られるとともに、特に、上記表示デバイス用基板では表示面積の大型化に伴って比較的大きな寸法のものを製造することが必要となっている。そのため、表示デバイス用基板では大きな寸法に亘って細密にパターン形成することが要求されるとともに、上記電子デバイス用基板では、機能を発生させる膜に与えられるパターン空間が細密化することによって品質の確保のために膜の均一性が一層要求される。しかしながら、上記基板の焼成によってもたらされる品質への影響は、上記のように大型となる程大きくなり、それらのばらつきが製品設計上の制約となったり、製品歩留まりを低下させる一因となっていた。例えば、抵抗層においては抵抗値のばらつき、誘電体層においては耐電圧のばらつきや残存率の不均一による厚み寸法のばらつき、導体層においては導通抵抗およびワイヤボンディング性スパッタリング性などのばらつきが大きくなるのである。

0004

また、熱処理に伴って基板素材そのものの膨張或いは収縮による寸法変動がある場合は、機能を有する膜のパターニング後に行われる焼成毎のパターン間の位置合わせが困難となる。これら層品質の均一性およびパターン間の位置合わせの一致性は、精細なパターンとなる程或いは基板が大型となる程困難となり、製品歩留まり加速度的に低下するという不都合があった。例えば40インチ以上の大型表示装置としてのプラズマディスプレイ用基板を例にとると、次のような歩留まり低下要因がある。例えば、多数のセルを形成する多層構造の各層の寸法精度が確保できない、障壁の高さおよび幅の寸法のばらつきが生じる、抵抗付セルにおいては抵抗値のばらつきを生じる、誘電体層においては耐電圧にばらつきを生じる、全体的な寸法ばらつきフロント板リヤ板とを組み合わせて放電セルを形成するときにズレを生じる、などである。

0005

本発明は以上の事情背景として為されたものであり、その目的とするところは、基板内の均一な加熱により膜形成素材を含む基板の歩留まりを高くできる膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置を提供することにある。

0006

本発明者は上記の課題を達成するために種々研究を重ねた結果、厚膜に含まれる金属、無機材料の溶融或いは焼結状態機能成分を固着させるために低下されるガラスボンド成分、或いは誘電体にあってはガラス成分そのものの軟化或いは溶融状態が基板内において局部的に相違することを見出した。本発明は上記の知見に基づいて為されたものである。

0007

上記の目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、膜形成素材を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程でそれら複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための焼成方法であって、その熱処理の冷却過程において、(a) 前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度と一致するように予め温度制御された複数の加熱室内の各々で前記複数の基板の各々を所定時間収容することにより、それら複数の基板の各々をその室毎の設定温度で均熱させる均熱工程と、(b) それら複数の加熱室内の各々で熱処理された前記複数の基板の各々をそれら複数の加熱室の各々からその加熱室よりも低い設定温度の加熱室へ順次送り出す搬出工程と、(c) 前記複数の基板のうちの所定の基板が送り出された前記複数の加熱室のうちの所定の加熱室内に、その加熱室の設定温度よりも低い温度の気体を供給する気体供給工程と、(d) その気体供給工程の後に、前記所定の加熱室内に前記複数の基板のうちの前記所定の基板に続く他の基板を送り込む搬入工程とを、含むことにある。

0008

このようにすれば、膜形成素材を含む複数の基板は、熱処理の冷却過程において、均熱工程において前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度でそれぞれ所定時間均熱された後、搬出工程において加熱室から低い設定温度の加熱室へ順次送り出されるが、気体供給工程においてそれら複数の基板のうちの所定の基板が送り出された所定の加熱室内にその設定温度よりも低い温度の気体が供給され、その後、搬入工程において上記所定の基板に続く他の基板がその所定の加熱室内に送り込まれる。このように、一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度にそれぞれ維持された加熱室内で均熱を繰り返しながら熱処理の冷却過程が行われることから、膜形成素材を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さくされる。このとき、基板が送り出された加熱室には、室内に基板が存在しない状態で設定温度よりも低温の気体が供給されるため、その加熱室に設けられている加熱源の出力(すなわち温度制御出力)が基板の均熱中よりも高められた状態で安定させられ、その後、次の基板が送り込まれる。これにより、各々の加熱室内では空室での温度制御状態下から複数の基板の各々の熱処理が開始されるため、加熱室毎の設定温度よりも高温の複数の基板を順次熱処理することによって温度制御が不安定になることが抑制されて、加熱室内に送り込まれた基板が放冷状態となる時間が十分に短くされることから、基板内の温度のばらつきが一層小さくされる。そのため、基板がガラス製である場合にあってその歪点以上の温度で熱処理される場合は、基板内の寸法の局部的変化すなわち形成パターンのゆがみが可及的に小さくされるので、次工程以降のパターンとの位置ずれが防止されて、精細なパターンや大型基板であっても製造歩留まり飛躍的に高められる。また、上記のように膜形成素材を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さくされることから、基板の表面に厚膜誘電体層隔壁状誘電体層、厚膜抵抗層電極層無機着色顔料層が設けられる場合にあっては、それら厚膜内のボンド成分として機能するガラスの溶融、軟化の程度が一様となって、また金属−金属酸化物系の溶融、焼結の程度が一様となって、それぞれ耐電圧品質、隔壁の高さおよび幅寸法、抵抗値、放電品質、光学的フィルター特性のばらつきなどが好適に小さくされ、大型基板であっても製造歩留まりが飛躍的に高められる。さらに、上記のように抵抗値のばらつきが小さくされる結果、工程の管理負荷や、トリミングなどの工程が削減され或いは負荷が軽減される。

0009

因みに、加熱室内に基板が送り込まれると、その基板が持ち込む熱によって加熱源の出力すなわち温度制御量が低下させられることから、当初は基板が放冷状態となる。そのため、基板が順次送り込まれることによってその熱が蓄積されると放冷状態となる時間が次第に長くなるが、基板の放冷状態においては基板内の各部位の熱放散性のばらつきに起因して温度ばらつきが大きくなり易い。したがって、基板を均熱処理するに際しては、そのような放冷状態が可及的に短くされること、すなわち温度制御出力が高く保たれることが望まれるのである。

0010

また、本発明によれば、熱処理を終えた基板が所定の加熱室から送り出された後に、その所定の加熱室内が空室での温度制御出力とされ、その後、前記他の基板が送り込まれることから、後に処理される基板に対する先に処理された基板による熱的な影響が抑制される。そのため、寸法や熱容量等の異なる基板が連続して処理される場合や、基板が断続的に搬送されて熱処理される場合にも、搬送条件を考慮することなく熱処理することが可能であることから、焼成装置の制御が容易となる。

0011

上記発明方法を好適に実施するための第2発明の要旨とするところは、膜形成素材を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程でそれら複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための焼成装置であって、(a)トンネル状の加熱領域内の長手方向の一部においてシャッタ装置により熱的に分割された状態で設けられ、加熱ヒータにより独立に温度を制御される複数の加熱室と、(b) 前記加熱ヒータを制御して前記複数の加熱室の各々の温度を、前記一方向に沿って段階的に低くなるように設定された室毎の設定温度と一致するように均一に制御する温度制御装置と、(c) 前記複数の基板を前記トンネル状の加熱領域内において一方向へ順次搬送する過程で、それら複数の基板の各々を前記複数の加熱室内の各々に送り込んでそれら複数の加熱室内の各々で所定時間の熱処理を施し、それら複数の加熱室内の各々での熱処理を終えた基板をそれら複数の加熱室内の各々から送り出す搬送装置と、(d) 前記複数の加熱室内の各々に設けられ、その加熱室の設定温度よりも低い温度の気体を供給するための給気装置と、(e) 前記複数の加熱室の各々において、前記搬送装置によって前記複数の基板の各々が送り出されて室内にその基板が位置しない状態で前記給気装置から前記気体を供給させる給気制御装置とを、含むことにある。

0012

このようにすれば、膜形成素材を含む基板は、熱処理の冷却過程において、搬送装置により一方向に沿って搬送される過程で複数の加熱室に順次送り込まれ、それら複数の加熱室において前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度で所定時間均熱されるが、基板が送り出されて加熱室が空室となった状態で、給気装置によりその加熱室の設定温度よりも低い温度の気体が供給される。このように、一方向に搬送される過程で段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度にそれぞれ維持された複数の加熱室内において順次均熱を繰り返しながら熱処理の冷却過程が行われることから、膜形成素材を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さくされる。このとき、基板が送り出されて空室となった加熱室内に給気装置によって設定温度よりも低温の気体が供給されることにより、その加熱室に設けられている加熱ヒータの出力が基板の均熱中よりも高められた状態で安定させられることから、各加熱室内に送り込まれる基板は空室での温度制御状態下で熱処理が開始されるため、加熱室毎の設定温度よりも高温の複数の基板を順次熱処理することによって温度制御が不安定になることが抑制されて、加熱室内に送り込まれた基板が放冷状態となる時間が十分に短くされ、基板内の温度のばらつきが一層小さくされる。そのため、基板がガラス製である場合にあってその歪点以上の温度で熱処理される場合は、基板内の寸法の局部的変化すなわち形成パターンのゆがみが可及的に小さくされるので、次工程以降のパターンとの位置ずれが防止されて、精細なパターンや大型基板であっても製造歩留まりが飛躍的に高められる。また、上記のように膜形成素材を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さくされることから、基板の表面に厚膜誘電体層、隔壁状誘電体層、厚膜抵抗層、電極層、無機着色顔料層が設けられる場合にあっては、それら厚膜内のボンド成分として機能するガラスの溶融、軟化の程度が一様となって、また金属−金属酸化物系の溶融、焼結の程度が一様となって、それぞれ耐電圧品質、隔壁の高さおよび幅寸法、抵抗値、放電品質、光学的フィルター特性のばらつきなどが好適に小さくされ、大型基板であっても製造歩留まりが飛躍的に高められる。さらに、上記のように抵抗値のばらつきが小さくされる結果、工程の管理負荷や、トリミングなどの工程が削減され或いは負荷が軽減される。

0013

また、膜形成素材を含む基板が一方向に間歇的に搬送される過程で、複数の加熱室において順次熱処理が施されることから、膜形成素材を含む基板が連続的に搬送されることにより連続的なヒートカーブが形成される従来の焼成装置によって膜形成素材を含む基板内の温度差を極めて小さくしようとする場合に比較して、全長が短縮されて装置が小型となる。

0014

ここで、好適には、前記第1発明の焼成方法において、前記気体供給工程は、前記所定の加熱室内に設定温度よりも低い温度の前記気体を供給することによりその所定の加熱室内の温度をその設定温度よりも低下させるものである。このようにすれば、搬出工程において基板が加熱室から送り出された後に、気体供給工程においてその加熱室内の温度が室毎の設定温度よりも低下させられ、その後、設定温度と一致するように温度制御される。そのため、基板が送り出された加熱室は、室内に基板が存在しない状態で一旦温度が低下させられてから昇温させられ、再び設定温度に制御された後に次の基板が送り込まれることから、各々の加熱室内では一定の温度制御状態下で複数の基板の各々の熱処理が開始されるため、基板内の温度のばらつきが一層小さくされる。

0015

また、前記第1発明の焼成方法において、前記搬入工程は、前記気体供給工程において前記所定の加熱室内の温度制御量が高められた後、速やかに前記他の基板をその所定の加熱室内に送り込むものである。このようにすれば、気体供給工程を実施するために加熱室内が空室とされる時間が可及的に短くなるため、基板の処理効率が一層高められる。

0016

また、好適には、前記第2発明の焼成装置において、前記搬送装置は、前記トンネル状の加熱領域内において長手方向と軸心方向が垂直を成すように相互に平行に設けられて前記基板を支持し、その基板を前記一方向へ搬送するためにその軸心回りにそれぞれ回転駆動される複数本ローラを、更に含むものである。このようにすれば、膜形成素材を含む基板は、軸心回りに回転駆動される複数本のローラによって支持され且つ前記一方向へ搬送されるが、このようにローラで搬送する場合には搬送装置を加熱室毎に制御して送り出しおよび送り込みを独立に行うことが容易であるため、送り出しおよび送り込みを全加熱室で同時に行う場合に比較して加熱室内で基板の熱処理が行われていない時間を可及的に短くできて、基板の処理効率が高められる。しかも、メッシュベルト等によって搬送する場合に比較して、塵埃発生原因となるベルト摺動がないことから加熱領域内の清浄度が高められて、基板を均一に熱処理する過程において形成される膜の機能が発生した塵埃によって損なわれることが抑制される。なお、全加熱室で送り出しおよび送り込みを同時に行う場合に、基板が送り出された加熱室を一旦空室とするためには、一室置きに基板を搬送しなければならず、高い処理効率が得られないのである。

0017

また、前記第2発明の焼成装置において、前記給気装置は、前記複数の加熱室の各々において前記設定温度よりも低い温度の気体を供給するために、前記基板の搬送方向上流側端部に設けられた給気管を含むものである。このようにすれば、低温の気体が高温側である搬送方向上流側端部から低温側である搬送方向下流側に向かって流されることから、加熱室内での温度勾配の発生が一層抑制されて、基板内の温度のばらつきが一層抑制される。

0018

また、前記第2発明の焼成装置の搬送装置が基板を支持して搬送するための複数本のローラを含む場合において、それら複数本のローラはセラミックスから成るものである。このようにすれば、基板と接触させられるローラがセラミックスから構成されることから、加熱領域内でローラが加熱されることによって変質させられ或いは錆びさせられて塵埃等を発生させることが抑制されるため、加熱領域内の清浄度が一層高められる。

0019

また、好適には、前記基板がガラス素材を含むものである場合には、そのガラス素材の転移点或いは歪点を基板内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、また、基板に含まれる膜形成材料が金属或いは無機材料の溶融、焼結により固着される場合には、その膜形成材料の溶融点或いは焼結点を基板内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、前記室毎の設定温度は、上記基板に含まれるガラス素材の転移点或いは歪点の近傍の値に設定され、或いは上記基板上の膜形成材料に含まれる金属或いは無機材料の溶融点或いは焼結点の近傍の値に設定される。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

0021

図1図2図3は、本発明の一実施例の基板62を一方向へ順次搬送する過程で焼成を施す形式連続型焼成装置116の構成を示しており、図1は正面図、図2炉体幅方向中央を通り長手方向に沿った断面図、図3(a) 〜(e) はそれぞれ図2におけるa−a乃至e−e視断面をそれぞれ示す図である。図において、独立に駆動される第1搬送装置118、複数の第2搬送装置120a、120b、〜120f(以下、特に区別しないときは単に第2搬送装置120という)、第3搬送装置122が直列に配置されており、基板62は、それら第1搬送装置118、第2搬送装置120、第3搬送装置122によって一方向に搬送されることにより、トンネル状の炉体124a、124b(以下、特に区別しないときは単に炉体124という)内を通過させられるようになっている。

0022

上記トンネル状の炉体124は、例えば内壁がβ−スポジュメン系結晶化ガラス等の耐熱ガラスから構成されたものである。炉体124a内には、基板62を最高処理温度まで加熱すると共にその過程で基板62上に印刷形成された膜に含まれているバインダ樹脂)を燃焼除去するための予熱ゾーン予熱部)126と、基板62をその最高処理温度で所定時間保持するための加熱ゾーン(加熱部)128と、基板62を徐々に冷却するための徐冷ゾーン徐冷部)130とが設けられており、炉体124b内には、基板62を常温付近まで冷却するための冷却ゾーン(冷却部)132が設けられている。

0023

前記第1搬送装置118は、上記予熱ゾーン126および加熱ゾーン128に対応する位置に設けられている。この第1搬送装置118は、炉体124aの下方に設けられて連続的に駆動される減速機付モータ134の回転を、チェーン136、および一軸線上に設けられた複数本のラインシャフト138a、138b、〜138e(以下、特に区別しないときは単にラインシャフト138という)を介して、炉体124aの長手方向に沿って所定間隔をもって設けられたマイタギア140a、140b、〜140f(以下、特に区別しないときは単にマイタギア140という)に伝達し、そのマイタギア140によってそれぞれ分担される駆動区分127a、127b、127c、127d(以下、特に区別しないときは単に駆動区分127という)、駆動区分129a、129b(以下、特に区別しないときは単に駆動区分129という)毎に図2に示されるように炉体124a内に設けられているローラ166を回転させることにより、そのローラ166上に乗せられた基板62を例えば300(mm/min) 程度の所定の第1の搬送速度で連続的に搬送するものである。

0024

図4は、第1搬送装置118および第2搬送装置120の要部を中間を省略した状態で上下に配して拡大して示す図であり、図1に示される駆動区分127a、129b、131bにそれぞれ対応する部分が上段中段下段にそれぞれ示されている。駆動区分127aに対応する第1搬送装置118のマイタギア140aには、軸心方向が炉体124の長手方向に沿って設けられている原動軸142aと、軸心方向が炉体124の長手方向に垂直(紙面に垂直)な従動軸144aとが備えられている。モータ134の回転がチェーン136によってマイタギア140aに伝達されて原動軸142aが矢印の方向に回転させられると、その原動軸142aにカップリング146を介して接続されているラインシャフト138aが原動軸142aと同方向に回転させられると共に、従動軸144aが例えば図の矢印の方向に回転させられる。

0025

一方、図4に中段に示されている駆動区分129bに対応するマイタギア140f、すなわち第1搬送装置118の右端部に設けられているマイタギア140fは、原動軸142fの一端がワンウェイカップリング148を介してラインシャフト138eに接続されている。また、その原動軸142fの他端部側には減速機付モータ150が備えられており、その他端部にワンウェイカップリング152を介して接続されている。これらのワンウェイカップリング148、152は、それぞれラインシャフト138eおよびモータ150の図の矢印方向の回転のみをマイタギア140fに伝達するものであり、モータ150は、後述の第2搬送装置120に同期してラインシャフト138よりも速い回転速度で間歇的に駆動される。そのため、モータ150の停止中はラインシャフト138eの回転がワンウェイカップリング148を介して原動軸142fに伝達され、ワンウェイカップリング152は滑らされる一方、モータ150の駆動中はワンウェイカップリング152を介してその回転が原動軸142fに伝達され、ワンウェイカップリング148が滑らされることとなる。したがって、モータ150の駆動中は、駆動区分129b内のローラ166上の基板62が前記の第1の搬送速度(例えば300[mm/min] 程度)よりも速い例えば5000(mm/min)程度の第2の搬送速度で搬送される。なお、省略されている駆動区分127b、127c、〜129aは、ラインシャフト138a、138b、〜138eがカップリング146と同様な図示しないカップリングを介してマイタギア140b、140c、〜140eの原動軸142に接続されており、その原動軸142の回転に伴ってそれぞれに備えられている従動軸144が回転させられる。

0026

また、複数のマイタギア140の下方には、軸心方向が炉体124の長手方向に垂直且つ水平方向となるように互いに平行にその長手方向に沿って配列された複数本の回転軸154がそれぞれ備えられている。このため、第1搬送装置118には、その全長に亘って、炉体124の長手方向に沿って多数の回転軸154が備えられている。この回転軸154は、従動軸144の回転を例えばチェーン(或いはタイミングベルト)156によって伝達されることによって、それぞれ図に矢印で示される方向に回転させられる。このため、モータ134が駆動させられると、炉体124の長手方向に沿って配列された多数の第1搬送装置118の回転軸154が同様な回転速度、回転方向で同時に回転させられることとなるが、モータ150が駆動させられると、マイタギア140fにはその回転が伝達されてワンウェイカップリング148によってラインシャフト138eの接続が実質的に絶たれ、マイタギア140fの下方に備えられている回転軸154、すなわち加熱ゾーン128のうちの徐冷ゾーン130に隣接する駆動区分129bに属する回転軸154が、第1搬送装置118内の他の駆動区分127、129aに属する回転軸154よりも速い徐冷ゾーン130と同様な速度で回転させられることとなる。したがって、本実施例においては、マイタギア140fで駆動される駆動区分129bが基板62の搬送速度を変化させられる隣接領域に相当し、モータ150、ワンウェイカップリング148、152によって速度変更装置が構成されている。

0027

また、複数の第2搬送装置120は、図4の下段に駆動区分131bについて示されるように、それぞれ独立して間歇的に駆動される減速機付モータ158a、158b、〜158f(以下、特に区別しないときは単にモータ158という)を備えたものであり、そのモータ158の下方には第1搬送装置118と同様に、炉体124の長手方向と垂直且つ水平方向に設けられた複数本の回転軸154が備えられている。この回転軸154はモータ158の出力軸160の回転をチェーン156によって伝達されることにより同方向に回転させられるものである。すなわち、複数の第2搬送装置120は、第1搬送装置118においてモータ134の回転を伝達されるマイタギア140に代えて独立して駆動されるモータ158をそれぞれ備えたものである。モータ158は、出力軸160が図に矢印で示される正転方向に正転駆動されるだけではなく、交互に正転方向および逆転方向に回転駆動する反転駆動可能とされているが、正転駆動時には回転軸154に接続されたローラ166が前記の第2の搬送速度(例えば5000[mm/min]程度)が得られるように回転させられる一方、反転駆動時にはそれよりも遅い例えば1300(mm/min)程度の第3の搬送速度で基板62が搬送方向およびその反対方向に往復移動させられるようにローラ166が正転方向および逆転方向に回転させられる。

0028

また、第3搬送装置122は、図1から明らかなように、第1搬送装置118においてマイタギア140の個数を減じ、炉体124の長手方向の前後が反転された構成とされている。すなわち、駆動区分129bと同様な構成の駆動区分133a、駆動区分127b等と同様な構成の駆動区分133b、および駆動区分127aと同様な構成の駆動区分133cから構成されている。そのため、炉体124bの下方に備えられた減速機付モータ162の回転がチェーン163、ラインシャフト138g、および138fを介してマイタギア140i、140h、および140gに伝達され、それぞれの駆動区分133に備えられている回転軸154が回転させられる。また、徐冷ゾーン130に隣接する駆動区分133aでは、駆動区分129bと同様に、減速機付モータ164の回転がワンウェイカップリングを介して伝達されることにより、それに属する回転軸154が間歇的に他の回転軸154よりも速い速度すなわち第2搬送装置120に同期した速度で駆動される。したがって、冷却ゾーン132のうち、マイタギア140gで駆動される駆動区分133aも基板62の搬送速度を変化させられる隣接領域に相当する。

0029

図2に戻って、炉体124内には、複数本の例えばアルミナ製のローラ166が、図3(a) 〜(e) に図2におけるa−a乃至e−e視断面を示すように、両端部が炉体124側面から突き出すように設けられている。炉体124の側部外側には一対の軸受け167、167(図3(a) のみに図示)が設けられており、これに前記回転軸154がローラ166と同軸的にそれぞれ支持されている。ローラ166は、それぞれこれら一対の回転軸154に両側から挟まれた状態で設けられており、前記モータ134の回転がチェーン154を介して伝達されるその回転軸154の回転に伴って回転させられる。なお、図3(a) は、図2におけるa−a視断面に対応する図であるが、a2 −a2 視断面も同様な断面形状である。前記基板62は、炉体124内においてこのローラ166に支持されている。そのため、ローラ166が回転させられるとその回転に伴って一方向に搬送されることとなる。このとき、第1搬送装置118および第3搬送装置122が設けられている予熱ゾーン126、加熱ゾーン128、冷却ゾーン132においてはローラ166が連続的に回転させられて基板62が連続的に搬送される一方、第2搬送装置120が設けられている徐冷ゾーン130においてはローラ166が間歇的に回転させられて基板62が間歇的に搬送されることとなる。すなわち、本実施例においては、第1搬送装置118および第3搬送装置122が連続搬送装置に相当し、第2搬送装置120が間歇搬送装置に相当する。

0030

また、図1図2図3から明らかなように、前記の予熱ゾーン126には、予熱ゾーン126内の温度を検出するための複数の温度検出器TCが、前記の駆動区分127毎に長手方向中央の幅方向の3位置において上下に設けられると共に、炉体124の上側および下側に複数のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立して制御されるヒータHが、それぞれの駆動区分127毎に炉体124の長手方向および幅方向にそれぞれ4ゾーンずつ設けられている。すなわち、図1乃至図3においては一部が省略されているが、図5(a) に駆動区分127aについて模式的に示すように、各駆動区分127毎に基板62の送り方向Aおよびそれに直交する図示しないローラ166の長手方向にそれぞれ4分割された合計16組のヒータH1111、H1112、H1113、H1114、H1121、H1122、H1123、H1124、H1131、H1132、H1133、H1134、H1141、H1142、H1143、H1144(駆動区分127b、127c、127dにはそれぞれH1211〜H1244、H1311〜H1344、H1411〜H1444が備えられる)が炉体124の上下において各一対として配設され、ヒータH1121とH1131の間の位置、ヒータH1122、H1123、H1132、およびH1133の間の位置、ヒータH1124とH1134の間の位置にそれぞれ温度検出器TC111 、TC112 、TC113 (駆動区分127b、127c、127dにはそれぞれTC121 〜TC123 、TC131 〜TC133 、TC141 〜TC143 )が配設されている。図2に駆動区分127aの上側に一部について例示するように、各々の温度検出器TCおよびヒータHは制御装置168に接続されており、温度検出器TCで検出された温度信号に従ってヒータHの出力が制御される。

0031

また、予熱ゾーン126には、炉体124の入口側の駆動区分127aの入口上部に給気管170が設けられると共に、続く駆動区分127b、127c、127dの基板62の搬送方向前方側に排気管172が設けられている。これら給気管170および排気管172は、例えばローラ166と同様なアルミナセラミックスから構成されて何れも炉体124の幅方向に貫通するように設けられている。給気管170は、その両端部において炉体124側面に備えられている給気用配管174に接続されており、図示しない空気供給源から導かれた空気を炉体124内に供給する。また、排気管172は、その両端部において炉体124側面に備えられている排気用配管176に接続されており、炉体124内に供給された空気はその内部を流れる過程で複数の排気管172から吸い込まれ、排出口178から排出される。これら給気管170および排気管172は、それぞれ図6(a) 、(b) に示されるように丸穴状のノズル171或いは長穴状のノズル181を複数箇所に備えたものである。

0032

また、前記加熱ゾーン128には、加熱ゾーン128内の温度を検出するための複数の温度検出器TCが、駆動区分129毎に炉体124の長手方向および幅方向のそれぞれ3位置において上下に設けられると共に、炉体124の上側、下側および両側面上部に複数のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立して制御されるヒータHが、それぞれの駆動区分129毎に炉体124の長手方向に4ゾーン、幅方向に両側面上部の各1ゾーンを含む6ゾーンずつ設けられている。すなわち、図5(b) に示されるように、各駆動区分129毎に基板62の送り方向Aおよびそれに直交する図示しないローラ166の長手方向にそれぞれ4分割された合計16組のヒータH2111、H2112、H2113、H2114、H2121、H2122、H2123、H2124、H2131、H2132、H2133、H2134、H2141、H2142、H2143、H2144が炉体124の上下において各一対として配設されると共に、炉体124の幅方向両側の上部側面において送り方向Aにそれぞれ4分割された(4組の)ヒータH2115、H2125、H2135、H2145、H2116、H2126、H2136、H2146(駆動区分129bにはH2211〜H2246)が両側面で一対として配設されている。また、ヒータH2111内、H2112とH2113との間、H2114内、H2121とH2131との間、H2122、H2123、H2132、H2133の間、H2124とH2134との間、H2141内、H2142とH2143との間、H2144内の位置にそれぞれ9組の温度検出器TC2111、TC2112、TC2113、TC2121、TC2122、TC2123、TC2131、TC2132、TC2133(駆動区分129bにはTC2211〜TC2233)が上下に配設されている。

0033

また、前記の徐冷ゾーン130には、炉体124の長手方向に沿って等間隔で複数のシャッタ装置S1 、S2 、〜S7 (以下、特に区別しないときは単にシャッタ装置Sという)が設けられており、徐冷ゾーン130が駆動区分131に対応する複数例えば6つの第1加熱室R1 、第2加熱室R2 、〜第6加熱室R6 (以下、特に区別しないときは単に加熱室Rという)に分割されている。

0034

上記のシャッタ装置Sは、図2断面構造を、図3(d) にシャッタ装置S2 を通る断面(図2におけるd−d視断面)をそれぞれ示すように、例えば炉体124内壁と同様な材質耐熱ガラス製板等から成る仕切り板190、シャッタガイド192、192、およびローラ166の間の位置で上下動させられる可動分割壁に相当するシャッタ194と、炉体124の下方に位置してそのシャッタ194を上下動させるための3つのスモールジャッキ196、およびスモールジャッキ196を駆動するモータ198a、198b、〜198gとを備えたものである。上記の仕切り板190は、図2に示されるように2枚の耐熱ガラス製板がシャッタ194の厚さに相当する小さな間隔をもって炉体124の上部に固定されている。また、シャッタガイド192は、炉体124の側面側に仕切り板190の下方に続いて設けられており、図示はしないが仕切り板190と同様にシャッタ194の厚さに相当する小さな間隔をもって配置された2枚の耐熱ガラス製板から構成されている。このため、仕切り板190とシャッタガイド192、192とによって、炉体124の側面から上面に至るシャッタ194の厚さに相当するシャッタ案内溝が形成されている。モータ198a、198b、〜198g(以下、特に区別しないときは単にモータ198という)は制御装置168によって相互に独立して駆動制御されるものである。シャッタ194は、モータ198が駆動させられることによりシャッタガイド192に形成された案内溝内を案内されて上下させられ、その最上部位置において、図2においてシャッタ装置S1について示されるように仕切り板190に形成される溝内に上端が嵌め込まれる。このため、各加熱室Rは、その前後に設けられているシャッタ装置Sが閉じられている間は隣接する加熱室Rと完全に分離させられる。炉体124内で基板62を搬送するための複数のローラ166は相互の間に隙間が設けられた状態で備えられていることから、その隙間を通ってシャッタ194が上下させられることにより、加熱室Rを完全に分離し得るのである。なお、上記のスモールジャッキ196は、カップリングを介して駆動シャフト200によって相互に連結されており、モータ198によって同期的に駆動される。

0035

また、徐冷ゾーン130の各駆動区分131には、それぞれ制御装置168に制御されて各加熱室Rの温度を検出するための複数の温度検出器TCおよび各加熱室Rを加熱するための複数のヒータHが、前記図5(b) に示される前記加熱ゾーン128と同様な配設パターン(駆動区分131aにはTC3111〜TC3133およびH3111〜H3146、駆動区分131bにはTC3211〜TC3233およびH3211〜H3246、駆動区分131cにはTC3311〜TC3333およびH3311〜H3346、駆動区分131dにはTC3411〜TC3433およびH3411〜H3446、駆動区分131eにはTC3511〜TC3533およびH3511〜H3546、駆動区分131fにはTC3611〜TC3633およびH3611〜H3646)で設けられている。また、各加熱室R内には、基板62の搬送方向後方側(上流側)に上部および下部から冷却用空気を供給するための給気管180、180が備えられると共に、その冷却用空気を搬送方向前方側(下流側)の上部から排出するための排気管182とが設けられている。これら給気管180および排気管182は、それぞれ予熱ゾーン126に設けられている給気管170、排気管172と同様なものであり、丸穴状のノズル171或いは長穴状のノズル181が設けられたアルミナセラミックス製のチューブから構成されている。また、給気管180および排気管182は、炉体124の外部に設けられた給気用配管184および排気用配管186にそれぞれ接続されており、給気管180に図示しない空気供給源から個々の加熱室Rの給気用配管184毎に設けられた送気管185a、185b、〜185f(送気管185aのみ図示。以下、特に区別しないときは単に送気管185という)を介して冷却用空気が導かれると共に、排気管182から吸い込まれた各加熱室R内の空気が排出口188から排出される。個々の送気管185には電磁弁208a、208b、〜208f(電磁弁208aのみ図示。以下、特に区別しないときは単に電磁弁208という)が設けられており、制御装置168によって加熱室R内への給気が開始および停止させられると共に給気量が調節される。したがって、本実施例においては、給気管180、給気用配管184、送気管185、電磁弁208によって給気装置が構成されている。なお、図においては、加熱室Rの上下にそれぞれ設けられた給気管184、184が共通の送気管185に接続されているが、それぞれ電磁弁208を備えた別々の送気管185に接続されて独立に制御されてもよい。

0036

また、前記の冷却ゾーン132には、冷却ゾーン132内の温度を検出するための温度検出器TC41、TC42、T43が、駆動区分133毎に炉体124長手方向中央の幅方向中央位置において上側に設けられると共に、炉体124の上側および下側にその幅寸法に略等しい長さを有する複数の冷却ジャケットCが、それぞれの駆動区分133毎に炉体124の長手方向に3列ずつ設けられている。冷却ジャケットCは、その内部に図1に示される冷却水配管202から枝管204を介して供給される冷却水流通させられるものである。上下に配されたそれぞれ3つの冷却ジャケットCは相互に連結されており、それら3つの冷却ジャケットC内を順次流通させられた冷却水は、図1に示される反対側の側面に設けられた図示しない排水管から排出される。冷却ジャケットCに供給される冷却水の流量は駆動区分133毎に枝管204に設けられている電磁弁206a、206b、206cによって調節される。この冷却ゾーン132に設けられている温度検出器TCおよび電磁弁206も前記の制御装置168に接続されており、温度検出器TCによって検出された温度信号に基づいて冷却ジャケットCに流通される冷却水量が制御される。

0037

図7は前記制御装置168の構成を示す図である。予熱ゾーン126、加熱ゾーン128、徐冷ゾーン130、および冷却ゾーン132の駆動区分127、129、131、133(或いは加熱室R)毎に所定数ずつ設けられた炉体124内の温度を検出するための温度検出器TC111 、TC112 、〜TC43により検出された温度を示す各信号は、マルチプレクサ68によって所定の周期時分割され、且つA/D変換器70においてデジタル信号に変換された後、演算制御回路72へ入力される。この演算制御回路72は、例えばマイクロコンピュータにより構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、出力インターフェース74を介して、モータ駆動回路MD1 へ第1搬送装置118を連続駆動させるための信号を、モータ駆動回路MD2 へ第1搬送装置118の駆動区分127bを第2搬送装置120の駆動速度に同期して駆動させるための信号をそれぞれ供給し、また、各ヒータ駆動回路D1111、D1112、〜D3646へ、ヒータH1111、H1112、〜H3646を駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回路MD31、MD32、〜MD36へ第2搬送装置120a、120b、〜120fを間歇駆動するための信号を供給し、また、モータ駆動回路MDS1、MDS2、〜MDS7へシャッタ駆動モータ198a、198b、〜198gを駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回路MD41へ第3搬送装置122を連続駆動させるための信号を、モータ駆動回路MD42へ第3搬送装置122の駆動区分133aを第2搬送装置120の駆動速度に同期して駆動させるための信号をそれぞれ供給し、更に、電磁弁駆動回路SD1 、SD2 、SD3 、SDa1、SDa2、〜SDa6へ電磁弁206a、206b、206c、208a、208b、〜208fを駆動させるための信号を供給する。

0038

なお、上記の各ヒータH1111、H1112、〜H2246は、予熱ゾーン126および加熱ゾーン128内で炉体124の温度が幅方向において均等且つ長手方向(基板62の搬送方向)で所定の温度勾配が形成されるように、また、ヒータH3111、H3112、〜H3646は、徐冷ゾーン130の各加熱室R内の温度がそれぞれ予め設定された温度で均等となるように、それぞれ予め設定された各部位の目標温度比或いは相互の出力比に従って制御されるようになっている。例えば、炉体124の幅方向中央に位置するヒータH1112、H1113、H1122、H1123、〜H3642に比較して、幅方向端部に位置するヒータH1111、H1114、H1121、H1124、〜H3644の出力が高められる。また、炉体124の長手方向において低温側(予熱ゾーン126および加熱ゾーン128の駆動区分129aにおいては基板62の搬送方向後方側、加熱ゾーン128の駆動区分129bおよび徐冷ゾーン130においては搬送方向前方側)に位置するヒータH1111、H1112、H1113、H1114、H1211、H1212、H1213、H1214、〜H2116、およびH2241、H2242、H2243、H2244、H2245、H2246、H3141、H3142、H3143、H3144、H3145、H3146、〜H3646は、各ゾーン126、128、130の高温側(上記と反対側位置)に位置するヒータH1141、H1142、H1143、H1144、H1241、H1242、H1243、H1244、〜H2146、およびH2211、H2212、H2213、H2214、H2215、H2216、H3111、H3112、H3113、H3114、H3115、H3116、〜H3616に比較して出力が高められる。

0039

図8および図9は、連続型焼成装置116を用いて膜形成素材を含む基板62を焼成する場合において、各基板62毎の位置および図8において時刻t0 に搬入された基板62の昇降カーブをそれぞれ示すタイミングチャートである。なお、図8において一点鎖線は各駆動区分127等の境界を示し、図に示されるように徐冷ゾーン130においては各加熱室Rの境界に等しい。すなわち、縦軸は炉体124内の長手方向(基板62の搬送方向)の位置を示している。また、右上がりに描かれた複数本の実曲線はそれぞれ各基板62の動きに対応し、その傾きの大きさが搬送速度の速さを表す。以下、これらのタイミングチャートを参照して基板62の焼成方法を説明する。

0040

まず、時刻t0 において、未焼成の基板62が図1に示される搬入方向に従って予熱ゾーン126の駆動区分127側から搬入される。このとき、徐冷ゾーン130に設けられたシャッタ装置Sは全て閉じられて、各加熱室Rが相互に分離されており、基板62が搬送過程において図9に示される温度カーブで昇降温させられるように、炉体124の各ゾーン126、128、130に設けられたヒータHがフィードバック制御で駆動されて炉体124内が加熱されると共に、冷却ゾーン132に設けられた電磁弁206が駆動されて冷却ジャケットCに冷却水が流されることにより、それぞれのゾーンの各部位が予め設定された目標温度に保持されている。また、モータ134およびモータ162が駆動されて第1搬送装置118および第3搬送装置122内のローラ166が図2における右回り方向に回転させられている。このため、搬入された基板62は、所定の第1の搬送速度で加熱ゾーン128に向かって搬送される。

0041

次いで、時刻t0 から例えば300 秒程度の所定時間経過した時刻t1 においては、次の基板62が予熱ゾーン126に搬入され、更に300 秒程度の所定時間経過した時刻t2 においては、更に次の基板62が予熱ゾーン126に搬入される。すなわち、予熱ゾーン126には、例えば300 秒程度の所定時間毎に基板62が順次搬入される。このように順次搬入された基板62は、回転駆動されているローラ166に支持された状態で予熱ゾーン126をその終端まで搬送される過程で、例えば1100秒程度の時間で例えば500(℃) 程度の所定の最高焼成温度MTまで昇温させられる。図8図9のt3 時点はこの状態を示す。本実施例においては、この最高焼成温度MTまで昇温させられる工程が昇温工程(或いは予熱工程)に対応する。

0042

続く加熱ゾーン128においては、基板62が最高焼成温度MTに保持された状態で第1搬送装置118によって予熱ゾーン126から連続して搬送される。但し、加熱ゾーン128内での搬送速度は、当初は予熱ゾーン126と同様に第1の搬送速度とされるが、基板62が駆動区分129bに完全に入ると、モータ150が駆動されることによって第2の搬送速度に高められる。このとき、加熱ゾーン128と徐冷ゾーン130との間に設けられているシャッタ装置S1 が開けられると共に、加熱室R1 内のローラ166を駆動する第2搬送装置120aが所定の第2の搬送速度(すなわち駆動区分129bと同様な搬送速度)で駆動される。そのため、基板62は加熱ゾーン128から徐冷ゾーン130の加熱室R1 すなわち第1の均熱温度KT1 に保持されている加熱室R1 内に速やかに搬送される。t4 時点はこの状態を示している。本実施例においては、最高焼成温度MTに達してから加熱室R1 内に搬入されるまで、すなわち加熱ゾーン128内を搬送されつつ加熱される工程が加熱工程に対応し、その加熱時間(所謂キープ時間)は例えば400 秒程度である。このようにして徐冷ゾーン130に搬入された基板62は、各加熱室R内で予め設定されている所定温度(すなわち第1乃至第6の均熱温度)KT1 、KT2 、〜KT6 で所定時間保持されて均熱され、続く加熱室Rに速やかに搬送される過程を繰り返しつつ、図9に示される階段状の降温カーブに従って徐冷される。なお、第1の均熱温度KT1 は最高焼成温度MTよりも数 (℃) 乃至十数 (℃) 程度の所定値ΔKTだけ低い温度であり、第2の均熱温度KT2 、第3の均熱温度KT3 、〜第6の均熱温度KT6 は、それぞれ更に所定値ΔKTずつ低くされた温度である。

0043

因に、図9に示される昇温カーブの例えば500(℃) 程度以上の最高焼成温度MTに続く所定の冷却期間における冷却条件は、膜形成素材を含む基板62の熱処理の上で重要な要素である。たとえば、VFD(螢光表示管)やPDPプラズマディスプレーパネル)、PALC(プラズマアドレスド液晶表示装置)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)に用いるとき、基板62がソーダライムガラスに代表される低歪点のガラス製である場合には、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因してその寸法の局所的変化を発生させることから、多層厚膜印刷の位置合わせを困難としたり、あるいはフロントプレートリヤプレートとの厚膜印刷面を組合わせることにより多数のセルを形成するPDPやFEDに用いるときに両者のずれによってセルを構成できない部分を生じるので、たとえば40インチというような大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。図10は、搬送方向前端側の冷却速度が搬送方向後端側の冷却速度よりも高い従来の焼成法における基板62の寸法(実線)を焼成前の寸法(一点鎖線)に比較して示している。また、基板62上に多数個の厚膜印刷抵抗体や厚膜ボンディングパッドなどが設けられる場合には、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因して、機能を有する厚膜層結合材として含まれるガラス成分の溶融、軟化の程度によって、また、厚膜に含まれる金属、無機材料粒子の溶融、焼結の程度によって抵抗値やボンディング適性が左右されることから、印刷抵抗体の抵抗値やボンディング適性のばらつきによって基板62が大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。さらに、厚膜印刷による誘電体層の積層によって基板62に所定高さのリブ壁を形成する場合でも、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因して厚膜に含まれるガラス成分の溶融、軟化の程度によって焼成収縮率すなわち厚膜の膜厚や幅寸法が左右されることから、基板62が大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させる。

0044

図11は、前記演算制御回路72の作動の要部であって、徐冷ゾーン130における基板62の搬送制御等を説明するフローチャートである。徐冷ゾーン130すなわち加熱室R内に搬入された基板62は、各加熱室R毎にこのフローチャートに従って均熱処理されつつ搬送される。先ず、ステップS1においては、後方側駆動区分において基板62の搬出準備が完了したか否かが判断される。なお、「後方側駆動区分」とは、各々の加熱室Rに対して加熱ゾーン128側(上流側)に隣接する駆動区分を意味し、例えば加熱室R1 に対応する駆動区分131aに対しては加熱ゾーン128内の駆動区分129bが、加熱室R2 に対応する駆動区分131bに対しては駆動区分131aがそれに相当する。したがって、上記の後方側駆動区分の搬出準備は、例えば、加熱室R1 においては、前述のように駆動区分129b内に基板62が完全に入ったことをもって完了し、加熱室R2 においては、加熱室R1 内で所定時間の均熱処理すなわち第1の均熱工程が終了したことをもって完了する。

0045

上記ステップS1の判断が肯定されると、ステップS2、S3では後方側シャッタ装置Sが開かれる。上記の「後方側」の定義から明らかなように、例えば、加熱室R1 においてはシャッタ装置S1 がこの後方側シャッタ装置Sに相当し、加熱室R2 においてはシャッタ装置S2 がこれに相当する。図8の要部を拡大した図12に示されるようにt5 時点がこの状態を示している。そして、後方側シャッタ装置Sが開かれると、搬入工程に対応するステップS4において加熱室R内のモータ158が後方側駆動区分と同期して搬送駆動されることにより、基板62がその加熱室R内に搬入される。例えば加熱室R1 においては、モータ150が駆動されることによって駆動区分129bの搬送速度が第2の搬送速度に高められると共に、その加熱室R1 に対応する第2搬送装置120aの搬送速度が第2の搬送速度すなわち駆動区分129bと同様な搬送速度となるようにモータ158aが正転駆動される。また、加熱室R2 においては、第2搬送装置120a、120bのモータ158a、158bが共に第2の搬送速度が得られるように正転駆動される。これにより、基板62が搬出および搬入される加熱室R等に対応する2つの駆動区分が同様な搬送速度とされて、基板62とローラ166とが何ら摺動させられることなく、加熱室R内にその基板62が速やかに搬入される。

0046

上記のようにして基板62が加熱室R内に搬入されると、ステップS5において基板搬入完了と判断されて、ステップS6において上記2つの駆動区分のモータが停止させられる。例えば加熱室R1 に基板62が搬入された場合には、モータ158aが停止させられてその加熱室R1 内で基板62が停止させられる一方、モータ150が停止させられることにより、加熱ゾーン128の駆動区分129bの搬送速度が第1の搬送速度に復帰させられる。そして、ステップS7、S8において開かれていた後方側シャッタSが閉じられ、ステップS9において制御装置168内に備えられている図示しないタイマリセットされ、作動させられる。図12のt6 時点はこの状態を示している。なお、後方側シャッタ装置Sが開けられてから閉じられるまでの時間、すなわち基板62の搬送に必要な時間は、例えば30秒程度である。これにより、加熱室Rが隣接する加熱室R等から分離されて密閉空間とされる。そのため、隣接する加熱室R等からの熱的な影響が遮断されて、加熱室R内に搬入された基板62は、その加熱室Rに予め設定されている所定の均熱温度KTn (n=1〜6)で均熱される。

0047

この均熱処理の過程においては、ステップS10において、基板62が搬入された加熱室Rに対応する駆動区分131の第2搬送装置120のモータ158が反転駆動される。これにより、加熱室R内のローラ166が同期的且つ周期的に反転駆動されて、図13破線移動ストロークが示されるように、基板62は加熱室R内においてLで示される範囲を所定の第3の搬送速度で面に沿った搬送方向前後に往復移動させられる。したがって、本実施例においては、複数の第2搬送装置120(往復移動装置)およびそれぞれに備えられているモータ158を反転駆動する制御装置168(往復移動制御装置)によって往復移動装置が構成されている。この往復移動は、後のステップにおいて基板62の搬出が開始されるまで継続される。すなわち、本実施例においては、均熱工程の実施中の全期間に亘って往復移動工程が実施される。そのため、各加熱室R内での均熱処理工程中において、ヒータHと基板62との相対位置が変化させられることによって加熱効果が分散させられ、或いは、基板62の各部の温度が表面近傍雰囲気を介した相互干渉によって一層均一化させられて、ヒータHから与えられる熱量や各部位の熱容量の差異等に基づく温度ばらつきが抑制される。しかも、上記の往復移動ストロークr(=2×r/2)は、ローラ166の直径dよりも大きくされている。そのため、基板62の特定部分定常的にローラ166上に位置させられないことから、基板62とローラ166との間の熱伝導に起因する熱的な不均衡や、基板62裏面のうちローラ166の陰になる部分がそのローラ166の下側に備えられているヒータHによって加熱されないことに起因する熱的な不均衡が生じることが抑制される。したがって、均熱処理工程において基板62内の温度分布が一層均一になる。

0048

ステップS10に続くステップS11においては、ステップS9でタイマが作動させられてから所定時間が経過したか否かが判断される。この所定時間は基板62の全面が加熱室R毎に設定された温度で確実に均熱されるために必要な時間であって、例えば180 秒程度の時間である。当初はステップS11の判断が否定されるので、モータ158の反転駆動が継続されるが、その判断が肯定されると、ステップS12、S13に進んで前方側シャッタ装置Sが開けられる。なお、前方側シャッタ装置Sは、各加熱室Rにおいて冷却ゾーン132側に位置するシャッタ装置Sである。図12のt7 時点はこの状態を示している。

0049

そして、ステップS13において前方側シャッタ装置Sが開けられたと判断されると、搬出工程に対応するステップS14に進んで前方側駆動区分と同期して第2搬送装置120のモータ158が搬送駆動される。この「前方側駆動区分」は、前記の後方側駆動区分と反対に、各々の加熱室Rに対して冷却ゾーン132側(下流側)に隣接する駆動区分を意味し、例えば加熱室R1 に対応する駆動区分131aに対しては加熱室R2 に対応する駆動区分131bが、駆動区分131bに対しては加熱室R3 に対応する駆動区分131cが、更に、加熱室R6 に対応する駆動区分131fに対しては冷却ゾーン132の駆動区分133aがそれに相当する。これにより、基板62が第2の搬送速度で次の加熱室Rに搬送される。そして、基板62の搬出が完了するとステップS15の判断が肯定されてステップS16に進んで、各加熱室Rに対応する駆動区分131のモータ158が前方側駆動区分のモータと共に停止させられ、更に、ステップS17、18において前方側シャッタ装置Sが閉じられる。図12のt8 時点はこの状態を示している。なお、基板62の搬出に要する時間すなわち前方側シャッタ装置Sが開けられてから再び閉じられるまでの時間は、搬入時と同様に例えば30秒程度である。

0050

ステップS18に続くステップS19においては、制御装置168内に備えられている図示しないタイマがリセットされ、作動させられる。そして、気体供給工程に対応するステップS20において、加熱室R内に基板62が存在しない状態で、電磁弁208が開けられることにより、その加熱室R内に後方側(搬送方向上流側)からその設定温度KTよりも低い温度の気体である冷却用空気が前記給気管180によって供給され、前方側から排気管182によって排出される。この給排気は、例えば数秒乃至十数秒程度の所定時間継続される。これにより、基板62が搬出されて空になった加熱室R内の温度が設定温度よりも低下する傾向にされてヒータHの出力すなわち温度制御量が高められる。そのため、時刻t9 においてステップS21で所定時間経過したことが判断されて、ステップS22で給排気が停止させられた後は、一旦低下傾向とされた加熱室R内の温度が、フィードバック制御により良好な均熱状態を保ちつつ再び所定の設定温度で制御される。そして、ステップS1に戻って、そのフィードバック制御が実施され或いは所定の設定温度に維持されている状態で、後方側駆動区分からの基板62の搬出準備完了まで待機させられる。図12のt10時点は、その待機が終了すなわち一連のステップが一旦終了した後、更にステップS1の判断が肯定された状態を示している。すなわち、本実施例においては、加熱室Rからの基板62の搬出とその加熱室Rへの基板62の搬入とが時間差を設けて行われるため、加熱室Rは1枚の基板62を熱処理する毎に一旦空室状態にされることとなる。このため、基板62が搬出されてから時刻t10において後方側シャッタ装置Sが開けられるまでの間、加熱室R内が空室となった状態、すなわち基板62が初めて搬入される前と同様な条件下で、ヒータHが所定の出力値に保たれた温度制御状態が実現されることとなり、そのような空室状態で温度制御が開始された一定の温度制御状態下で次の基板62が加熱室R内に搬入される。したがって、本実施例においては、給排気が停止されるステップS22乃至続くサイクルのステップS1が、一旦低下傾向とされた加熱室R内の温度を所定の設定温度KTと一致するように制御する温度制御工程に対応するが、実際には、その温度制御は基板62が間歇的に搬送されつつ熱処理される間定常的に実施されている。また、前方側シャッタ装置Sが閉じられてから後方側シャッタ装置Sが開けられるまでの時間(t8 〜t10)が、加熱室R内の温度制御状態を安定させる安定期間に対応し、その時間は例えば30秒程度である。すなわち、温度制御が安定した状態で次の基板62を速やかに送り込むため、安定期間は均熱期間よりも十分に短くされていることから、図8および図12に示されるように、各加熱室Rにおける熱処理サイクルは相互に時間的にずれて実行される。また、後方側シャッタ装置Sが開けられてから再びその後方側シャッタ装置Sが開けられるまでの間が各加熱室Rの1サイクルであり、この時間は予熱ゾーン126への基板62の搬入間隔(t0 〜t1 、t1 〜t2 )に等しい長さ、すなわち300 秒程度である。

0051

因みに、加熱室R内で均熱処理された基板62がその加熱室Rから搬出されると、シャッタ装置Sの開閉に伴って加熱室R内の温度分布が僅かに乱れることが予想される。このため、そのまま次の基板62を加熱室R内に搬入すると、その温度分布が僅かに乱れた状態で熱処理が開始されることとなるが、このような僅かな温度分布の乱れをフィードバック制御によって除去することは困難である。したがって、基板62は、加熱室R内の温度分布が乱れた状態が維持されたまま熱処理されて、基板62内に温度ばらつきが生じた状態で徐冷工程が施されることとなり得る。また、加熱室Rは基板62の均熱処理中に所定の設定温度で室内が均熱されていると共に、その加熱室R内に搬入される基板62は、それまでその加熱室Rの設定温度よりも高温で保持されていることから、均熱処理した基板62を搬出した後、直ちに次の基板62を搬入することを繰り返すと、基板62の持ち込む熱が蓄積されて、加熱室R内のヒータHの出力が次第に低下することが予想される。そのため、加熱室R内の温度制御が不安定となり、或いはヒータHが全てオフとなって基板62が自然放冷される状態が長時間に亘ることとなり得ることから、基板62内の部位毎の熱放散し易さの相違に基づく温度ばらつきが生じ易くなると共に、各加熱室R内での均熱処理時間を長時間必要とすることとなる。したがって、これらの不都合を抑制するため、上述のように基板62の搬出後に加熱室R内に冷却用空気を供給してその温度を一旦低下傾向にさせることにより、空室における温度制御状態で次の基板62を搬入させるのである。これによって、順次搬送される複数の基板62は、常に同一の温度制御状態が実現された加熱室R内に搬入されることとなる。

0052

このようにして各加熱室Rで相互に△KTずつ異なる第1均熱温度KT1 、第2均熱温度KT2 、〜第6均熱温度KT6 で順次均熱処理されつつ搬送されることにより、基板62は、図9の徐冷工程に示される温度カーブに従って段階的に降温させられる。したがって、本実施例においては、各加熱室R内で順次均熱処理する工程が均熱工程に相当し、基板62の歪に密接に関連する冷却工程の当初の所定期間、すなわちその基板62に含まれるガラス素材の歪或いは溶融状態を均一にするために大きく影響する所定期間では、基板62が所定値△KTだけ順次低く設定されている加熱室R1 、R2 、〜R6 に順に搬入されてその中で均熱される。そして、加熱室R6 内での均熱処理が終了すると、その加熱室R6 においてステップS12以下が実行されることにより、基板62が冷却ゾーン132に搬出される。すなわち、ステップS12、S13において前方側シャッタ装置Sに相当するシャッタ装置S7 が開けられると、ステップS14においてモータ158fが正転駆動されると共にモータ164が駆動されることにより、第2搬送装置120fすなわち駆動区分131fと第3搬送装置122の駆動区分133aとが同期して駆動され、基板62が加熱室R6 から搬出されて冷却ゾーン132内に搬入されるのである。図8および図9のt14時点はこの状態を示している。その後、第3搬送装置122のモータ164が停止させられて基板62が冷却ゾーン132内を第1の搬送速度で搬送されてその右端部から搬出され、その過程で図9に示されるように昇温速度と略同様な降温速度で急速に冷却される。図8のt15時点はこの状態を示している。この冷却過程に要する時間は、例えば700 秒程度であり、基板62が予熱ゾーン126に搬入されてから冷却が終了するまでの時間(t0 〜t15)は、例えば3500秒程度(1時間程度)である。なお、前述のように、基板62は例えば300 秒程度の所定の時間間隔で予熱ゾーン126に順次搬入されていることから、図8から明らかなように、搬入時と等しい300 秒程度の所定時間間隔で順次冷却ゾーン132から搬出されていくこととなる。

0053

上述のように、本実施例によれば、膜形成素材を含む複数の基板62は、熱処理の冷却過程において、均熱工程において前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度KT1 、KT2 、〜KT6 でそれぞれ所定時間(t4 〜t5 )均熱された後、搬出工程において加熱室Rから低い設定温度の加熱室Rへ順次送り出されるが、気体供給工程においてそれら複数の基板62のうちの所定の基板62が送り出された所定の加熱室R内にその設定温度KTよりも低い温度の気体(冷却用空気)が供給され、その後、搬入工程において上記所定の基板62に続く他の基板62がその所定の加熱室R内に送り込まれる。このように、一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度KTにそれぞれ維持された加熱室R内で均熱を繰り返しながら熱処理の冷却過程が行われることから、膜形成素材を含む基板62内の温度のばらつきが可及的に小さくされる。このとき、基板62が送り出された加熱室Rには、室内に基板62が存在しない状態で設定温度KTよりも低温の冷却用空気が供給されるため、その加熱室Rに設けられているヒータHの出力が基板62の均熱中よりも高められた状態で安定させられ、その後、次の基板62が送り込まれる。これにより、各々の加熱室R内では一定の空室での温度制御状態下で複数の基板62の各々の熱処理が開始されるため、加熱室R毎の設定温度よりも高温の複数の基板62を順次熱処理することによって温度制御が不安定になることが抑制されて、加熱室R内に送り込まれた基板62が放冷状態となる時間が十分に短くされ、基板62内の温度のばらつきが一層小さくされる。そのため、基板62がガラス製である場合にあっては、基板62内の寸法の局部的変化やそれに起因する厚膜印刷等の位置ずれが防止されて製造歩留まりが飛躍的に高められる。特に、基板62がソーダライムガラスである場合には、その歪点以上の温度まで昇温させられることから、その効果が顕著となる。また、上記のように膜形成素材を含む基板62内の温度のばらつきが可及的に小さくされることから、基板62の表面に多数の厚膜抵抗体リブ状壁が設けられる場合にあっては、それら厚膜印刷層内で結合材として機能するガラスの溶解の程度が一様となって、それら厚膜抵抗体の抵抗値のばらつきやリブ状壁の高さのばらつきが好適に小さくされる。

0054

また、本実施例によれば、大型の電子デバイス用基板を製造するにあたり、基板62として安価なソーダライムガラスを用いることが可能となることから、高歪点のガラス板を用いる場合に比較して、大幅に安価となると同時に、硬度差による取扱時のガラスの欠け、焼成時の厚膜層との熱膨張率差からくるガラスの割れが発生し難い利点がある。

0055

また、本実施例によれば、熱処理を終えた基板62が所定の加熱室Rから送り出された後に、その所定の加熱室R内が空室の状態で前記室毎の設定温度KTに維持されるようにヒータHの出力が高められて、基板62の熱処理が開始される当初の状態に制御され、その後、前記他の基板62が送り込まれることから、後に処理される基板62に対する先に処理された基板62による熱的な影響が抑制される。そのため、寸法や熱容量等の異なる基板62が連続して処理される場合や、基板62が断続的に搬送されて熱処理される場合にも、搬送条件を考慮することなく熱処理することが可能であることから、焼成装置116の制御が容易となる。

0056

また、本実施例によれば、膜形成素材を含む基板62が第2搬送装置120によって間歇的に一方向に搬送される過程で、複数の加熱室Rにおいて熱処理が施されることから、膜形成素材を含む基板62が連続的に搬送されることにより連続的なヒートカーブが形成される従来の焼成装置によって膜形成素材を含む基板62内の温度差を極めて小さくしようとする場合に比較して、全長が短縮されて装置が小型となる。

0057

また、本実施例によれば、加熱室R内に給気管184によって冷却用空気を供給することによりその加熱室R内の温度が低下させられる。そのため、供給される冷却用空気によって加熱室R内の温度が速やかに低下させられることから、加熱室Rを自然放冷する場合に比較して冷却に必要な時間を短くできるため、基板62の処理効率が高められる。すなわち、加熱室R内にその設定温度KTよりも低い温度の気体を供給する気体供給工程は、自然放冷、すなわち単に排気管182から加熱室R内の高温の空気を排出することにより、その排出の際の熱の対流に伴って低温の気体が供給されるものでもよいが、実施例のように積極的に冷却用空気を供給すれば、自然放冷の場合よりも処理効率が高められるのである。

0058

また、本実施例においては、気体供給工程において加熱室R内のヒータHの出力すなわち温度制御量が高められた後、速やかに他の基板62がその加熱室R内に送り込まれる。そのため、気体供給工程を実施するために加熱室R内が空室とされる時間が可及的に短くなるため、基板62の処理効率が一層高められる。なお、基板62の均熱処理中に気体供給工程を実施すると、その気体の流れによって却って温度ばらつきが生じることから、基板62が送り出されて空室となった状態で冷却用空気を供給することが望ましいのである。

0059

また、本実施例によれば、第1搬送装置118、第2搬送装置120、第3搬送装置122から構成される搬送装置は、トンネル状の炉体124内において長手方向と軸心方向が垂直を成すように相互に平行に設けられて基板62を支持し、その基板62を一方向へ搬送するためにその軸心回りにそれぞれ回転駆動される複数本のローラ166を、更に含むものである。このようにすれば、基板62は、軸心回りに回転駆動される複数本のローラ166によって支持され且つ一方向へ搬送されるが、このようにローラ166で搬送する場合には搬送装置を加熱室R毎に制御することにより、前述のように送り出しおよび送り込みが独立に行われるため、送り出しおよび送り込みを全加熱室Rで同時に行う場合に比較して加熱室R内で基板62の熱処理が行われていない時間を可及的に短くできて、基板62の処理効率が高められる。しかも、メッシュベルト等によって搬送する場合に比較して、塵埃の発生原因となるベルトの摺動がないことから炉体124内の清浄度が高められて、基板62を均一に熱処理する過程において形成される膜の機能が発生した塵埃によって損なわれることが抑制される。

0060

また、本実施例においては、給気装置を構成する給気管180は、複数の加熱室Rの各々において基板62の搬送方向上流側端部に設けられている。そのため、冷却用空気が高温側である搬送方向上流側端部から低温側である搬送方向下流側に向かって流されることから、加熱室R内での温度勾配の発生が一層抑制されて、基板62内の温度のばらつきが一層抑制される。

0061

また、本実施例においては、搬送装置に設けられた複数本のローラ166はアルミナセラミックスから成るものである。そのため、基板62と接触させられるローラ166がセラミックスから構成されることから、炉体124内でローラ166が加熱されることによって変質させられ或いは錆びさせられて塵埃等を発生させることが抑制されるため、炉体124内の清浄度が一層高められる。

0062

以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施される。

0063

例えば、前述の実施例においては、1枚の基板62を均熱処理する毎に加熱室Rを一旦空室状態にするために、加熱室Rからの基板62の搬出および搬入が時間差を設けて行われていたが、例えば、基板62が加熱室Rの一室置きに収容されるように搬送する場合には、各加熱室Rにおける搬出および搬入は同時に行われてもよい。その場合には、第2搬送装置120は、第1搬送装置118や第3搬送装置122と同様にラインシャフト138およびマイタギア140で連結して1つのモータで駆動するようにしても差し支えない。

0064

また、実施例においては、加熱室冷却工程において加熱室R内に冷却用空気が供給されていたが、自然放冷しても十分に短時間でヒータHの出力が高められる場合には、冷却用空気の供給は行われなくともよい。

0065

また、実施例においては、加熱室R内での均熱処理中に基板62が搬送方向に往復移動させられていたが、加熱室R内は十分に均熱性が高められていることから、この往復移動は必ずしも実施されなくともよい。

0066

また、実施例においては、第1搬送装置118および第3搬送装置122は、モータ134或いは162の回転をラインシャフト138およびマイタギア140で伝達すると共に、搬送速度を第2搬送装置120に一致させることが望まれる駆動区分129bおよび133aにモータ150或いは164およびワンウェイカップリング148等を備えて、それら駆動区分129bおよび133aの搬送速度が変化させられるように構成されていたが、例えば、それら駆動区分129bおよび133aを第2搬送装置120と同様にそれぞれ回転速度可変のモータを備えて独立に駆動してもよい。また、第1搬送装置118および第3搬送装置122の各駆動区分も全て独立に駆動するようにしても差し支えない。

0067

また、実施例において開閉作動させられていたシャッタ装置Sは、ローラ166の上面から基板62の厚みより僅かに大きい距離だけ隔てた位置固定の部材であってもよい。要するに、各加熱室間が独立して温度制御を行うことを可能とするものであればよい。

0068

また、前述の実施例では、基板62を構成するガラス或いはその上に印刷された厚膜に含まれるガラスの転移点或いは歪点を基板62内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、また、基板62に含まれる膜形成材料が金属或いは無機材料の溶融、焼結により固着される場合には、その膜形成材料の溶融点或いは焼結点を基板62内が均一な温度状態を保ちつつ通過するように、前記第1の設定温度KT1 或いは第2の設定温度KT2 は、上記基板62に含まれるガラス素材の転移点或いは歪点の近傍の値に設定され、或いは上記基板62上の膜形成材料に含まれる金属或いは無機材料の溶融点或いは焼結点の近傍の値に設定される。

0069

また、実施例において、炉体124、シャッタ装置Sがβ−スポジュメン質結晶化ガラスから構成され、ローラ166はアルミナセラミックスから構成されていたがこれらは他のセラミックスから構成されてもよい。例えば、炉体124等はアルミナセラミックスやムライト等から構成されてもよく、ローラ166はムライトやスポジュメン等から構成されてもよい。また、実施例の連続型焼成装置116のように、ローラ166を用いたローラハースキルンにおいては、摺動部分を炉体124内に設ける必要がないことから、各部の素材耐熱性の高い例えばSUS310等の金属から構成してもよい。

0070

その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

図面の簡単な説明

0071

図1本発明の一実施例の連続型焼成装置の全体構成を説明する図である。
図2図1の実施例の炉体の長手方向に沿った断面を一部省略して示す図である。
図3(a) 〜(e) は、図2におけるa−a乃至e−e視断面にそれぞれ相当する図である。
図4図1の実施例の搬送装置を説明する図である。
図5図1の実施例の複数のヒータ配置を説明する図である。
図6(a) 、(b) は図1の実施例の給気管および排気管をそれぞれ示す図である。
図7図1の実施例の制御回路を説明するブロック線図である。
図8図1の実施例の基板の搬送位置を示すタイムチャートである。
図9図1の実施例の各ゾーンの設定温度すなわち基板の焼成温度曲線を示す図である。
図10従来の焼成装置における基板の局所的な寸法変形を説明する図である。
図11図1の実施例の演算制御回路の作動を説明するフローチャートである。
図12図8のタイムチャートの要部を詳しく説明する図である。
図13図1の実施例において加熱室内での均熱処理中の基板の往復移動を説明する図である。

--

0072

116:連続型焼成装置
{118:第1搬送装置、120:第2搬送装置、122:第3搬送装置}(搬送装置)
H:ヒータ
R1 、R2 、〜R6 :複数の加熱室
166:ローラ
168:制御装置(温度制御装置、給気制御装置){180:給気管、184:給気用配管、185:送気管、208:電磁弁}(給気装置)

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